JP2000127616A - 設計製図用インク受像層易接着ポリエステルフイルムおよびその製造方法 - Google Patents

設計製図用インク受像層易接着ポリエステルフイルムおよびその製造方法

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JP2000127616A
JP2000127616A JP10308408A JP30840898A JP2000127616A JP 2000127616 A JP2000127616 A JP 2000127616A JP 10308408 A JP10308408 A JP 10308408A JP 30840898 A JP30840898 A JP 30840898A JP 2000127616 A JP2000127616 A JP 2000127616A
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film
fatty acid
polyester
ink
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Satoshi Kitazawa
諭 北澤
Masayuki Fukuda
雅之 福田
Shinji Yano
真司 矢野
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 隠ぺい性に優れ、かつインクジェットプリン
ター等の水性インク受像層に対する接着性、耐水接着性
に優れた、設計製図受像紙用として有用な、設計製図用
インク受像層易接着ポリエステルフイルムを提供する。 【解決手段】 本発明は、ポリエステルフイルムの少な
くとも片面に、二次転移点が40〜85℃の水性ポリエ
ステル樹脂と、脂肪酸アミドおよび/または脂肪酸ビス
アミドとからなる塗膜が設けられてなる設計製図用イン
ク受像層易接着ポリエステルフイルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は設計製図用インク受
像層易接着ポリエステルフイルムに関し、更に詳しくは
インクジェットプリンター等の水性インク受像層に対す
る接着性に優れ、更にはインク受像層との耐水接着性に
優れ、かつインクジェットプリンター受像紙用に有用な
設計製図用インク受像層易接着ポリエステルフイルムお
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートフイルムに
代表されるポリエステルフイルムは、受像紙用フイルム
のベースフイルムとして従来より広く使用されている。
近年、カラープリンターの需要に伴い、インクジェット
方式等の新しい印字方式が発展してきた。このような印
字方式用の受像紙用フイルムでは、特開昭64―364
79号公報、特開平1―95091号公報で提案されて
いるように、フイルム上にインク受像層の形成が必要と
なる。
【0003】このインク受像層には多孔質でインクの吸
収性が良好なものが使用されるが、このインク受像層は
ベースフイルムとして用いるポリエステルフイルムに対
する接着性が乏しく、さらに設計製図用は野外環境で使
用される場合がありインク受像層との耐水接着性が要求
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
ク受像層との接着性、耐水接着性に優れ、かつ隠ぺい性
を兼備した、インクジェットプリンター用受像紙などに
有用な設計製図用インク受像層易接着ポリエステルフイ
ルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリエステル
フイルムの少なくとも片面に、二次転移点が40〜85
℃の水性ポリエステル樹脂と、脂肪酸アミドおよび/ま
たは脂肪酸ビスアミドとからなる塗膜が設けられてなる
設計製図用インク受像層易接着ポリエステルフイルムで
ある。
【0006】また、本発明は、ポリエステルフイルムの
少なくとも片面に、二次転移点が40〜85℃の水性ポ
リエステル樹脂と、脂肪酸アミドおよび/または脂肪酸
ビスアミドとからなる水性塗液を塗布し、乾燥、延伸す
ることを特徴とする設計製図用インク受像層易接着ポリ
エステルフイルムの製造方法である。
【0007】(ポリエステルフイルム)本発明における
ポリエステルフイルムを構成するポリエステルとして
は、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6―ナフ
タリンジカルボン酸、4,4′―ジフェニルジカルボン
酸等の芳香族ジカルボン酸成分と、例えばエチレングリ
コール、1,4―ブタンジオール、1,4―シクロヘキ
サンジメタノール、1,6―ヘキサンジオール等のグリ
コール成分とから構成されるポリエステルが好ましく、
