JP2000119428A - 発泡シートの製造方法 - Google Patents

発泡シートの製造方法

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JP2000119428A
JP2000119428A JP10294122A JP29412298A JP2000119428A JP 2000119428 A JP2000119428 A JP 2000119428A JP 10294122 A JP10294122 A JP 10294122A JP 29412298 A JP29412298 A JP 29412298A JP 2000119428 A JP2000119428 A JP 2000119428A
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foaming
foamed
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JP10294122A
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English (en)
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Takamasa Fukuoka
孝政 福岡
Noritaka Tsujimoto
典孝 辻本
Masashi Okabe
優志 岡部
Shigehiro Inui
成裕 乾
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長軸がシート厚み方向に配向した紡錘形状の
気泡を有する、圧縮剛性に優れた発泡シートの製造方法
を提供する。 【解決手段】 熱分解型化学発泡剤を含む熱可塑性樹脂
組成物からなる発泡性シートの少なくとも片面に、面内
方向の発泡力を抑制し得る強度を有し、且つ剥離性の表
面を有する面材を、その表面を発泡性シートに向けて積
層し、得られた複合発泡性シートを加熱発泡させ、得ら
れた複合発泡シートより面材を剥離する。熱可塑性樹脂
組成物としては、ポリオレフィン系樹脂と、ジオキシム
化合物、ビスマイミド、ジビニルベンゼン、アリル系多
官能モノマーから選択される少なくとも1種類の変性用
モノマーとを溶融混和して得られる変性ポリオレフィン
を用いるのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂からな
る発泡シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂発泡体は、軽量性、断熱
性、柔軟性等に優れるため、各種断熱材、緩衝材、浮揚
材等に幅広く用いられている。
【0003】しかし硬質樹脂の発泡体を除き、殆どのも
のは圧縮強度が低いので、例えば、建物の屋上断熱材や
床下芯材等の分野への利用は限定されることが多い。
【0004】この問題を解決するべく、特願平9−42
537号には、熱分解型発泡剤を有するポリオレフィン
系樹脂を加熱発泡させる際に、生じる面内方向(シート
状発泡体の長手方向、幅方向の2次元の方向)の発泡力
を抑制し得る強度を有する面材が、少なくとも片面に積
層されたことを特徴とする複合熱可塑性樹脂発泡体が開
示されている。
【0005】この方法で得られるシート状の発泡体の気
泡形状は、シートの厚み方向に長軸をもつ紡錘形となる
ため、この方向に高い強度を示す。よって同発泡体の圧
縮強度は高くなり、耐荷重が要求される分野での利用範
囲が広くなる。また紡錘形の気泡がシート厚み方向に整
然と並ぶため、発泡シートの力学物性は極めて強い異方
性を有することになり、例えば圧縮強度が高いにも関わ
らず曲げ方向には柔軟性を示す等のユニークな性能を兼
ね備えたものとなる。よって特に両面に面材を積層した
ものは、屋上断熱材や自動車天井材等に好適に用いられ
得る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの方法でシー
ト状の発泡体を得るには、面材は発泡温度の下でも発泡
力を抑制し得る強度を維持している必要があるので、実
質的には該熱可塑性樹脂より軟化温度が高いものでなけ
ればならない。即ち、発泡体とは異なる材料からなるも
のである必要がある。その結果、得られる複合発泡シー
トの性能のうち、特に面内方向の機械的物性は面材の性
能に強く依存することになる。例えば、ポリオレフィン
からなるシート状の発泡体は、巻き取りが可能であるほ
