JP2000120431A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2000120431A
JP2000120431A JP10297288A JP29728898A JP2000120431A JP 2000120431 A JP2000120431 A JP 2000120431A JP 10297288 A JP10297288 A JP 10297288A JP 29728898 A JP29728898 A JP 29728898A JP 2000120431 A JP2000120431 A JP 2000120431A
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oxygen concentration
exhaust
deterioration
exhaust gas
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Yoshiaki Higuchi
義明 樋口
Kazuo Koga
一雄 古賀
Takashi Dougahara
隆 堂ヶ原
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Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コスト高を招くことなく、前段触媒と後段触
媒の劣化を別々に確実に検出可能な内燃機関の排気浄化
装置を提供する。 【解決手段】 前段触媒(20)と後段触媒(30)との間の排
気通路、及び後段触媒の下流側の排気通路には排ガス中
の酸素濃度を検出する第1及び第2の酸素濃度検出手段
(32,34)が設けられており、さらに、内燃機関の運転状
態から前段触媒の上流側の排ガス中の酸素濃度を推定す
る酸素濃度推定手段(40)が設けられている。そして、触
媒劣化検出手段(40)により、バイパス通路(22)が閉とさ
れたときには酸素濃度推定手段による推定値と第1の酸
素濃度検出手段の出力とに基づいて前段触媒の劣化が検
出され、バイパス通路が開とされたときには第1及び第
2の酸素濃度検出手段の出力に基づいて後段触媒の劣化
が検出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の排気浄
化装置に係り、詳しくは、触媒の劣化を判定する技術に
関する。
【0002】
【関連する背景技術】内燃機関の排気通路に設けられた
床下触媒(後段触媒)の上流にフロント触媒(前段触
媒)を配置し、このフロント触媒の早期活性化を図り、
排ガス浄化特性を向上する排気浄化装置が実用化されて
いる。このような排気浄化装置では、触媒を早期に活性
化させることを目的とし、フロント触媒は排気マニホー
ルド近傍に配置される。このため、フロント触媒には高
温の排ガスが常時流入することとなり、フロント触媒の
熱劣化による耐久性が問題となる。そこで、床下触媒が
一旦活性化されるとフロント触媒に高温の排ガスが極力
流入しないようバイパス通路を設ける技術が先行技術
(特開平6−66131号公報等)により公知である。
【0003】また、触媒が劣化し、排ガス浄化特性が悪
化した状態での運転を防止すべく、触媒の前後にO2
ンサを設けることで触媒の劣化を検出することが、やは
り上記先行技術により公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の如く
バイパス通路を設けた排気浄化装置では、排ガスの全流
量がフロント触媒に常時流入しないため、フロント触媒
の劣化進行度合は床下触媒のそれとは異なる。故に、こ
のような装置ではフロント触媒と床下触媒との劣化を別
々に検出する必要がある。
【0005】この点において、上記先行技術ではフロン
ト触媒の劣化のみしか検出しておらず、床下触媒が劣化
した際に排ガス浄化特性が悪化するという問題がある。
そこで、床下触媒の下流にもO2センサを設け、フロン
ト触媒と同様に床下触媒の劣化を検出することが考えら
れるが、この場合、劣化検出のためにO2センサが合わ
せて3つも必要となり、コスト高を招き好ましいことで
はない。
【0006】本発明はこのような問題点を解決するため
になされたもので、その目的とするところは、コスト高
を招くことなく、前段触媒と後段触媒の劣化を別々に確
実に検出可能な内燃機関の排気浄化装置を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、請求項1の発明では、前段触媒をバイパスする
