JP3173181B2 - 自動ワインダーの故障診断システム - Google Patents

自動ワインダーの故障診断システム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、精紡ボビンの糸を巻き
返してパッケージとする自動ワインダーの故障診断シス
テムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動ワインダーは、精紡機から供給され
た精紡ボビンを口出しした後、これを各巻取ユニットに
供給してドラム上で回転する紙管やパッケージに巻き返
して満巻パッケージとするものである。
【0003】この自動ワインダーにおいては、精紡ボビ
ンの口出し動作、巻取中に糸切れが生じたときにはボビ
ン側の下糸とパッケージ側の上糸の糸継動作、精紡ボビ
ンが空になったときのコップチェンジ動作、パッケージ
が満巻となった時の玉揚動作などが全て自動化されてお
り、また運転条件の設定は、各錘を管理する制御装置に
運転条件を設定すれば良いようになっている。
【0004】またこの制御装置は、上位の管理装置と接
続され、各機台や各錘の運転稼動状況や各種故障発生率
等が認識されるようになってきている。
【0005】このように自動ワインダーにおいては、極
力省力化が図られてきており、大部分がコンピュータが
代行してくれるようになってきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自動ワ
インダーの巻取ユニットは、機器や部品が多数あり、故
障原因や箇所を特定して保全や修理等を行うには熟練し
た専門家が必要であり、この部分の省力化は未だなされ
ていない。
【0007】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、誰でも簡単に故障を診断できる自動ワインダーの故
障診断システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、複数のユニットを持つ自動ワインダーの故
障を診断するシステムであって、管理装置で、各錘毎に
糸継ぎミスの異常内容を示す各症状の発生頻度を集計
し、他方診断装置に、糸継ぎミスの異常内容を示す症状
を区分けした上位分類と、上位分類の各症状に対応して
保全すべき箇所の発生状態を区分けした下位分類とを予
め記憶し、管理装置における各症状の発生頻度の集計に
基づいて、診断装置で、一定時間ごと或いは要求入力で
稼働状況を示す故障診断の初期画面を表示し、その初期
画面で、異常や故障が多い機台と錘を表示すると共にそ
の現象を表示し、その稼働状況の初期画面から機台と錘
を指定することで、稼動データの時間的グラフを表示
し、さらに指定した錘の上位分類の症状を発生頻度と共
に表示し、上位分類の表示項目である症状の選択に基づ
いて下位分類としての保全すべき箇所の発生状態を表示
するようにしたものである。
【0009】
【作用】上記構成によれば、管理装置で集計した各錘毎
の糸継ぎミスの集計を基に、診断装置の初期画面で、
定時間ごと或いは要求入力で、稼働状況から異常や故障
が多い機台と錘を表示すると共にその現象を表示し、そ
の稼働状況の初期画面から機台と錘を指定することで、
稼動データの時間的グラフを表示し、その時間的グラフ
表示から異常等の現象の時間的傾向を認識し、さらに指
定した錘の糸継ぎミスの異常内容である症状を発生頻度
と共に表示することで、各症状について、保全や修理な
どの問題の程度を認識することができる。また、上位分
類の表示項目である症状の選択に基づいて、下位分類と
しての保全すべき箇所の発生状態を表示することで、症
状に対応した適切な保全箇所を認識することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
【0011】図1は本発明のシステム構成図であり、図
において、10は精紡機11と口出し装置12を介して
接続された自動ワインダーで、多錘の巻取ユニット13
とその各巻取ユニット13を制御する制御装置14とか
らなっている。この自動ワインダー10には各巻取ユニ
ット13に沿って往復走行自在に玉揚装置15が設けら
れる。
【0012】この自動ワインダー10は、精紡機11で
精紡された精紡ボビンが口出し装置12で口出しされて
各巻取ユニット13に供給され、そこで精紡ボビンの糸
をドラム上で回転する紙管やパッケージに巻き取って満
巻パッケージとするものである。
【0013】この巻取ユニット13の詳細を図12によ
り説明する。
【0014】精紡ボビン40の糸Yは、糸ガイド41
