JP2000119922A - 繊維機械の管理システム - Google Patents

繊維機械の管理システム

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JP2000119922A
JP2000119922A JP10288593A JP28859398A JP2000119922A JP 2000119922 A JP2000119922 A JP 2000119922A JP 10288593 A JP10288593 A JP 10288593A JP 28859398 A JP28859398 A JP 28859398A JP 2000119922 A JP2000119922 A JP 2000119922A
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maintenance work
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machine
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Shujiro Suzuki
修二郎 鈴木
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Murata Machinery Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各オペレータの保守作業の能率を的確に把握
することができるようにする。 【解決手段】 報知部材(報知手段)22を備えた多数
の巻取錘が並設され、オペレータによる所定の保守作業
が必要な際には報知部材22を突出状態とする空気紡績
機の管理システムにおいて、報知部材22が保守作業要
求状態にあることを検出する検出手段30と、検出手段
30の検出結果に基づいて、報知部材22が保守作業要
求状態となっている処理時間を計測するタイマ13と、
報知部材1回当たりの平均処理時間を算出する手段と、
算出した平均処理時間を表示する表示器8とを備え、表
示器8に表示される平均処理時間は所定時間毎に自動的
に更新される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数の巻取錘を並
設し、各錘毎にオペレータ等による保守作業が必要な旨
を報知する報知手段を有した繊維機械の管理システムに
関し、特に保守作業要求状態の継続時間を計測し、それ
によりオペレータの作業能率を適切に把握することがで
きる繊維機械の管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多数の巻取錘を並設し、その巻取
錘に沿って糸継ぎ装置を備えた糸継ぎ台車が走行する空
気紡績機が知られている。また、糸継ぎ装置を備えた多
数の巻取錘を並設し、各錘毎に精紡ボビンの欠点を監視
しつつ巻取りを行う自動ワインダーが知られている。こ
のような空気紡績機や自動ワインダー等の繊維機械で
は、各錘毎に走行糸の糸欠点を検出するための糸監視器
が備えられ、糸欠点を検出すると、走行する糸を切断す
るとともに糸欠点を除去し、糸継装置により給糸側の糸
と巻取り側の糸とを糸継ぎした後、再度巻取りを再開す
るようになっている。空気紡績機での糸継ぎ作業は、巻
取錘からの要求に応じてその巻取錘に停止した糸継ぎ台
車により行われる。また、自動ワインダーでの糸継ぎ作
業は、各錘毎に備えた糸継ぎ装置により各錘毎個別に任
意のタイミングで行われる。
【0003】例えば空気紡績機において、糸監視器では
糸欠点を検出せずに糸切れした場合(自然糸切れ)や糸
継ぎ台車による糸継ぎ作業を失敗した場合、それらの原
因は紡績ノズル詰まり,口出し失敗或いはスライバ無し
等が考えられる。これらの原因はオペレータによる保守
作業を必要とするものであり、その錘では、オペレータ
に保守作業(空気紡績用ノズルの清掃,パッケージのか
らみ除去或いはスライバの有無チェック等)を促すため
の報知手段(報知部材)が作動する。この報知手段は、
各錘毎に設けられ、通常の巻取中は退入しているが、保
守作業が必要になった際には前面側に突出し、それによ
り保守作業を必要としている錘をオペレータが容易に認
識できるようになっている。また、自動ワインダーにも
