JP2000119393A - オルガノポリシロキサンエマルションの製造方法 - Google Patents

オルガノポリシロキサンエマルションの製造方法

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JP2000119393A
JP2000119393A JP11225688A JP22568899A JP2000119393A JP 2000119393 A JP2000119393 A JP 2000119393A JP 11225688 A JP11225688 A JP 11225688A JP 22568899 A JP22568899 A JP 22568899A JP 2000119393 A JP2000119393 A JP 2000119393A
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organopolysiloxane
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aliphatic
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JP11225688A
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Kohei Hasegawa
光平 長谷川
Satoshi Kuwata
敏 桑田
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 低分子オルガノポリシロキサン(A)
を、有機スルホン酸及び有機硫酸エステルから選択され
る1種又は2種以上のアニオン型界面活性剤(B)の存
在下で水中に平均粒径が300nm以下となるように乳
化分散させて初期エマルションを得、該エマルションを
重合反応させ、次いで中和することを特徴とするオルガ
ノポリシロキサンエマルションの製造方法。 【効果】 本発明によれば、安定性に優れたオルガノポ
リシロキサンエマルションを重合時間を短縮して製造す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安定性に優れたオ
ルガノポリシロキサンエマルションの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】オルガ
ノポリシロキサンエマルションは、合成樹脂、ゴム、
紙、鋳型等の離型剤として、合成樹脂フィルム、シー
ト、或いは紙表面のコーティング剤として、天然繊維、
合成繊維等の有機繊維、ガラス繊維等の無機繊維等の撥
水剤、柔軟剤、平滑剤として、或いはエマルション塗
料、消泡剤の成分として有用であるが、このようなオル
ガノポリシロキサンエマルションとしては、各種の安定
性や高重合度化等の点を考慮すると、乳化重合によって
製造した小粒径のものを用いることが好ましい。この乳
化重合物の製法は、例えば、強酸又は強アルカリを重合
触媒として重合する方法(特公昭34−2041号公
報)、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレ
ンスルホン酸、脂肪族スルホン酸、シリルアルキルスル
ホン酸、脂肪族置換ジフェニルエーテルスルホン酸、ア
ルキルハイドロジェンサルフェート等を重合触媒として
重合する方法(特公昭41−13995号公報、ベルギ
ー特許第686812号、米国特許第3360491
号)又は塩型界面活性剤水溶液中にジオルガノシロキサ
ンの3〜6量体を乳化分散させ、この分散系にイオン交
換樹脂を添加して前記塩型界面活性剤のイオン交換を行
い、重合する方法(特公昭54−19440号公報)な
どが挙げられる。しかし、上記の方法は、いずれも重合
時間が長く、迅速化が待望されていた。
【0003】本発明は、上記要望に応えたもので、重合
時間を短縮して安定性に優れたオルガノポリシロキサン
エマルションを製造する方法を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った
結果、低分子オルガノポリシロキサンを、有機スルホン
酸及び有機硫酸エステルから選択されるアニオン型界面
活性剤の存在下で水中に乳化分散させて初期エマルショ
ンを得、これを重合反応させるに際し、上記初期エマル
ションの平均粒径を300nm以下に小粒径化すること
により、重合時間を短縮化し得、また得られたオルガノ
ポリシロキサンエマルションの安定性が優れていること
を見出し、本発明をなすに至った。
【0005】即ち、本発明は、低分子オルガノポリシロ
キサン(A)を、有機スルホン酸及び有機硫酸エステル
から選択される1種又は2種以上のアニオン型界面活性
剤(B)の存在下で水中に平均粒径が300nm以下と
なるように乳化分散させて初期エマルションを得、該エ
マルションを重合反応させ、次いで中和することを特徴
とするオルガノポリシロキサンエマルションの製造方法
を提供する。
【0006】以下、本発明につき更に詳しく説明する。(A)成分 本発明のオルガノポリシロキサンエマルションの製造方