バイパス通路及び該バイパス通路を開閉する開閉手段が
設けられており、前段触媒と後段触媒との間の排気通
路、及び後段触媒の下流側の排気通路には排ガス中の酸
素濃度を検出する第1及び第2の酸素濃度検出手段が設
けられており、さらに、内燃機関の運転状態から前段触
媒の上流側の排ガス中の酸素濃度を推定する酸素濃度推
定手段が設けられている。そして、制御手段により開閉
手段がバイパス通路を閉とするよう制御されたときに
は、触媒劣化検出手段により、酸素濃度推定手段による
推定値と第1の酸素濃度検出手段の出力とに基づいて前
段触媒の劣化が検出される。一方、バイパス通路が開と
されたときには、当該触媒劣化検出手段により、第1及
び第2の酸素濃度検出手段の出力に基づいて後段触媒の
劣化が検出される。
【0008】従って、前段触媒の上流側に酸素濃度検出
手段を別途設けることなく、つまり酸素濃度検出手段を
第1及び第2の酸素濃度検出手段の2つのみとして3つ
以上設けることなく、コスト低減を図りながら、バイパ
ス通路の存在により劣化進行度合の異なる前段触媒と後
段触媒の双方の触媒の劣化を別々に共に確実に検出可能
とされる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づき説明する。図1を参照すると、車両に搭載さ
れた本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の概略構成図
が示されており、以下同図に基づいて本発明に係る内燃
機関の排気浄化装置の構成を説明する。
【0010】機関本体(以下、単にエンジンという)1
は、例えば、燃料噴射モード(運転モード)を切換える
ことで吸気行程での燃料噴射(吸気行程噴射モード)ま
たは圧縮行程での燃料噴射(圧縮行程噴射モード)を実
施可能な筒内噴射型火花点火式直列4気筒ガソリンエン
ジンとされている。そして、この筒内噴射型のエンジン
1は、容易にして理論空燃比(ストイキオ)での運転や
リッチ空燃比での運転(リッチ空燃比運転)の他、リー
ン空燃比での運転(リーン空燃比運転)が実現可能とさ
れており、特に圧縮行程噴射モードでは、超リーン空燃
比での運転が可能とされている。
【0011】同図に示すように、エンジン1のシリンダ
ヘッド2には、各気筒毎に点火プラグ4とともに電磁式
の燃料噴射弁6が取り付けられており、これにより、燃
焼室8内に燃料を直接噴射可能とされている。燃料噴射
弁6には、燃料パイプを介して燃料タンクを擁した燃料
供給装置(共に図示せず)が接続されている。より詳し
くは、燃料供給装置には、低圧燃料ポンプと高圧燃料ポ
ンプとが設けられており、これにより、燃料タンク内の
燃料を燃料噴射弁6に対し低燃圧或いは高燃圧で供給
し、該燃料を燃料噴射弁6から燃焼室内に向けて所望の
燃圧で噴射可能とされている。この際、燃料噴射量は高
圧燃料ポンプの燃料吐出圧と燃料噴射弁6の開弁時間、
即ち燃料噴射時間とから決定される。
【0012】シリンダヘッド2には、各気筒毎に略直立
方向に吸気ポートが形成されており、各吸気ポートと連
通するようにして吸気マニホールド10の一端がそれぞ
れ接続されている。そして、吸気マニホールド10の他
端にはスロットル弁11が接続されており、該スロット
ル弁11にはスロットル開度θthを検出するスロットル
センサ11aが設けられている。
【0013】また、シリンダヘッド2には、各気筒毎に
略水平方向に排気ポートが形成されており、各排気ポー
トと連通するようにして排気マニホールド12の一端が
それぞれ接続されている。図中符号13は、クランク角
を検出するクランク角センサであり、該クランク角セン
サ13はエンジン回転速度Neを検出可能とされてい
る。
【0014】なお、当該筒内噴射型のエンジン1は既に
公知のものであり、その構成の詳細についてはここでは
説明を省略する。同図に示すように、排気マニホールド
12には排気管(排気通路)14が接続されており、こ
の排気管14にはエンジン1に近接した小型の近接三元
触媒(前段触媒)20、排気浄化触媒装置(後段触媒)
30を介してマフラー(図示せず)が接続されている。
【0015】排気浄化触媒装置30は、NOx触媒30
aと三元触媒30bとの2つの触媒を備えて構成されて
おり、三元触媒30bの方がNOx触媒30aよりも下
流側に配設されている。NOx触媒30aとしては、こ
こでは選択還元型NOx触媒が採用されている。選択還
