JP3632582B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、希薄燃焼可能な内燃機関の排気系内であって、同排気系内に設けられた還元触媒上流に還元剤を供給し、排気中の有害成分の浄化を促す内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンや希薄燃焼を行うガソリンエンジンでは、高い空燃比(リーン雰囲気)の混合気を燃焼に供して機関運転を行う運転領域が、全運転領域の大部分を占める。この種のエンジン(内燃機関)では一般に、排気中の窒素酸化物(NOx)を還元浄化する機能を酸素存在下で保持することのできる還元触媒(NOx触媒)がその排気系に備えられる。このようなNOx触媒を排気系に備える内燃機関では、当該機関の運転時、排気系内におけるNOx触媒上流に還元剤(例えば燃料)を間欠的あるいは継続的に添加することにより、NOx触媒を介した反応過程を通じて排気に含まれるNOxの還元(浄化)を行う。
【0003】
例えば、特許第2845056号公報に記載された装置では、内燃機関の排気通路に開閉制御の自在な噴射弁を設け、同噴射弁圧送供給される還元剤を、NOx触媒へ流入する排気中に所望量ずつ噴射供給することにより、NOx触媒の浄化機能を制御するようにしている。また、他の方法として、燃焼室内への燃料の噴射供給に関し、燃焼に供して出力を得るための燃料噴射(主噴射)とは別途に、これと異なるタイミングで副噴射を実行することで、排気(燃焼ガス)に燃料(還元剤)を添加する方法も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、排気還流(EGR)を行うエンジンでは、排気系および吸気系間をバイパス通路(EGR通路)によって連絡し、排気系内を流れるガス(排気)の一部を吸気系内に還流する。そして、当該EGR通路の途中に設けた開閉弁(EGR弁)の開弁量を調整することにより、同通路に流れ込む排気の流量を制御する。このとき、燃焼室から排出される全排気のうち、EGR通路に流れ込む排気と排気系下流に向かう排気との分配比は、たとえEGR弁の開弁量が一定であっても、当該エンジンの回転数やトルクの大きさ等、運転状態の変化に応じて変動する。さらに複数の気筒を有するエンジンでは、このような運転状態に対応する排気の分配比は、各々の気筒に由来する排気について相違する。排気ポートからEGR通路までの流路長や流路形状が個々の気筒によって異なるためである。
【0005】
こうした条件下では、各気筒から排出される排気について上記NOx触媒の機能を活用すべく行う還元剤の添加が定量的に実施されても、どの気筒を起源とする排気について還元剤の添加が実施されたか、また当該エンジンがどのような運転状態にあるかにより、添加された還元剤によるNOx触媒への作用がばらつくこととなっていた。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、内燃機関の排気中に還元剤を添加供給してNOx触媒の機能調整を図る内燃機関の排気浄化装置において、排気還流の影響を受けることなく、個々の気筒に由来する排気に対し、所望量の還元剤を正確に供給することのできる装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、複数の気筒を有する内燃機関の排気系に設けられ、当該排気系を通じて導入される排気中の窒素酸化物を還元成分の存在下で浄化するNOx触媒と、前記NOx触媒に導入される排気中に還元剤を供給する還元剤供給手段と、前記排気系の前記NOx触媒上流から当該機関の吸気系に排気を還流させる排気還流通路と、前記還元剤供給手段の供給する還元剤の供給量を決定する還元剤供給量決定手段と、各気筒由来の排気について、前記NOx触媒に導入される排気量と前記吸気系に還流される排気量との分配比を認識する分配比認識手段と、前記認識される分配比に基づいて、前記決定される還元剤の供給量を、前記吸気系に還流される排気量に対する前記NOx触媒に導入される排気量の比率が高い程、還元剤の供給量が少なくなるように補正する補正手段とを有してなることを要旨とする。
【0008】
ここで、前記NOx触媒に導入される排気量(便宜的に排気量Aという)と、前記吸気系に還流される排気量(便宜的に排気量Bという)との分配比とは、両者間の量的な相対関係を広く意味する。従って、A/B、B/A、A/(A+B)、或いはB/(A+B)等の他、(A−B)、或いは(B−A)等、両者間の如何なる量的な相対関係も、この分配比に相当する。また、各気筒由来の排気とは、何れかの気筒から排出される排気を意味する。また、上記還元供給手段による排気中への還元剤の供給は、排気中へ直接還元剤を供給する態様に限られず、例えば、排気の起源に相当する燃料、吸気、若しくは両者の混合気に還元剤を供給することで、間接的に排気中に含まれる還元剤の量を増量させる態様によるものであっても構わない。
【0009】
上記構成によれば、内燃機関の運転中に、排気系下流のNOx触媒に直接流入する分量と、吸気系に還流する分量との分配比が、各気筒間から排出される排気について、相互に異なっていたり、さらにそれら異なる分配比が当該機関の運転状態に応じて変動する場合であれ、各気筒由来の排気に供給される還元剤の成分量の気筒間ばらつき、さらには運転状態の変動に起因するばらつきが共に最小化される。よって、排気系下流のNOx触媒に対し、所望量の還元剤(排気中の還元成分)が有効に、且つ安定して作用するようになる。
【0010】
また、前記還元剤供給手段は、前記各気筒に由来する排気のうち、前記吸気系に還流される排気量に対して、前記NOx触媒に導入される排気量の分配比が大きくなる気筒由来の排気中に、優先的な還元剤供給を行うのがよい。
【0011】
各気筒由来の排気のうち、NOx触媒に導入される排気量が、吸気系に還流される排気量に比して大きな排気に、還元剤を供給する方が、排気中に含まれることとなった還元剤がより高い比率でNOx触媒に到達することとなる。同構成よれば、供給される還元剤がより高い比率でNOx触媒に到達する排気を、各気筒由来の排気から選択し、選択された排気に対し優先的に還元剤を供給することとなるため、供給される還元剤がより有効に活用されるばかりでなく、必要量の還元成分を定量的にNOx触媒へ到達、若しくは作用させる制御を実施する上で、当該制御にかかる精度や安定性も向上するようになる。
【0012】
なお、このように、特定の気筒に由来する排気中の優先的な還元剤供給を実施するにあたっては、特に、前記吸気系に還流される排気量に対して、前記NOx触媒に導入される排気量の分配比が最も大きくなる気筒或いは気筒群を選択し、当該選択された気筒或いは気筒群にのみ還元剤供給を行うといった制御態様を適用するのが好ましい。
【0013】
また、前記補正される還元剤の供給量を所定の上限量以下に制限する制限手段をさらに備えるのがよい。
【0014】