法において、出発原料として使用する(A)成分の低分
子オルガノポリシロキサンとしては、特に制限されない
が、環状オルガノポリシロキサン、末端がトリオルガノ
シリル基,ジオルガノモノヒドロキシシリル基又はジオ
ルガノモノアルコキシシリル基で封鎖された鎖状オルガ
ノポリシロキサンやこれらの混合物などが好適に用いら
れる。
【0007】ここで、環状オルガノポリシロキサンとし
ては、下記一般式(I)で示されるものが好ましく、具
体的にはヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメ
チルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタ
シロキサン、1,1−ジエチルヘキサメチルシクロテト
ラシロキサン、フェニルヘプタメチルシクロテトラシロ
キサン、1,1−ジフェニルヘキサメチルシクロテトラ
シロキサン、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,
3,4−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,
2,3,4−テトラメチルシクロテトラシロキサン、ド
デカメチルシクロヘキサシロキサン、1,2,3,4−
テトラメチル−1,2,3,4−テトラフェニルシクロ
テトラシロキサンなどが例示される。
【0008】
【化1】 (但し、式中R1,R2はそれぞれ水素原子又はメチル
基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ビニル基、
アリル基等のアルケニル基、フェニル基等のアリール基
などの炭素数1〜8の一価炭化水素基であり、mは平均
3〜8の数である。)
【0009】また、上記末端封鎖基を有する鎖状オルガ
ノポリシロキサンとしては、下記一般式(II)で示さ
れるものが好ましく、具体的にはヘキサメチルジシロキ
サン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラ
シロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン、ヘキ
サエチルジシロキサン、テトラメチルジエチルジシロキ
サン、テトラメチルジビニルジシロキサン、テトラメチ
ルジヒドロキシジシロキサン、テトラメチルジメトキシ
ジシロキサン、オクタメチルジヒドロキシテトラシロキ
サン、オクタメチルジメトキシテトラシロキサンなどが
例示される。
【0010】
【化2】 (但し、式中R3は水素原子又はメチル基、エチル基、
プロピル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のア
ルケニル基、フェニル基等のアリール基などの炭素数1
〜8の一価炭化水素基、R4はR3又はヒドロキシ基又は
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、
ペントキシ基、ヘキソキシ基等のアルコキシ基、フェノ
キシ基等のアリールオキシ基などの炭素数1〜8のオル
ガノオキシ基であり、nは平均0〜40の数である。)
【0011】本発明の好ましい態様としては、低分子オ
ルガノポリシロキサンとして上述した環状オルガノポリ
シロキサンを主成分とし、これに末端封鎖基を有する鎖
状オルガノポリシロキサンを任意に混合したものを用い
ることにより、乳化重合後のオルガノポリシロキサンの
シロキサン単位数を任意にコントロールすることができ
る。この場合、両オルガノポリシロキサンの配合割合は
別に制限されないが、環状オルガノポリシロキサンを7
0重量%以上、特に90重量%以上の割合で配合するこ
とが好ましく、上記配合割合とすることにより、オルガ
ノポリシロキサン中のシロキサン単位のモル比を容易に
調整することができる。更に、低分子オルガノポリシロ
キサンの使用量は別に制限されないが、エマルション中
のオルガノポリシロキサンの濃度が10〜60重量%、
特に20〜50重量%となるようにすることが好まし
く、10重量%に満たないと、工業上効率が悪くなる場
合があり、60重量%を超えると、エマルションの粘度
が増加して作業上問題が生じる場合がある。
【0012】また、本発明のオルガノポリシロキサンエ
マルションの製造に際して、このオルガノポリシロキサ
ンエマルションを利用する保護被膜等の耐久性を改良す
るために、分岐単位の導入も任意である。この分岐単位
の導入法としては、例えばメチルトリメトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシ
シラン等の3官能性シランやそれらの加水分解縮合物、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の4官
能性シラン等を添加して重合を実施すればよい。なお、
上記3官能性シラン、その加水分解縮合物や4官能性シ
ランは、(A)成分の10重量%以下、より好ましくは
1重量%以下の割合で配合することが好ましい。なお、
これらの成分は必須ではないが、配合する場合は(A)
