JP3928251B2 - 排熱回収システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば浴槽の排水や冷蔵庫の排熱等の無駄に捨てられている熱を回収して水の加温等を行うことで、熱の再利用を行う排熱回収システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図16は、生活価値創造住宅開発技術研究組合の第2回研究内容検討会の発表用OHP原稿集(平成7年11月22日発行)に掲載された住空間の熱エネルギーの流れを示す説明図である。各種のエネルギー源が種々の用途に使われ、使用後の排熱のうち、台所,洗面,風呂,洗濯からの温水発熱が全体の17%であることを示している。また、電気機器からの空気発熱は全体の53%であり、なかでも冷蔵庫の排熱量は日総計熱量では住宅内エネルギー消費量の23%程度に相当する。
【0003】
図17は従来の一般的な給湯ユニット、浴槽、冷凍冷蔵庫、冷・暖房空調装置を示す構成図で、図17(a)は給湯ユニット、図17(b)は浴槽ユニット、図17(c)は冷凍冷蔵庫、図17(d)は冷・暖房空調装置である。
図17(a)は、市水を流入し、例えば都市ガスをエネルギー源としてガス湯沸器で温水にして給湯を行うユニットである。図17(b)は浴槽水を循環させて、例えば都市ガスをエネルギー源として温水にする浴槽ユニットであり、入浴した後の温水は排水される。図17(c)は圧縮機、減圧手段、蒸発器を配管で接続して冷媒を循環させ、蒸発器で冷凍室と冷蔵室を冷やす構成の冷凍冷蔵庫である。このときの温熱は空気放熱で空気中に排出されている。図17(d)の冷・暖房空調装置では、圧縮機、室内側熱交換器、減圧手段、室外側熱交換器を配管で接続して冷媒を循環させ、室内の冷房を行う際には、室内側熱交換器を蒸発器、室外側熱交換器を凝縮器として運転し、室内の暖房を行う際には、室外側熱交換器を蒸発器、室内側熱交換器を凝縮器として運転する。この構成の室外側熱交換器では空気中に温熱・冷熱が排出されている。
【0004】
上記のように従来の住空間では独立してエネルギー源が使用されているが、近年、エネルギー源の有効利用の要求が高まり、浴槽等の温排水からの熱回収が検討されている。
その一例として例えば特開昭57−55332号公報に掲載されている温排水利用の給湯装置がある。
図18は特開昭57−55332号公報に掲載された温排水利用の給湯装置を示す構成図である。図において、81はヒートポンプ式の冷凍機で、冷媒圧縮機81a、給湯コイル81b、キャピラリチューブ等の減圧装置81c、加熱コイル81dを配管81eで接続し冷媒を循環させている。また、82は中水タンク、83は蓄熱上水タンクである。そして、冷凍機81に接続される吸熱コイル81bを中水タンク82中に浸漬し、加熱コイル81dを蓄熱上水タンク83の外周下部に熱伝的に巻装してある。
この装置によって、風呂、シャワー等で使用した約40℃の温排水は、約35℃で中水タンク82に貯留され、この温排水にて冷凍機81の吸熱コイル81bが加熱され冷媒が蒸発し加熱コイル81dで凝縮熱を蓄熱上水タンク83に伝えて上水を加熱するものである。
【0005】
また、図19は氷蓄熱槽を備えた冷凍サイクル装置を示す構成図である。図に示すように、圧縮機、熱交換器、減圧装置、氷蓄熱槽を配管で接続して冷媒を循環させ、氷蓄熱槽に氷で蓄熱した冷熱を、例えば冷房空調などの冷熱負荷に用いる構成である。この冷凍サイクル装置の運転に際し、氷蓄熱槽に氷蓄熱を行う際の温排熱は熱交換器で空気中に排出されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の排熱回収システムは以上のように構成されているので、中水タンク82を設ける必要がある。この中水タンク82は例えば400リットルと記載されており、実際の家庭でこのシステムを導入しようとすると、設備投資に対しコストが大幅にかかってしまうという問題点があった。即ち、従来の家屋では浴槽の排水は家屋の下に流れる構成であり、この排水を貯留する中水タンク82は例えば地下に設けることになり、排水管の加工なども必要で実際に適用するのは困難であった。
【0007】
また、冷蔵庫で庫内を冷却する電機機器の排熱は、周囲の空気に無駄に放熱されており、熱の回収、再利用を行なっていなかった。特に冷蔵庫は1日中稼動しており、その排熱量は住宅内エネルギー消費量の23%に相当するほどである。また周囲の空気に放熱する熱の再利用ができず余計にエネルギー消費量が増え、CO2 排出量が増加するため、地球温暖化を促進してしまうという問題点があった。ところが、冷蔵庫は単位時間当たりの発熱量が微小なために、排熱回収は非常に困難であり実現には至っていなかった。
【0008】
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、浴槽水や電機機器などの通常捨てられている温排熱が回収・再利用でき、省エネルギーとなる排熱回収システムを得ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の排熱回収システムは、蓄熱槽に蓄熱された温熱を温水として利用する温水利用手段と、圧縮機、蓄熱槽を循環する水と熱交換する凝縮器、熱回収を行う温熱水を貯える熱回収槽の温熱水と熱交換する第1熱交換器、この第1熱交換器と並列に接続され外気と熱交換する第2熱交換器、及び絞り手段を配管で接続して冷媒を循環させる冷媒回路と、第1熱交換器を動作させて熱回収槽の温熱水の温熱を回収して蓄熱槽に蓄熱する排熱回収運転と第2熱交換器を動作させて外気から吸熱した温熱を蓄熱槽に蓄熱する蓄熱運転とを冷媒回路で切換える切換え手段と、を備え、排熱回収運転を予め設定された時間帯で行う、及び、熱回収槽の温熱水温度が外気温度より低くなるまで行うものである。
【0010】
また、本発明の排熱回収システムは、蓄熱槽に蓄熱された温熱を温水として利用する温水利用手段と、圧縮機、蓄熱槽を循環する水と熱交換する凝縮器、熱回収を行う温熱水を貯える熱回収槽の温熱水と熱交換する第1熱交換器、この第1熱交換器と直並列可能に接続され外気と熱交換する第2熱交換器、及び絞り手段を配管で接続して冷媒を循環させる冷媒回路と、圧縮機から吐出する冷媒を凝縮器を介さずに第1熱交換器に流入させる第1バイバス回路と、第2熱交換器に並列な第1熱交換器を動作させて熱回収槽の温熱水の温熱を回収して蓄熱槽に蓄熱する排熱回収運転と、第1熱交換器と第2熱交換器を直列に動作させ前記第1バイパス回路を介して熱回収槽へ温熱供給を行う温熱供給運転と、を冷媒回路で切換える切換え手段と、を備え、排熱回収運転を予め設定された時間帯で行う、及び、熱回収槽の温熱水温度が外気温度より低くなるまで行うものである。
【0011】
又、本発明の排熱回収システムは、蓄熱槽に蓄熱された温熱を温水として利用する温水利用手段と、圧縮機、蓄熱槽を循環する水と熱交換する凝縮器、熱回収を行う温熱水を貯える熱回収槽の温熱水と熱交換する第1熱交換器、この第1熱交換器と直並列可能に接続され外気と熱交換する第2熱交換器、及び絞り手段を配管で接続して冷媒を循環させる冷媒回路と、圧縮機から吐出する冷媒を凝縮器を介さずに第2熱交換器に流入させる第2バイバス回路と、第2熱交換器に並列な第1熱交換器を動作させて熱回収槽の温熱水の温熱を回収して蓄熱槽に蓄熱する排熱回収運転と、第2熱交換器を第1熱交換器に直列に動作させ、もしくは、第2熱交換器に第3の熱交換器を直列に動作させ第2熱交換器を凝縮器とし第1熱交換器もしくは第3熱交換器を蒸発器とする運転と、を冷媒回路で切換える切換え手段と、を備え、排熱回収運転を予め設定された時間帯で行う、及び、熱回収槽の温熱水温度が外気温度より低くなるまで行うものである。
【0013】
また、本発明の排熱回収システムは、圧縮機、冷却空間に冷熱を供給する蒸発器、潜熱蓄熱材を充填された蓄熱槽の内部を循環する下部の冷たい水と熱交換する第1凝縮器、第1凝縮器と並列に接続され空気と熱交換する第2凝縮器、及び絞り手段を配管で接続して冷媒を循環させる冷媒回路と、前記蓄熱槽に蓄熱された温熱を温水として利用する温水利用手段と、前記第1凝縮器を動作させて前記冷熱を供給することによる排熱を前記蓄熱槽に蓄熱する排熱回収運転と前記第2凝縮器を動作させて周囲の空気に放熱する放熱運転とを冷媒回路で切換える切換え手段と、を備え、前記排熱回収運転を予め設定された時間帯で行う、及び、前記第1凝縮器で熱交換する前記冷たい水の温度が前記第2凝縮器周囲の温度より高くなるまで行うものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1による排熱回収システムについて説明する。
図1は本実施の形態による排熱回収システムを示す回路構成図である。図において、1は圧縮機、2は凝縮器、3は第1熱交換器、4は第1熱交換器3と並列に接続された第2熱交換器である。圧縮機1,凝縮器2,第1熱交換器3,第2熱交換器4を冷媒配管で接続し、内部に冷媒を流通させて冷凍サイクル装置5を構成している。また、6a,6bは配管開閉手段で例えば電磁弁、7a,7bは絞り手段である。この絞り手段7a,7bは、例えば弁の開度によって冷媒の圧力を調整する手段で、弁の開度が固定のものや、自動的にまたは制御することにより、弁の開度を変化して冷媒の圧力を変化させるものなどがある。第1熱交換器3は浴槽水から熱を吸収するための冷媒−水熱交換器であり、例えばプレート式熱交換器で冷媒配管の外を温水を通す構造や二重管熱交換器で直接冷媒と温水の熱交換を行なう構造などである。また、第2熱交換器4は大気より熱を吸収するための冷媒−空気熱交換器であり、例えばプレートフィンチューブ熱交換器で冷媒配管にファンによって外部空気を吹き付ける構造などである。この冷媒循環路の回路構成では、電磁弁6a,6bによって、冷凍サイクル装置5に接続する熱交換器が第1熱交換器3と第2熱交換器4で切換可能となっている。
【0029】
さらに、10は第1水循環路、11は第1水循環路10に設けたポンプ、12は給湯ユニット、13は水道管と直結している市水流入口、14は蓄熱槽で例えば蓄熱タンク、15は蓄熱タンク14内に充填したカプセル内に封入された潜熱蓄熱材、16は給湯口であり蓄熱タンク14からの温水の出口である。蓄熱タンク14内には、例えば酢酸ナトリウムやアルミニウムミョウバンなどの潜熱蓄熱材15が封入されたカプセルが充填され、このカプセルの周囲を水や温水が流通できる構造になっている。なお、カプセルは、例えばポリプロピレンやポリエチレンで形成されている。潜熱蓄熱材15に温熱が蓄熱されているとすると、市水流入口13から蓄熱タンク14に流入した例えば10℃〜20℃程度の水は、蓄熱タンク14内部でカプセルの周囲を流れながら潜熱蓄熱材15から温熱を受け取り、給湯口16から例えば60℃程度の温水を得ることができる。
