JP2000119020A - 強誘電体薄膜の成膜用原料溶液および成膜方法 - Google Patents

強誘電体薄膜の成膜用原料溶液および成膜方法

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JP2000119020A
JP2000119020A JP10292395A JP29239598A JP2000119020A JP 2000119020 A JP2000119020 A JP 2000119020A JP 10292395 A JP10292395 A JP 10292395A JP 29239598 A JP29239598 A JP 29239598A JP 2000119020 A JP2000119020 A JP 2000119020A
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Nobuyuki Soyama
信幸 曽山
Kazumasa Maki
一誠 牧
Akira Mori
暁 森
Kensuke Kageyama
謙介 影山
Masaya Matsuura
正弥 松浦
Katsumi Ogi
勝実 小木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般式:Pb1-x Lax (Zry Ti1-y)1-x/4
3 (式中、0≦x<1、0≦y≦1)で表される組成を
持つ強誘電体薄膜をゾルゲル法により成膜するための原
料溶液の長期保存安定性を改善する。 【解決手段】 Pb、La、Zr、Tiから選ばれた2種以上の
金属のアルコキシド、その部分加水分解物、および/ま
たは有機酸塩を有機溶媒中に含有する原料溶液の溶存酸
素濃度を、窒素バブリング、酸素吸着剤などにより飽和
溶存酸素濃度の30%以下に低減させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気的および/ま
たは光学的性質により各種の誘電体デバイスへの応用が
期待できる金属酸化物系の強誘電体薄膜を、ゾルゲル法
により形成するための組成物と、該薄膜の形成方法に関
する。本発明の強誘電体薄膜形成用組成物は、保存安定
性に優れ、一定した品質の強誘電体薄膜を安定して形成
することができる。
【0002】
【従来の技術】一般式:Pb1-x Lax (Zry Ti1-y)1-x/4O3
(0≦x<1、0≦y≦1)で示される組成を有する金
属酸化物からなる、ペロブスカイト型結晶構造を持つ強
誘電体薄膜(例、PT膜、PZT膜、PLZT膜)は、
その高い誘電率と、優れた強誘電特性や光学特性から、
キャパシタ膜、光センサ、光回路素子などに使われてい
る他、不揮発性メモリといった新たな誘電体デバイスへ
の応用が期待されている。
【0003】書換え可能メモリとして現在主に使用され
ているDRAMは揮発性メモリであって、記憶保持のた
めに周期的に電流を流す必要があり、消費電力が大きい
ことが環境面から問題になっている。そこで、不揮発性
で記憶を長期間保持できるため消費電力が少なく、DR
AMと互換性のある強誘電体メモリが注目を集めてい
る。強誘電体メモリは、上記の特徴に加えて、書き込み
電圧が低く、高速書き込みが可能で、書換え可能回数が
多く、ビット書換え可能で、ランダムアクセスが可能と
いった利点もあり、実用化を目指した研究が現在進めら
れている。
【0004】強誘電体メモリは、DRAMのキャパシタ
部分を強誘電体薄膜で置き換え、強誘電体の自発分極の
ヒステリシス現象を利用して、この薄膜に記憶機能を持
たせたものである。この強誘電体メモリの強誘電体薄膜
材料としては、自発分極が大きいPZT系材料が適して
いるとされ、PZT薄膜を組み込んだ強誘電体メモリが
既に試作されている。
【0005】一般に金属酸化物型の強誘電体薄膜は、各
