JP2000128579A - 光触媒ガラスの製造方法 - Google Patents

光触媒ガラスの製造方法

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JP2000128579A
JP2000128579A JP10297972A JP29797298A JP2000128579A JP 2000128579 A JP2000128579 A JP 2000128579A JP 10297972 A JP10297972 A JP 10297972A JP 29797298 A JP29797298 A JP 29797298A JP 2000128579 A JP2000128579 A JP 2000128579A
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glass
photocatalytic
film
oxide
hours
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Seiji Yamazaki
誠司 山崎
Hideki Yamamoto
秀樹 山本
Yoshihiro Nishida
佳弘 西田
Keiji Honjo
啓司 本城
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Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フロートガラス基板に直接、高品質且つ高耐久
性を有する光触媒膜を形成することが可能な光触媒ガラ
スの製造方法に関する。 【解決手段】フロートガラス基板のトップ面に直接、有
機チタン化合物を含む溶液を塗布したのち、70〜28
0℃の昇温速度で焼成温度まで昇温し焼成するに際し、
ガラス中に含まれるナトリウムイオンの熱拡散温度以上
での加熱時間を1〜4分間とするように制御して焼成す
ることにより、該ガラス基板表面に光触媒機能を有する
酸化物被膜を形成する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築用、自動車用
等の窓ガラス、さらには鏡等の各種の分野のガラス物品
において用いられる光触媒機能を有する光触媒ガラスの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、防汚・消臭・抗菌・親水等のため
にガラスの表面に光触媒機能を有する被膜を形成するこ
とが行われている。例えば、特開平5ー253544号
公報に記載のアナターゼ型TiO2を主体とする光触媒微
粉末をその一部がバインダ層表面から露出するようにし
た板状部材、特開平7−232080号公報に記載の光
触媒微粒子がTiO2、ZnO、SrTiO2、Fe23、W
3、FeTiO2、Bi23、SnO2等であり、光触媒粒
子の間隙充填粒子がSn、Ti、Ag、Cu、Zn、Fe、P
t、Co、Niの金属または酸化物である光触媒機能を有
する多機能材、特開平9−59042号公報記載の光触
媒性の平均結晶粒子径が約0.1μm以下のTiO2の粒子
を含有する防曇性被膜で覆われた透明基材等が知られて
いる。
【0003】また従来、ガラス表面に各種の機能性膜を
被覆するに際し、ガラスから機能性膜へのナトリウムイ
オンの拡散を防止するために、該機能性膜の下層にアン
ダーコート膜を形成する事が知られている。例えば、特
開平4−18237号公報記載のZnOを含有した紫外
線吸収膜の下層にSiO2を主成分とする金属酸化物被膜
を設けた表面処理ガラス、特開平7−315880号公
報記載のガラス板表面にSiO2を主成分とする薄膜、T
iO2を主成分とする薄膜、SnO2を主成分とする薄膜を
順次被覆させた透明導電膜付きガラス板、特開平8−1
90088号公報記載のガラス基板からのアルカリ金属
イオンの拡散を防止する金属酸化物の障壁層と該障壁層
の上層の金属含有被覆からなるガラス物品等が知られて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 上
記従来の光触媒膜をガラス上に形成した光触媒ガラスに
おいては、該光触媒膜をガラス表面に直接被覆する場合
には、高温で処理するとガラス中に含まれるナトリウム
イオンが該光触媒膜中に拡散し、光触媒膜のTiO2の酸
化作用を促進する電子を中和してしまい、上述の光触媒
機能が損なわれてしまう欠点があった。