ど柔軟であるが、これに面材が積層されていると、巻回
物にすることが困難となってしまう。シート状の発泡体
を加熱により再可塑化し、プレス型等で新たに賦形する
場合も、これに面材が積層されていると、面材によって
賦形性が阻害されることが多い。他にも、複合発泡シー
トは、異種材料からなるが故に、リサイクル性に劣る、
多くの場合にコスト高になる、等の欠点を持つ。
【0007】本発明の目的は、これらの問題点を解決す
べく、長軸がシート厚み方向に配向した紡錘形状の気泡
を有する、圧縮剛性に優れた発泡シートの製造方法を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明による発
泡シートの製造方法は、熱分解型化学発泡剤を含む熱可
塑性樹脂組成物からなる発泡性シートの少なくとも片面
に、面内方向の発泡力を抑制し得る強度を有し、且つ剥
離性の表面を有する面材を、その表面を発泡性シートに
向けて積層し、得られた複合発泡性シートを加熱発泡さ
せ、得られた複合発泡シートより面材を剥離することを
特徴とする方法である。
【0009】本明細書全体を通して、「面内方向」と
は、発泡シートのシート面内にあるいかなる方向をも意
味し、長さ方向、幅方向を含む。また、「シート」と
は、厚さに基づく厳密な意味での形態をいうのでなく、
通常フィルムと呼ばれる比較的薄手のものから通常板材
と呼ばれる比較的厚手のものまで含むこととする。
【0010】本発明において、熱可塑性樹脂とは軟化温
度以上に加熱すると溶融する樹脂であり、加熱発泡可能
なものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビ
ニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリスチレ
ン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフッ化ビニリ
デン、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポ
リエーテルエーテルケトン、及び、これらの共重合体等
が挙げられる。これらは単独で用いられても、併用され
てもよい。
【0011】本発明で用いる熱分解型化学発泡剤は、加
熱により分解ガスを発生するものであれば特に限定され
るものではない。熱分解型化学発泡剤の代表的な例は、
アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンス
ルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンス
ルホニルヒドラジド)である。これらは単独で用いても
または2種以上組み合わせて用いてもよい。その中でも
アゾジカルボンアミドが特に好適に用いられる。
【0012】熱分解型化学発泡剤は、熱可塑性樹脂10
0重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは2〜3
5重量部の範囲で所望の発泡倍率に応じて適宜の量で使
用される。
【0013】本発明の方法では、熱可塑性樹脂と熱分解
型化学発泡剤を混練して得られた発泡性組成物を、一旦
シート形状に賦形し発泡の原反である発泡性シートとす
る。賦形の方法は押出成形の他、プレス成形、ブロー成
形、カレンダリング成形、射出成形等、プラスチックの
成形加工で一般的に行なわれる方法が適用可能である。
しかしスクリュー押出機より吐出する発泡性樹脂組成物
を、直接賦形する方法が、生産性の観点から好ましい。
この場合は、一定寸法幅の連続発泡性シートを得ること
ができる。
【0014】本発明方法は、発泡性シートの面内方向の
発泡力を抑制し得る強度を有する面材を、加熱発泡させ
る前の発泡性シートの少なくとも片面に積層することを
特徴とする。よって面材は発泡シートの発泡温度、即ち
上記熱可塑性樹脂の軟化点温度以上、かつ上記熱分解型
発泡剤の分解温度以上の環境に耐え得るものである必要
がある。また面材はこのような環境下において、発泡性
シートの発泡圧力より大きい応力を示すに十分な強度を
有する必要がある。このような状況で面材の強度が不十
分になると、発泡に際して面材が裂け、或いは変形し、
発泡性シートの面内方向の発泡を充分に抑制することが
できない。例えば熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂
である場合には、面材の引っ張り強度は少なくとも0.