種の物理的気相成長法、化学的気相成長法、および湿式
成膜法を利用して成膜することができるが、代表的な成
膜法としては、物理的気相成長法であるスパッタリング
法、化学的気相成長法であるMOCVD法、および湿式
成膜法であるゾルゲル法が挙げられる。このうち、最も
安価かつ簡便に強誘電体薄膜を成膜できるのは普通はゾ
ルゲル法である。
【0006】ゾルゲル法は、各成分金属の加水分解性の
有機金属化合物を含有する溶液(原料溶液)を基板に塗
布し、塗膜を乾燥させた後、例えば空気中で約400 ℃に
加熱して金属酸化物の膜を形成し、さらに約700 ℃で焼
成して膜を結晶化させることにより強誘電体薄膜を成膜
する方法である。原料の加水分解性の有機金属化合物と
しては、金属アルコキシド、その部分加水分解物、また
は有機酸塩が一般に使用される。ゾルゲル法は、安価か
つ簡便で量産に適しているという利点に加えて、膜の組
成制御が容易で、成膜厚みが比較的均一であるという特
徴がある。従って、比較的平坦な基板上に強誘電体薄膜
を形成するのには最も有利な成膜法であるといえる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ゾルゲル法に用いる原
料溶液は、金属アルコキシドといった加水分解性の有機
金属化合物またはその部分加水分解物を含有しており、
溶液の保存中に、溶液中または大気中の水分や酸素の影
響により加水分解/重縮合反応が進行するため、長期保
存に対する原料溶液の安定性に問題があった。
【0008】具体的には、原料溶液の保存期間が長くな
ると、色や粘度などの溶液の性状の経時変化に加えて、
その溶液から成膜された強誘電体薄膜の電気的特性や表
面モフォロジーが大きく変化するため、製品の品質が安
定せず、各種の誘電体デバイスの作製における障害とな
っていた。
【0009】本発明は、この問題点の解消を目指したも
のであり、ゾルゲル法により強誘電体薄膜を形成するの
に適した、長期保存に対する安定性に優れた原料溶液
と、この原料溶液を用いた強誘電体薄膜の成膜方法を提
供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために研究を重ねた結果、ゾルゲル法用の原料
溶液中の酸素濃度を減少させると、原料溶液の保存安定
性が著しく改善されることを見出し、本発明に到達し
た。
【0011】ここに、本発明は、Pb、La、Zr、Tiから選
ばれた2種以上の金属のアルコキシド、その部分加水分
解物、および/または有機酸塩を有機溶媒中に含有する
溶液からなり、この溶液中の溶存酸素濃度が飽和溶存酸
素濃度の30%以下であることを特徴とする、一般式:Pb
1-x Lax (Zry Ti1-y)1-x/43 (式中、0≦x<1、0
≦y≦1)で表される組成を持つ強誘電体薄膜の成膜用
原料溶液である。
【0012】この強誘電体薄膜成膜用の原料溶液は、従
来のゾルゲル法による成膜と同様の方法で、強誘電体薄
膜の形成に使用できる。即ち、この原料溶液を耐熱性基
板に塗布し、空気中または含水蒸気雰囲気中で加熱して
金属酸化物膜を成膜し、必要に応じて膜が所望の厚さに
なるまで塗布と加熱を繰り返し、前記加熱中または塗布
と加熱の繰り返し後に膜を結晶化温度以上で焼成するこ
とにより、強誘電体薄膜を成膜することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明で成膜される強誘電体は、
一般式:Pb1-x Lax (Zry Ti1-y)1-x/43(式中、xは
0または1より小さい小数、yは0、1または1より小
さい小数)で示される組成を持つペロブスカイト型結晶
構造の物質である。これには、PT(チタン酸鉛) 、P
ZT (チタンジルコン酸鉛) およびPLZT (ランタン
含有チタンジルコン酸鉛) などが包含されるが、これに
