JP2000124539A - 半導体光素子の製造方法 - Google Patents

半導体光素子の製造方法

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JP2000124539A JP11120754A JP12075499A JP2000124539A JP 2000124539 A JP2000124539 A JP 2000124539A JP 11120754 A JP11120754 A JP 11120754A JP 12075499 A JP12075499 A JP 12075499A JP 2000124539 A JP2000124539 A JP 2000124539A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組立用マーカ及び光出射端面と活性層との間
の相対位置精度が優れ、実装時に十分な結合効率を得る
ことができ、均一な素子特性を得ることができる半導体
光素子の製造方法を提供する。 【解決手段】 クラッド層17及び18に対して選択エ
ッチングが可能なエッチングストッパー層7を半導体基
板9上に形成する。次に、半導体基板9上に目合わせパ
ターン成長阻止マスク及び1対の同方向に延びる成長阻
止マスクを選択的に形成する。次いで、半導体基板9上
にクラッド層17を選択成長により形成する。その後、
クラッド層17上に導波路層1を選択成長により形成す
る。次に、導波路層1上にクラッド層18を選択成長に
より形成する。更に、全面に半導体層2乃至5を形成す
る。そして、半導体層2乃至5及びクラッド層18を選
択的にエッチングすることにより目合わせパターン成長
阻止マスクの形状を発現させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光通信等に使用され
る半導体レーザを備えた半導体光素子の製造方法に関
し、特に、組立用マーカと活性層との間に高い相対位置
精度を得ることができる半導体光素子の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光通信に使用される光素子モジュールに
関し、光通信のアクセス系への普及に伴い低コスト化が
必要になっている。光素子モジュールの低コスト化に
は、半導体光素子自身の低価格化モジュール組立時に光
ファイバへの結合を確保するアラインメント工程の簡素
化が有効である。そこで、従来半導体光素子を発光させ
ながら行っているアラインメント工程を改め、素子を発
光させずに画像認識技術又はバンプ実装技術により実装
する方法である所謂パッシブアラインメントによる組立
方法が試みられている。図26は従来のパッシブアライ
ンメントによるレーザダイオード(LD)モジュールの
組立方法を示す模式図である。
【0003】従来のパッシブアラインメントによるLD
モジュールの組立方法では、例えば実装用の基板として
Si基板101を使用する。そして、このSi基板10
1上に設けられた組立用マーカ106と半導体レーザ1
04の表面に設けられた組立用マーカ105との位置を
合わせて半導体レーザ104をSi基板101上に実装
し、Si基板101上に形成されたVの字型の溝102
に合わせて光ファイバ103を実装する。
【0004】なお、組立用マーカ25及び26は金属膜
で形成されており、この金属膜が円形にくり抜かれたよ
うな形状を有する。そして、Si基板101の下方から
赤外線を照射すると、組立用マーカ105及び106の
位置を確認しながら半導体レーザ104をSi基板10
1上に実装することができる。
【0005】そして、半導体レーザ104中の活性層1
07と光ファイバ103との相対位置関係により半導体
光素子の結合効率が決定されるため、半導体レーザ10
4中の活性層107及び光ファイバ103の実装に高い
位置精度が要求される。つまり、このようなパッシブア
ラインメント技術によりLDモジュールを組み立てるた
めには、半導体レーザ104において組立用マーカ10
5と活性層107との間に極めて高い相対位置精度が必
要となる。また、半導体レーザ104の端面と光ファイ
バ103との距離も結合効率に大きく影響するため、組
立用マーカ105と半導体レーザ104の端面との間に
も極めて高い位置精度が必要である。
【0006】また、活性層を含む導波路層及び電流ブロ
ック層を選択成長により形成して光通信用半導体レーザ
を作製する方法が特開平6−104527号公報に記載
されている。この方法によって作製された半導体レーザ
においては、エッチング工程なしで活性層が形成されて
いるため、均一性及び再現性が優れている。また、素子
自身の低価格化に極めて有効な製造方法である。図27
(a)及び(b)並びに図28(a)及び(b)は従来
の半導体光素子の製造方法を工程順に示す模式図であ
る。
【0007】先ず、図27(a)に示すように、n型I
nP基板119の(001)面を表面上とし、ストライ
プ状の1対のSiO2からなる第1の成長阻止マスク1
20及び同じSiO2からなる目合わせパターン膜11
8を選択的に形成する。
【0008】次に、図27(b)に示すように、第1の
成長阻止マスク120及び目合わせパターン膜118を
除く領域にn型InPクラッド層122を形成する。そ
の後、多重量子井戸構造を有するInGaAsP活性層
及びInGaAsPガイド層からなる導波路層111を
n型InPクラッド層122上に形成する。次いで、p
型InPクラッド層123を導波路層111上に形成す
る。これにより、ダブルへテロ構造が構成される。ま
た、目合わせパターン118aが形成される。
【0009】次に、図28(a)に示すように、第1の
成長阻止マスク120を除去し、1対の第1の成長阻止
マスク120により形成された溝間に位置するp型In
Pクラッド層123の上にSiO2からなる第2の成長
阻止マスク121を形成する。第2の成長阻止マスク1
21の形成には、例えば特開平8−330665号公報
に記載された方法が採用される。その後、第2の成長阻
止マスク121を除く領域にp型InPブロック層11
5及びn型InP電流ブロック層114を順次形成す
る。
【0010】次に、図28(b)に示すように、第2の
成長阻止マスク121を除去する。その後、全面にp型
InPクラッド層113及びp型InGaAsPコンタ
クト層112を順次形成する。
【0011】この従来の製造方法によれば、エッチング
を使用せずに活性層を形成できるため、均一性及び再現
性が優れた半導体レーザを作製することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の方法により製造された素子においては、半導体レ
ーザそのものの特性は優れているが、組立用マーカを形
成する際に十分な組立用マーカと活性層との間の相対位
置精度を得ることができないという問題点がある。ま
た、レーザ共振器の形成に適用する場合には、十分な劈
開位置の精度を得ることができない。この理由は以下の
とおりである。
【0013】組立用マーカの形成及び劈開位置の決定は
フォトリソグラフィ工程により行われる。そして、組立
用マーカの位置と活性層の位置又はレーザ共振器形成時
の劈開位置を精度良く整合させるためには、活性層との
相対位置精度の良い目合わせパターンが基板表面から見
えるようにする必要があり、その目合わせパターンに組
立用マーカ又は劈開位置を整合させる必要がある。この
とき、十分な目合わせ精度が得られないと、パッシブア
ライメントによって組立てが行われる半導体レーザにお
いては、モジュール組立時に十分な結合効率が得られな
い。
【0014】また、例えば「1997年電子情報通信学
会エレクトロニクスソサイエティ大会、C−4−26」
に記載されているスポットサイズ変換器集積レーザ等の
光集積素子においては、レーザ共振器形成時の劈開工程
における劈開位置のずれが放射角等の特性のばらつきの
原因となる。更に、共振器中に位相シフト部を有する回
折格子が形成された分布帰還型レーザにおいては、位相
シフト部の位置が設計値からずれることにより、単一縦
モード特性が劣化する。従って、活性層及び回折格子の
位置と素子表面の電極及びマーカとの間には、高い相対
位置精度が要求される。
【0015】しかし、前述の従来の製造方法を採用する
場合、図27(a)及び(b)に示すように、最初の結
晶成長の前に目合わせパターン膜118を形成しても、
全ての結晶成長が終わったときには、目合わせパターン
118aは電流ブロック層、クラッド層及びコンタクト
層の中に埋もれてしまい、コンタクト層112の表面に
は、図28(b)に示すように、わずかなパターン跡1
24が残存するのみである。従って、組立用マーカの形
成時又は劈開位置の決定時には、このわずかなパターン
跡124を使用して目合わせを行うことになるので、十
分な組立用マーカ、活性層及び劈開位置の相対位置精度
が得られない。
【0016】そこで、クラッド層等の成長層中に埋もれ