1kg/cmを上回る必要がある。これは、発泡性シー
トが10倍に発泡させたときに実測された発泡体の表面
応力から見積られた値である。尚、この応力は、熱可塑
性樹脂の種類、発泡倍率、さらには発泡温度等によって
も異なるため限定することは困難である。また上記と同
じ理由で、面材は発泡時に発泡性シートとの間に、発泡
性シートの発泡圧力より大きい応力を示すに十分な界面
接着力を有する必要がある。
【0015】本発明方法では、後に面材を発泡シートよ
り引き剥すことが可能なよう、面材は可撓性を有するこ
とが好ましい。ここで可撓性とは90度ピールが可能な
程度を意味し、これを有しない場合に、面材を発泡シー
トより取り除くことが出来ない。
【0016】以上の条件を満たすならば、用いる面材を
構成する材料は、紙、布、木材、鉄、非鉄金属、プラス
チック、ガラス繊維、無機物繊維等から自由に選ぶこと
ができる。面材の表面は特定の凹凸があっても良く、ま
た平滑であっても良い。一方、発泡性シートとの接着の
方法は物理的接着、化学的接着の何れであってもよい。
しかし剥離性を考慮すると、接着の形態は物理的なアン
カー効果によってなされるものが好ましい。
【0017】本発明方法に用いられる面材は、剥離性の
表面を有するものである。ここで「剥離性の表面を有す
る」とは、面材を剥がしたときに被着体である熱可塑性
樹脂からなる発泡シートの表面を実質的に破壊しないも
のを言う。加熱発泡を終え、複合発泡シートが冷却され
た後、面材は発泡シートと界面剥離を起こし易い状態に
あることが好ましい。即ち面材は低温において、被着体
との界面エネルギーを小さくする物質を表面に備えれば
よい。具体的には基材にシリコン樹脂、フッ素樹脂、ア
ルキッド樹脂のような剥離処理剤をコーティングする方
法が挙げられる。或いは面材自体がこれら樹脂単独から
なるシート状成形体であってもよい。またこれら樹脂に
含まれるのと同様の疎水性官能基を、蒸着プラズマによ
りグラフト処理により基材表面に導入してもよい。基材
としては上述の面材と同様に、発泡性シートの発泡温度
に耐え、その面内方向の発泡力を抑制し得る強度と界面
接着力を有し、かつ可撓性を有するものが好ましい。本
発明で面材として有効に使用しうるものとしては、具体
的に、シリコン樹脂で離型処理されたPETフィルム、
テフロン樹脂がコーティングされた織布等が挙げられ
る。
【0018】本発明方法では、上記発泡性シートの少な
くとも片面に該面材を、その剥離性の表面を同シートに
向けて貼付して複合発泡性シートとする。発泡性シート
と面材との積層の方法は特に限定されるものではない
が、例えば、一旦冷却ロール等で賦形した原反シートの
表面を、再度加熱し面材と熱融着させる方法、原反シー
トの賦形時に面材を積層し同時に貼付冷却する方法、等
が挙げられる。これらの方法のうち、得られた複合発泡
性シートの、この時点での厚み精度を確保するのに好ま
しい方法は前者である。後者では、例えば、Tダイから
押し出された直後の、溶融状態の原反シートの少なくと
も片面に、面材を軽く積層し、この状態でこれらを1対
の対向した冷却ロール間を通過させ、ロールの押圧力で
両者を一体化する方法が好ましい。
【0019】該複合発泡性シートは、適切な加熱装置を
用いて適切な操作条件で加熱することにより、所望の発
泡倍率に発泡させることができる。操作は、通常は熱分
解型化学発泡剤の分解温度以上、熱可塑性樹脂の熱分解
温度以下の温度範囲で行われる。
【0020】連続式発泡装置としては、加熱炉の出口側
で発泡体を引き取りながら発泡させる引き取り式発泡器
の他、ベルト式発泡器、縦型又は横型発泡炉、熱風恒温
槽等、あるいは熱浴中で発泡を行なうオイルバス、メタ
ルバス、ソルトバス等が使用可能である。
【0021】発泡時に面内方向の発泡力を抑制しうる強
度を有する面材が該シートの少なくとも片面に積層され
ていることで、発泡時、面内の2次元方向には全く発泡
せず、厚み方向にのみ発泡することになる。その結果、
発泡体の気泡は厚み方向にその長軸を配向した紡錘形と
なる。
【0022】本発明方法では、上述のようにシート厚み
方向に加熱発泡させ複合発泡シートとした後に、該複合
発泡シートより面材を剥離する。面材を剥離する方法は
限定されないが、複合発泡シートが冷却固化された後
に、連続的に引き剥がす方法が好ましい。この場合、回
収された面材を再利用することも可能である。
【0023】請求項2記載の発明による発泡シートの製
造方法は、請求項1記載の発泡シートの製造方法におい
て、熱可塑性樹脂組成物が、ポリオレフィン系樹脂と、
ジオキシム化合物、ビスマイミド、ジビニルベンゼン、
アリル系多官能モノマーから選択される少なくとも1種
類の変性用モノマーとを溶融混和して得られる変性ポリ
オレフィンであることを特徴とする方法である。