元型NOx触媒は、HC(炭化水素)やCO(一酸化炭
素)の存在の下に排ガス中のNOxを優先的に選択し還
元する機能を有した触媒であり、公知のものである。
【0016】また、三元触媒30bは通常使用される三
元触媒であり、内部に酸素を貯留する機能を有してい
る。近接三元触媒20は、エンジン1が冷態状態にある
ような場合であっても急速に活性化するよう排気マニホ
ールド12に近接して設けられており、これによりエン
ジン1の冷態始動直後からHCやCOを良好に浄化可能
とされている。なお、近接三元触媒20についても内部
に酸素を貯留する機能を有している。
【0017】ところで、この近接三元触媒20は、排気
マニホールド12に近いためにエンジン1が暖機状態と
なると過熱して熱劣化する虞がある。また、近接三元触
媒20によってHCやCOが酸化処理されてしまうと下
流のNOx触媒30aでNOxが十分に処理されないとい
う問題もある。このようなことから、排気管14には、
近接三元触媒20を迂回するようにしてバイパス通路2
2が設けられており、該バイパス通路22にはバイパス
通路22の連通と遮断とを行う電磁式のバタフライバル
ブ(開閉手段)24が設けられている。
【0018】つまり、エンジン1が冷態状態にあるとき
にはバタフライバルブ24が閉弁状態とされて排ガスが
近接三元触媒20を流れ、一方、例えば排気浄化触媒装
置30が所定の高温になると、バタフライバルブ24が
開弁状態とされて排ガスがバイパス通路22を流れるよ
うにされている(制御手段)。これにより、排ガスがエ
ンジン1の冷態始動直後から良好に浄化可能とされると
ともに、当該近接三元触媒20の過熱が好適に防止さ
れ、NOx触媒30aが良好に機能し始めた後にはHC
やCOが確実にNOx触媒30aに供給されてNOxが十
分に浄化可能とされる。
【0019】排気管14には、近接三元触媒20の下
流、即ち近接三元触媒20と排気浄化触媒装置30との
間に位置して#1O2センサ(第1の酸素濃度検出手
段)32が設けられており、さらに、排気浄化触媒装置
30の下流に位置して#2O2センサ(第2の酸素濃度
検出手段)34が設けられている。これら#1O2セン
サ32及び#2O2センサ34の各O2センサは、排気中
の酸素濃度を検出するものである。これらのO2センサ
は、酸素量が少なく酸素濃度が小さいときには大きな値
をとり、逆に酸素量が多く酸素濃度が大きいときには小
さな値をとるように構成されている。つまり、O2セン
サの出力特性は、図2に示すように、酸素が化合物CO
となって存在するリッチ空燃比雰囲気では大きく、スト
イキオ雰囲気近傍では急勾配で変化し、酸素過剰状態に
あるリーン空燃比雰囲気では小さくなるようにされてい
る。
【0020】従って、これら#1O2センサ32及び#
2O2センサ34の出力情報に基づいて、近接三元触媒
20の下流(または排気浄化触媒装置30の上流)及び
排気浄化触媒装置30の下流の酸素濃度、即ち当該近接
三元触媒20の下流(または排気浄化触媒装置30の上
流)及び下流の空燃比をそれぞれ良好に検出可能となっ
ている。
【0021】また、排気管14の排気浄化触媒装置30
直上流部には排気温度を検出する高温センサ36が設け
られている。さらに、入出力装置、記憶装置(ROM、
RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CP
U)、タイマカウンタ等を備えたECU(電子コントロ
ールユニット)40が設置されており、このECU40
により、エンジン1を含めた本発明に係る内燃機関の排
気浄化装置の総合的な制御が行われる。ECU40の入
力側には、上述したスロットルセンサ11a、クランク
角センサ13、#1O2センサ32、#2O2センサ3
4、高温センサ36等の各種センサ類が接続されてお
り、これらセンサ類からの検出情報が入力する。
【0022】一方、ECU40の出力側には、点火コイ
ルを介して上述した点火プラグ4や燃料噴射弁6、バタ
フライバルブ24等が接続されており、これら点火コイ
ル、燃料噴射弁6、バタフライバルブ24等には、各種
センサ類からの検出情報に基づき演算された駆動信号が
出力される。点火コイル、燃料噴射弁6に関していえ
ば、燃料噴射量や点火時期等の最適値がそれぞれ出力さ
れることになり、燃料噴射弁6から適正量の燃料が適正
なタイミングで噴射され、点火プラグ4によって適正な
タイミングで点火が実施される。
【0023】ところで、ECU40では、スロットルセ