た目合わせパターンをエッチング等により掘り起こして
復元する方法が考えられる。しかし、この場合、導波路
層を構成するInGaAsPをエッチングせずにInP
をエッチングするようなエッチング液、例えば塩酸及び
リン酸からなる混合液を使用する必要があり、同時に目
合わせパターン直下のInP基板がエッチングされてし
まうため、目合わせパターンの形状が大幅に崩れ、十分
な目合わせ精度が得られない。
【0017】これらの理由により、従来の方法では十分
な精度のない目合わせにより組立用マーカの位置及びレ
ーザ共振器形成時の劈開位置が決定されている。この結
果、組立用マーカ、レーザの劈開位置及びレーザの活性
層間の相対位置精度が十分ではなく、パッシブアライン
メントを適用した低コストLDモジュールへの実装にお
いて十分な結合効率が得られない。また、スポットサイ
ズ変換器集積半導体レーザ等の劈開位置によって素子特
性が変化するデバイスにおいては、劈開位置精度のばら
つきにより素子特性の均一性が劣化するという問題点が
ある。更に、光ファイバとの結合点が2点ある半導体光
増幅器では、特性を確保するためにパッシブアラインメ
ントの適用は不可能である。
【0018】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、組立用マーカ及び光出射端面と活性層との
間の相対位置精度が優れ、実装時に十分な結合効率を得
ることができ、均一な素子特性を得ることができる半導
体光素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の半導
体光素子の製造方法は、半導体基板上に目合わせパター
ン成長阻止マスク及び1対の同方向に延びる成長阻止マ
スクを選択的に形成する工程と、前記半導体基板上に第
1のクラッド層を選択成長により形成する工程と、前記
第1のクラッド層上に活性層を備えた導波路層を選択成
長により形成する工程と、前記導波路層上に第2のクラ
ッド層を選択成長により形成する工程と、全面に半導体
層を形成する工程と、を有する半導体光素子の製造方法
において、前記目合わせパターン成長阻止マスク及び1
対の前記成長阻止マスクを形成する工程の前に前記半導
体基板並びに前記第1及び第2のクラッド層に対して選
択エッチングが可能なエッチングストッパー層を前記半
導体基板上に形成する工程を有し、前記半導体層を形成
する工程の後に前記半導体層及び前記第2のクラッド層
を選択的にエッチングすることにより前記目合わせパタ
ーン成長阻止マスクの形状を発現させる工程を有するこ
とを特徴とする。
【0020】本発明に係る第2の半導体光素子の製造方
法は、半導体基板上に目合わせパターン成長阻止マスク
及び1対の同方向に延びる成長阻止マスクを選択的に形
成する工程と、前記半導体基板上に第1のクラッド層を
選択成長により形成する工程と、前記第1のクラッド層
上に活性層を備えた導波路層を選択成長により形成する
工程と、前記導波路層上に第2のクラッド層を選択成長
により形成する工程と、全面に半導体層を形成する工程
と、を有する半導体光素子の製造方法において、前記第
2のクラッド層を形成する工程の後に前記半導体基板並
びに前記第1及び第2のクラッド層に対して選択エッチ
ングが可能なエッチングストッパー層を前記第2のクラ
ッド層上に形成する工程を有し、前記半導体層を形成す
る工程の後に前記半導体層を選択的にエッチングするこ
とにより前記目合わせパターン成長阻止マスクの形状を
発現させる工程を有することを特徴とする。
【0021】本発明に係る第3の半導体光素子の製造方
法は、半導体基板上に目合わせパターン成長阻止マスク
及び1対の同方向に延びる成長阻止マスクを選択的に形
成する工程と、前記半導体基板上に第1のクラッド層を
選択成長により形成する工程と、前記第1のクラッド層
上に活性層を備えた導波路層を選択成長により形成する
工程と、前記導波路層上に第2のクラッド層を選択成長
により形成する工程と、全面に半導体層を形成する工程
と、を有する半導体光素子の製造方法において、前記目
合わせパターン成長阻止マスク及び1対の前記成長阻止
マスクは前記半導体基板並びに前記第1及び第2のクラ
ッド層に対して選択エッチングが可能であり、前記半導
体層を形成する工程の後に前記半導体層及び前記第2の
クラッド層を選択的にエッチングすることにより前記目
合わせパターン成長阻止マスクの形状を発現させる工程
を有することを特徴とする。
【0022】なお、前記半導体基板並びに前記第1及び
第2のクラッド層をInPから形成し、前記目合わせパ
ターン成長阻止マスク及び1対の前記成長阻止マスクを
SiO2から形成し、前記導波路層をInGaAsPか
ら形成することができる。
【0023】本発明に係る第4の半導体光素子の製造方
法は、半導体基板の表面をエッチングして目合わせマー
クを形成する工程と、前記半導体基板上に1対の同方向
に延びる成長阻止マスクを選択的に形成する工程と、前
記半導体基板上に第1のクラッド層を選択成長により形
成する工程と、前記第1のクラッド層上に活性層を備え
た導波路層を選択成長により形成する工程と、前記導波
路層上に前記導波路層に対して選択エッチングが可能な
第2のクラッド層を選択成長により形成する工程と、全
面に半導体層を形成する工程と、前記半導体層及び前記
第2のクラッド層を選択的にエッチングすることにより
前記目合わせマークの形状を前記導波路層の表面に発現
させる工程と、を有することを特徴とする。
【0024】本発明においては、前記導波路層の表面に
発現した前記目合わせマークの形状を位置決めの基準と
して前記半導体層上に素子実装用のマーカ又は2個の素
子間の劈開位置を示すマーカ若しくは溝を形成する工程
を有することができる。
【0025】なお、前記半導体基板並びに前記第1及び
第2のクラッド層をInPから形成し、前記エッチング
ストッパー層及び前記導波路層をInGaAsPから形
成することができる。
【0026】また、前記半導体層をエッチングする工程
において塩酸及びリン酸を含有するエッチング液が使用
されてもよい。
【0027】本発明に係る第1乃至第3の製造方法にお
いては、半導体層をエッチングする際に、第1及び第2
のクラッド層に対して選択エッチングが可能なエッチン
グストッパー層又は目合わせパターン成長阻止マスクに
より半導体基板は保護されているので、半導体基板をエ
ッチングすることなく目合わせパターン成長阻止マスク
の形状、即ち目合わせパターンを明確に発現させること
ができる。また、第4の製造方法においては、半導体層
をエッチングする際に、導波路層が半導体基板に形成さ
れた目合わせマーク上に存在するので、半導体基板をエ
ッチングすることなく目合わせマークの形状、即ち目合
わせパターンを明確に発現させることができる。これに
より、高い精度の位置合わせを行うことが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例方法に係る
半導体光素子の製造方法について、添付の図面を参照し
て具体的に説明する。図1(a)乃至(c)、図2
(a)及び(b)並びに図3は本発明の第1の実施例方
法に係る半導体光素子の製造方法を工程順に示す模式図
である。
【0029】先ず、図1(a)に示すように、n型In
P基板9の(001)面を表面とし、この全面にn型I
nGaAsPからなる層厚が、例えば100nmのエッ
チングストッパー層7を形成する。なお、InGaAs
Pの組成は、1050nmの波長が得られInP基板9
と格子整合する組成である。また、InGaAsPは、
例えば塩酸及びリン酸からなるエッチング液により、後
に形成されるInPからなるクラッド層及び電流ブロッ
ク層に対して選択エッチングが可能である。次いで、エ
ッチングストッパー層7の上に、例えば幅が5μm、開
口幅が1.5μmであるストライプ状の1対のSiO2
からなる第1の成長阻止マスク10及び同じSiO2
らなる目合わせパターン膜8を選択的に形成する。第1
の成長阻止マスク10のピッチは、例えば300μmで
あり、目合わせパターン膜8の形状は、例えば幅が20
μm、長さが80μmである長方形が十字型に配置され
た形状である。
【0030】次に、図1(b)に示すように、第1の成
長阻止マスク10及び目合わせパターン膜8を除く領域
に、例えば層厚が200nm、キャリア密度が1×10
18cm-3であるn型InPクラッド層17を選択成長に
より形成する。その後、アンドープInGaAsPガイ
ド層、多重量子井戸構造の活性層及びアンドープInG
aAsPガイド層の3層からなる導波路層1を選択成長
によりn型クラッド層17上に形成する。なお、両アン
ドープInGaAsPガイド層はInPに格子整合し、
例えばその波長組成は1130nm、層厚は60nmで
ある。また、活性層は、アンドープInGaAsPガイ
ド層と同一組成を有し層厚が、例えば10nmであるア
ンドープInGaAsP障壁層及びInPに対して0.