【0005】また、前記ナトリウムイオンが光触媒膜に
拡散するのを防止するために、光触媒膜の下層に下地層
としてのSiO2等の膜を被覆した場合には光触媒膜と下
地層との密着性を向上させることが難しく、耐久性評価
試験で光触媒膜が剥離してしまう等の欠点が生じた。
【0006】さらにまた、従来の方法のように下地層を
設けることは、工程が煩雑となるばかりでなく、コスト
アップの要因となり、好ましいものではなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、フロートガラ
ス基板上に直接酸化チタンを主成分とする光触媒膜を形
成出来ないか種々検討した結果、有機チタン化合物を主
成分として含む薬液をフロートガラスのトップ面に直接
塗布後、ガラス中に含有されるナトリウムイオンの拡散
温度以上の温度での加熱時間と、焼成温度に到達するま
での昇温速度を制御することにより、下地層を形成しな
くても高品質且つ高耐久性を有する光触媒膜を形成出来
ることが判明した。
【0008】本発明のガラスは、従来のように二層の膜
構成にする必要がないために製造工程が単純であるとと
もに下地層と光触媒層との密着性の問題もなく、さらに
薄膜の屈折率、膜厚を規定することで、刺激純度が小さ
く、且つ色はニュートラル色に近く、反射率が小さい光
触媒ガラスを得ることができる。
【0009】すなわち、本発明は、フロートガラス基板
のトップ面に直接、有機チタン化合物を含む溶液を塗布
したのち、70〜 280℃/分の昇温速度で焼成温度
まで昇温して焼成するに際し、ガラス中に含まれるナト
リウムイオンの熱拡散温度以上での加熱時間を1〜4分
間となるように制御して焼成することにより、該ガラス
基板表面に光触媒機能を有する酸化物被膜を形成するこ
とを特徴とする光触媒ガラスの製造方法に関する。
【0010】また、本発明の酸化物被膜は、光触媒機能
を有するチタニアが45〜90重量%、マトリックス形
成用酸化物が5〜30重量%、酸化物超微粒子が5〜2
5重量%からなることが好ましい。
【0011】さらに、本発明の酸化物被膜は、酸化物超
微粒子をマトリックス形成用酸化物に均一に分散させた
多孔質酸化物とすることが、表面積が大きくなりより光
触媒性能が発揮されるので好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるフロートガラ
ス基板は、汎用の板ガラスを製造する際のフロート法と
一般に呼ばれている方法で製造される。この方法は、溶
融・清澄の終わった溶融ガラスをティンバスと呼ばれる
溶融錫が収容された室に導き、該溶融ガラスを該溶融錫
上に水平に浮遊させ製板することにより、冷却されたガ
ラスはその両表面が非常に平坦となる。該ガラスは、溶
融錫と接触する表面(以下、ボトム面と呼ぶ)と溶融錫
と接触しない面(以下、トップ面と呼ぶ)の二面が形成
される。本発明は、フロートガラス基板のトップ面に光
触媒機能を有する被膜を直接被覆させるが、トップ面に
被覆した方がボトム面に被覆する場合に比較して高性能
の光触媒機能性等が得られる。その理由は明白ではない
が、トップ面はボトム面に比較してガラス表面に付着さ
れた酸化スズの量が極めて少なく、この酸化錫の付着量
の差がフロートガラスのトップ面に被覆した方が光触媒
性能(例えば、親水性能)がより良好になる原因と考え
られる。
【0013】本発明の光触媒性能を有する酸化物被膜
は、酸化チタンを主成分とする膜からなり、その酸化チ
タンの主な原料としては、金属アルコキド類である。そ
の具体例としてはテトライソプロポキシチタン、テトラ
ノルマルブトキシチタン、トリイソプロポキシチタンモ
ノアセチルアセトナ−ト等が使用できる。TiO2前駆体
としては、前記Tiアルコキシド類に安定化剤を加えた
溶液やTiのアセチルアセトナート類に水を加えて加水
分解したTiO2ゾル、或いはTiアセチルアセトナート
類、TiCl4、Ti(SO4)2等を各種溶媒に溶解させた溶
液等である。
【0014】また、TiO2を含有する混合ゾルは、前記
TiO2前駆体をTiO2以外のSiO2、Al23、P
25、B23、ZrO2、SnO2、Ta25等の金属酸化
物の内の少なくとも1種と混合したもの、或いは予めT
iO2の結晶性又は非晶質性のTiO2微粒子を前記金属酸
化物ゾルに分散剤等を用いて分散させたTiO2混合ゾル
等である。
【0015】光触媒性能を有する酸化物被膜中の酸化チ
タンの含有量は10〜100重量%の範囲で含有できる