ンサ11aからのスロットル開度情報θthとクランク角
センサ13からのエンジン回転速度情報Neとに基づい
てエンジン負荷に対応する目標筒内圧、即ち目標平均有
効圧Peを求めるようにされており、さらに、当該目標
平均有効圧Peとエンジン回転速度情報Neとに応じて燃
料噴射モード設定マップ(図示せず)より燃料噴射モー
ドを設定するようにされている。例えば、目標平均有効
圧Peとエンジン回転速度Neとが共に小さいときには、
燃料噴射モードは圧縮行程噴射モードとされ、燃料は圧
縮行程で噴射され、一方、目標平均有効圧Peが大きく
なり或いはエンジン回転速度Neが大きくなると燃料噴
射モードは吸気行程噴射モードとされ、燃料は吸気行程
で噴射される。吸気行程噴射モードには、リーン空燃比
とされる吸気リーンモード、理論空燃比にフィードバッ
ク制御されるストイキオフィードバックモード(ストイ
キオF/Bモード)、及び、リッチ空燃比とされるオー
プンループモード(O/Lモード)とがある。
【0024】そして、目標平均有効圧Peとエンジン回
転速度Neとから制御目標となる目標空燃比(目標A/
F)が設定され、上記適正量の燃料噴射量は該目標A/
Fに基づいて決定される。また、上記高温センサ36に
より検出された排気温度情報からは排気浄化触媒装置3
0(主としてNOx触媒30a)の温度、即ち触媒温度
Tcatが推定される。詳しくは、高温センサ36をNOx
触媒30aに直接設置できないことに起因して発生する
誤差を補正するために、目標平均有効圧Peとエンジン
回転速度情報Neとに応じて予め実験等により温度差マ
ップ(図示せず)が設定されており、触媒温度Tcat
は、目標平均有効圧Peとエンジン回転速度情報Neとが
決まると一義に推定されるようにされている。
【0025】以下、このように構成された本発明に係る
内燃機関の排気浄化装置の作用、即ち、近接三元触媒2
0及び排気浄化触媒装置30の劣化検出、劣化判定方法
について説明する。図3を参照すると、ECU40が実
行する触媒劣化判定のフローチャートが示されており、
以下当該フローチャートに沿って説明する(触媒劣化検
出手段)。
【0026】先ず、ステップS10では、現在、上述の
燃料噴射モードがストイキオF/Bモードであり、スト
イキオF/B制御中であるか否かを判別する。つまり、
ストイキオF/B制御では目標A/Fをストイキオ(値
14.7)近傍のリッチ空燃比とリーン空燃比間で強制
的且つ周期的に振動させ、これにより空燃比をストイキ
オに収束させ保持するよう制御するのであるが、当該ス
テップS10では、このように目標A/Fがリッチ空燃
比とリーン空燃比間で所定周波数(所定周期)で振ら
れ、これに伴って排気マニホールド12に排出される排
気空燃比(以下、排気A/Fという)がリッチ空燃比と
リーン空燃比間で振動しているか否かを判別する。
【0027】ステップS10の判別結果が偽(No)
で、ストイキオF/B制御中でないと判定された場合に
は、劣化判定はできず、何もせずに当該ルーチンを抜け
る。一方、ステップS10の判別結果が真(Yes)
で、ストイキオF/B制御中と判定された場合には、次
にステップS12に進む。ステップS12では、バタフ
ライバルブ24が開弁し、バイパス通路22が連通した
状態(開状態)にあるか否かを判別する。上述したよう
に、バタフライバルブ24は、エンジン1が冷態状態に
あるときには閉弁状態とされて排ガスが近接三元触媒2
0を流れる一方、例えば排気浄化触媒装置30が所定の
高温になると、バタフライバルブ24が開弁状態とされ
て排ガスがバイパス通路22を流れるようにされてい
る。故に、ここでは、エンジン1が冷態状態を脱して排
気浄化触媒装置30が所定の高温になり、排ガスがバイ
パス通路22を流れて近接三元触媒20に殆ど流入しな
い状態となっているか否かを判別する。
【0028】ステップS12の判別結果が偽(No)と
判定され、エンジン1が未だ冷態状態を脱しておらず、
バタフライバルブ24が閉弁されて排ガスが近接三元触
媒20を流れている場合には、次にステップS14に進
む。ステップS14では、上述の如くリッチ空燃比とリ
ーン空燃比間を振動する排気A/Fに基づき、当該排気
A/FをO2センサで検出したと仮定した場合に得られ
る出力値、即ちO2センサ出力相当値を推定し、さら
に、当該出力相当値に基づいて排気A/Fの振動周波
数、即ちO2センサで検出したと仮定した場合の出力周
波数f0を求める。つまり、ここでは、近接三元触媒2
