JP2001106787A - オルガノポリシロキサンエマルジョンの製造方法 - Google Patents

オルガノポリシロキサンエマルジョンの製造方法

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JP2001106787A
JP2001106787A JP28419699A JP28419699A JP2001106787A JP 2001106787 A JP2001106787 A JP 2001106787A JP 28419699 A JP28419699 A JP 28419699A JP 28419699 A JP28419699 A JP 28419699A JP 2001106787 A JP2001106787 A JP 2001106787A
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organopolysiloxane
emulsion
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polymerization
producing
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Hiroshi Ohashi
博司 大橋
Satoshi Kuwata
敏 桑田
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 得られたオルガノポリシロキサンエマルジョ
ンの保存安定性、希釈安定性、機械安定性等の各種安定
性が良好で、化粧品用基剤、繊維処理剤、離型剤、艶出
し剤などの原料として有用であり、重合速度が大きく、
重合時間が短かくて生産性の良いオルガノポリシロキサ
ンエマルジョンの製造方法。 【解決手段】 低重合度オルガノポリシロキサン(A)
を、1種又は2種以上のテトラオルガノアンモニウム水
酸化物(B)の存在下で水中に乳化分散させて初期エマ
ルジョンを得、このエマルジョンを10〜80℃で重縮合反
応させ、次いで中和する製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化粧品用基剤、繊維
処理剤、離型剤、艶出し剤などの原料として有用なオル
ガノポリシロキサンエマルジョン製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オルガノポリシロキサンエマルジョンを
乳化重合により製造する方法は従来より種々の提案がな
されている。例えば、原料のオルガノポリシロキサンを
乳化剤を用いて水中に乳化分散した後、強酸、強アルカ
リを触媒として重合する方法(特公昭34-2041 号公報参
照)、オルガノポリシロキサンをアルキルベンゼンスル
ホン酸を用いて水中に乳化分散した後、加熱下に重合す
る方法(特公昭41-13995号公報参照)、環状オルガノポ
リシロキサンと官能基結合オルガノトリアルコキシシラ
ンとをスルホン酸系界面活性剤または第4級アンモニウ
ム塩系界面活性剤及び水の存在下に乳化重合する方法
(特公昭56-38609号公報参照)、オルガノポリシロキサ
ン、アミノ基含有ポリシロキサン及びオルガノシランを
カチオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤を用い
て水中に乳化分散した後、アルカリ性触媒の存在下に乳
化重合する方法(特開昭63-286434 号公報参照)、ベン
ジルジメチルドデシルアンモニウム水酸化物を用いた環
状シロキサンの乳化重合(Polymer International Vol.
35, No.2, 179-188, 1994 参照)等が報告されている。
これらの内、最終的に得られるオルガノポリシロキサン
エマルジョンがカチオン性のものは吸着性、平滑性、帯
電防止性等に優れた性質を有しており、工業的に特に有
用なものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の技
術においてカチオン性界面活性剤を用いアルカリ性触媒
の存在下に乳化重合を行なって得られるカチオン性オル
ガノポリシロキサンエマルジョンは粒子径が大きく、保
存安定性、希釈安定性、機械的安定性等の各種安定性が
不十分であり、かつ、乳化重合速度が遅いため、重合時
間を長く必要とし、生産性に劣るという欠点があった。
また、ベンジルジメチルドデシルアンモニウム水酸化物
を用いた乳化重合方法については、重合時間は短いが、
得られたエマルジョンの安定性が不十分であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は従来の技術の不
十分な点、問題点を解決しようとするものであり、低重
合度オルガノポリシロキサン(A)を、下記一般式
(1)で示される1種又は2種以上のテトラオルガノア
ンモニウム水酸化物(B)の存在下で水中に乳化分散さ
せて初期エマルジョンを得、このエマルジョンを10〜80
℃において重縮合反応させ、次いで中和することを特徴
とするオルガノポリシロキサンエマルジョンの製造方法
