JP2000121193A - 冷凍サイクルおよび冷凍サイクルの制御方法 - Google Patents

冷凍サイクルおよび冷凍サイクルの制御方法

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JP2000121193A
JP2000121193A JP10294788A JP29478898A JP2000121193A JP 2000121193 A JP2000121193 A JP 2000121193A JP 10294788 A JP10294788 A JP 10294788A JP 29478898 A JP29478898 A JP 29478898A JP 2000121193 A JP2000121193 A JP 2000121193A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 利用負荷が大きい時に圧縮機を停止した自然
循環運転を行なって消費電力量を削減でき、かつ構成が
簡単な冷凍サイクルを得る。また、蓄熱槽の設置位置を
自由に設定できる冷凍サイクルを得る。 【解決手段】 圧縮機1,熱源側熱交換器3,利用側減
圧装置7,利用側熱交換器8を接続し、熱源側熱交換器
3から利用側減圧装置7までの液配管81,84、利用
側熱交換器8から圧縮機1までの蒸気配管85,82を
有する。蓄熱材98を貯溜する蓄熱槽99内に備えた蓄
熱用熱交換器6の蒸気側接続口と蒸気配管82、液側接
続口と蓄熱用減圧装置5を介して液配管81を接続す
る。さらに、蓄熱用熱交換器6の液側接続口を各利用側
熱交換器8の液側接続口より上方に設置し、冷熱蓄熱利
用時に重力による冷媒の自然循環作用で室内を冷房す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄熱式冷凍サイク
ルの消費電力量削減に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図16に、特開平7−198217号公
報に記載された従来の蓄熱式冷凍サイクルを示す。図に
おいて、111はビルの屋上などに設置される氷蓄熱槽
を示し、その内部に熱交換用配管111aが投入されて
いる。112は、圧縮機113と熱源側となる凝縮器1
14を備えた室外ユニットを示し、圧縮機113と凝縮
器114とが配管115を介して接続されている。さら
に、凝縮器114と、氷蓄熱槽111の熱交換用配管1
11aと、その氷蓄熱槽111よりも下方で各階に設置
されて利用側となる例えば4台の熱交換器116とが冷
媒液配管117を介して接続されるとともに、熱交換器
116のそれぞれと圧縮機113とが冷媒蒸気配管11
8を介して接続されている。
【0003】凝縮器114と氷蓄熱槽111との間にお
いて、冷媒液配管117に膨脹弁119が介装されてい
る。また、氷蓄熱槽111の出口側から最上部の熱交換
器116に至るまでの冷媒液配管117と、最上部の熱
交換器116と圧縮機113との間の冷媒蒸気配管11
8とが、開閉弁120を介装した循環用配管121で接
続されている。
【0004】また、膨脹弁119と氷蓄熱槽111の間
の冷媒液配管117と、最上部の熱交換器116と圧縮
機113との間の冷媒蒸気配管118とが、自然循環用
配管122と三方弁123とを介して接続されている。
【0005】上記のように構成された従来の蓄熱式冷凍
サイクルにおいて、蓄熱運転状態では、開閉弁120を
開き、夜間などに夜間電力を利用して圧縮機113を駆
動し、冷媒を圧縮機113→凝縮器114→膨脹弁11
9→氷蓄熱槽111→循環用配管121→圧縮機113
と強制的に循環させる。圧縮機113で高温高圧となっ
た冷媒は、凝縮器114で凝縮して放熱し冷却液化され
る。さらに膨張弁119で減圧されて二相状態の湿り蒸
気となり、氷蓄熱槽111で吸熱し蒸発して冷媒ガスと
なって圧縮機111へ循環する。このとき、氷蓄熱槽1
11内の水が冷やされて熱交換用配管111aの周囲か
ら氷ができていく。
【0006】一方、昼間の冷房運転を行う場合にあっ
て、開閉弁120を閉じると共に圧縮機113の駆動を
停止した冷媒の自然循環運転状態では、冷媒を氷蓄熱槽
111→熱交換器116・・・→自然循環用配管122
→氷蓄熱槽111と気液相変化により自然循環流動さ
せ、氷蓄熱槽111内の氷を利用して冷媒蒸気を液化
し、その液化した冷媒液を熱交換器116・・・に流下
供給し、熱交換器116・・・での熱交換に伴って蒸発
した冷媒蒸気を上昇させて氷蓄熱槽111に供給するよ
うになっている。
【0007】また、夏場などのように冷房負荷が高い時
には、開閉弁120を閉じると共に圧縮機113を駆動
し、冷媒を圧縮機113→凝縮器114→膨脹弁119
→氷蓄熱槽111→熱交換器116・・・→圧縮機11
3と強制的に循環させ、冷媒を過冷却して熱交換器11
6・・・に供給する。
【0008】また、氷蓄熱槽111と最上部の熱交換器
116との間の部分と、凝縮器114と膨脹弁119と
の間の部分とがバイパス用開閉弁124を介装したバイ
パス配管15を介して接続されており、氷蓄熱槽111
内に氷がない時に、圧縮機113→凝縮器114→バイ
パス配管125→熱交換器116・・・→圧縮機113
と強制的に循環させて冷房運転を行えるように構成され
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の蓄熱式冷凍サイ
クルは上記のような構成および動作であるので、冷房運
転時に圧縮機113を停止した状態での冷媒の自然循環
運転を行うために、膨脹弁119と氷蓄熱槽111の間
の冷媒液配管117と、最上部の熱交換器116と圧縮
機113の間の冷媒蒸気配管118とを接続する自然循
環用配管122が必要であり、これに伴う材料費や工事
費が高くなるという問題点があった。また、従来の蓄熱
式冷凍サイクルは、自然循環運転時に、膨脹弁119と
氷蓄熱槽111との間の液配管を蒸気冷媒が通過しなけ
ればならないので、圧力損失が大きくなって冷媒循環量
が減り、冷房能力がでにくくなる。このため、自然循環
運転の運転範囲が狭められるという問題点があった。さ
らに、従来の蓄熱式冷凍サイクルにおける自然循環運転
では、利用側熱交換器での負荷が小さい場合にのみ行う
ように構成されているため、氷蓄熱槽111、特に熱交
換用配管111aで大きな熱交換量を得ようとする構成
にはなっていなかった。このため、負荷がピークを迎え
る時間帯に電力ピークカットを目的として自然循環運転
を行おうとすると、熱交換用配管111aの伝熱面積が
小さく、満足に運転できないという問題点があった。ま
た、氷蓄熱槽1をビルの屋上などに設置し、熱交換器6
は氷蓄熱槽1よりも下方に配置するという設置条件があ
り、大きな氷蓄熱槽1をすべての熱交換器6よりも上方
に設置することができない場合もあった。さらにまた、
従来の蓄熱式冷凍サイクルは、冷房運転しかできず、冬
季の暖房運転に対しては何らの考慮もなされていないと
いう問題点があった。
【0010】本発明の蓄熱式冷凍サイクルは、上記のよ
うな問題点を解決するためになされたものであり、圧縮
機,熱源側熱交換器、利用側減圧装置,利用側熱交換器
を連接して構成される通常の冷凍サイクルの構成に大幅
な変更を加えることなく、構成を簡単にして低価格にで
きる蓄熱式冷凍サイクルを得ることを目的とするもので
ある。また、消費電力量を削減できる運転モードの運転
範囲を広くでき、利用側負荷がピークを迎える時間帯に
消費電力量を低減する電力ピークカットが可能な蓄熱式
冷凍サイクルを得ることを目的とするものである。ま
た、設置条件の制限が少ない蓄熱式冷凍サイクルを得る
ことを目的とするものである。また、利用側で冷却およ
び加熱が可能な蓄熱式冷凍サイクルを提供することを目
的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る冷凍サイク
ルは、圧縮機,熱源側熱交換器,利用側減圧装置,利用
側熱交換器を連接してなる冷凍サイクルにおいて、冷媒
と蓄熱材とが熱交換する蓄熱用熱交換器を備え、前記蓄
熱用熱交換器の蒸気側接続口を前記利用側熱交換器の蒸
気側接続口と前記圧縮機の吸入口との間を接続する蒸気
配管に接続し、その液側接続口を前記利用側熱交換器の
液側接続口と前記熱源側熱交換器の液側接続口との間を
接続する液配管に蓄熱用減圧装置を介して接続し、前記
蓄熱用熱交換器の蒸気側接続口を液側接続口よりも上方
に配設すると共にその液側接続口を前記利用側熱交換器
の液側接続口より上方に設置し、冷熱蓄熱運転時に前記
圧縮機,前記熱源側熱交換器,前記蓄熱用減圧装置,前
記蓄熱用熱交換器に冷媒を循環させて前記蓄熱材に冷熱
を蓄え、冷媒自然循環冷却運転時に前記蓄熱用熱交換
器,前記利用側減圧装置,前記利用側熱交換器に冷媒を
循環させて前記蓄熱材に蓄えた冷熱を前記利用側熱交換
器で冷却に利用することを特徴とするものである。
【0012】また、本発明に係る冷凍サイクルは、圧縮
機,熱源側熱交換器,利用側減圧装置,利用側熱交換器
を連接してなる冷凍サイクルにおいて、蓄熱材から吸熱
して冷媒が蒸発する蓄熱用熱交換器と、前記蓄熱材に放
熱して冷媒が凝縮する自然循環用熱交換器とを備え、前
記蓄熱用熱交換器の蒸気側接続口を前記利用側熱交換器
の蒸気側接続口と前記圧縮機の吸入口との間を接続する
蒸気配管に接続し、その液側接続口を前記利用側熱交換
器の液側接続口と前記熱源側熱交換器の液側接続口との
間を接続する液配管に蓄熱用減圧装置を介して接続し、
前記自然循環用熱交換器の蒸気側接続口を前記利用側熱
交換器の蒸気側接続口と前記圧縮機の吸入口との間を接
続する蒸気配管に接続し、その液側接続口を前記利用側
熱交換器の液側接続口と前記熱源側熱交換器の液側接続
口との間を接続する液配管に開閉弁Uを介して接続し、
前記自然循環用熱交換器の蒸気側接続口を液側接続口よ
りも上方に配設すると共にその液側接続口を前記利用側
熱交換器の液側接続口より上方に設置し、冷熱蓄熱運転
時に前記圧縮機,前記熱源側熱交換器,前記蓄熱用減圧
装置,前記蓄熱用熱交換器に冷媒を循環させて前記蓄熱
材に冷熱を蓄え、冷媒自然循環冷却運転時に前記自然循
環用熱交換器,前記利用側減圧装置,前記利用側熱交換
器に冷媒を循環させて前記蓄熱材に蓄えた冷熱を前記利
用側熱交換器で冷却に利用することを特徴とするもので
ある。
【0013】また、本発明に係る冷凍サイクルは、蓄熱
材を循環させる蓄熱材循環路と、この蓄熱材循環路に設
けられ自然循環用熱交換器を循環する冷媒と熱交換する
熱交換部とを備え、冷媒自然循環冷却運転時に前記自然
循環用熱交換器を循環する冷媒が前記熱交換部で前記蓄
熱材循環路を循環する前記蓄熱材に放熱して凝縮するよ
うに構成したことを特徴とするものである。
【0014】また、本発明に係る冷凍サイクルは、冷媒
自然循環冷却運転時に、凝縮した液冷媒が熱源側熱交換
器の液側接続口へ流れるのを阻止する開閉弁Pを備えた
ことを特徴とするものである。
【0015】また、本発明に係る冷凍サイクルは、蓄熱
用熱交換器の蒸気側接続口への接続部と熱源側熱交換器
の蒸気側接続口との間の蒸気配管に設置され、圧縮機の
吐出側と吸入側の冷媒流路を切換えて利用側熱交換器で
の冷却と加熱を可能とする流路切換装置と、前記利用側
熱交換器の蒸気側接続口と前記流路切換装置との間を接
続する蒸気配管と前記蓄熱用熱交換器の蒸気側接続口と
の間に設置された開閉弁Qとを備え、一般加熱運転時
に、前記開閉弁Qによって前記圧縮機の吐出口から前記
蓄熱用熱交換器の蒸気側接続口への冷媒の流れを阻止
し、前記圧縮機,前記利用側熱交換器,利用側減圧装
置,前記熱源側熱交換器に冷媒を循環させて前記利用側
熱交換器で加熱を行うことを特徴とするものである。
【0016】また、本発明に係る冷凍サイクルは、圧縮
機,熱源側熱交換器,利用側減圧装置,利用側熱交換器
を連接してなる冷凍サイクルにおいて、冷媒と蓄熱材と
が熱交換する蓄熱用熱交換器を備え、前記蓄熱用熱交換
器の蒸気側接続口を前記利用側熱交換器の蒸気側接続口
と前記圧縮機の吐出口との間を接続する蒸気配管に接続
し、その液側接続口を前記利用側熱交換器の液側接続口
と前記熱源側熱交換器の液側接続口との間を接続する液
配管に蓄熱用減圧装置を介して接続し、前記蓄熱用熱交
換器の蒸気側接続口を液側接続口より上方に配設すると
共にその液側接続口を前記利用側熱交換器の液側接続口
より下方に設置し、温熱蓄熱運転時に前記圧縮機,前記
蓄熱用熱交換器,前記蓄熱用減圧装置,前記熱源側熱交
換器に冷媒を循環させて前記蓄熱材に温熱を蓄え、冷媒
自然循環加熱運転時に前記蓄熱用熱交換器,前記利用側
熱交換器,前記利用側減圧装置に冷媒を循環させて前記
蓄熱材に蓄えた温熱を前記利用側熱交換器で加熱に利用
することを特徴とするものである。
【0017】また、本発明に係る冷凍サイクルは、圧縮
機,熱源側熱交換器,利用側減圧装置,利用側熱交換器
を連接してなる冷凍サイクルにおいて、蓄熱材に放熱し
て冷媒が凝縮する蓄熱用熱交換器と前記蓄熱材から吸熱
して冷媒が蒸発する自然循環用熱交換器とを備え、前記
蓄熱用熱交換器の蒸気側接続口を前記利用側熱交換器の
蒸気側接続口と前記圧縮機の吐出口との間を接続する蒸
気配管に接続し、その液側接続口を前記利用側熱交換器
の液側接続口と前記熱源側熱交換器の液側接続口との間
を接続する液配管に蓄熱用減圧装置を介して接続し、前
記自然循環用熱交換器の蒸気側接続口を前記利用側熱交
換器の蒸気側接続口と前記圧縮機の吐出口との間を接続
する蒸気配管に接続し、その液側接続口を前記利用側熱
交換器の液側接続口と前記熱源側熱交換器の液側接続口
との間を接続する液配管に開閉弁Uを介して接続し、前
記自然循環用熱交換器の蒸気側接続口を液側接続口より
も上方に配設すると共にその液側接続口を前記利用側熱
交換器の液側接続口より下方に設置し、温熱蓄熱運転時
に前記圧縮機,前記蓄熱用熱交換器,前記蓄熱用減圧装
置,前記熱源側熱交換器に冷媒を循環させて前記蓄熱材
に温熱を蓄え、冷媒自然循環加熱運転時に前記自然循環
用熱交換器,前記利用側熱交換器,前記利用側減圧装置
に冷媒を循環させて前記蓄熱材に蓄えた温熱を前記利用
側熱交換器で加熱に利用することを特徴とするものであ
る。
【0018】また、本発明に係る冷凍サイクルは、蓄熱
材を循環させる蓄熱材循環路と、この蓄熱材循環路に設
けられ自然循環用熱交換器を循環する冷媒と熱交換する
熱交換部とを備え、冷媒自然循環加熱運転時に前記自然
循環用熱交換器を循環する冷媒が前記熱交換部で前記蓄
熱材循環路を循環する前記蓄熱材から吸熱して蒸発する
ように構成したことを特徴とするものである。
【0019】また、本発明に係る冷凍サイクルは、冷媒
自然循環加熱運転時に、蒸発した蒸気冷媒が前記圧縮機
へ流れるのを阻止する開閉弁Tを備えたことを特徴とす
るものである。
【0020】また、本発明に係る冷凍サイクルは、蓄熱
用熱交換器の上部接続口への接続部と熱源側熱交換器と
の間の蒸気配管に設置され、圧縮機の吐出側と吸入側の
冷媒流路を切換えて利用側熱交換器での冷却と加熱を可
能とする流路切換装置と、前記利用側熱交換器の蒸気側
接続口と前記流路切換装置との間を接続する蒸気配管と
前記蓄熱用熱交換器の蒸気側接続口との間に設置された
開閉弁Qとを備え、一般冷却運転時に、前記開閉弁Qに
よって前記利用側熱交換器から前記蓄熱用熱交換器の蒸
気側接続口への冷媒の流れを阻止し、前記圧縮機,前記
熱源側熱交換器,前記利用側減圧装置,前記利用側熱交
換器に冷媒を循環させて前記利用側熱交換器で冷却を行
うことを特徴とするものである。
【0021】また、本発明に係る冷凍サイクルは、利用
側熱交換器の蒸気側接続口と圧縮機の間の蒸気配管と前
記蓄熱用熱交換器の蒸気側接続口との間と、前記蓄熱用
熱交換器の液側接続口への接続部と利用側熱交換器の液
側接続口の間の液配管とを接続する過冷却用液配管と、
前記過冷却用液配管に設置された開閉弁Rと、前記過冷
却用液配管への接続部と前記蓄熱用熱交換器の液側接続
口への接続部との間の液配管に設置した開閉弁Sとを備
え、冷熱蓄熱運転時に前記圧縮機,前記熱源側熱交換
器,前記蓄熱用減圧装置,前記蓄熱用熱交換器に冷媒を
循環させて前記蓄熱材に冷熱を蓄え、冷熱過冷却利用冷
却運転時に、前記開閉弁Rによって前記過冷却用液配管
を連通させると共に前記開閉弁Sによって前記熱源側熱
交換器から流出した冷媒を前記蓄熱用熱交換器の液側接
続口へ流し、前記圧縮機,熱源側熱交換器、蓄熱用熱交
換器,前記過冷却用液配管,利用側減圧装置,利用側熱
交換器に冷媒を循環させて前記蓄熱材に蓄えた冷熱を前
記利用側熱交換器で冷却に利用することを特徴とするも
のである。
【0022】また、本発明に係る冷凍サイクルにおける
蓄熱材は、水または水に凍結温度を低下させる溶質を混
合した水溶液であることを特徴とするものである。
【0023】また、本発明に係る冷凍サイクルは、自然
循環用熱交換器,利用側熱交換器,利用側減圧装置をを
連接して冷媒を循環させてなる冷媒循環路と、前記自然
循環用熱交換器を循環する冷媒を加熱して蒸発させる加
熱手段とを備え、前記自然循環用熱交換器の液側接続口
を蒸発側接続口よりも下方に配設すると共に、その液側
接続口を前記利用側熱交換器の液側接続口より下方に設
置し、冷媒自然循環暖房運転により前記利用側熱交換器
で冷媒が凝縮するときの凝縮熱を加熱に利用したことを
特徴とするものである。
【0024】また、本発明に係る冷凍サイクルにおける
加熱手段は、灯油バーナまたはガスバーナであることを
特徴とするものである。
【0025】また、本発明に係る冷凍サイクルは、冷媒
自然循環冷房運転または冷媒自然循環暖房運転で冷媒が
循環する蓄熱用熱交換器または自然循環用熱交換器また