成分の0.01重量%以上、特に0.1重量%以上とす
ることが好ましい。
【0013】また、本発明では、上記オルガノポリシロ
キサンに、有機官能性基を含有する加水分解性シラン
や、それらの加水分解縮合物、有機官能性基含有のシロ
キサン単位を有するオルガノシロキサンオリゴマーを、
本発明の目的を損なわない範囲で添加して重合を行って
もよく、これらを添加することによって、生成するオル
ガノポリシロキサンに有機官能性基を導入することがで
きる。この有機官能性基としてはアクリロキシ基、メタ
クリロキシ基、メルカプト基、カルボキシ基、アミノ
基、エポキシ基等を含有する有機基が挙げられる。な
お、これらのシロキサン単位の導入率は、上記低分子オ
ルガノポリシロキサン〔(A)成分〕に対して10モル
%以下、特に5モル%以下であることが好ましい。これ
らの成分も必須ではないが、配合する場合は(A)成分
の0.01モル%以上、特に0.1モル%以上が好まし
い。
【0014】上記の有機官能性基を含有する加水分解性
シランとしては、例えば下記式の化合物を挙げることが
できる。
【0015】
【化3】
【0016】また、有機官能性基含有のシロキサン単位
を有するオルガノシロキサンオリゴマーとしては、上述
した加水分解性シランを加水分解することにより得られ
るシロキサン単位が約3〜20程度の環状オルガノポリ
シロキサン又は水酸基末端封鎖直鎖状オルガノポリシロ
キサンが好適に用いられる。
【0017】(B)成分 次に、(B)成分として用いるアニオン型界面活性剤
は、有機スルホン酸及び有機硫酸エステルから選択され
るもので、下記一般式(III)、(IV) R564SO3H (III) R564O(CH2CH2O)pSO3H (IV) 又は下記一般式(V)、(VI) R6OSO3H (V) R6O(CH2CH2O)qSO3H (VI) (但し、式中R5,R6はそれぞれ炭素数6以上の脂肪族
一価炭化水素基、p,qは1〜20の整数である。)で
それぞれ示される脂肪族置換ベンゼンスルホン酸類(I
II)、ポリオキシエチレン脂肪族フェニルエーテルサ
ルフェート類(IV)、脂肪族水素サルフェート類
(V)、又はエトキシ化脂肪族水素サルフェート類(V
I)が好適に使用される。
【0018】ここで、式(III)〜(VI)中の
5,R6は、それぞれ炭素数6以上、好ましくは6〜1
8の脂肪族一価炭化水素基であり、例えばヘキシル基、
オクチル基、デシル基、ドデシル基、セチル基、ステア
リル基、ミリスチル基、オレイル基、ノネニル基、オク
チニル基、ペンタデカジエニル基等が挙げられる。
【0019】上記式(III)〜(VI)のアニオン系
界面活性剤として具体的には、ヘキシルベンゼンスルホ
ン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼン
スルホン酸、セチルベンゼンスルホン酸、オクチルサル
フェート、ラウリルサルフェート、オレイルサルフェー
ト、セチルサルフェート、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンドデ
シルフェニルエーテルサルフェート、エトキシ化ラウリ
ルサルフェート、エトキシ化オレイルサルフェート、エ
トキシ化セチルサルフェート等が例示される。
【0020】更に、触媒作用の弱いアニオン系界面活性
剤も(B)成分の重合触媒と併用して使用することがで
きる。このようなアニオン系界面活性剤としては、上記
式(III)の脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、式(I
V)のポリオキシエチレン脂肪族フェニルエーテルサル
フェート類、式(V)の脂肪族水素サルフェート類、又
は式(VI)のエトキシ化脂肪族水素サルフェート類の
ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などが挙げ
られ、具体的にはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル
ベンゼンスルホン酸アンモニウム、アンモニウムラウリ
ルサルフェート、トリエタノールアミンラウリルサルフ
ェート、ナトリウムラウリルサルフェート、ナトリウム
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェー
ト、アンモニウムエトキシ化ラウリルサルフェート、ト
リエタノールアミンエトキシ化ラウリルサルフェート、
ナトリウムエトキシ化ラウリルサルフェート等が例示さ
れる。また、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエー
テル酢酸、ポリオキシエチレンステアリルエーテル酢
酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンステアリルエーテル酢酸ナトリ
ウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン
酸又はその塩などの1種又は2種以上を併用することが