7%の圧縮歪を有し、例えば層厚が6nm、層数が6で
あるアンドープInGaAsPウェル層から構成されて
いる。次いで、例えば層厚が200nm、キャリア密度
が7×1017cm-3であるp型InPクラッド層18を
導波路層1上に選択成長により形成する。これにより、
目合わせパターン8aが形成される。
【0031】次に、図1(c)に示すように、第1の成
長阻止マスク10及び目合わせパターン膜8を除去し、
1対の第1の成長阻止マスク10により形成された溝間
に位置するp型InPクラッド層18上にSiO2から
なる第2の成長阻止マスク11を特開平8−33066
5号公報に記述されている方法により形成する。即ち、
SiO2膜を形成した後、溝間に位置する台形部分の上
面上のSiO2膜のみが残存するように斜面上のSiO2
膜をエッチング除去することにより、第2の成長阻止マ
スク11を形成する。その後、第2の成長阻止マスク1
1を除く領域に、例えば層厚が600nm、キャリア密
度が6×1017cm-3であるp型InPブロック層5を
形成する。更に、例えば層厚が600nm、キャリア密
度が3×1018cm-3であるn型InP電流ブロック層
4をp型InPブロック層5上に形成する。
【0032】次に、図2(a)に示すように、第2の成
長阻止マスク11を除去する。その後、例えば層厚が2
μm、キャリア密度が1×1018cm-3であるp型In
Pクラッド層3を全面に形成する。そして、例えば層厚
が500nm、キャリア密度が5×1018cm-3である
p型InGaAsコンタクト層2をp型InPクラッド
層3上に形成する。このとき、目合わせパターン8aは
p型InPクラッド層3並びにInP電流ブロック層4
及び5にほとんど埋もれてしまっており、p型InGa
Asコンタクト層2の表面には、わずかなパターン跡1
2のみが存在する。
【0033】次に、図2(b)に示すように、全面にフ
ォトレジスト6を塗布する。次いで、パターン跡12の
周辺領域に塗布されたフォトレジスト6をフォトリソグ
ラフィ工程により除去する。そして、硫酸、過酸化水素
及び水からなる混合液により目合わせパターン8a直上
のp型InGaAsコンタクト層2を除去する。
【0034】次に、図3に示すように、塩酸及びリン酸
からなる混合液を使用してInPからなるp型クラッド
InP層3、n型InP電流ブロック層4、p型InP
電流ブロック層5、n型InPクラッド層17及びp型
InPクラッド層18をエッチングする。このとき、I
nGaAsPからなる導波路層1及びエッチングストッ
パー層7はエッチングされない。従って、目合わせパタ
ーン8aを明瞭に確認することができるようになる。
【0035】本実施例によれば、ダブルへテロ構造を形
成するための第1の成長阻止マスク10と同時に形成さ
れた目合わせパターン膜8の形状を有する目合わせパタ
ーン8aが精度良く復元されるため、パッシブアライン
メントに使用される組立用マーカを形成するフォトリソ
グラフィ工程において、この目合わせパターン8aを使
用して高い精度の位置合わせを行うことが可能である。
従って、組立用マーカと活性層との相対位置精度が極め
て高い半導体レーザが得られる。
【0036】また、パッシブアラインメントにおいて
は、半導体レーザは電極パターンと光ファイバとの相対
位置が固定された状態で実装されるため、組立用マーカ
と活性層との相対位置精度及び組立用マーカとレーザ端
面との相対位置精度が高いということは、活性層と光フ
ァイバとの相対位置精度が高いということになり、結合
効率の向上及び均一化を図ることができる。
【0037】次に、本発明の第2の実施例方法について
説明する。図4(a)及び(b)、図5(a)乃至
(c)並びに図6は本発明の第2の実施例方法に係る半
導体光素子の製造方法を工程順に示す模式図である。
【0038】先ず、図4(a)に示すように、第1導電
型の基板29の表面上に誘電体からなる1対のストライ
プ状の第1の成長阻止マスク30及び同じ誘電体からな
る目合わせパターン膜28を選択的に形成する。
【0039】次に、図4(b)に示すように、第1の成
長阻止マスク30及び目合わせパターン膜28を除く領
域に第1導電型のクラッド層37を形成する。その後、
クラッド層37とは組成が相違するガイド層及び活性層
から構成された導波路層21をクラッド層37上に形成
する。次いで、第1導電型の逆導電型である第2導電型
のクラッド層38を導波路層21上に形成する。これに
より、目合わせパターン28aが形成される。
【0040】次に、図5(a)に示すように、第1の成
長阻止マスク30及び目合わせパターン膜28を除去
し、1対の第1の成長阻止マスク30により形成された
溝間に位置するクラッド層38上に第2の成長阻止マス
ク31を更に形成する。その後、第2の成長阻止マスク
31を除く領域に、クラッド層及び後に形成される電流
ブロック層に対して選択エッチングが可能なエッチング
ストッパー層27、第2導電型のクラッド層38と同じ
組成を有する第2導電型の電流ブロック層25及び第1
導電型の電流ブロック層24を順次形成する。
【0041】次に、図5(b)に示すように、第2の成
長阻止マスク31を除去する。その後、全面に第2導電
型のクラッド層23及び第2導電型のコンタクト層22
を順次形成する。このとき、目合わせパターン28aは
第2導電型のクラッド層23並びに電流ブロック層24
及び25にほとんど埋もれてしまっており、コンタクト
層22の表面には、わずかなパターン跡32のみが存在
する。
【0042】次に、図5(c)に示すように、全面にフ
ォトレジスト26を塗布する。次いで、パターン跡32
の周辺領域に塗布されたフォトレジスト26をフォトリ
ソグラフィ工程により除去する。このフォトリソグラフ
ィ工程は、パターン跡32近傍のフォトレジスト26が
除去されればよいので、高い精度は必要ではなくパター
ン跡32を使用した目合わせが可能である。その後、第
2導電型のコンタクト層22をエッチング可能なエッチ
ング液により目合わせパターン28a直上の第2導電型
のコンタクト層22を除去する。
【0043】次に、図6に示すように、第2導電型のク
ラッド層23、第1導電型の電流ブロック層24及び第
2導電型の電流ブロック層25をエッチング可能なエッ
チング液を使用してエッチングする。このとき、導波路
層21及びエッチングストッパー層27はエッチングさ
れない。従って、目合わせパターン28aを明瞭に確認
することができるようになる。
【0044】次に、第2の実施例方法をスポットサイズ
変換器集積半導体レーザの製造方法に適用した第3の実
施例方法について説明する。図7(a)及び(b)は本
発明の第3の実施例方法に係るスポットサイズ変換器集
積半導体レーザの製造方法を工程順に示す模式図であ
る。
【0045】先ず、図7(a)に示すように、n型In
P基板49の(001)面を表面とし、この全面に例え
ば開口幅が1.5μmであるストライプ状の1対のSi
2からなる第1の成長阻止マスク50及び同じSiO2
からなる目合わせパターン膜48を選択的に形成する。
第1の成長阻止マスク50のピッチは、例えば300μ
mであり、目合わせパターン膜48の形状は、例えば幅
が20μm、長さが80μmである長方形が十字型に配
置された形状である。また、第1の成長阻止マスク50
の幅は、例えばレーザ部で50μm、スポットサイズ変
換部で50μmから5μmに変化している。
【0046】次に、図7(b)に示すように、第1の成
長阻止マスク50及び目合わせパターン膜48を除く領
域に、例えばマスク幅が50μmの箇所で層厚が200
nm、キャリア密度が1×1018cm-3であるn型In
Pクラッド層57を選択成長により形成する。その後、
アンドープInGaAsPガイド層、多重量子井戸構造
の活性層及びアンドープInGaAsPガイド層の3層
からなる導波路層41を選択成長によりn型InPクラ
ッド層57上に形成する。なお、両アンドープInGa
AsPガイド層はInPに格子整合し、例えばその波長
組成はマスク幅が50μmの箇所で1130nm、層厚
は60nmである。また、活性層は、アンドープInG
aAsPガイド層と同一組成を有しマスク幅が50μm
の箇所での層厚が、例えば10nmである障壁層及びI
nPに対して0.7%の圧縮歪を有し、例えばマスク幅
が50μmの箇所での層厚が6nm、層数が6であるI
nGaAsPウェル層から構成されている。次いで、例
えばマスク幅が50μmの箇所での層厚が200nm、
キャリア密度が7×1017cm-3であるp型InPクラ
ッド層58を選択成長により導波路層41上に形成す
る。これにより、スポットサイズ変換部はマスク幅の変
化に伴い層厚が変化しテーパ形状を有するようになる。