限られるものではない。また、上記一般式で示される組
成は、微量のドープ元素を含有することができる。ドー
プ元素の例としては、Ca、Sr、Ba、Hf、Sn、Th、Y、S
m、Dy、Ce、Bi、Sb、Nb、Ta、W、Mo、Cr、Co、Ni、F
e、Cu、Si、Ge、U、Sc、V、Pr、Nd、Eu、Gd、Tb、H
o、Er、Tm、Yb、Luが挙げられ、その含有量は上記一般
式における原子分率で0.05以下である。
【0014】このような強誘電体薄膜を、成分金属のア
ルコキシドおよび/または有機酸塩を含有する原料溶液
を用いて、ゾルゲル法により成膜する方法は、この方法
に使用可能な金属化合物の種類や加熱・焼成条件を含め
て、当業者にはよく知られている (例、特開昭60−2364
04号公報参照) 。本発明は、この原料溶液中の溶存酸素
濃度が一定値以下である点を除いて、従来のゾルゲル法
による成膜方法と同様に実施することができる。
【0015】原料として好ましい有機金属化合物を例示
すると、鉛化合物およびランタン化合物としては酢酸塩
(酢酸鉛、酢酸ランタン) などの有機酸塩ならびにジイ
ソプロポキシ鉛などのアルコキシドが挙げられる。チタ
ン化合物としては、テトラエトキシチタン、テトライソ
プロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトラ
i−ブトキシチタン、テトラt−ブトキシチタン、ジメ
トキシジイソプロポキシチタンなどのアルコキシドが挙
げられる。ジルコニウム化合物としては上記チタン化合
物と同様なアルコキシド類が好ましい。金属アルコキシ
ドはそのまま使用してもよいが、成膜を促進するためそ
の部分加水分解物を使用してもよい。
【0016】金属アルコキシドの部分加水分解は、金属
アルコキシドを有機溶媒に溶解した溶液を、場合により
酸触媒の存在下で加水分解させることにより行うことが
できる。加水分解反応は、溶液に添加する水や酸触媒の
量や反応条件 (温度、時間)により制御して、完全に加
水分解が進行しないようにする。
【0017】各成分金属の原料として使用する有機金属
化合物を、適当な有機溶媒に溶解して原料溶液を調製す
る。溶液中に含有させる各有機金属化合物の割合は、成
膜しようとする強誘電体薄膜中における組成比とほぼ同
じでよい。但し、一般に鉛化合物は揮発性が高く、金属
酸化物に変化させるための加熱中または結晶化のための
焼成中に蒸発による鉛の欠損が起こることがある。その
ため、この欠損を見越して、鉛をやや過剰 (例、2〜8
%過剰) に存在させることがある。鉛の欠損の程度は、
鉛化合物の種類や成膜条件によって異なり、実験により
求めることができる。
【0018】有機溶媒としては、原料の有機金属化合物
を溶解することができれば特に制限されない。使用可能
な有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、
ブタノールなどのアルコール類、アセトン、シクロヘキ
サノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸
イソアミル等の酢酸エステル類などが挙げられる。ま
た、エトキシメタノールといった、アルコキシアルコー
ル類も使用できる。溶媒は1種のみ、または2種以上を
使用できる。好ましい有機溶媒は、1種もしくは2種以
上のアルコール類、またはアルコール類と他の溶媒との
混合溶媒である。
【0019】原料溶液の濃度は特に制限されず、利用す
る塗布法によっても異なるが、通常は溶液粘度が室温で
1〜30 cP の範囲内となるような濃度が好ましい。原料
溶液は、有機溶媒と原料の有機金属化合物に加えて、少
量の水および酸触媒を含有していてもよい。水の量は、
金属アルコキシドの総モル数に対して0〜10倍モル程度
の範囲が含有させるのが一般的であり、好ましくは 0.5