糸の有無を検出する光学的フィラー42、テンション付
加装置51、クリアラー43などを介してドラム44上
で回転するパッケージPに巻き取られる。この巻取ユニ
ット13には、ユニット13の巻取動作を制御するユニ
ットコントローラ52が設けられ、そのユニットコント
ローラ52が制御装置14に接続される。制御装置14
は、ユニットコントローラ52を介して各ユニット13
のデータ管理や巻取スピード等の運転条件、パッケージ
の満巻長の管理や条件設定を行うようになっている。
【0015】すなわち、ドラム44には、ドラム44の
一回転で複数(数10回)のドラム回転パルスを回転セ
ンサー(図示せず)が設けられ、その回転センサーのパ
ルスがコントローラ52で計数・積算され、これが設定
値に達すると制御装置14はパッケージPの満巻を検出
し、ドラム44の回転を停止すると共にグリーンランプ
45を点灯し、その状態で玉揚台車15(図1)が来る
まで待機するようになっている。
【0016】また巻取中クリアラー43が走行糸Yの糸
ムラを検出し、スラブ,太糸,細糸など糸欠点があった
とき、その糸をカットして除去する。その後サクション
マウス46がパッケージ側に回動し同時にドラム44が
逆回転されて上糸が捕捉された後サクションマウス46
が下方に回動されて上糸が糸継装置47に案内され、ま
たボビン側糸が中継パイプ48にて捕捉され、糸継装置
47に案内され、糸継装置47で上下の糸が糸継される
ようになっている。
【0017】また49は、黄ボタンで、糸継が連続して
3回失敗したら、糸継動作を停止してオペレータに知ら
せるべく制御装置14が黄ボタン49をON(突出)す
る。50は、ドラムスタートボタンで、玉揚装置15が
玉揚動作を完了して糸巻取を再開する時にONとしてド
ラム44を回転する。
【0018】ユニットコントローラ52は、糸継時にク
リアラー43,ドラム回転センサ,フィラー42の信号
を分析し、糸継内容を分析して制御装置14に送信す
る。またパッケージ巻き始めからドラム回転パルスの積
算値に対応する巻取長,満巻待機状態,黄ボタン停止状
態等のステータス情報等は、定期的に制御装置14に送
信される。
【0019】制御装置14では、ユニットコントローラ
52から送信されるデータと口出し装置12から送信さ
れるデータを基に図11に示すような各錘毎の稼動デー
タ55を作成する。
【0020】この稼動データ55は、例えば一時間当り
のデータを基に発生個数,発生率が集計される。
【0021】すなわち、MISJ%は糸継ミス率で、M
ISJ%=(糸継試行回数−糸継成功数)÷糸継試行回
数×100、から求める。YELW%は黄ボタン率で、
YELW%=黄ボタン回数÷糸継成功数×100で求め
る。FX−DTはオペレータが口出し装置点検等で錘が
停止した時間、OT−DTはその他の原因で停止した時
間を示す。
【0022】またM−UP%は糸継試行回数中の上糸ミ
ス率、M−LC%は、パッケージの上糸を二重に引き出
したミス率、M−LW%は下糸ミス率、M−SL%はス
プライサー(糸継装置)のミス率、M−L2%は、下糸
を二重に引き出したミス率、M−SM%は、糸継の際に
スプライスモニタで継ぎ目不良と判定して糸継ミスとし
たミス率、M−SU%は、糸継後ヤーンクリアラ糸欠点
を検出して糸継ミスとしたミス率、M−RP%は、糸継
の際のドラム逆転不良で上糸を捕捉できなかったミス
率、M−AD%は、玉揚動作のミス率、M−OT%は、
その他のミス率である。この制御装置14で、これらデ
ータを一時間ごとに集計することで、通信可能な稼働情
報とすることができる。
【0023】さて図1において、制御装置14は、運転
条件を入力する操作部16を有すると共にこれを表示す
る表示部17を有する。この制御装置14は、伝送ライ
ン18を介して上位の管理装置19に接続され、管理装
置19に制御装置14からの機台の各巻取ユニット13
の稼動情報が入力されるようになっている。
【0024】管理装置19には伝送ライン20を介して
診断装置21が接続される。この診断装置21には、メ
モリーカードリーダ22が接続される。なおこの管理装
置19と診断装置21は1つのシステムで構成されても
よい。
【0025】診断装置21は管理装置19からの稼働情
報を受け取り、これを各機台の各錘ごとの稼動推移情報
として蓄積すると共に過去の保全履歴情報が蓄積されて
おり、これらから現在の機台運転情報中異常が有ればそ
の異常内容を診断し、それを画面上に表示する。保全者
は、この異常内容の診断結果に基き、電子手帳(小形携
帯マイクロコンピュータ)23に入力する。また保全し
た結果(保全内容,使用部品など)は、ICカード24