同様の報知手段があり、各錐毎の糸継ぎ装置によって糸
継ぎ動作を予め設定した複数回連続して失敗した場合
に、その報知手段が作動してオペレータに保守作業を要
求するようになっている。
【0004】上記のように、糸継ぎミス等により外部か
らの保守作業の要求が生じた場合、その旨を報知して外
部に保守作業を促すとともに巻取りを中断した状態で待
機し、オペレータ等による所定の保守作業完了後、報知
手段の解除操作が行われると再度巻取りを再開するよう
な繊維機械が知られている。
【0005】通常、繊維機械の工場では、工場全体を空
間的に複数の区分に分割し、各区分毎にそれぞれオペレ
ータが報知手段の監視及び保守作業を行っている。ま
た、繊維機械の工場では、終日連続運転される場合が多
く、空間的に分割された各区分のそれぞれを時間的にも
複数の区分(例えば、1日24時間を8時間毎に3つの
区分)に分割し、各区分毎にそれぞれオペレータが報知
手段の監視及び保守作業を行っている。各オペレータ
は、自分の担当する区分(機台)での上記の報知手段が
作動すると、直ちにその巻取錘まで移動して所定の保守
作業を行う。機台の稼働効率を向上させるには、報知手
段が作動した後(保守作業の要求が生じた後)、できる
だけ短時間で保守作業を完了して巻取りを再開すること
が望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】報知手段が保守作業要
求状態となってから保守作業が完了するまでの平均処理
時間は、オペレータの積極性や能力によって大きく異な
る場合がある。しかしながら、従来は、それを考慮せず
に、機台に対するオペレータの担当区分の決定が行われ
ていた。それにより、能力(作業能率)の低いオペレー
タに多くの機台が割り当てられて無駄な巻取りの中断が
あったり、逆に能力の高いオペレータに少ししか機台が
割り当てられずに、そのオペレータの能力を有効に活用
することができないという問題が生じることがあった。
【0007】また、従来、機台の稼働効率や報知手段の
作動回数を測定・表示することは行っていたが、それら
は基本的には機台の状態を管理するためのものであり、
それらのデータからオペレータの作業状態(作業能率)
を的確に管理することはできなかった。また、機台の状
態を管理するためのデータのみからでは、各オペレータ
の作業能率に応じた適正な給与の設定も困難であった。
【0008】本発明は、このような課題に鑑みてなされ
たもので、その目的は、オペレータの保守作業を必要と
する報知手段が作動してから、それが解除されて巻取り
が再開されるまでの処理時間を求めることで、各オペレ
ータの作業能率を的確に把握することができる管理シス
テムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、報知手段を備えた多数の巻
取錘が並設され、オペレータによる所定の保守作業が必
要な際には報知手段を保守作業要求状態とする繊維機械
の管理装置において、報知手段が保守作業要求状態にあ
ることを検出する検出手段と、報知手段が保守作業要求
状態となっている処理時間を計測する計測手段とを備え
たことを特徴とするものである。これにより、例えば糸
継ぎミス等によりある錘で所定の保守作業が必要になる
と、その錘のボタン・ランプ等の報知手段を突出・点灯
させて保守作業を要求する状態とすることで、オペレー
タは報知手段の要求に応じて直ちにその錘に対して保守
作業を行うことができる。そして、保守作業が完了する
と、オペレータはボタンを押し込む等により報知手段の
保守作業要求状態を解除する。検出手段は、報知手段が
保守作業要求状態にあることを検出し、計測手段は、検
出手段により検出された保守作業要求状態の継続時間を
計測する。即ち、計測手段は、報知手段の保守作業要求
の開始から計測を開始し、その保守作業要求が解除され
るまで計測を継続することにより、保守作業要求状態の
継続時間である処理時間を計測することができる。この
処理時間を例えばオペレータ毎に算出・比較することに
より、各オペレータの作業能率を的確に把握することが
可能となる。
【0010】請求項2の発明は、前記計測手段の計測結
果に基づいてオペレータの作業能率を示すデータを表示
する表示手段を備えたものである。これにより、オペレ
ータの作業能率を迅速に把握することができる。