【0024】本発明方法におけるポリオレフィン系樹脂
とは、オレフィン性モノマーの(共)重合体であり、特
に限定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチ
レン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン
等のポリエチレン、ホモタイプポリプロピレン、ランダ
ムタイプポリプロピレン、ブロックタイプポリプロピレ
ン等のポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三次元共
重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体
等のエチレンを主成分とする共重合体等から選ばれる1
種もしくは2種以上の単体および混合物を意味する。
尚、ここで言う「(共)重合体」とは「重合体」又は
「共重合体」を意味する。
【0025】上記ポリオレフィン系樹脂には30重量%
を下回る範囲で、他の樹脂、例えば、ポリスチレン、ス
チレン系エラストマー等がブレンドされていても良い。
しかし他の樹脂が30重量%を上回るとポリオレフィン
の特徴(軽量、耐薬品性、柔軟性、弾性等)が発揮でき
ないばかりか、発泡に必要な溶融粘度を確保することが
困難となる場合がある。本発明でのポリオレフィン系樹
脂としては、特にポリエチレンやポリプロピレンの1種
もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0026】ジオキシムとはオキシム基またはその水素
基が他の原子団(主に炭化水素基)で置換された構造を
分子内に2個有する化合物であり、例えばp−キノンジ
オキシム、p,p’−ベンゾイルキノンジオキシムが好
適に使用される。
【0027】ビスマレイミドとはマレイミド構造を分子
内に2個有する化合物であり、例えばN,N’−p−フ
ェニレンビスマレイミド、N,N’−m−フェニレンビ
スマレイミド、ジフェニルメタンビスマレイミドが好適
に用いられる。また、マレイミド構造を分子内に2個以
上有するもの、例えばポリマレイミドも同じ効果を有す
るのでこの範疇に含まれる。
【0028】ジビニルベンゼンとしては、o、m、p−
ジビニルベンゼンが好適に使用される。
【0029】アリル系多官能モノマーとは分子内にアリ
ル基を2個有する化合物であり、例えばジアリルフタレ
ート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌ
レート、ジアリルクロレンデートが好適に使用される。
【0030】変性用モノマーであるジオキシム化合物、
ビスマレイミド、ジビニルベンゼン、アリル系多官能モ
ノマーの配合量は、そのモノマーの種類に応じて適宜選
択すればよいが、概ねポリオレフィン系樹脂100重量
部に対して0.05〜5重量部であり、好ましくは0.
2〜2重量部である。このモノマーの配合量が0.05
重量部未満であると、発泡に必要な溶融粘度を付与でき
ず、5重量部を越えると、架橋度が上がりすぎ、押出成
形性が悪くなる(すなわち、高負荷がかかる、メルトフ
ラクチャーが発生する等)上に、後で添加する発泡剤を
樹脂組成物中に均一に混練できず、不必要にゲル分率が
上がりすぎ、リサイクル性を損なう場合がある。加え
て、該モノマーが製品中に未反応物として残留する割合
が多くなり、人体に刺激を及ぼすと共に、原料に対する
製品効率が低くなることがある。
【0031】本発明では、上記モノマーに加え、有機過
酸化物を併用することも可能である。有機過酸化物はポ
リオレフィンのグラフト反応に一般的に用いられる任意
のものであれば良く、例えば、ベンゾイルパーオキサイ
ド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−
ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベ
ンゾエート、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチ
ル−2,5−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−
t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が挙げら
れ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられ
る。
【0032】変性ポリオレフィンを得るには、ポリオレ
フィンと該モノマーを溶融混和する。具体的に、スクリ
ュー押出機やニーダー等の混練装置に上記両物質を所要
量ずつ投入し、溶融混和する。この溶融混和温度は17