である。 [R1234+] [OH-]…(1) (式中、R1 は炭素数6〜30の1価の非芳香族炭化水素
基、R2 、R3 、R4 は同一または異種の炭素数1〜6
の1価飽和炭化水素基)
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のオルガノポリシロキサン
エマルジョンの製造方法における(A)の低重合度オル
ガノポリシロキサンとしては、環状オルガノポリシロキ
サン、末端がトリオルガノシリル基、ジオルガノモノヒ
ドロキシシリル基又はジオルガノモノアルコキシシリル
基で封鎖された直鎖状オルガノポリシロキサン又はこれ
らの混合物等が好適に用いられる。ここで、環状オルガ
ノポリシロキサンとしては、下記一般式(化1)で示さ
れるものが好ましく、具体的にはヘキサメチルシクロト
リシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、
デカメチルシクロペンタシロキサン、1,1−ジエチル
ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、フェニルヘプタ
メチルシクロテトラシロキサン、1,1−ジフェニルヘ
キサメチルシクロテトラシロキサン、1,2,3,4−
テトラビニル−1,2,3,4−テトラメチルシクロテ
トラシロキサン、1,2,3,4−テトラハイドロ−
1,2,3,4−テトラメチルシクロテトラシロキサ
ン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、1,2,
3,4−テトラフェニル−1,2,3,4−テトラメチ
ルシクロテトラシロキサンなどが例示される。
【0006】
【化1】 (但し、式中R5 、R6 はそれぞれ水素原子又はメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基、アリ
ル基、フェニル基等の炭素数1〜8の1価炭化水素基で
あり、mは3〜8の数である。)
【0007】また、末端を前記基で封鎖されたオルガノ
ポリシロキサンとしては、下記一般式(化2)で示され
るものが好ましく、具体的にはヘキサメチルジシロキサ
ン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシ
ロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン、ヘキサ
エチルジシロキサン、テトラメチルジシロキサン、テト
ラメチルジビニルジシロキサン、テトラメチルジヒドロ
キシジシロキサン、テトラメチルジメトキシジシロキサ
ン、オクタメチルジヒドロキシテトラシロキサン、オク
タメチルジメトキシテトラシロキサンなどが例示され
る。
【0008】
【化2】 (但し、式中R7 は水素原子又はメチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリ
ル基等のアルケニル基、フェニル基等のアリール基など
の炭素数1〜8の1価炭化水素基であり、R8 はR7
たはヒドロキシ基又はメトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、フ
ェノキシ基などの炭素数1〜8のオルガノオキシ基であ
り、nは平均0〜40の数である。)
【0009】本発明の好ましい態様としては、低重合度
オルガノポリシロキサンとして前記環状オルガノポリシ
ロキサンを主成分とし、これに末端を前記基で封鎖され
た直鎖状オルガノポリシロキサンを任意に混合したもの
を用いる。このようにすることにより、乳化重合後のオ
ルガノポリシロキサンのシロキサン単位数を任意にコン
トロールすることが出来る。また、本発明のオルガノポ
リシロキサンエマルジョンの製造方法においては、この
オルガノポリシロキサンエマルジョンにより形成される
保護皮膜等の耐久性を改良する目的で、以下に示すよう
な分岐単位を有するシランの導入も任意である。この分
岐単位の導入法としては、例えば、メチルトリメトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン等の3官能性シランやそれらの部分加水分解
縮合物、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン
等の4官能性シランなどを添加して重合を実施すればよ
い。
【0010】さらに、本発明におけるオルガノポリシロ
キサン(A)に有機官能基を含有する加水分解性オルガ
ノシランやそれらの部分加水分解縮合物、有機官能性基
含有シロキサン単位を有するオルガノシロキサンオリゴ
マーを、本発明の目的を損なわない範囲で添加して重合
を行なってもよく、この方法によってオルガノポリシロ
キサン(A)に有機官能性基を導入することができる。
この有機官能性基としてはアクリロキシ基、メタクリロ
キシ基、メルカプト基、カルボキシ基、アミノ基、エポ
キシ基等を含有する有機基が挙げられる。これら上記の
有機官能性基を含有する加水分解性オルガノシランとし
ては、例えば下記式の化合物(化3)(a)〜(l)を
挙げることが出来るがこれらに限定されない。
【0011】
【化3】 なお、これらのシロキサン単位への導入率は、特に制限