【0011】請求項3の発明は、前記保守作業要求状態
の発生回数を累積する手段と、1回毎の処理時間を加算
して合計処理時間を算出する手段と、それら累積回数及
び合計処理時間を用いて1回当たりの平均処理時間を算
出する手段とを備え、算出した平均処理時間を前記作業
能率を示すデータとして表示するようにしたものであ
る。これにより、例えば各オパレータ毎或いは各機台毎
に平均処理時間を算出することにより、それらの間での
保守作業の能率を適切に評価することができる。
【0012】請求項4の発明は、前記平均処理時間算出
手段は、巻取中に継続的に平均処理時間の算出を行い、
前記表示手段には、時間的に変化する平均処理時間を所
定時間毎に自動的に更新しながら表示するようにしたも
のである。これにより、オペレータは、保守作業を行い
ながら、随時変化していく平均処理時間を認識すること
ができる。
【0013】請求項5の発明は、前記平均処理時間の算
出対象となる空間的範囲及び/又は時間的範囲を設定可
能な入力手段を備えたものである。これにより、各オペ
レータ毎の平均処理時間を算出する際、その空間的分担
及び/又は時間的分担を変更した場合でも容易に対応で
きる。
【0014】
【実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図1〜6を
用いて説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、何ら
本実施の形態に限定されるものではない。尚、本実施の
形態においては、繊維機械の管理システムの一例とし
て、各機台が錘毎に保守作業要求を行う報知部材(報知
手段)を備え、その機台が複数並設された空気紡績機の
管理システムについて説明するが、各巻取錘(巻取ユニ
ット)毎に同様の報知手段を備えた自動ワインダーやそ
の他種々の繊維機械の管理システムに本発明が適用可能
なことは言うまでもない。
【0015】図1に示されるように、本実施の形態に係
る管理システムは、複数の機台(空気紡績機)1が並設
されて構成される。各機台1は複数の巻取錘(巻取りユ
ニット)が並設されて構成され、各機台端部にはその機
台を管理する機台管理装置2が設けられている。各機台
1の機台管理装置2は、通信ライン3を介して上位の上
位管理装置4に接続されている。この上位管理装置4
は、表示器(表示手段)5,キーボード(入力手段)
6,外部と通信するためのモデム(通信手段)7を有し
ている。例えば、上位管理装置4は、パソコン,ワーク
ステーション等から構成され、通信ライン3を介して各
機台1の機台管理装置2からデータを収集することがで
きる。
【0016】次に、各機台毎の管理システムについて図
2を用いて説明する。各機台管理システムは、機台管理
装置2と、各錘毎に設けられたユニット制御装置10
と、複数のユニット制御装置10を統括するスパン制御
装置11とを有している。機台管理装置2は、表示器
(表示手段)8及び操作パネル(入力手段)9を有して
いる。ユニット毎に設けられたユニット制御装置10
は、各ユニット(錘)の動作を個々に制御するものであ
り、例えば糸欠点を検出した場合にそのユニットに所定
の動作を行わしめる。機台1の長手方向に所定間隔で設
けられた複数のスパン制御装置11は、通信ライン14
を介して機台管理装置2と接続されている。機台管理装
置2は、通信ライン14を介してスパン制御装置11か
らデータの収集が行え、その収集したデータを適宜形態
で表示器8に表示できるようになっている。また、スパ
ン制御装置11は、マイコン12を搭載して種々の演算
処理を行うものであり、後述する処理時間算出用のタイ
マ(計測手段)13を有している。
【0017】図3を用いて機台1の概略構成を説明する
と、各巻取錘は、上流側からドラフト部15,空気紡績
ノズル16,デリベリローラ17,たるみ取りチューブ
18,糸監視器(ヤーンクリヤラ)19及び巻取部20
を有している。巻取部20において巻取りパッケージP
は、巻取ドラム21に接触しつつ回転して糸Yが巻き取
られる。
【0018】また、各巻取錘は、たるみ取りチューブ1
8の近傍に、オペレータによる保守作業を要求するため
の報知部材(報知手段)22を有している。この報知部
材22は手前側に突出可能となっており、巻取錘がオペ
レータによる保守作業を必要とする場合には、紡績(巻