0の上流側の排気A/Fの振動周波数をO2センサを用
いずに演算により求めるようにする(酸素濃度推定手
段)。図4を参照すると、出力周波数f0の演算手順が
ブロック図で示されており、以下同図に基づき、出力周
波数f0の演算方法を説明する。
【0029】先ず、ブロック50において、燃料噴射量
と吸入空気量とに基づき排気A/Fを求める。即ち、目
標A/Fに基づき設定される燃料噴射量と吸入空気量と
に基づいて排気A/Fを求める。なお、吸入空気量につ
いてはスロットルセンサ11aからのスロットル開度情
報θthを直接用いて求めてもよく、また、エアフローセ
ンサ(図示せず)の出力情報から直接求めるようにして
もよい。
【0030】そして、次のブロック52において、当該
排気A/FをO2センサで検出したと仮定した場合に得
られるO2センサ出力相当値を推定する。ここでは、O2
センサが上記図2に示したような出力特性を有すること
を利用し、同図の横軸を排気A/Fとし縦軸をO2セン
サ出力相当値として(ブロック52中に示した図参
照)、排気A/Fに応じたO2センサ出力相当値を求め
るようにする。
【0031】このようにして振動するO2センサ出力相
当値が求められたら、次のブロック54において、当該
振動するO2センサ出力相当値の振動周波数、即ちO2
ンサで検出したと仮定した場合の出力周波数f0を上記
目標A/Fの所定周波数より求める。これにより、近接
三元触媒20の上流側の排気A/Fの振動周波数、即ち
出力周波数f0が、O2センサを設けることなく安価にし
て容易且つ確実に求められることになる。
【0032】図3に戻り、以上のようにして出力周波数
f0、即ち近接三元触媒20の上流側の排気A/Fの振
動周波数が求められたら、次にステップS16におい
て、#1O2センサ32からの出力値に基づき出力周波
数f1を求める。つまり、近接三元触媒20の下流側の
排気A/Fの振動周波数を求める。図5を参照すると、
#1O2センサ32の出力周波数f1の算出手法の概念図
が示されており、以下、同図に基づき出力周波数f1の
算出手法について説明する。
【0033】近接三元触媒20は、上述したように酸素
を貯蔵する機能を有している。従って、近接三元触媒2
0が正常に機能すると、図5(a)にO2センサ出力相
当値で示すように、排気A/Fがリーン空燃比側に振ら
れたときには、排ガス中の余剰酸素は大部分が近接三元
触媒20内に貯蔵され、一方排気A/Fがリッチ空燃比
側に振られたときには、排ガス中に多く含まれるHCや
COが当該貯蔵された酸素によって良好に酸化されるこ
とになる。つまり、近接三元触媒20が正常に機能して
いるほど、近接三元触媒20下流側の酸素濃度は変化が
なく、図5(b)に示すように、#1O2センサ32の
出力は全体としてそれほど大きく変動しない。
【0034】しかしながら、この際出力には通常はばら
つきが生じており、図中一点鎖線で示すような閾値(ス
レッシュホールド)を設けると、当該ばらつきによる一
部の出力波が当該閾値を越えることになる。そして、当
該閾値を越えた波の数(リッチ空燃比とリーン空燃比間
の反転回数)を数えることにより、図5(c)に示すよ
うな#1O2センサ32の波形が想定され、これにより
出力周波数f1が算出される。
【0035】ステップS18では、近接三元触媒20の
上流側の出力周波数f0と下流側の出力周波数f1とから
周波数比f1/f0(≦1.0)を算出する。そして、次
のステップS20では、当該周波数比f1/f0が予め設
定された所定値X1(例えば、0.5程度)よりも大き
いか否かを判別する。上述したように、近接三元触媒2
0が正常に機能しているほど、#1O2センサ32の出
力はそれほど大きく変動せず、出力周波数f1は小とな
り、周波数比f1/f0は小さな値とされる。
【0036】従って、ステップS20の判別結果が偽
(No)、即ち周波数比f1/f0が所定値X1以下であ
るような場合には、近接三元触媒20は正常に機能して
いると判定でき、当該ルーチンを終了する。一方、ステ
ップS20の判別結果が偽(No)で、周波数比f1/
f0が所定値X1よりも大きい場合、即ち出力周波数f1
が出力周波数f0に近く、#1O2センサ32の出力が上
記演算により求めたO2センサ出力相当値に接近してい
る場合には、排気A/Fがリーン空燃比であっても排ガ
ス中の余剰酸素が殆ど近接三元触媒20内に貯蔵され
ず、排気A/Fがリッチ空燃比側に振られても排ガス中
に含まれるHCやCOが殆ど酸化されないような状況、
つまり近接三元触媒20のHC、COの浄化機能(排ガ