凝縮器2の内部は冷媒と水とが別々の流路で流通し、先に述べたような構造により互いに熱交換可能である。ポンプ11によって第1水循環路10を循環する水が、凝縮器2で冷凍サイクル装置5を流通する冷媒の温熱を受け、蓄熱タンク14内を流通する際に潜熱蓄熱材15に熱を与える。この潜熱蓄熱材15は液体と固体の相変化を行うことにより熱を蓄熱・放熱する材料でその凝固温度によって蓄熱タンク14内に蓄えている熱の温度、即ち給湯口16に供給する温度が異なる。例えば、酢酸ナトリウムでは40℃程度、アルミニウムミョウバンでは90℃程度の温度で蓄熱できる。これらの潜熱蓄熱材15に応じて凝縮器2での水への加熱を行えばよい。
【0030】
さらに、20は浴槽水が循環する第2水循環路、21は第2水循環路20に設けたポンプ、22は浴槽、23は給湯する給湯口である。給湯口23で給湯された温水が、入浴後、ポンプ21により第2水循環路20内を流動し、第1熱交換器3で冷凍サイクル装置5に熱回収され、熱回収済みの水は排水部24から排水される。
【0031】
以下、浴槽22の排熱を給湯ユニット12で利用する動作について説明する。電磁弁6aを開、電磁弁6bを閉とし、第1熱交換器3を動作状態とする。第1熱交換器3の内部は、冷媒と水とが別々の流路で流通し互いに熱交換可能な構造である。ポンプ21によって第2水循環路20を循環する浴槽水から、第1熱交換器3で冷凍サイクル装置5を流通する冷媒に温熱が伝えられる。そして熱を与えられ、蒸発した冷媒は、圧縮機1を通って凝縮器2で前に述べたように第1水循環路10を循環する水と熱交換し、これに温熱を与える。この場合、第1熱交換器3は蒸発器として動作している。
【0032】
上記のように浴槽水の排熱を回収していると、浴槽水の温度が徐々に低くなってくる。浴槽水の温度が、第2熱交換器4が置かれている周囲の空気例えば外気の温度よりも低くなったら熱回収する必要が無くなる。このまま更に熱回収しようとすると、冷凍サイクル装置5の運転効率が悪くなるため、熱交換器を第2熱交換器4に切換えて、外気より熱を吸熱する。具体的な方法としては、電磁弁6aを閉、電磁弁6bを開とし、第2熱交換器4を動作状態とする。第2熱交換器4に取り付けられた送風機により、第2熱交換器4が設置されている付近の空気を取り込んで風を循環させ、冷媒と熱交換させている。冷媒は空気と熱交換することにより熱を与えられ、圧縮機1を通って凝縮器2で前に述べたように第1水循環路10を循環する水と熱交換する。このとき、第2熱交換器4は蒸発器として動作している。
【0033】
なお、一日のうちで、浴槽水の排熱回収運転は、家族の入浴が終了する午前1時頃〜午前6時頃に動作させるのが望ましい。ただし、一般家庭の浴槽を想定した場合、冷凍サイクル装置5を適切な大きさに選ぶと、約2時間程度で熱回収されて浴槽水の温度は35℃程度から10℃程度に下がり、外気の温度よりも低くなる。このため、浴槽水の温度が外気の温度よりも下がった時点で第2熱交換器4に切換え、蓄熱タンク14に必要な温熱が蓄熱されるまで通常の蓄熱運転を行う。なお、この通常の蓄熱運転も、夜間の電力料金が低い時間帯を利用すると、運転コストを低減できる。
【0034】
以下、本実施の形態による排熱回収システムの運転制御の一例を説明する。図2はこの排熱回収システムの運転制御の手順を示すフローチャートである。蓄熱タンク14は朝には満蓄になっており、内部のお湯は一日の給湯の負荷に応じて給湯口16から出湯され、減少した湯量分は市水が市水口から補給される。給湯水を沸き上げて蓄熱タンク14へお湯を供給する給湯加熱は、所定の時間帯、例えば深夜電力時間帯である23時から翌朝の7時の間に行う。ここで、蓄熱タンク14にその蓄熱能力のほぼ最大に蓄熱された状態、または排熱回収システムの運転において、温熱利用対象を考慮した上で充分な熱量が蓄熱された状態を満蓄と称する。
開始(START)後、ST1で外気の温度と浴槽水の温度を検出する。浴槽水の温度を検出する検出手段として、例えば温度センサを第2水循環路20に設け、循環する水の温度を検出している。また、外気の温度を検出する検出手段として、例えば温度センサを第2熱交換器4の側面に設け、外気の温度を検出している。ST2では蓄熱タンク14の蓄熱量が満蓄かどうかを判断し、満蓄の場合には終了する(END)。蓄熱タンク14が満蓄かどうかは、例えば蓄熱タンク14内の冷水が溜まる下部の水の温度を検出すれば判断できる。検出した蓄熱タンク14下部の温度が予め設定している蓄熱温度、例えば60℃程度よりも低い場合には、蓄熱タンク14の蓄熱量がまだ満蓄でないと判断し、ST3で時刻が予め設定した深夜電力時間帯であるかどうか判断する。23時から7時の間以外、即ち深夜電力時間帯以外の場合には、浴槽水の排熱回収運転も通常の蓄熱運転も行なわずに終了する(END)。
【0035】
ST3で深夜電力時間帯と判断された場合には、ST4で時刻が所定の時間、例えば1時から6時の間であるかどうか判断する。深夜電力時間帯でも、1時から6時の間以外の場合には、家族が入浴する可能性があり、浴槽水の排熱回収運転は行わず、通常の蓄熱運転を行う。この所定の時間は家族構成や生活パターンなどによって異なるため、可変に設定しておくとよい。例えば排熱回収システムを設定する業者や排熱回収システムを使用している居住者が任意に上記の時間帯を変更できるように構成しておくと、使い勝手のよいものとなる。
次にST5で浴槽水の温度と外気の温度を比較する。比較の結果、浴槽水の温度が外気の温度よりも高い場合に、ST6で浴槽水の排熱回収運転を行う。これは、冷媒−水熱交換器である第1熱交換器3を動作させて浴槽水から熱回収して給湯用の温熱として蓄熱タンク14に蓄える運転である。また、浴槽水の温度が外気の温度よりも低い場合に、ST7で通常の蓄熱運転を行う。これは、冷媒−空気熱交換器である第2熱交換器4を動作させて外気から吸熱して沸き上げる運転である。ST6,ST7では各運転用に電磁弁6a,6bを切換えて冷媒回路を構成し、ST7の通常の蓄熱運転の場合にはこれに加えて第2熱交換器4の送風機を動作状態にして終了する(END)。この運転制御を、一定時間間隔、例えば1分間隔で実行する。
【0036】
このような運転制御を行うことにより、浴槽水の温度が高い場合には浴槽水の排熱を回収し、浴槽水の温度が下がってくると、通常の蓄熱運転に切換えるので、冷凍サイクル装置5の運転効率が低下するのを防止できる。
【0037】
なお、上記の運転制御では、ST5において、浴槽水の温度と外気の温度を比較しその結果によって浴槽水の排熱回収運転と通常の蓄熱運転を切換えているが、浴槽水の温度と{外気の温度−(2℃または1℃)}を比較し、浴槽水の温度が外気の温度よりも1℃または2℃程度低くなるまで浴槽水の排熱回収運転を行ってもよい。これは、水の熱交換性能のほうが空気の熱交換性能よりもよいためである。ただし、外気の温度が低すぎて排熱回収運転による冷媒の温度が0℃以下になる可能性のある場合には、浴槽水の温度が外気の温度より高くてもST7で通常の蓄熱運転を行うのが望ましい。
また、低料金の深夜電力時間帯である23時から7時の電力を利用して浴槽水の排熱回収運転と通常の蓄熱運転を行っているが、低料金の電力時間帯の設定は電力会社の都合によるものであり、23時から7時という時間帯に関してはこれに限るものではない。例えば、同じ量の電力を使用してもCO2 排出量は時間帯や季節によって異なる。これは火力、水力、原子力など、どのような手段によって発電しているかによるからである。CO2 排出量を少なくしたい場合は、上記の排熱回収運転と通常の蓄熱運転とを行う時間帯を、CO2 排出量の少ない時間帯に設定すればよい。
【0038】
また、浴槽水の温度検出手段として、第2水循環路20の循環水の温度を検出しているが、これに限るものではない。例えば、浴槽に温度センサを設けて一定時間間隔で温度を検出したり、また一定時間間隔で温度を実際に検出する代わりに、排熱回収運転開始の浴槽水の温度と開始からの経過時間に基づいて、現時点での浴槽水の温度を演算によって検出してもよい。
【0039】
浴槽水から給湯に利用される内部エネルギーは式(1)で表される。
△Q=Qbath1 −Qbath2 ・・(1)
ただし、
Qbath1 =ρ(Tbath1 )×Cp (Tbath1 )×Vbath1 ×Tbath1
Qbath2 =ρ(Tbath2 )×Cp (Tbath2 )×Vbath2 ×Tbath2
bath1 :排熱回収運転開始時を示す添字
bath2 :排熱回収運転終了時を示す添字
Tbath :浴槽水の温度 (K)
Qbath :浴槽水内部エネルギー (kcal)
ρ(Tbath):浴槽水密度(Tbathの関数) (kg/m3
Cp (Tbath):浴槽水定圧比熱(Tbathの関数)(kcal/kg・K)
Vbath :浴槽水量 (m3
である。
【0040】
本実施の形態では、通常捨てられている浴槽水の温熱を回収して給湯システム12で再利用できる効果があり、この時蓄熱タンク14に回収される熱量は、式(1)で算出される。
実際には、試算によれば排熱を回収しない場合と比較して、蓄熱タンク14にある一定の熱量を蓄えるために必要なエネルギーを約12%削減できる。従って、排熱の回収を行い、それを再び給湯あるいは空調に再利用することで、住宅等におけるエネルギー消費量及びCO2 排出量を減らし、地球温暖化を防止できる。
特に、従来の浴槽水を回収するシステムのように、地下に貯留タンクを設ける必要がなく、通常の風呂釜に備わっている浴槽水循環用穴を利用して、浴槽水を循環させればよいので、一般家庭に容易に適用することができる。
また、第2熱交換器4を設けて浴槽水が外気よりも冷えて熱回収の必要性が無くなった時点でこれに切換えることにより、冷凍サイクル装置5の運転効率が悪化するのを防ぐことができる効果がある。
【0041】
また、蓄熱タンク14に潜熱蓄熱材15を充填しているため、出湯口16から常に一定の温度の温水を得ることができる。また、蓄熱タンク14内が水だけで充満されている場合と比べ、給湯タンク14の大きさを、例えば半分の容量程度に小さくできる。従って、スペースが大幅に低減でき、一般家庭に設ける場合でも置き場所の制限がなくなり簡単に適用できる。