は利用側熱交換器の各冷媒流路に沿った鉛直方向の位置
が、蒸気側接続口から液側接続口に至るまでの間で上昇
することがないように構成したことを特徴とするもので
ある。
【0026】また、本発明に係る冷凍サイクルは、蓄熱
用熱交換器または自然循環用熱交換器を通過する一流路
当りの冷媒質量流量が、液側に比べ蒸気側の方が小さく
なるように前記熱交換器を構成したことを特徴とするも
のである。
【0027】また、本発明に係る冷凍サイクルの制御方
法は、冷熱蓄熱運転において、冷媒の種類に応じて目標
温度を設定し、蓄熱用熱交換器の蒸気側出口の冷媒温度
を検知し、前記蓄熱用熱交換器の液側入口の冷媒温度を
検知し、前記蒸気側出口の冷媒温度と前記液側入口の冷
媒温度との温度差があらかじめ設定した前記目標温度に
なるように、蓄熱用減圧装置の開度を制御することを特
徴とするものである。
【0028】また、本発明に係る冷凍サイクルの制御方
法は、温熱蓄熱運転において、冷媒の種類に応じて目標
温度を設定し、圧縮機の吐出側の圧力を検出し、この検
出した吐出側の圧力に対する冷媒の飽和温度を検知し、
蓄熱用熱交換器の液側出口の冷媒温度を検知し、前記液
側出口の冷媒温度と前記冷媒の飽和温度との温度差があ
らかじめ設定した前記目標温度になるように、蓄熱用減
圧装置の開度を制御することを特徴とするものである。
【0029】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、本発明の実
施の形態1による蓄熱式冷凍サイクルを図1に基づいて
説明する。本実施の形態では、室内の冷房、暖房を行う
空気調和機として蓄熱式冷凍サイクルを利用したもので
あり、利用側熱交換器で得られた温熱を室内空気の加
熱、即ち暖房に利用し、また、利用側熱交換器で得られ
た冷熱を室内空気の冷却、即ち冷房に利用している。図
1は、本実施の形態による蓄熱式冷凍サイクルを示す構
成図である。
【0030】図において、1は圧縮機、2は流路切換装
置である四方弁、3は熱源側熱交換器、4はアキュムレ
ータ、21は室外送風機であり、これらは室外ユニット
101に内蔵されている。四方弁2の第1口は圧縮機1
の吐出側と、第2口は熱源側熱交換器3の蒸気側接続口
と、第3口はアキュムレータ4を介して圧縮機1の吸入
側と、それぞれ接続され、第4口は蒸気配管として室外
ユニット101の第1の蒸気側接続口Aを構成してい
る。また、熱源側熱交換器3の他端は液配管として室外
ユニット101の第1の液側接続口Bを構成している。
【0031】99は例えば水などの蓄熱材98を貯留し
ている蓄熱槽、5は蓄熱用減圧装置で、ここでは例えば
電子式膨張弁などの全開全閉可能な蓄熱用減圧装置を用
い、蓄熱用減圧装置5の開度に応じてこれを流れる冷媒
を減圧して通過させる機能を有すると共に、全閉にして
蓄熱用減圧装置5の配設されている配管に冷媒を通さな
い機能と、全開にしてこれを通る冷媒を減圧せずに通過
させる機能を備えている。この蓄熱用減圧装置は温度式
膨張弁や毛細管などを用いてもよいが、その場合にはバ
イパス配管や開閉弁などを設けて、運転モードに応じて
蓄熱用減圧装置をバイパスしたり、閉止して蓄熱用減圧
装置の配設されている配管に冷媒が流れないように構成
する。6は蓄熱槽99内に設置された蓄熱用熱交換器、
11,12,13および14はそれぞれ第1,第2,第
3および第4の開閉弁、31,32は第1,第2の温度
検出器であり、これらは蓄熱ユニット102に内蔵され
ている。81は液配管、82は蒸気配管、83は過冷却
用液配管である。液配管81は蓄熱ユニット102内部
の冷媒配管であり、第1の液側接続口Bから第2の液側
接続口Dとの間を第3の開閉弁(開閉弁S)13を介し
て接続している。蒸気配管82は蓄熱ユニット102内
部の冷媒配管であり、第1の蒸気側接続口Aから第2の
蒸気側接続口Cとの間を接続している。
【0032】蓄熱用熱交換器6の液側接続口は、蓄熱槽
99の下部から蓄熱槽外へ出、蓄熱用減圧装置5を介し
て第1の液側接続口Bと第3の開閉弁(開閉弁S)13
との間の液配管81に接続されている。この液配管81
との接続部は、熱源側熱交換器3の液側接続口と利用側
熱交換器8a,8bの液側接続口の間の液配管に接続さ
れていればよいのであるが、本実施の形態では蓄熱槽9
9を蓄熱ユニット102に収納しているため、第1の液
側接続口Bと第2の液側接続口Dの間の液配管81に接
続する。
【0033】一方、蓄熱用熱交換器6の蒸気側接続口
は、蓄熱槽99の上部から蓄熱槽外へ出て、第1の開閉
弁(開閉弁Q)11を介して蒸気配管82に接続されて
いる。この蒸気配管82との接続部も、四方弁2と利用
側熱交換器8a,8bの蒸気側接続口の間の蒸気配管に
接続されていればよいのであるが、本実施の形態では蓄
熱槽99を蓄熱ユニット102に収納しているため、第
1の蒸気側接続口Aと第2の蒸気側接続口Cの間の蒸気
配管82に接続する。
【0034】また、過冷却用液配管83は、蓄熱用熱交
換器6の蒸気側の端と第1の開閉弁(開閉弁Q)11の
間と、第2の液側接続口Dと第3の開閉弁(開閉弁S)
13の間の液配管81とを、第2の開閉弁(開閉弁R)
12を介して接続している。第4の開閉弁14は蓄熱用
減圧装置5をバイパスするように設置され、蓄熱用減圧
装置5を全開にする時に第4の開閉弁14も開として、
蓄熱用熱交換器6の液側接続口と液配管81間の冷媒流
量を多くしている。蓄熱用減圧装置5を全開にするだけ
で冷媒流量が十分な時には、第4の開閉弁14を設ける
必要はない。なお、蓄熱用熱交換器6の液側接続口と液
配管81の間の配管を閉止する時には、蓄熱用減圧装置
5を全閉にすると共に、第4の開閉弁14も閉とする。
【0035】7a,7bは第1,第2の利用側減圧装
置、8a,8bは第1,第2の利用側熱交換器、22
a,22bは第1,第2の利用側送風機であり、これら
はそれぞれ第1,第2の室内ユニット103a,103
b内に収納されている。第1,第2の利用側熱交換器8
a,8bの一端である液側接続口は、第1,第2の利用
側減圧装置7a,7bを介して、液延長配管84にそれ
ぞれ接続されている。第1,第2の利用側熱交換器8
a,8bの他端である蒸気側接続口は、蒸気延長配管8
5にそれぞれ接続されている。液延長配管84は、蓄熱
ユニット102の第2の液側接続口Dに接続され、蒸気
延長配管85は、蓄熱ユニット102の第2の蒸気側接
続口Cに接続されている。
【0036】以上のように構成された本実施の形態によ
る蓄熱式冷凍サイクルにおいて、次に、動作を説明す
る。この蓄熱式冷凍サイクルは、冷熱蓄熱運転,冷房運
転,暖房運転の3つの運転モードがあり、さらに、冷房
運転には、冷媒自然循環冷房運転,冷熱蓄熱過冷却利用
冷房運転,一般冷房運転がある。ここで、蓄熱槽99は
その内部に貯溜されている蓄熱材98である水に冷熱を
蓄熱し、その冷熱を冷房に利用している。また、後に記
述する他の実施の形態では暖房運転にも複数の運転モー
ドがあるが、ここでは通常の暖房運転のみであり、これ
を一般暖房運転と称する。
【0037】<冷熱蓄熱運転>例えば夏季冷房期間に夜
間電力を利用するなどして、蓄熱槽99内に冷熱を蓄え
る運転モードである。冷熱蓄熱運転時は、室外ユニット
101内部の四方弁2は第1口と第2口が連通し、第3
口と第4口が連通するように設定され、蓄熱ユニット1
02内部の第1の開閉弁(開閉弁Q)11を開、第2,
第3,第4の開閉弁12,13,14を閉とする。室内
ユニット103a,103bの内部の第1,第2の利用
側減圧装置7a,7bはそれぞれ全閉とする。
【0038】圧縮機1で圧縮され高温高圧となった冷媒
は、四方弁2の第1口から第2口を経て熱源側熱交換器
3に流入する。ここで、室外送風機21によって送り込
まれる室外空気に放熱して冷媒は凝縮液化する。この凝
縮液化した中温高圧の液冷媒は、第1の液側接続口B、
液配管81を経て蓄熱用減圧装置5で減圧されて低温低
圧の二相冷媒となる。この低圧二相冷媒は、蓄熱用熱交
換器6の液側接続口から流入して、蓄熱槽99内に収納
された蓄熱材98から吸熱して蒸発する。この低温低圧
の蒸気冷媒は第1の開閉弁(開閉弁Q)11、蒸気配管
82、第1の蒸気側接続口A、四方弁2の第4口から第
3口、およびアキュムレータ4を経て圧縮機1の吸入側
に戻る。この時、蓄熱用熱交換器6の表面には蓄熱材9
8である水が冷却されてできた氷が付着成長して、冷熱
を蓄える。
【0039】この運転における蓄熱槽99では、冷媒は
蓄熱用熱交換器6の下部から流入して上方へ流れ、上部
から流出する。この時、下部に流入する冷媒は蓄熱用減
圧装置5で減圧された二相冷媒であり、上部から流出す
る冷媒は蓄熱用熱交換器6を通過する間に蒸発した蒸気
冷媒である。この現象のため、以下では蓄熱用熱交換器
6の下部の流入側を液側と称し、上部の流出側を蒸気側
と称する。
【0040】蓄熱用減圧装置5の開度は、蓄熱用熱交換
器6の蒸気側出口に設置されている第1の温度検出器3
1の温度検出値T31と、蓄熱用熱交換器6の液側入口
に設置されている第2の温度検出器32の温度検出値T
32の差(T31−T32)とが、あらかじめ設定され
ている第1の目標値SH1に近づくように制御する。こ
の第1の目標値SH1は、蓄熱用熱交換器6内での冷媒
の圧力損失に伴う温度降下と蓄熱用熱交換器6の蒸気側
出口で目標とする冷媒状態によって決めるとよい。な
お、第1の温度検出器31は、図1では蓄熱用熱交換器
6の蒸気側接続口と第1の開閉弁(開閉弁Q)11との間
に設置されているが、蓄熱用熱交換器6の蒸気側出口か
ら圧縮機1の吸入口までに設置され、この間の配管を流
れる冷媒の温度を検知するものであればよい。また、第
2の温度検出器32は、蓄熱用減圧装置5の下流側出口
から、蓄熱用熱交換器6の液側入口までに設置され、こ
の間の配管を流れる冷媒の温度を検知するものであれば
よい。第1,第2温度検出器31,32は実際には配管
温度を検出し、配管温度から冷媒温度を検知している。
【0041】第1の目標値SH1は、冷媒の種類に応じ
て異なる値をあらかじめ設定しており、その設定方法の
一例について説明する。冷媒が、例えば、R22,R1
34a等のフロン系単一冷媒、R290,R600A等
の炭化水素系冷媒、二酸化炭素、アンモニアなどのよう
に、ある圧力下での気液二相状態の流れ場においては、
液とガスの流量比率(乾き度)に依らず温度が一意に決
まる冷媒の場合や、例えば、R410A等のフロン系擬
似共沸冷媒などのように、ある圧力下での気液二相状態
の流れ場においては、液とガスの流量比率(乾き度)が
大きくなるにつれて温度が微少に上昇するが飽和液と飽
和ガスとで温度差が0.1℃前後でほぼ同一と見なせる
冷媒の場合は、次のように第1の目標値SH1を決定す
る。例えば、蓄熱用熱交換器6の入口から出口までの圧
力損失に伴う温度降下を2(deg)、蓄熱用熱交換器
6の蒸気側出口での冷媒の過熱度を3(deg)とした
時、SH1=3−2=1(deg)を第1の目標値とし
て定める。
【0042】一方、例えばR407C、R407E等の
フロン系非共沸混合冷媒などのように、ある圧力下での
気液二相状態の流れ場においては、液とガスの流量比率
(乾き度)が大きくなるにつれて温度が上昇し、飽和液
と飽和ガスとで温度差が数℃となる冷媒の場合は、この
飽和液から飽和ガスまでの温度上昇分Tgr(deg)
を考慮に入れて、第1の目標値SH1を決定すべきであ
る。例えば、蓄熱用熱交換器6の入口から出口までの圧
力損失に伴う温度降下が2(deg)、蓄熱用熱交換器
6の蒸気側出口での冷媒の過熱度を3(deg)、飽和
液から飽和ガスまでの温度上昇分Tgr=5(deg)
とした時、SH1=3−2+5=6(deg)を第1の
目標値SH1として定める。このように、温度検出値T
32の差(T31−T32)とが、上記のようにしてあ
らかじめ設定した第1の目標値SH1に近づくように、
蓄熱用減圧装置5を制御すれば、効率よく蓄熱が行われ
る。
【0043】このような冷熱蓄熱運転は、室内ユニット
103a,103bで冷房も暖房も必要のない時間帯、
例えば夜間などに行われるのであるが、特に、電力料金
の安い夜間料金時間帯に運転すると、電力料金を安価に
できる。
【0044】冷房運転には、冷媒自然循環冷房運転、冷
熱蓄熱過冷却利用冷房運転および通常の一般冷房運転の
3つの運転モードがある。<冷媒自然循環冷房運転>こ
の運転モードは、圧縮機1を停止して冷媒の自然循環作
用を利用した冷房運転であり、冷熱蓄熱運転で蓄熱槽9
9に氷として蓄熱した冷熱を冷房に利用するものであ
る。この運転モードでは圧縮機1を停止しており、他の
2つの冷房運転に比べて一番消費電力を少なくできる冷
房運転である。例えば夏季昼間の13時〜15時などは
世の中の多くの人が集中して電力を必要とする時間帯で
あり、消費電力量がこの時間帯にピークとなりそのピー
ク値が高くなると、電力の供給等の点で種々の問題が生
じてくる。そこで蓄熱槽99内の蓄熱量が十分ある場合
に、冷房の電力ピーク時間帯、即ち13時〜15時に消
費電力量を節約できる冷媒自然循環冷房運転をすれば、
電力ピークカットが必要な時間帯に消費電力量を低減で
き、効果的である。この運転では、第1の開閉弁(開閉
弁Q)11は開、第2の開閉弁(開閉弁R)12は閉、
第3の開閉弁(開閉弁S)13は開、第4の開閉弁14
は開とする。また、蓄熱用減圧装置5は全開とする。
【0045】第1,第2の利用側熱交換器8a,8bで
第1,第2の利用側送風機22a,22bによって送り
込まれた室内空気から吸熱して蒸発した蒸気冷媒は、蒸
気延長配管85を上昇して第2の蒸気側接続口C、蒸気
配管82、第1の開閉弁(開閉弁Q)11を経て蓄熱用
熱交換器6に最上部から流入し、ここで、蓄熱槽99内
の蓄熱材98に放熱して自らは凝縮液化する。この液冷
媒は、蓄熱用熱交換器6の最下部の液側接続口から流出
し、重力によって第4の開閉弁14および蓄熱用減圧装
置5、液配管81、第3の開閉弁(開閉弁S)13を経
て、第2の液側接続口Dから液延長配管84に流入す
る。液延長配管84に流入した液冷媒は重力によって下
方にある第1,第2の利用側減圧装置7a,7bを経て
第1,第2の利用側熱交換器8a,8bに流入する。こ
のように、蒸発器として動作する利用側熱交換器8a,
8bに送り込まれる室内空気温度と、凝縮器として動作
する蓄熱用熱交換器6周囲の蓄熱材98の温度との差、
および重力を利用して、冷媒自然循環冷房運転が行われ
る。この時、第1,第2の利用側送風機22a,22b
によって利用側熱交換器8a,8bへ送り込まれた室内
空気は、低温低圧の二相冷媒によって冷却されて室内へ
吹き出され、室内を冷房する。
【0046】また、第1の室内ユニット103a内の第
1の利用側減圧装置7aの開度は、第1の利用側熱交換
器8aの蒸気側出口に設置されている第1の室内温度検
出器(図示せず)の温度検出値TG1と、第1の利用側
熱交換器8aの液側入口に設置されている第2の室内温
度検出器(図示せず)の温度検出値TL1との差、即ち
過熱度(TG1−TL1)が、あらかじめ設定されてい
る第1の過熱度目標値SHin1に近づくように制御さ
れる。第2の利用側減圧装置7bについても全く同様
で、第2の利用側熱交換器8bの蒸気側出口に設置され
ている第3の室内温度検出器(図示せず)の温度検出値
TG2と第2の利用側熱交換器8bの液側入口に設置さ
れている第4の室内温度検出器(図示せず)の温度検出
値TL2の差、即ち過熱度(TG2−TL2)が、あら
かじめ設定されている第2の過熱度目標値SHin2に
近づくように第2の利用側減圧装置7bの開度を制御す
る。また、第1,第2の過熱度目標値SHin1,SH
in2の決定方法は、前述の蓄熱用減圧装置5の開度を
制御する際の第1の目標値SH1の決定方法と同様、冷
媒の種類によって異なる目標値を用いれば、より効率的
に冷房運転を行うことができる。
【0047】<冷熱蓄熱過冷却利用冷房運転>この運転
モードは、圧縮機1を運転し、かつ蓄熱槽99の冷熱に
よって、冷媒の過冷却度を大きくして冷房を行う運転で
ある。例えば、蓄熱槽99内の蓄熱量が十分ある場合
で、電力ピークカットが必要ない時間帯である、夏季午
前中や夕方などに運転するモードである。第1の開閉弁
(開閉弁Q)11は閉、第2の開閉弁(開閉弁R)12
は開、第3の開閉弁(開閉弁S)13は閉、第4の開閉
弁14は開とする。また、蓄熱用減圧装置5は全開とす
る。
【0048】圧縮機1から吐出された高温高圧の蒸気冷
媒は、熱源側熱交換器3で凝縮液化され、第1の液側接
続口B、第4の開閉弁14および蓄熱用減圧装置5を経
て蓄熱用熱交換器6に最下部の液側接続口から流入す
る。ここで、冷媒は、蓄熱用熱交換器6の表面に付着し
ている蓄熱材98の氷によって冷却され、低温高圧の過
冷却液冷媒となって過冷却用液配管83、第2の開閉弁
(開閉弁R)12を経て第2の液側接続口Dから流出す
る。この低温高圧の過冷却液冷媒は、第1,第2の室内
ユニット103a,103b内へ流入し、第1,第2の
利用側減圧装置7a,7bで減圧されて低圧低温の二相
冷媒となる。この二相冷媒は、それぞれ第1,第2の利
用側熱交換器8a,8bで、第1,第2の利用側送風機
22a,22bによって送り込まれた室内空気から吸熱
し、自らは蒸発する。そして、低温低圧の蒸気冷媒は、
蒸気延長配管85、第2の蒸気側接続口C、蒸気配管8
2、第1の蒸気側接続口A、四方弁2の第4口から第3
口を経て、アキュムレータ4から圧縮機1の吸入側へ戻
る。この時、第1,第2の利用側送風機22a,22b
によって利用側熱交換器8a,8bへ送り込まれた室内
空気は、低温低圧の二相冷媒によって冷却されて室内へ
吹き出され、室内を冷房する。
【0049】この運転における蓄熱槽99の近傍では、
冷媒は蓄熱用熱交換器6の下部から流入して上方へ流