特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン―2,
6―ナフタリンジカルボキシレートが好ましい。また、
上記成分等の共重合ポリエステルであっても良い。
【0008】ポリエステルにはフイルムを製造する際の
巻取性や、インク受像層等を塗設する際のフイルムの搬
送性等を良くするため、必要に応じて滑剤としての有機
または無機の微粒子を含有させることが好ましい。かか
る微粒子としては、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、
酸化アルミニウム、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、架
橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、尿素
樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子
等が例示される。また、微粒子以外にも着色剤、帯電防
止剤、酸化防止剤、潤滑剤、触媒、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン―プロピレン―ポリマー、オレフ
ィン系アイオノマーのような他の樹脂等も透明性を損な
わない範囲で任意に含有させることができる。
【0009】また、本発明におけるポリエステルフイル
ムには、光沢度が60以上で、光線透過率が20%以下
でありかつ白色であるポリエステルフイルム(白色ポリ
エステルフイルム)を用いることが好ましい。この白色
ポリエステルフイルムは、ポリエステルに白色顔料、例
えば酸化チタンおよび/または硫酸バリウムを例えば5
〜20重量%含有させることにより得ることができる。
また、白色ポリエステルフイルムは、受像紙として用い
るときの印字物の鮮映性より光沢度が60以上で、印字
物の意匠性から、その光線透過率が20%以下であるこ
とが好ましい。
【0010】本発明におけるポリエステルフイルムは、
150℃で30分間保持したときの熱収縮率が1%以下
の二軸延伸フイルムであることが、ポリエステルフイル
ムを受像紙に用いた際に寸法安定性が良好であり、印字
のずれ等を抑制できるため好ましい。このような熱収縮
率を有する二軸延伸フイルムは、例えば、二軸延伸後に
熱固定やポリエステルのTg以上の温度での熱処理によ
りフイルムの密度を例えば1.390g/cm3 以上と
することにより得ることができる。
【0011】(塗膜)本発明においては、ポリエステル
フイルムに水性ポリエステル樹脂と、脂肪酸アミドおよ
び/または脂肪酸ビスアミドとを主成分とする塗膜を積
層する。
【0012】この塗膜を形成する成分として用いる水性
ポリエステル樹脂は、水に可溶性または分散性のポリエ
ステルである。かかる水性ポリエステルとしては、テレ
フタル酸、イソフタル酸、2,6―ナフタリンジカルボ
ン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、4,4′―ジフェニ
ルジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、5―スルホイソフタル酸、トリメ
リット酸、ジメチロールプロピオン酸等のカルボン酸成
分および5―Naスルホイソフタル酸、5―Kスルホイ
ソフタル酸、5―Kスルホテレフタル酸等のスルホン酸
塩基を有するジカルボン酸成分と、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ネオペンチレングコール、
1,4―ブタンジオール、1,6―ヘキサンジオール、
1,4―シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、ビスフェノール―Aのアルキレ
ンオキシド付加物等のヒドロキシ化合物成分とから構成
されるポリエステルを挙げることができる。
【0013】上記水性ポリエステルでは、さらに親水性
を付与することが必要な場合、ポリエステル中に、スル
ホン酸塩基、ジカルボン酸塩基を導入してもよく、また
ポリエーテル成分を導入することもできる。親水性を付
与する成分としては、分子内の全カルボン酸成分に対
し、1〜16モル%である必要があるが、好ましくは
1.5〜14モル%である。スルホン酸塩基を有するジ
カルボン酸成分が1モル%未満では水性ポリエステルの
親水性が不足し、一方16モル%を超えると塗膜の耐湿
性が低下するので好ましくない。
【0014】また、水性ポリエステルの二次転移点(T
g)は40〜85℃である必要がある。Tgが40℃未
満の場合、得られたフイルムはブロッキングしやすく、
一方85℃を超えるとフイルムの削れ性や接着性が低下
するので好ましくない。
【0015】本発明で用いられる脂肪酸アミドおよび/
または脂肪酸ビスアミドは、それぞれR1CONH2、R