【0042】
なお、上記では、第1熱交換器3と第2熱交換器4の切換を浴槽水と外気の温度に応じて切換えたので、冷凍サイクル装置5の運転効率のよい排熱回収システムとなっている。また、第1熱交換器3の運転開始時間、第1熱交換器3の運転終了時間、第2熱交換器4の運転開始時間、第2熱交換器4の運転終了時間を、それぞれ設定可能に構成し、適用される場所の使用状況に合わせて設定できるようにすると、様々な状況の場所に適用できる排熱回収システムとなる。
また、第1,第2熱交換器3,4は常にどちらか一方が運転するように限るわけではなく、どちらも停止状態にしてもよいし、両方とも運転するようにしてもよい。
また、運転する時間帯を設定し、この設定時間帯に運転するように制御すると、低料金の深夜電力時間帯を利用したり、電力ピーク時をさけて運転したり、使用者の使用状況に応じて運転したりでき、低コストで、他の電気機器類の使用に不具合が生じることなく省エネルギー効果を得ることができ、使い勝手のよい排熱回収システムが得られる。
【0043】
また、第1水循環路10において、蓄熱タンク14の下方の水を取り出して温熱を供給し、蓄熱タンク14の上方に戻すように循環させているが、これに限るものではない。例えば、蓄熱タンクの下方から水を取り出して温熱を供給し、蓄熱タンクの下方に戻すような、いわゆる対流式の蓄熱タンクで構成してもよい。この場合には水の取り出し口と水の戻し口は内部で隔離されており、対流が起りやすい構成になっている。この対流によって蓄熱タンク内の水の温度は均一になる。排熱回収システムによっては蓄熱タンク内に温度成層が存在する方がよい場合や、均一な温度の方がよい場合があり、適当な方を組み込むとよい。
また、上記では、浴槽22の温熱を回収するとして述べているが、シャワーによる温排水を例えば一時的にタンクに溜めておき、この温熱を回収するように構成したり、浴槽水とシャワーの温排水を共にタンクに溜めるように構成してもよい。この場合には、なんらかのシャワーからの排水を溜めるタンクが必要となるが、近年頻繁に使用され捨てられているシャワーの温熱も回収することができる。
また、本実施の形態では、浴槽の温排熱を温水利用手段として例えば給湯ユニット12に利用するように構成しているが、温水を利用する手段は、これに限るものではなく、空調用途の他に、いかなる手段に用いても構わない。
【0044】
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2による排熱回収システムについて説明する。図3は本実施の形態による排熱回収システムを示す回路構成図である。図において、31は第1バイパス回路で、圧縮機1から吐出する冷媒を第1熱交換器3に流入させる回路である。32は第2バイパス回路で、圧縮機1から吐出する冷媒を第2熱交換器4に流入させる回路である。また、33は冷凍サイクル装置5を構成する冷媒配管の第1,第2バイパス回路31,32への分岐点よりも下流に設けた配管開閉手段で例えば電磁弁、31a,32aは第1,第2バイパス回路に設けた配管開閉手段でそれぞれ例えば電磁弁、31bは第1熱交換器3から圧縮機1への冷媒配管において第1バイパス回路31への分岐点よりも下流に設けた配管開閉手段で例えば電磁弁、32bは第2熱交換器4から圧縮機1への冷媒配管において第2バイパス回路32への分岐点よりも下流に設けた配管開閉手段で例えば電磁弁である。ここで、図1と同一符号は同一または相当の部分を示す。
【0045】
本実施の形態において、第1熱交換器3を蒸発器として動作させ、冷凍サイクル装置5を循環する冷媒によって浴槽水の排熱を回収し、その温熱を蓄熱タンク14に蓄熱する動作は実施の形態1と同様である。即ち浴槽水の温熱を回収する排熱回収運転では、電磁弁33,6a,31bを開、電磁弁31a,6b,32bを閉とし、圧縮機1→電磁弁33→凝縮器2→電磁弁6a→絞り手段7a→第1熱交換器3→電磁弁31b→圧縮機1に冷媒を循環させ、第1熱交換器3で蒸発させ、凝縮器2で凝縮させて凝縮熱を蓄熱タンク14に蓄熱する。
また、同様に、第2熱交換器4を蒸発器として動作させ、冷凍サイクル装置5を循環する冷媒によって温熱を蓄熱タンク14に蓄熱する動作は実施の形態1と同様である。即ち、外気から吸熱した温熱を蓄熱する蓄熱運転では、電磁弁33,6b,32bを開、電磁弁6a,32aを閉とし、圧縮機1→電磁弁33→凝縮器2→電磁弁6b→絞り手段7b→第2熱交換器4→電磁弁32b→圧縮機1に冷媒を循環させ、第2熱交換器4で蒸発させ、凝縮器2で凝縮させて凝縮熱を蓄熱タンク14に蓄熱する。
【0046】
このように、本実施の形態では、実施の形態1と同様、浴槽22の排熱を給湯システム12で利用するように構成しており、通常捨てられている温熱が回収できる効果がある。試算によると排熱を回収しない場合と比較して、蓄熱タンク14にある一定の熱量を蓄えるために必要なエネルギーを約12%削減できる。
また、第2熱交換器4を設けて浴槽水が外気よりも冷えて熱回収の必要性が無くなった時点でこれに切換えることにより、冷凍サイクル装置5の効率が悪化するのを防ぐことができる効果がある。
【0047】
なお、蓄熱タンク14には必ずしも潜熱蓄熱材15が充填されている必要はなく、通常の温水タンクのように水だけを貯留する構成にし、この水を第1循環路10に循環させて温水とすることによって蓄熱してもよい。
ただし、蓄熱タンク14に潜熱蓄熱材15を充填すれば、給湯口16から常に一定の温度の温水を得ることができ、例えばシャワーなどに利用する場合には使い心地のよい温水が得られ、浴槽水に利用した場合には一定温度のものが得られるなど使い勝手がよい。さらに、潜熱蓄熱材15で充填されている場合には、蓄熱タンク14内が水だけで充満されている場合と比べ、給湯タンク14の大きさを例えば半分の容量程度に小さくできる。
【0048】
本実施の形態ではさらに第1バイパス回路31と第2バイパス回路32を設けている。
ここでまず、第1バイパス回路31の働きについて説明する。第1バイパス回路31を動作させるときには、電磁弁6a,6b,31a,32bを開、電磁弁33,31b,32aを閉とし、圧縮機1から流出する冷媒を第1バイパス回路31,電磁弁31aを通って第1熱交換器3に導入して凝縮させる。これと同時に、ポンプ21を運転して第2水循環路20に浴槽水を循環させる。第1熱交換器3では、この浴槽水と冷凍サイクル装置5を流通する冷媒とが熱交換し、冷媒の凝縮熱によって浴槽水の温度が上昇する。
凝縮した冷媒は、この後、全開状態とした絞り手段7a,電磁弁6a,6bを通り、絞り手段7bで減圧膨張された後、第2熱交換器4で蒸発し、電磁弁32bから圧縮機1に戻る。
即ち、第1バイパス回路31を設けることによって浴槽水に温熱を供給する運転を行うことができ、例えば浴槽水の追い焚きが可能となる。この場合、第1熱交換器3は凝縮器、第2熱交換器4は蒸発器として動作している。
【0049】
次に、第2バイパス回路32の働きについて説明する。第2バイパス回路32を動作させるときには、電磁弁6a,6b,31b,32aを開、電磁弁33,31a,32bを閉とし、圧縮機1から流出する冷媒を第2バイパス回路32,電磁弁32aを通って第2熱交換器4に導入して凝縮させる。ここで空気と熱交換して大気中に放熱した後、全開状態とした絞り手段7b,電磁弁6b,6aを通り、絞り手段7aで減圧膨張された後、第1熱交換器3で蒸発し、電磁弁31bから圧縮機1に戻る。
この場合、第2熱交換器4は凝縮器、第1熱交換器3は蒸発器として動作しており、本構成では第1熱交換器3によって浴槽水を冷やすことになり、浴槽水が熱すぎるときにこれを冷やして温度調節することができ、新たに冷水を注ぐことなく浴槽水の温度を調節できる。また、例えば浴槽水の代わりに冷水器であった場合などには、第2バイパス回路32が有効になる。
【0050】
また、図4は、図3において備えている第1バイパス回路31と第2バイパス回路32を利用して、例えば冷・暖房空調等に用いるために、タンクに温熱または冷熱を蓄熱する回路構成を示すものである。
図において、34は熱交換器で、冷凍サイクル装置5を構成する圧縮機1の吐出側及び吸入側、第1熱交換器3、第2熱交換器4に冷媒配管によって接続されている。35a,35b,35cはそれぞれ配管開閉手段で電磁弁、36は絞り手段である。電磁弁35aは熱交換器34と圧縮機1の吐出側とを接続する配管に設けられこの配管を開閉する。電磁弁35bは熱交換器34と圧縮機1の吸入側を接続する配管に設けられこの配管を開閉する。電磁弁35cは熱交換器34と第1,第2熱交換器を接続する配管に設けられこの配管を開閉する。37は熱交換器34とタンク38を接続する水循環路で、ポンプを有し、この水循環路37を循環する水は熱交換器34で冷凍サイクル装置5を流通する冷媒と熱交換する。タンク38はこの内部を循環する水や冷媒と熱交換可能な構成とし、ここで蓄熱された温熱や冷熱を冷・暖房空調装置やパネルヒーターなどで利用することができる。
【0051】
タンク38に冷熱又は温熱を蓄熱するには、水循環路37に設けられたポンプで水を循環し、熱交換器34で冷凍サイクル装置5を流通する冷媒と熱交換することにより、冷水または温水で蓄熱する。
タンク38に冷水で蓄熱するときには、熱交換器34は蒸発器として動作させ、第1熱交換器3または第2熱交換器4を凝縮器として動作させる。
例えば第1熱交換器3を動作させる場合は、電磁弁31a,6a,35c,35bを開、電磁弁33,32a,31b,6b,35a,32bを閉とする。そして冷媒の流れは、圧縮機1→第1バイパス回路31→電磁弁31a→第1熱交換器3→全開状態とした絞り手段7a→電磁弁6a→電磁弁35c→減圧機能を有する絞り手段36→熱交換器34→電磁弁35b→圧縮機1となる。
また、例えば第2熱交換器4を動作させる場合は、電磁弁32a,6b,35c,35bを開、電磁弁33,32b,6a,35a,32bを閉とする。そして冷媒の流れは、圧縮機1→第2バイパス回路32→電磁弁32a→第2熱交換器4→全開状態とした絞り手段7b→電磁弁6b→電磁弁35c→減圧機能を有する絞り手段36→熱交換器34→電磁弁35b→圧縮機1となる。
【0052】
また、タンク38に温水で蓄熱するときには、熱交換器34は凝縮器として動作させ、第1熱交換器3または第2熱交換器4を蒸発器として動作させる。