取り)を中断するとともに突出状態となりオペレータに
報知するようになっている。紡績の中断は、ドラフト部
15のバックローラが停止するとともに、巻取りパッケ
ージPが巻取ドラム21から離反することにより行われ
る。尚、所定の保守作業が完了すると、オペレータが報
知部材を押し込むことにより保守作業要求状態は解除さ
れる。これらの動作制御は、ユニット制御装置10によ
り各巻取錘毎独立して行われる。本実施の形態では、突
出・退入により保守作業要求・要求解除を行う報知手段
について説明するが、その他、ランプの点灯・消灯等、
保守作業要求・要求解除を行う形態は種々の形態が考え
られる。
【0019】各巻取錘の前面側には、機台長手方向に沿
って糸継ぎ台車23が走行可能に配置されている。この
糸継ぎ台車23は糸継ぎ装置24を備えている。各ユニ
ット制御装置10は、糸監視器19により走行する糸Y
の糸欠点を検出した場合、図示しないカッターで直ちに
糸Yを切断するとともに、図示しないクラッチを切り離
してドラフト部15のバックローラを停止し、図示しな
いクレードルを移動させて巻取りパッケージPを巻取ド
ラム17から離反させて、紡績を中断するように制御す
る。巻取錘の紡績の中断は走行中の糸継ぎ台車23が検
出可能となっており、糸継ぎ台車23は紡績の中断して
いる錘を検出してその錘で停止し、巻取錘に対して所定
のサービス(糸継ぎ装置24による糸継ぎ動作)を行う
ようになっている。
【0020】ユニット制御装置10は、糸欠点を検出し
て糸切れを検知した際には報知部材22を作動させず、
自然糸切れの場合にのみ報知部材22を作動させる。即
ち、糸切れを検知した際、それがカッターの作動により
強制的に切断した場合には報知部材22は突出しない
が、カッターの作動なしに糸切れを検知した場合には、
自然糸切れが発生したとして保守作業要求を示すように
報知部材22が突出する。糸継ぎ台車23は、バックロ
ーラの停止を検出していても、その錘の報知部材22が
突出している場合には、その錘に対するサービスを行う
ことなく通過する。即ち、糸継ぎ台車23は報知部材2
2の突出状態を検出する検出手段29を有し、錘の停止
状態に加えて、報知部材22が退入していることを検出
した錘にのみ停止するようになっている。尚、後述する
ように、台車側だけでなく、固定側である機台1にも、
報知部材22の突出状態を検出する検出手段30が各巻
取錘毎に設けられている。
【0021】次に、スパン制御装置11での平均処理時
間の算出について説明する。スパン制御装置11は、報
知部材22の突出から解除までの時間(保守作業要求状
態の継続時間)を計測するタイマ(計測手段)13を備
えている。図4に、その平均処理時間(複数回の保守作
業要求における1回当たりの平均継続時間)の算出フロ
ーの一例を示す。図4に示すように、まず検出手段30
により報知部材22が突出したか否かが監視され(S
1)、突出したことを検出した場合には、累積して記憶
していたその機台での報知部材発生回数Aを1つ加算す
るとともに(S2)、直ちにタイマ13による時間計測
を開始する(S3)。尚、S1で報知部材22の発生を
検出しない場合には、検出するまで監視を続ける。
【0022】その後、報知部材22の突出が解除された
か否かを監視し(S4)、解除されなければタイマ13
での時間計測を継続して行い、解除されると、その計測
値(処理時間)Bを記憶するともに(S5)、その機台
1におけるそれまでの蓄積処理時間Cにその計測値Bを
加算する(S6)。そして、算出した蓄積処理時間Cを
報知部材発生回数Aで除することにより、その機台1で
の今までの平均処理時間Dを算出する。このようにスパ
ン制御装置11は、処理時間Bを計測するタイマ13を
有し、報知部材22の突出及び解除を検出してその間で
の時間を計測することにより、所定の期間における特定
錘分の全処理時間の平均(平均処理時間C)を算出する
ことができる。尚、スパン制御装置11は各錘毎独立し
て処理時間Bの算出が可能であり、その機台1において
複数錘で同時に報知部材22が突出した場合、同様の平
均処理時間Cの算出処理が並行して行われる。
【0023】また、スパン制御装置11は、各錘毎の稼
働効率(停止時間を含む全稼働時間に対する実際の稼働
時間)を算出する手段と、単位時間当たりの報知部材作