同構成によれば、排気に含まれる還元剤のうち、前記排気還流通路に流入する流入量が的確に把握され、且つ当該流入した還元剤由来の物質が通路内に堆積するに至らしめる量に達することを好適に抑制することができるようになる。よって、排気系に供給された還元剤、又は還元剤を起源とする成分が、排気還流通路に回り込み、当該通路内に滞留することで、同通路を詰まらせたり、通路面積を小さくすることもない。従って、当該内燃機関にとって、NOx触媒の機能保持と、排気還流の機能保持とが好適に両立されるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の排気浄化装置を、ディーゼルエンジンシステムに適用した第1の実施の形態について説明する。
【0016】
図1において、内燃機関(以下、エンジンという)1は、燃料供給系10、燃焼室20、吸気系30及び排気系40等を主要部として構成される直列4気筒のディーゼルエンジンシステムである。
【0017】
先ず、燃料供給系10は、サプライポンプ11、コモンレール12、燃料噴射弁13及び機関燃料通路P1等を備えて構成される。
【0018】
サプライポンプ11は、燃料タンク(図示略)から汲み上げた燃料を高圧にし、機関燃料通路P1を介してコモンレール12に供給する。コモンレール12は、サプライポンプ11から供給された高圧燃料を所定圧力に保持(蓄圧)する蓄圧室としての機能を有し、この蓄圧した燃料を4本の燃料噴射弁13に分配する。燃料噴射弁13はその内部に電磁ソレノイド(図示略)を備えた電磁弁であり、気筒#1,#2,#3,#4に形成された4つの燃焼室20に対応して設けられる。各燃料噴射弁13は、適宜開弁することにより、各々が対応する燃焼室20内に燃料を噴射供給する。
【0019】
吸気系30は、各燃焼室20内に供給される吸入空気の通路(吸気通路)を形成する。他方、排気系40は、上流から下流にかけ、排気ポート40a、排気マニホールド40b、触媒上流側通路40c、触媒下流側通路40dといった各種通路部材が順次接続されて構成され、各燃焼室20から排出される排気ガスの通路(排気通路)を形成する。
【0020】
また、このエンジン100には、周知の過給機(ターボチャージャ)50が設けられている。ターボチャージャ50は、シャフト51を介して連結された2つのタービンホイール52,53を備える。一方のタービンホイール(吸気側タービンホイール)52は、吸気系30内の吸気に晒され、他方のタービンホイール(排気側タービンホイール)53は排気系40内の排気に晒される。このような構成を有するターボチャージャ50は、排気側タービンホイール52が受ける排気流(排気圧)を利用して吸気側タービンホイール53を回転させ、吸気圧を高めるといったいわゆる過給を行う。
【0021】
吸気系30において、ターボチャージャ50に設けられたインタークーラ31は、過給によって昇温した吸入空気を強制冷却する。インタークーラ31よりもさらに下流に設けられたスロットル弁32は、その開度を無段階に調節することができる電子制御式の開閉弁であり、所定の条件下において吸入空気の流路面積を絞り、同吸入空気の供給量を調整(低減)する機能を有する。
【0022】
また、エンジン100には、燃焼室20の上流(吸気系30)及び下流(排気系40)をバイパスする排気還流通路(EGR通路)60が形成されている。このEGR通路60は、排気の一部を適宜吸気系30に戻す機能を有する。EGR通路60には、電子制御を通じて無段階に開閉調節され、同通路60を流れる排気流量を自在に変更することができるEGR弁61と、EGR通路60を通過(還流)する排気を冷却するためのEGRクーラ62とが設けられている。
【0023】
また、排気系40において、同排気系40及びEGR通路60の連絡部位の下流には、吸蔵還元型NOx触媒(以下、単に触媒という)41を収容した触媒ケーシング42が設けられている。触媒ケーシング42に収容された触媒41は、例えばアルミナ(Al2O3)を担体とし、この担体上に例えばカリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタン(La)、イットリウム(Y)のような希土類と、白金Ptのような貴金属とが担持されることによって構成される。
【0024】
この触媒41は、排気中に多量の酸素が存在している状態においてはNOxを吸収し、排気中の酸素濃度が低く還元成分(例えば燃料の未燃成分(HC))が十分量存在している状態においてはNOxをNO2若しくはNOに還元して放出する。NO2やNOとして放出されたNOxは、排気中のHCやCOと速やかに反応することによってさらに還元されてN2となる。ちなみにHCやCOは、NO2やNOを還元することで、自身は酸化されてH2OやCO2となる。すなわち、触媒ケーシング42(触媒41)に導入される排気中の酸素濃度やHC成分を適宜調整すれば、排気中のHC、CO、NOxを浄化することができることになる。
【0025】
また、エンジン100の各部位には、当該部位の環境条件やエンジン100の運転状態に関する信号を出力する各種センサが取り付けられている。
【0026】
すなわち、レール圧センサ70は、コモンレール12内に蓄えられている燃料の圧力に応じた検出信号を出力する。エアフロメータ72は、吸気系30内のスロットル弁32下流において吸入空気の流量(吸気量)Gaに応じた検出信号を出力する。排気温センサ74aは、排気系40の触媒ケーシング42上流における排気温度TexUに応じた検出信号を出力する。排気温センサ74bは、排気系40の触媒ケーシング42(触媒41)下流における排気温度TexLに応じた検出信号を出力する。空燃比(A/F)センサ73は、排気系40の触媒ケーシング42(触媒41)下流において排気中の酸素濃度に応じて連続的に変化する検出信号を出力する。また、アクセル開度センサ75はエンジン100のアクセルペダル(図示略)に取り付けられ、同ペダルへの踏み込み量Accに応じた検出信号を出力する。クランク角センサ76は、エンジン100の出力軸(クランクシャフト)が一定角度回転する毎に検出信号(パルス)を出力する。これら各センサ70〜76は、電子制御装置(ECU)80と電気的に接続されている。
【0027】
ECU80は、中央処理装置(CPU)81、読み出し専用メモリ(ROM)82、ランダムアクセスメモリ(RAM)83及びバックアップRAM84、タイマーカウンタ85等を備え、これら各部81〜85と、A/D変換器を含む外部入力回路86と、外部出力回路87とが双方向性バス88により接続されて構成される論理演算回路を備える。
【0028】
このように構成されたECU80は、上記各種センサの検出信号を外部入力回路を介して入力し、これら信号に基づいて、エンジン100の燃料噴射に関する燃料噴射制御や、EGR弁の開閉弁操作に関するEGR制御等、エンジン100の運転状態を決定づける各種制御を実施する。
【0029】
また、燃料噴射弁13を通じて各気筒に燃料を供給する機能を備えた燃料供給系10、排気系40に備えられた触媒41、およびこれら燃料供給系10や触媒41の機能を制御するECU80等は、併せて本実施の形態にかかるエンジン100の排気浄化装置を構成する。
【0030】
次に、本実施の形態にかかる燃料噴射制御についてその概要を説明する。
【0031】
ECU80は、各種センサの検出信号から把握されるエンジン100の運転状態に基づき燃料噴射制御を実施する。本実施の形態において燃料噴射制御とは、各燃料噴射弁13を通じて気筒#1〜#4の各燃焼室20内へ燃料噴射の実施に関し、燃料の噴射量(噴射時間)、噴射時期、噴射パターンといったパラメータを設定し、これら設定されたパラメータに基づいて個々の燃料噴射弁13の開閉弁操作を実行する一連の処理をいう。