が、特に45〜90重量%の範囲とすることが光触媒機
能及び耐久性等の点より好ましい。
【0016】光触媒機能を有するTiO2以外の酸化物と
しては、マトリックス形成用酸化物としてのSiO2、A
l23、P25、B23、ZrO2、SnO2、Ta25等、
或いは酸化物超微粒子を添加することができ、特にマト
リックス形成用酸化物としてのSiO2は、膜強度を向上
させる成分として有効であり、酸化チタンが45〜90
重量%、シリカ等のマトリックス形成用酸化物が5〜3
0重量%、酸化物超微粒子が5〜25重量%のものは特
に好ましい。
【0017】例えばマトリックス形成用SiO2の主な原
料としては、前記金属アルコキド類であるが、具体例と
しては、Siアルコキシド類が、テトラエトキシシラ
ン、テトラメトキシシラン、モノメチルトリエトキシシ
ラン、モノメチルトリメトキシシラン、ジメチルジメト
キシシラン、ジメチルジエトキシシラン、その他のテト
ラアルコキシシラン化合物、その他のアルキルアルコキ
シシラン化合物等が使用でき、その他の酸化物も上記の
シリカの原料と同様なものを用いることが出来る。
【0018】酸化物超微粒子としては、結晶性のシリカ
又は無定型、ガラス状の何れかであってもよいが、Ti
2、Al23の超微粒子なども使われる。特に親水性
機能を重視する被膜の場合には、保水性の大きなSiO
2、Al23の超微粒子が特に好ましい。
【0019】また、希釈溶媒としては、具体例として
は、メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−
ル、エチレングリコ−ル、ヘキシレングリコ−ル、など
のアルコール系溶媒が好ましく、さらには酢酸エチル、
酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル類、さらにはメ
チルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ
などのセロソルブ類及びこれらを混合した溶媒、さらに
は増粘剤としてポリエチレングリコ−ル(平均分子量2
00)、ポリプロピレングリコ−ル(平均分子量40
0)等を加えても良いし、レベリング剤としてジメチル
シリコーンなどのメチルシリコーン類やフッ素系レベリ
ング剤を適量加えても良い。本来溶液中に含まれるアル
コ−ル系やセロソルブ系のもの単独または混合物を、該
溶液の蒸発速度や粘度を勘案して選択すればよい。な
お、上記溶媒に可溶な、例えばアルコール系溶媒の場合
に、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、
ポリエチレングリコール等のアルコールに可溶な有機高
分子を添加すると、形成された被膜は多孔質となり、表
面積が極めて増大して光触媒性能が向上するので、特に
好ましい。
【0020】塗布法としては、特に限定されるものでは
ないが、生産性などの面からは例えばスピンコート法あ
るいはディップコ−ト法、またリバ−スコ−ト法、フレ
キソ印刷法、その他のロールコート法であり、さらには
ノズルコ−ト法、スプレーコ−ト法、スクリーン印刷法
などが適宜採用し得るものである。これら塗布法で塗布
成膜する際の塗布液中の固形分濃度としては約1〜30
重量%程度で、塗布液粘度としては1〜100ポイズ程
度が好ましい。
【0021】またさらに、塗布後の乾燥処理としては、
乾燥温度が常温〜300℃程度で乾燥時間が0.5 〜6
0分間程度が好ましく、より好ましくは前記乾燥温度が
100〜250℃程度で乾燥時間が 1〜30分間程度で
ある。
【0022】また、乾燥後の焼成条件としては、焼成温
度までの昇温速度は70〜280℃/分に制御するとと
もに、且つガラス中に含まれるナトリウムイオンの拡散
温度(510℃)以上での加熱時間を1〜4分に制御す
る。なお、焼成温度は、約510℃〜700℃の範囲が
好ましい。
【0023】昇温速度及び加熱時間を上記のように制御
することにより、成膜された光触媒膜が高性能の品質と
なる理由は、昇温の際に急激に温度が加えられことで膜
表面が急速に硬化(緻密化)し、保持時間が短ければ基板
内部とのタイムラグによりアルカリ拡散量が少ない状態
で、または光触媒性能に影響が少ない程度で焼成が終了
するからと考えられる。昇温速度を70℃/分よりも遅
くするか或いは加熱時間を4分間よりも長く保持する
と、ガラス中に含まれるアルカリイオンの拡散の影響を
受けながら膜の硬化がおこるため、成膜後の光触媒膜は