1CONHR3NHOCR2で表されるものであり、R1
O―およびR2CO―は脂肪酸残基、―NHR3NH―は
ジアミン残基である。この脂肪酸としては、炭素数6〜
22の飽和または不飽和脂肪酸が好ましい。
【0016】かかる脂肪酸アミドまたは脂肪酸ビスアミ
ドとしては、例えば、炭素数13〜15で分子量200
〜800のN,N′―アルキレンビスアミド等を好まし
く挙げることができる。更に具体的には、N,N′―メ
チレンビス―トテアリン酸アミド、N,N′―エチレン
ビスパルミチン酸アミド、N,N′―メチレンビスラウ
リン酸アミド、リノール酸アミド、カプリル酸アミド、
ステアリン酸アミド等を例示することができる。これら
のうち、特に下記式(I)で示されるビスアミドが好ま
しく用いられる。
【0017】
【化2】 RCONH(CH2nNHOCR ……(I) 但し、式(I)中のRCO―は脂肪酸残基を示し、nは
1または2である。
【0018】これらの脂肪酸のアミドおよび/または脂
肪酸のビスアミドは、塗膜を形成する組成物中に、3〜
10重量%含まれていることが好ましい。脂肪酸のアミ
ドおよび/または脂肪酸のビスアミドの含有量が3重量
%未満ではインク受像層との接着性が不足し、耐ブロッ
キング性が低下し、一方10重量%を超えると、フイル
ムと塗膜との密着性が低下したり、塗膜の脆化を招いた
りすると共に、ヘーズが高くなったりする。
【0019】尚、本発明のインク受像層易接着ポリエス
テルフイルムは、塗膜表面の中心線平均粗さ(Ra)が
0.002〜0.25μmの範囲にあることが、塗膜と
ポリエステルフイルムとの接着性、塗膜とインク受像層
との接着性、塗膜の耐削れ性、インク受像層易接着フイ
ルムの耐ブロッキング性や搬送性が良好となるため好ま
しい。このようなRaを有する塗膜は、その構成成分と
して平均粒径0.15μm以下の粗面化物質を5〜30
重量%添加することにより得ることができる。
【0020】上記の粗面化物質としては、例えば炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、ケイ酸ソーダ、水
酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、硫酸バ
リウム、酸化チタン、酸化錫、三酸化アンチモン、カー
ボンブラック、二硫化モリブデン等の無機微粒子、アク
リル系架橋重合体、スチレン系架橋重合体、シリコーン
樹脂、フッ素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール
樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレンワックス等の有機微
粒子等を挙げることができる。これらのうち、水不溶性
の固体物質は、水分散液中で沈降するのを避けるため、
比重が3を超えない超微粒子を選ぶことが好ましい。
【0021】かかる粗面化物質は、塗膜表面を粗面化す
ると共に、微粉末自体による塗膜の補強作用があり、さ
らには塗膜への耐ブロッキング性付与作用を有し、フイ
ルムに優れた滑り性を与えることになる。
【0022】これらの粗面化物質は、塗膜を形成する組
成物中に、5〜30重量%含まれていることが好まし
く、特に、平均粒径が0.1μm以上の比較的大きな粒
子を用いるときには5〜10重量%範囲から、また、平
均粒径が0.01〜0.1μmの粒子を用いるときには
8〜30重量%の範囲内から選定するのが好ましい。粗
面化物質の割合が5重量%未満ではフイルムの滑性(搬
送性)が不足し、一方30重量%をこえると削れ性が低
下するので好ましくない。
【0023】本発明においては塗膜を形成する成分とし
て、上記の成分以外オキサゾリン基含有する重合体、メ
ラミン樹脂等の他の樹脂、帯電防止剤、着色剤、界面活
性剤、紫外線吸収剤等を使用することができる。
【0024】(塗膜の積層)本発明においては、ポリエ
ステルフイルムの少なくとも片面に前記成分からなる塗
膜を積層するが、例えば延伸可能なポリエステルフイル
ムに塗膜を形成する成分を含む水性液を塗布した後、乾
燥、延伸し、必要に応じて熱処理することにより積層す
ることができる。この水性液の固形分濃度は、通常30
重量%以下であり、10重量%以下がさらに好ましい。
【0025】上記の延伸可能なポリエステルフイルムと
は、未延伸ポリエステルフイルム、一軸延伸ポリエステ
ルフイルムまたは二軸延伸ポリエステルフイルムであ
る。このうちフイルムの押出し方向(縦方向)に一軸延
伸した縦延伸ポリエステルフイルムが特に好ましい。
【0026】ポリエステルフイルムへ水性液を塗布する
場合は、通常の塗工工程、即ち二軸延伸熱固定したポリ
エステルフイルムに該フイルムの製造工程と切り離した
工程で行うと、芥、塵埃等を巻き込み易く好ましくな
い。かかる観点よりクリーンな雰囲気での塗布、即ちフ