はないが、上記低重合度オルガノポリシロキサン(A)
に対して10モル%以下、特に 0.1〜5モル%の範囲が好
ましい。
【0012】次に、本発明において重合触媒兼乳化剤と
して使用される(B)のテトラオルガノアンモニウム水
酸化物は、下記一般式(1)で示され、 [R1234+] [OH-]…(1) 式中のR1 は炭素数6〜30の1価の非芳香族炭化水素基
であるが、これは6未満であっても、30を超えても得ら
れるオルガノポリシロキサンエマルジョンの安定性が乏
しくなるためこの範囲内のものが必要である。これは例
えば、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、ラウリ
ル、セチル、ステアリル、オレイル、エイコシル、ドコ
シル、テトラコシル、トリアコンチル等の炭化水素基が
挙げられる。なかでも、炭素数10〜20のものが好まし
い。また、R2 、R3 、R4 は炭素数1〜6の1価飽和
炭化水素基であり、これは6を超えると得られるオルガ
ノポリシロキサンエマルジョンの安定性が乏しくなるた
めであり、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチ
ル、ヘキシルなどの基である。なかでも、メチル基が好
ましい。
【0013】本発明におけるテトラオルガノアンモニウ
ム水酸化物の具体例としては、ラウリルトリメチルアン
モンニウム水酸化物 [C1225 (CH3)3+] [O
-]、ミリスチルトリメチルアンモニウム水酸化物 [C
1429 (CH3)3+] [OH-]、セチルトリメチルアン
モニウム水酸化物 [C1633 (CH3)3+] [OH-]、
ステアリルトリメチルアンモニウム水酸化物 [C1837
(CH3)3+] [OH-]、オレイルトリメチルアンモニ
ウム水酸化物 [C1835 (CH3)3+] [OH-]等が挙
げられる。
【0014】本発明におけるテトラオルガノアンモニウ
ム水酸化物(B)の使用量はオルガノポリシロキサン
(A)の種類によっては少な過ぎると乳化力が弱く、エ
マルジョンが不安定になる場合があり、多過ぎると処理
時に不揮発成分として残存しオルガノポリシロキサンの
特性を阻害する場合があるため、オルガノポリシロキサ
ン 100重量部に対して 0.1〜50重量部の範囲が好まし
い。より好ましくは1〜10重量部である。なお、このテ
トラオルガノアンモニウム水酸化物(B)は、10〜80重
量%の水溶液として配合することが好ましい。これは、
10重量%未満であると添加量が多くなり、不経済である
し、80重量%を超えると水溶液自体が不安定となるため
である。より好ましくは30〜50重量%の水溶液である。
【0015】本発明においては、低重合度オルガノポリ
シロキサン(A)をテトラオルガノアンモニウム水酸化
物(B)とともに、ホモミキサー、コロイドミル、ホモ
ジナイザー等の乳化機器を使用して、水中へ均一に乳化
分散し、乳化重合を行なうが、その水の量は特に制限は
なく、低重合度オルガノポリシロキサンを乳化分散させ
るために必要な量であればよく、通常、低重合度オルガ
ノポリシロキサン(A)の 100重量部に対して10〜 500
重量部である。この水の量が10重量部未満であると、疎
水性油である低重合度オルガノポリシロキサンの量が多
すぎてエマルジョンがW/OからO/Wへ転相せず、水
が連続相となり難く、また、500重量部を超えると、安
定性に乏しくなる。好ましくは50〜 200重量部である。
【0016】本発明の方法において得られたエマルジョ
ンについては、静置あるいは緩やかな攪拌のもと、重縮
合反応を行なうが、反応温度は10℃未満では重合速度が
遅くなり、80℃を超えると安定性の乏しいものとなるた
め、10〜80℃で実施する。好ましくは40〜70℃である。
重合時間は、1時間未満だと重合が不十分であり、100
時間を超えて重合してもそれ以上重合反応は進行しない
ため、1〜 100時間であるが好ましくは10〜50時間であ
る。本発明においては、重合終了後、無機酸及び/又は
有機酸でpHを4〜9、好ましくは5〜8に中和してカチ
オン性のオルガノポリシロキサンエマルジョンを得る
が、この中和工程を省略すると処理時の加熱等でオルガ
ノポリシロキサンが分解し、低重合度のシロキサンとな
って揮散する恐れがあるため中和工程が必要である。こ
の中和に使用される無機酸、有機酸の具体例としては塩
酸、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸、乳酸、マロン酸、グリ
コール酸等が挙げられる。
【0017】本発明の方法により得られるオルガノポリ
シロキサンエマルジョンの安定性を向上させるために、
他のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カ
チオン性界面活性剤あるいは両性界面活性剤を、本発明
の目的を損なわない範囲で乳化重合後、あるいは中和後
に添加しても良い。このアニオン性界面活性剤として
は、例えば高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルフ
ェニルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンルス
ホン酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩、エトキシ
化高級アルコール硫酸エステル塩、エトキシ化アルキル
フェニルエーテル硫酸エステル塩、エトキシ化高級アル
コールリン酸エステル塩等が挙げられ、ノニオン性界面
活性剤としては、例えばエトキシ化高級アルコール、エ
トキシ化アルキルフェノール、多価アルコール脂肪酸エ
ステル、エトキシ化多価アルコール脂肪酸エステル、エ
トキシ化脂肪酸、エトキシ化脂肪酸アミド、ソルビトー
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、エトキシ化ソルビタン
脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられ、
カチオン性界面活性剤としては、例えばアルキルアミン
塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体など
のアミン塩、アルキル4級アンモニウム塩、芳香族4級
アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩等
が挙げられ、両性界面活性剤としては、例えばベタイン
類、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等が挙げ
られる。
【0018】本発明におけるカチオン性オルガノポリシ
ロキサンエマルジョンは、そのもの自体を各種用途に使
用することが出来るが、必要に応じてこれに撥水剤、柔
軟剤、帯電防止剤、難燃剤等の水性処理剤を添加してか
ら、各種用途に使用しても差し支えない。
【0019】
【実施例】以下に、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれらによって限定されるものでは
ない。なお、実施例中の粘度は25℃における値である。
【0020】(テトラオルガノアンモニウム水酸化物の
合成例1)攪拌機、温度計及び窒素導入管を備えた 300
mlガラスフラスコにセチルトリメチルアンモニウム臭化
物 20.0g(0.055mol)、水 160ml及びメタノール20mlを
仕込み、窒素気流下、室温で攪拌し均一に溶解した。次
いで酸化銀 25.5g(0.110mol)を添加し、室温で2時間
攪拌した。その後、反応副成物の臭化銀を濾別し、50mm
Hgの減圧下50℃で5時間メタノール、水を留去し、濾液
を濃縮した。得られた濃縮液は無色透明で、不揮発分は
38.3%(70℃/24時間の加熱後)であった。また、0.1
N塩酸による中和滴定の結果、水酸基量は38.1%で、こ
のことから99%以上の反応率でセチルトリメチルアンモ
ニウム水酸化物[(C1633)(CH3)3+] [OH-]水溶
液が得られたことが解った(以下、「B−1」と称す
る)。
【0021】(テトラオルガノアンモニウム水酸化物の
合成例2)合成例1において、セチルトリメチルアンモ
ニウム臭化物に代えてラウリルトリメチルアンモニウム
臭化物 16.9g(0.055mol)を使用した他は同様に行なっ
た。得られた濃縮液の不揮発分は42.4%(70℃/24時間
の加熱後)であり、0.1N塩酸による中和滴定の結果、
水酸基量も42.4%で、このことから100%の反応率でラ
ウリルトリメチルアンモニウム水酸化物[(C1225)(C
3)3+] [OH-]水溶液が得られたことが解った(以
下、「B−2」と称する)。
【0022】(テトラオルガノアンモニウム水酸化物の
合成例3)合成例1において、セチルトリメチルアンモ
ニウム臭化物に代えてベンジルジメチルラウリルアンモ
ニウム臭化物 21.1g(0.055mol)を使用した他は同様に
行なった。得られた濃縮液の不揮発分は36.0%(70℃/
24時間の加熱後)であり、0.1N塩酸による中和滴定の
結果、水酸基量も35.7%で、このことから99%以上の反
応率でベンジルジメチルラウリルアンモニウム水酸化物
[(C65 CH2) (CH3)2(C1225) N+] [OH-]水
溶液が得られたことが解った(以下、「B−3」と称す
る)。
【0023】(テトラオルガノアンモニウム水酸化物の
合成例4)合成例1においてセチルトリメチルアンモニ
ウム臭化物に代えてジラウリルジメチルアンモニウム臭
化物 25.4g(0.055mol)を使用した他は同様に行なっ
た。得られた濃縮液の不揮発分は34.7%(70℃/24時間
後)であり、 0.1N塩酸による中和滴定の結果、水酸基
量も34.2%で、このことから98%以上の反応率でジラウ
リルジメチルアンモニウム水酸化物[(C1225)2 (CH
3)2+] [OH-]水溶液が得られたことが解った(以
下、「B−4」と称する)。
【0024】(実施例1)300ml ビーカーに(化4)で
示されるジメチルシクロポリシロキサン100.0g、実施例
1で得られた「B−1」10.4g(セチルトリメチルアン
モニウム水酸化物として4.0g)及び水9.6gを仕込み、ホ
モミキサーを用いて1,000rpmで転相させた後、さらに5,
000rpmで15分間均一に乳化分散させた。次いで、水 80.