例えば第1熱交換器3を動作させる場合は、電磁弁35a,35c,6a,31bを開、電磁弁33,35b,6b,31a,32bを閉とする。そして冷媒の流れは、圧縮機1→電磁弁35a→熱交換器34→全開状態とした絞り手段36→電磁弁35c→電磁弁6a→減圧機能を有する絞り手段7a→第1熱交換器3→電磁弁31b→圧縮機1となる。
例えば第2熱交換器4を動作させる場合は、電磁弁35a,35c,6b,32bを開、電磁弁33,35b,6a,32a,31bを閉とする。そして冷媒の流れは、圧縮機1→電磁弁35a→熱交換器34→全開状態とした絞り手段36→電磁弁35c→電磁弁6b→減圧機能を有する絞り手段7b→第2熱交換器4→電磁弁32b→圧縮機1となる。
【0053】
このように、第1バイパス回路31,第2バイパス回路32を設けることにより、第1,第2熱交換器3,4を必要に応じて凝縮器または蒸発器として動作させることが可能となり、熱エネルギーを場合に応じて多様に利用できる排熱回収システムが得られる。特に第1熱交換器3を凝縮器として動作するように冷凍サイクル装置を構成すれば、浴槽水を追い焚きすることができるので、一般家庭で使い勝手のよい排熱回収システムを構成することができる。
【0054】
なお、上記では、第1熱交換器3と第2熱交換器4の切換を浴槽水と外気の温度に応じて切換えるように制御すれば、冷凍サイクル装置5の運転効率を低下させることなく排熱回収できるシステムが得られる。また、第1熱交換器3の運転開始時間、第1熱交換器3の運転終了時間、第2熱交換器4の運転開始時間、第2熱交換器4の運転終了時間を、それぞれ設定可能に構成し、適用される場所の使用状況に合わせて設定できるようにすると、様々な状況の場所に適用できる排熱回収システムとなる。
また、運転する時間帯を設定し、この設定時間帯に運転するように制御すると、低料金の深夜電力時間帯を利用したり、電力ピーク時をさけて運転したり、使用者の使用状況に応じて運転したりでき、低コストで省エネルギー効果を得ることができ、使い勝手のよい排熱回収システムが得られる。
【0055】
ただし、本実施の形態では第1バイパス回路31と第2バイパス回路32とを両方設けた構成にしたが、これに限るものではなく、必要に応じてどちらか一方でもよい。例えば浴槽水の追い焚きが必要な場合には第1バイパス回路31を備えた排熱回収システムを構成し、第2熱交換器4を冷・暖房装置の室外機として用いようとする場合には第2バイパス回路32を備えた排熱回収システムを構成すればよい。
【0056】
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3による排熱回収システムについて説明する。本実施の形態は、冷却装置として例えば冷凍冷蔵庫の排熱を回収するシステムに関するものである。冷凍冷蔵庫は、冷凍室を例えば−5℃程度、冷蔵室を例えば5℃程度に冷却保持するものであり、通常24時間動作状態にある。この冷凍冷蔵庫で発生する排熱を回収する。冷凍冷蔵庫で発生する排熱の特徴は、単位時間当たりの熱量は小さいがほぼ24時間発生する可能性があることである。
【0057】
図5は本実施の形態による排熱回収システムを示す回路構成図である。図において、40は第3水循環路で、これを循環する水は蓄熱タンク14に充填されている潜熱蓄熱材15が格納されたカプセルの周囲を流通するように構成されている。また、41は第3水循環路40に設けたポンプ、42は圧縮機、43は第1凝縮器、44は第1凝縮器43と並列に接続された第2凝縮器、45は蒸発器、46は絞り手段、47は冷却空間で、例えば冷凍室及び冷蔵室である。48a,48bは配管開閉手段で例えば電磁弁である。圧縮機42,第1凝縮器43,第2凝縮器44,蒸発器45を冷媒配管で接続し、内部に冷媒を流通させて冷却装置用の冷凍サイクル装置49を構成している。冷凍サイクル装置49は、通常、冷凍冷蔵庫の設置空間内に配置されている。
【0058】
第1凝縮器43は冷凍室及び冷蔵室47を冷やすことによって生じた排熱を回収するための冷媒−水熱交換器であり、第2凝縮器44はその置かれている周囲の空気と熱交換する冷媒−空気熱交換器である。電磁弁48a,48bによって、冷凍サイクル装置49に接続する凝縮器が第1凝縮器43と第2凝縮器44で切換可能となっている。ここで、図1と同一符号は同一または相当の部分を示す。
【0059】
以下、冷凍冷蔵庫で用いられる冷凍サイクル装置49からの排熱を給湯ユニット12で利用する動作について説明する。電磁弁48aを開、電磁弁48bを閉とし、第1凝縮器43を動作状態とする。第1凝縮器43の内部は、冷凍サイクル装置49を流通する冷媒と第3水循環路40を循環する水とが別々の流路で流通し、互いに熱交換可能な構造である。
冷凍サイクル装置49を循環する冷媒は、蒸発器45で蒸発してガス化して冷凍室及び冷蔵室47を冷やす。そして、蒸発した冷媒は、圧縮機42を通って第1凝縮器43で第3水循環路40を循環する水と熱交換し、これに温熱を与える。この温熱は蓄熱タンク14に蓄熱される。
【0060】
また、第3水循環路40を循環する水の温度が、冷凍冷蔵庫の設置空間内の温度である第2凝縮器44の周囲の空気の温度よりも高くなると、第1凝縮器3ではそれほど排熱を回収できなくなり、このまま運転すると冷凍サイクル装置49の効率が悪くなり、電力量が多くかかることになる。そこで排熱回収運転は停止し、電磁弁48aを閉、電磁弁48bを開とし、第2凝縮器44を動作させる。これによって、排熱は周囲の空気と熱交換して放熱される。ただし、第3水循環路40を循環する水の温度を検出して第1,第2凝縮器43,44を切換える制御は煩雑なので、時間で切換えるようにしてもよい。例えば頻繁に温水を使う朝には蓄熱タンク14には冷水が補充されるため温熱の蓄熱を必要とし、夜間に温水を使わなくなると蓄熱タンク14には十分な温熱が蓄熱されることを考慮して、8時〜4時は第1凝縮器43を動作させ、その他の時間である4時〜8時は第2凝縮器44に固定するというように一定時間で切換えてもよい。この場合でも、年間を通してみれば、十分な省エネルギー効果が得られ、水温を検出して切換える構成に比べ、制御が簡単になる。
【0061】
このように、本実施の形態では冷凍冷蔵庫の排熱を給湯システム12で利用するように構成しており、通常捨てられている温熱が回収できる効果がある。試算によると排熱を回収しない場合と比較して、蓄熱タンク14にある一定の熱量を蓄えるために必要なエネルギーを約8%削減できる。さらに、第3水循環路40を循環する冷水と冷凍サイクル装置49を循環する冷媒とを熱交換することにより、冷媒の温度差を小さくできるので、冷凍サイクル装置49の効率も向上できる。
また、第2凝縮器44を設けて水温が周囲の空気よりも高くなり熱回収の必要性が無くなった時点でこれに切換えて排熱回収運転を停止することにより、冷凍サイクル装置49の効率が悪化するのを防ぐことができる効果がある。
【0062】
なお、蓄熱タンク14には必ずしも潜熱蓄熱材15が充填されている必要はなく、水を貯留する構成にし、この水を第1循環路10に循環させて温水とすることによって蓄熱してもよい。
ただし、蓄熱タンク14に潜熱蓄熱材15を充填すれば、給湯口16から常に一定の温度の温水を得ることができ、シャワーなどに利用する場合には使い心地のよい温水を得ることができる。また、潜熱蓄熱材15で充填されている場合には、蓄熱タンク14内が水だけで充満されている場合と比べ、給湯タンク14の大きさを例えば半分の容量程度に小さくできる。
【0063】
さらに、蓄熱タンク14における第3水循環路40の水流出口及び水流入口を共に下部に設けており、蓄熱タンク14内の水には、上方の水は暖かく下方の水は冷たいという温度分布ができる。このため、第3循環路40への水流出口を下方に設けると、冷たい水を第1凝縮器43に循環させることができ、冷凍サイクル装置49の効率を更に向上することができる。また、第3循環路40からの水流入口を上方に設けると、蓄熱タンク14内で対流が起こって上方の暖かい水が下方の冷たい水と混ざってしまうことになる。これに対し、本実施の形態では水流入口を下方に設けているため、対流を防ぎ、下方の冷たい水に温熱を与えるので、回収した排熱を効率よく給湯に利用することができる。このように、第1凝縮器43からの排熱が例え微量であっても補助熱源として効率よく利用できる排熱回収システムが得られる。
【0064】
図5に示したような排熱回収システムにおいて、冷凍冷蔵庫からの排熱回収は水道水を約30℃程度に暖めることができる。これ以上の高温の温水を給湯システム12で得ようとした場合、蓄熱タンク14の水を循環させる循環路を構成し、この水を例えばガスによって加熱する構成にしてもよい。
【0065】
図6はこの排熱回収システムの運転制御の一例を示すフローチャートである。蓄熱タンク14内部には温度成層ができ、上部には暖かいお湯、下部には冷たい水が分布するようになる。冷蔵庫の排熱は単位時間当たりの熱量が小さいため、蓄熱タンク14の下部の冷たい水を冷蔵庫側に循環させ、補助熱源として冷蔵庫からの排熱を回収して約30℃程度に暖める給湯予熱に利用するのが望ましい。例えば、ST10で、蓄熱タンク14下部の循環水温、室温、蓄熱タンク14下部の冷水量をそれぞれ検出手段で検出する。蓄熱タンク14下部の循環水温の検出手段は、例えば温度センサで、蓄熱タンク14内の下部に設けて蓄熱タンク14下部の循環水の温度を検出してもよいし、蓄熱タンク14から第3水循環路40への出口部に設けて循環水の温度を検出してもよい。正確には室温とは、第2凝縮器44で熱交換するために吸入される空気の温度のことであり、ここでは冷蔵庫が設置されている空間の温度と同一の見なして設置空間の室温を検出する。これは冷凍冷蔵庫の設置空間内に設けた温度センサや第2凝縮器の側面に設けた温度センサで検出できる。蓄熱タンク14内の冷水量を検出する検出手段としては、例えば蓄熱タンク14内の鉛直方向に1つないし複数の温度センサを挿入しておき、その検出温度により冷水量を検出する方法がある。また、蓄熱タンク14内の冷水量を検出する検出手段はこれに限るものではなく、他にも例えば蓄熱タンク14内にその内部の温水と冷水の中間の密度の物質で構成したフロートを封入しておき、その位置を磁歪式位置検出センサによって検出する方法がある。この方法では、位置検出センサを蓄熱タンク14内に配設しておけば、フロートがほぼ冷水と温水との間に位置するようになるため、その位置を検出することにより蓄熱タンク14内の冷水量を検出できる。ただし、この場合フロート内には、磁石などの磁力を発するものが封入されているものとする。また、磁歪式位置検出センサは、蓄熱タンク14が金属製でない場合には蓄熱タンク14の外壁面に取り付けてもよい。