【0032】
ECU80は、このような一連の処理を、エンジン100の運転中所定時間毎に繰り返し行う。燃料の噴射量及び噴射時期は、基本的にはアクセルペダルへの踏み込み量Accおよびエンジン回転数Neに基づき、予め設定されたマップ(図示略)を参照して決定する。
【0033】
また、燃料の噴射パターンの設定に関し、ECU80は、圧縮上死点近傍での燃料噴射を主噴射として各気筒について行うことで機関出力を得る他、主噴射に後続する燃料噴射(以下、後行程噴射という)を副噴射として、適宜選択された時期、選択された気筒について行う。
【0034】
後行程噴射によって燃焼室20内に供給される燃料は、燃焼ガス中で軽質なHCに改質され、排気系40に排出される。すなわち、還元剤として機能する軽質なHCが、後行程噴射を通じて排気系40の触媒41上流に添加され、触媒41に流入する排気中の還元成分濃度を高めることとなる。
【0035】
一般に、ディーゼルエンジンでは、燃焼室内で燃焼に供される燃料及び空気の混合気が、ほとんどの運転領域で高酸素濃度状態(リーン雰囲気の状態)にある。
【0036】
燃焼に供される混合気の酸素濃度は、燃焼に供された酸素を差し引いてそのまま排気中の酸素濃度に反映されるのが通常であり、混合気中の酸素濃度(空燃比)が高ければ、排気中の酸素濃度(空燃比)も基本的には同様に高くなる。一方、上述したように、吸蔵還元型NOx触媒は排気中の酸素濃度が高ければNOxを吸収し、低ければNOxをNO2若しくはNOに還元して放出する特性を有するため、排気中の酸素が高濃度状態にある限りNOxを吸収し、これを保持(吸蔵)することとなる。ただし、当該触媒のNOx吸蔵量には限界量が存在し、同触媒が限界量のNOxを吸蔵した状態では、もはや排気中のNOxが同触媒に吸収されず触媒ケーシング42内を素通りすることとなる。
【0037】
そこで、エンジン100では、適宜のタイミング、適宜の気筒について後行程噴射を実行することにより、一時的に排気中の空燃比を低下(リッチ化)させる。すると触媒41は、これまでに吸収したNOxをNO2若しくはNOに還元して放出し、自身のNOx吸収能力を回復(再生)するようになる。放出されたNO2やNOが、HCやCOと反応して速やかにN2に還元されることは上述した通りである。
【0038】
次に、本実施の形態にかかるEGR制御についてその概要を説明する。
【0039】
ECU80は、各種センサの検出信号から把握されるエンジン100の運転状態に基づきEGR制御を実施する。本実施の形態においてEGR制御とは、EGR通路に設けられた電子制御式の開閉弁(EGR弁)61を操作して、EGR通路を通過するガスの流量、言い換えれば排気系40から吸気系30に還流される排気の流量調整を行う処理をいう。
【0040】
目標となるEGR弁61の開弁量(以下、目標開弁量)は、基本的にはエンジン100の負荷や回転数NE等の運転状態に基づき、予め設定されたマップ(図示略)を参照して決定される。ECU80は、この目標開弁量をエンジン100の運転中所定時間毎に更新し、逐次、EGR弁61の実際の開弁量が更新された目標開弁量に合致するよう同EGR弁61の駆動回路に指令信号を出力する。
【0041】
こうした一連の処理により排気の一部が吸気系30に還流されると、その還流量に応じてエンジン100の燃焼温度が低下し、結果として排気中のNOx生成が抑制されるようになる。
【0042】
ところで、エンジン100の各気筒#1〜#4から排出される排気は、各気筒に対応する排気ポート40a通じて排気マニホールド40bに流入する。排気マニホールドに流入した排気流は、排気系40のさらに下流に配設されたターボチャージャ50に向かう他、EGR弁61が開弁している場合には、EGR通路60を介してその一部が吸気系30に還流することとなる。
【0043】
このとき、各気筒#1〜#4の燃焼室20から排出される全排気のうち、EGR通路60に流れ込む排気(以下、EGR回り込みガスという)と、排気系40下流(ターボチャージャ50)に向かい、未燃HC(還元成分)を含んだままの状態で触媒41に達する排気(以下、浄化寄与ガスという)との分配比は、たとえEGR弁61の開弁量が一定であっても、エンジン100の回転数やトルクの大きさ等、運転状態の変化に応じて変動する。さらに、排気ポート40aからEGR通路60までの流路長や流路形状等が個々の気筒によって異なるため、上記エンジン100の運転状態に対応する排気の分配比は、各々の気筒に由来する排気について相違する。
【0044】
そこで、本実施の形態に係るエンジン100の排気浄化装置を構成するECU80は、EGR回り込みガス及び浄化寄与ガスの分配比を、エンジン100の運転状態に関するパラメータを独立変数とする関数、若しくはエンジン100の運転状態に対応するマップ上のデータとして各気筒について記憶しておく。そして、後行程噴射の実施に先立ち、当該後行程噴射を実施する気筒について記憶された関数若しくはマップ上のデータに基づいて求めた補正係数を、後行程噴射に供される燃料(還元剤)の噴射量に反映させる制御を行う。
【0045】
次に、上記後行程噴射に供される燃料(還元剤)の噴射量の算出に関し、EGR回り込みガス及び浄化寄与ガスの分配比に関連する補正係数の反映も含めたECU80によるその具体的な制御手順についてフローチャートを参照して説明する。
【0046】
図2は、燃料噴射制御の一環として、個々の気筒について後行程噴射に供される燃料(還元剤)の噴射量を算出するための「後行程噴射量算出ルーチン」を示すフローチャートである。
【0047】
同ルーチンは、ECU80を通じてエンジン100の始動と同時にその実行が開始され、エンジン100の運転期間中、所定周期で繰り返し実行される。
【0048】
同ルーチンに処理が移行すると、ECU80は先ずステップS101において、還元剤添加(後行程噴射)の要求があるか否かを判断する。後行程噴射は、例えば以下の条件(1)〜(3)が全て成立したときに行う。
(1)NOx触媒のNOx吸収量が所定量を上回っていること。NOx触媒によるNOx吸収量がその限界値にある程度まで近づいたことを意味する。この吸収量は、前回の燃料添加終了からの経過時間や、排気空燃比A/F及び排気温度Texの履歴等に基づいて推定すればよい。
(2)エンジン回転数Ne及びアクセルの踏み込み量Accの関係等からエンジン100の運転状態が後行程噴射に適していると判断される。これは、エンジン100の運転状態が、後行程噴射を実行してもトルク変動等の不具合が生じない領域にある条件にあたる。
(3)触媒41の床温が所定の温度範囲(例えば250〜400℃)にあること。これは、触媒が十分に活性化し、且つ好適に機能する条件にあたる。触媒41の床温は、触媒41上流の排気温度TexUと同触媒41下流の排気温度TexLとに基づいて推定する。
すなわち、上記条件(1)〜(3)が全て成立していれば、ECU80は「後行程噴射の要求あり。」と判断し、その処理をステップS102に移行する。一方、上記条件(1)〜(3)のうち何れか1つでも成立していなければ、ECU80は「後行程噴射の要求なし。」と判断し、本ルーチンを一旦抜ける。
【0049】