れ、上部から流出する。この時、下部に流入する冷媒は
熱源側熱交換器3によって凝縮した液冷媒であり、上部
から流出する冷媒は蓄熱用熱交換器6を通過する間にさ
らに蓄熱材98によって冷却された過冷却液冷媒であ
る。この冷熱蓄熱過冷却利用冷房運転での冷媒の循環路
を構成する際、第2の開閉弁(開閉弁R)は冷熱過冷却
利用冷却運転時に、過冷却用液配管83を連通させ、他
の運転時には過冷却用液配管83を閉止している。また
第3の開閉弁(開閉弁S)13は冷熱過冷却利用冷却運
転時に、熱源側熱交換器3の液側接続口から流出した冷
媒を蓄熱用熱交換器6の液側接続口へ流入させ、熱源側
熱交換器3の液側接続口から過冷却用液配管83の出口
側接続部への冷媒の流れを阻止している。この第2の開
閉弁(開閉弁R)12と第3の開閉弁(開閉弁S)13
の代わりに、液配管81と過冷却用液配管83との接続
部に、例えば三方弁を設けて、過冷却用液配管83と第
2の液側接続口Dとを連通する流路と、第1の液側接続
口Bと第2の液側接続口Dとを連通する流路とで切換え
るようにしてもよい。
【0050】なお、過冷却用液配管83の出口側の接続
部は、液配管81の蓄熱用熱交換器6の液側接続口への
接続部と、液延長配管84の利用側熱交換器の液側接続
口との間の液配管に接続されていればよく、本実施の形
態では過冷却用液配管83を蓄熱ユニット102に収納
しているために、液配管81の蓄熱用熱交換器6の液側
接続口への接続部と、第2の液側接続口Dとの間の液配
管81に接続している。
【0051】第1の利用側減圧装置7aの開度は、冷媒
自然循環冷房運転時と同様、第1の利用側熱交換器8a
の蒸気側出口に設置されている第1の室内温度検知器
(図示せず)の温度検出値(TG1)と、第1の利用側
熱交換器8aの液側出口に設置されている第2の室内温
度検知器(図示せず)の温度検出値(TL1)との差、
即ち過熱度(TG1−TL1)を、あらかじめ設定され
ている第1の過熱度目標値SHin1に近づけるように
制御する。第2の利用側減圧装置7bについても全く同
様である。また、過熱度目標値SHin1,SHin2
の設定方法も前記と同様であり、冷媒の種類に応じて異
なる目標値を設定すると、効率のよい冷房運転を行うこ
とができる。
【0052】この冷房運転において、冷媒は、蓄熱用熱
交換器6で冷却されて低温高圧の過冷却液冷媒となる。
このため、第1,第2の利用側熱交換器8a,8bでの
エンタルピー差が大きくとれるので冷媒循環量を少なく
できる。従って、圧縮機1の回転数を少なくできるの
で、省電力化を図ることができる。
【0053】<一般冷房運転>これは通常の冷房運転で
あり、蓄熱槽99には冷媒を循環させず、圧縮機1を動
作させて冷房する冷房運転のことである。例えば蓄熱槽
99内に蓄熱した冷熱を使いきってしまった場合や蓄熱
した冷熱の消費量を抑制したい場合に使用される。この
場合、四方弁2の設定は冷熱蓄熱運転および冷熱蓄熱過
冷却利用冷房運転と同様であり、第1の開閉弁(開閉弁
Q)11は閉、第2の開閉弁(開閉弁R)12は閉、第
3の開閉弁(開閉弁S)13は開、第4の開閉弁14は
閉、蓄熱用減圧装置5は全閉とする。
【0054】圧縮機1から吐出された高温高圧の蒸気冷
媒は、熱源側熱交換器3で凝縮液化され、第1の液側接
続口Bから液配管81、第3の開閉弁(開閉弁S)1
3、第2の液側接続口D、液延長配管84を経て第1,
第2の利用側減圧装置7a,7bに流入し、低温低圧の
二相冷媒となる。この二相冷媒は、それぞれ第1,第2
の利用側熱交換器8a,8bで、第1,第2の利用側送
風機22a,22bによって送り込まれた室内空気から
吸熱し、自らは蒸発する。この低温低圧の蒸気冷媒は、
蒸気延長配管85、第2の蒸気側接続口C、蒸気配管8
2、第1の蒸気側接続口A、四方弁2の第4口から第3
口を経て、アキュムレータ4から圧縮機1の吸入側へ戻
る。この時、第1,第2の利用側送風機22a,22b
によって利用側熱交換器8a,8bへ送り込まれた室内
空気は、低温低圧の二相冷媒によって冷却されて室内へ
吹き出され、室内を冷房する。
【0055】このとき、第1,第2の利用側減圧装置7
a,7bの開度を、冷媒自然循環冷房運転および冷熱蓄
熱過冷却利用冷房運転と同様に、冷媒の種類に応じた目
標値を設定して過熱度によって制御すると、効率のよい
冷房運転を行うことができる。
【0056】<一般暖房運転>本実施の形態では、通常
の圧縮機1の駆動力を利用した一般暖房運転を行なう。
この場合、室外ユニット101内部の四方弁2は第1口
と第4口が連通し、第2口と第3口が連通するように切
換えると共に、蓄熱ユニット102内部の第1,第2,
第4の開閉弁11,12,14をそれぞれ閉とし、第3
の開閉弁(開閉弁S)13を開とする。蓄熱用減圧装置
5は全閉とする。四方弁2を切換えることによって、冷
凍サイクル内の冷媒の循環方向を、冷熱蓄熱運転や冷房
運転の場合と逆方向に循環させる。
【0057】圧縮機1で圧縮され高温高圧となった冷媒
は、四方弁2の第1口から第4口、第1の蒸気側接続口
A、蒸気配管82、第2の蒸気側接続口C、蒸気延長配
管85を経て第1,第2の利用側熱交換器8a,8bに
流入する。ここで、この高温高圧の冷媒は、第1,第2
の利用側送風機22a,22bによって送り込まれる室
内空気に放熱して室内を暖房すると共に自らは凝縮液化
する。この凝縮液化した中温高圧の液冷媒は第1,第2
の利用側減圧装置7a,7bで減圧され、低温低圧の気
液二相冷媒となって液延長配管84、第2の液側接続口
D、第3の開閉弁(開閉弁S)13、第1の液側接続口
Bを経て熱源側熱交換器3に流入する。ここで、低温低
圧の気液二相冷媒は、室外送風機21によって送り込ま
れる外気から吸熱するとともに自らは蒸発する。この低
温低圧の蒸気冷媒は、四方弁2の第2口から第3口、お
よびアキュムレータ4を経て圧縮機1の吸入側に戻る。
【0058】第1の室内ユニット103a内の第1の利
用側減圧装置7aの開度は、圧縮機1の吐出側配管中に
設置された圧力検出器(図示せず)で検出される高圧圧
力に対する飽和温度TCと第1の利用側熱交換器8aの
液側に設置されている第2の室内温度検出器(図示せ
ず)の温度検出値TL1の差、即ち過冷却度(TC−T
L1)が、あらかじめ設定されている過冷却度目標値S
Cin1に近づくように制御する。この時、圧縮機1の
吐出側の圧力を検出する圧力検出器は、ここで図示して
いないが、圧縮機1の吐出口から第1の利用側減圧装置
7aの上流側入口までに設けられ、この間の冷媒流路を
流れる冷媒の圧力を検出するものである。第2の利用側
減圧装置7bについても全く同様で、圧縮機1の吐出側
圧力の検出値に対する飽和温度TCと第2の利用側熱交
換器8bの液側に設置されている第2の室内温度検出器
(図示せず)の温度検出値TL2の差、即ち過冷却度
(TC−TL2)を計測する。この過冷却度があらかじ
め設定されている過冷却度目標値SCin2に近づくよ
うに第2の利用側減圧装置7bを制御する。この時検出
する圧縮機1の吐出側の圧力も、上記と同様であり、圧
縮機1の吐出口から第2の利用側減圧装置7bの上流側
入口までに圧力検出器を設け、この間の冷媒流路を流れ
る冷媒の圧力を検出する。第1,第2の利用側減圧装置
7a,7bの開度制御用の圧力検出器は、それぞれ設け
てもよいし、場合によっては1つで兼ねてもよい。
【0059】利用側熱交換器8a,8bの過冷却度目標
値SCin1,SCin2は、利用側熱交換器8a,8
bが十分に能力を出すように設定されることが望まし
い。例えばフロン系単一冷媒やフロン系擬似共沸冷媒な
どのように、液とガスの流量比率(乾き度)に対して飽
和ガスと飽和液との温度差が一意、またはほぼ同一と見
なせる場合には、10〜15(deg)程度に設定する
とよい。また、フロン系非共沸混合冷媒などのように、
液とガスの流量比率(乾き度)に対して飽和ガスと飽和
液との温度差が数℃となる冷媒の場合で、飽和ガスの温
度を目標値とした場合には、飽和液から飽和ガスまでの
温度上昇分Tgr(deg)を考慮に入れて15〜20
(deg)程度に設定する。なお、フロン系非共沸混合
冷媒などを用いた場合でも、循環中の冷媒の組成を検出
してその組成に対する飽和温度を検出する場合には、単
一冷媒と同一の目標値を設定する。また、利用側熱交換
器8a,8bの中央あたりに温度検出器を設け、利用側
熱交換器8a,8bの出口と中央との温度差を検出する
場合にも、飽和ガスと飽和液との温度差はほぼ同一と見
なすことができるので、冷媒の種類によらず一定の目標
値を設定すればよい。
【0060】上記の圧縮機1を用いた一般冷房運転と一
般暖房運転において、第1の開閉弁(開閉弁Q)11
は、蒸気配管82を流れている蒸気冷媒が蓄熱用熱交換
器6の蒸気側接続口へ流入するのを阻止している。ま
た、冷熱蓄熱過冷却利用冷房運転では、第1の開閉弁
(開閉弁Q)11は、蓄熱用熱交換器6の蒸気側接続口
から流出する過冷却液冷媒が蒸気配管82に流入するの
を阻止している。
【0061】上記では蓄熱式冷凍サイクルの各運転モー
ドについて説明したが、次に各運転モードを用いて一日
の運転手順の一例を説明する。これは、例えば夏季昼間
に冷房を行う場合の13時〜15時を中心に電力ピーク
カットする場合の一例である。図2は、時間に対する蓄
熱槽99内の冷熱の蓄熱量であり、あらかじめ利用側負
荷の一日の変化パターンを推定し、これに対して理想的
な消費パターンを設定したものである。電力ピークカッ
トが必要な13時〜15時に冷媒自然循環冷房運転を行
うので、この時間帯に蓄熱量は多く消費され、その前後
には冷媒自然循環冷房運転で残ると推定されるまたは残
った冷熱を使用して、冷媒自然循環冷房運転,冷熱蓄熱
利用過冷却冷房運転,一般冷房運転のいずれかを行う。
8時から18時以外で冷房運転の要求があった場合には
原則として一般冷房運転を行う。
【0062】図3は、図2に示した蓄熱量の消費パター
ンに従うように蓄熱式冷凍サイクルを運転する際の、時
間に対する運転モード、第1,第2,第3,第4の開閉
弁11,12,13,14、四方弁2、蓄熱用減圧装置
5、利用側減圧装置7a,7bの動作、運転モード切換
時の検出データを説明する説明図である。冷房運転であ
るため四方弁2は第1口−第2口を接続し、第3口−第
4口を接続している。また、第1,第2,第3,第4開
閉弁11,12,13,14、四方弁2、蓄熱用減圧装
置5、利用側減圧装置7a,7bの動作は、前記の各運
転モードの説明ですでに述べたので、ここでは省略す
る。この運転制御は蓄熱槽99内の冷熱の蓄熱量を対象
に制御するので、運転モードの切換における検出データ
は、蓄熱量を検出している。具体的には蓄熱槽99内の
水位を計測する水位計を蓄熱槽99内に設置する。氷と
して蓄熱されるにつれて体積が増して水位が上昇し、冷
熱が消費されて解氷されるにつれて体積が減って水位が
下降することで蓄熱量を検出できる。
【0063】冷房要求がなく電力料金の安い夜間の22
時に、冷熱蓄熱運転を行う。水位計によって検出した水
位から満蓄を検出して、満蓄になった場合に冷熱蓄熱運
転を終了する。8時〜13時までに冷房要求があった場
合は、水位から検出される蓄熱量が図2の蓄熱量消費パ
ターンの消費量に追随するように、冷熱蓄熱過冷却利用
冷房運転または一般冷房運転を行う。13時〜15時に
は、冷媒自然循環冷房運転を行い、消費電力量の削減を
図る。推定した消費パターンよりも利用側負荷が異常に
大きい場合には冷熱の消費量が多くなりすぎることもあ
り、これを検出して蓄熱量が無くなった場合には、一般
冷房運転に切換えることも必要となる。15時以降に
は、残っている蓄熱量によって、冷媒自然循環運転、冷
熱蓄熱過冷却利用冷房運転、一般冷房運転のいずれかを
行う。残っている蓄熱量が多い場合には冷媒自然循環運
転を優先的に行うと、消費電力量の削減を図ることがで
きる。
【0064】以上のように、本実施の形態では夜間など
の冷房や暖房の必要のないときに蓄熱した冷熱を、昼間
の利用側負荷の大きな時間帯に冷媒の自然循環作用によ
って利用し、電力ピークカットを実現することができ
る。ところで、各運転モードの中でも特に冷熱蓄熱運転
および冷媒自然循環冷房運転を円滑に効率よく運転する
ことは重要な課題であるので、以下にこのための蓄熱槽
99、蓄熱用熱交換器6、および周辺の配管取り回しの
構造について説明する。図4は蓄熱用熱交換器6を示す
斜視図であり、蓄熱槽99を一部切欠いて示している。
本実施の形態の冷媒自然循環冷房運転では、重力と温度
差による冷媒の自然循環作用を利用しており、利用側熱
交換器8a,8bで蒸発した蒸気冷媒は、蓄熱槽99の
上部の蒸気側入口から蓄熱用熱交換器6に流入し、下部
の液側出口から流出する。この間の蓄熱用熱交換器6
は、図4(a)に示すように例えば横配管で、冷媒流路
に沿った鉛直方向の位置が、蒸気側入口から液側出口に
至るまでの間で上昇することがないように構成してい
る。蒸気冷媒は、この配管の上部から流入し、蓄熱槽9
9内の蓄熱材98である氷へ放熱しながら凝縮液化する
とともに蓄熱用熱交換器6内を徐々に下方に流下する。
この間、冷媒は蒸気状態から徐々に液の比率が増加し、
蓄熱用熱交換器6の下方では完全に液状態になり、蓄熱
用熱交換器6の出口では、蓄熱材98である氷によって
さらに冷却されて過冷却液状態になる。
【0065】この過冷却液冷媒が連続して循環する条件
は、過冷却液冷媒の液面高さで決まる利用側熱交換器8
a,8bの液側入口における圧力が、第1,第2の利用
側熱交換器8a,8bで蒸発した冷媒蒸気の蒸発圧力よ
りも高いことである。また、自然循環による冷媒循環量
は、過冷却液冷媒の液面と利用側熱交換器8a,8bの
液側入口における重力による圧力差と、蒸気延長配管8
5、蒸気配管82、第1の開閉弁(開閉弁Q)11、蓄
熱用熱交換器6、第4の開閉弁14および蓄熱用減圧装
置5、第3の開閉弁(開閉弁S)13、液延長配管8
4、利用側減圧装置7a,7b、利用側熱交換器8a,
8bを通って冷媒回路を一巡した冷媒の圧力損失とのバ
ランスで決まる。
【0066】即ち、利用側熱交換器8a,8bに送り込
まれる室内空気温度と蓄熱用熱交換器6周囲の蓄熱材9
8の温度との差が大きくなれば自然循環による冷媒循環
量は増加し、逆に、これらの温度差が小さくなれば自然
循環による冷媒循環量は減少する。さらに、蓄熱用熱交
換器6の下部位置は利用側熱交換器8a、8bより高け
れば高いほどよく、望ましくは1m以上高いとよい。ま
た、蓄熱用熱交換器6の位置を高くするにしたがって冷
媒自然循環冷房運転に必要な冷媒充填量も増加する。さ
らに蓄熱用熱交換器6の位置を高くすると、これにつれ
て冷媒循環量が増加して冷房能力も増加するが、蓄熱用
熱交換器6での凝縮温度と蓄熱材98の温度の差と、利
用側熱交換器8a,8bでの蒸発温度と室内空気温度と
の差と、によって決まる凝縮圧力と蒸発圧力との差に相
当する液冷媒の高さ以上はいくら高くても冷房能力はほ
とんど変わらない。
【0067】蓄熱用熱交換器6は、蒸気側接続口よりも
位置的に高い部分がなく液側接続口が蒸気側接続口より
低ければよい。図4(a)に示すような横配管だけでな
く、図4(b)に示すような縦配管でも、また図4
(c)に示すような螺旋状配管でもよい。また、図4
(a)の横配管では、配管の曲がり部分で流路が180
度曲がって逆方向に向かって流れる構成であるが、この
配管の曲がり部分の角度は180度以下であってもよ
い。さらに、螺旋状配管と横配管との組み合わせでもよ
い。厳密には、蓄熱用熱交換器6の冷媒流路において、
その鉛直方向の位置が、上部接続口から下部接続口に至
るまでの間で上昇することがないように構成すれば、重
力を利用した冷媒自然循環冷房運転が円滑に行なわれ
る。このため、圧縮機1を停止した冷房運転が広い運転
範囲で可能となり、電力のピークカットが広い運転範囲
でできることになる。
【0068】また、蓄熱用熱交換器6では、蒸発器とし
て利用される冷熱蓄熱運転時は、蓄熱用減圧装置5で減
圧された低圧二相冷媒が下方から流入して蒸発した蒸気
冷媒が上方から流出し、凝縮器として利用される冷媒自
然循環冷房運転時は、利用側熱交換器8a,8bで蒸発
した蒸気冷媒が上方から流入して凝縮液化した液冷媒が
下方から流出する、というように、冷媒の流れの向きが
冷熱蓄熱運転時と冷媒自然循環冷房運転時とで逆になっ
ている。このように、従来装置とは異なり、蓄熱用熱交
換器6の配管は、冷熱蓄熱運転時、冷媒自然循環冷房運
転時ともに上部が蒸気側、下部が液側となっているの
で、蓄熱用熱交換器6の一流路当りに通過する冷媒の質
量流量が液側に比べ蒸気側の方が小さくなるように構成
することができる。従来装置では、冷熱蓄熱運転時に液
側であった配管から冷媒自然循環冷房運転時に蒸気冷媒
が流入すると、ここでの圧力損失が大きくなって冷凍サ
イクル全体の運転効率が低下してしまう。これに対し、
本実施の形態では、蓄熱用熱交換器6全体での冷媒の圧
力損失を小さくすることができ、冷熱蓄熱運転時,冷媒
自然循環冷房運転時とも効率のよい蓄熱式冷凍サイクル
を得ることができる。
【0069】蓄熱用熱交換器6の蒸気側を通過する一流
路当りの冷媒質量流量を液側に比べて小さくする方法と
しては、通常実施されるように、蒸気側接続口(上方)
の配管径を液側接続口(下方)の配管径より大きくする
ことに加え、図5(a)に示すように、蓄熱用熱交換器
6を構成する各配管の管径を液側から蒸気側に至る途中
で段階的または連続的に大きくするか、または、図5
(b)に示すように、同一配管径であっても液側から蒸
気側に至る途中の適当な個所で配管を分岐させる構成な
どが考えられる。また、図5(a)と図5(b)とを組
み合わせたような構成としてもよい。
【0070】また冷媒自然循環運転において、蓄熱槽9