0℃以上かつポリオレフィンの分解温度以下であって、
好ましくは200℃〜250℃である。溶融混和温度が
170℃を下回ると最終的に得られる発泡体の発泡倍率
が十分高くならず250℃を越えるとポリオレフィンが
分解し易くなる。
【0033】なお、変性ポリオレフィンには、さらに同
種あるいは異種のポリオレフィン、或いは他の熱可塑性
樹脂が溶融ブレンドされても良い。ブレンド用樹脂の種
類および使用量は、最終的に得る発泡体の成形性、外
観、面材との接着性、および複合発泡体の発泡倍率、機
械的物性、セル形状等によって適宜調整される。
【0034】
【作用】・本発明方法において、面材は、同発泡性シー
トの発泡時に表面内に発生する以上の応力を示すに十分
な強度を有すると共に十分な接着強度を有するため、発
泡性シートは、面内方向の気泡の膨張が抑制され、厚み
方向にのみ発泡され、その結果、気泡は発泡シート中で
厚み方向に長軸をもつ紡錘形となる。
【0035】・面材は、表面エネルギーが小さいため、
加熱発泡を終えて複合発泡シートが冷却された後、被着
体である発泡シートより容易に引き剥がすことが可能と
なる。こうして、例えばリサイクル性に有利な、単体樹
脂からなる発泡シートを得ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】実施例1 本発明を実施例によってより具体的に説明する。
【0037】i)発泡性樹脂組成物の製造 (1) 変性ポリオレフィン系樹脂の調製 変性用スクリュー押出機として、BT40(プラスチッ
ク工学研究所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機を
用いた。これはセルフワイピング2条スクリューを備
え、そのL/Dは35、Dは39mmである。シリンダ
ーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜4バレルか
らなり、ダイは3穴ストランドダイであり、揮発分を回
収するため第4バレルに真空ベントが設置されている。
【0038】操作条件は下記の通りである。
【0039】 ・スクリュー回転数:150rpm
【0040】上記構成の反応用スクリュー押出機に、ま
ず、ポリオレフィン系樹脂およびジオキシム化合物をそ
の後端ホッパーから別々に投入し両者を溶融混和し、変
性樹脂を得た。このとき、押出機内で発生した揮発分は
真空ベントにより真空引きした。
【0041】ポリオレフィン系樹脂はポリプロピレンラ
ンダム共重合体(三菱化学製「EG8」、MI;0.8
g/10分、密度;0.9g/cm3 )であり、その供
給量は10kg/hとした。
【0042】変性用モノマーはp−キノンジオキシム
(大内新興化学社製「バルノックGM−P」)であり、
その供給量はポリオレフィン系樹脂100重量部に対し
て0.75重量部とした。
【0043】ポリオレフィン系樹脂とジオキシム化合物
の溶融混和によって得られた変性樹脂を、ストランドダ
イから吐出し、水冷し、ペレタイザーで切断して、変性
樹脂のペレットを得た。
【0044】(2) 発泡性樹脂組成物の調製 発泡剤混練用スクリュー押出機はTEX−44型(日本
製鋼所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機であり、
これはセルフワイピング2条スクリューを備え、そのL
/Dは45.5、Dは47mmである。シリンダーバレ
ルは押出機の上流から下流側へ第1〜12バレルからな
り、成形ダイは出口幅500mm、出口隙間3.5mm
のTダイである。
【0045】温度設定区分は下記の通りである。 第1バレルは常時冷却 第1ゾーン;第2〜4バレル 第2ゾーン;第5〜8バレル 第3ゾーン;第9〜12バレル 第4ゾーン;ダイおよびアダプター部
【0046】発泡剤を供給するために第6バレルにサイ
ドフィーダーが設置され、揮発分を回収するため第11
バレルに真空ベントが設置されている。
【0047】操作条件は下記の通りである。
【0048】 ・スクリュー回転数:40rpm
【0049】上述のようにして得られた変性樹脂を反応
用スクリュー押出機から発泡剤混練用スクリュー押出機
に供給した。変性樹脂ペレット10kg/hの供給と併
せて、未変性ホモタイプのポリプロピレンペレット(三
菱化学製「EA7」、MI;1.2g/10分、密度;
0.9g/cm3 )を10kg/hで同時に供給した。
【0050】また、同押出機にそのサイドフィーダーか
ら発泡剤を供給し、分散させた。発泡剤はアゾジカルボ
ンアミド(ADCA)であり、その供給量は1kg/h
とした。
【0051】こうして変性樹脂と発泡剤の混練によって
得られた発泡性樹脂組成物を、Tダイから吐出し、シー
ト状発泡性組成物をシート冷却ロールを用いて厚み0.