ステップS102においてECU80は、要求HC量Qhcを算出する。要求HC量Qhcは、後行程噴射を通じて排気系40に添加供給する還元成分(HC)量の目標値であり、触媒41を通過する排気流量Gexと触媒41上流における排気温度TexUとに基づき、予め設定されたマップ等を参照して求める。触媒41を通過する排気流量Gexは吸気量Ga等に基づいて推定し、触媒41上流における排気温度TexUは排気温センサ74aからの検出信号に基づいて把握すればよい。
【0050】
図3は、要求HC量、触媒41を通過する排気流量Gex、および触媒41上流の排気温度TexUについて、予め設定されるマップ上における関係を概略的に示す関係図である。なお、図中に示す曲線L1,L2,L3,L4は、各々が要求HC量Qhcの等量線に相当する。ちなみに、等量線L1,L2,L3,L4上の要求HC量Qhc1,Qhc2,Qhc3,Qhc4は、相互間で、Qhc1>Qhc2>Qhc3>Qhc4なる関係を有する。
【0051】
同図3に示すように、触媒41を通過する排気流量Gexが大きくなるほど要求HC量Qhcは小さくなる傾向にマップを設定することで、触媒41の浄化効率が好適に保持されることが発明者によって確認されている。こうした傾向は、触媒41を通過する排気流量Gexが大きくなると添加されたHC(還元剤)が排気中で広範囲に分散しより効率的に触媒41に作用するようになること、また、要求HC量Qhcを小さくすれば触媒41を吹き抜けるHC(還元剤)の量が減少することに起因すると考えられる。一方、触媒41上流の排気温度TexUが高くなるほど要求HC量Qhcは大きくなる傾向にマップを設定することで、触媒41の浄化効率が好適に保持されることが同じく発明者によって確認されている。触媒41が十分に活性化している温度条件の下、同触媒41に流入する排気の温度(排気温度TexU)が高くなると、触媒41に吸蔵された状態にあり、本来は、HC(還元成分)存在下で同触媒41から放出されつつN2に還元されるはずのNOxが、N2に還元されることなく触媒41下流に流出する傾向が増大するためと考えられる。
【0052】
上記ステップS102にて要求HC量Qhcを求めた後、続くステップS103においてECU80は、今回の後行程噴射で4本の燃料噴射弁13が噴射供給する燃料の総量(以下、後行程噴射総量という)qhctotalを、吸気量Ga及び要求HC量Qhcに基づいて算出し、さらにこの後行程噴射総量qhctotalを、今回の後行程噴射で個々の気筒#n(ただし、n=1,2,3,または4)に対応する燃料噴射弁13が噴射供給する燃料量(以下、気筒別後行程噴射量という)qhc(n)に換算する。なお、本実施の形態では、触媒41に流入する各気筒#1〜#4由来の還元成分(HC)の供給量が、等量となるように調整を行う。このため、各気筒#1〜#4についての気筒別後行程噴射量qhc(1)〜qhc(4)は、一律、後行程噴射総量qhctotalの4分の1の量に相当する。
【0053】
続くステップS104においては、EGR弁61が全閉状態であるか否かを判断する。EGR弁61が全閉状態である場合、ECU80は排気還流が行われていないと認識し、先のステップS103で求めた個々の気筒についての気筒別後行程噴射量qhc(1),qhc(2),qhc(3),qhc(4)を、各々最終値qhcfin(1),qhcfin(2),qhcfin(3),qhcfin(4)として記憶した上で、本ルーチンにおける処理を一旦終了する。
【0054】
一方、EGR弁61が全閉状態でない場合、ECU80は排気還流が行われていると認識し、その処理をステップS105に移行する。ステップS105においては、気筒#1,#2,#3,#4各々に対応する気筒別排気寄与率なる補正係数Kex(1),Kex(2),Kex(3),Kex(4)を求める。ここで気筒別排気寄与率とは、触媒41に流入する各気筒#1〜#4由来の排気について、個々の気筒について、当該気筒から排出された排気のうち、浄化寄与ガス(EGR通路60に回り込まずに触媒41に達する排気の割合に相当する。
【0055】
すなわち、任意の気筒#nに関し、後行程噴射によって供給される燃料の量(気筒別後行程噴射量)の最終値qhcfin(n)と、触媒41への到達量qhcact(n)との関係は、次式(i)によって表される。
qhcact(n)=qhcfin(n)×Kex(n) …(i)
従って、先のステップS103で求めた個々の気筒についての気筒別後行程噴射量qhc(n)を、次式(ii)に従って補正することで最終値qhcfin(n)として採用すれば、補正前の気筒別後行程噴射量qhc(n)と等量の還元成分(HC)が触媒41に到達するようになる。
qhcfin(n)=qhc(n)/Kex(n) …(ii)
上記演算式(ii)に従い個々の気筒#1〜#4について気筒別後行程噴射量qhc(1)〜qhc(4)を、次式(ii)に従って補正することで最終値qhcfin(1)〜qhcfin(4)を求めた後、ECU80は本ルーチンでの処理を一旦終了する。
【0056】
ここで、個々の気筒に関する気筒別排気寄与率Kex(n)は、主噴射にかかる噴射量Qmainと、エンジン回転数Neとに基づき、予め設定されるマップを参照して求める。
【0057】
図4は、任意の気筒#nについて予め設定されるマップ上での気筒別排気寄与率Kex(n)、主噴射にかかる燃料噴射量Qmain、およびエンジン回転数Ne相互間の関係を概略的に示す関係図である。なお、図中に示す曲線L10,L20,L30,L40は、各々が気筒別排気寄与率Kexの等量線に相当する。ちなみに、等量線L10,L20,L30,L40上の気筒別排気寄与率Kex10,Kex20,Kex30,Kex40は、相互間で、Kex10>Kex20>Kex30>Kex40なる関係を有する。また、斜線部は、排気還流を行わない領域、言い換えるとEGR弁61が全閉状態にある領域に相当する。
【0058】
エンジンの各種運転状態に対応する気筒別排気寄与率Kexの特性は、当該エンジン、とくに排気系やEGR通路の内部構造、或いは各気筒の配置等によって異なる。しかしながら、エンジンの回転数や出力が高まり各気筒から排出される排気の流量が大きくなると、概して、EGR通路に回り込む排気の量が全排気量に対し相対的に減少することとなる。
【0059】
同図4に示すように、本実施の形態のエンジン100において、実験等で予め設定される気筒別排気寄与率Kexは、主噴射にかかる燃料噴射量Qmainが大きくなるほど、またエンジン回転数Neが高くなるほど、大きくなる傾向にある。
【0060】
上記処理手順に基づき、本ルーチンでは、還元剤添加の要求に応じて適宜気筒別後行程噴射量(最終値)qhcfin(n)を算出する。ECU80は、ここで算出された気筒別後行程噴射量(最終値)qhcfin(n)を採用し、各気筒への後行程噴射を別途ルーチン(図示略)に従い実行することとなる。上述したように、各気筒への後行程噴射によって触媒41に到達する還元成分(HC)は後行程噴射総量qhctotalの4分の1の量に相当するため、気筒#1〜#4全てに一回ずつ後行程噴射が実行されることで、触媒41にとって、吸蔵されているNOxの放出及び還元浄化と、自身のNOx吸収能力の再生とに今回必要とされる還元剤(燃料)の添加供給が完了する。
【0061】