にてメモリーカードリーダ22に読み込ませて入力した
り、或いは制御装置14の操作部16から入力して、診
断装置21に保全履歴情報として記憶させるようになっ
ている。
【0026】管理装置19の稼動情報は、図11に示し
た制御装置14からの稼動データ55より、機台の稼動
時間,各錘のドラム回転数累積,糸継内容(糸継成功,
糸継失敗,糸継失敗については、上述した各糸継ミスデ
ータから失敗の原因の頻度やその累計),品種ごとの投
入数と口だし成功・失敗などを累積したデータからな
る。これら稼動情報を基に管理装置19は、所定時間ご
とに糸継ミスを集計し、これを診断装置21に送信す
る。
【0027】この管理装置19による集計データは、例
えば、糸継に関しては図9,図10に示したように一時
間ごとにミスジョイン率(MISJ%)、上糸ミス(M
−UP%)、下糸ミス(M−LW%)、Sモニターカッ
ト(M−SM%)、その他ミス(M−OT%)を稼動時
間中常時集計するようになっている。この図9,10に
おいて、ミスジョイン率(MISJ%)は、全糸継回数
に対する糸継失敗率、で、上糸ミス(M−UP%)、下
糸ミス(M−LW%)、Sモニターカット(M−SM
%)、その他ミス(M−OT%)は、ミスジョイン率
(MISJ%)に対しての比率を示している。
【0028】診断装置21には、図2に示すように、異
常や故障を、センサなどで検知できる各錘の故障となる
症状(A〜J項)の大分類に区分けし、その大分類中
で、機器及びその機器の動作に基く不良状態別(a,
b,…)に異常が認識できる中分類に区分けし、その中
分類で実際に故障となっている保全すべき箇所(〜
…)の小分類に区分けして記憶するようになっている。
この診断の分類項目は自動的に或いは半自動的に行わ
れ、新たに入力される保全データ及び過去の保全データ
が記憶されると共に各項目が発生別頻度毎に常時並べ変
えて表示できれるようになっており、異常を診断するに
は順次この大・中・小分類を問診形式で選択していけば
その原因及び保全箇所特定できるようになっている。
【0029】
【0030】これを図4〜7により説明する。
【0031】先ず、一定時間ごと、或いは、オペレータ
の要求入力により故障診断の初期画面30が図4に示す
ように診断装置21に表示される。この初期画面30に
は、管理装置19が作成した図9,図10に示したデー
タを基に、異常や故障の多い機台とその錘が表示される
と共にその現象が表示される。
【0032】この稼動状況の初期画面30から機台と錘
を指定すると、図5に示した診断データ31が診断装置
21の画面上に表示される。この場合、機台と錘を指定
することで、図10に示した稼動データが、その診断時
点のデータが画面上に表示される。この診断の時点であ
る、稼動時間12.01で、糸継ミスが増大している原
因を診断しようとする場合を説明する。
【0033】この診断データ31は、9〜12時までの
稼動データを所定時間に集計して異常があった症状
の頻度別に高い順に並べて表示される。オペレータは、
この診断データ31より、第1位候補A項(上糸がでな
い)を選択した場合、図6に示した診断データ32が表
示される。この診断データ32は、症状毎の大分類(上
位分類)と共に症状に応じた保全箇所となる発生状態を
示す中分類(下位分類)a〜f項が表示されると共にそ
の頻度も表示される。
【0034】この診断データ32よりオペレータは中分
類a〜f項の内の1つを選択する。この場合、例えばa
項のドラム逆転不良は、稼動データから推定できるた
め、a項が原因であればa項であることをa項の点滅で
表示でき、オペレータはこのa項の点滅を見てa項を選
択すると図7に示すように、a項の内の小分類「ドラ
ムモータ不良」,「ドラムベルト摩耗」とその頻度が
表示された診断結果のデータ33が表示され、オペレー
タは、「ドラムモータ不良」,「ドラムベルト摩
耗」のうちどれかを診断することができる。
【0035】またa項の点滅がない場合、オペレータは
b項を選択すると、図8に示した診断結果のデータ34
が表示される。このデータ34を見て、オペレータは、
保全員に「サクションマウスの糸屑詰まり」がないかど
うか或いは「シャッタカッタ不良」かどうかを重点的に
チェックするように指示することで原因を追及でき、原
因が「サクションマウスの糸屑詰まり」であれば、オペ
レータはその原因が「サクションマウスの糸屑詰まり」
であることを入力し、また保全員は糸屑の除去作業を行
う。このように保全を行うことで、以後は図10に示す
ように12時以降はミスジョイン率が低下した稼動デー
タになる。
【0036】この各大・中・小の分類は、上述した図9