充分な光触媒性能を発揮出来ず、一方昇温速度を280
℃/分よりも早くするか或いは加熱時間を1分間より短
くすると、充分な焼成が出来ずチタニアの結晶が充分に
結晶化されず、充分な光触媒性能を発揮しないものとな
る。
【0024】さらに、焼成温度が約550 〜700 ℃
程度の場合には、被膜の焼成とガラスの熱強化または/
および熱曲げ加工時に同時に行うことも出来る。なお、
本発明の成膜条件に準じた工程を得ることで、前記のよ
うな550℃以上の高温での熱強化および/または熱曲
げ加工を行っても、ガラスからのアルカリの拡散を光触
媒性能に影響のない程度に止める利点を有する。
【0025】
【実施例1】ガラスの準備:フロート法で製造された
フロートガラス基板のトップ面を選択したのち、該ガラ
スを水洗式ブラシ洗浄機により中性洗剤を用いて洗浄す
る。
【0026】薬液の調整:チタニアゾル(CG−T、
日本曹達社製)とシリカゾル(コルコートP、コルコー
ト社製)とコロイダルシリカ(IPA−ST−S、日産
化学製)を用い、酸化物換算で50:30:20(重量
%)とした溶液に増粘剤としてニトロセルロースH7
(ダイセル製)を薬液全体の約16重量%添加し、該光
触媒膜形成用薬液の溶質濃度が酸化物換算で1.6重量
%となるよう、エチルカルビトールを溶媒として添加
し、良く混合撹拌し光触媒膜形成用印刷薬液とする。な
お、薬液の粘度は28ポイズで行った。
【0027】薬液の塗布:上記の工程において洗浄
の終了したフロートガラスのトップ面上に、所定形状に
パターニングした350メッシュのテトロンスクリーン
をのせ、ショアー硬度HS61のスキージーを用いて前
記光触媒膜形成用印刷薬液でトップ面を選択してガラス
基材表面にスクリーン印刷する。
【0028】焼成:焼成炉において昇温速度70℃/
分で550℃まで昇温し、510℃以上の温度に1分間
加熱して加熱処理を行った。
【0029】品質評価:焼成・固化した光触媒膜は、
膜厚が120nmのものが得られた。得られた光触媒ガ
ラスの光触媒活性を評価した結果、水の接触角が照射前
の54から4時間後には6になり、さらに24 時間後
には2以下となり、光触媒膜付きガラスが非常に高い光
触媒活性を有することが確認できた。
【0030】なお、得られた光触媒ガラスの光触媒活性
の評価は下記のように行った。 〔光触媒活性試験〕1重量%オレイン酸アセトン溶液を
用いて光触媒膜表面にオレイン酸を均一に付着させ人工
的に汚れを形成した。これにブラックライトFL15B
LB(東芝電気)で0.5mW/cm2(365nm)の
紫外線を2時間照射した。照射後4時間および24時間
経過後の水の接触角変化で光活性を評価した。表1に品
質評価の結果を示す。なお、表2の品質評価の欄の光触
媒活性の評価は、◎印(接触角:0〜5°)、○印(接
触角:6〜10°)、×印(接触角:30°以上)を示
し、接触角5°以下を合格とした。また、フロートガラ
スの塗布面の欄のT,Bは、フロートガラスのトップ
面、ボトム面をそれぞれ示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【実施例2】昇温速度280℃/分で550℃まで昇温
した以外は、実施例1と同じ方法で行った。光触媒活性
を評価した結果、水の接触角が照射前の59から4時間
後には5になり、該光触媒膜付きガラスが非常に高い光
触媒活性を有することが確認できた。
【0033】
【実施例3】510℃以上での加熱時間を4分間とした
以外は、実施例1と同じ方法で行った。光触媒活性を評
価した結果、水の接触角が照射前の56から4時間後に
は8になり、さらに24時間後には2以下となり、非常
に高い光触媒活性を有することが確認できた。
【0034】
【実施例4】昇温速度を280℃/分で550℃まで昇
温し、510℃以上での加熱時間を4分間とした以外は
実施例1と同じ方法で行った。光触媒活性を評価した結
果、水の接触角が照射前の58から4時間後には3にな
り、非常に高い光触媒活性を有することが確認できた。
【0035】
【実施例5】光触媒膜形成用薬液の溶質濃度を酸化物換
算で2.0重量%となるようにした以外は実施例1と同
じ方法で行った。結果、膜厚が118nmの光触媒膜付
きガラスが得られた。光触媒活性を評価した結果、水の
接触角が照射前の58から4時間後には3になり、非常
に高い光触媒活性を有することが確認できた。
【0036】
【実施例6】昇温速度280℃/分で550℃まで昇温
した以外は、実施例5と同じ方法で行った。光触媒活性