イルム製造工程での塗布が好ましい。そして、この塗布
によれば、塗膜のポリエステルフイルムへの密着性がさ
らに向上する。
【0027】塗布方法としては、公知の任意の塗布法が
適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート
法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナ
イフコート法、含浸法およびカーテンコート法などを単
独または組み合わせて用いることができる。塗布量は走
行しているフイルム1m2 当り0.5〜20g、更に1
〜10gが好ましい。水性液は水分散液または乳化液と
して用いるのが好ましい。
【0028】水性液を塗布した延伸可能なポリエステル
フイルムは、乾燥、延伸処理工程に導かれるが、かかる
処理は、従来から当業界に蓄積された条件で行うことが
できる。好ましい条件としては、例えば乾燥条件は90
〜130℃×2〜10秒であり、延伸温度は90〜13
0℃、延伸倍率は縦方向3〜5倍、横方向3〜5倍、必
要ならば再縦方向1〜3倍であり、熱固定する場合は1
80〜240℃×2〜20秒である。
【0029】かかる処理後のポリエステルフイルムの厚
さは50〜150μmであること、また塗膜の厚さは
0.02〜1μmであることが好ましい。
【0030】
【実施例】以下実施例により、本発明を更に説明する。
なお、各特性値は以下の方法で測定した。
【0031】1.接着性 ポリエステルフイルムの塗膜面に、球状シリカ(平均粒
径18μ、平均細孔径200オングストローム、平均細
孔容積1.5cc/g)30重量%、ポリビニルアルコ
ール(クラレ製PVA117)70重量%を混合した水
性スラリーを乾燥厚さで20μm塗設し、その上に幅1
2.7mm、長さ150mmのスコッチテープ(スリー
エム社製・No.600)を気泡が入らないよう粘着
し、この上をJIS・C2701(1975)記載の手
動式荷重ロールでならして密着させた後、テープ幅に切
り出す。
【0032】このようにして作成したサンプルからスコ
ッチテープを剥離する際の、インク受像層のポリエステ
ルフイルムからの剥離状態を観察して接着性を下記の通
り評価した。 A:剥離が全く認められず、密着性良好 B:異物部分で僅かに剥離が認められる C:剥離が顕著に認められる
【0033】2.耐水接着性 上記接着性を評価した物について、インク受像層の上か
ら、ガーゼに水を染み込ませ、ラビングし、何回ラビン
グしたらインク受像層が脱落するかを下記の通り評価し
た。 A:50回以上・・・耐水接着性が極めて良好 B:30〜50回・・耐水接着性が良好 C:30回未満 ・・耐水接着性不良
【0034】3.摩擦係数 ASTM・D1894―63に準じ、東洋テスター社製
のスリッパ―測定器を使用し、フイルムの表面と裏面を
合わせ、荷重1kgを加えて静摩擦係数(μs)を測定
した。摩擦係数が0.6を超えるとフイルムの搬送性に
支障をきたす。
【0035】4.耐ブロッキング性 50mm幅に切断したフイルムを2枚重ね、50kg/
cm2 の荷重下40℃×50%RH×17時間処理した
後、引張り試験機にて荷重を加えた箇所の剥離強度(g
/50mm)を測定した。剥離強度の値により下記の通
り評価した。 剥離強度≦10g/50mm…ブロッキング性良好 10g/50mm<剥離強度≦30g/50mm…ブロッキング性やや良好 30g/50mm<剥離強度 …ブロッキング性不良
【0036】5.二次転移点 デュポン製 Thermal Analyst 2000型 示差熱量計
にて、20℃/分の昇温速度にて測定した。
【0037】6.固有粘度 オルソクロロフェノール溶媒による溶液の粘度を35℃
にて測定し求めた。
【0038】7.耐湿性 前記ブロッキング性の評価において、処理条件を60℃
×70%RH×17時間としたほかは同様の方法で剥離
強度(g/50mm)を測定した。測定結果より下記の
通り評価した。 剥離強度≦10g/50mm …耐湿性良好 10g/50mm<剥離強度≦30g/50mm …耐湿性やや良好 30g/50mm≦剥離強度 …耐湿性不良
【0039】8.光沢度Gs(60°) (株)村上色彩技術研究所製光沢計GM−3D型を使用
し、JIS Z 8741−1962に準じて測定する。
測定角は60°とし、測定数はn=5とし、その平均値
を光沢度Gs(60°)の値とする。
【0040】9.光線透過率 村上色彩技術研究所製 HR―100型 ヘーズメータ
ーにより、ASTM・D1003に準じて測定した。
【0041】10.熱収縮率 ポリエステルフイルムを150℃×30分熱処理した後
の収縮率を標点間距離30cmで測定した。
【0042】11.中心線平均粗さ(Ra) JIS B0601に準じて、(株)小坂研究所製の高
精度表面粗さ計SE―3FATを使用して、針の半径2
μm、荷重30mgで拡大倍率5万倍、カットオフ0.