スポットサイズ変換器集積レーザの製造には、最終的に
スポットサイズ変換部の先端53で劈開することが必要
となるが、この劈開位置のずれがスポットサイズ変換器
集積レーザの特性に大きく影響する。また、目合わせパ
ターン48aが形成される。
【0047】以下、第2の実施例方法と同様の工程を行
う。第1の成長阻止マスク50及び目合わせパターン膜
48を除去し、1対の第1の成長阻止マスク50により
形成された溝間に位置するp型InPクラッド層58上
にSiO2からなる第2の成長阻止マスクを形成する。
なお、第2の成長阻止マスクの形成には、第1の実施例
方法と同様に、特開平8−330665号公報に記述さ
れている方法を採用する。
【0048】次に、p型InPクラッド層58上の第2
の成長阻止マスクを除く領域に、例えば層厚が100n
mのInGaAsPからなるエッチングストッパー層を
形成する。なお、このInGaAsPの組成は、105
0nmの波長が得られInP基板49と格子整合する組
成としている。また、InGaAsPは、例えば塩酸及
びリン酸からなるエッチング液により、InPからなる
クラッド層及び電流ブロック層に対して選択エッチング
が可能である。
【0049】次に、例えば層厚が600nm、キャリア
密度が6×1017cm-3であるp型InPブロック層を
エッチングストッパー層上に形成する。更に、例えば層
厚が600nm、キャリア密度が3×1018cm-3であ
るn型InP電流ブロック層をp型InPブロック層上
に形成する。
【0050】次に、p型InPクラッド層58上の第2
の成長阻止マスクを除去する。その後、例えば層厚が2
μm、キャリア密度が1×1018cm-3であるp型In
Pクラッド層を全面に形成する。そして、例えば、層厚
が500nm、キャリア密度が5×1018cm-3である
p型InGaAsコンタクト層をp型InPクラッド層
上に形成する。このとき、目合わせパターン48aはp
型InPクラッド層及びInP電流ブロック層に埋もれ
てしまっており、p型InGaAsコンタクト層の表面
には、図5(c)に示す第2の実施例方法のときと同様
に、わずかなパターン跡のみが存在する。
【0051】次に、全面にフォトレジストを塗布する。
次いで、パターン跡の周辺領域に塗布されたフォトレジ
ストをフォトリソグラフィ工程により除去する。そし
て、硫酸、過酸化水素及び水からなる混合液により目合
わせパターン48a直上のp型InGaAsコンタクト
層を除去する。
【0052】次に、塩酸及びリン酸からなる混合液を使
用してInPからなるp型クラッド層、n型電流ブロッ
ク層及びp型電流ブロック層をエッチングする。このと
き、InGaAsPからなるガイド層、活性層及びエッ
チングストッパー層47はエッチングされない。従っ
て、目合わせパターン48aを明瞭に確認することがで
きるようになる。
【0053】本実施例方法においては、明確に現れた目
合わせパターン48aは最初の結晶成長用に形成された
第1の成長阻止マスク50のパターンとの位置精度が極
めて高いため、これを基準としてレーザ共振器形成時の
劈開位置を決定すれば、均一な特性を持つスポットサイ
ズ変換器集積レーザを得ることができる。
【0054】次に、本発明の第4の実施例方法について
説明する。図8(a)及び(b)、図9(a)及び
(b)並びに図10(a)及び(b)は本発明の第4の
実施例方法に係る半導体光素子の製造方法を工程順に示
す模式図である。
【0055】先ず、図8(a)に示すように、第1導電
型の基板69の表面上に誘電体からなる1対のストライ
プ状の第1の成長阻止マスク70及び同じ誘電体からな
り目合わせパターンとしての機能を有するエッチングス
トッパー層67を選択的に形成する。
【0056】次に、図8(b)に示すように、第1の成
長阻止マスク70及びエッチングストッパー層67を除
く領域に第1導電型のクラッド層77を形成する。その
後、クラッド層77とは組成が相違するガイド層及び活
性層からなる導波路層61をクラッド層77上に形成す
る。次いで、第2導電型のクラッド層78を導波路層6
1上に形成する。これにより、目合わせパターン67a
が形成される。
【0057】次に、図9(a)に示すように、目合わせ
パターンの機能を有するエッチングストッパー層67を
フォトリソグラフィ工程によりフォトレジストで覆った
うえで、第1の成長阻止マスク70を除去する。このと
き、エッチングストッパー層67は除去されずに残存す
る。次いで、1対の第1の成長阻止マスク70により形
成された溝間に位置するクラッド層78上に第2の成長
阻止マスク71を更に形成する。その後、第2の成長阻
止マスク71及びエッチングストッパー層67を除く領
域に、第2導電型のクラッド層78と同じ組成を有する
第2導電型の電流ブロック層65及び第1導電型の電流
ブロック層64を順次形成する。
【0058】次に、図9(b)に示すように、第2の成
長阻止マスク71を除去する。このとき、予めフォトリ
ソグラフィ工程によりエッチングストッパー層67をフ
ォトレジストで覆っておき除去されないようにしてお
く。その後、全面に第2導電型のクラッド層63及び第
2導電型のコンタクト層62を順次形成する。このと
き、目合わせパターン67aは第2導電型のクラッド層
63並びに電流ブロック層64及び65に埋もれてしま
っており、コンタクト層62の表面には、わずかなパタ
ーン跡72のみが存在する。
【0059】次に、図10(a)に示すように、全面に
フォトレジスト66を塗布する。次いで、パターン跡7
2の周辺領域に塗布されたフォトレジスト66をフォト
リソグラフィ工程により除去する。このフォトリソグラ
フィ工程は、パターン跡72近傍のフォトレジストが除
去されればよいので、高い精度は必要でなくパターン跡
72を使用した目合わせが可能である。その後、第2導
電型のコンタクト層62をエッチング可能なエッチング
液により目合わせパターン67a直上の第2導電型のコ
ンタクト層62を除去する。
【0060】次に、図10(b)に示すように、第2導
電型のクラッド層63、第1導電型の電流ブロック層6
4及び第2導電型の電流ブロック層65をエッチング可
能なエッチング液を使用してエッチングする。このと
き、ガイド層、活性層及びエッチングストッパー層67
はエッチングされない。従って、目合わせパターン67
aを明瞭に確認することができるようになる。
【0061】次に、第4の実施例方法を分布型帰還レー
ザの製造方法に適用した第5の実施例方法について説明
する。図11(a)及び(b)は本発明の第5の実施例
方法に係る分布型帰還レーザの製造方法を工程順に示す
模式図である。
【0062】先ず、図11(a)に示すように、n型I
nP基板89の(001)面を表面とし、この上にSi
2からなり目合わせパターンとしての機能を有するエ
ッチングストッパー層87を選択的に形成する。更に、
これに合わせて電子ビーム露光法により回折格子94を
形成する。この回折格子94は、ちょうど素子の中央部
分に相当する場所においてレーザ光の位相をλ/4
(λ;レーザ光の波長)だけシフトさせる構造を有して
おり、優れた単一縦モード特性を実現することができ
る。位相シフト位置95が素子の中央にあることが単一
縦モード特性の実現の上で重要である。
【0063】次に、図11(b)に示すように、例えば
マスク開口幅が1.5μm、マスク幅が5μm、ピッチ
が300μmであるストライプ状の1対のSiO2から
なる第1の成長阻止マスク90を回折格子94の上に、
目合わせパターンとしての機能を有するエッチングスト
ッパー層87に合わせて形成する。
【0064】以下、第4の実施例方法と同様の工程を行
う。第1の成長阻止マスク90及びエッチングストッパ
ー層87を除く領域に、アンドープInGaAsPガイ
ド層、多重量子井戸構造の活性層及びアンドープInG
aAsPガイド層の3層からなる導波路層を、第4の実
施例方法と同様にして形成する。なお、両アンドープI
nGaAsPガイド層はInPに格子整合し、例えばそ
の波長組成は1130nm、層厚は60nmである。ま
た、活性層は、アンドープInGaAsPガイド層と同
一組成を有し層厚が、例えば10nmである障壁層及び
InPに対して0.7%の圧縮歪を有し、例えば層厚が
6nm、層数が6であるInGaAsPウェル層から構
成されている。次いで、例えば層厚が200nm、キャ
リア密度が7×1017cm-3であるp型InPクラッド
層を導波路層上に形成する。これにより、目合わせパタ
ーンが形成される。
【0065】次に、目合わせパターンの機能を有するエ
ッチングストッパー層87をフォトリソグラフィ工程に
よりフォトレジストで覆ったうえで、第1の成長阻止マ