を評価した結果、水の接触角が照射前の53から4時間
後には4になり、非常に高い光触媒活性を有することが
確認できた。
【0037】
【実施例7】510℃以上での加熱時間を4分間とした
以外は実施例5と同じ方法で行った。光触媒活性を評価
した結果、水の接触角が照射前の57から4時間後には
6になり、さらに24時間後には2以下となり、非常に
高い光触媒活性を有することが確認できた。
【0038】
【実施例8】昇温速度280℃/分で550℃まで昇温
し、510℃以上での加熱時間を4分間とした以外は実
施例5と同じ方法で行った。光触媒活性を評価した結
果、水の接触角が照射前の54から4時間後には4にな
り、該光触媒膜付きガラスが非常に高い光触媒活性を有
することが確認できた。
【0039】
【実施例9】溶液中のチタニアゾル(CG−T、日本曹
達社製)とシリカゾル(コルコートP、コルコート社
製)とコロイダルシリカ(IPA−ST−S、日産化学
製)を用い、酸化物換算で55:20:25(固形分重
量%)とした以外は実施例1と同じ方法で行った。結
果、膜厚が123nmの光触媒膜付きガラスが得られ、
光触媒活性を評価した結果、水の接触角が照射前の58
から4時間後には4になり、非常に高い光触媒活性を有
することが確認できた。
【0040】
【実施例10】昇温速度280℃/分で550℃まで昇
温した以外は実施例9と同じ方法で行った。光触媒活性
を評価した結果、水の接触角が照射前の52から4時間
後には3になり、さらに24時間後には3以下となり、
該光触媒膜付きガラスが非常に高い光触媒活性を有する
ことが確認できた。
【0041】
【実施例11】510℃以上での加熱時間を4分間とし
た以外は実施例9と同じ方法で行った。光触媒活性を評
価した結果、水の接触角が照射前の55から4時間後に
は5になり、さらに24時間後には2以下となり、非常
に高い光触媒活性を有することが確認できた。
【0042】
【実施例12】昇温速度280℃/分で550℃まで昇
温し、510℃以上での加熱時間を4分間とした以外は
実施例9と同じ方法で行った。光触媒活性を評価した結
果、水の接触角が照射前の55から4時間後には3にな
り、非常に高い光触媒活性を有することが確認できた。
【0043】
【実施例13】溶液中のチタニアゾル(CG−T、帝国
化学社製)とシリカゾル(コルコートP、コルコート社
製)とコロイダルシリカ(IPA−ST−S、日産化学
製)を用い、酸化物換算で80:10:10(固形分重
量%)とした溶液に増粘剤としてニトロセルロースH7
(ダイセル製)を薬液全体の約16重量%添加し、該光
触媒膜形成用薬液の溶質濃度が酸化物換算で1.6重量
%となるよう、エチルカルビトールを溶媒として添加し
た以外は実施例1と同じ方法で行った。結果、膜厚が1
18nmの光触媒膜付きガラスが得られ、光触媒活性を
評価した結果、水の接触角が照射前の58から4時間後
には2以下になり、該光触媒膜付きガラスが非常に高い
光触媒活性を有することが確認できた。
【0044】
【実施例14】昇温速度280℃/分で550℃まで昇
温した以外は実施例13と同じ方法で行った。光触媒活
性を評価した結果、水の接触角が照射前の55から4時
間後には4になり、非常に高い光触媒活性を有すること
が確認できた。
【0045】
【実施例15】510℃以上での加熱時間を4分間とし
た以外は実施例13と同じ方法で行った。光触媒活性を
評価した結果、水の接触角が照射前の58から4時間後
には4になり、非常に高い光触媒活性を有することが確
認できた。
【0046】
【実施例16】昇温速度280℃/分で550℃まで昇
温し、510℃以上での加熱時間を4分間とした以外
は、実施例13と同じ方法で行った。光触媒活性を評価
した結果、水の接触角が照射前の57から4時間後には
3になり、非常に高い光触媒活性を有することが確認で
きた。
【0047】
【比較例1】フロートガラスのボトム面を選択して印刷
を行った以外は実施例1と同じ方法で行った。結果、膜
厚が122nmの光触媒膜付きガラスが得られ、光触媒
活性を評価した結果、水の接触角が照射前の55から4
時間後には53であり、さらに24時間後でも51であ
った。該光触媒膜を成膜する際にガラス基板のトップ面
とボトム面を選択することにより光触媒活性に差異が生
じることを確認できた。
【0048】
【比較例2】フロートガラスのボトム面を選択して印刷
を行った以外は実施例2と同じ方法で行った。光触媒活