【0066】
次に、ST11でタンク下部水温<室温かつタンク下部冷水量>全体の1割を満足するかどうか判断する。この条件を満足している場合には、ST12で冷蔵庫の排熱回収運転を行い、上記条件を満足していない場合には、冷蔵庫の排熱回収運転は行わずに終了する(END)。この運転制御を、一定時間間隔、例えば1分間隔で実行する。
【0067】
冷蔵庫の冷媒凝縮側も第3水循環路40を循環する冷水によって冷却されるため、冷蔵庫そのものの省エネルギーにもなる。ところが、この冷蔵庫の排熱回収は循環水の温度が冷たくないと効果が期待できない。このため、ST11のような条件を設け、タンク下部水温≧室温の場合、ST12の冷蔵庫の排熱回収は行わないように制御する。実際には、蓄熱タンク14下部の水温が室温よりも低い場合には、冷蔵庫の放熱を水−冷媒熱交換器である第1凝縮器43で行うように電磁弁48a,48bによって冷蔵庫の冷媒回路を接続し、蓄熱タンク14下部の水温が室温よりも高くなったら、冷蔵庫の放熱を水−空気熱交換器である第2凝縮器44で行うように電磁弁48a,48bによって冷蔵庫の冷媒回路を切換えると共に第2凝縮器44の送風機を動作状態にして、冷蔵庫の排熱回収運転を停止する。
【0068】
また、蓄熱タンク14からの循環水取出口は底部にあり、蓄熱タンク14の温水が冷蔵庫側に循環しない構成になっている。温水が冷蔵庫側に循環すると、第1凝縮器3での凝縮圧力があがり、蒸発器45での冷却能力が下がってしまう。これを防止するためここでは、タンク下部冷水量<全体の1割程度の判断を設けている。即ち蓄熱タンク14内の冷水の量が全体の1割程度より少なくなったら、冷蔵庫の排熱回収運転を停止する。ここで、排熱回収運転の停止に向けて各機器の動作を変更するのであるが、各機器の動作の遅れを考慮し、冷水の量が全体の1割程度以下になったら、排熱回収運転の停止動作に入る。このため、第3水循環路40に温水が流入するのを確実に防止でき、冷蔵庫の運転効率を低下させることなく、信頼性の高い排熱回収システムが得られる。なお、ここで蓄熱タンク14内の冷水量を検出するのは、蓄熱タンク14を循環する水のうち、温熱が十分に供給されていない冷水の量ということであり、例えば25℃程度以下の水の量である。
このように、ほぼ24時間の間連続的に運転している冷凍冷蔵庫からの排熱を、排熱回収運転可能な時、即ち、ST11の判断でYESのときに、蓄熱タンク14下部の冷水を予熱することで、排熱を有効に利用できる。
【0069】
以下、冷蔵庫の発熱量について説明する。冷蔵庫からの発熱量は式(2)によって簡易的に算出できる。冷蔵庫の負荷の特定は難しいので、冷蔵庫の消費電力は圧力比に比例するものとして取り扱う。
Figure 0003928251
Troom,Tref :室温,冷蔵庫庫内温度 [℃]
Ttank :蓄熱タンク下部冷水温度 [℃]
△T1 :空気と冷媒の温度差または対数平均温度差 [deg]
△T2 :水と冷媒の温度差または対数平均温度差 [deg]
Wra,Wref :冷蔵庫消費電力 [W],冷蔵庫定格消費電力 [W]
fps () :温度から冷媒の飽和圧力を算出する関数
【0070】
本実施の形態では、式(2)で表される冷蔵庫の排熱を回収して、例えば給湯水の予熱に利用できる。
さらに、冷蔵庫側においても、冷蔵庫の冷媒凝縮側に冷水を用いると、空気で冷却した場合に比べて熱交換性能がよく、かつ温度も低いため、冷媒の凝縮圧力が下がる。この時、冷媒の蒸発圧力も下がるが、凝縮圧力が低下する量の方が大きいため、圧力比は小さくなる。このことから、第1凝縮器43で冷水と熱交換することによって消費電力を下げることができる。
また、式(2)によって冷蔵庫の消費電力が簡易的に推定できるため、これを用いて、例えば冷蔵庫の消費電力が最小となるように制御を構築してもよい。
【0071】
また、図7に示すように、実施の形態1で述べたような給湯用の冷凍サイクル装置5と第1水循環路10を備え、約30℃以上の高温の温水を得たいときには、この冷凍サイクル装置5を動作させると、任意の温度で確実に給湯口16から給湯できる。具体的には図7のような冷凍サイクル装置5と第1水循環路10を設け、この冷凍サイクル装置5を循環する冷媒と、第1水循環路10を循環する水とを凝縮器2で熱交換する。このとき、第3水循環路40により蓄熱タンク14内の下方の冷たい水を例えば数℃程度上げる補助熱源の働きをし、この予熱によって冷凍サイクル装置5での加熱負荷が減りエネルギー量を減らすことができる。
【0072】
さらに、図8に示すように、実施の形態1における浴槽水の排熱回収機能を備えると、さらに効率のよい排熱回収システムを得ることができる。以下、本実施の形態による排熱回収システムの運転制御の一例を説明する。図9は図8に示した排熱回収システムの運転制御の手順を示すフローチャートであり、図2と図6を組み合わせたものである。
【0073】
開始(START)後、ST1で外気の温度と浴槽水の温度を検出し、ST10で蓄熱タンク14下部の循環水温および室温を温度センサーで検出すると共に、蓄熱タンク14内の冷水量を検出する。そして、ST11でタンク下部水温<室温かつタンク下部冷水量>全体の1割を満足するかどうか判断する。この条件を満足している場合には、ST12で第1凝縮器43を動作して冷凍冷蔵庫の排熱回収運転を行い、上記条件を満足していない場合には、冷凍冷蔵庫の排熱回収運転は行わない。冷蔵庫は第2凝縮器44を動作して通常の冷却運転を行う。
次に、ST2では蓄熱タンク14の蓄熱量が満蓄かどうかを判断し、満蓄の場合には終了する(END)。蓄熱タンク14の蓄熱量がまだ満蓄でない場合、ST3で時刻が深夜電力時間帯であるかどうか判断する。23時から7時の間以外、即ち深夜電力時間帯以外の場合には、浴槽水の排熱回収運転も通常の蓄熱運転も行わず終了する(END)。
【0074】
ST3で深夜電力時間帯と判断された場合には、ST4で時刻が所定の時間、例えば1時から6時の間であるかどうか判断する。深夜電力時間帯でも、1時から6時の間以外の場合には、家族が入浴する可能性があり、浴槽水の排熱回収運転は行わず、通常の蓄熱運転を行う。この所定の時間は家族構成や生活パターンなどによって異なるため、可変に設定しておくとよい。
次にST5で浴槽水の温度と外気の温度を比較する。比較の結果、浴槽水の温度が外気の温度よりも高い場合に、ST6で浴槽水の排熱回収運転を行う。これは、冷媒−水熱交換器である第1熱交換器3を動作させて浴槽水から熱回収して給湯用の温熱として蓄熱タンク14に蓄える運転である。また、浴槽水の温度が外気の温度よりも低い場合に、ST7で通常の蓄熱運転を行う。これは、冷媒−空気熱交換器である第2熱交換器4を動作させて外気から吸熱して沸き上げる運転である。ST6、ST7では冷媒回路及び送風機を各運転に応じた動作状態にして終了する(END)。この運転制御を、一定時間間隔、例えば1分間隔で実行する。
【0075】
このような運転制御を行うことにより、浴槽水の温度が高い場合には浴槽水の排熱を回収し、浴槽水の温度が下がってくると、通常の蓄熱運転に切換えるので、冷凍サイクル装置5の運転効率が低下するのを防止できる。また、冷凍サイクル装置5における消費電力は沸き上げるお湯の温度と蓄熱タンク14下部の水との温度差で決まるため、冷蔵庫の排熱回収を行うとこの温度差が小さくなり、冷凍サイクル装置5における消費電力をその分削減することができる。また、冷蔵庫の冷媒凝縮側も冷水によって冷却されるため、冷蔵庫そのものの省エネルギーにもなる。
【0076】
なお、上記では、蓄熱タンク14の下部の温度を検出すると共に、蓄熱タンク14の下部の冷水量を検出し、タンク下部の水温<冷蔵庫設置空間内の温度(室温)かつタンク下部の冷水量>全体の1割を満足する場合に冷蔵庫の排熱を回収している。この判断を行うためにタンク下部の水温を検出とタンクの冷水量の検出を別々の検出手段によって検出しているが、1つの温度検出手段を蓄熱タンク14の下部から1割の量よりもやや上側の水温を検出するようにしてもよい。この温度検出手段による検出温度が、予め設定してある冷水温度の範囲内の時には、冷水はタンクの1割以上あり、かつその検出温度が冷水の温度である。このため、検出した冷水温度と室温を比較しこの比較結果に応じて冷蔵庫排熱回収の制御を行う。また、検出温度が予め設定してある冷水温度の範囲よりも高くなると、タンクの冷水量が1割以下になったと検出でき、冷蔵庫排熱回収は行なわない。このように1つの検出手段で水温と冷水量を検出すれば、検出手段を少なくできる。この時、ST11の判断では、検出した水温が冷水温度の範囲かどうかを判断し、冷水温度の範囲であればその水温が室温よりも低いかどうかを判断し、水温<室温のときに冷蔵庫の排熱回収を行えばよい。
【0077】
また、これに実施の形態2で述べたようなバイパス回路を設け、浴槽水の追い焚き機能を備えてもよい。
【0078】
また、本実施の形態では冷凍冷蔵庫からの排熱を給湯ユニットに回収する構成としたが、冷凍室のみ、または冷蔵室のみで構成される冷却装置に適用してもよい。また、給湯ユニットに利用することに限るものではなく、回収した温熱を例えば空調装置の熱源に用いるなど、様々なものに適用できる。また、利用する温水の温度帯も目的に応じて任意に設定可能とすれば、多様に利用できる排熱回収システムを得ることができる。
【0079】
また、上記では冷却装置として、例えば冷凍冷蔵庫について述べたが、冷凍庫のみ、冷蔵庫のみの冷却装置や、家庭用でなくもっと大きな業務用のものでも同様である。また、冷却空間が密閉型に限るものではなく、半密閉型のショーケースや冷蔵倉庫の温排熱を回収するように構成しても同様の効果を奏する。
また、冷却装置として、冷媒−水凝縮器である第1凝縮器43と冷媒−空気凝縮器である第2凝縮器44を予め備えることにより、本実施の形態のような排熱回収システムを容易に構成できる。即ち、第1,第2凝縮器43,44を有する冷却装置の設置場所の周辺に、温水利用手段とこれを循環する水循環路を設け、その水循環路と第1凝縮器43の水循環部分とを接続すれば、本実施の形態のように、従来空気中に放熱している冷却装置からの排熱を必要な部分で利用できる。
【0080】
実施の形態4.