できるが、これらに限定されるものではない。
【0021】なおまた、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸
を(B)成分と併用して用いることができ、これによっ
て(A)成分の重合を促進することができる。
【0022】(B)成分の配合量は、エマルション中好
ましくは0.1〜10重量%である。0.1重量%末満
であると乳化物の安定性が不十分となり、また10重量
%を超えると得られるオルガノポリシロキサンエマルシ
ョンの離型性や耐熱性が低下するおそれがある。より好
ましくは0.5〜5重量%の範囲である。
【0023】更に、乳化重合によって得られる本発明の
オルガノポリシロキサンエマルションの安定性を向上さ
せるために、他のアニオン界面活性剤、ノニオン界面活
性剤或いは両性界面活性剤を、本発明の目的を損なわな
い範囲で乳化重合前、乳化重合後或いは中和後に添加し
てもよい。このアニオン界面活性剤としては、例えば高
級アルキルサルフェートの塩、アルキルフェニルエーテ
ルサルフェートの塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、
高級アルキルホスフェートの塩、エトキシ化高級アルキ
ルサルフェートの塩、エトキシ化アルキルフェニルエー
テルサルフェートの塩、エトキシ化高級アルキルホスフ
ェートの塩等が挙げられ、ノニオン界面活性剤として
は、例えばエトキシ化高級アルコール、エトキシ化アル
キルフェノール、多価アルコール脂肪酸エステル、エト
キシ化多価アルコール脂肪酸エステル、エトキシ化脂肪
酸、エトキシ化脂肪酸アミド、ソルビトール、ソルビタ
ン脂肪酸エステル、エトキシ化ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられ、両性界面活性
剤としては、例えばアミノ酸型、ベタイン型のものが挙
げられる。
【0024】また更に、本発明では低分子オルガノポリ
シロキサン(A)及びアニオン型界面活性剤(B)を水
中に乳化分散させるものであり、この場合、水〔(C)
成分〕の使用量は別に制限されないが、エマルション中
30〜89.9重量%、特に45〜79.5重量%の割
合で使用することが好ましい。水の使用量が少なすぎる
と、得られるエマルションの粘度が高くなり、作業性が
低下するおそれがある。水の使用量が多すぎると、得ら
れるエマルションが工業的に十分なものとはならない場
合がある。
【0025】本発明のオルガノポリシロキサンエマルシ
ョンは、上述したようなオルガノポリシロキサンを水性
媒体中にて、有機スルホン酸及び有機硫酸エステルから
選ばれる少なくとも1種のアニオン型界面活性剤の存在
下で乳化分散して初期エマルションを得、これを重合
し、更に中和することにより製造する。
【0026】本発明においては、この初期エマルション
の平均粒径を300nm以下とするものであり、これは
300nmより大きいと重合反応が遅くなり、工程時間
が長くなるためであり、より好ましくは250nm以下
である。
【0027】なお、この初期エマルションを得るための
乳化分散は、(A)〜(C)成分を高圧乳化機を用いて
500kg/cm2以上の高剪断圧力下で行うことが望
ましい。この圧力が500kg/cm2より低いと、初
期エマルションの平均粒径を300nm以下とすること
が困難である。なお、3,000kg/cm2より高く
しても、それ以上平均粒径を小さくする効果は期待でき
ず、非効率であるので、より好ましくは500〜3,0
00kg/cm2、特に700〜3,000kg/cm2
である。この高圧乳化機としては、例えば超高圧ガウリ
ンホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、ナノマイ
ザー(以上はいずれも商品名)などが挙げられる。この
高圧乳化の前にホモミキサー、アジホモミキサー(商品
名)、コンビミキサー(商品名)、コロイドミルなどを
用いて粗乳化することも任意である。
【0028】このようにして得られた初期エマルション
を重合するに際し、重合温度は好ましくは10〜80
℃、より好ましくは20〜60℃である。重合の温度が
10℃より低いと重合反応が遅くなり、80℃より高い
と重合反応中にエマルションの安定性が低下する場合が
ある。重合反応の時間としては好ましくは1〜50時
間、より好ましくは5〜30時間であり、静置或いは緩
やかな撹拌下に行うことが好ましい。
【0029】この重合反応後は、アルカリ性物質を添加
することにより、好ましくはpH4〜9に中和する。こ
のpHは4より小さくても、9より大きくても得られる
オルガノポリシロキサンエマルションの長期安定性が低
下するおそれがあるため、4〜9であることが好まし
く、より好ましくは5〜8である。この際、添加するア
ルカリ性物質としては、水酸化アルカリ金属塩、水酸化
アルカリ土類金属塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土
類金属炭酸塩等の無機アルカリ化合物、アンモニア、有