08mmの条件下に、チロートを描かせ表面粗さ曲線か
らその中心線方向に測定長さLの部分を抜きとり、この
抜きとり部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸とし
て、粗さ曲線をY=f(x)で表した時、次式で与えら
れた値をμm単位で表わした。
【0043】
【数1】
【0044】この測定は基準長を1.25mmとして、
4個測定し、平均値で表わした。
【0045】12.鮮映性 インク受像層を塗布したポリエステルフイルムについ
て、インクジェットプリンター(EPSON製 PM−
750C)でパソコン等のCADで作成した設計製図を
印刷し、印刷物の鮮明性を目視で観察し、下記の通り評
価した。 A:鮮明性が極めて良好・・・鮮映性が極めて良好 B:鮮明性が良好 ・・・鮮映性が良好 C:鮮明性が不良 ・・・鮮映性が不良
【0046】[実施例1]テレフタル酸成分およびエチ
レングリコール成分からなるポリエステル(固有粘度が
0.62)を20℃に維持した回転冷却ドラム上に溶融
押し出しして未延伸フイルムとし、次に該未延伸フイル
ムを機械軸方向に3.6倍延伸した後、酸成分がテレフ
タル酸[90モル%]、イソフタル酸[6モル%]およ
び5―Naスルホイソフタル酸[4モル%]、グリコー
ル成分がエチレングリコール[90モル%]およびネオ
ペンチルグリコール[10モル%]よりなる共重合ポリ
エステル(Tg=67℃、以下、単に[D]という)8
0重量%、N、N−エチレンビスカプリル酸アミド5重
量%、アクリル系樹脂微粒子(平均粒径0.03μm)
10重量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル5重
量%からなる組成の、固形分濃度4重量%の水性液をロ
ールコーターにて塗布した。
【0047】次いで、水性液を塗布した縦延伸フイルム
を乾燥しつつ横方向に4倍延伸し、更に230℃で熱固
定して厚さ100μmの二軸延伸フイルムを得た。この
フイルムでの塗膜厚さは0.03μm、中心線平均表面
粗さは0.008μm、熱収縮率は縦方向で0.9%、
横方向で0.2%であった。このフイルムの特性を表1
に示す。
【0048】[比較例1]水性液を塗布しない以外は、
実施例1と同様にして得た二軸延伸ポリエステルフイル
ムの特性を表1に示す。
【0049】[実施例2〜10、比較例2〜4]塗布剤
の種類と比率を表1に示すように変える以外は、実施例
1と同様にして二軸延伸ポリエステルフイルムを得た。
このフイルムの特性を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】表1、2に示す結果から明らかなように、
本発明の設計製図用インク受像層易接着ポリエステルフ
イルムは接着性に優れる。
【0053】(水性ポリエステル)尚、表1において水
性ポリエステルの種類D、E、F、GおよびおよびH
は、下記の共重合体であることを示す。 D:テレフタル酸[90モル%]・イソフタル酸[6モ
ル%]・5―Naスルホイソフタル酸[4モル%]/エ
チレングリコール[90モル%]・ネオペンチルグリコ
ール[10モル%]の共重合体(Tg=67℃) E:2,6―ナフタリンジカルボン酸[60モル%]・
イソフタル酸[36モル%]・5―Kスルホテレフタル
酸[4モル%]/エチレングリコール[80モル%]・
ネオペンチルグリコール[20モル%]共重合体(Tg
=80℃) F:テレフタル酸[85モル%]・イソフタル酸[13
ル%]・5―Naスルホイソフタル酸[2モル%]/エ
チレングリコール[77モル%]・1.4−ブタンジオ
ール[20モル%]・ジエチレングリコール[2モル
%]およびポリオキシエチレングリコール(分子量60
0)[1モル%]の共重合体(Tg=47℃) G:テレフタル酸[70モル%]・イソフタル酸[28
モル%]・5―Naスルホイソフタル酸[2モル%]/
エチレングリコール[70モル%]・1.4−ブタンジ
オール[30モル%]の共重合体(Tg=30℃) H:2,6―ナフタリンジカルボン酸[81モル%]・