以下、本発明の実施の形態4による排熱回収システムについて説明する。図10は本実施の形態による排熱回収システムを示す回路構成図である。本実施の形態は、例えば集合住宅などにおいて点在する複数の電気機器からの排熱を回収するシステムに関するものである。
図において、51は低温熱回収槽であり、例えば水などの液体が断熱容器の中に充満され、冷媒によって輸送されてくる複数の電気機器からの排熱と熱交換する熱交換部52a,52bを備えている。また、複数の家庭の浴槽やプールからの温排水は、そのまま低温熱回収槽51に流入口52dから収集する。53は冷凍サイクル装置で、圧縮機54、凝縮器55、低温熱回収槽51の温水と熱交換する熱交換部51c、及び絞り手段を冷媒配管で接続し、冷媒を循環させる。
56は第4水循環路で、これを循環する水は蓄熱タンク57に充填されている潜熱蓄熱材が格納されたカプセルの周囲を流通するように構成されている。また、58は第4水循環路56に設けたポンプ、59は温水を供給する第5水循環路で、ポンプ60によって温熱を供給する対象である例えば共用プール61の水を蓄熱タンク57内に循環させ、蓄熱タンク57の温熱を温水として利用している。
【0081】
各家庭の電気機器からの排熱はそれぞれ冷媒によって輸送され、熱交換部52a,52bで低温熱回収槽51内の水と熱交換し、熱交換部52a,52bの周辺では例えば20℃〜40℃程度の温熱が得られる。また、流入口52dの周辺では、各家庭の浴槽やプールからの約30℃程度の温排水が流入する。特に集合住宅では通常各戸の浴槽からの排水は配管で集められており、また、共用冷凍庫や共用冷蔵庫を備えている場合もあり、これらの電気機器からの排熱や温排水は、戸建ての家に比べて比較的容易に低温熱回収槽51に集めることができる。
【0082】
次に、低温熱回収槽51に蓄熱されている温熱を利用する際の動作について説明する。ここでは例えば共用プールの水を暖めるのに利用する。冷凍サイクル装置53を運転すると、内部を循環する冷媒は低温熱回収槽51の熱交換部52cで蒸発し、圧縮機54を通って、凝縮器55で第4水循環路56を循環する水に温熱を与える。そして、この温熱を与えられた水は蓄熱タンク57内を流通する際に潜熱蓄熱材に温熱を与える。
蓄熱タンク57では、第4水循環路56からの温水が蓄熱タンク57の上方に流入され、その上方から下方に流れる間に潜熱蓄熱材に温熱を与え、潜熱蓄熱材の潜熱として蓄熱される。蓄熱タンク57の下方の冷水は、第4水循環路56を循環し、冷凍サイクル装置53の冷媒と熱交換するというサイクルを繰り返す。また、他方で蓄熱タンク57は第5循環路59によって温熱を供給している。即ち、第5水循環路59からの冷水が共用プール61で利用される。そして、共用プール61からの冷水は、第5水循環路59を循環して下方に流入され潜熱蓄熱材によって温熱が与えられる。この共用プール61の水は、蓄熱タンク57に蓄熱された温熱によって例えば29℃〜32℃程度の温水となる。
【0083】
このように、本実施の形態では複数の電気機器からの排熱を低温熱回収槽51に集め、温熱が必要な所で利用するように構成しており、通常捨てられている排熱が回収できる効果がある。
さらに、温水利用手段で利用した後の排水を低温熱回収槽51へ流入させる構成にすれば、再び温熱を利用することができ、無駄なく排熱を再利用できる排熱回収システムが得られる。
【0084】
なお、低温熱回収槽51に貯留する水の容量はシステム構築時に決まってしまうため、流入口52dから流入した水量分だけ排水して入れ替えるように構成する。ただし、低温熱回収槽51において、熱交換部52cの冷やそうとする熱量と熱交換部52a,52bの暖めようとする熱量が、例えば1日で平均してある程度バランスしていれば、流入口52dからの温排水を使用する必要はない。従ってこの場合には、低温熱回収槽51の水を入れ替える必要はない。さらに流入口52dからの温排水を使用しない場合には、低温熱回収槽51に水で熱を回収しなくてもよく、例えばブラインを満たしておき、これと熱交換部52a,52b,52cで熱交換するように構成してもよい。
【0085】
また、蓄熱タンク57への蓄熱運転を行なう時間帯を設定し、この設定時間帯に運転するように制御すると、低料金の深夜電力時間帯を利用したり、電力ピーク時をさけて運転したり、使用者の使用状況に応じて運転したりでき、低コストで省エネルギー効果を得ることができ、使い勝手のよい排熱回収システムが得られる。
【0086】
実施の形態5.
以下、実施の形態5による排熱回収システムについて説明する。本実施の形態は、実施の形態4において、排熱を回収する電気機器として、例えば集合住宅での共用の冷蔵庫を配管で接続し、冷蔵庫からの排熱を低温熱回収槽を用いて利用するものである。
図11に本実施の形態による排熱回収システムの構成を示す。図において、62は冷蔵庫システム、63は氷蓄熱槽、64は冷蔵庫用圧縮機、65はアキュムレータ、66a,66b,66cはそれぞれ絞り手段で特に66bは冷蔵庫用絞り手段、67a,67b,67c,67d,67e,67fはそれぞれ冷媒配管の開閉手段である電磁弁、68a,68bはそれぞれ逆止弁、69は冷蔵庫内に格納された冷蔵庫用熱交換器、70は冷蔵庫本体である。
この排熱回収システムでは、運転パターンとして、夜間に行う蓄熱運転と昼間に行う蓄熱利用運転がある。この冷蔵庫システム62は氷蓄熱槽63を備えており、0℃の冷熱が氷蓄熱槽63に蓄えられ、電気機器からの排熱である0℃より高い温熱は低温熱回収槽51に潜熱として蓄えられる。
【0087】
以下、蓄熱運転について説明する。この運転の冷媒の流れを実線矢印で示す。冷蔵庫システム62において、冷却するための冷熱を夜間に氷蓄熱槽63に蓄熱する。即ち、電磁弁67a,67c,67d,67fを開、電磁弁67b,67eを閉とする。そして、冷蔵庫用圧縮機64→熱交換部52a→電磁弁67d→逆止弁68a→絞り手段66c→氷蓄熱槽63→電磁弁67f→アキュムレータ65の冷媒循環回路を構成して、熱交換部52aを凝縮器とし、氷蓄熱槽63を蒸発器とすることにより、氷蓄熱槽63に冷熱を蓄熱する。この氷蓄熱を行う際の温排熱は熱交換部52aで低温熱回収槽51に放熱して回収される。
また、上記の蓄熱運転中に冷蔵庫本体70で冷蔵・冷凍負荷が発生した場合には、冷却運転を同時に行う。このときは、冷蔵庫用圧縮機64→熱交換部52a→電磁弁67d,67c→絞り手段66b→熱交換器69→電磁弁67a→絞り手段66a→アキュムレータ65の冷媒循環回路を構成して、熱交換部52aを凝縮器とし、熱交換器69を蒸発器とすることにより、冷蔵庫本体70の冷却空間を冷却する。この冷蔵庫の冷却を行う際の温排熱は熱交換部52aで低温熱回収槽51に放熱して回収される。
通常、蓄熱運転は例えば深夜電力時間帯である夜間に行うように制御し、冷蔵・冷凍負荷が発生している場合には、冷熱を蓄熱しながら冷却負荷にも対応する蓄熱・冷却同時運転を行う。また、冷蔵・冷凍負荷が発生していない場合には、電磁弁67cを閉とすれば、冷蔵庫の冷却を行う冷媒回路は閉じられ、蓄熱運転のみを行う回路が構成される。
また、低温熱回収槽51に蓄えられた温熱は夜間に冷凍サイクル装置53で蓄熱タンク57へ蓄熱され、昼間にプールや貯湯槽の加熱を行うための熱源として利用される。
【0088】
また、蓄熱利用運転では、氷蓄熱槽63に蓄えた冷熱を過冷却に利用して冷蔵庫や冷凍庫などの冷却を行う。この運転の冷媒の流れを点線矢印で示す。即ち、電磁弁67b,67c,67eを開、電磁弁67a,67d,67fを閉とする。そして、冷蔵庫用圧縮機64→熱交換部52a→電磁弁67e→氷蓄熱槽63→逆止弁68b→電磁弁67c→絞り手段66b→熱交換器69→電磁弁67b→アキュムレータ65の冷媒循環回路を構成する。圧縮機64で高温高圧となった冷媒は、熱交換部52aで凝縮して冷やされて50℃程度の温水になり、氷蓄熱槽63で解氷することで30℃程度に更に冷やされる。そして絞り手段66bによって−5℃程度となり、熱交換器69で蒸発して冷蔵庫に冷熱を与える。このように、熱交換部52aを凝縮器、氷蓄熱槽63を過冷却熱交換器とし、熱交換器69を蒸発器とすることにより、冷蔵庫本体70内の冷却空間を冷却する。
【0089】
本実施の形態による構成では、氷蓄熱槽63の冷熱を過冷却熱交換器として利用することにより、冷蔵・冷凍をより効率よく行うことができる。さらに冷蔵庫の冷却を行う際の温排熱は熱交換部52aで低温熱回収槽51に放熱して回収される。また、この温排熱は、実施の形態4で述べたように蓄熱タンク57へ蓄えられ、第5水循環路59で水を循環させて取り出し、プールや貯湯槽の加熱を行うための熱源として利用され、無駄なくエネルギーを活用できる排熱回収システムを構成している。
【0090】
以下、本実施の形態による排熱回収システムの運転制御の一例を説明する。図12はこの排熱回収システムの運転制御の手順を示すフローチャートである。
まず、制御開始(START)後、ST21でプール61の水温、プール排水量、蓄熱タンク57の蓄熱量、氷蓄熱槽63の蓄熱量を検出する。プール61の水温を検出する手段は例えばプール内に設けた温度センサによって検出する。プール排水量を検出する手段は、配水管の途中に流量計を設けて検出したり、また排水開始からの時間による推定値を用いてもよい。蓄熱タンク57の蓄熱量は、実施の形態3で述べたように、蓄熱タンク57内の温度を検出する温度センサや温水と冷水との中間の密度の物質によるフロートと磁歪式位置検出センサで検出できる。氷蓄熱槽63の蓄熱量を検出する検出手段は、氷蓄熱槽63内の水の温度を検出する温度センサや氷蓄熱槽63内の水位を検出する水位センサで検出できる。
【0091】
ST22、ST23で、プールの入替水は21時〜23時に低温熱回収槽51へ貯水され、浴槽からの温排水は24時間随時排水されて低温熱回収槽51へ貯水される。この時、例えばプールの入替えは、1日に全体の1割程度づつ新たな水と入替える。これは、水を入替えないと不衛生であり、毎日プール全体の水を入替えると水道水代やプール水の加熱や保温を行うために多くの熱量が必要になるためである。低温熱回収槽51においては新たな貯水量と同等の排水量が槽の下部より排水され、水が入れ替えられるように制御されている。
また、プールの排水時間帯を21時〜23時に設定しているのは、23時から深夜電力時間帯でありプール水温に応じた加熱または保温運転を行なうのが望ましいので、23時までにプール水の入替えを完了するためである。この時間帯は21時〜23時に限るものではなく、それぞれのシステムの状況に応じて設定すればよい。
【0092】
また、ST24、ST25では、冷蔵庫や冷凍庫の冷却に利用される氷蓄熱槽63への蓄熱は23時〜7時の間の深夜電力時間帯になされ、氷蓄熱槽63が満蓄になるまで蓄熱運転を行う。またこの間に冷凍・冷蔵負荷が発生した場合には、蓄熱運転と同時に冷却運転を行って冷蔵庫本体70内の冷却空間の冷却を行う。ST26では、深夜電力時間帯ではない昼間に冷凍・冷蔵負荷が発生した場合、蓄熱利用運転を行って氷蓄熱槽63に蓄えた冷熱は熱交換器69で冷凍・冷蔵へ利用される。
また、ST27、ST28では、冷凍サイクル装置53による低温熱回収槽51からの排熱回収と蓄熱タンク57への蓄熱も23時〜7時の間の深夜電力時間帯になされる。そして、蓄熱タンク57が満蓄になったら、ST29、ST30でプール水温が設定温度になるまで、蓄熱タンク57の温熱を利用して加熱運転を行う。この運転制御を、一定時間間隔、例えば1分間隔で実行する。
【0093】
このように、温熱を蓄熱タンク57に蓄え、冷熱を氷蓄熱槽63に蓄えることにより、さまざまな温度の排熱を回収してそれぞれ蓄えることができ、無駄なくエネルギーを活用できる排熱回収システムが得られる。
また、蓄熱タンク57及び氷蓄熱槽63への蓄熱運転を行なう時間帯を設定し、この設定時間帯に運転するように制御すると、低料金の深夜電力時間帯を利用したり、電力ピーク時をさけて運転したり、CO2 排出量の少ない時間帯に運転したり、使用者の使用状況に応じて運転したりでき、低コストで省エネルギー効果を得ることができ、使い勝手のよい排熱回収システムが得られる。
【0094】
実施の形態6.