ス浄化特性)が低下している状況と判断できる。
【0037】故に、この場合には、次にステップS22
に進み、近接三元触媒(前段触媒)20は劣化している
と判定する。上記ステップS12の判別結果が真(Ye
s)と判定され、例えば排気浄化触媒装置30が所定の
高温になり、バタフライバルブ24が開弁されて排ガス
が主としてバイパス通路22を介して直接排気浄化触媒
装置30に供給されている場合には、次にステップS2
4に進む。
【0038】ステップS24では、上述したようにして
#1O2センサ32からの出力値に基づき出力周波数f1
を求める。つまり、排気浄化触媒装置30の上流側の排
気A/Fの振動周波数を求める。なお、この時点では排
ガスは未だ触媒を通過していないため、出力周波数f1
は上記目標A/Fの所定周波数と一致する。ステップS
26では、上述したようにして今度は#2O2センサ3
4からの出力値に基づき出力周波数f2を求める。つま
り、排気浄化触媒装置30の下流側の排気A/Fの振動
周波数を求める。
【0039】そして、ステップS28において、これら
排気浄化触媒装置30の上流側の出力周波数f1と下流
側の出力周波数f2とから周波数比f2/f1(≦1.
0)を算出し、次のステップS30において、当該周波
数比f2/f1が予め設定された所定値X2(例えば、
0.5程度)よりも大きいか否かを判別する。上記近接
三元触媒20の場合と同様、排気浄化触媒装置30が正
常に機能しているほど、#2O2センサ34の出力はそ
れほど大きく変動せず、出力周波数f2は小となり、周
波数比f2/f1は小さな値とされる。
【0040】従って、ステップS30の判別結果が偽
(No)、即ち周波数比f2/f1が所定値X2以下であ
るような場合には、排気浄化触媒装置30は正常に機能
していると判定でき、当該ルーチンを終了する。一方、
ステップS30の判別結果が偽(No)で、周波数比f
2/f1が所定値X2よりも大きい場合、即ち出力周波数
f2が出力周波数f1に近く、#2O2センサ34の出力
が#1O2センサ32の出力に接近している場合には、
排気A/Fがリーン空燃比であっても排ガス中の余剰酸
素が殆ど排気浄化触媒装置30の三元触媒30b内に貯
蔵されず、排気A/Fがリッチ空燃比側に振られても排
ガス中に含まれるHCやCOが殆ど酸化されないような
状況、つまり排気浄化触媒装置30のHC、COの浄化
機能(排ガス浄化特性)が低下している状況と判断でき
る。
【0041】従って、この場合には、次にステップS3
2に進み、排気浄化触媒装置(後段触媒)30は劣化し
ていると判定する。これにより、近接三元触媒20と排
気浄化触媒装置30のそれぞれの劣化がコスト高を招く
ことなく確実に判定可能とされる。なお、上記実施形態
では、排気浄化触媒装置30をNOx触媒と三元触媒と
で構成したが、例えば、吸蔵型NOx触媒と三元触媒と
の組合せ、選択還元型NOx触媒のみ、或いは三元触媒
のみ等いずれの構成にしてもよい。
【0042】また、本実施形態では、開閉手段を制御す
る制御手段は、冷態始動時に閉となるよう開閉手段を制
御しているが、例えば、後段触媒の触媒温度が低くなっ
た場合や前段触媒の劣化検出を行う場合等に閉となるよ
う制御してもよい。また、上記実施形態では、エンジン
1を筒内噴射型火花点火式直列4気筒ガソリンエンジン
としたが、本発明は、如何なる形態の内燃機関に対して
も好適に適用可能であることは勿論である。
【0043】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の請
求項1の内燃機関の排気浄化装置によれば、前段触媒の
上流側に酸素濃度検出手段を別途設けることなく、つま
り酸素濃度検出手段を合わせて3つ以上設けることな
く、コスト低減を図りながら、バイパス通路の存在によ
り劣化進行度合の異なる前段触媒と後段触媒の双方の触
媒の劣化を別々に共に確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関の排気浄化装置を示す概
略構成図である。
【図2】O2センサの空燃比に対する出力特性を示す図
である。
【図3】本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の触媒劣
化判定手順を示すフローチャートである。
【図4】前段触媒上流側のO2センサ出力相当値及び出
力周波数f0の演算手順を示すブロック図である。
【図5】O2センサ出力に基づく触媒下流側の出力周波