イソフタル酸[15モル%]・5―Kスルホテレフタル
酸[4モル%]/エチレングリコール[80モル%]・
ネオペンチルグリコール[20モル%]共重合体(Tg
=90℃)
【0054】(脂肪酸アミド、ビスアミド) J:N、N’−メチレンビスステアリン酸アミド K:N、N’−エチレンビスパルミチン酸アミド L:カプリル酸アミド M:ステアリン酸アミド
【0055】(粗面化物質) P:アクリル系樹脂微粒子(平均粒径0.03μm) Q:シリカ(平均粒径0.12μm)
【0056】(界面活性剤) S:ポリオキシエチレンラウリルエーテル T:ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合
【0057】表1、2から明らかなように、本発明のフ
イルム(実施例2〜9)は、良好な接着力を示し、耐ブ
ロッキング性も良好であったが、二次転移点が85℃を
超える水性ポリエステルを用いた場合(比較例2)は接
着力が劣り、二次転移点40℃未満の水性ポリエステル
を用いた場合(比較例3)は耐ブロッキング性が不十分
であった。また、脂肪酸アミド、ビスアミドを含まない
場合(比較例4)は接着性が劣っていた。
【0058】[実施例11〜14]塗膜組成物成分の
N、N’−メチレンビスアミドステアリン酸アミドの配
合量を表3に示すように変更し、水性ポリエステルの配
合量を組成物中の成分の配合量合計が100%となるよ
うに減じた以外は、実施例1と同様にして設計製図用イ
ンク受像層易接着フイルムを得た。このフイルムの評価
結果は表3に示す通りであり、脂肪酸ビスアミドの配合
量が3〜10重量%の場合(実施例12、13)に特に
良好な接着力が得られた。
【0059】
【表3】
【0060】[実施例15〜19および比較例5〜8]
粗面化物質の種類および添加量を表4に示すように変更
し、水性ポリエステルの配合量を組成物中の成分の配合
量合計が100%となるように減じた以外は、実施例1
と同様にして摩擦係数(μs)、表面粗さの異なる設計
製図用インク受像層易接着フイルムを得た。 このフイ
ルムの評価結果は表4に示す通りであり、粗面化物質の
添加量が請求範囲より多い場合(比較例6、8)は接着
性が劣っていた。摩擦係数(μs)が0.6を超える場
合(比較例5、7)は易滑性が劣り巻取性、取扱い性、
耐ブロッキング性が不十分であった。これに対して、摩
擦係数(μs)が0.6以下の本発明の設計製図用イン
ク受像層易接着フイルム(実施例16〜19)は良好な
接着性、易滑性を示した。
【0061】
【表4】
【0062】[実施例20]テレフタル酸成分およびエ
チレングリコール成分からなるポリエステル(固有粘度
が0.62)90重量%と酸化チタン10重量%からな
る組成物を20℃に維持した回転冷却ドラム上に溶融押
し出しして未延伸フイルムとし、次に該未延伸フイルム
を機械軸方向に3.6倍延伸した後、酸成分がテレフタ
ル酸[90モル%]、イソフタル酸[6モル%]および
5―Naスルホイソフタル酸[4モル%]、グリコール
成分がエチレングリコール[90モル%]およびネオペ
ンチルグリコール[10モル%]よりなる共重合ポリエ
ステル(Tg=67℃、以下、単に[D]という)80
重量%、N、N−エチレンビスカプリル酸アミド5重量
%、アクリル系樹脂微粒子(平均粒径0.03μm)1
0重量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル5重量
%からなる組成の、固形分濃度4重量%の水性液をロー
ルコーターにて塗布した。
【0063】次いで、水性液を塗布した縦延伸フイルム
を乾燥しつつ横方向に4倍延伸し、更に230℃で熱固
定して厚さ100μmの二軸延伸フイルムを得た。この
フイルムでの塗膜厚さは0.03μm、中心線平均表面
粗さは0.058μm、光沢度が65、光線透過率は3
%、熱収縮率は縦方向で0.9%、横方向で0.2%、
鮮映性、接着性は良好であった。
【0064】[比較例9]実施例20の水性ポリエステ
ル樹脂をHに変更する以外は実施例20と同様にして二