機アミン等の有機アルカリ化合物が挙げられる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、安定性に優れたオルガ
ノポリシロキサンエマルションを重合時間を短縮して製
造することができる。
【0031】
【実施例】以下に本発明の具体的態様を実施例により更
に詳しく説明するが、本発明は以下の例によって限定さ
れるものではない。なお、実施例中の粘度は25℃にお
ける値である。
【0032】[実施例1]オクタメチルシクロテトラシ
ロキサン350g、ヘキサメチルジシロキサン0.8g
の混合物に10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液1
00gをホモミキサーで1,000rpmで撹拌しなが
ら徐々に滴下した。転相させ、増粘させた後、撹拌速度
を5,000rpmに上げて15分間撹拌した後、脱イ
オン水517.2gを加えて希釈した。次いでこれを
「マイクロフルイダイザーM−110Y型」(マイクロ
フルイデックス社製)で1,300kg/cm2の圧力
で2回乳化分散を行った。この時の平均粒径を「Cou
lter N4 Plusサブミクロン粒度分布測定装
置(コールター株式会社製)」で測定したところ、19
0nmであった。これを25℃で15時間静置し、次い
で10%の炭酸ナトリウム水溶液32gを加えてpH7
に調整したところ、平均粒径170nmの乳白色のエマ
ルションを得た。このエマルション100gにイソプロ
ピルアルコール200gを加えて、オルガノポリシロキ
サンの抽出を行い、乾燥後のオルガノポリシロキサンの
粘度を測定したところ、23,000センチポイズであ
った。このエマルションは、室温で1ケ月放置しても層
分離は全く認められず、優れた安定性を示した。
【0033】[比較例1]実施例1において「マイクロ
フルイダイザーM−110Y型」をガウリンホモジナイ
ザー「15M−8TA」(APVゴーリン社製)に変更
し、圧力1,300kg/cm2を300kg/cm2
変えた以外は実施例1と同様にして、乳白色のエマルシ
ョンを得た。この時の乳化分散時の平均粒径は320n
mであり、実施例1と同様にして重合、中和後、得られ
たエマルションの平均粒径は310nmであった。この
エマルション100gにイソプロピルアルコール200
gを加えて、オルガノポリシロキサンの抽出を行い、乾
燥後のオルガノポリシロキサンの粘度を測定したとこ
ろ、90センチポイズであり、重合が十分進行していな
いことが確認された。また、室温で1ケ月放置したとこ
ろ、2層分離が認められた。
【0034】[実施例2]オクタメチルシクロテトラシ
ロキサン500g、フェニルトリエトキシシラン1.8
gを2リットルポリエチレン製ビーカーに仕込み、ホモ
ミキサーにて均一に混合した後、10%ラウリル硫酸ナ
トリウム水溶液50g及び10%ドデシルベンゼンスル
ホン酸水溶液50gを加えて、ホモミキサーの回転数
3,000rpmにて10分間乳化を行った。更に脱イ
オン水383.1gを加えて希釈を行い、次いで超高圧
ガウリンホモジナイザー「LAB40−10RBFI」
(APVゴーリン社製)にて1,000kg/cm2
圧力で2回乳化分散を行い、安定なエマルションを得
た。エマルションの平均粒径は210nmであった。こ
のエマルションを撹拌装置、温度計、還流冷却器の付い
た2リットルガラスフラスコに移し、50℃で24時
間、80rpmで撹拌後、更に15℃で4時間、80r
pmで撹拌後、10%炭酸ナトリウム水溶液9.8gで
中和することによりpH5.5の白色エマルションを得
た。このエマルションは平均粒径180nmであり、更
にこのエマルション100gにイソプロピルアルコール
200gを加えて、オルガノポリシロキサンの抽出を行
い、乾燥を行ったところ、非流動性の軟ゲル状オルガノ
ポリシロキサンが得られ、その5%トルエン溶液の粘度
は35センチポイズであった。このエマルションは、室
温で1ケ月放置しても層分離は全く認められず、優れた
安定性を示した。
【0035】[比較例2]実施例2において超高圧ガウ
リンホモジナイザー「LAB40−10RBFI」をガ
ウリンホモジナイザー「15M−8TA」に変更し、圧
力1,000kg/cm2を300kg/cm2に変えた
以外は実施例2と同様にして乳白色のエマルションを得
た。この時の乳化分散時の平均粒径は320nmであ
り、実施例2と同様にして重合、中和後、得られたエマ
ルションの平均粒径は290nmであった。更にこのエ
マルション100gにイソプロピルアルコール200g
を加えて、オルガノポリシロキサンの抽出を行い、乾燥
を行ったところ、ペースト状オルガノポリシロキサンが
得られ、その5%トルエン溶液の粘度は12センチポイ
ズであり、重合が十分進行していなかった。また、室温
で1ケ月放置したところ、2層分離が認められた。
【0036】[実施例3]オクタメチルシクロテトラシ
ロキサン420g、ヘキサメチルジシロキサン0.4g
の混合物に10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液1
00gをホモミキサーで1,000rpmで撹拌しなが