以下、実施の形態6による排熱回収システムについて説明する。図13に本実施の形態による排熱回収システムの構成を示す。図において、71は圧縮機、72は熱交換器、73は絞り手段、74は氷蓄熱槽、75は潜熱蓄熱槽、76は温熱負荷、77は冷熱負荷である。
【0095】
圧縮機71、凝縮器として動作する熱交換器72、絞り手段73、蒸発器として動作する氷蓄熱槽74を配管で接続して冷凍サイクル装置を構成する。氷蓄熱槽74の内部には潜熱蓄熱材として水が貯留されており、冷凍サイクル装置を構成する冷媒配管が氷蓄熱槽74内の水中を通過している。そして、この冷媒配管を通過中に冷媒が蒸発して得られる冷熱を、氷蓄熱槽74内の水が0℃以下で氷に固化することにより潜熱として蓄える。冷熱負荷77では、例えば冷房などの冷熱が必要な場合に、氷蓄熱槽74の氷を解氷することにより、その冷熱を利用する。また、凝縮器として動作する熱交換器72は、潜熱蓄熱槽75を循環する熱媒体と冷凍サイクル装置を循環する冷媒とで熱交換するように構成し、凝縮器の温熱を熱交換器72を介して潜熱蓄熱槽75に蓄熱する。潜熱蓄熱槽75に格納されている潜熱蓄熱材は、0℃以上の所定の温度以上で固化して温熱を潜熱として蓄える。この潜熱蓄熱材として使用する材料により、蓄える温熱の温度が決定される。例えば潜熱蓄熱材が塩化カルシウム6水塩を使用した場合には30℃程度の温熱を蓄熱でき、酢酸ナトリウムを使用した場合には40℃程度の温熱を蓄熱できる。そして、温熱負荷76では、例えば暖房や給湯などの温熱が必要な場合に、潜熱蓄熱槽75から温熱を取り出して利用する。
図13に示した構成の排熱回収システムでは、潜熱蓄熱槽75は冷凍サイクル装置に含まれる構成ではなく、氷蓄熱槽74は冷凍サイクル装置に含まれる構成である。このように0℃の冷熱を蓄熱し得る氷蓄熱槽74を用いると、氷蓄熱槽74の1つで蒸発器として動作する熱交換器と潜熱蓄熱槽を兼ねることができ、構成が簡単になる。また、氷蓄熱槽74の潜熱蓄熱材は水であり、取り扱いが安全で、安価な潜熱蓄熱材で実現できる。
【0096】
また、図13では、冷熱用の蓄熱槽を冷凍サイクル装置内に設けているが、逆に冷熱用の蓄熱槽を冷凍サイクル装置外に設け、温熱用の蓄熱槽を冷凍サイクル装置内に設けてもよい。また、両方の潜熱蓄熱槽を冷凍サイクル装置外に設けたり、両方の潜熱蓄熱槽を冷凍サイクル装置内に設けてもよい。少なくとも冷凍サイクル装置を構成する第1、第2熱交換器と熱交換する構成であればよい。
【0097】
図13において、潜熱蓄熱槽75で蓄えられる温熱の温度は、潜熱蓄熱槽75に格納されている潜熱蓄熱材によって異なるので、温熱負荷76で必要な任意のものを用いればよい。例えば、潜熱蓄熱材が酢酸ナトリウムの場合には40℃程度、アルミニウムミョウバンでは90℃程度の温度で蓄熱できる。
また、潜熱蓄熱槽75を循環し、熱交換器72で冷媒と熱交換する熱媒体は、温熱を循環させて輸送する媒体のことであり、図13に示す構成の場合には、水でもよく、またブラインでもよい。
【0098】
本実施の形態では、氷蓄熱のように低温で潜熱変化するものを蒸発側で利用しており、潜熱蓄熱材として、40℃程度の中温で潜熱変化する酢酸ナトリウムなどを用いることが好ましい。さらに高温の温熱を蓄熱しようとする場合、例えば潜熱蓄熱槽75の潜熱蓄熱材として、90℃程度高温で潜熱変化するアルミニウムミョウバンなどを凝縮側に利用する場合には、例えば図14のように高温側の潜熱蓄熱槽75に供給する温熱を昇温する必要がある。
図14において、圧縮機78、熱交換器79、絞り手段80、熱交換器72を配管で接続して冷媒を循環させ、熱交換器72を蒸発器、熱交換器79を凝縮器として動作させると、40℃程度の温熱を90℃程度の温熱に昇温できる。また、図14のように排熱回収システムを構成しておくと、潜熱蓄熱槽75へ供給する温熱の温度が一定となるように制御することができ、効率のよい蓄熱を行うことができる。
【0099】
また、氷蓄熱槽74の代わりに、図15に示すように、蒸発器として動作する熱交換器72bと、潜熱蓄熱材を有する潜熱蓄熱槽74とを設けて、これに冷熱を蓄熱してもよい。
図15に示した排熱回収システムでは、圧縮機71、第1熱交換器72a、絞り手段73、第2熱交換器72bを配管で接続し、冷媒を循環させて冷凍サイクル装置を構成する。第1熱交換器72aは冷凍サイクル装置を循環する冷媒と第1潜熱蓄熱槽75を循環する第1熱媒体とが熱交換する構成となっている。また、第2熱交換器72bは冷凍サイクル装置を循環する冷媒と第2潜熱蓄熱槽74を循環する第2熱媒体とが熱交換する構成となっている。例えば、第1熱交換器72aを凝縮器、第2熱交換器72bを蒸発器として動作させて冷凍サイクル装置を運転すると、冷媒が第1熱交換器72aで凝縮する時の温熱が第1潜熱蓄熱槽75に蓄熱され、冷媒が第2熱交換器72bで蒸発する時の冷熱が第2潜熱蓄熱槽74に蓄熱される。温熱が蓄熱される第1潜熱蓄熱槽75の潜熱蓄熱材は、第1の温度以上の温度で固化して蓄熱されるものであり、冷熱が蓄熱される第2潜熱蓄熱槽74の潜熱蓄熱材は、第2の温度以下の温度で固化して蓄熱されるものである。この第1の温度と第2の温度は互いに異なる温度であり、凝縮器側の潜熱蓄熱槽の蓄熱される第1の温度は、凝縮器側の潜熱蓄熱槽に蓄熱される第2の温度よりも高い温度になるように潜熱蓄熱材を構成する必要がある。
例えば第1潜熱蓄熱槽75の潜熱蓄熱材に酢酸ナトリウムを用いた場合には40℃程度、アルミニウムミョウバンを用いた場合には90℃程度の温熱が蓄熱され、第2潜熱蓄熱槽74の潜熱蓄熱材に炭酸水素カリウムを用いた場合には−5℃程度、塩化ナトリウムを用いた場合には−20℃程度の冷熱が蓄熱される。ただし、これに限るものではなく、第1、第2潜熱蓄熱材として他の潜熱蓄熱材を用いてもよい。また、蓄熱する温度も、上記に限るものではなく、90℃以上の高温の温熱や−20℃以下の低温の冷熱を蓄熱してもよい。
また、第1熱媒体は温熱を循環させて輸送する媒体であり、第2熱媒体は冷熱を循環させて輸送する媒体であり、水やブラインなどを用いることができる。この第1、第2熱媒体は、同じ物質を用いてもよく、また異なった物質を用いてもよい。
【0100】
このように凝縮器側に温熱を蓄熱する潜熱蓄熱槽、蒸発器側に冷熱を蓄熱する蓄熱槽を設け、例えば低料金の深夜電力時間帯に冷凍サイクル装置を動作させて温熱及び冷熱を蓄熱しておけば、温熱負荷76が発生したときに、温熱を蓄熱した潜熱蓄熱槽75の潜熱蓄熱材を液化しながら温熱を取り出して利用でき、また、冷熱負荷77が発生したときに、冷熱を蓄熱した潜熱蓄熱槽74の潜熱蓄熱材を液化しながら冷熱を取り出して利用できる。
【0101】
さらに、図15に示した構成の排熱回収システムでは、第1潜熱蓄熱槽75と第2潜熱蓄熱槽74は冷凍サイクル装置に含まれる構成ではなく、冷凍サイクル装置を構成する第1、第2熱交換器72a、72bと熱交換し得るように構成しているので、種々のシステムに適用でき、汎用性が高い。例えば使用者の都合にあわせて潜熱蓄熱材を選らぶことができ、またシステム構築後でも冷凍サイクル装置を変更することなく潜熱蓄熱材を変えるだけで蓄熱温度を変更できる。また、第1、第2潜熱蓄熱槽75,74が冷凍サイクル装置に含まれていないため、設置するときの第1、第2潜熱蓄熱槽75,74および冷凍サイクル装置の工事性もよく、さらに第1、第2潜熱蓄熱槽75,74の保守点検も容易である。
【0102】
図13〜図15で示した本実施の形態による排熱回収システムでは、1つの冷凍サイクル装置の温排熱を潜熱蓄熱槽75に回収すると共に、冷排熱を潜熱蓄熱槽74に回収するというように、別々の潜熱蓄熱材に回収して蓄熱できる。即ち、異なる温度の排熱を回収してそれぞれ蓄えることができ、無駄なくエネルギーを活用できる排熱回収システムが得られる。
【0103】
なお、本実施の形態では、温熱負荷と冷熱負荷の発生は同時の場合でも対応できるし、別々に発生してもこれに対応できる。
【0104】
実施の形態1〜実施の形態5における熱交換器において、一方の流体を配管で流入しその配管の周囲に流れているまたは停留している他方の流体と熱交換するもの、例えば冷媒−空気熱交換器は、プレートフィンチューブ熱交換器などが使用できるが、これに限るものではない。
また、実施の形態1〜実施の形態6における熱交換器において、2つの流体をそれぞれ配管で流入して熱交換するもの、例えば冷媒−水熱交換器や水−水熱交換器は、プレート式熱交換器や二重管熱交換器などが使用できるが、これに限るものではない。
【0105】
【発明の効果】
以上の様に、本発明によれば、蓄熱槽に蓄熱された温熱を温水として利用する温水利用手段と、圧縮機、蓄熱槽を循環する水と熱交換する凝縮器、熱回収を行う温熱水を貯える熱回収槽の温熱水と熱交換する第1熱交換器、この第1熱交換器と並列に接続され外気と熱交換する第2熱交換器、及び絞り手段を配管で接続して冷媒を循環させる冷媒回路と、第1熱交換器を動作させて熱回収槽の温熱水の温熱を回収して蓄熱槽に蓄熱する排熱回収運転と第2熱交換器を動作させて外気から吸熱した温熱を蓄熱槽に蓄熱する蓄熱運転とを冷媒回路で切換える切換え手段と、を備え、排熱回収運転を予め設定された時間帯で行う、及び、熱回収槽の温熱水温度が外気温度より低くなるまで行うので、通常捨てられている温熱の回収に対し、効率の良い排熱回収システムが得られる。
【0106】