9では、最上部から蓄熱用熱交換器6に流入した蒸気冷
媒によって蓄熱材98は加熱されるので、蓄熱用熱交換
器6の管外表面に付着した氷が熱交換器表面側から融解
する。この時、融解初期の管外熱伝達率は、氷が融解し
てできた水の熱伝導率でほとんど決まってしまうため冷
媒側に比べ極めて小さい。ところが、利用側熱交換器8
a,8bで十分な冷却能力を得るためには、蓄熱用熱交
換器6の管外熱伝達率を十分に大きく取らなくてはなら
ない。そこで、図6(a)に示すように蓄熱用熱交換器
6の外周部にフィンをつけて管外伝熱面積を増加させた
り、蓄熱材98である水の中に、例えば銅やアルミニウ
ムや金などの金属屑を浸漬させると、見かけ上の管外熱
伝導率を増加できるので、融解初期でも利用側熱交換器
8a,8bで十分な冷却能力を得ることができる。
【0071】さらに、蓄熱用熱交換器6は、冷熱蓄熱運
転時と、冷媒自然循環冷房運転と冷熱蓄熱過冷却利用冷
房運転との冷熱蓄熱利用運転時ともに冷媒が流れる配管
と、冷熱蓄熱利用運転時にのみ冷媒が流れる配管と、か
ら構成されていてもよい。このように構成した蓄熱用熱
交換器6の縦断面図を図6(b)に示す。図中、Aは冷
熱蓄熱運転時および冷熱蓄熱利用運転時に冷媒が流れる
配管を示し、Bは冷熱蓄熱利用運転時に冷媒が流れる配
管を示している。このように配管を構成すれば、冷熱蓄
熱運転ではAの配管の周囲に氷が生成され、冷熱蓄熱利
用運転ではAとBの配管の周囲で冷熱と熱交換が行われ
る。特に冷媒自然循環冷房運転時に、冷媒が凝縮液化す
る蓄熱用熱交換器6の伝熱面積が増加するので、蓄熱材
98との温度差が小さくても運転することができること
になり、電力ピークカットが可能な冷媒自然循環冷房運
転の運転範囲が拡大する。
【0072】さらにまた、蓄熱用熱交換器6は、冷熱蓄
熱運転時にのみ冷媒が流れる配管と、冷媒自然循環冷房
運転時にのみ冷媒が流れる配管とに、分離されて構成さ
れていてもよい。即ち、蓄熱用熱交換器6とは別に自然
循環用熱交換器(図示せず)を蓄熱槽99内に設け、自
然循環用熱交換器の上部の蒸気側接続口と蒸気配管8
2、下部の液側接続口と液配管81を接続し、自然循環
用熱交換器の液側接続口を利用側熱交換器8a,8bよ
り上方に設置する。そして、冷熱蓄熱運転では蓄熱用熱
交換器6に冷媒を循環し、冷媒自然循環冷房運転では自
然循環用熱交換器冷媒を循環させるように構成する。こ
のようにすれば、冷熱蓄熱運転と冷媒自然循環冷房運転
と、それぞれに性能を最高に引き出すように蓄熱用熱交
換器6と自然循環用熱交換器を設計できるので、冷熱蓄
熱運転と、電力ピークカットが可能な冷媒自然循環冷房
運転ともに効率よく運転でき、消費電力量を最小に抑え
ることができる。
【0073】また、蓄熱用熱交換器6は、図6(b)と
は逆に、冷熱蓄熱運転時と冷媒自然循環冷房運転時とも
に冷媒が流れる配管と、冷熱蓄熱運転時にのみ冷媒が流
れる配管と、から構成されていてもよい。このようにす
れば、特に冷熱蓄熱運転時に、冷媒が蒸発する蓄熱用熱
交換器の伝熱面積が増加して蒸発温度が上昇するので、
夜間冷熱蓄熱運転時の大幅な効率向上が可能となる。
【0074】利用側熱交換器8a,8bは通常のプレー
トフィン付き熱交換器であるが、その配管は蓄熱用熱交
換器6と同様に横配管である方が望ましい。即ち、液冷
媒が鉛直方向に上昇する部分はなるべくない方がよい。
また、仮に液延長配管84、利用側熱交換器8a,8b
などに一部立ち上がり部分があっても、その最上部は蓄
熱用熱交換器6の下部より下方でなければならない。
【0075】以上述べたように、本実施の形態によれ
ば、蓄熱用熱交換器6の上部の蒸気側接続口と蒸気配管
82、下部の液側接続口と液配管81を蓄熱用減圧装置
5を介して接続し、蓄熱用熱交換器6を利用側熱交換器
8a,8bより上方に設置し、冷媒自然循環冷房運転時
に重力による冷媒の自然循環作用で室内の冷房を可能に
している。このように、通常の冷凍サイクルの構成に大
幅な変更を加える構成ではないため、電力のピークカッ
トが低価格で実現できるという効果がある。また、既設
の氷蓄熱式冷凍サイクルにも後づけで電力のピークカッ
ト機能を付加することができるという効果もある。
【0076】また、従来装置では、利用側熱交換器では
冷房運転しかできなかったが、本実施の形態によれば流
路切換装置2によって冷媒の循環路を切換えるように構
成しており、暖房運転も可能であるという効果がある。
【0077】実施の形態2.実施の形態1では、重力に
よる冷媒自然循環冷房運転において、蓄熱用熱交換器6
で凝縮液化して過冷却された液冷媒が、第1の液側接続
口Bを経て室外ユニット101に流入してくる可能性が
あり、そのような場合は、その分余計に冷媒を充填しな
ければならない。そこで、本実施の形態では、図7に示
すように、蓄熱ユニット102内の液配管81中、蓄熱
用減圧装置5の接続部と第1の液側接続口Bと間に第5
の開閉弁(開閉弁P)15を設置して、冷媒充填量を削
減できるように構成している。なお、図7において、図
1と同一符号は同一または相当部分を示す。
【0078】第5の開閉弁(開閉弁P)15は、冷熱蓄
熱運転、冷熱蓄熱過冷却利用冷房運転、一般冷房運転、
一般暖房運転には開とするが、重力による冷媒自然循環
冷房運転では閉とする。このようにすることにより、冷
媒自然循環冷房運転時に、室外ユニット101が設置さ
れた外気温度が低い場合や熱源側熱交換器3が蓄熱用熱
交換器6より下方にある場合でも、蓄熱用熱交換器6で
凝縮液化した冷媒が室外ユニット101に流入すること
がなくなる。このため、冷媒充填量を比較的少なくする
ことができ、電力ピークカットが可能な蓄熱式冷凍サイ
クルをより安価に得ることができ、また、より安定的に
運用することができる。
【0079】なお、この第5の開閉弁(開閉弁P)15
は、上記のように、冷媒自然循環冷房運転時に蓄熱用熱
交換器6で凝縮液化した液冷媒の一部が、利用側減圧装
置7a,7bへ流れずに熱源側熱交換器3の方へ流れる
のを阻止するものである。このため、第5の開閉弁(開
閉弁P)15は、蓄熱用減圧装置5の接続部と第1の液
側接続口Bと間で、蓄熱用減圧装置5の接続部のより近
くに設けられている方が、この配管内への余分な冷媒量
を少なくでき効果的であるが、少なくとも蓄熱用減圧装
置5の接続部と熱源側熱交換器3の液側接続口との間の
液配管に設けられていれば、ある程度冷媒充填量を削減
できる。
【0080】また、第3の開閉弁13と第5の開閉弁1
5の代わりに、液配管81の蓄熱用熱交換器6の液側接
続口への接続部に、三方弁を設けても、同様の機能を発
揮する。
【0081】実施の形態3.実施の形態1,2では、蓄
熱槽99の蓄熱材98に冷熱を蓄熱し、この蓄熱した冷
熱を冷房運転時に冷媒自然循環作用によって利用し、電
力ピークカットを行なって消費電力量の削減を実現し
た。本実施の形態では、蓄熱槽99の蓄熱材98に温熱
も蓄熱し、この蓄熱した温熱を暖房運転時に冷媒自然循
環作用によって利用し、電力ピークカットを実現できる
蓄熱式冷凍サイクルについて説明する。本実施の形態に
よる蓄熱式冷凍サイクルでは、冷熱蓄熱運転、冷房運転
として冷熱過冷却利用冷房運転,一般冷房運転、暖房運
転として通常の一般暖房運転,冷媒自然循環暖房運転、
温熱蓄熱運転の運転モードがある。
【0082】図8に示すように、本実施の形態では、実
施の形態1,2とは逆に、蓄熱ユニット102を下方
に、室内ユニット103a,103bを上方に設置す
る。さらに、蓄熱用熱交換器6の液側接続口の位置を、
最も低位置にある利用側熱交換器8a,8bの最下部の
位置より低くなるように、望ましくは1m以上低くなる
ように設置する。蓄熱ユニット102内の液配管81に
おいて、蓄熱用減圧装置5の接続部と第1の液側接続口
Bと間に第5の開閉弁(開閉弁P)15を設置する。ま
た、蓄熱ユニット102内の蒸気配管82において、第
1の開閉弁(開閉弁Q)11の接続部と第1の蒸気側接
続口Aと間には、第6の開閉弁(開閉弁T)16を設置
する。さらに、蓄熱ユニット102内の蒸気配管82に
おいて、第1の開閉弁(開閉弁Q)11の接続部と第2
の蒸気側接続口Cと間には、第7の開閉弁17を設置す
る。なお、図8において、図1と同一符号は同一または
相当部分を示す。
【0083】つぎに動作について説明する。 <冷熱蓄熱運転>蓄熱槽99内に冷熱を蓄える運転であ
る。第1の開閉弁(開閉弁Q)11、第5の開閉弁(開
閉弁P)15、第6の開閉弁(開閉弁T)16をそれぞ
れ開、第7の開閉弁17を閉とする。他の動作は実施の
形態1と同一であり、熱源側熱交換器3を凝縮器、蓄熱
用熱交換器6を蒸発器として蓄熱材98に冷熱を蓄熱す
る。ここでは詳しい説明は割愛する。
【0084】<冷熱過冷却利用冷房運転>圧縮機1を動
作させ、熱源側熱交換器3を凝縮器、第1,第2の利用
側熱交換器8a,8bを蒸発器とし、室内ユニット10
3a,103bで室内の冷房を行う。この運転では、第
5の開閉弁(開閉弁P)15、第6の開閉弁(開閉弁
T)16、第7の開閉弁17をそれぞれ開とする。これ
以外の動作は実施の形態1と同一であるので説明を割愛
する。
【0085】<一般冷房運転>圧縮機1を動作させて熱
源側熱交換器3を凝縮器、第1,第2の利用側熱交換器
8a,8bを蒸発器とし、室内ユニット103a,10
3bで室内の冷房を行う。この運転では、第5の開閉弁
(開閉弁P)15、第6の開閉弁(開閉弁T)16、第
7の開閉弁17をそれぞれ開とする。これ以外の動作は
実施の形態1と同一であるので説明を割愛する。
【0086】<一般暖房運転>通常の圧縮機1を利用し
た一般暖房運転は、四方弁2を切換えて第1口と第4口
を連通させ、第2口と第3口を連通させ、5の開閉弁
(開閉弁P)15、第6の開閉弁(開閉弁T)16、第
7の開閉弁17をそれぞれ開とする。これ以外の動作は
実施の形態1と同一であるので説明を割愛する。
【0087】<温熱蓄熱運転>主に夜間電力を利用して
蓄熱槽99内に温熱を蓄える運転モードである。蓄熱ユ
ニット102内部の第1,第5,第6の開閉弁11,1
5,16をそれぞれ開、第2,第3,第4,第7の開閉
弁12,13,14,17をそれぞれ閉とする。また、
室外ユニット101内部の四方弁2は第1口と第4口を
連通させ、第2口と第3口を連通させる。
【0088】圧縮機1で圧縮され高温高圧となった蒸気
冷媒は、四方弁2の第1口から第4口、第1の蒸気側接
続口A、第6の開閉弁(開閉弁T)16、第1の開閉弁
(開閉弁Q)11を経て蓄熱用熱交換器6に流入する。
ここで、この高温高圧の冷媒は、蓄熱槽99内の蓄熱材
98に放熱して蓄熱槽99内に温熱を蓄えると共に自ら
は凝縮液化する。この凝縮液化した中温高圧の液冷媒は
蓄熱用減圧装置5で減圧され、低温低圧の気液二相冷媒
となって第5の開閉弁(開閉弁P)15、第1の液側接
続口Bを経て熱源側熱交換器3に流入する。ここで、低
温低圧の気液二相冷媒は、室外送風機21によって送り
込まれる外気から吸熱するとともに自らは蒸発する。こ
の低温低圧の蒸気冷媒は、四方弁2の第2口から第3
口、およびアキュムレータ4を経て圧縮機1の吸入側に
戻る。
【0089】本実施の形態では、蓄熱槽99に貯溜した
蓄熱材98は水であり、冷熱蓄熱運転の場合には、水→
氷に相変化させてその潜熱を利用して0℃の冷熱を蓄熱
している。一方、温熱蓄熱運転の場合には、水→温水に
温度上昇させてその顕熱を利用して通常45℃程度まで
の温熱を蓄熱している。なお、この運転で第7の開閉弁
17は、圧縮機1で圧縮され高温高圧となった蒸気冷媒
の一部が、蒸気配管82を通って利用側熱交換器8a,
8bの蒸気側接続口の方へ流れるのを阻止するものであ
る。このため、第7の開閉弁17は、蒸気配管82にお
ける第1の開閉弁(開閉弁Q)11の接続部と第2の蒸
気側接続口Cとの間で、第1の開閉弁(開閉弁Q)11
の接続部のより近くに設けられている方が、この配管内
への余分な冷媒量を少なくでき効果的であるが、少なく
とも第1の開閉弁(開閉弁Q)11の接続部と利用側熱
交換器8a,8bとの蒸気側接続口との間の蒸気配管に
設けられていれば、ある程度冷媒充填量を削減できる。
【0090】この運転でも、蓄熱用減圧装置5の開度を
制御しているのであるが、その制御方法は、実施の形態
1における一般暖房運転時の利用側減圧装置7a,7b
の開度を制御する方法と同様で、蓄熱用熱交換器6の液
側出口での冷媒の過冷却度が、目標とする過冷却度にな
るように制御するとよい。即ち、圧縮機1の吐出側の圧
力の検出値に対する飽和温度TCと蓄熱用熱交換器6の
液側に設置されている第2の温度検出器32の温度検出
値T32との差、即ち過冷却度(TC−T32)を計測
し、この過冷却度があらかじめ設定されている過冷却度
目標値に近づくように蓄熱用減圧装置5を制御する。こ
の過冷却度目標値は、冷媒の種類によって異なる値を用
いれば、より効率的に温熱蓄熱運転を行なうことができ
る。この時、圧縮機1の吐出側の圧力を検出する圧力検
出器は、ここでは図示していないが、圧縮機1の吐出口
から蓄熱用減圧装置5の上流側入口までに設けられ、こ
の間の冷媒流路を流れる冷媒の圧力を検出するものであ
る。
【0091】<冷媒自然循環暖房運転>温熱蓄熱運転で
蓄えた温熱を利用して室内を暖房する運転モードであ
り、圧縮機1を停止して冷媒の自然循環作用を利用す
る。この運転モードは、蓄熱槽99内の蓄熱量が十分あ
る場合で、例えば冬季夕方の利用負荷の多い時間帯であ
る16時〜18時などの電力ピークカットの要求が高い
時間帯を中心に運転する。蓄熱ユニット102内部の第
2,第5,第6の開閉弁12,15,16をそれぞれ閉
とし、第1,第3,第4,第7の開閉弁11,13,1
4,17をそれぞれ開とし、蓄熱用減圧装置5は全開と
する。第1,第2の利用側熱交換器8a,8bで第1,
第2の利用側送風機22a,22bによって送り込まれ
た室内空気へ放熱して凝縮液化した液冷媒は、液延長配
管84を重力によって降下して、第2の液側接続口Dか
ら室内ユニット103a,103bより下方にある蓄熱
ユニット102に流入する。この液冷媒は、液配管8
1、第3の開閉弁(開閉弁S)13、第4の開閉弁14
および蓄熱用減圧装置5を経て蓄熱用熱交換器6の液側
接続口から流入し、ここで、蓄熱槽99内の蓄熱材98
から吸熱して自らは蒸発する。そして、この蒸気冷媒
は、蓄熱用熱交換器6の最上部の蒸気側接続口から流出
し、第1の開閉弁(開閉弁Q)11、第7の開閉弁1
7、蒸気配管82、第2の蒸気側接続口Cから蒸気延長
配管85を経て、上方にある第1,第2の利用側熱交換
器8a,8bに流入する。このように、利用側熱交換器
8a,8bに送り込まれる室内空気温度と蓄熱用熱交換
器6周囲の蓄熱材98との温度差および重力を利用した
冷媒自然循環暖房運転が行われる。
【0092】蓄熱槽99内では、下方から流入した液冷
媒によって蓄熱材98は冷却されるので、蓄熱材98で
ある水が冷却されて温度が低下する。また、第1,第2
の室内ユニット103a,103b内の第1,第2の利
用側減圧装置7a,7bの開度は、実施の形態1の一般
暖房運転で説明した方法と同様に制御すると、利用側熱
交換器8a,8bで十分に能力を出すことができる。
【0093】なお、この運転で第6の開閉弁(開閉弁
T)16は、蓄熱用熱交換器6で蓄熱材98から吸熱し
て蒸発した蒸気冷媒の一部が、蓄熱槽熱交換器6の蒸気
側接続口から流出し、第1の蒸気側接続口Aから四方弁
2の方へ流れるのを阻止するものである。このため、第
6の開閉弁(開閉弁T)16は、蒸気配管82における
第1の開閉弁(開閉弁Q)11の接続部と第1の蒸気側
接続口Aとの間で、第1の開閉弁(開閉弁Q)11の接
続部のより近くに設けられている方が、この配管内への
余分な冷媒量を少なくでき効果的であるが、少なくとも
第1の開閉弁(開閉弁Q)11の接続部と四方弁2の第
4口との間の蒸気配管に設けられていれば、ある程度冷
媒充填量を削減できる。
【0094】以上述べたように、本実施の形態によれ
ば、蓄熱用熱交換器6の上方の蒸気側接続口と蒸気配管
82、下方の液側接続口と液配管81を接続し、蓄熱用
熱交換器6の液側接続口を利用側熱交換器8a,8bの
液側接続口のそれぞれより下方に設置し、蓄熱利用時に
重力による冷媒の自然循環作用で室内を暖房するように
したので、圧縮機1を停止した暖房運転が可能で消費電
力の低減を図ることができ、特に冬季の電力のピークカ
ットができるという効果がある。
【0095】なお、暖房運転での電力ピークカットを行
う際の運転モードの切換え手順は、実施の形態1の図3
で説明した手順と同様の考え方で行うとよい。ただし、
暖房運転の場合は利用側負荷の最大は16時〜18時ご
ろであり、図2に示した蓄熱量の消費パターンを変更す
る必要がある。運転モード切換えのタイミングは、電力
ピークになると推定される時間帯を中心に冷媒自然循環
運転を行い、あとは蓄熱量によって切換えるようにす
る。また、蓄熱量の検出は、水位計ではなく、例えば蓄
熱材98である水の温度を検出する温度検出器などを用
いる。
【0096】実施の形態4.実施の形態4による蓄熱式
冷凍サイクルは、実施の形態3における第7の開閉弁1
7を取り除いた構成とし、他の部分は図8と同じ構成と
する。第7の開閉弁17は蓄熱ユニット102内部の蒸
気配管82中に設置されていたものであり、本実施の形
態ではこれを省いて低価格化を図った。この構成では、
蓄熱槽99内に温熱を蓄える温熱蓄熱運転時には、圧縮
機1から吐出された高温高圧の蒸気冷媒の一部が、蓄熱
用熱交換器6の蒸気側接続口へ流れずに、蒸気延長配管
85を通って第1,第2の利用側熱交換器8a,8bに
流入してしまう。そこで、第1,第2の利用側減圧装置
7a,7bの開度を極めて小さく一定に保つことによっ