や図10に示した稼動データ及び保全データより決定さ
れると共にその頻度が常時計算され、その頻度順に自動
的に表示を並べ代えできるようになっている。
【0037】図3は診断装置21のフローチャートを示
したものである。
【0038】先ず診断が開始され、その錘で異常が起っ
ているかどうかを稼動データから判断(Step1)
し、異常が起っていたなら(yes)、現在の稼動デー
タからその錘の運転データを所定時間ごとに集計して異
常があった場合、その症状より大分類A〜Jを特定する
と共にその大分類を発生頻度別に多い順に並べ変える。
【0039】この並べ変えた大分類は、上述した問診の
診断データ31となる。次に第1位候補でいいかどうか
うかの判断(step2)を行う。このstep2の判
断で、上述した問診を行う場合には、オペレータが問診
で選択した項で、すなわち指定した項を優先させて中分
類を表示し、自動で分類する場合には、このstep2
の判断でyes/Unkownとし、次に特定した大分
類の項に基く中分類の各状態を示す項より特定候補を絞
り込めるかどうかの調査を行うと共にその判断(ste
p3)を行う。
【0040】この調査は、現在のデータの推移や過去の
運転データや保全データより調査を行うもので、例えば
診断時から8時間前の各一時間ごとの中分類の項の各デ
ータに対して8時間前のデータから最新のデータまでの
各データに重みを持たせると共に最新になるに従ってそ
の重みを大きくし、これらそれぞれ重みを持たせた各時
間ごとの各項のデータを積算して合計値を求めると共に
これら合計値の総合値を求め、その各項の合計値を総合
値で割ってその数値の大小を比較することで特定候補の
絞り込みを行い、また同時に最新のデータや過去8時間
の積算データなどで特定候補の絞り込みを行って判断す
る。
【0041】この判断(step3)で、特定候補を絞
り込める場合(yes)には、小分類の調査を行うが、
絞り込めない場合(no)には、決定された中分類を過
去の保全履歴順に並び変え得る。step4はオペレー
タの問診のための判断で、大分類と同様にオペレータが
指定した候補を優先させる。またこの中分類で候補が見
つからなかった場合には、大分類の次候補を選んで再度
中分類に戻ることができる。この場合、図6の診断デー
タ32には中分類a〜fと大分類A〜Jが表示されるた
め、簡単に次候補(図示の場合B項)の中分類を表示で
きる。
【0042】次に中分類を特定した後、その小分類中か
ら原因を、稼動データで絞り込めるかどうか調査を行
い、その調査に基づいて絞り込めるどうかの判断(st
ep5)を行い、できなければ(no)決定された小分
類を過去の保全履歴頻度順に並び変え、次に特定できた
場合(yes)と共に、プラスの確信度を持つ候補につ
いて、確信度の高い順に診断結果として小分類の各項を
並べ変え、図7に示した診断結果とし、これをオペレー
タの問診による判断(step6)を行い、問診がなけ
れば、またオペレータが診断結果が適正と判断したなら
診断が正常として終了し、また問診で、オペレータが診
断結果が妥当でないと判断したとき(no)は、最初の
診断に戻ってやり直す。
【0043】この診断において、大分類A〜J項は、セ
ンサなどの情報で略確実に分類できるが、中分類の特定
は現在及び過去の運転履歴から決定するが、自動ワイン
ダーの一般的頻度,その工場の傾向,しかかり品種によ
る傾向,巻取ユニットに設けられたセンサの傾向,錘の
並びによる傾向,ボビン供給路の影響なども考慮して行
い、また小分類の決定は、稼動データの他に過去の保全
履歴データや部品の交換時期等も考慮して行うようにす
る。
【0044】また特定候補を判断する場合、上述したほ
かに1日に一度、スパンを変えて長周期の傾向で判断し
たり、その長周期のチェック用の積算データを保有して
その傾向を判断する。例えば、1週間チェック用のデー
タは、チェック日までデータを加算、チェック後、1ケ
月チェック用のデータに加えられ、0払いされる。また
1ケ月チェック用のデータはチェック後0払いされる。
これにより、短周期では発見されない、調整不良等のチ
ェックができる。(例えば、サクションマウスのパッケ
ージに対する接近度が良くない場合には、慢性的な上糸
ミスが発生するが、単周期のチェックでは発見されると
は限らないが、長周期で見れば発見が可能となる。) また診断を行う錘の稼動データのみならず、その錘の近
傍の錘の稼動データも参照して自動的或いはオペレータ
の操作により特定候補を絞り込むようにしてもよい、例
えば、下糸ミスについて、上流側と下流側の錘のデータ
を参照し、下流側の錘に下糸ミスがあり、上流側には少