スク90を除去する。このとき、エッチングストッパー
層87は除去されずに残存する。次いで、1対の第1の
成長阻止マスク90により形成された溝間に位置するク
ラッド層上に更にSiO2からなる第2の成長阻止マス
クを形成する。その後、第2の成長阻止マスク及びエッ
チングストッパー層87を除く領域に、例えば層厚が6
00nm、キャリア密度が6×1017cm-3であるp型
InPブロック層を形成する。更に、例えば層厚が60
0nm、キャリア密度が3×1018cm -3であるn型I
nP電流ブロック層をp型InPブロック層上に形成す
る。
【0066】次に、第4の実施例方法と同様に、第2の
成長阻止マスクを除去する。このとき、予めフォトリソ
グラフィ工程によりエッチングストッパー層87をフォ
トレジストで覆っておき除去されないようにしておく。
その後、例えば層厚が2μm、キャリア密度が1×10
18cm-3であるp型InPクラッド層及び、例えば層厚
が500nm、キャリア密度が5×1018cm-3である
p型InGaAsコンタクト層を全面に順次形成する。
このとき、目合わせパターンはp型InPクラッド層及
びInP電流ブロック層に埋もれてしまっており、p型
InGaAsコンタクト層の表面には、図10(a)に
示す第4の実施例方法のときと同様に、わずかなパター
ン跡のみが残存する。
【0067】次に、全面にフォトレジストを塗布する。
次いで、パターン跡の周辺領域に塗布されたフォトレジ
ストをフォトリソグラフィ工程により除去する。そし
て、硫酸、過酸化水素及び水からなる混合液により目合
わせパターン87a直上のp型InGaAsコンタクト
層を除去する。
【0068】次に、塩酸及びリン酸からなる混合液を使
用してInPからなるp型クラッド層、n型電流ブロッ
ク層及びp型電流ブロック層をエッチングする。このと
き、InGaAsPからなる導波路層及びエッチングス
トッパー層87はエッチングされない。従って、目合わ
せパターンを明確に確認することができるようになる。
【0069】本実施例方法においては、明確に現れた目
合わせパターンの機能を有するエッチングストッパー層
87は回折格子形成時における回折格子の位相シフト位
置との位置精度が極めて高いため、これを基準としてレ
ーザ共振器形成時の劈開位置を決定すれば、均一な特性
を持つ分布帰還型レーザを得ることができる。
【0070】本発明の実施例方法により形成された半導
体光素子においては、例えば、組立用マーカと活性層と
の位置精度は従来の±4μmから±1μmへ、組立用マ
ーカとレーザ端面との位置精度は従来の±15μmから
±7μmへと向上した。この結果、従来ばらつきが大き
かった結合効率も、3.2±0.5dBという均一な値
が得られた。
【0071】次に、本発明の第5の実施例方法について
説明する。第5の実施例方法は、光モジュールの基板側
の組立用マーカ及び素子表面の組立用マーカを使用して
画像認識により素子を実装する方法、所謂ビジュアルア
ラインメント法により光モジュールに搭載される半導体
レーザを製造する方法である。図12(a)及び
(b)、図13(a)及び(b)、図14(a)及び
(b)並びに図15(a)及び(b)は本発明の第6の
実施例方法に係る半導体レーザの製造方法を工程順に示
す模式図である。
【0072】先ず、図12(a)に示すように、n型I
nP基板201の(001)面を表面とし、この全面に
膜厚が1000ÅのSiO2膜202を形成する。次い
で、SiO2膜202上にレジスト(図示せず)を形成
し、このレジストにフォトリソグラフィによりアライン
メント用マーカパターンを形成する。そして、マーカパ
ターン部分のSiO2膜202をバッファードフッ酸で
除去する。その後、例えば硫酸、過酸化水素水及び水か
らなるエッチング液を使用してエッチングすることによ
り、アラインメント用マーカ203を基板201に形成
する。アラインメント用マーカ203の形状は、例えば
幅が10μm、長さが50μmである長方形が十字型に
配置された形状であり、その深さは0.2μmである。
但し、アラインメント用マーカ203の形状は、このよ
うな十字型に限定されるものではなく、ステッパ等の露
光装置の仕様に応じた矩形等の他の形状でもよい。
【0073】次に、全面にフォトレジスト(図示せず)
を塗布し、このフォトレジストにマーカ203を基準に
してフォトリソグラフィにより[110]方向に延びる
開口幅が1.5μm、マスク幅が5μmの1対のパター
ンを形成する。バッファードフッ酸を使用してエッチン
グすることにより、図12(b)に示すように、SiO
2膜202から1対の成長阻止マスク204を形成す
る。
【0074】その後、図13(a)に示すように、成長
阻止マスク204を除く領域に、例えば層厚が100n
m、キャリア濃度が1×1018cm-3であるn型InP
クラッド層205を選択MOVPE(Metal Organic Va
por Phase Epitaxy)成長により形成する。更に、順に
積層されたInGaAsPガイド層、多重量子井戸活性
層及びInGaAsPガイド層からなる導波路層206
を選択MOVPE成長によりn型InPクラッド層20
5上に形成する。なお、例えば両InGaAsPガイド
層の層厚は60nm、波長組成は1130nmである。
また、多重量子井戸活性層の量子井戸層数は6層であ
り、例えば層厚が6nm、波長組成が1270nm、歪
量が0.7%のInGaAsP井戸層及び層厚が10n
m、波長組成が1130nmのInGaAsP障壁層が
この順に積層されて構成されている。更に、導波路層2
06上に選択MOVPE成長により、例えば層厚が20
0nm、キャリア濃度が7×1017cm-3である第1p
型InPクラッド層207を形成する。
【0075】次に、図13(b)に示すように、成長阻
止マスク204をバッファードフッ酸で除去し、1対の
成長阻止マスク204により形成された溝間に位置する
第1p型InPクラッド層207上にのみSiO2膜2
08を形成する。その後、SiO2膜208を除く領域
に、例えば層厚が600nm、キャリア濃度が6×10
17cm-3であるp型InP電流ブロック層209をMO
VPE成長により形成する。更に、例えば層厚が600
nm、キャリア濃度が3×1018cm-3であるn型In
P電流ブロック層210をMOVPE成長により形成す
る。
【0076】その後、図14(a)に示すように、Si
2膜208をバッファードフッ酸で除去する。次い
で、MOVPE成長により全面に、例えば層厚が350
0nm、キャリア濃度が1×1018cm-3である第2p
型InPクラッド層211を形成する。更に、MOVP
E成長により第2p型InPクラッド層211上に、例
えば層厚が300nm、キャリア濃度が1×1019cm
-3であるp型InGaAsコンタクト層212を形成す
る。
【0077】次に、図14(b)に示すように、全面に
フォトレジスト213を塗布する。このとき、アライン
メント用マーカ203は、p型InGaAsコンタクト
層212、第2p型InPクラッド層211、n型In
P電流ブロック層210及びp型InP電流ブロック層
209にほとんど埋もれてしまい、その形は著しく崩れ
ているものの、おおよその位置は判別できる。そして、
マーカ203直上及びその周辺部のフォトレジスト21
3を、例えばあわせて30μm程度の幅で除去する。
【0078】その後、図15(a)に示すように、フォ
トレジスト213をマスクとして硫酸、過酸化水素水及
び水からなるエッチング液によりマーカ203直上のp
型InGaAsコンタクト層212を除去する。更に、
塩酸及びリン酸からなるエッチング液によりInPから
なる第2p型InPクラッド層211、n型InP電流
ブロック層210、p型InP電流ブロック層209及
び第1p型InPクラッド層207をエッチングする。
このとき、InGaAsPからなる導波路層206は塩
酸及びリン酸からなるエッチング液によってはエッチン
グされないので、そこでエッチングが停止し、アライン
メント用マーカ203は初期の形状をほぼ保ったまま復
元される。
【0079】次いで、図15(b)に示すように、フォ
トレジスト213を除去し、エッチングにより形成され
た溝の底面及び側面上にSiO2膜216を形成する。
次に、表面電極214を復元されたマーカ203を基準
としてフォトリソグラフィによりp型InGaAsコン
タクト層212上に形成する。更に、表面電極214の
表面に組立用マーカ215を復元されたマーカ203を
基準としてフォトリソグラフィにより形成する。このと
き、露光装置としてステッパを使用すれば、マーカ20
3及び導波路層206間Aの位置精度及びマーカ203
及び組立用マーカ215間Bの位置精度は、共に±0.