て、利用側熱交換器8a,8bを通過する冷媒循環量を
極力少なくして、蓄熱用熱交換器6を流れる冷媒循環量
を確保する。
【0097】また、第1,第2の利用側減圧装置7a,
7bは、全閉としておき、蓄熱用熱交換器6の液側接続
口で検出される冷媒過冷却度がある一定値以下となった
ら、利用側熱交換器8a,8bに冷媒が溜まり込み過ぎ
て蓄熱用熱交換器6側の冷媒量が不足していると判断し
て、第1,第2の利用側減圧装置7a,7bの開度を大
きくするように制御してもよい。第1,第2の利用側減
圧装置7a,7bの開度を大きくすれば、利用側熱交換
器8a,8bに溜まっていた冷媒が第1,第2の利用側
減圧装置7a,7bを通って液配管81に戻されるの
で、第3の開閉弁(開閉弁S)13を一時的に開とする
ことによって、冷媒は温熱蓄熱運転の循環路で循環する
ようになる。
【0098】実施の形態5.実施の形態1では、蓄熱用
熱交換器6の蒸気側接続口を液側接続口より上方に配置
して冷媒自然循環冷房運転を行ない、冷房運転時の電力
のピークカットを実現した蓄熱式冷凍サイクルについて
説明した。これに対して、本実施の形態では、通常の氷
蓄熱空気調和機に広く用いられている蓄熱用熱交換器6
のように、蒸気側接続口が液側接続口より高い位置にな
い場合でも、冷媒自然循環冷房運転を可能とし、利用負
荷の多い時に消費電力量を削減して電力のピークカット
を行なうように構成した。
【0099】以下、本実施の形態による蓄熱式冷凍サイ
クルについて図9に基づいて説明する。図9は、本実施
の形態による蓄熱式冷凍サイクルを示す構成図である。
図において、41は自然循環用熱交換部、42は第1の
熱交換部、43は第2の熱交換部で、第1,第2の熱交
換部42,43で自然循環用熱交換器41が構成されて
いる。86は、その一端が蓄熱槽99の下部に接続さ
れ、その他端が蓄熱槽99の上部に接続されている蓄熱
材循環路で、その途中に、第2の熱交換部43が設けら
れている。44は蓄熱材98である水を蓄熱槽99の下
部から配管86、第2の熱交換部43を経て再び蓄熱槽
99の上部へと循環させる蓄熱材搬送装置で、例えばポ
ンプである。また、第1の蒸気側接続口Aと最も高所に
設置されている利用側熱交換器8aの蒸気側接続口の間
と、第1の液側接続口Bと最も高所に設置されている利
用側熱交換器8aの液側接続口の間とを、自然循環用配
管87で接続し、その途中に第1の熱交換部42および
第8の開閉弁(開閉弁U)18を設置する。第1の熱交
換部42と第2の熱交換部43とは互いに熱交換するよ
うに自然循環用熱交換器41として一体に構成されてい
る。自然循環用熱交換器41は、例えば二重管式熱交換
器、プレート式熱交換器などを用い、その液側接続口
は、最も高い位置にある利用側熱交換器8aの液側接続
口よりも高い位置、望ましくは1m以上高い位置に設置
する。本実施の形態では、蓄熱材循環路86、自然循環
用配管87、蓄熱材搬送装置44、自然循環用熱交換器
41および第8の開閉弁(開閉弁U)18は、蓄熱ユニ
ット102の内部に収納されている。その他の構成にお
いて、図1と同一符号は同一、または相当部分であり、
説明を割愛する。
【0100】つぎに動作について説明する。 <冷熱蓄熱運転>蓄熱槽99内に冷熱を蓄える冷熱蓄熱
運転では、第8の開閉弁(開閉弁U)18を閉、蓄熱材
搬送装置44を停止して圧縮機1を動作させ、熱源側熱
交換器3を凝縮器、蓄熱用熱交換器6を蒸発器として蓄
熱槽99内の蓄熱材98に冷熱を蓄熱する。この動作は
実施の形態1と同一であるので説明を割愛する。 <冷熱蓄熱過冷却利用冷房運転>冷熱蓄熱で冷媒の過冷
却度を大きくつける冷房運転は、第8の開閉弁(開閉弁
U)18を閉、蓄熱材搬送装置44を停止して圧縮機1
を動作させ、熱源側熱交換器3を凝縮器、利用側熱交換
器8a,8bを蒸発器として室内ユニット103a,1
03bで室内を冷房する。熱源側熱交換器3で凝縮液化
した冷媒を蓄熱槽99内で過冷却液冷媒とするのである
が、この動作は実施の形態1と同一であるので説明を割
愛する。 <一般冷房運転>圧縮機1による一般冷房運転では、第
8の開閉弁(開閉弁U)18を閉、蓄熱材搬送装置44
を停止して圧縮機1を動作させ、熱源側熱交換器3を凝
縮器、利用側熱交換器8a,8bを蒸発器として室内ユ
ニット103a,103bで室内を冷房する。この動作
は実施の形態1と同一であるので説明を割愛する。 <一般暖房運転>圧縮機1を動作させた暖房運転は、第
8の開閉弁(開閉弁U)18を閉、蓄熱材搬送装置44
を停止して圧縮機1を動作させ、熱源側熱交換器3を蒸
発器、利用側熱交換器8a,8bを凝縮器として室内ユ
ニット103a,103bで室内を暖房する。この動作
は実施の形態1と同一であるので説明を割愛する。
【0101】<冷媒自然循環冷房運転>冷媒の自然循環
作用を利用した冷房運転では、第8の開閉弁(開閉弁
U)18を開、第1,第2,第3,第4の開閉弁11,
12,13,14をそれぞれ閉とし、蓄熱用減圧装置5
を全閉とし、圧縮機1は停止する。また、蓄熱材搬送装
置44を運転し蓄熱槽99内の蓄熱材98である水を自
然循環用熱交換器41の第2の熱交換部43に循環させ
る。
【0102】第1,第2の利用側熱交換器8a,8bで
第1,第2の利用側送風機22a,22bによって送り
込まれた室内空気から吸熱して蒸発した蒸気冷媒は、蒸
気延長配管85を上昇して第2の蒸気側接続口C、自然
循環用配管87を経て第1の熱交換部42に最上部の蒸
気側接続口から流入する。ここで、この蒸気冷媒は、蓄
熱材搬送装置44によって第2の熱交換部43に循環さ
れる蓄熱槽99内の蓄熱材98に放熱して自らは凝縮液
化する。この液冷媒は、第1の熱交換部42の最下部の
液側接続口から流出し、重力によって第8の開閉弁(開
閉弁U)18を経て、第2の液側接続口Dから液延長配
管84に流入する。液延長配管84に流入した液冷媒は
重力によって下方にある第1,第2の利用側減圧装置7
a,7bを経て第1,第2の利用側熱交換器8a,8b
に流入する。この時、第1,第2の利用側送風機22
a,22bによって利用側熱交換器8a,8bへ送り込
まれた室内空気は、低温低圧の二相冷媒によって冷却さ
れて室内へ吹き出され、室内を冷房する。
【0103】ここで、第8の開閉弁(開閉弁U)18
は、冷媒自然循環冷房運転時に自然循環用配管87を連
通させ、他の運転モードのときには液配管81を流通す
る液冷媒が自然循環用熱交換器41に液側接続口へ流入
するのを阻止している。このため、自然循環用熱交換器
41を通って液冷媒が循環することにより利用側熱交換
器8a,8bに循環する冷媒量が低減し、冷房能力が低
下するのを防止している。
【0104】蓄熱槽99内から蓄熱材98である水を外
部に取り出して循環させるためには、蓄熱槽99の下部
と上部の例えば壁面に穴を開け、蓄熱材循環路86を接
続すればよい。また、蓄熱槽99に穴を開けなくても、
上部から配管、ホースなどを挿入して蓄熱槽99の外へ
水を取り出し再び蓄熱槽99へ戻すように構成してもよ
い。また、蓄熱槽99内で蓄熱材98である水がショー
トサイクルすることなく、氷として蓄熱している冷熱を
蓄熱材循環路86を循環する水として取り出せればいい
ので、上部から取り出して下部に戻すように構成しても
よい。
【0105】蓄熱材搬送装置44は一定流量であっても
よいが、インバータ駆動であってもよいし、複数台の蓄
熱材搬送装置44を並列または直列設置にすれば、室内
ユニット103a,103bの負荷量に応じた冷媒循環
流量を得ることができるので、第1,第2の利用側減圧
装置7a,7bで余計に減圧、流量制御する必要がなく
なり、消費電力量がさらに少なくて済むので望ましい。
自然循環の冷媒循環量は、例えば、蓄熱材循環路86を
流れる蓄熱材である水の流量を変化させ、第2の熱交換
部43における水側熱伝達率を操作して、第1の熱交換
部42での冷媒凝縮量を変化させることによって制御で
きる。水側の流量を増やせば冷媒の凝縮量が増加して冷
媒循環量が増加し、逆に水側の流量を減らせば冷媒の凝
縮量が減少して冷媒循環量が減少する。
【0106】なお、蓄熱材搬送装置44は必ずしも設置
しなくてもよい。この場合、蓄熱材循環路86および第
2の熱交換部43内部の流路抵抗が十分小さければ、蓄
熱材98である水が加熱されて比重が小さくなることで
生じる自然循環作用を利用することができるので、搬送
動力の必要がなくなり消費電力量がさらに少なくて済
む。自然循環の冷媒循環量は、利用側減圧装置7a,7
bの開度を調節するか、または、第2の熱交換部43の
上部下流側の蓄熱材循環路86中に水側流量制御弁を追
加してその開度を調節することによって制御する。
【0107】本実施の形態における冷媒自然循環を利用
した冷房運転では、実施の形態1,2とは異なり、蓄熱
材搬送装置44の運転に伴い電力を消費するが、圧縮機
1を運転するよりは消費電力量が少なく無視できるほど
であるので、全体として消費電力量を削減できる。この
ため、夏の昼の時間帯に運転して負荷が大きい時の電力
ピークカットを行うことができる。特に、利用側熱交換
器8が2台だけではなく、さらに多数接続されている場
合などでは、利用側送風機22の消費電力量の方が大き
くなるので、実施の形態1,2に比較して特に消費電力
量が多くなるということはない。
【0108】なお、本実施の形態では、蓄熱材循環路8
6,自然循環用配管87,蓄熱材搬送装置44,自然循
環用熱交換器41および第8の開閉弁(開閉弁U)18
は、蓄熱ユニット102の内部に収納されている例を示
したが、これらは、蓄熱ユニット102の内部ではなく
外部にあり、例えば、別体の自然循環ユニットとして構
成されていてもよい。ただし、自然循環用熱交換器41
の位置は、最も高い位置にある利用側熱交換器8aより
も高い位置にある、望ましくは1m以上高い位置にある
ことは言うまでもない。
【0109】また、第1の熱交換部42は、実施の形態
1の蓄熱用熱交換器6と同様、一流路当りに流れる冷媒
質量流量が下部液側より上部蒸気側の方が少なくなるよ
うに、または、蒸気側流路の総断面積が液側よりも大き
くなるように構成されているとよい。このようにすれ
ば、冷媒自然循環冷房運転時の効率がより向上すること
は言うまでもない。
【0110】以上述べたように、本実施の形態は、第1
の蒸気側接続口Aと最も高所に設置されている第1の利
用側熱交換器8aの蒸気側配管が接続されている位置と
の間と、第1の液側接続口Bと最も高所に設置されてい
る第1の利用側熱交換器8aの液側配管が接続されてい
る位置との間とを自然循環用配管87で接続し、その途
中に第1の熱交換部42を設置して、蓄熱槽99の外側
で蓄熱材98と熱交換できるよう構成するとともに、自
然循環用熱交換器41を各利用側熱交換器8a,8bよ
り上方に設置し、冷熱蓄熱利用時に重力による冷媒の自
然循環作用で室内を冷房するようにしたことに特長があ
る。このように構成したので、圧縮機1を停止した冷媒
自然循環冷房運転が可能であり、利用負荷の多い時間帯
に消費電力量を削減して、電力のピークカットができ
る。さらに蓄熱用熱交換器6の蒸気側接続口と液側接続
口とで高さの制約がなくなることから、通常の広く用い
られている氷蓄熱空気調和機と同様の構成の蓄熱用熱交
換器を使用でき、既設の氷蓄熱式冷凍サイクルにも後づ
けで消費電力の削減機能を付加することができるという
効果もある。
【0111】実施の形態6.実施の形態5の図9では、
自然循環用配管87を新たに設置したが、本実施の形態
では図10に示すように、冷熱蓄熱過冷却利用冷房運転
のために設けた過冷却用液配管83を利用して冷媒自然
循環冷房運転を行っている。この場合には、蓄熱用熱交
換器6の蒸気側接続部と過冷却用液配管83との分岐部
との間に開閉弁50を設ける。そして、この開閉弁50
を、冷媒自然循環冷房運転で閉、冷熱蓄熱運転,冷熱蓄
熱過冷却利用冷房運転で開とする。冷媒自然循環冷房運
転時に第1の開閉弁(開閉弁Q)11を開として過冷却
用液配管83に冷媒を循環させることにより、冷媒回路
が簡素化されるので、実施の形態5よりも低価格で構成
でき、冷房運転において利用負荷の多い時間帯に消費電
力量を削減して電力ピークカットができるという効果が
ある。
【0112】さらに加えて、蓄熱材98に蓄熱した冷熱
蓄熱を冷媒の過冷却度を大きくすることに利用する冷房
運転(冷熱蓄熱過冷却利用冷房運転)時で、冷熱蓄熱量
に余裕がある場合に、蓄熱用熱交換器6で過冷却がつい
た冷媒液をさらに過冷却度を大きくすることができる。
即ち、開閉弁50を開、第1の開閉弁(開閉弁Q)11
を閉とし、蓄熱用熱交換器6から流出した過冷却冷媒液
を開閉弁50を経て第1の熱交換部42に流入させる。
この第1の熱交換部42を流れる際に、蓄熱材搬送装置
44を運転することによって第2の熱交換部43を流れ
る蓄熱材98によってさらに過冷却度を大きくすること
ができ、消費電力量をさらに減少させることができると
いう効果もある。
【0113】実施の形態7.図9および図10では、自
然循環用熱交換器41が蓄熱ユニット102の内部に収
納されているため、蓄熱ユニット102が室内ユニット
103a,103bよりも高所にある必要があったが、
蓄熱ユニット102の設置場所に制約がない電力ピーク
カット可能な蓄熱式冷凍サイクルの例を図11に示す。
図11は本実施の形態による蓄熱式冷凍サイクルを示す
構成図である。
【0114】図に示すように、液延長配管84と蒸気延
長配管85を自然循環用配管87で接続し、この配管中
に設置する第1の熱交換部42を、最も高い位置にある
利用側熱交換器8aよりも高所に設置するとともに、蓄
熱材98が循環する蓄熱材循環路86中に設置された第
2の熱交換部43と自然循環用熱交換器41として一体
で構成する。第1の熱交換部42は上部が蒸気延長配管
85と接続され下部が液延長配管84と接続されてお
り、その下部から液延長配管84に至るまでの自然循環
用配管87中には第8の開閉弁(開閉弁U)18が設置
されている。
【0115】次に動作については、冷熱蓄熱運転,冷媒
自然循環冷房運転,冷熱過冷却利用冷房運転,一般冷房
運転,一般暖房運転の各運転モードで運転することがで
きる。これらの運転モードにおいて、蓄熱ユニット10
2内部の開閉弁11〜開閉弁14,開閉弁(開閉弁U)
18の開閉動作は実施の形態1および実施の形態5と同
様の動作であるので説明を割愛する。特に本実施の形態
では、冷媒自然循環冷房運転において、冷媒は自然循環
用熱交換器41の第1の熱交換部42、第8の開閉弁
(開閉弁U)18、利用側減圧装置7a,7b、利用側
熱交換器8a,8b、自然循環用配管87を循環する。
この設置位置の高さの制約は、第1の熱交換部42の液
側接続口が、一番高い位置にある利用側熱交換器8aの
液側接続口よりも上方、望ましくは1m以上高い位置に
設置することである。従って、蓄熱用熱交換器6の構成
や蓄熱槽99の構成はどのようなものでもよく、その設
置位置も適用する場所に応じて自由にできる。そこで、
一般に広く使用されている通常の氷蓄熱空気調和機と同
様の構成の蓄熱用熱交換器を使用することもできる。
【0116】以上述べたように、本実施の形態によれ
ば、液延長配管84と蒸気延長配管85とを自然循環用
配管87で接続し、その途中に第1の熱交換部42を設
置して、蓄熱槽99の外側で蓄熱材98と熱交換できる
よう構成するとともに、自然循環用熱交換器41を各利
用側熱交換器8a,8bより上方に設置し、冷熱蓄熱利
用時に重力による冷媒の自然循環作用で室内を冷房する
ように構成した。このため、蓄熱槽99内の蓄熱用熱交
換器6の構成に関わらず、圧縮機1を停止した冷媒自然
循環冷房運転が可能であり、利用負荷が大きな場合にも
冷媒自然循環冷房運転によって消費電力量を低減でき、
電力のピークカットができる。さらに、蓄熱ユニット1
02の設置位置に制約を設ける必要がないので、システ
ム構成の自由度が高まるという効果がある。
【0117】また、図12に示した蓄熱式冷凍サイクル
は、図11の構成の蓄熱式冷凍サイクルで、蓄熱槽99
内の蓄熱用熱交換器6の配管において、蒸気側接続口を
上方とし液側接続口を下方として、蓄熱用熱交換器6内
の冷媒流路に沿った鉛直方向の位置が、蒸気側接続口か
ら液側接続口に至るまでの間で上昇しないように構成し
たものである。そして、一番高いところに自然循環用熱
交換器41を設け、自然循環用熱交換器41よりも低い
位置に利用側熱交換器8a,8bを設け、利用側熱交換
器8a,8bよりも低い位置に蓄熱用熱交換器6を有す
る蓄熱槽99を設けている。
【0118】これまでの構成の蓄熱式冷凍サイクルで
は、重力による冷媒自然循環利用は、利用側熱交換器8
a,8bと蓄熱槽99または自然循環用熱交換器41と
の高低差によるために、冷房運転と暖房運転とで、どち
らか一方の冷媒自然循環運転を実現したら、他方は実現
できなかった。ところが、図12のように構成すると、
夏季には蓄熱槽99内に冷熱を蓄熱して自然循環用熱交
換器41を用いて冷媒自然循環冷房運転を行ない、冬季
には蓄熱槽99内に温熱を蓄熱して蓄熱用熱交換器6を
用いて冷媒自然循環暖房運転を行なうことが可能とな
る。
【0119】<冷媒自然循環冷房運転>冷媒の自然循環
作用を利用した冷房運転では、第8の開閉弁(開閉弁
U)18を開、第1,第2,第3,第4,第7の開閉弁
11,12,13,14,17をそれぞれ閉とし、蓄熱
用減圧装置5を全閉とし、圧縮機1は停止する。また、
蓄熱材搬送装置44を運転し蓄熱槽99内の蓄熱材98
である水を自然循環用熱交換器41の第2の熱交換部4
3に循環させる。
【0120】第1,第2の利用側熱交換器8a,8bで
第1,第2の利用側送風機22a,22bによって送り
込まれた室内空気から吸熱して蒸発した蒸気冷媒は、蒸