ここで、従来の排気浄化装置では、各気筒の燃焼室から排出される全排気のうち、EGR通路に流れ込む排気と排気系下流に向かう排気との分配比が、各気筒への後行程噴射に適用される燃料噴射量、言い換えると、各気筒由来の排気に対する還元剤の添加量に反映されていなかった。このため、各気筒から排出される排気について上記NOx触媒の機能を活用すべく行う還元剤の添加(後行程噴射)が定量的に実施されても、どの気筒を起源とする排気について還元剤の添加(後行程噴射)が実施されたかにより、また、トルクやエンジン回転数等、エンジンの運転状態の変動に起因し、NOx触媒に対する還元成分(HC)の到達量にばらつきが生じていた。
【0062】
この点、本実施の形態にかかるエンジン100の排気浄化装置では、当該エンジン100の運転中に、排気系下流のNOx触媒に直接流入する排気と、EGR通路60を通じて吸気系に回り込む排気との分配比を、気筒毎に、また運転状態に応じて変動するパラメータとして記憶し、各気筒への後行程噴射に適用される燃料噴射量に反映させる制御を実施する。
【0063】
従って、上記分配率が、各気筒間から排出される排気について相互に異なっていたり、さらにそれら異なる分配比がエンジン100の運転状態に応じて変動する場合であれ、各気筒由来の排気に供給される還元成分(HC)量の気筒間ばらつき、さらにはエンジン100の運転状態の変動に起因するばらつきが共に低減される。よって、排気系40下流の触媒41に対し、所望量の還元剤(排気中の還元成分)が有効に、且つ安定して作用するようになる。
【0064】
結果として、触媒41に、安定した浄化機能が保証されるようになる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明にかかる内燃機関の排気浄化装置をディーゼルエンジンシステムに適用した第2の実施の形態について、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0065】
なお、当該第2の実施の形態にあって、適用対象とするエンジンの構成や、ECU及びその周辺の電気的構成(図1参照)は先の第1の実施の形態と同一である。このため、同等の機能および構造を有する部材やハードウエア構成等については同一の符号を用い、ここでの重複する説明は割愛することとする。
【0066】
先の第1の実施の形態の排気浄化装置では、エンジン100の気筒#1〜#4各々について、気筒別排気寄与率Kexを求め、触媒41に流入する各気筒#1〜#4由来の還元成分(HC)の供給量が、等量(後行程噴射総量qhctotalの4分の1の量)となるように調整を行うこととした。
【0067】
このような制御態様に替え、第2の実施の形態の排気浄化装置では、特定の気筒を選定し、後行程噴射総量qhctotal相当の燃料を、当該選定された気筒のみを介して触媒41に供給する。
【0068】
図5は、本実施の形態における「後行程噴射量算出ルーチン」を示すフローチャートである。同ルーチンは、先の第1の実施の形態で説明した「後行程噴射量算出ルーチン」(図2参照)のうち、ステップS105〜S108の処理内容を、図5中において破線で囲ったステップS205〜S207の処理内容に変更したものである。
【0069】
すなわち、本ルーチンに処理が移行すると、ECU80は先ず、先の第1の実施の形態の「後行程噴射量算出ルーチン」におけるステップS101〜S104と同等の処理手順に従い、還元剤添加の要求の有無の確認(ステップS101)、要求HC量の算出(ステップS102)、後行程噴射総量および気筒別後行程噴射量の算出(ステップS103)、並びにEGRが全閉状態にあるか否かの判断(ステップS104)を順次行う。
【0070】
そして、上記ステップS104においてEGR弁61が全閉状態であると判断した場合、第1の実施の形態と同じくECU80は、ステップS103で求めた個々の気筒についての気筒別後行程噴射量qhc(n)を各々最終値qhcfin(n)として記憶した上で、本ルーチンにおける処理を一旦終了する。この場合ECU80は、上記処理手順に基づき算出された気筒別後行程噴射量(最終値)qhcfin(n)を採用し、別途ルーチン(図示略)に従って気筒#1〜#4全てに1回ずつ後行程噴射を実施する。
【0071】
一方、上記ステップS104においてEGR弁61が全閉状態でないと判断した場合、ECU80はその処理をステップS205に移行する。ステップS205においては、各気筒#1〜#4について、気筒別後行程噴射量qhc(n)およびエンジン回転数Neに基づき気筒別排気寄与率Kex(n)を算出し、気筒別排気寄与率Kex(n)が最も大きな気筒を、後行程噴射を実行する特定気筒として選定する。
【0072】
続くステップS206において、ECU80は、上記ステップ205で選定した特定気筒についての気筒別後行程噴射量qhcを、第1の実施の形態で説明した演算式(ii)に従って補正し、その最終値qhcfinを得る。ステップS206での処理を経た後、ECU80は、本ルーチンでの処理を一旦終了する。
【0073】
本ルーチンにおいて、上記一連の処理手順(ステップS205及びS206)を通じ特定気筒についての気筒別後行程噴射量(最終値)qhcfinが得られた場合、ECU80は、別途ルーチン(図示略)に従い当該特定気筒についてのみ後行程噴射を実施する。このとき、気筒別後行程噴射量(最終値)qhcfin(n)の後行程噴射を一気筒(特定気筒)に実施することによって触媒41へ到達する還元成分(HC)の到達量qhcact(n)(演算式(i),(ii)参照)は、後行程噴射総量qhctotalの4分の1の量にあたる。従って、特定気筒に対し、気筒別後行程噴射量(最終値)qhcfinの後行程噴射が4回実行されることで、触媒41にとって、吸蔵されているNOxの放出及び還元浄化と、自身のNOx吸収能力の再生とに今回必要とされる還元剤(燃料)の添加供給が完了することになる。
【0074】
以上、説明したように、本実施の形態にかかるエンジン100の排気浄化装置によれば、気筒別排気寄与率Kex(n)が最も大きな気筒を、後行程噴射を実行する特定気筒として選定する(優先的に適用する)ことにより、後行程噴射量の補正が最小となる。また、補正を行う対象も、選定された特定気筒に対する後行程噴射量に限られるため、補正結果として得られるデータの再現性も高まる。
【0075】
よって、各気筒由来の排気に供給される還元成分(HC)量の気筒間ばらつき、さらにはエンジン100の運転状態の変動に起因するばらつきが、より低減されるようになる。
【0076】
すなわち、排気系40下流の触媒41に対し、所望量の還元剤(排気中の還元成分)が有効に、且つ安定して作用し、同触媒41にとって、一層安定した浄化機能が保証されるようになる。
【0077】
なお、本実施の形態においては、エンジン100に搭載された4本の気筒のうち、1気筒のみを、後行程噴射を実行する特定気筒として選定する(優先的に適用する)こととした。これに対し、気筒別排気寄与率Kexの比較的高い2本若しくは3本の気筒を特定気筒群として選定し、本実施の形態にかかる「後行程噴射量算出ルーチン」と同様の制御ロジックを適用してもよい。
(第3の実施の形態)