動の回数を示す報知部材頻度及び報知部材作動の累積回
数を示す報知部材累積回数を算出する手段とを有してい
る。上記の平均処理時間Cに加えてこれらの稼働効率や
報知部材頻度等は、通信ライン14を介して機台管理装
置2に送信される。機台管理装置2は、各スパン制御装
置11から受信したデータをまとめ、その機台1全体の
データを作成し、それに基づいて表示器8に上記項目を
機台1毎に表示可能となっている。
【0024】表示器8での表示例を図2に示す。図2の
例は1つの機台1に相当するデータであり、算出した平
均処理時間Cは、稼働効率及び報知部材頻度と並べて同
一画面上に表示されている。このように、各機台管理装
置2の表示器8には、各機台1毎の平均処理時間等の算
出データが表示されるようになっている。
【0025】機台管理装置2は、所定時間毎に最新の上
記平均処理時間等の算出データをスパン制御装置11か
ら収集し、それに合わせて表示器8の表示内容も所定時
間毎(例えば2分毎)に更新されるようになっている。
このように平均処理時間等の表示内容を随時更新してい
くことで、作業中のオペレータは刻々と変化していく表
示内容を設定目標に近付けるように作業することができ
る。
【0026】尚、機台管理装置2の表示器8に、隣接す
る或いはそれ以外の他の機台1の算出データをも表示で
きるようにしてもよい。即ち、1つの機台管理装置2の
表示器8に、複数の機台1についての算出データを同時
或いは切り換えて表示するようにしてもよい。それによ
り、オペレータは他の機台の状況或いは他のオペレータ
の作業状況を容易に知ることができる。
【0027】また、機台管理装置2には、入力手段9を
介して平均処理時間等の算出データの空間的な算出対象
範囲(何錘目から何錘目まで)を適宜設定可能となって
いる。このようにすることで、1つの機台1を複数のオ
ペレータが担当する場合でも、各オペレータ毎に平均処
理時間等を算出することができる。尚、本実施の形態で
は、8錘毎にスパン制御装置11があり、設定可能な算
出対象範囲の最低単位は8錘とするが、それに限定され
るものではない。
【0028】また、本実施の形態では、図1に示すよう
に、複数の機台管理装置2は通信ライン3を介して上位
管理装置4に接続されているので、各機台1で算出した
平均処理時間Cを含めた表示用のデータは任意に上位管
理装置4に送信することができる。この上位管理装置4
にも、入力手段6を介して、平均処理時間等の空間的な
算出対象範囲を適宜設定可能となっている。オペレータ
が複数の機台1を担当する場合、入力手段6を介してそ
の旨を予め設定しておくことで、上位管理装置4の表示
器5にオペレータ毎の平均処理時間等の算出データを表
示することができる。例えば、あるオペレータが第1機
台〜第10機台を担当する場合、上位管理装置4は、第
1〜第10機台の機台管理装置2から受信したデータを
合わせたデータを作成し、そのオペレータ用のデータと
して表示することができる。このように、上位管理装置
4では、入力手段6による設定に応じて、各機台管理装
置2から収集したデータを任意の対象範囲に相当するデ
ータに修正することができる。
【0029】次に、報知部材22の突出・退入構造につ
いて説明すると、図5に示すように、報知部材22は支
軸25を軸として揺動自在になっており、通常の紡績中
(巻取中)においては保持手段により退入状態(図中1
点鎖線で示す状態であり、図中2点鎖線で示す機台面よ
り退入している状態)に保持されている。この保持手段
は、報知部材22の一部に取付けられた非吸着部材26
と、退入状態でその非吸着部材26に対向するように機
台1の適宜箇所に配置された吸着部材27とより構成さ
れている。
【0030】また、その保持手段による吸着力に抗し
て、報知部材22を突出状態(図中実線で示す状態であ
り、図中2点鎖線で示す機台面より突出している状態)
になるように付勢する付勢手段が設けられている。この
付勢手段は、機台1の適宜箇所と報知部材22の適宜箇
所との間に配置されたスプリング28により構成されて
いる。このような構成により、通常の紡績中に、上述し
たように、オペレータによる保守作業が必要なケースが
生じた場合、吸着部材27による吸着力をOFFするこ
とにより、スプリング28の付勢力により報知部材22
は突出状態となるように構成されている。尚、この吸着