気延長配管85を上昇して自然循環用配管87を経て第
1の熱交換部42に最上部から流入する。ここで、この
蒸気冷媒は、蓄熱材搬送装置44によって第2の熱交換
部43に循環される蓄熱槽99内の蓄熱材98に放熱し
て自らは凝縮液化する。この液冷媒は、第1の熱交換部
42の最下部から流出し、重力によって第8の開閉弁
(開閉弁U)18を経て、液延長配管84に流入する。
液延長配管84に流入した液冷媒は重力によって下方に
ある第1,第2の利用側減圧装置7a,7bを経て第
1,第2の利用側熱交換器8a,8bに流入する。この
時、第1,第2の利用側送風機22a,22bによって
利用側熱交換器8a,8bへ送り込まれた室内空気は、
低温低圧の二相冷媒によって冷却されて室内へ吹き出さ
れ、室内を冷房する。このように、利用側熱交換器8
a,8bに送り込まれる室内空気温度と自然循環用熱交
換器41で熱交換する蓄熱材98の温度との温度差およ
び重力を利用した冷媒自然循環冷房運転が行われる。
【0121】<冷媒自然循環暖房運転>蓄熱ユニット1
02内部の第2,第5,第6の開閉弁12,15,16
をそれぞれ閉とし、第1,第3,第4,第7の開閉弁1
1,13,14,17をそれぞれ開とし、蓄熱用減圧装
置5は全開とする。第1,第2の利用側熱交換器8a,
8bで第1,第2の利用側送風機22a,22bによっ
て送り込まれた室内空気へ放熱して凝縮液化した液冷媒
は、液延長配管84を重力によって降下して、第2の液
側接続口Dから室内ユニット103a,103bより下
方にある蓄熱ユニット102に流入する。この液冷媒
は、液配管81、第3の開閉弁(開閉弁S)13、第4
の開閉弁14および蓄熱用減圧装置5を経て蓄熱用熱交
換器6に流入し、ここで、蓄熱槽99内の蓄熱材98か
ら吸熱して自らは蒸発する。そして、この蒸気冷媒は、
蓄熱槽熱交換器6の蒸気側接続口から流出し、第1の開
閉弁(開閉弁Q)11、第7の開閉弁17、蒸気配管8
2、第2の蒸気側接続口Cから蒸気延長配管85を経
て、上方にある第1,第2の利用側熱交換器8a,8b
に流入する。このように、利用側熱交換器8a,8bに
送り込まれる室内空気温度と蓄熱用熱交換器6周囲の蓄
熱材98の温度との温度差および重力を利用した自然循
環暖房運転が行われる。このとき、第5の開閉弁(開閉
弁P)15は液冷媒が熱源側熱交換器3の液側接続口へ
の配管に流入するのを阻止し、第6の開閉弁(開閉弁
T)16は蒸気冷媒が圧縮機1への配管に流入するのを
阻止し、循環冷媒量が低減するのを防止している。
【0122】実施の形態8.図11,図12では、最も
低い位置にある利用側熱交換器8aよりも下方に蓄熱槽
99を設置している例を示したが、このような位置関係
の場合、最も低い位置にある利用側熱交換器8bよりも
下方の液延長配管84の中に液冷媒が溜まり込んでしま
い、この分だけ余計に冷媒充填量が必要となり高価なシ
ステムとなってしまう。このため、本実施の形態では図
13に示すように液延長配管84中の最も低い位置にあ
る利用側熱交換器8bの接続位置の直下に、第10の開
閉弁20を設置する。また、冬季などで、上方に設置し
た自然循環用熱交換器41が低温にさらされている場
合、暖房運転中に自然循環用熱交換器41に液冷媒が溜
まり込むのを防止するため、自然循環用配管87中の蒸
気延長配管85との接続部直前に第9の開閉弁19を設
置する。
【0123】第9の開閉弁19は、冷媒自然循環冷房運
転の時のみ開とし、その他の運転モードの時には閉とす
る。これにより、利用側熱交換器8a,8bの蒸気側か
ら蒸気延長配管85へ、または蒸気延長配管85から利
用側熱交換器8a,8bの蒸気側へ蒸気冷媒が循環する
動作中に、その接続配管から分岐して自然循環用配管8
7へ蒸気冷媒が流れるのを防止できる。また、第10の
開閉弁20は、冷媒自然循環冷房運転の時のみ閉とし、
その他の運転モードの時には開とする。これにより、自
然循環用熱交換器41から利用側熱交換器8a,8bの
液側へ液冷媒が循環する動作中に、その接続配管から分
岐して液延長配管84へ液冷媒が流れるのを防止でき
る。
【0124】以上のように開閉弁19と開閉弁20を設
けたことにより、冷房期、暖房期ともに冷房または暖房
に寄与せずに循環路内に余計に溜まり込む冷媒量を極力
少なくでき、安価で効率的な蓄熱式冷凍サイクルを得る
ことができる。
【0125】実施の形態9.実施の形態7の図11で
は、冷房運転時に冷媒自然循環作用を利用して電力のピ
ークカットを行う例を示したが、図14のように構成す
れば、暖房運転時に冷媒自然循環作用を利用して電力の
ピークカットを行うことができるとともに、蓄熱ユニッ
ト102の設置位置に制約がなくなり、システム構成の
自由度が高まるという効果がある。即ち、蓄熱材搬送装
置44によって蓄熱材98を蓄熱槽99の外部の蓄熱材
循環路86に循環させる。そして、蓄熱材循環路86の
途中に設けた第2の熱交換部43で第1の熱交換部42
を循環する冷媒と熱交換するように構成する。さらに、
第1,第2の熱交換部42,43で構成された自然循環
用熱交換器41の下部接続口を、最も下側に配置されて
いる利用側熱交換器8bの液側接続口より下方に配置す
る。また、第1の熱交換部42は自然循環用配管87に
よって冷凍サイクルを構成する蒸気配管と液配管とに接
続する。具体的には第1の熱交換器42の上部接続口を
利用側熱交換器8a,8bの蒸気側接続口と流路切換装
置2との間を接続する蒸気延長配管85に第9の開閉弁
19を介して接続し、下部接続口を利用側熱交換器8
a,8bの液側接続口と第3の開閉弁(開閉弁S)13
との間を接続する液延長配管84に第8の開閉弁(開閉
弁U)18を介して接続している。
【0126】本実施の形態における冷熱蓄熱運転,冷媒
過冷却利用冷房運転,一般冷房運転,一般暖房運転につ
いては、実施の形態3と同様であり、ここではその説明
を割愛する。ただし、本実施の形態では第5,第6の開
閉弁15,16は設けていないので、これらの開閉弁を
開閉する動作はない。また、冷熱蓄熱運転,冷媒過冷却
利用冷房運転,一般冷房運転,一般暖房運転では蓄熱材
搬送装置44を停止状態とし、第8,第9の開閉弁1
8,19は閉とする。以下、温熱蓄熱運転,冷媒自然循
環暖房運転について説明する。
【0127】<温熱蓄熱運転>主に夜間電力を利用して
蓄熱槽99内に温熱を蓄える運転モードである。蓄熱ユ
ニット102内部の第1,第4の開閉弁11,14をそ
れぞれ開、第2,第3,第7の開閉弁12,13,17
をそれぞれ閉とする。また、室外ユニット101内部の
四方弁2は第1口と第4口を連通させ、第2口と第3口
を連通させる。
【0128】圧縮機1で圧縮され高温高圧となった蒸気
冷媒は、四方弁2の第1口から第4口、第1の蒸気側接
続口A、第1の開閉弁(開閉弁Q)11を経て蓄熱用熱
交換器6に流入する。ここで、この高温高圧の冷媒は、
蓄熱槽99内の蓄熱材98に放熱して蓄熱槽99内に温
熱を蓄えると共に自らは凝縮液化する。この凝縮液化し
た中温高圧の液冷媒は蓄熱用減圧装置5で減圧され、低
温低圧の気液二相冷媒となって、第1の液側接続口Bを
経て熱源側熱交換器3に流入する。ここで、低温低圧の
気液二相冷媒は、室外送風機21によって送り込まれる
外気から吸熱するとともに自らは蒸発する。この低温低
圧の蒸気冷媒は、四方弁2の第2口から第3口、および
アキュムレータ4を経て圧縮機1の吸入側に戻る。
【0129】<冷媒自然循環暖房運転>温熱蓄熱運転で
蓄えた温熱を利用して室内を暖房する運転モードであ
り、圧縮機1を停止して冷媒の自然循環作用を利用す
る。この運転モードは、蓄熱槽99内の蓄熱量が十分あ
る場合で、例えば冬季夕方の16時〜18時などの電力
ピークカットが必要な時間帯を中心に運転する。第8の
開閉弁(開閉弁U)18,第9の開閉弁19をそれぞれ
開、第1,第2,第3,第4,第7の開閉弁11,1
2,13,14,17をそれぞれ閉とし、蓄熱用減圧装
置5を全閉とし、圧縮機1は停止する。また、蓄熱材搬
送装置44を運転し蓄熱槽99内の蓄熱材98である水
を冷媒循環路86から自然循環用熱交換器41の第2の
熱交換部43に循環させる。
【0130】第1,第2の利用側熱交換器8a,8bで
第1,第2の利用側送風機22a,22bによって送り
込まれた室内空気に放熱して凝縮した液冷媒は、第1,
第2の利用側熱交換器7a,7bを通って液延長配管8
4を重力によって下降し、第8の開閉弁(開閉弁U)1
8を通り、自然循環用配管87を経て第1の熱交換部4
2に下方接続口から流入する。ここで、この液冷媒は、
蓄熱材搬送装置44によって第2の熱交換部43に循環
される蓄熱槽99内の蓄熱材98から吸熱して自らは蒸
発する。この蒸気冷媒は、第1の熱交換部42の上方接
続口から流出し、第9の開閉弁19を経て、蒸気延長配
管85に流入する。液延長配管85に流入した蒸気冷媒
は上方にある第1,第2の利用側熱交換器8a,8bに
流入する。この時、第1,第2の利用側送風機22a,
22bによって利用側熱交換器8a,8bへ送り込まれ
た室内空気は、加熱されて室内へ吹き出され、室内を暖
房する。このように、利用側熱交換器8a,8bに送り
込まれる室内空気温度と自然循環用熱交換器41での蓄
熱材98との温度差および重力を利用した自然循環暖房
運転が行われる。
【0131】なお、ここで冷媒自然循環暖房運転を行う
冷媒は、自然循環用熱交換器41の第1の熱交換部4
2、自然循環用配管87、利用側熱交換器8a,8bで
構成される配管を循環するので、圧縮機1や熱源側熱交
換器3への配管に蒸気冷媒や液冷媒が流入することはほ
とんどないと考えられる。このため本実施の形態では第
5,第6の開閉弁15,16を設けていないが、例えば
蒸気冷媒が圧縮機1への配管に流入しようとしても第7
の開閉弁17によって阻止される。
【0132】本実施の形態では、蓄熱用熱交換器6の構
成には全く制約が必要ない。このため、一般的に通常広
く使われている氷蓄熱空気調和機と同様の構成の蓄熱槽
を使用して、圧縮機1を停止した冷媒自然循環暖房運転
が可能となり、電力のピークカットができる。また、蓄
熱ユニット102の設置位置にも制約がないため、シス
テム構成の自由度が高まるという効果がある。
【0133】また、本実施の形態の構成で、蓄熱槽99
内の蓄熱用熱交換器6の配管において、蒸気側接続口を
上方とし液側接続口を下方として、蓄熱用熱交換器6内
の冷媒流路に沿った鉛直方向の位置が、蒸気側接続口か
ら液側接続口に至るまでの間で上昇しないように構成す
る。さらに、一番高いところに蓄熱用熱交換器6を有す
る蓄熱槽99を設け、この蓄熱槽99よりも低い位置に
利用側熱交換器8a,8bを設け、利用側熱交換器8
a,8bよりも低い位置に自然循環用熱交換器41を設
ければ、夏季には蓄熱槽99内に冷熱を蓄熱して、蓄熱
用熱交換器6によって冷媒自然循環冷房運転を行ない、
冬季には蓄熱槽99内に温熱を蓄熱して、熱交換器41
によって冷媒自然循環暖房運転を行なうことが可能とな
る。
【0134】実施の形態10.以上、実施の形態1〜実
施の形態9では、蓄熱材98を水(氷)としていたが、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビト
ール、塩化カルシウムなどの溶質を水に溶かし込んだ水
溶液でもよい。蓄熱材98をこれら水溶液にすると、凍
結温度が溶質の濃度に応じて真水の場合よりも低下する
ので、冷熱蓄熱運転時の蒸発温度が真水に比べてさらに
低下する。利用側熱交換器8a,8bがより低温の蒸発
温度を要求するショーケースや冷蔵庫用蒸発器、冷凍庫
用蒸発器などの場合、蓄熱材98を上記のような水に不
凍液を混合させた水溶液とすると、利用温度に応じた温
度で蓄熱することができる。このため、圧縮機1を停止
した冷媒自然循環冷却運転がさらに広い範囲で可能とな
り、消費電力量をさらに多く削減できる。
【0135】また、蓄熱材98が水の場合、高級脂肪酸
塩を添加したり、数千気圧程度の圧力をかけたりする
と、その凍結温度が上昇して冷熱蓄熱運転の効率が向上
する。工業用途などで利用側熱交換器8a,8bでの冷
却に必要な冷媒の蒸発温度が通常の冷房に必要な冷媒蒸
発温度より高くてよい場合などに特に有効である。
【0136】さらに、実施の形態5〜実施の形態9で
は、蓄熱材搬送装置44を用いて蓄熱材98を配管86
内に循環させる構成である。この構成において、蓄熱材
98に界面活性剤を微量添加すると、配管86を流れる
蓄熱材98の圧力損失が低減し、蓄熱材搬送装置44の
消費電力量が減少するので、さらに電力ピークカットが
可能となる。特に、水またはプロピレングリコールやソ
ルビトールなどの水溶液の場合に効果がある。同様の効
果は、小さな糸屑やセルロースなどを蓄熱材98に混入
させても現れる。
【0137】さらにまた、実施の形態5〜実施の形態9
において、蓄熱材98をシャーベット状で蓄熱槽99に
蓄えておくとよい。このようにしても、配管86を流れ
る蓄熱材98の圧力損失が低減し、蓄熱材搬送装置44
の消費電力量が減少する。蓄熱材98をシャーベット状
にする例としては、蓄熱材98が水の場合、蓄熱用熱交
換器6を蓄熱槽99の外部に設置し、そこで、蓄熱材9
8である水を過冷却させて蓄熱槽99に戻るまでの間で
過冷却解除させる方法や、蓄熱用熱交換器6の周囲に固
着した氷を掻き取り蓄熱槽99内に導く方法など、一般
的にダイナミック製氷方式といわれている様々な方法が
ある。
【0138】実施の形態11.実施の形態1〜実施の形
態10では、主に夜間に圧縮機1を運転して蓄熱槽99
内の蓄熱材98に冷熱または温熱を蓄え、この冷熱また
は温熱を熱源として、圧縮機1を停止して冷媒自然循環
作用を利用した冷房運転または暖房運転を行なう例を説
明した。ここで、冷媒自然循環作用を利用する際の熱源
は必ずしも蓄熱槽99内の熱源に限る必要はない。例え
ば、実施の形態9における図14で、自然循環用熱交換
器41内の熱交換部42を灯油バーナまたはガスバーナ
等の加熱手段で直接加熱してもよい。この場合には、加
熱手段は必要であるが、自然循環作用を利用して熱搬送
動力を全く必要としない冷媒加熱式暖房運転が可能とな
り、加熱手段に灯油やガスを用いれば電力負荷の最大と
なる時間帯で電力消費量を削減でき、電力ピークカット
を実現できる。
【0139】以下、冷媒自然循環暖房運転で、灯油バー
ナまたはガスバーナ等を熱源とした冷凍サイクルについ
て説明する。図15は本実施の形態による冷凍サイクル
を示す構成図であり、圧縮機による一般の冷暖房運転可
能な空気調和器において、冷媒加熱式の冷媒自然循環暖
房運転ができるように構成したものである。
【0140】図において、71は灯油バーナまたはガス
バーナなどの加熱手段、72はバーナ熱交換器伝熱面、
73は自然循環用熱交換器で、例えばバーナ熱交換器配
管、74は逆止弁である。バーナ熱交換器伝熱面72は
管状でありその周囲の壁面にバーナ熱交換器配管73が
固着されている。バーナ熱交換器伝熱面72の管内を灯
油バーナまたはガスバーナ71で加熱すると、バーナ熱
交換器伝熱面72が加熱され、さらにバーナ熱交換器配
管73内を流れる冷媒が加熱される構成である。
【0141】液配管81は室外ユニット101内部の冷
媒液配管であり、熱源側熱交換器3と液側接続口Bとの
間を開閉弁15を介して接続している。蒸気配管82は
室外ユニット101内部の冷媒蒸気配管であり、四方弁
2と蒸気側接続口Aとの間を接続している。バーナ熱交
換器配管73の下方接続口は液側であり、液側接続口B
と開閉弁15との間の液配管81に、開閉弁75を介し
て接続されている。一方、バーナ熱交換器配管73の上
部接続口は蒸気側であり、逆止弁74を介して蒸気配管
82に接続されている。さらに、バーナ熱交換器配管7
3の下部接続口は、最も低位置にある利用側熱交換器8
bの最下部の位置より低くなるように、望ましくは1m
以上低くなるように設置する。
【0142】このような構成の冷凍サイクルは、蓄熱式
ではなく、圧縮機1を駆動する一般冷房運転と、圧縮機
1を駆動する一般暖房運転と、圧縮機1を駆動しない冷
媒自然循環暖房運転の3つの運転モードがある。
【0143】<一般冷房運転>室外ユニット101内部
の四方弁2は第1口と第2口が連通し、第3口と第4口
が連通するように切換えると共に、開閉弁15,開閉弁
16をそれぞれ開とし、開閉弁75を閉とする。圧縮機
1から吐出された高温高圧の蒸気冷媒は、熱源側熱交換
器3で凝縮液化され、液配管81、開閉弁15、液側接
続口Bから液延長配管84を経て第1,第2の利用側減
圧装置7a,7bに流入し、低温低圧の二相冷媒とな
る。この二相冷媒は、それぞれ第1,第2の利用側熱交
換器8a,8bで、第1,第2の利用側送風機22a,
22bによって送り込まれた室内空気から吸熱し、自ら
は蒸発する。この低温低圧の蒸気冷媒は、蒸気延長配管
85、第1の蒸気側接続口A、蒸気配管82、開閉弁1
6、四方弁2の第4口から第3口を経て、アキュムレー
タ4から圧縮機1の吸入側へ戻る。この時、第1,第2
の利用側送風機22a,22bによって利用側熱交換器
8a,8bへ送り込まれた室内空気は、低温低圧の二相
冷媒によって冷却されて室内へ吹き出され、室内を冷房
する。
【0144】<一般暖房運転>室外ユニット101内部
の四方弁2は第1口と第4口が連通し、第2口と第3口
が連通するように切換えると共に、開閉弁15,16を
それぞれ開とし、開閉弁75を閉とする。圧縮機1で圧
縮され高温高圧となった冷媒は、四方弁2の第1口から
第4口、蒸気配管82、開閉弁16、蒸気側接続口A、
蒸気延長配管85を経て第1,第2の利用側熱交換器8
a,8bに流入する。ここで、この高温高圧の冷媒は、
第1,第2の利用側送風機22a,22bによって送り
込まれる室内空気に放熱して室内を暖房すると共に自ら