0gを加えて希釈した後、高圧ホモジナイザーに 300kg/c
m2で2回通過させ、初期エマルジョンを得た。このエマ
ルジョンを60℃で24時間静置し乳化重合した後、15℃で
8時間熟成してから、5%塩酸9.7gを添加混合し、pH
7.2に中和してオルガノポリシロキサンエマルジョンを
調製した。得られたエマルジョンの不揮発分は47.4%
(105 ℃/3時間の加熱の後)であり、平均粒子径をサ
ブミクロン粒子アナライザー(日科機社製)で測定した
ところ0.22μmであった。これをエマルジョン(イ)と
した。このエマルジョン(イ)50gにイソプロピルアル
コール100gを加えてオルガノポリシロキサン成分を抽出
し、乾燥後、粘度を測定したところ、160,000センチポ
イズであった。なお、安定性の評価結果を(表1)に示
した。
【0025】
【化4】
【0026】(実施例2)(化4)で示されるオルガノ
ポリシロキサン 97.9gと(化5)で示されるオルガノポ
リシロキサン2.1gとの混合物を使用し、中和剤として酢
酸2.4gを用いた他は実施例1と同様に行ない、pH 6.5、
不揮発分47.5%、平均粒子径0.17μmのオルガノポリシ
ロキサンエマルジョンを得た。これをエマルジョン
(ロ)とした。実施例1と同様にオルガノポリシロキサ
ン成分を抽出し、粘度を測定したところ、170,000セン
チポイズであった。なお、安定性の評価結果を(表1)
に示した。
【0027】
【化5】
【0028】(実施例3)実施例1において、「B−
1」の量を2.6g(セチルトリメチルアンモニウム水酸化
物として1.0g)、転相時の水の量を17.4gとし、中和時
の5%塩酸の量を2.4gとした他は実施例1と同様に行な
い、pH 7.2、不揮発分46.8%、平均粒子径0.27μmのオ
ルガノポリシロキサンエマルジョンを得た。これをエマ
ルジョン(ハ)とした。実施例1と同様にオルガノポリ
シロキサン成分を抽出し、粘度を測定したところ、14
0,000センチポイズであった。なお、安定性の評価結果
を(表1)に示した。
【0029】(実施例4)実施例1において、「B−
1」 10.4gに代えて「B−2」9.4g(ラウリルトリメチ
ルアンモニウム水酸化物として4.0g)を使用し、転相時
の水の量を 10.6gとした他は実施例1と同様に行ない、
pH 7.0、不揮発分48.0%、平均粒子径0.22μmのオルガ
ノポリシロキサンエマルジョンを得た。これをエマルジ
ョン(ニ)とした。実施例1と同様にオルガノポリシロ
キサン成分を抽出し、粘度を測定したところ、170,000
センチポイズであった。なお、安定性の評価結果を(表
1)に示した。
【0030】(比較例1)実施例1において、「B−
1」 10.4gに代えてセチルトリメチルアンモニウム塩化
物水溶液(不揮発分;30.3%) 13.2gを使用し、転相時
の水の量を6.8g、希釈時の水の量を 70.0gとして、同様
に初期エマルジョンを得た。次に、このエマルジョンに
攪拌下で5%KOH水溶液 10.0gを添加し、60℃で24時
間静置し乳化重合を行なった後、エマルジョンの一部を
5%塩酸でpH 6.8に中和し、105℃/3時間の加熱後、
不揮発分を測定したところ35.5%であり、重合は不完全
なものであった。そのため更に60℃で重合を継続し、合
計40時間後に5%塩酸6.5gでpH6.8に中和してオルガノ
ポリシロキサンエマルジョンを調製した。得られたエマ
ルジョンの不揮発分は47.1%であり、平均粒子径は0.35
μmであった。これをエマルジョン(ホ)とした。実施
例1と同様にオルガノポリシロキサン成分の抽出を行な
い、粘度を測定したところ、120,000センチポイズであ
った。なお、安定性の評価結果は(表1)に示した。
【0031】(比較例2)実施例1において、「B−
1」 10.4gに代えて「B−3」 11.1g(ベンジルジメチ
ルラウリルアンモニウム水酸化物として4.0g)を使用