1乃至0.2μm程度とすることができる。従って、組
立用マーカ215と導波路層206との相対位置精度と
して±0.3μm程度と極めて高い精度を得ることがで
きる。
【0080】その後、光モジュールの基板側の組立用マ
ーカ203及び素子表面の組立用マーカ215を使用し
て画像認識により素子をモジュールに実装する。この方
法は、素子を発光させながらモジュールに実装する組立
方法と比較して、モジュール製造工程におけるスループ
ットを向上させることが可能であり、ひいては光モジュ
ールを低コスト化することが可能である。従って、本実
施例を適用することにより、素子表面の組立用マーカ2
15と素子の導波路層206との相対位置精度が向上す
るため、素子の導波路層206とモジュール側の光ファ
イバ及び導波路との相対位置精度も高くなる。この結
果、結合効率が向上し、光モジュールの動作電流の低減
が可能となる。更に、結合効率のばらつきも低減できさ
れるので、光モジュールの低コスト化を実現することが
できる。
【0081】次に、第6の実施例方法をスポットサイズ
変換器集積レーザに適用した第7の実施例方法について
説明する。スポットサイズ変換器集積レーザは、レンズ
使用することなく光ファイバに結合することができるこ
とから、光モジュールの低コスト化に有用であるが、レ
ーザ共振器形成時の劈開工程において劈開位置が所定の
位置からずれると所望のスポットサイズや放射角が得ら
れなくなり、光ファイバとの結合効率が低下する。従っ
て、劈開位置を正確に制御することで、光ファイバとの
結合効率のばらつきを小さくすることができ、光モジュ
ールの高歩留化、低コスト化が可能となる。図16
(a)及び(b)、図17(a)及び(b)、図18
(a)及び(b)、図19(a)及び(b)並びに図2
0は本発明の第7の実施例方法に係るスポットサイズ変
換器集積半導体レーザの製造方法を工程順に示す模式図
である。
【0082】先ず、図16(a)に示すように、n型I
nP基板221の(001)面を表面とし、この全面に
膜厚が、例えば1000ÅのSiO2膜222を形成す
る。次いで、SiO2膜222上にレジスト(図示せ
ず)を形成し、このレジストにフォトリソグラフィによ
りアラインメント用マーカパターンを形成する。そし
て、マーカパターン部分のSiO2膜222をバッファ
ードフッ酸で除去する。その後、例えば硫酸、過酸化水
素水及び水からなるエッチング液を使用してエッチング
することにより、十字型のアラインメント用マーカ22
3を基板221に形成する。但し、アラインメント用マ
ーカ223の形状は、このような十字型に限定されるも
のではなく、ステッパ等の露光装置の仕様に応じた矩形
等の他の形状でもよい。
【0083】次に、全面にフォトレジスト(図示せず)
を塗布し、このフォトレジストにマーカ223を基準に
してフォトリソグラフィにより[110]方向に延びる
開口幅が1.5μmの1対のパターンを形成する。バッ
ファードフッ酸を使用してエッチングすることにより、
図16(b)に示すように、SiO2膜222から1対
の成長阻止マスク224を形成する。なお、成長阻止マ
スク224には、幅が50μm、長さが300μmの領
域と、幅が50μmから5μmへと直線的に徐々に狭く
なっており長さが200μmの領域と、からなる1対の
パターンが、向かい合わせに繰り返して形成されてい
る。前者の領域がレーザ部、後者の領域がスポットサイ
ズ変換部として動作する。
【0084】その後、図17(a)に示すように、成長
阻止マスク224を除く領域に、例えば層厚が100n
m、キャリア濃度が1×1018cm-3であるn型InP
クラッド層225を選択MOVPE成長により形成す
る。更に、順に積層されたInGaAsPガイド層、多
重量子井戸活性層及びInGaAsPガイド層からなる
導波路層226を選択MOVPE成長によりn型InP
クラッド層225上に形成する。なお、例えば両InG
aAsPガイド層の層厚は60nm、波長組成は113
0nmである。また、多重量子井戸活性層の量子井戸層
数は6層であり、例えば層厚が6nm、波長組成が12
70nm、歪量が0.7%のInGaAsP井戸層及び
層厚が10nm、波長組成が1130nmのInGaA
sP障壁層がこの順に積層されて構成されている。更
に、導波路層226上に選択MOVPE成長により、例
えば層厚が200nm、キャリア濃度が7×1017cm
-3である第1p型InPクラッド層227を形成する。
なお、これらの層厚、波長組成及び歪量は、いずれもレ
ーザ部における値であり、スポットサイズ変換部では、
SiO2膜222の幅がレーザ部よりも狭いので、導波
路層226の層厚はレーザ部の約1/3程度である。
【0085】次に、図17(b)に示すように、成長阻
止マスク224を除去し、1対の成長阻止マスク224
により形成された溝間に位置する第1p型InPクラッ
ド層227上にのみSiO2膜228を形成する。その
後、SiO2膜228を除く領域に、例えば層厚が60
0nm、キャリア濃度が6×1017cm-3であるp型I
nP電流ブロック層229をMOVPEにより形成す
る。更に、例えば層厚が600nm、キャリア濃度が3
×1018cm-3であるn型InP電流ブロック層230
をMOVPEにより形成する。
【0086】その後、図18(a)に示すように、Si
2膜228を除去する。次いで、MOVPEにより全
面に、例えば層厚が3500nm、キャリア濃度が1×
10 18cm-3である第2p型InPクラッド層231を
形成する。更に、MOVPEにより第2p型InPクラ
ッド層231上に、例えば層厚が300nm、キャリア
濃度が1×1019cm-3であるp型InGaAsコンタ
クト層232を形成する。
【0087】次に、図18(b)に示すように、全面に
フォトレジスト233を塗布する。このとき、アライン
メント用マーカ223は、p型InGaAsコンタクト
層232、第2p型InPクラッド層231、n型In
P電流ブロック層230及びp型InP電流ブロック層
229にほとんど埋もれてしまい、その形は著しく崩れ
ているものの、おおよその位置は判別できる。そして、
マーカ223直上及びその周辺のフォトレジスト233
を除去する。
【0088】その後、図19(a)に示すように、フォ
トレジスト233をマスクとして硫酸、過酸化水素水及
び水からなるエッチング液によりマーカ223直上のp
型InGaAsコンタクト層232を除去する。更に、
塩酸及びリン酸からなるエッチング液によりInPから
なる第2p型InPクラッド層231、n型InP電流
ブロック層230、p型InP電流ブロック層229及
び第1p型InPクラッド層227をエッチングする。
このとき、InGaAsPからなる導波路層226は塩
酸及びリン酸からなるエッチング液によってはエッチン
グされないので、そこでエッチングが停止し、アライン
メント用マーカ223は初期の形状をほぼ保ったまま復
元される。
【0089】次いで、図19(b)に示すように、フォ
トレジスト233を除去し、レーザ部の直上を除く領域
にSiO2膜234を形成する。
【0090】その後、図20に示すように、全面にCr
Au合金等からなる金属電極235を蒸着法又はスパッ
タ法により形成する。その後、アラインメント用マーカ
223を基準にしてフォトリソグラフィにより表面電極
パターンを形成すると共に、素子と素子との境界を示す
マーカ236を所定位置に形成する。
【0091】このマーカ236は、導波路層226の形
成に使用されたアラインメント用マーカ223を基準と
して形成されたものであるため、マーカ236と導波路
層226との相対位置精度は極めて高い。その後、レー
ザ共振器を形成するために素子を劈開するが、この際に
マーカ236の位置に合わせて劈開を行えば、正確に素
子と素子との境界で劈開することが可能である。
【0092】このように、本実施例方法によれば、導波
路層216と劈開位置との位置精度を著しく向上させる
ことができるので、光のスポットサイズ及び放射角のば
らつきを抑制して光ファイバとの結合効率のばらつきを
低減することができ、光モジュールの高歩留化、低コス
ト化が可能となる。
【0093】次に、第6の実施例方法を位相シフト回折
格子を有する分布帰還型レーザ(DFB−LD)に適用
した第8の実施例方法について説明する。分布帰還型レ
ーザにおいては、よく知られているように、共振器中の
回折格子の中央に1/4波長分だけ位相をシフトした部
分を設けることにより、単一縦モード特性を高歩留で得
ることができる。但し、この位相シフト部の位置が共振
器中央からずれると、信号が単一縦モードで発振しにく
くなるため、位相シフト部が共振器中央となるよう共振
器を形成する必要がある。図21(a)及び(b)、図
22(a)及び(b)、図23(a)及び(b)、図2
4(a)及び(b)並びに図25は本発明の第8の実施
例方法に係る分布帰還型半導体レーザの製造方法を工程
順に示す模式図である。
【0094】先ず、図21(a)に示すように、n型I
nP基板241の(001)面を表面とし、この全面に
膜厚が、例えば1000ÅのSiO2膜242を形成す
る。次いで、SiO2膜242上にレジスト(図示せ
ず)を形成し、このレジストにフォトリソグラフィによ
りアラインメント用マーカパターンを形成する。そし
て、マーカパターン部分のSiO2膜242をバッファ
ードフッ酸で除去する。その後、例えば硫酸、過酸化水
素水及び水からなるエッチング液を使用してエッチング