〜4倍モル程度である。酸触媒は、塩酸、硫酸、硝酸な
どの無機酸も使用できるが、好ましくは有機酸がよい。
【0020】本発明によれば、上記の原料溶液中の溶存
酸素濃度 (即ち、溶液中に溶解している分子状酸素の濃
度) を、飽和溶存酸素濃度の30%以下に低下させる。溶
液の飽和溶存酸素濃度は、溶液中に酸素バブリングを十
分に行って溶液に酸素を飽和させた後、酸素濃度計で酸
素濃度を測定することにより決定できる。
【0021】原料溶液中の溶存酸素濃度が上記範囲内で
あると、原料溶液が上記のように少量の酸触媒や水を含
有していても、液中の有機金属化合物の加水分解が実質
的に進行せず、そのため原料溶液の保存安定性が著しく
高まる。即ち、原料溶液を長期間保存しても、色や粘度
などの溶液の性状がほとんど変化せず、また成膜で得ら
れた強誘電体薄膜の電気的特性や表面モフォロジーもほ
とんど変化しないので、一定の品質の強誘電体薄膜を成
膜することが可能となる。
【0022】一般にアルコキシド等の加水分解性有機金
属化合物の加水分解は、水や酸触媒によって進行するの
で、これらが液中に共存する限り、その加水分解の進行
を阻止することは困難であると考えられてきた。しか
し、本発明者らは、液中の溶存酸素も加水分解の進行に
関与することを見出した。即ち、液中の溶存酸素濃度を
十分に低くすれば、原料溶液が水や酸を少量含有してい
ても、加水分解の進行が実質的に抑制され、液の保存安
定性が著しく高まるのである。但し、溶存酸素濃度が飽
和溶存酸素濃度の30%より高くなると、この効果は得ら
れない。溶存酸素濃度は、好ましくは20%以下、さらに
好ましくは10%以下である。
【0023】原料溶液の溶存酸素濃度を上記のように低
下させるには、種々の方法が適用できる。例えば、窒
素、アルゴン等の不活性ガスを溶液にバブリングして、
溶存酸素を追い出す方法がある。また、酸素吸着剤を使
用して液中の酸素濃度を低下させることもできる。
【0024】溶存酸素濃度が低い本発明の強誘電体薄膜
形成用の原料溶液は、密封容器内に入れ、好ましくは窒
素、アルゴン等の不活性ガスを充填しておくと、1年と
いった長期間にわたって安定に保存することができる。
【0025】上述したように、この原料溶液から従来の
ゾルゲル法と同様に強誘電体薄膜を成膜することができ
る。まず、基板上に原料溶液を塗布する。塗布は、スピ
ンコーティングにより行うのが普通であるが、ロール塗
布、噴霧、浸漬、ドクターブレードなど他の塗布法も適
用可能である。塗布後、塗膜を乾燥させ、溶媒を除去す
る。この乾燥温度は溶媒の種類によっても異なるが、通
常は80〜200 ℃程度であり、例えば 100〜180 ℃の範囲
でよい。但し、次の金属酸化物に転化させるための加熱
の際の昇温中に溶媒は除去されるので、塗膜の乾燥工程
は必ずしも必要ない。
【0026】その後、塗布した基板を加熱し、有機金属
化合物を完全に加水分解させて金属酸化物に転化させ、
金属酸化物からなる膜を形成する。加水分解の進行には
水が必要であるので、この加熱は、微量の水蒸気を含有
している空気中、または含水蒸気雰囲気 (例、水蒸気を
含有する窒素雰囲気) 中で行う。この加熱温度は、金属
酸化物の種類によっても異なるが、通常は 250〜500 ℃
の範囲であり、例えば300〜450 ℃である。加熱時間
は、加水分解が完全に進行するように選択するが、通常
は5〜10分間程度である。
【0027】ゾルゲル法の場合は、1回の塗布で、強誘
電体薄膜に必要な膜厚とすることは難しい場合が多いの
で、必要に応じて、上記の塗布と (乾燥と) 乾燥と加熱
を繰り返して、所望の膜厚の金属酸化物の膜を得る。但
し、こうして得られた膜は、非晶質であるか、結晶性が
不十分であるので、分極性が低く、強誘電体薄膜として
利用できない。
【0028】そのため、最後に、その金属酸化物の結晶