し、転相時の水の量を8.9gとした他は実施例1と同様に
行ない、pH 7.0、不揮発分47.5%、平均粒子径0.37μm
のエマルジョンを得た。これをエマルジョン(ヘ)とし
た。実施例1と同様にオルガノポリシロキサン成分を抽
出し、粘度を測定したところ、150,000センチポイズで
あった。なお、安定性の評価結果を(表1)に示した。
【0032】(比較例3)実施例1において、「B−
1」 10.4gに代えて「B−4」 11.5g(ジラウリルジメ
チルアンモニウム水酸化物として4.0g)を使用し、転相
時の水の量を8.5gとした他は実施例1と同様に行なった
ところ、重合開始後4時間でエマルジョンが分離してし
まったため、それ以上重合反応を進めることが出来なか
った。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明においては、重合触媒兼乳化剤と
してテトラオルガノアンモニウム水酸化物を用いること
により重合速度が大きくなり、重合時間の短縮が可能と
なるため生産性が上がる。また得られたカチオン性のオ
ルガノポリシロキサンエマルジョンは平均粒子径が 0.3
μm以下と小さく、保存安定性、希釈安定性、機械安定
性等の各種安定性が良好であるから、化粧品用基剤、繊
維処理剤、離型剤、艶出し剤などの原料として有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J035 BA02 CA01K CA022 CA062 EA01 EB03 EB08 LB08 LB09 LB11 LB14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低重合度オルガノポリシロキサン(A)
    を、下記一般式(1)で示される1種又は2種以上のテ
    トラオルガノアンモニウム水酸化物(B)の存在下で水
    中に乳化分散させて初期エマルジョンを得、このエマル
    ジョンを10〜80℃において重縮合反応させ、次いで中和
    することを特徴とするオルガノポリシロキサンエマルジ
    ョンの製造方法。 [R1234+] [OH-]…(1) (式中、R1 は炭素数6〜30の1価の非芳香族炭化水素
    基、R2 、R3 、R4 は同一または異種の炭素数1〜6
    の1価飽和炭化水素基)
  2. 【請求項2】 低重合度オルガノポリシロキサン(A)
    が、環状オルガノポリシロキサン、末端がトリオルガノ
    シリル基、ジオルガノモノヒドロキシシリル基またはジ
    オルガノモノアルコキシシリル基で封鎖された直鎖状オ
    ルガノポリシロキサンまたはこれらの混合物である請求
    項1記載のオルガノポリシロキサンエマルジョンの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 低重合度オルガノポリシロキサン(A)
    100重量部、テトラオルガノアンモニウム水酸化物
    (B) 0.1〜50重量部及び水(C)10〜 500重量部を乳
    化分散させて初期エマルジョンを得、このエマルジョン
    を10〜80℃において重縮合反応させ、次いで中和するこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のオルガノポリシ
    ロキサンエマルジョンの製造方法。
  4. 【請求項4】 テトラオルガノアンモニウム水酸化物
    (B)において、R1が炭素数10〜20の1価の非芳香族
    炭化水素基、R2 、R3 、R4 がメチル基である請求項
    1〜3のいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサン
    エマルジョンの製造方法。
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