部材27のON・OFFは上述したユニット制御装置1
0により行われる。一旦OFFされた吸着部材27は適
宜時間経過後に自動的にONされ、その後にオペレータ
によりスプリング28の付勢力に抗して報知部材22が
押し込まれた際には、再度報知部材22が退入位置に保
持されるようになっている。
【0031】図5において、29は糸継ぎ台車23の適
宜箇所に取り付けられたセンサであり、走行しながら突
出状態にある報知部材22を検出するためのものであ
る。そして、このセンサの検出結果に応じて、上述した
ように、糸継ぎ台車23は、報知部材22が突出してい
る巻取錘は通過し、報知部材22が突出していない停止
錘にのみ停止することができる。
【0032】また、図5に示すように、機台1の適宜箇
所には、報知部材22の突出状態を検出する検出手段
(近接センサ)30が配置されている。この検出手段3
0は各巻取錘毎に配置され、ユニット制御装置10を介
してスパン制御装置11に接続されている。機台管理装
置2は、上述したように、図4に示すような算出処理を
行う際、この検出手段30からの信号により報知部材2
2の突出(図4のS1)及び報知部材22の解除(図4
のS4)のタイミングを検出することができる。
【0033】以上のように、各機台毎に保守作業要求の
継続時間として平均処理時間Cを算出し、稼働効率及び
報知部材頻度と同時に表示するようにしたので、各機台
毎のオペレータの作業能率を的確に把握することが可能
となる。尚、稼働効率,報知部材頻度,平均処理時間等
の表示項目毎に切り換えて表示するようにしてもよい。
【0034】尚、糸継ぎ台車23は、糸継ぎ動作の一連
の動作中において、図示しないレバーを用いて退入して
いる報知部材22を突出させる。その後、一連の糸継ぎ
動作が完了すると、その報知部材22を押し込んで退入
させる動作を行う。その際、正常に糸継ぎ動作が行われ
た場合、糸監視器19により糸走行信号が出力されてい
るので、押し込まれた報知部材22は保持手段により退
入状態に保持される。しかしながら、正常に糸継ぎ動作
が行われなかった場合、糸監視器19により糸走行信号
が出力されていないので、押し込まれた報知部材22は
付勢手段の付勢力により突出状態に戻される。これによ
り、糸継ぎ動作を失敗したその錘に、糸継ぎ台車23が
再度停止することを防止できる。即ち、この糸継ぎ動作
中における報知部材22の短時間での突出・退入を行わ
ないと、糸継ぎ台車23による糸継ぎ動作が正常に行わ
れなかった場合でも、糸継ぎ動作完了後に報知部材22
が退入状態のままとなるので、再度糸継ぎ台車23がそ
の錘に停止して糸継ぎ動作を行うことになる。
【0035】本実施の形態では、このようなオペレータ
に保守作業を要求するものではない短時間での報知部材
22の突出・退入については、上記のような処理時間B
の算出の対象外とするようになっている。即ち、スパン
制御装置11は、予め設定した所定時間以内での報知部
材22の突出・退入については、上記報知部材発生回数
A及び平均処理時間Cの算出の対象外とする手段を有し
ている。このように、スパン制御装置11は、糸継ぎ動
作中等において、直接的にオペレータに保守作業を要求
する目的以外で報知部材22が突出・退入した場合に
は、平均処理時間Cを算出するための報知部材発生回数
Aや処理時間Bから排除する手段を有することにより、
オペレータに保守作業を要求されて解除された分の正確
な算出データを求めることができる。
【0036】また、本実施の形態では、例えば1日24
時間の3交代制の勤務に対応するため、入力手段9を介
して、平均処理時間等の算出データの時間的な算出対象
範囲を適宜設定可能となっている。例えば、オペレータ
が交代する際、機台管理装置2の入力手段9を介してそ
れを入力することにより、それが通信ライン14を介し
てスパン制御装置11に送信され、各スパン制御装置1
1は、それまで蓄積していた報知部材発生回数A及び累
積処理時間等をラストシフトとして記憶するとともにリ
セットし、次のオペレータ分のデータとして新たに累積
・算出を開始する。尚、入力手段9により予め各オペレ
ータの担当時間を設定しておき、その時間になると自動
的に上記リセット及び新たな蓄積・算出の開始が行われ
るようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されるので、