ない場合には、ボビンの供給不足(トレイ不足などの原
因)を絞り込むことができ、また上糸ミスについても上
流側と下流側の各錘の傾向を見れば各サクションマウス
に吸引空気を生じさせる吸引系に支障があることなどを
絞り込むことが可能となるため、スパンの中央から上流
側と下流側とに分け、この上流と下流の値を比較するよ
うにしてその値の差が所定値より大きければこれを表示
するようにしてもよい。さらにデータの蓄積する場合、
全データの他に、糸種毎にデータを分けて蓄積するよう
にしても良い、すなわち糸種によっては上糸ミスが発生
しやすい糸種があるが、これに対してその糸種に対して
は、チェックのしきい値を自動的に補正しておくことも
可能である。
【0045】以上において、診断装置21により求めた
診断結果は、管理装置19に保全指示出力として送信
し、制御装置14の表示部17にその旨を表示すること
もできる。
【0046】また保全者は、診断結果を電子手帳23に
これら結果を入力し、保全すべき機台及び錘ナンバーと
共に保全の内容と使用部品(交換部品)などを入力し、
これを持って自動ワインダー10に出向いて保全を行う
と共に作業の完了後は、この結果をその自動ワインダー
10の制御装置14に直接入力しても、或いはICカー
ドなどで管理装置21に入力し、これが保全履歴データ
として記憶される。
【0047】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、管理装置
で集計した各錘毎の糸継ぎミスの集計を基に、診断装置
の初期画面で、一定時間ごと或いは要求入力で、稼働状
況から異常や故障が多い機台と錘を表示すると共にその
現象を表示し、その稼働状況の初期画面から機台と錘を
指定することで、稼動データの時間的グラフを表示し、
その時間的グラフ表示から異常等の現象の時間的傾向を
認識し、さらに指定した錘の糸継ぎミスの異常内容であ
る症状を発生頻度と共に表示することで、各症状につい
て、保全や修理などの問題の程度を認識することができ
る。また、上位分類の表示項目である症状の選択に基づ
いて、下位分類としての保全すべき箇所の発生状態を表
示することで、症状に対応した適切な保全箇所を認識す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体構成図である。
【図2】本発明において故障診断データを示す図であ
る。
【図3】本発明において故障診断のフローチャートを示
す図である。
【図4】本発明において運転データを示す図である。
【図5】本発明において大分類の診断データを示す図で
ある。
【図6】本発明において中分類の診断データを示す図で
ある。
【図7】本発明において小分類と診断結果を示す図であ
る。
【図8】図7の他の診断結果を示す図である。
【図9】本発明において稼動データ中糸継ミスの分析デ
ータを示す図である。
【図10】図9の他の糸継ミスの分析データを示す図で
ある。
【図11】本発明において制御装置からの稼動データを
示す図である。
【図12】本発明において巻取ユニットの詳細を示す図
である。
【符号の説明】
10 自動ワインダー 14 制御装置 19 管理装置 21 診断装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 54/70 B65H 63/00 B65H 63/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のユニットを持つ自動ワインダーの
    故障を診断するシステムであって、管理装置で、各錘毎
    に糸継ぎミスの異常内容を示す各症状の発生頻度を集計
    し、他方診断装置に、糸継ぎミスの異常内容を示す症状
    を区分けした上位分類と、上位分類の各症状に対応して
    保全すべき箇所の発生状態を区分けした下位分類とを予
    め記憶し、管理装置における各症状の発生頻度の集計に
    基づいて、診断装置で、一定時間ごと或いは要求入力で
    稼働状況を示す故障診断の初期画面を表示し、その初期
    画面で、異常や故障が多い機台と錘を表示すると共にそ
    の現象を表示し、その稼働状況の初期画面から機台と錘
    を指定することで、稼動データの時間的グラフを表示
    し、さらに指定した錘の上位分類の症状を発生頻度と共
    に表示し、上位分類の表示項目である症状の選択に基づ
    いて下位分類としての保全すべき箇所の発生状態を表示
    することを特徴とする故障診断システム。
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