次に、本発明にかかる内燃機関の排気浄化装置をディーゼルエンジンシステムに適用した第3の実施の形態について、第1及び第2の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0078】
なお、当該第3の実施の形態にあっても、適用対象とするエンジンの構成や、ECU及びその周辺の電気的構成(図1参照)は先の第1及び第2の実施の形態と同一である。このため、同等の機能および構造を有する部材やハードウエア構成等については同一の符号を用い、ここでの重複する説明は割愛することとする。
【0079】
エンジン100のEGR通路60を通過(還流)する排気中のHC量が増加すると、当該通路60の内壁に煤等が堆積し易くなる。EGR通路60の通路内壁は、EGRクーラ62による強制冷却が行われるため、排気中に含まれるガス状の未燃燃料や浮遊粒子等が煤等として堆積し易く、また一旦堆積した煤等が付着し易い条件下にある。また、その通路面積が比較的小さいため、煤等が堆積或いは付着することで、当該通路60内における排気の流れが滞る状態や、同通路60が閉塞する状態が発生し易い。
【0080】
そこで、第3の実施の形態の排気浄化装置では、特定の気筒を選定し、後行程噴射総量qhctotal相当の燃料を当該選定された気筒のみを介して触媒41に供給する上記第2の実施の形態同様の制御と、一回毎の後行程噴射量について上限を設定し、EGR通路60内壁への煤の堆積等を抑制する制御とを併せ行う。
【0081】
図6は、本実施の形態における「後行程噴射量算出ルーチン」を示すフローチャートである。同ルーチンは、先の第2の実施の形態で説明した「後行程噴射量算出ルーチン」(図5参照)における処理内容のうち、ステップS206の後に、図6中において破線で囲ったステップS307,S308およびS309を付加したものである。
【0082】
すなわち、本ルーチンに処理が移行すると、ECU80は先ず、先の第2の実施の形態の「後行程噴射量算出ルーチン」におけるステップS101〜S104、並びにステップS205及びS206と同等の処理手順に従い、還元剤添加の要求の有無の確認(ステップS101)、要求HC量の算出(ステップS102)、後行程噴射総量および気筒別後行程噴射量の算出(ステップS103)、EGRが全閉状態にあるか否かの判断(ステップS104)、特定気筒の選定(ステップS205)、並びに当該特定気筒に関する気筒別後行程噴射量の補正(ステップS206)を順次行う。
【0083】
ステップS206を経た後、続くステップS307においてECU80は、特定気筒に対し上記ステップS206で求めた気筒別噴射量(最終値)qhcfinを採用して後行程噴射を行う場合、1回の後行程噴射によってEGR通路に回り込むと推定される還元成分(HC)の量(以下、EGR回り込みHC量)Qhcegrを算出する。EGR回り込みHC量Qhcegrは、以下の手順に従って求める。
【0084】
先ず、排気系40に流れ込むHC全量HctotalとEGR通路60に回り込むHC量Hcegrとの比率(Hcegr/Hctotal;以下、HC増加量比率という)を、主噴射にかかる燃料噴射量Qmainと、エンジン回転数Neとに基づき予め設定されたマップを参照して求める。
【0085】
図7は、マップ上におけるHC増加量比率(Hcegr/Hctotal)、主噴射にかかる燃料噴射量Qmain、及びエンジン回転数Ne相互間の関係を概略的に示す関係図である。
【0086】
エンジンの各種運転状態に対応するHC増加量比率(Hcegr/Hctotal)の特性は、当該エンジン、とくに排気系やEGR通路の内部構造、或いは各気筒の配置等によって異なる。しかしながら、エンジンの回転数や出力が高まり各気筒から排出される排気の流量が大きくなると、概して、EGR通路に回り込む排気の量が全排気量に対し相対的に減少することとなり、排気中に含まれるHC全量に対し、EGR通路60に回り込むHC量の比率も減少することとなる。
【0087】
すなわち、同図7に示すように、本実施の形態のエンジン100において、主噴射にかかる燃料噴射量Qmainが高くなるほど、また、エンジン回転数Neが高くなるほどHC増加量比率(Hcegr/Hctotal)は低くなる傾向にある。HC増加量比率(Hcegr/Hctotal)の示すこのような特性は、図4を併せ参照して明らかなように、EGR通路60に回り込まない排気の分配率を反映する気筒別排気寄与率Kexのようなパラメータの特性とは、概ね相反するものになる。
【0088】
次に、このようにして求めたHC増加量比率(Hcegr/Hctotal)と気筒別噴射量(最終値)qhcfinとに基づき、EGR回り込みHC量Qhcegrを、例えば次式(iii)に従って算出する。
Qhcegr=qhcfin×(Hcegr/Hctotal)…(iii)
こうしてEGR回り込みHC量Qhcegrを得た後、ECU80はその処理をステップS308に移行する。
【0089】
ステップS308では、上記ステップS307で算出したEGR回り込みHC量QhcegrがHC限度量Limhc以下であるか否かを判断する。HC限度量Limhcは、一回の後行程噴射によってEGR通路60内に流入するHCにとって、同通路60内壁に煤等の堆積を生じさせないための限度量に相当する。HC限度量Limhcは、触媒41上流の排気温度TexUと、EGR通路60内のガス流量(排気還流量)Gegrとに基づき予め設定されたマップを参照して求める。なお、排気還流量Gegrは、吸気量Ga及びEGR弁61の開弁量等に基づいて推定する。
【0090】
図8は、マップ上におけるHC限度量Limhc、触媒41上流の排気温度TexU、及び排気還流量Gegr相互間の関係を概略的に示す関係図である。
【0091】
同図8に示すように、触媒41上流の排気温度TexUが高いほど、また排気還流量Gegrが大きいほど、HC限度量Limhcも高い数値に設定される。同等のHCを含むガスであっても、温度が高く、また、その流速が大きくなるほどHCを堆積させにくいためである。
【0092】
そこでECU80は、EGR回り込みHC量QhcegrがHC限度量Limhを上回っていると判断した場合には、S206で求めた気筒別後行程噴射量(最終値)qhcfinを、EGR回り込みHC量がHC限度量を上回らないようにを再補正する。この場合、後行程噴射により噴射される燃料の総量(本実施の形態ではS206で求めた気筒別後行程噴射量qhcfinの4倍)は不変として、特定気筒について各回の後行程噴射で採用される気筒別後行程噴射量qhcfinを減量する一方、後行程噴射の回数を増加させる制御を行えばよい。
【0093】
一方、EGR回り込みHC量QhcegrがHC限度量Limh以下であると判断した場合には、S206で求めた気筒別後行程噴射量(最終値)qhcfinや後行程噴射の回数を再補正することなく本ルーチンでの処理を一旦終了する。
【0094】
以上、説明したように、本実施の形態にかかるエンジン100の排気浄化装置によれば、後行程噴射を実施した結果、排気に含まれこととなる排気中の還元成分(HC)のうち、EGR通路60に流入するHCの流入量が的確に把握され、且つ当該流入したHCが煤等としてEGR通路60内に堆積するに至らしめる量に達することを好適に抑制することができるようになる。
【0095】