6mmのシートに賦形し、シートの連続体を得た。
【0052】(3) 複合シートの調製 上記のようにして得られた発泡性シートの両面に、シリ
コン樹脂で片面が離型処理されたポリエチレンテレフタ
レート(以下PETと略記する)製のフィルム(リンテ
ック社製、PET5001、厚み50μm)を上記発泡
性シートの両面に離型処理面を発泡性シートに向けて積
層し、これらをロール表面温度190℃の6インチのピ
ンチロールに通し、連続融着積層した。こうして原反シ
ートを得た。
【0053】(4) 発泡 上記原反シートを発泡させるには、図1に示すような、
予熱ゾーン1 、発泡ゾーン2 、冷却ゾーン3 の3ゾーン
からなるベルト式発泡機を使用した。予熱ゾーン1 と発
泡ゾーン2 は直径2インチの搬送ロール4 を上下に多数
対備え、これらゾーンの全長は4mである。
【0054】・冷却ゾーン3 は直径4インチの冷却水循
環式の冷却ロール5 を上下対に備え、その長さは2mで
ある。上下の冷却ロール5 の間隙は自由に設定できる。
【0055】上記ベルト式発泡機において、予熱ゾーン
1 を225℃、発泡ゾーン2 を245℃、冷却ロール5
の表面温度を25℃にそれぞれ設定し、ベルト13上の原
反シート6 を予熱ゾーン1 に供給した。
【0056】シート供給の線速度は0.4m/min、
よって予熱ゾーン1 および発泡ゾーン2 でのシートの滞
留時間は合計10分、冷却ゾーン3 でのそれは5分であ
った。
【0057】冷却ゾーン3 の上下の冷却ロールの間隙を
6mmに設定した。
【0058】冷却ゾーン3 の出口から出る複合発泡シー
ト7 の端部をカットし、幅400mm、長さ1mの複合
発泡シートのカット片を得た。
【0059】面材剥離 上記複合発泡シートのカット片の端部より90度剥離に
て両表面の面材を剥離し、発泡シートを得、これを評価
試験に供した。
【0060】実施例2 面材を、ガラスクロスに四弗化エチレンを含浸塗布し焼
成されたフッ素樹脂系離型シート(中興可視工業社製、
BGF−500−21)に代えたこと以外は、実施例1
と同様の方法で発泡シートを得、これを評価試験に供し
た。
【0061】比較例1 面材を、離型処理していないPET製の不織布(東洋紡
績社製、「スパンボンド エクーレ 6301A」、秤
量30g/m2 、引張り強度:縦1.6kg/cm、横
1.2kg/cm)に代えたこと以外は、実施例1と同
様の方法で複合発泡シートを得た。これを、面材の剥離
を行わずに、評価試験(剥離面の性状判定を除く)に供
した。
【0062】比較例2 面材を、離型処理していないPET製のフィルム(厚み
50μm)に代えたこと以外は、実施例1と同様の方法
で発泡シートを得、評価試験に供した。
【0063】比較例3 面材を、離型処理していないガラスクロス(目付560
g)に代えたこと以外は、実施例1と同様の方法で複合
発泡体を得、面材を剥離し、発泡シートを得、評価試験
に供した。ただし、面材は界面で剥離せず、発泡シート
部分で破壊が起きたため、評価試験は発泡倍率の測定の
みを行った。
【0064】性能評価試験 上記実施例および比較例で得られた複合発泡体を下記の
項目について性能評価した。 ・発泡倍率:複合発泡シートまたは発泡シートより面材
をカッターで削り取った後、JIS K6767に従い
発泡体の発泡倍率を測定した。
【0065】・剥離面の性状:面材の剥離後、発泡シー
ト上の剥離面を目視観察し、下記の判定基準で評価を行
なった。
【0066】平 滑:界面剥離し、かつ面材の表面性
が良好に転写されている。
【0067】面材破壊:面材が破れ、部分的に発泡シー
トの表面に残っている。
【0068】母材破壊:発泡シートの表層が破壊し面材
側に移行している(界面剥離しない)。
【0069】・最大曲げ荷重:複合発泡シートまたは発
泡シートを長さ150mm、幅50mmにカットし、カ
ット片の最大曲げ荷重をJIS K7221に従い測定
した。
【0070】・巻き取り可否:外径3インチの紙芯に、
複合発泡シートの一端を固定した後、そのまま同紙芯を
回転させた。巻き取りの性状により、下記の判定基準で