することにより、十字型のアラインメント用マーカ24
3を基板241に形成する。但し、アラインメント用マ
ーカ243の形状は、このような十字型に限定されるも
のではなく、ステッパ等の露光装置の仕様に応じた矩形
等の他の形状でもよい。
【0095】次に、図21(b)に示すように、SiO
2膜242を除去し、アラインメント用マーカ243を
基準にして、干渉露光法又は電子線(EB)露光法を採
用した方法により、位相シフト部244を有する回折格
子245をn型InP基板241の表面に形成する。こ
こで、位相シフト部244の間隔は共振器長に等しいも
のである。
【0096】次いで、図22(a)に示すように、n型
InP基板241の(001)面全面に膜厚が、例えば
1000ÅのSiO2膜を形成し、アラインメント用マ
ーカパターン243を基準としてフォトリソグラフィに
より、[110]方向に延びる幅が5μm、開口幅が
1.5μmの1対の成長阻止マスク246を形成する。
【0097】その後、図22(b)に示すように、成長
阻止マスク246を除く領域に、例えば層厚が30n
m、波長組成が1130nmであるInGaAsPガイ
ド層247を選択MOVPE成長により形成する。更
に、例えば層厚が20nm、キャリア濃度が1×1018
cm-3のInPスペーサ層248を選択MOVPE成長
によりInGaAsPガイド層247上に形成する。更
に、順に積層された第1InGaAsPガイド層、多重
量子井戸活性層及び第2InGaAsPガイド層からな
る導波路層249を選択MOVPE成長によりInPス
ペーサ層248上に形成する。なお、例えば第1InG
aAsPガイド層の層厚は30nm、波長組成は113
0nmである。また、多重量子井戸活性層の量子井戸層
数は6層であり、例えば層厚が6nm、波長組成が12
70nm、歪量が0.7%のInGaAsP井戸層及び
層厚が10nm、波長組成が1130nmのInGaA
sP障壁層がこの順に積層されて構成されている。ま
た、例えば第2InGaAsPガイド層の層厚は60n
m、波長組成は1130nmである。更に、導波路層2
49上に選択MOVPE成長により、例えば層厚が20
0nm、キャリア濃度が7×1017cm-3である第1p
型InPクラッド層250を形成する。
【0098】次に、図23(a)に示すように、成長阻
止マスク246をバッファードフッ酸により除去し、1
対の成長阻止マスク246により形成された溝間に位置
する第1p型InPクラッド層250上にのみSiO2
膜251を形成する。その後、SiO2膜251を除く
領域に、層厚が600nm、キャリア濃度が6×101 7
cm-3であるp型InP電流ブロック層252をMOV
PEにより形成する。更に、例えば層厚が600nm、
キャリア濃度が3×1018cm-3であるn型InP電流
ブロック層253をMOVPEにより形成する。
【0099】その後、図23(b)に示すように、Si
2膜251をバッファードフッ酸により除去する。次
いで、MOVPEにより全面に、例えば層厚が3500
nm、キャリア濃度が1×1018cm-3である第2p型
InPクラッド層254を形成する。更に、MOVPE
により第2p型InPクラッド層254上に、例えば層
厚が300nm、キャリア濃度が1×1019cm-3であ
るp型InGaAsコンタクト層255を形成する。
【0100】次に、図24(a)に示すように、全面に
フォトレジスト256を塗布する。このとき、アライン
メント用マーカ243は、p型InGaAsコンタクト
層255、第2p型InPクラッド層254、n型In
P電流ブロック層253、p型InP電流ブロック層2
52及び第1p型InPクラッド層250にほとんど埋
もれてしまい、その形は著しく崩れているものの、おお
よその位置は判別できる。そして、マーカ243直上及
びその周辺部のフォトレジスト256を、例えばあわせ
て20μm程度の幅で除去する。
【0101】その後、図24(b)に示すように、フォ
トレジスト256をマスクとして硫酸、過酸化水素水及
び水からなるエッチング液によりマーカ243直上のp
型InGaAsコンタクト層255を除去する。更に、
塩酸及びリン酸からなるエッチング液によりInPから
なる第2p型InPクラッド層254、n型InP電流
ブロック層253、p型InP電流ブロック層252及
び第1p型InPクラッド層250をエッチングする。
このとき、InGaAsPからなる導波路層249は塩
酸及びリン酸からなるエッチング液によってはエッチン
グされないので、そこでエッチングが停止し、アライン
メント用マーカ243は初期の形状をほぼ保ったまま復
元される。
【0102】次いで、図25に示すように、フォトレジ
スト256を除去し、p型InGaAsコンタクト層2
55上に、例えば膜厚が400nmのSiO2膜257
を形成する。その後、復元したアラインメント用マーカ
243を基準として、導波路直上部周辺を除き、位相シ
フト位置間のちょうど中央の部分のSiO2膜257を
フォトリソグラフィにより10μmの幅で除去する。そ
して、混合比が1:1000のBr2及びメタノールか
らなるエッチング液によりp型InGaAsコンタクト
層255をエッチングすることにより、V字状の溝25
8を形成する。
【0103】このフォトリソグラフィ工程においては、
復元したアラインメント用マーカ243を基準としてい
るので、V字状の溝258と回折格子の位相シフト部と
の位置精度は極めて高い。従って、このV字状の溝25
8に沿って劈開を行えば、高い精度で位相シフト部をレ
ーザ共振器の中央に位置するように制御することができ
る。
【0104】このように、本実施例方法によれば、位相
シフト部の位置をレーザ共振器中央に精度よく制御する
ことが可能なので、単一縦モード特性が優れたDFB−
LDを高歩留で得ることができる。
【0105】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
半導体基板をエッチングすることなく目合わせパターン
成長阻止マスク又は目合わせマーカの形状、即ち目合わ
せパターンを明確に発現させることができる。これによ
り、高い精度の位置合わせを行うことができるので、半
導体光素子の組立用マーカ及び光出射端面と活性層との
間の相対位置精度は優れており、実装時に十分な結合効
率を得ることができる。
【0106】また、目合わせパターンを使用してレーザ
共振器形成時の劈開位置を決定すれば、選択成長時の成
長阻止マスクのパターン又はグレーティングの位相シフ
ト位置等との相対位置精度を保持しながらレーザ共振器
を形成することができるため、均一な素子特性を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)乃至(c)は本発明の第1の実施例方法
に係る半導体光素子の製造方法を工程順に示す模式図で
ある。
【図2】(a)及び(b)は、同じく、本発明の第1の
実施例方法を示す図であって、図1(a)乃至(c)に
示す工程の次工程を示す模式図である。
【図3】同じく、本発明の第1の実施例方法を示す図で
あって、図2(a)及び(b)に示す工程の次工程を示
す模式図である。
【図4】(a)及び(b)は本発明の第2の実施例方法
に係る半導体光素子の製造方法を工程順に示す模式図で
ある。
【図5】(a)乃至(c)は、同じく、本発明の第2の
実施例方法を示す図であって、図4(a)及び(b)に
示す工程の次工程を示す模式図である。
【図6】同じく、本発明の第2の実施例方法を示す図で
あって、図5(a)乃至(c)に示す工程の次工程を示
す模式図である。
【図7】(a)及び(b)は本発明の第3の実施例方法
に係るスポットサイズ変換器集積半導体レーザの製造方
法を工程順に示す模式図である。
【図8】(a)及び(b)は本発明の第4の実施例方法
に係る半導体光素子の製造方法を工程順に示す模式図で
ある。
【図9】(a)及び(b)は、同じく、本発明の第4の
実施例方法を示す図であって、図8(a)及び(b)に
示す工程の次工程を示す模式図である。
【図10】(a)及び(b)は、同じく、本発明の第4
の実施例方法を示す図であって、図9(a)及び(b)
に示す工程の次工程を示す模式図である。
【図11】(a)及び(b)は本発明の第5の実施例方
法に係る分布型帰還レーザの製造方法を工程順に示す模
式図である。
【図12】(a)及び(b)は本発明の第6の実施例方
法に係る半導体レーザの製造方法を工程順に示す模式図
である。
【図13】(a)及び(b)は、同じく、本発明の第6
の実施例方法を示す図であって、図12(a)及び
(b)に示す工程の次工程を示す模式図である。
【図14】(a)及び(b)は、同じく、本発明の第6
の実施例方法を示す図であって、図13(a)及び
(b)に示す工程の次工程を示す模式図である。
【図15】(a)及び(b)は、同じく、本発明の第6
の実施例方法を示す図であって、図14(a)及び
(b)に示す工程の次工程を示す模式図である。
【図16】(a)及び(b)は本発明の第7の実施例方
法に係るスポットサイズ変換器集積半導体レーザの製造
方法を工程順に示す模式図である。
【図17】(a)及び(b)は、同じく、本発明の第7
の実施例方法を示す図であって、図16(a)及び
(b)に示す工程の次工程を示す模式図である。
【図18】(a)及び(b)は、同じく、本発明の第7
の実施例方法を示す図であって、図17(a)及び
(b)に示す工程の次工程を示す模式図である。
【図19】(a)及び(b)は、同じく、本発明の第7