よって、排気系40に供給された燃料、又は燃料を起源とする還元成分(HC)が、EGR通路60に回り込み、同通路内に滞留することで、同通路を詰まらせたり、通路面積を小さくすることもない。
【0096】
従って、触媒41の機能保持と、EGR通路60の機能保持とが好適に両立されるようになる。
(他の実施の形態)
なお、上記第1〜第3の実施の形態において説明した制御構造、すなわち後行程噴射算出手順と同等の制御手順を用いてNOx触媒へ還元剤を供給する制御構造を、図1におけるエンジン100とは異なる構成を有するエンジンシステムに適用することもできる。
【0097】
図9に示すように、エンジン100’は、上記第1〜第3の実施の形態にかかるエンジン100の基本構成に、気筒#1の排気ポート40aに取り付けられた燃料添加ノズル17や、同燃料添加ノズル17に燃料を移送する添加燃料通路P2等を付加したディーゼルエンジンシステムである。
【0098】
エンジン100’において、サプライポンプ11は、燃料タンクから汲み上げた燃料の一部を添加燃料通路P2を介して燃料添加ノズル(還元剤噴射ノズル)17に供給する。添加燃料通路P2の通路途中には、サプライポンプ11から燃料添加ノズル17に向かって遮断弁14及び調量弁16が順次配設されている。遮断弁14は、緊急時において添加燃料通路P2を遮断し、燃料供給を停止する。調量弁16は、燃料添加ノズル17に供給する燃料の圧力(燃圧)を制御する。燃料添加ノズル17は所定圧以上の燃圧(例えば0.2MPa)が付与されると開弁し、排気系40(排気ポート40a)内に燃料を噴射供給する機械式の開閉弁である。すなわち調量弁16により燃料添加ノズル17上流の燃圧が制御されることにより、所望の燃料が適宜のタイミングで燃料添加ノズル17より噴射供給(添加)される。
【0099】
このように構成されたエンジン100’では、燃料添加ノズル17を通じて排気系40の触媒41上流に添加される燃料の添加量や添加タイミングがECU80を通じて制御されることにより、触媒41に導入される排気中の酸素濃度やHC成分が調整される。
【0100】
当該他の実施の形態においては、排気系40に設けられた触媒41、触媒41に導入される排気中の成分を調整する燃料添加装置10a、さらに燃料添加装置10aに燃料を圧送供給する燃料供給系10等が、ECU80と併せて、エンジン100’の排気浄化装置としての機能を担う。
【0101】
すなわち、エンジン100’のECU80は、燃料添加装置10aを通じ、適宜のタイミングで気筒#1の排気ポート40a内に燃料を噴射供給することで、各気筒への後行程噴射と同様に、排気中へ還元成分(HC)を添加する制御を実施する。
【0102】
具体的な制御手順に関しては、上記第1〜第3の実施の形態において説明した「後行程噴射量算出ルーチン」(図2、図5、及び図6参照)とほぼ同様の処理手順に従い、燃料添加装置10aを通じた排気ポート40aへの燃料噴射に供される燃料量を算出し、調量弁16の開閉弁制御を通じて定量的に燃料噴射を実施する。
【0103】
燃料噴射の実施は、予め設定されたマップ(図示略)に従い、例えば気筒#1が圧縮上死点後α°CAといった態様で、エンジン100’のクランクシャフトの回転位相に同期した所定のタイミングを選択して行う。
【0104】
なお、燃料添加装置10aを適用する燃料添加の実施態様では、還元剤添加の要求が有るか否かの判断(図2、図5、及び図6中のステップS101を参照)に関し、還元剤添加に伴うトルク変動等を生じさせないといった観点から設定される実施条件は、後行程噴射よりも緩和されることとなる。
【0105】
また、上記各実施の形態において適用することとした後行程噴射総量qhctotal(図2、図5、及び図6中のステップS103を参照)は、燃料添加装置10aを通じて排気中に添加される還元成分(HC)の総量に置き換えればよい。
【0106】
なお、燃料添加装置10aを適用する燃料添加の実施態様では、1回の燃料噴射で添加することのできる燃料量が比較的多いため、後行程噴射総量qhctotalを1回の燃料噴射によって完了することのできる機会も多い。
【0107】
ただし、後行程噴射総量qhctotalに相当する量の燃料を複数回に分割して噴射する場合には、エンジン100’のクランクシャフトの回転位相に同期する複数のタイミングを選択し、各タイミングで実施する燃料噴射に採用される燃料噴射量を、上記各実施の形態において適用することとした気筒別後行程噴射量qhcやその最終値qhcfin(図2、図5、及び図6中のステップS103等を参照)に置き換えて適用すればよい。
【0108】
また、排気系40におけるEGR回り込みガス及び浄化寄与ガスの分配比は、圧縮、燃焼、膨張、及び排気の各行程を順次繰り返す各気筒#1〜#4の動作タイミングによって特定することができる。従って、燃料添加装置10aを通じた燃料添加の実施タイミングを、エンジン100’のクランクシャフトの回転位相、言い換えれば、各気筒#1〜#4の動作タイミングと同期させることにより、燃料添加実施時のEGR回り込みガス及び浄化寄与ガスの分配比を、予め設定されたマップ等を参照して把握する。
【0109】
そして、後行程噴射総量qhctotalに相当する量の燃料を1回で噴射する場合であれ、複数回に分割して噴射する場合であれ、上記EGR回り込みガス及び浄化寄与ガスの分配比に基づいて補正すれば、所望量の還元成分(HC)を、適宜触媒41に流入させることができる。
【0110】
このように、排気系40におけるEGR回り込みガス及び浄化寄与ガスの分配比を還元剤の添加量に反映させる制御構造を、各気筒から排出された排気に直接還元剤を添加供給して触媒41の機能保持を図るエンジンシステムの排気浄化装置に適用しても、上記第1〜第3の実施の形態と同様、各気筒由来の排気に供給される還元成分(HC)量の気筒間ばらつき、さらには運転状態の変動に起因するばらつきを共に低減することができるようになる。
【0111】
当該他の実施の形態によっても、排気系40下流の触媒41にとって、所望量の還元剤(排気中の還元成分)が有効に、且つ安定して作用するようになり、結果として、同触媒41に、安定した浄化機能が保証されるようになる。
【0112】
なお、上記他の実施の形態において、触媒41への還元成分(HC)の供給にあたり、燃料添加装置10aによる排気ポート40aへの燃料噴射と、各気筒#1〜#4内での後行程噴射とを併用してもよい。後行程噴射の実行により、間接的に排気中へ還元成分(HC)を供給する態様では、当該後行程噴射により気筒内に噴射された燃料が高温条件に晒されて軽質化し、触媒41に対してより有効に作用するが、エンジンの運転状態(トルクや出力)に影響を及ぼしやすい傾向があるため、エンジンの運転状態が比較的安定しているとき(或いは運転領域)において適用されるのが好ましい。一方、燃料添加装置10aによるように、排気系40における触媒41上流に直接還元成分(HC)を添加供給する態様では、当該添加供給によるエンジンの運転状態への影響は小さく、1回の添加で大量の還元成分(HC)を触媒41に供給することができ、それが適用可能な運転領域も広い。そこで、後行程噴射と、燃料添加装置とを通じた還元成分の供給を、各々の特性に応じて適宜使い分けるように制御ロジックを構成し、両者について、EGR回り込みガス及び浄化寄与ガスの分配比が反映される還元剤噴射量の算出方法(制御手順)を適用することとしてもよい。