軸延伸ポリエステルフイルムを得た。このフイルムでの
塗膜厚さは0.03μm、平均表面粗さは0.12μ
m、光沢度が41、光線透過率は3%、熱収縮率は縦方
向で0.9%、横方向で0.2%、鮮映性は不良で接着
性が不足だった。
【0065】
【発明の効果】本発明の設計製図用インク受像層易接着
ポリエステルフイルムは、隠ぺい性に優れ、かつインク
ジェットプリンター等の水性インク受像層に対する接着
性、耐水接着性に優れたものであり、設計製図受像紙用
として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 真司 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人株式会社相模原研究センター内 Fターム(参考) 2H086 BA19 BA31 BA33 BA35 BA41 BA45

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面
    に、二次転移点が40〜85℃の水性ポリエステル樹脂
    と、脂肪酸アミドおよび/または脂肪酸ビスアミドとか
    らなる塗膜が設けられてなる設計製図用インク受像層易
    接着ポリエステルフイルム。
  2. 【請求項2】 塗膜の表面の中心線平均粗さ(Ra)
    が、0.002〜0.25μmである請求項1に記載の
    設計製図用インク受像層易接着ポリエステルフイルム。
  3. 【請求項3】 塗膜が、平均粒径0.15μm以下の粗
    面化物質を5〜30重量%含有する請求項2に記載の設
    計製図用インク受像層易接着ポリエステルフイルム。
  4. 【請求項4】 塗膜が、脂肪酸アミドおよび/または脂
    肪酸ビスアミドを3〜10重量%含有する請求項1〜3
    のいずれかに記載の設計製図用インク受像層易接着ポリ
    エステルフイルム。
  5. 【請求項5】 塗膜が、水性ポリエステル樹脂および脂
    肪酸ビスアミドからなる請求項1〜5のいずれかに記載
    の設計製図用インク受像層易接着ポリエステルフイル
    ム。
  6. 【請求項6】 脂肪酸ビスアミドが、下記一般式(I)
    で示される脂肪酸ビスアミドである請求項1または2に
    記載の設計製図用インク受像層易接着ポリエステルフイ
    ルム。 【化1】 RCONH(CH2nNHOCR ・・・(I) (但し、式(I)中のRCO−は脂肪酸残基を示し、n
    は1または2である。)
  7. 【請求項7】 ポリエステルフイルムの光沢度が60以
    上、光線透過率が20%以下であり、かつ白色であるこ
    とを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の設計製図
    用インク受像層易接着ポリエステルフイルム。
  8. 【請求項8】 ポリエステルフイルムが、150℃で3
    0分間保持したときの熱収縮率が1%以下の二軸延伸フ
    イルムである請求項1〜7いずれかに記載の設計製図用
    インク受像層易接着ポリエステルフイルム。
  9. 【請求項9】 ポリエステルフイルムの光沢度が60以
    上、光線透過率が20%以下、かつ白色であり、塗膜の
    上に更に水性インク受像層を設けて用いる請求項8記載
    の設計製図用インク受像層易接着ポリエステルフイル
    ム。
  10. 【請求項10】 インクジェットプリンター用受像紙に
    用いる請求項9記載の設計製図用インク受像層易接着ポ
    リエステルフイルム。
  11. 【請求項11】 ポリエステルフイルムの少なくとも片
    面に、二次転移点が40〜85℃の水性ポリエステル樹
    脂と、脂肪酸アミドおよび/または脂肪酸ビスアミドと
    からなる水性塗液を塗布し、乾燥、延伸することを特徴
    とする設計製図用インク受像層易接着ポリエステルフイ
    ルムの製造方法。
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