性を評価した結果、水の接触角が照射前の58から4時
間後には48であり、さらに24時間後でも42であっ
た。
【0049】
【比較例3】フロートガラスのボトム面を選択して印刷
を行った以外は実施例3と同じ方法で行った。光触媒活
性を評価した結果、水の接触角が照射前の56から4時
間後には52であり、さらに24時間後でも50であっ
た。
【0050】
【比較例4】フロートガラスのボトム面を選択して印刷
を行った以外は実施例4と同じ方法で行った。光触媒活
性を評価した結果、水の接触角が照射前の49から4時
間後には48であり、さらに24時間後にも44であっ
た。
【0051】
【比較例5】550℃までの昇温速度を60℃/分とし
た以外は実施例1と同じ方法で行った。光触媒活性を評
価した結果、水の接触角が照射前の53から4時間後に
は48であり、さらに24時間後にも40であった。
【0052】
【比較例6】ナトリウムイオンの拡散温度(510℃)
以上での加熱時間を6分間とした以外は実施例1と同じ
方法で行った。光触媒活性を評価した結果、水の接触角
が照射前の53から4時間後には50であり、さらに2
4時間後にも46であった。
【0053】
【比較例7】フロートガラスのボトム面を選択して印刷
を行った以外は実施例9と同じ方法で行った。光触媒活
性を評価した結果、水の接触角が照射前の51から4時
間後には50であり、さらに24時間後にも46であっ
た。
【0054】
【比較例8】フロートガラスのボトム面を選択して印刷
を行った以外は実施例10と同じ方法で行った。光触媒
活性を評価した結果、水の接触角が照射前の51から4
時間後には49であり、さらに24時間後にも48であ
った。
【0055】
【比較例9】フロートガラスのボトム面を選択して印刷
を行った以外は実施例11と同じ方法で行った。膜厚が
120nmの光触媒膜付きガラスが得られ、光触媒活性
を評価した結果、水の接触角が照射前の52から4時間
後には49であり、さらに24時間後にも44であっ
た。
【0056】
【比較例10】フロートガラスのボトム面を選択して印
刷を行った以外は実施例12と同じ方法で行った。光触
媒活性を評価した結果、水の接触角が照射前の52から
4時間後には48であり、さらに24時間後にも44で
あった。
【0057】
【発明の効果】本発明は、フロートガラス基板のトップ
面に直接、高品質且つ高耐久性を有する光触媒膜を形成
出来、製造工程が単純で安価に製造できるとともに、下
地層がないので刺激純度が小さく且つ色調がニュートラ
ル色に近く、反射率が小さいものを得ることができる効
果も併せて有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 佳弘 三重県松阪市大口町1510 セントラル硝子 株式会社硝子研究所内 (72)発明者 本城 啓司 三重県松阪市大口町1510 セントラル硝子 株式会社硝子研究所内 Fターム(参考) 4G059 AA01 AA11 AB14 AC21 AC22 EA01 EA04 EA18 EB05 4G069 AA08 AA11 AA15 BA04A BA04B BA14A BA14B BA48A BA48C CD10 DA05 EA08 ED02 FB23 FB30

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フロートガラス基板のトップ面に直接、有
    機チタン化合物を含む溶液を塗布したのち、70〜 2
    80℃/分の昇温速度で焼成温度まで昇温し焼成するに
    際し、ガラス中に含まれるナトリウムイオンの熱拡散温
    度以上での加熱時間を1〜4分間となるように制御して
    焼成することにより、該ガラス基板表面に光触媒機能を
    有する酸化物被膜を形成することを特徴とする光触媒ガ
    ラスの製造方法。
  2. 【請求項2】酸化物被膜は、光触媒機能を有するチタニ
    アが45〜90重量%、マトリックス形成用酸化物が5
    〜30重量%、酸化物超微粒子が5〜25重量%からな
    ることを特徴とする請求項1記載の光触媒ガラスの製造
    方法。
  3. 【請求項3】酸化物被膜は、酸化物超微粒子をマトリッ
    クス形成用酸化物に均一に分散させた多孔質酸化物から
    なることを特徴とする請求項1乃至2記載の光触媒ガラ
    スの製造方法。
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