以下のような効果を奏する。請求項1記載の発明によれ
ば、各オペレータの作業能率を的確に把握することが可
能となる。例えば工場の管理者は、処理時間の長い即ち
作業能率の低いオペレータに対する指導を行うことがで
きる。また、オペレータの作業能率に合わせて適切な機
台の担当区分の設定を行うことができ、稼働効率を向上
させることができる。このように、工場内の各機台とオ
ペレータとの間において、適正な作業状態の維持が可能
となる。
【0038】請求項2記載の発明によれば、オペレータ
や工場の管理者は表示を一目見て処理時間を容易に認識
することができ、例えば自己の目標処理時間を設定し、
実際の処理時間の表示を見ながら目標を意識して作業を
行うこともできる。
【0039】請求項3記載の発明によれば、各オペレー
タ毎或いは各機台毎での保守作業の能率を適切に評価す
ることができる。
【0040】請求項4記載の発明によれば、表示される
平均処理時間を随時最新の値に更新していくことで、保
守作業中のオペレータが随時変化していく平均処理時間
を認識することができ、保守作業のペース配分に利用す
ることができる。
【0041】請求項5記載の発明によれば、各オペレー
タの分担状況に関わらず、各オペレータ毎の平均処理時
間を正確に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る管理装置のブロック図であ
る。
【図2】各機台の制御ブロック図である。
【図3】空気紡績機(機台)の側面図である。
【図4】平均処理時間の算出方法を示すフロー図であ
る。
【図5】報知部材の突出・退入構造を示す概略図であ
る。
【図6】算出した平均処理時間を含む表示内容の一例を
示す図である。
【符号の説明】
1…機台(空気紡績機)、2…機台管理装置、4…上位
管理装置、8…表示器、10…ユニット制御装置、11
…スパン制御装置、12…マイコン、13…タイマ、3
0…検出手段、P…巻取りパッケージ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 報知手段を備えた多数の巻取錘が並設さ
    れ、オペレータによる所定の保守作業が必要な際には報
    知手段を保守作業要求状態とする繊維機械の管理システ
    ムにおいて、報知手段が保守作業要求状態にあることを
    検出する検出手段と、報知手段が保守作業要求状態とな
    っている処理時間を計測する計測手段とを備えたことを
    特徴とする繊維機械の管理システム。
  2. 【請求項2】 前記計測手段の計測結果に基づいてオペ
    レータの作業能率を示すデータを表示する表示手段を備
    えた請求項1記載の繊維機械の管理システム。
  3. 【請求項3】 前記保守作業要求状態の発生回数を累積
    する手段と、1回毎の処理時間を加算して合計処理時間
    を算出する手段と、それら累積回数及び合計処理時間を
    用いて1回当たりの平均処理時間を算出する手段とを備
    え、算出した平均処理時間を前記作業能率を示すデータ
    として表示するようにした請求項2記載の繊維機械の管
    理システム。
  4. 【請求項4】 前記平均処理時間算出手段は、巻取中に
    継続的に平均処理時間の算出を行い、前記表示手段に
    は、時間的に変化する平均処理時間を所定時間毎に自動
    的に更新しながら表示するようにした請求項3記載の繊
    維機械の管理システム。
  5. 【請求項5】 前記平均処理時間の算出対象となる空間
    的範囲及び/又は時間的範囲を設定可能な入力手段を備
    えた請求項3又は4記載の繊維機械の管理システム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002291654A (ja) * 2001-03-30 2002-10-08 Hitachi Chem Co Ltd 便器装置

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JP2002291654A (ja) * 2001-03-30 2002-10-08 Hitachi Chem Co Ltd 便器装置

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