また、本発明では、蓄熱槽に蓄熱された温熱を温水として利用する温水利用手段と、圧縮機、蓄熱槽を循環する水と熱交換する凝縮器、熱回収を行う温熱水を貯える熱回収槽の温熱水と熱交換する第1熱交換器、この第1熱交換器と直並列可能に接続され外気と熱交換する第2熱交換器、及び絞り手段を配管で接続して冷媒を循環させる冷媒回路と、圧縮機から吐出する冷媒を凝縮器を介さずに第1熱交換器に流入させる第1バイバス回路と、第2熱交換器に並列な第1熱交換器を動作させて熱回収槽の温熱水の温熱を回収して蓄熱槽に蓄熱する排熱回収運転と、第1熱交換器と第2熱交換器を直列に動作させ前記第1バイパス回路を介して熱回収槽へ温熱供給を行う温熱供給運転と、を冷媒回路で切換える切換え手段と、を備え、排熱回収運転を予め設定された時間帯で行う、及び、熱回収槽の温熱水温度が外気温度より低くなるまで行うので、通常捨てられている温熱の回収に対し、効率の良い、更に再利用可能な排熱回収システムが得られる。
【0107】
又、本発明では、蓄熱槽に蓄熱された温熱を温水として利用する温水利用手段と、圧縮機、蓄熱槽を循環する水と熱交換する凝縮器、熱回収を行う温熱水を貯える熱回収槽の温熱水と熱交換する第1熱交換器、この第1熱交換器と直並列可能に接続され外気と熱交換する第2熱交換器、及び絞り手段を配管で接続して冷媒を循環させる冷媒回路と、圧縮機から吐出する冷媒を凝縮器を介さずに第2熱交換器に流入させる第2バイバス回路と、第2熱交換器に並列な第1熱交換器を動作させて熱回収槽の温熱水の温熱を回収して蓄熱槽に蓄熱する排熱回収運転と、第2熱交換器を第1熱交換器に直列に動作させ、もしくは、第2熱交換器に第3の熱交換器を直列に動作させ第2熱交換器を凝縮器とし第1熱交換器もしくは第3熱交換器を蒸発器とする運転と、を冷媒回路で切換える切換え手段と、を備え、排熱回収運転を予め設定された時間帯で行う、及び、熱回収槽の温熱水温度が外気温度より低くなるまで行うので、通常捨てられている温熱の回収に対し、効率の良い、更にシステムを多様に拡張できる、排熱回収システムが得られる。
【0108】
また、本発明では、圧縮機、冷却空間に冷熱を供給する蒸発器、潜熱蓄熱材を充填された蓄熱槽の内部を循環する下部の冷たい水と熱交換する第1凝縮器、第1凝縮器と並列に接続され空気と熱交換する第2凝縮器、及び絞り手段を配管で接続して冷媒を循環させる冷媒回路と、前記蓄熱槽に蓄熱された温熱を温水として利用する温水利用手段と、前記第1凝縮器を動作させて前記冷熱を供給することによる排熱を前記蓄熱槽に蓄熱する排熱回収運転と前記第2凝縮器を動作させて周囲の空気に放熱する放熱運転とを冷媒回路で切換える切換え手段と、を備え、前記排熱回収運転を予め設定された時間帯で行う、及び、前記第1凝縮器で熱交換する前記冷たい水の温度が前記第2凝縮器周囲の温度より高くなるまで行うので、通常捨てられている温熱の回収に対し、効率の良い排熱回収システムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による排熱回収システムを示す回路構成図である。
【図2】 実施の形態1による排熱回収システムの運転制御の手順を示すフローチャートである。
【図3】 本発明の実施の形態2による排熱回収システムを示す回路構成図である。
【図4】 実施の形態2の他の構成による排熱回収システムを示す回路構成図である。
【図5】 本発明の実施の形態3による排熱回収システムを示す回路構成図である。
【図6】 実施の形態3による排熱回収システムの運転制御の手順を示すフローチャートである。
【図7】 実施の形態3の他の構成による排熱回収システムを示す回路構成図である。
【図8】 実施の形態3の更に他の構成による排熱回収システムを示す回路構成図である。
【図9】 実施の形態3に係わる排熱回収システムの運転制御の手順を示すフローチャートである。
【図10】 本発明の実施の形態4による排熱回収システムを示す回路構成図である。
【図11】 本発明の実施の形態5による排熱回収システムを示す回路構成図である。
【図12】 実施の形態5による排熱回収システムの運転制御の手順を示すフローチャートである。
【図13】 本発明の実施の形態6による排熱回収システムを示す回路構成図である。
【図14】 実施の形態6の他の例による排熱回収システムを示す回路構成図である。
【図15】 実施の形態6のさらに他の例による排熱回収システムを示す回路構成図である。
【図16】 一般的な住空間の熱エネルギーの流れを示す説明図である。
【図17】 従来の一般家庭で用いられている給湯ユニット(図17(a))、浴槽(図17(b))、冷凍冷蔵庫(図17(c))、冷・暖房空調装置(図17(d))を示す構成図である。
【図18】 従来の温排水利用を回収する給湯装置を示す概略構成図である。
【図19】 従来の氷蓄熱槽を備えた冷凍サイクル装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1 圧縮機、2 凝縮器、3 第1熱交換器、4 第2熱交換器、5 冷凍サイクル装置、6a,6b 配管開閉手段、7a,7b 絞り手段、10 水循環路、12 給湯ユニット、13 市水流入口、14 蓄熱槽、15 潜熱蓄熱材、16 給湯口、20 水循環路、22 浴槽、31 第1バイパス回路、31a,31b 配管開閉手段、32 第2バイパス回路、32a,32b 配管開閉手段、33 配管開閉手段、34 熱交換器、35a,35b,35c 配管開閉手段、36 絞り手段、40 水循環路、42 圧縮機、43 第1凝縮器、44 第2凝縮器、45 蒸発器、46 絞り手段、47 冷却空間、48a,48b 配管開閉手段、49 冷却装置用冷凍サイクル装置、51 低温熱回収槽、52a,52b,52c 熱交換部、52d 流入口、53 冷凍サイクル装置、54 圧縮機、55 凝縮器、56 水循環路、57 蓄熱槽、59 水循環路、61 温水利用手段、62 冷蔵庫システム、63 氷蓄熱槽、64電気機器用圧縮機、66b 電気機器用絞り手段、69 電気機器用蒸発器、71 圧縮機、72,72a,72b 熱交換器、74、75 潜熱蓄熱槽、76 温熱負荷、77 冷熱負荷。

Claims (5)

  1. 蓄熱槽に蓄熱された温熱を温水として利用する温水利用手段と、圧縮機、前記蓄熱槽を循環する水と熱交換する凝縮器、熱回収を行う温熱水を貯える熱回収槽の温熱水と熱交換する第1熱交換器、この第1熱交換器と並列に接続され外気と熱交換する第2熱交換器、及び絞り手段を配管で接続して冷媒を循環させる冷媒回路と、前記第1熱交換器を動作させて前記熱回収槽の温熱水の温熱を回収して前記蓄熱槽に蓄熱する排熱回収運転と前記第2熱交換器を動作させて外気から吸熱した温熱を前記蓄熱槽に蓄熱する蓄熱運転とを冷媒回路で切換える切換え手段と、を備え、前記排熱回収運転を予め設定された時間帯で行う、及び、前記熱回収槽の温熱水温度が外気温度より低くなるまで行うことを特徴とする排熱回収システム。
  2. 蓄熱槽に蓄熱された温熱を温水として利用する温水利用手段と、圧縮機、前記蓄熱槽を循環する水と熱交換する凝縮器、熱回収を行う温熱水を貯える熱回収槽の温熱水と熱交換する第1熱交換器、この第1熱交換器と直並列可能に接続され外気と熱交換する第2熱交換器、及び絞り手段を配管で接続して冷媒を循環させる冷媒回路と、前記圧縮機から吐出する冷媒を前記凝縮器を介さずに前記第1熱交換器に流入させる第1バイバス回路と、前記第2熱交換器に並列な前記第1熱交換器を動作させて前記熱回収槽の温熱水の温熱を回収して前記蓄熱槽に蓄熱する排熱回収運転と、前記第1熱交換器と前記第2熱交換器を直列に動作させ前記第1バイパス回路を介して前記熱回収槽へ温熱供給を行う温熱供給運転と、を冷媒回路で切換える切換え手段と、を備え、前記排熱回収運転を予め設定された時間帯で行う、及び、前記熱回収槽の温熱水温度が外気温度より低くなるまで行うことを特徴とする排熱回収システム。
  3. 蓄熱槽に蓄熱された温熱を温水として利用する温水利用手段と、圧縮機、前記蓄熱槽を循環する水と熱交換する凝縮器、熱回収を行う温熱水を貯える熱回収槽の温熱水と熱交換する第1熱交換器、この第1熱交換器と直並列可能に接続され外気と熱交換する第2熱交換器、及び絞り手段を配管で接続して冷媒を循環させる冷媒回路と、前記圧縮機から吐出する冷媒を前記凝縮器を介さずに前記第2熱交換器に流入させる第2バイバス回路と、前記第2熱交換器に並列な前記第1熱交換器を動作させて前記熱回収槽の温熱水の温熱を回収して前記蓄熱槽に蓄熱する排熱回収運転と、前記第2熱交換器を前記第1熱交換器に直列に動作させ、もしくは、前記第2熱交換器に第3の熱交換器を直列に動作させ第2熱交換器を凝縮器とし第1熱交換器もしくは第3熱交換器を蒸発器とする運転と、を冷媒回路で切換える切換え手段と、を備え、前記排熱回収運転を予め設定された時間帯で行う、及び、前記熱回収槽の温熱水温度が外気温度より低くなるまで行うことを特徴とする排熱回収システム。
  4. 前記蓄熱槽は内部に充填された潜熱蓄熱材の周囲を水が流通するものであることを特徴とする請求項1乃至3の少なくともいずれかに記載の排熱回収システム。
  5. 圧縮機、冷却空間に冷熱を供給する蒸発器、潜熱蓄熱材を充填された蓄熱槽の内部を循環する下部の冷たい水と熱交換する第1凝縮器、第1凝縮器と並列に接続され空気と熱交換する第2凝縮器、及び絞り手段を配管で接続して冷媒を循環させる冷媒回路と、前記蓄熱槽に蓄熱された温熱を温水として利用する温水利用手段と、前記第1凝縮器を動作させて前記冷熱を供給することによる排熱を前記蓄熱槽に蓄熱する排熱回収運転と前記第2凝縮器を動作させて周囲の空気に放熱する放熱運転とを冷媒回路で切換える切換え手段と、を備え、前記排熱回収運転を予め設定された時間帯で行う、及び、前記第1凝縮器で熱交換する前記冷たい水の温度が前記第2凝縮器周囲の温度より高くなるまで行うことを特徴とする排熱回収システム。
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