の実施例方法を示す図であって、図18(a)及び
(b)に示す工程の次工程を示す模式図である。
【図20】同じく、本発明の第7の実施例方法を示す図
であって、図19(a)及び(b)に示す工程の次工程
を示す模式図である。
【図21】(a)及び(b)は本発明の第8の実施例方
法に係る分布帰還型半導体レーザの製造方法を工程順に
示す模式図である。
【図22】(a)及び(b)は、同じく、本発明の第8
の実施例方法を示す図であって、図21(a)及び
(b)に示す工程の次工程を示す模式図である。
【図23】(a)及び(b)は、同じく、本発明の第8
の実施例方法を示す図であって、図22(a)及び
(b)に示す工程の次工程を示す模式図である。
【図24】(a)及び(b)は、同じく、本発明の第8
の実施例方法を示す図であって、図23(a)及び
(b)に示す工程の次工程を示す模式図である。
【図25】同じく、本発明の第8の実施例方法を示す図
であって、図24(a)及び(b)に示す工程の次工程
を示す模式図である。
【図26】従来のパッシブアラインメントによるレーザ
ダイオードモジュールの組立方法を示す模式図である。
【図27】(a)及び(b)は従来の半導体光素子の製
造方法を工程順に示す模式図である。
【図28】(a)及び(b)は、同じく、従来の半導体
光素子の製造方法を示す図であって、図27(a)及び
(b)に示す工程の次工程を示す模式図である。
【符号の説明】
1、21、41、61、111、206、226、24
9;導波路層 2、22、62、112、212、232、255;コ
ンタクト層 3、17、18、23、37、38、57、58、6
3、77、78、113、122、123、205、2
07、211、225、227、231、250、25
4;クラッド層 4、5、24、25、64、65、114、115、2
09、210、229、230、252、253;ブロ
ック層 6、26、66、213、233、256;フォトレジ
スト 7、27、67、87;エッチングストッパー層 8、28、48、118;目合わせパターン膜 8a、28a、48a、67a、118a;目合わせパ
ターン 9、29、49、69、89、119、201、22
1、241;基板 10、11、30、31、50、70、71、90、1
20、121、204、224、246;成長阻止マス
ク 12、32、72、124;パターン跡 53;先端 94、245;回折格子 95、244;位相シフト位置 101;Si基板 102、255;溝 103;光ファイバ 104;半導体レーザ 105、106;組立用マーカ 107;活性層 203、215、223、236、243;マーカ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に目合わせパターン成長阻
    止マスク及び1対の同方向に延びる成長阻止マスクを選
    択的に形成する工程と、前記半導体基板上に第1のクラ
    ッド層を選択成長により形成する工程と、前記第1のク
    ラッド層上に活性層を備えた導波路層を選択成長により
    形成する工程と、前記導波路層上に第2のクラッド層を
    選択成長により形成する工程と、全面に半導体層を形成
    する工程と、を有する半導体光素子の製造方法におい
    て、前記目合わせパターン成長阻止マスク及び1対の前
    記成長阻止マスクを形成する工程の前に前記第1及び第
    2のクラッド層に対して選択エッチングが可能なエッチ
    ングストッパー層を前記半導体基板上に形成する工程を
    有し、前記半導体層を形成する工程の後に前記半導体層
    及び前記第2のクラッド層を選択的にエッチングするこ
    とにより前記目合わせパターン成長阻止マスクの形状を
    発現させる工程を有することを特徴とする半導体光素子
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 半導体基板上に目合わせパターン成長阻
    止マスク及び1対の同方向に延びる成長阻止マスクを選
    択的に形成する工程と、前記半導体基板上に第1のクラ
    ッド層を選択成長により形成する工程と、前記第1のク
    ラッド層上に活性層を備えた導波路層を選択成長により
    形成する工程と、前記導波路層上に第2のクラッド層を
    選択成長により形成する工程と、全面に半導体層を形成
    する工程と、を有する半導体光素子の製造方法におい
    て、前記第2のクラッド層を形成する工程の後に前記第
    1及び第2のクラッド層に対して選択エッチングが可能
    なエッチングストッパー層を前記第2のクラッド層上に
    形成する工程を有し、前記半導体層を形成する工程の後
    に前記半導体層を選択的にエッチングすることにより前
    記目合わせパターン成長阻止マスクの形状を発現させる
    工程を有することを特徴とする半導体光素子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 半導体基板上に目合わせパターン成長阻
    止マスク及び1対の同方向に延びる成長阻止マスクを選
    択的に形成する工程と、前記半導体基板上に第1のクラ
    ッド層を選択成長により形成する工程と、前記第1のク
    ラッド層上に活性層を備えた導波路層を選択成長により
    形成する工程と、前記導波路層上に第2のクラッド層を
    選択成長により形成する工程と、全面に半導体層を形成
    する工程と、を有する半導体光素子の製造方法におい
    て、前記目合わせパターン成長阻止マスク及び1対の前
    記成長阻止マスクは前記第1及び第2のクラッド層に対
    して選択エッチングが可能であり、前記半導体層を形成
    する工程の後に前記半導体層及び前記第2のクラッド層
    を選択的にエッチングすることにより前記目合わせパタ
    ーン成長阻止マスクの形状を発現させる工程を有するこ
    とを特徴とする半導体光素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記半導体基板並びに前記第1及び第2
    のクラッド層はInPからなり、前記目合わせパターン
    成長阻止マスク及び1対の前記成長阻止マスクはSiO
    2からなり、前記導波路層はInGaAsPからなるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の半導体光素子の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 半導体基板の表面をエッチングして目合
    わせマークを形成する工程と、前記半導体基板上に1対
    の同方向に延びる成長阻止マスクを選択的に形成する工
    程と、前記半導体基板上に第1のクラッド層を選択成長
    により形成する工程と、前記第1のクラッド層上に活性
    層を備えた導波路層を選択成長により形成する工程と、
    前記導波路層上に前記導波路層に対して選択エッチング
    が可能な第2のクラッド層を選択成長により形成する工
    程と、全面に半導体層を形成する工程と、前記半導体層
    及び前記第2のクラッド層を選択的にエッチングするこ
    とにより前記目合わせマークの形状を前記導波路層の表
    面に発現させる工程と、を有することを特徴とする半導
    体光素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記導波路層の表面に発現した前記目合
    わせマークの形状を位置決めの基準として前記半導体層
    上に素子実装用のマーカを形成する工程を有することを
    特徴とする請求項5に記載の半導体光素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記導波路層の表面に発現した前記目合
    わせマークの形状を位置決めの基準として前記半導体層
    上に2個の素子間の劈開位置を示すマーカを形成する工
    程を有することを特徴とする請求項5に記載の半導体光
    素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記導波路層の表面に発現した前記目合
    わせマークの形状を位置決めの基準として前記半導体層
    上に2個の素子間の劈開位置を示す溝を形成する工程を
    有することを特徴とする請求項5に記載の半導体光素子
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記半導体基板並びに前記第1及び第2
    のクラッド層はInPからなり、前記エッチングストッ
    パー層及び前記導波路層はInGaAsPからなること
    を特徴とする請求項1、2又は5に記載の半導体光素子
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記半導体層をエッチングする工程に
    おいて塩酸及びリン酸を含有するエッチング液が使用さ
    れることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に
    記載の半導体光素子の製造方法。
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