数の算出手法を説明する図である。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関) 4 点火プラグ 6 燃料噴射弁 11a スロットルセンサ 13 クランク角センサ 20 近接三元触媒(前段触媒) 22 バイパス通路 24 バタフライバルブ(開閉手段) 30 排気浄化触媒装置(後段触媒) 30a NOx触媒 30b 三元触媒 32 #1O2センサ(第1の酸素濃度検出手段) 34 #2O2センサ(第2の酸素濃度検出手段) 36 高温センサ 40 電子コントロールユニット(ECU)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/28 F01N 3/28 K 301 301D F02D 45/00 368 F02D 45/00 368G (72)発明者 堂ヶ原 隆 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 Fターム(参考) 3G084 AA03 AA04 BA09 BA13 BA15 BA17 BA24 DA10 DA27 EB11 FA07 FA10 FA26 FA27 FA30 FA33 FA38 3G091 AA12 AA17 AA24 AA28 AB03 AB05 AB06 BA03 BA04 BA08 BA10 BA14 BA15 BA19 BA33 BA34 CA12 CA13 CB02 CB03 CB05 DA03 DC01 EA01 EA05 EA07 EA17 EA31 EA34 FA02 FA04 FB02 FB03 FB10 FB11 FB12 FC01 FC07 FC08 HA03 HA08 HA12 HA36 HA37 HA42 HA47 HB03

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気通路に順次直列に設けられ、排ガス
    中の有害物質を浄化する前段触媒及び後段触媒と、 前記前段触媒をバイパスするバイパス通路と、 前記バイパス通路を開閉する開閉手段と、 前記開閉手段を制御する制御手段と、 前記前段触媒と前記後段触媒との間の排気通路、及び前
    記後段触媒の下流側の排気通路に設けられ、排ガス中の
    酸素濃度を検出する第1及び第2の酸素濃度検出手段
    と、 内燃機関の運転状態から前記前段触媒の上流側の排ガス
    中の酸素濃度を推定する酸素濃度推定手段と、 前記バイパス通路が閉のとき、前記酸素濃度推定手段に
    よる推定値と前記第1の酸素濃度検出手段の出力とに基
    づいて前記前段触媒の劣化を検出し、前記バイパス通路
    が開のとき、前記第1及び第2の酸素濃度検出手段の出
    力に基づいて前記後段触媒の劣化を検出する触媒劣化検
    出手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
JP10297288A 1998-10-19 1998-10-19 内燃機関の排気浄化装置 Withdrawn JP2000120431A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008525693A (ja) * 2004-12-23 2008-07-17 ユミコア・アクチエンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト プライマリ触媒として使用される窒素酸化物吸蔵触媒の窒素酸化物吸蔵能を監視する方法
US10190469B2 (en) 2014-12-22 2019-01-29 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Failure detection device of internal combustion engine

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008525693A (ja) * 2004-12-23 2008-07-17 ユミコア・アクチエンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト プライマリ触媒として使用される窒素酸化物吸蔵触媒の窒素酸化物吸蔵能を監視する方法
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