【0113】
また、上記他の実施の形態における燃料添加装置10aのように、内燃機関の排気系に還元剤を直接添加する装置構成を適用する場合、還元剤としてディーゼルエンジンの燃料(軽油)を適用する他、ガス中の還元成分としてNOxを還元する機能を有するものであれば、他の還元剤、例えばガソリン、灯油等を用いても構わない。
【0114】
また、上記他の実施の形態においては、燃料タンクからコモンレール12へ燃料を供給するサプライポンプ11を用いて、サプライポンプ11の汲み上げた燃料の一部を排気系40内に添加供給する装置構成を適用することとした。しかし、こうした装置構成に限らず、例えば添加燃料を燃料タンク、或いは他の燃料(還元剤)供給源から供給する独立した供給系を備える装置構成を適用してもよい。
【0115】
また、上記他の実施の形態において、燃料の排気系への添加にあたり、添加燃料通路P2を介して供給される燃料の圧力を調量弁16によって制御し、その圧力制御によって燃料添加ノズル17の開閉弁動作を制御する構成を適用している。これに対し、例えば燃料噴射弁13のように、ECU80による通電を通じて直接開閉弁動作を制御される電磁弁等を燃料添加を行う噴射弁として適用してもよい。
【0116】
また、上記各実施の形態においては、本発明の排気浄化装置を内燃機関としての直列4気筒のディーゼルエンジンに適用することとしたが、希薄燃焼を行うガソリンエンジンにも好適に本発明を適用することができる。また、直列4気筒の内燃機関に限らず、搭載気筒数の異なる内燃機関にも本発明を適用することはできる。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、内燃機関の運転中に、排気系下流のNOx触媒に直接流入する分量と、吸気系に還流する分量との分配比が、各気筒間から排出される排気について、相互に異なっていたり、さらにそれら異なる分配比が当該機関の運転状態に応じて変動する場合であれ、各気筒由来の排気に供給される還元剤の成分量のばらつきが最小化される。よって、排気系下流のNOx触媒に対し、所望量の還元剤(排気中の還元成分)が有効に、且つ安定して作用するようになる。
【0118】
また、供給される還元剤がより高い比率でNOx触媒に到達する排気を、各気筒由来の排気から選択し、選択された排気に対し優先的に還元剤を供給することとなるため、供給される還元剤がより有効に活用されるばかりでなく、必要量の還元成分を定量的にNOx触媒へ到達、若しくは作用させる制御を実施する上で、当該制御にかかる精度や安定性も向上するようになる。
【0119】
また、排気系に供給された還元剤、又は還元剤を起源とする成分が、排気還流通路に回り込み、当該通路内に滞留することで、同通路を詰まらせたり、通路面積を小さくすることもなくなる。従って、当該内燃機関にとって、NOx触媒の機能保持と、排気還流の機能保持とが好適に両立されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるディーゼルエンジンシステムを示す概略構成図。
【図2】同実施の形態における後行程噴射量算出手順を示すフローチャート。
【図3】要求HC量、触媒を通過する排気流量、及び触媒上流の排気温度について、マップ上における相互間の関係を概略的に示す関係図。
【図4】気筒別排気寄与率、主噴射にかかる燃料噴射量、及びエンジン回転数について、マップ上における相互間の関係を概略的に示す関係図。
【図5】本発明の第2の実施の形態における後行程噴射量算出手順を示すフローチャート。
【図6】本発明の第3の実施の形態における後行程噴射量算出手順を示すフローチャート。
【図7】HC増加量比率、主噴射にかかる燃料噴射量、及びエンジン回転数について、マップ上における相互間の関係を概略的に示す関係図。
【図8】HC限度量、触媒上流の排気温度、及び排気還流量について、マップ上における相互間の関係を概略的に示す関係図。
【図9】本発明の他の実施の形態にかかるディーゼルエンジンシステムを示す概略構成図。
【符号の説明】
10 燃料供給系
11 サプライポンプ
12 コモンレール
13 燃料噴射弁
20 燃焼室
30 吸気系
31 インタークーラ
32 スロットル弁
40 排気系
41 吸蔵還元型NOx触媒(還元触媒)
42 触媒ケーシング
50 ターボチャージャ
51 シャフト
52 排気側タービンホイール
53 吸気側タービンホイール
60 EGR通路
61 EGR弁
62 EGRクーラ
70 レール圧センサ
71 燃圧センサ
72 エアフロメータ
73 空燃比センサ
74a,74b 排気温センサ
75 アクセル開度センサ
76 クランク角センサ
80 電子制御装置(ECU;還元剤供給量決定手段、分配比認識手段、補正手段、制限手段等を構成)
81 中央処理装置(CPU)
82 読み出し専用メモリ(ROM)
86 外部入力回路
87 外部出力回路
88 双方向性バス
100 エンジン(内燃機関)
P1 機関燃料通路
Claims (3)
- 複数の気筒を有する内燃機関の排気系に設けられ、当該排気系を通じて導入される排気中の窒素酸化物を還元成分の存在下で浄化するNOx触媒と、前記NOx触媒に導入される排気中に還元剤を供給する還元剤供給手段と、前記排気系の前記NOx触媒上流から当該機関の吸気系に排気を還流させる排気還流通路と、前記還元剤供給手段の供給する還元剤の供給量を決定する還元剤供給量決定手段と、各気筒由来の排気について、前記NOx触媒に導入される排気量と前記吸気系に還流される排気量との分配比を認識する分配比認識手段と、前記認識される分配比に基づいて、前記決定される還元剤の供給量を、前記吸気系に還流される排気量に対する前記NOx触媒に導入される排気量の比率が高い程、還元剤の供給量が少なくなるように補正する補正手段とを有してなることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
- 複数の気筒を有する内燃機関の排気系に設けられ、当該排気系を通じて導入される排気中の窒素酸化物を還元成分の存在下で浄化するNOx触媒と、前記NOx触媒に導入される排気中に還元剤を供給する還元剤供給手段と、前記排気系の前記NOx触媒上流から当該機関の吸気系に排気を還流させる排気還流通路と、前記還元剤供給手段の供給する還元剤の供給量を決定する還元剤供給量決定手段と、各気筒由来の排気について、前記NOx触媒に導入される排気量と前記吸気系に還流される排気量との分配比を認識する分配比認識手段と、前記認識される分配比に基づいて、前記決定される還元剤の供給量を補正する補正手段と、を有し、前記還元剤供給手段は、前記各気筒に由来する排気のうち、前記吸気系に還流される排気量に対して、前記NOx触媒に導入される排気量の分配比が大きくなる気筒由来の排気中に、優先的な還元剤供給を行うことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
- 前記補正される還元剤の供給量を所定の上限量以下に制限する制限手段をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の排気浄化装置。
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