巻き取りの可否評価を行なった。
【0071】可能:層間に隙間が無く、シートが整然と
円柱状に巻けている。
【0072】不可:層間に隙間があり、シートが整然と
円柱状に巻けない。
【0073】・熱賦形性:複合発泡シートまたは発泡シ
ートを230℃のオーブンで2分間加熱した後、図2に
示すように、複合発泡シートまたは発泡シート10を金型
のメス型8 の上におき、これにオス型9 を押しつけて賦
形をし、下記の判定基準で熱賦形性の評価を行なった。
メス型8 は、直径100mm、深さ25mmのキャビテ
ィが彫ってあり、コーナー部11の曲率半径は2mmのも
のである。オス型9 は、直径90mm、深さ25mmの
円柱で、コーナー部12の曲率半径は7mmのものであ
る。
【0074】○:亀裂が全くなく、シートが均一に伸び
ている。
【0075】×:ほぼ亀裂がなく、シートが均一に伸び
ている。
【0076】上記評価結果を表1にまとめて示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】以上のように、本発明方法によって得ら
れた発泡シートは、極めて高い圧縮強度を有するにも拘
らず、曲げ強度が比較的低く柔軟で巻き取りが可能なも
のである。また同発泡シートは、再加熱して二次成形す
る場合の熱賦形性が良好なものである上に、面材を積層
していないのでリサイクル性に優れている。しかも発泡
シートの表面は平滑で、面材の剥がし残しや、母材破壊
による欠陥がない。また製造に用いた面材は剥離性であ
るので、発泡シートから剥離後再利用可能であり、コス
ト的に有利である。
【0079】よって、本発明方法によって得られた発泡
シートは、例えば屋上断熱材や床材裏面材等の建設資
材、自動車内装材等の工業資材、受圧盤や不陸材等の土
木資材等に使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続発泡機の概略図である。
【図2】熱賦形型の概略図である。
【符号の説明】
1:予熱ゾーン 2:発泡ゾーン 3:冷却ゾーン 4:搬送ロール 5:冷却ロール 6:複合発泡性シート 7:複合発泡シート 8:メス型 9:オス型 10:複合発泡シートまたは発泡シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 乾 成裕 京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4F074 AA12D AA13D AA17 AA24 AA28 AA32 AA35 AA38 AA40 AA70 AA71 AA76 AA87 BA13 BA16 BA17 BA18 CA29 DA20 DA32 DA35 DA58 DA59 4F212 AA03 AA13 AA21 AA40 AB02 AE02 AE10 AG01 AG20 AH47 UA09 UB02 UC01 UG05 UG09 UN29

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱分解型化学発泡剤を含む熱可塑性樹脂
    組成物からなる発泡性シートの少なくとも片面に、面内
    方向の発泡力を抑制し得る強度を有し、且つ剥離性の表
    面を有する面材を、その表面を発泡性シートに向けて積
    層し、得られた複合発泡性シートを加熱発泡させ、得ら
    れた複合発泡シートより面材を剥離することを特徴とす
    る、発泡シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂組成物が、ポリオレフィン
    系樹脂と、ジオキシム化合物、ビスマイミド、ジビニル
    ベンゼン、アリル系多官能モノマーから選択される少な
    くとも1種類の変性用モノマーとを溶融混和して得られ
    る変性ポリオレフィンである請求項1記載の発泡シート
    の製造方法。
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