は凝縮液化する。この凝縮液化した中温高圧の液冷媒は
第1,第2の利用側減圧装置7a,7bで減圧され、低
温低圧の気液二相冷媒となって液延長配管84、液側接
続口B、液配管81、開閉弁15を経て熱源側熱交換器
3に流入する。ここで、低温低圧の気液二相冷媒は、室
外送風機21によって送り込まれる外気から吸熱すると
ともに自らは蒸発する。この低温低圧の蒸気冷媒は、四
方弁2の第2口から第3口、およびアキュムレータ4を
経て圧縮機1の吸入側に戻る。
【0145】<冷媒自然循環暖房運転>この運転モード
は、例えば冬季夕方の16時〜18時などの消費電力量
の削減要求の高い時間帯を中心に運転する。室外ユニッ
ト101内部の開閉弁15,16をそれぞれ閉とし、開
閉弁75を開とする。圧縮機1の動作を停止し、加熱手
段である灯油バーナまたはガスバーナ71を動作させ
る。第1,第2の利用側熱交換器8a,8bで第1,第
2の利用側送風機22a,22bによって送り込まれた
室内空気へ放熱して凝縮液化した液冷媒は、液延長配管
84を重力によって降下して、液側接続口B、開閉弁7
5から室内ユニット103a,103bより下方にある
バーナ熱交換器配管73に流入する。ここで、灯油バー
ナまたはガスバーナ71で加熱され自らは蒸発する。そ
して、この蒸気冷媒は、バーナ熱交換器配管73の上方
接続口から流出し、逆止弁74、蒸気配管82、蒸気側
接続口Aから蒸気延長配管85を経て、上方にある第
1,第2の利用側熱交換器8a,8bに流入する。この
ように、利用側熱交換器8a,8bに送り込まれる室内
空気温度とバーナ熱交換器配管73周囲との温度差およ
び重力を利用した冷媒自然循環暖房運転が行われる。
【0146】ここで、開閉弁15は、冷媒自然循環暖房
運転時に、液配管81を流れる液冷媒が熱源側熱交換器
3の液側接続口への配管に流入するのを阻止している。
この開閉弁15と開閉弁75との代わりに、液配管81
のバーナ熱交換器配管73の下方接続口への接続部に三
方弁を設けて接続方向を制御することで、同様の機能を
発揮する。また、開閉弁16は蒸気配管82を流れる蒸
気冷媒が圧縮機1への配管に流入するのを阻止してい
る。この開閉弁16と逆止弁74との代わりに、蒸気配
管82のバーナ熱交換器配管73の上方接続口への接続
部に三方弁を設けて接続方向を制御することで、同様の
機能を発揮する。
【0147】これは、利用側の装置を小型化し、かつ熱
搬送動力を全く必要とせずに暖房運転できる。また、冷
凍サイクルを構成する暖房装置や冷房装置に適用するこ
とで、利用側の利用負荷が集中して消費電力量が最高と
なる電力ピークに時間帯に、灯油バーナやガスバーナな
どの熱源を利用して暖房を行い、消費電力量の削減を図
ることができる。特に、灯油バーナやガスバーナなどの
熱源を室外ユニット101に収納して冷媒自然循環作用
を利用して熱搬送すれば、室内空気をクリーンに保つこ
とができる。
【0148】なお、バーナ熱交換器配管73において、
冷媒をバーナで加熱する代わりに、工場蒸気やボイラの
廃熱,温泉水,地熱,工業プロセス廃熱など、従来はそ
のまま捨てられがちであった温熱が他から得られれば、
これを、バーナ熱交換器配管73内を通過する冷媒の加
熱に利用することにより、熱搬送動力を全く必要としな
い、かつ温排熱を再利用できる暖房運転が可能となる。
【0149】また、本実施の形態のような灯油バーナま
たはガスバーナ74とバーナ熱交換器配管73とバーナ
熱交換器伝熱面74で構成された冷媒加熱機構を、例え
ば実施の形態5〜実施の形態8に付加してもよい。実施
の形態5〜実施の形態8では、自然循環用熱交換器41
を利用側熱交換器8a,8bよりも高いところに配設
し、冷媒自然循環冷房運転を行なって冷房運転の電力ピ
ークカットを実現していた。これに加えて、例えば実施
の形態5の図9の構成で、さらに、第1の蒸気側接続口
Aと最も低所に設置されている利用側熱交換器8bの蒸
気側配管が接続されている蒸気配管の間と、第1の液側
接続口Bと最も低所に設置されている利用側熱交換器8
bの液側配管が接続されている液配管との間とを冷媒自
然循環暖房用配管で接続する。そして、その途中に灯油
バーナまたはガスバーナ71とバーナ熱交換器配管73
とバーナ熱交換器伝熱面72で構成された冷媒加熱機構
を設置する。さらに、この加熱機構を各利用側熱交換器
8a,8bより下方に設置すれば、実施の形態5に加え
て、冷媒自然循環作用を利用した冷媒加熱式暖房運転を
行なって暖房運転の電力ピークカットが可能となる。
【0150】また、実施の形態5〜実施の形態8におい
て、液化天然ガスの冷熱や冷凍・冷蔵倉庫の冷熱または
冷凍・冷蔵用熱交換器で蒸発した冷媒蒸気の冷熱など、
従来はそのまま捨てられがちであった冷熱が他から得ら
れれば、これを、自然循環用熱交換器41内の第1の熱
交換部42の冷却に利用することにより、熱搬送動力を
全く必要としない冷媒自然循環作用を利用した、かつ冷
排熱を再利用できる冷房運転が可能となる。
【0151】なお、実施の形態1〜実施の形態11で
は、利用側熱交換器は2台の例を示したが、1台しか接
続されていなくても、また3台以上接続されていてもよ
いことは言うまでもない。また、便宜上、複数の利用側
熱交換器を上下方向に異なる位置に配置したように図で
は表わしているが、全てが同じ高さの位置に設置されて
いてもよいし、そのうちの一部またはすべての利用側熱
交換器が上下方向に異なる位置に配置されていてもよ
い。
【0152】さらに、実施の形態1〜実施の形態11で
は、熱源側熱交換器3は外気に放熱する例を示したが、
冷却水や河川水、海水、下水、土壌、使用しない室内空
気等、外気以外のどのような環境に放熱してもよいこと
は言うまでもない。
【0153】また、実施の形態1〜実施の形態11で
は、主に蓄熱式冷凍サイクルを空気調和機に利用した例
について述べたので、冷房運転および暖房運転と記した
が、ショーケースや冷凍装置に適用してもよく、この場
合には冷却運転および加熱運転となる。
【0154】
【発明の効果】以上のように本発明では、圧縮機,熱源
側熱交換器,利用側減圧装置,利用側熱交換器を連接し
てなる冷凍サイクルにおいて、冷媒と蓄熱材とが熱交換
する蓄熱用熱交換器を備え、前記蓄熱用熱交換器の蒸気
側接続口を前記利用側熱交換器の蒸気側接続口と前記圧
縮機の吸入口との間を接続する蒸気配管に接続し、その
液側接続口を前記利用側熱交換器の液側接続口と前記熱
源側熱交換器の液側接続口との間を接続する液配管に蓄
熱用減圧装置を介して接続し、前記蓄熱用熱交換器の蒸
気側接続口を液側接続口よりも上方に配設すると共にそ
の液側接続口を前記利用側熱交換器の液側接続口より上
方に設置し、冷熱蓄熱運転時に前記圧縮機,前記熱源側
熱交換器,前記蓄熱用減圧装置,前記蓄熱用熱交換器に
冷媒を循環させて前記蓄熱材に冷熱を蓄え、冷媒自然循
環冷却運転時に前記蓄熱用熱交換器,前記利用側減圧装
置,前記利用側熱交換器に冷媒を循環させて前記蓄熱材
に蓄えた冷熱を前記利用側熱交換器で冷却に利用するこ
とを特徴とすることにより、構成が簡単で、圧縮機を停
止した冷媒自然循環冷却運転が可能であり、消費電力量
を削減して電力のピークカットができる冷凍サイクルが
得られる。
【0155】また、本発明によれば、圧縮機,熱源側熱
交換器,利用側減圧装置,利用側熱交換器を連接してな
る冷凍サイクルにおいて、蓄熱材から吸熱して冷媒が蒸
発する蓄熱用熱交換器と、前記蓄熱材に放熱して冷媒が
凝縮する自然循環用熱交換器とを備え、前記蓄熱用熱交
換器の蒸気側接続口を前記利用側熱交換器の蒸気側接続
口と前記圧縮機の吸入口との間を接続する蒸気配管に接
続し、その液側接続口を前記利用側熱交換器の液側接続
口と前記熱源側熱交換器の液側接続口との間を接続する
液配管に蓄熱用減圧装置を介して接続し、前記自然循環
用熱交換器の蒸気側接続口を前記利用側熱交換器の蒸気
側接続口と前記圧縮機の吸入口との間を接続する蒸気配
管に接続し、その液側接続口を前記利用側熱交換器の液
側接続口と前記熱源側熱交換器の液側接続口との間を接
続する液配管に開閉弁Uを介して接続し、前記自然循環
用熱交換器の蒸気側接続口を液側接続口よりも上方に配
設すると共にその液側接続口を前記利用側熱交換器の液
側接続口より上方に設置し、冷熱蓄熱運転時に前記圧縮
機,前記熱源側熱交換器,前記蓄熱用減圧装置,前記蓄
熱用熱交換器に冷媒を循環させて前記蓄熱材に冷熱を蓄
え、冷媒自然循環冷却運転時に前記自然循環用熱交換
器,前記利用側減圧装置,前記利用側熱交換器に冷媒を
循環させて前記蓄熱材に蓄えた冷熱を前記利用側熱交換
器で冷却に利用することを特徴とすることにより、蓄熱
用熱交換器の構成に制約を加えることなく、圧縮機を停
止した冷媒自然循環冷却運転が可能であり、冷却運転を
行っている際の電力のピークカットができる冷凍サイク
ルが得られる。
【0156】また、本発明によれば、蓄熱材を循環させ
る蓄熱材循環路と、この蓄熱材循環路に設けられ自然循
環用熱交換器を循環する冷媒と熱交換する熱交換部とを
備え、冷媒自然循環冷却運転時に前記自然循環用熱交換
器を循環する冷媒が前記熱交換部で前記蓄熱材循環路を
循環する前記蓄熱材に放熱して凝縮するように構成した
ことを特徴とすることにより、冷却運転時に冷媒自然循
環作用を利用して消費電力量を削減することができると
ともに、蓄熱ユニットの設置位置に制約がなくなり、シ
ステム構成の自由度の高い冷凍サイクルが得られる。
【0157】また、本発明によれば、冷媒自然循環冷却
運転時に、凝縮した液冷媒が熱源側熱交換器の液側接続
口へ流れるのを阻止する開閉弁Pを備えたことを特徴と
することにより、冷却運転時に電力のピークカットがで
き、さらに冷媒充填量を削減して低価格にでき、また、
より安定的に運用することができる冷凍サイクルが得ら
れる。
【0158】また、本発明によれば、蓄熱用熱交換器の
蒸気側接続口への接続部と熱源側熱交換器の蒸気側接続
口との間の蒸気配管に設置され、圧縮機の吐出側と吸入
側の冷媒流路を切換えて利用側熱交換器での冷却と加熱
を可能とする流路切換装置と、前記利用側熱交換器の蒸
気側接続口と前記流路切換装置との間を接続する蒸気配
管と前記蓄熱用熱交換器の蒸気側接続口との間に設置さ
れた開閉弁Qとを備え、一般加熱運転時に、前記開閉弁
Qによって前記圧縮機の吐出口から前記蓄熱用熱交換器
の蒸気側接続口への冷媒の流れを阻止し、前記圧縮機,
前記利用側熱交換器,利用側減圧装置,前記熱源側熱交
換器に冷媒を循環させて前記利用側熱交換器で加熱を行
うことを特徴とすることにより、冷却運転における電力
のピークカットができ、さらに一般加熱運転も可能な冷
凍サイクルが得られる。
【0159】また、本発明によれば、圧縮機,熱源側熱
交換器,利用側減圧装置,利用側熱交換器を連接してな
る冷凍サイクルにおいて、冷媒と蓄熱材とが熱交換する
蓄熱用熱交換器を備え、前記蓄熱用熱交換器の蒸気側接
続口を前記利用側熱交換器の蒸気側接続口と前記圧縮機
の吐出口との間を接続する蒸気配管に接続し、その液側
接続口を前記利用側熱交換器の液側接続口と前記熱源側
熱交換器の液側接続口との間を接続する液配管に蓄熱用
減圧装置を介して接続し、前記蓄熱用熱交換器の蒸気側
接続口を液側接続口より上方に配設すると共にその液側
接続口を前記利用側熱交換器の液側接続口より下方に設
置し、温熱蓄熱運転時に前記圧縮機,前記蓄熱用熱交換
器,前記蓄熱用減圧装置,前記熱源側熱交換器に冷媒を
循環させて前記蓄熱材に温熱を蓄え、冷媒自然循環加熱
運転時に前記蓄熱用熱交換器,前記利用側熱交換器,前
記利用側減圧装置に冷媒を循環させて前記蓄熱材に蓄え
た温熱を前記利用側熱交換器で加熱に利用することを特
徴とすることにより、簡単な構成で、圧縮機を停止した
冷媒自然循環加熱運転が可能であり、消費電力量を削減
して電力のピークカットができる冷凍サイクルが得られ
る。
【0160】また、本発明によれば、圧縮機,熱源側熱
交換器,利用側減圧装置,利用側熱交換器を連接してな
る冷凍サイクルにおいて、蓄熱材に放熱して冷媒が凝縮
する蓄熱用熱交換器と前記蓄熱材から吸熱して冷媒が蒸
発する自然循環用熱交換器とを備え、前記蓄熱用熱交換
器の蒸気側接続口を前記利用側熱交換器の蒸気側接続口
と前記圧縮機の吐出口との間を接続する蒸気配管に接続
し、その液側接続口を前記利用側熱交換器の液側接続口
と前記熱源側熱交換器の液側接続口との間を接続する液
配管に蓄熱用減圧装置を介して接続し、前記自然循環用
熱交換器の蒸気側接続口を前記利用側熱交換器の蒸気側
接続口と前記圧縮機の吐出口との間を接続する蒸気配管
に接続し、その液側接続口を前記利用側熱交換器の液側
接続口と前記熱源側熱交換器の液側接続口との間を接続
する液配管に開閉弁Uを介して接続し、前記自然循環用
熱交換器の蒸気側接続口を液側接続口よりも上方に配設
すると共にその液側接続口を前記利用側熱交換器の液側
接続口より下方に設置し、温熱蓄熱運転時に前記圧縮
機,前記蓄熱用熱交換器,前記蓄熱用減圧装置,前記熱
源側熱交換器に冷媒を循環させて前記蓄熱材に温熱を蓄
え、冷媒自然循環加熱運転時に前記自然循環用熱交換
器,前記利用側熱交換器,前記利用側減圧装置に冷媒を
循環させて前記蓄熱材に蓄えた温熱を前記利用側熱交換
器で加熱に利用することを特徴とすることにより、蓄熱
用熱交換器の構成に制約を加えることなく、圧縮機を停
止した冷媒自然循環加熱運転が可能であり、電力のピー
クカットができる冷凍サイクルが得られる。
【0161】また、本発明によれば、蓄熱材を循環させ
る蓄熱材循環路と、この蓄熱材循環路に設けられ自然循
環用熱交換器を循環する冷媒と熱交換する熱交換部とを
備え、冷媒自然循環加熱運転時に前記自然循環用熱交換
器を循環する冷媒が前記熱交換部で前記蓄熱材循環路を
循環する前記蓄熱材から吸熱して蒸発するように構成し
たことを特徴とすることにより、加熱運転時に冷媒自然
循環作用を利用して消費電力量を削減することができる
とともに、蓄熱ユニットの設置位置に制約がなくなり、
システム構成の自由度の高い冷凍サイクルが得られる。
【0162】また、本発明によれば、冷媒自然循環加熱
運転時に、蒸発した蒸気冷媒が前記圧縮機へ流れるのを
阻止する開閉弁Tを備えたことを特徴とすることによ
り、加熱運転時に電力のピークカットができ、さらに冷
媒充填量を削減できる冷凍サイクルが得られる。
【0163】また、本発明によれば、蓄熱用熱交換器の
上部接続口への接続部と熱源側熱交換器との間の蒸気配
管に設置され、圧縮機の吐出側と吸入側の冷媒流路を切
換えて利用側熱交換器での冷却と加熱を可能とする流路
切換装置と、前記利用側熱交換器の蒸気側接続口と前記
流路切換装置との間を接続する蒸気配管と前記蓄熱用熱
交換器の蒸気側接続口との間に設置された開閉弁Qとを
備え、一般冷却運転時に、前記開閉弁Qによって前記利
用側熱交換器から前記蓄熱用熱交換器の蒸気側接続口へ
の冷媒の流れを阻止し、前記圧縮機,前記熱源側熱交換
器,前記利用側減圧装置,前記利用側熱交換器に冷媒を
循環させて前記利用側熱交換器で冷却を行うことを特徴
とすることにより、加熱運転における電力のピークカッ
トができ、さらに一般冷房運転も可能な冷凍サイクルが
得られる。
【0164】また、本発明によれば、利用側熱交換器の
蒸気側接続口と圧縮機の間の蒸気配管と前記蓄熱用熱交
換器の蒸気側接続口との間と、前記蓄熱用熱交換器の液
側接続口への接続部と利用側熱交換器の液側接続口の間
の液配管とを接続する過冷却用液配管と、前記過冷却用
液配管に設置された開閉弁Rと、前記過冷却用液配管へ
の接続部と前記蓄熱用熱交換器の液側接続口への接続部
との間の液配管に設置した開閉弁Sとを備え、冷熱蓄熱
運転時に前記圧縮機,前記熱源側熱交換器,前記蓄熱用
減圧装置,前記蓄熱用熱交換器に冷媒を循環させて前記
蓄熱材に冷熱を蓄え、冷熱過冷却利用冷却運転時に、前
記開閉弁Rによって前記過冷却用液配管を連通させると
共に前記開閉弁Sによって前記熱源側熱交換器から流出
した冷媒を前記蓄熱用熱交換器の液側接続口へ流し、前
記圧縮機,熱源側熱交換器、蓄熱用熱交換器,前記過冷
却用液配管,利用側減圧装置,利用側熱交換器に冷媒を
循環させて前記蓄熱材に蓄えた冷熱を前記利用側熱交換
器で冷却に利用することを特徴とすることにより、冷却
運転で過冷却度を大きくでき、消費電力量をさらに削減
できる冷凍サイクルが得られる。
【0165】また、本発明によれば、蓄熱材として、水
または水に凍結温度を低下させる溶質を混合した水溶液
であることを特徴とすることにより、圧縮機を停止した
冷媒自然循環冷却運転がさらに広い範囲で可能となり、
消費電力量をさらに多く削減できる冷凍サイクルが得ら
れる。
【0166】また、本発明によれば、自然循環用熱交換
器,利用側熱交換器,利用側減圧装置をを連接して冷媒
を循環させてなる冷媒循環路と、前記自然循環用熱交換
器を循環する冷媒を加熱して蒸発させる加熱手段とを備
え、前記自然循環用熱交換器の液側接続口を蒸発側接続
口よりも下方に配設すると共に、その液側接続口を前記
利用側熱交換器の液側接続口より下方に設置し、冷媒自
然循環暖房運転により前記利用側熱交換器で冷媒が凝縮
するときの凝縮熱を加熱に利用したことを特徴とするこ
とにより、熱搬送動力を全く必要とせずに加熱を行なう
ことができ、利用側装置を小型化できる冷凍サイクルが
得られる。
【0167】また、本発明によれば、加熱手段を、灯油
バーナまたはガスバーナとしたことにより、熱搬送動力
を全く必要とせずに加熱を行なうことができ、利用負荷
が集中して消費電力量が最高となる電力ピークに時間帯
に消費電力量を削減でき、利用側をクリーンに保つこと
ができる冷凍サイクルが得られる。
【0168】また、本発明によれば、冷媒自然循環冷房
運転または冷媒自然循環暖房運転で冷媒が循環する蓄熱
用熱交換器または自然循環用熱交換器または利用側熱交