ら徐々に滴下した。転相させ、増粘させた後、撹拌速度
を5,000rpmに上げて15分間撹拌した後、脱イ
オン水479.6gを加えて希釈した。次いでこれを
「マイクロフルイダイザーM−110Y型」で700k
g/cm2の圧力で2回乳化分散を行った。この時の平
均粒径は250nmであった。これを25℃で24時間
静置し、次いで10%の炭酸ナトリウム水溶液32gを
加えてpH7に調整したところ、平均粒径210nmの
乳白色のエマルションを得た。このエマルション100
gにイソプロピルアルコール200gを加えて、オルガ
ノポリシロキサンの抽出を行い、乾燥後のオルガノポリ
シロキサンの粘度を測定したところ、110,000セ
ンチポイズであった。このエマルションは、室温で1ケ
月放置しても層分離は全く認められず、優れた安定性を
示した。
【0037】[比較例3]実施例3において「マイクロ
フルイダイザーM−110Y型」をガウリンホモジナイ
ザー「15M−8TA」に変更し、圧力700kg/c
2を300kg/cm2に変えた以外は実施例1と同様
にして、乳白色のエマルションを得た。この時の乳化分
散時の平均粒径は350nmであり、実施例3と同様に
して重合、中和後、得られたエマルションの平均粒径は
320nmであった。このエマルション100gにイソ
プロピルアルコール200gを加えて、オルガノポリシ
ロキサンの抽出を行い、乾燥後のオルガノポリシロキサ
ンの粘度を測定したところ、200センチポイズであ
り、重合が十分進行していないことが確認された。ま
た、室温で1ケ月放置したところ、2層分離が認められ
た。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低分子オルガノポリシロキサン(A)
    を、有機スルホン酸及び有機硫酸エステルから選択され
    る1種又は2種以上のアニオン型界面活性剤(B)の存
    在下で水中に平均粒径が300nm以下となるように乳
    化分散させて初期エマルションを得、該エマルションを
    重合反応させ、次いで中和することを特徴とするオルガ
    ノポリシロキサンエマルションの製造方法。
  2. 【請求項2】 初期エマルションを得るための乳化分散
    を500kg/cm 2以上の高剪断圧力下で行う請求項
    1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 低分子オルガノポリシロキサン(A)
    が、環状オルガノポリシロキサン、末端がトリオルガノ
    シリル基,ジオルガノモノヒドロキシシリル基又はジオ
    ルガノモノアルコキシシリル基で封鎖された鎖状オルガ
    ノポリシロキサン又はこれらの混合物である請求項1又
    は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 アニオン型界面活性剤(B)が、下記一
    般式(III)〜(VI)で示される脂肪族置換ベンゼ
    ンスルホン酸類、ポリオキシエチレン脂肪族フェニルエ
    ーテルサルフェート類、脂肪族水素サルフェート類、エ
    トキシ化脂肪族水素サルフェート類から選ばれるもので
    ある請求項1乃至3のいずれか1項記載の製造方法。 R564SO3H (III) R564O(CH2CH2O)pSO3H (IV) R6OSO3H (V) R6O(CH2CH2O)qSO3H (VI) (式中、R5,R6はそれぞれ炭素数6以上の脂肪族一価
    炭化水素基、p,qは1〜20の整数である。)
  5. 【請求項5】 初期エマルションの平均粒径が250n
    m以下である請求項1乃至4のいずれか1項記載の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 低分子オルガノポリシロキサン(A)を
    10〜60重量%、アニオン型界面活性剤(B)を0.
    1〜10重量%、及び水(C)を30〜89.9重量%
    使用して初期エマルションを得るようにした請求項1乃
    至5のいずれか1項記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 (A)成分が環状オルガノポリシロキサ
    ンを70重量%以上含有する請求項1乃至6のいずれか
    1項記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 (A)成分に更に3官能性シラン、その
    加水分解縮合物又は4官能性シランを添加する請求項1
    乃至7のいずれか1項記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 (A)成分に更に有機官能性基を含有す
    る加水分解性シラン、その加水分解縮合物又は有機官能
    性基含有のシロキサン単位を有するオルガノシロキサン
    オリゴマーを添加する請求項1乃至8のいずれか1項記
    載の製造方法。
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