換器の各冷媒流路に沿った鉛直方向の位置が、蒸気側接
続口から液側接続口に至るまでの間で上昇することがな
いように構成したことを特徴とすることにより、圧縮機
を停止した冷房または加熱運転がさらに広い運転範囲で
可能であり、電力のピークカットがさらに広い運転範囲
でできる冷凍サイクルが得られる。
【0169】また、本発明によれば、蓄熱用熱交換器ま
たは自然循環用熱交換器を通過する一流路当りの冷媒質
量流量が、液側に比べ蒸気側の方が小さくなるように前
記熱交換器を構成したことを特徴とすることにより、冷
凍サイクルの蓄熱運転および蓄熱利用運転時の運転効率
を向上することができる冷凍サイクルが得られる。
【0170】また、本発明によれば、冷熱蓄熱運転にお
いて、冷媒の種類に応じて目標温度を設定し、蓄熱用熱
交換器の蒸気側出口の冷媒温度を検知し、前記蓄熱用熱
交換器の液側入口の冷媒温度を検知し、前記蒸気側出口
の冷媒温度と前記液側入口の冷媒温度との温度差があら
かじめ設定した前記目標温度になるように、蓄熱用減圧
装置の開度を制御することを特徴とすることにより、効
率よく冷熱蓄熱運転ができ、省電力化や冷媒循環量を少
なくして低価格化を実現できる冷凍サイクルの制御方法
が得られる。
【0171】また、本発明によれば、温熱蓄熱運転にお
いて、冷媒の種類に応じて目標温度を設定し、圧縮機の
吐出側の圧力を検出し、この検出した吐出側の圧力に対
する冷媒の飽和温度を検知し、蓄熱用熱交換器の液側出
口の冷媒温度を検知し、前記液側出口の冷媒温度と前記
冷媒の飽和温度との温度差があらかじめ設定した前記目
標温度になるように、蓄熱用減圧装置の開度を制御する
ことを特徴とすることにより、効率よく温熱蓄熱運転が
でき、省電力化や冷媒循環量を少なくして低価格化を実
現できる冷凍サイクルの制御方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による蓄熱式冷凍サイ
クルを示す構成図である。
【図2】 実施の形態1に係わる蓄熱量の時間に対する
消費パターンを示す特性図である。
【図3】 実施の形態1に係わる運転モードの切換え手
順を示す説明図である。
【図4】 実施の形態1に係わる蓄熱槽を一部切り欠い
て蓄熱用熱交換器を示す斜視図である。
【図5】 実施の形態1に係わる蓄熱用熱交換器を示す
構成図である。
【図6】 実施の形態1に係わる蓄熱用熱交換器を示す
構成図である。
【図7】 本発明の実施の形態2による蓄熱式冷凍サイ
クルを示す構成図である。
【図8】 本発明の実施の形態3による蓄熱式冷凍サイ
クルを示す構成図である。
【図9】 本発明の実施の形態5による蓄熱式冷凍サイ
クルを示す構成図である。
【図10】 本発明の実施の形態6による蓄熱式冷凍サ
イクルを示す構成図である。
【図11】 本発明の実施の形態7による蓄熱式冷凍サ
イクルを示す構成図である。
【図12】 実施の形態7に係わる蓄熱式冷凍サイクル
の他の構成を示す構成図である。
【図13】 本発明の実施の形態8による蓄熱式冷凍サ
イクルを示す構成図である。
【図14】 本発明の実施の形態9による蓄熱式冷凍サ
イクルを示す構成図である。
【図15】 本発明の実施の形態11による蓄熱式冷凍
サイクルを示す構成図である。
【図16】 従来の蓄熱式冷凍サイクルを示す構成図で
ある。
【符号の説明】
1 圧縮機、2 四方弁、3 熱源側熱交換器、4 ア
キュムレータ、5 蓄熱用減圧装置、6 蓄熱用熱交換
器、7a,7b 第1,第2の利用側減圧装置、8a,
8b 第1,第2の利用側熱交換器、11 開閉弁Q、
12 開閉弁R、13 開閉弁S、15 開閉弁P、1
6 開閉弁T、18 開閉弁U、21利用側送風機、2
2a,22b 第1,第2の熱源側送風機、31,32
第1,第2の温度検出器、41 自然循環用熱交換
器、71 加熱手段、73 自然循環用熱交換器、83
過冷却用液配管、86 蓄熱材循環路、98 蓄熱
材、99 蓄熱槽、101 室外ユニット、102 蓄
熱ユニット、103a,103b 第1,第2の室内ユ
ニット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3L092 TA16 TA20 UA02 UA03 UA04 UA12 UA25 UA31 UA34 VA02 VA07 WA05 WA12 WA15 XA03 XA08 XA12 YA16

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機,熱源側熱交換器,利用側減圧装
    置,利用側熱交換器を連接してなる冷凍サイクルにおい
    て、冷媒と蓄熱材とが熱交換する蓄熱用熱交換器を備
    え、前記蓄熱用熱交換器の蒸気側接続口を前記利用側熱
    交換器の蒸気側接続口と前記圧縮機の吸入口との間を接
    続する蒸気配管に接続し、その液側接続口を前記利用側
    熱交換器の液側接続口と前記熱源側熱交換器の液側接続
    口との間を接続する液配管に蓄熱用減圧装置を介して接
    続し、前記蓄熱用熱交換器の蒸気側接続口を液側接続口
    よりも上方に配設すると共にその液側接続口を前記利用
    側熱交換器の液側接続口より上方に設置し、冷熱蓄熱運
    転時に前記圧縮機,前記熱源側熱交換器,前記蓄熱用減
    圧装置,前記蓄熱用熱交換器に冷媒を循環させて前記蓄
    熱材に冷熱を蓄え、冷媒自然循環冷却運転時に前記蓄熱
    用熱交換器,前記利用側減圧装置,前記利用側熱交換器
    に冷媒を循環させて前記蓄熱材に蓄えた冷熱を前記利用
    側熱交換器で冷却に利用することを特徴とする冷凍サイ
    クル。
  2. 【請求項2】 圧縮機,熱源側熱交換器,利用側減圧装
    置,利用側熱交換器を連接してなる冷凍サイクルにおい
    て、蓄熱材から吸熱して冷媒が蒸発する蓄熱用熱交換器
    と、前記蓄熱材に放熱して冷媒が凝縮する自然循環用熱
    交換器とを備え、前記蓄熱用熱交換器の蒸気側接続口を
    前記利用側熱交換器の蒸気側接続口と前記圧縮機の吸入
    口との間を接続する蒸気配管に接続し、その液側接続口
    を前記利用側熱交換器の液側接続口と前記熱源側熱交換
    器の液側接続口との間を接続する液配管に蓄熱用減圧装
    置を介して接続し、前記自然循環用熱交換器の蒸気側接
    続口を前記利用側熱交換器の蒸気側接続口と前記圧縮機
    の吸入口との間を接続する蒸気配管に接続し、その液側
    接続口を前記利用側熱交換器の液側接続口と前記熱源側
    熱交換器の液側接続口との間を接続する液配管に開閉弁
    Uを介して接続し、前記自然循環用熱交換器の蒸気側接
    続口を液側接続口よりも上方に配設すると共にその液側
    接続口を前記利用側熱交換器の液側接続口より上方に設
    置し、冷熱蓄熱運転時に前記圧縮機,前記熱源側熱交換
    器,前記蓄熱用減圧装置,前記蓄熱用熱交換器に冷媒を
    循環させて前記蓄熱材に冷熱を蓄え、冷媒自然循環冷却
    運転時に前記自然循環用熱交換器,前記利用側減圧装
    置,前記利用側熱交換器に冷媒を循環させて前記蓄熱材
    に蓄えた冷熱を前記利用側熱交換器で冷却に利用するこ
    とを特徴とする冷凍サイクル。
  3. 【請求項3】 蓄熱材を循環させる蓄熱材循環路と、こ
    の蓄熱材循環路に設けられ自然循環用熱交換器を循環す
    る冷媒と熱交換する熱交換部とを備え、冷媒自然循環冷
    却運転時に前記自然循環用熱交換器を循環する冷媒が前
    記熱交換部で前記蓄熱材循環路を循環する前記蓄熱材に
    放熱して凝縮するように構成したことを特徴とする請求
    項2記載の冷凍サイクル。
  4. 【請求項4】 冷媒自然循環冷却運転時に、凝縮した液
    冷媒が熱源側熱交換器の液側接続口へ流れるのを阻止す
    る開閉弁Pを備えたことを特徴とする請求項1または請
    求項2または請求項3記載の冷凍サイクル。
  5. 【請求項5】 蓄熱用熱交換器の蒸気側接続口への接続
    部と熱源側熱交換器の蒸気側接続口との間の蒸気配管に
    設置され、圧縮機の吐出側と吸入側の冷媒流路を切換え
    て利用側熱交換器での冷却と加熱を可能とする流路切換
    装置と、前記利用側熱交換器の蒸気側接続口と前記流路
    切換装置との間を接続する蒸気配管と前記蓄熱用熱交換
    器の蒸気側接続口との間に設置された開閉弁Qとを備
    え、一般加熱運転時に、前記開閉弁Qによって前記圧縮
    機の吐出口から前記蓄熱用熱交換器の蒸気側接続口への
    冷媒の流れを阻止し、前記圧縮機,前記利用側熱交換
    器,利用側減圧装置,前記熱源側熱交換器に冷媒を循環
    させて前記利用側熱交換器で加熱を行うことを特徴とす
    る請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の冷凍
    サイクル。
  6. 【請求項6】 圧縮機,熱源側熱交換器,利用側減圧装
    置,利用側熱交換器を連接してなる冷凍サイクルにおい
    て、冷媒と蓄熱材とが熱交換する蓄熱用熱交換器を備
    え、前記蓄熱用熱交換器の蒸気側接続口を前記利用側熱
    交換器の蒸気側接続口と前記圧縮機の吐出口との間を接
    続する蒸気配管に接続し、その液側接続口を前記利用側
    熱交換器の液側接続口と前記熱源側熱交換器の液側接続
    口との間を接続する液配管に蓄熱用減圧装置を介して接
    続し、前記蓄熱用熱交換器の蒸気側接続口を液側接続口
    より上方に配設すると共にその液側接続口を前記利用側
    熱交換器の液側接続口より下方に設置し、温熱蓄熱運転
    時に前記圧縮機,前記蓄熱用熱交換器,前記蓄熱用減圧
    装置,前記熱源側熱交換器に冷媒を循環させて前記蓄熱
    材に温熱を蓄え、冷媒自然循環加熱運転時に前記蓄熱用
    熱交換器,前記利用側熱交換器,前記利用側減圧装置に
    冷媒を循環させて前記蓄熱材に蓄えた温熱を前記利用側
    熱交換器で加熱に利用することを特徴とする冷凍サイク
    ル。
  7. 【請求項7】 圧縮機,熱源側熱交換器,利用側減圧装
    置,利用側熱交換器を連接してなる冷凍サイクルにおい
    て、蓄熱材に放熱して冷媒が凝縮する蓄熱用熱交換器と
    前記蓄熱材から吸熱して冷媒が蒸発する自然循環用熱交
    換器とを備え、前記蓄熱用熱交換器の蒸気側接続口を前
    記利用側熱交換器の蒸気側接続口と前記圧縮機の吐出口
    との間を接続する蒸気配管に接続し、その液側接続口を
    前記利用側熱交換器の液側接続口と前記熱源側熱交換器
    の液側接続口との間を接続する液配管に蓄熱用減圧装置
    を介して接続し、前記自然循環用熱交換器の蒸気側接続
    口を前記利用側熱交換器の蒸気側接続口と前記圧縮機の
    吐出口との間を接続する蒸気配管に接続し、その液側接
    続口を前記利用側熱交換器の液側接続口と前記熱源側熱
    交換器の液側接続口との間を接続する液配管に開閉弁U
    を介して接続し、前記自然循環用熱交換器の蒸気側接続
    口を液側接続口よりも上方に配設すると共にその液側接
    続口を前記利用側熱交換器の液側接続口より下方に設置
    し、温熱蓄熱運転時に前記圧縮機,前記蓄熱用熱交換
    器,前記蓄熱用減圧装置,前記熱源側熱交換器に冷媒を
    循環させて前記蓄熱材に温熱を蓄え、冷媒自然循環加熱
    運転時に前記自然循環用熱交換器,前記利用側熱交換
    器,前記利用側減圧装置に冷媒を循環させて前記蓄熱材
    に蓄えた温熱を前記利用側熱交換器で加熱に利用するこ
    とを特徴とする冷凍サイクル。
  8. 【請求項8】 蓄熱材を循環させる蓄熱材循環路と、こ
    の蓄熱材循環路に設けられ自然循環用熱交換器を循環す
    る冷媒と熱交換する熱交換部とを備え、冷媒自然循環加
    熱運転時に前記自然循環用熱交換器を循環する冷媒が前
    記熱交換部で前記蓄熱材循環路を循環する前記蓄熱材か
    ら吸熱して蒸発するように構成したことを特徴とする請
    求項7記載の冷凍サイクル。
  9. 【請求項9】 冷媒自然循環加熱運転時に、蒸発した蒸
    気冷媒が前記圧縮機へ流れるのを阻止する開閉弁Tを備
    えたことを特徴とする請求項6または請求項7または請
    求項8記載の冷凍サイクル。
  10. 【請求項10】 蓄熱用熱交換器の上部接続口への接続
    部と熱源側熱交換器との間の蒸気配管に設置され、圧縮
    機の吐出側と吸入側の冷媒流路を切換えて利用側熱交換
    器での冷却と加熱を可能とする流路切換装置と、前記利
    用側熱交換器の蒸気側接続口と前記流路切換装置との間
    を接続する蒸気配管と前記蓄熱用熱交換器の蒸気側接続
    口との間に設置された開閉弁Qとを備え、一般冷却運転
    時に、前記開閉弁Qによって前記利用側熱交換器から前
    記蓄熱用熱交換器の蒸気側接続口への冷媒の流れを阻止
    し、前記圧縮機,前記熱源側熱交換器,前記利用側減圧
    装置,前記利用側熱交換器に冷媒を循環させて前記利用
    側熱交換器で冷却を行うことを特徴とする請求項6ない
    し請求項9のいずれか1項に記載の冷凍サイクル。
  11. 【請求項11】 利用側熱交換器の蒸気側接続口と圧縮
    機の間の蒸気配管と前記蓄熱用熱交換器の蒸気側接続口
    との間と、前記蓄熱用熱交換器の液側接続口への接続部
    と利用側熱交換器の液側接続口の間の液配管とを接続す
    る過冷却用液配管と、前記過冷却用液配管に設置された
    開閉弁Rと、前記過冷却用液配管への接続部と前記蓄熱
    用熱交換器の液側接続口への接続部との間の液配管に設
    置した開閉弁Sとを備え、冷熱蓄熱運転時に前記圧縮
    機,前記熱源側熱交換器,前記蓄熱用減圧装置,前記蓄
    熱用熱交換器に冷媒を循環させて前記蓄熱材に冷熱を蓄
    え、冷熱過冷却利用冷却運転時に、前記開閉弁Rによっ
    て前記過冷却用液配管を連通させると共に前記開閉弁S
    によって前記熱源側熱交換器から流出した冷媒を前記蓄
    熱用熱交換器の液側接続口へ流し、前記圧縮機,熱源側
    熱交換器、蓄熱用熱交換器,前記過冷却用液配管,利用
    側減圧装置,利用側熱交換器に冷媒を循環させて前記蓄
    熱材に蓄えた冷熱を前記利用側熱交換器で冷却に利用す
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項5および請求
    項10のいずれか1項に記載の冷凍サイクル。
  12. 【請求項12】 蓄熱材は、水または水に凍結温度を低
    下させる溶質を混合した水溶液であることを特徴とする
    請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の冷凍
    サイクル。
  13. 【請求項13】 自然循環用熱交換器,利用側熱交換
    器,利用側減圧装置をを連接して冷媒を循環させてなる
    冷媒循環路と、前記自然循環用熱交換器を循環する冷媒
    を加熱して蒸発させる加熱手段とを備え、前記自然循環
    用熱交換器の液側接続口を蒸発側接続口よりも下方に配
    設すると共に、その液側接続口を前記利用側熱交換器の
    液側接続口より下方に設置し、冷媒自然循環暖房運転に
    より前記利用側熱交換器で冷媒が凝縮するときの凝縮熱
    を加熱に利用したことを特徴とする冷凍サイクル。
  14. 【請求項14】 加熱手段は、灯油バーナまたはガスバ
    ーナであることを特徴とする請求項13記載の冷凍サイ
    クル。
  15. 【請求項15】 冷媒自然循環冷房運転または冷媒自然
    循環暖房運転で冷媒が循環する蓄熱用熱交換器または自
    然循環用熱交換器または利用側熱交換器の各冷媒流路に
    沿った鉛直方向の位置が、蒸気側接続口から液側接続口
    に至るまでの間で上昇することがないように構成したこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項14のいずれか1
    項に記載の冷凍サイクル。
  16. 【請求項16】 蓄熱用熱交換器または自然循環用熱交
    換器を通過する一流路当りの冷媒質量流量が、液側に比
    べ蒸気側の方が小さくなるように前記熱交換器を構成し
    たことを特徴とする請求項1ないし請求項15のいずれ
    か1項に記載の冷凍サイクル。
  17. 【請求項17】 冷熱蓄熱運転において、冷媒の種類に
    応じて目標温度を設定し、蓄熱用熱交換器の蒸気側出口
    の冷媒温度を検知し、前記蓄熱用熱交換器の液側入口の
    冷媒温度を検知し、前記蒸気側出口の冷媒温度と前記液
    側入口の冷媒温度との温度差があらかじめ設定した前記
    目標温度になるように、蓄熱用減圧装置の開度を制御す
    ることを特徴とする冷凍サイクルの制御方法。
  18. 【請求項18】 温熱蓄熱運転において、冷媒の種類に
    応じて目標温度を設定し、圧縮機の吐出側の圧力を検出
    し、この検出した吐出側の圧力に対する冷媒の飽和温度
    を検知し、蓄熱用熱交換器の液側出口の冷媒温度を検知
    し、前記液側出口の冷媒温度と前記冷媒の飽和温度との
    温度差があらかじめ設定した前記目標温度になるよう
    に、蓄熱用減圧装置の開度を制御することを特徴とする
    冷凍サイクルの制御方法。
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