化温度以上の温度で焼成して、ペロブスカイト型の結晶
構造を持つ結晶質の金属酸化物薄膜とする。なお、結晶
化のための焼成は、最後に一度で行うのではなく、各塗
布した塗膜ごとに、上記の仮焼に続けて行ってもよい
が、高温での焼成を何回も繰り返す必要があるので、最
後にまとめて行う方が経済的には有利である。
【0029】この結晶化のための焼成温度は通常は 550
〜800 ℃の範囲であり、例えば 600〜750 ℃である。従
って、基板としては、この焼成温度に耐える程度の耐熱
性を有するものを使用する。耐熱性の基板材料として
は、シリコン、白金、ニッケルなどの金属類、石英、窒
化アルミニウム、酸化チタンなどの無機化合物が挙げら
れる。結晶化のための焼成時間は通常は1分〜1時間程
度であり、焼成雰囲気は特に制限されないが、通常は空
気である。
【0030】このようにして成膜された強誘電体薄膜の
膜厚は、誘電体デバイスの用途によっても異なるが、通
常は50〜400 nm程度が好ましい。得られた強誘電体薄膜
は、前述したような各種の誘電体デバイスに有用であ
る。
【0031】
【実施例】本実施例で使用した各金属原料の有機金属化
合物は次の通りである: Pb:酢酸鉛3水和物 La:酢酸ランタン1.5 水和物 Zr:チタンテトライソプロポキシド Ti:ジルコニウムテトラt−ブトキシド 原料溶液は、有機溶媒中に、まず酢酸塩形態の金属化合
物 (Pb、La化合物) を溶解させ、共沸蒸留により水を除
去した。その後、得られた溶液にアルコキシド形態の金
属化合物 (Zr、Ti化合物) を添加して溶解させた。この
溶液に乾燥窒素ガスをバブリングさせて溶液の溶存酸素
濃度を低下させ、成膜に使用する原料溶液を得た。
【0032】この原料溶液中の有機金属化合物の合計濃
度は、上記一般式に換算して、約10wt%であった。各原
料溶液の調製直後の溶存酸素濃度を酸素濃度計により測
定した。
【0033】この原料溶液を、調製してから3日目と、
密閉容器中で保管後6ヶ月目で色度を測定し、色の変化
を観察した。これらの試験結果を次の表1に示す。比較
のために、溶存酸素濃度の低下処理を行わなかった原料
溶液についての試験結果も併せて示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1からわかるように、本発明に従って、
原料溶液の溶存酸素濃度を低下させると、原料溶液を長
期間保存しても、溶液の色が実質的に変化しなかった。
従って、これから成膜した強誘電体薄膜の電気的特性や
表面モフォロジーは、保存前の原料溶液を使用した場合
に比べて大きく変化しないことが予想される。
【0036】これに対し、この溶存酸素濃度の低下処理
を行わずに原料溶液を長期保存すると、保存中に加水分
解が進行する結果、溶液の色が著しく変化した。その結
果、成膜された強誘電体薄膜も電気的特性や表面モフォ
ロジーが大きく劣ったものとなることが予想される。従
って、本発明の溶存酸素濃度の低下は原料溶液の保存安
定性の改善に非常に有効である。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、ゾルゲル法による強誘
電体薄膜の成膜に使用する原料溶液の保存中における、
原料化合物の加水分解に起因する原料溶液の劣化が防止
され、この溶液の保存安定性が著しく改善される。その
ため、長期保存した原料溶液を使用しても、電気的性質
や表面モフォロジーの劣化がない強誘電体薄膜を成膜す
ることができるため、強誘電体薄膜の品質が安定化し、
誘電体デバイスの信頼性の向上を図ることができる。ま
た、劣化した原料溶液は廃棄せざるを得ないので、原料
溶液の歩留りも著しく向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 暁 兵庫県三田市テクノパーク12−6 三菱マ テリアル株式会社三田工場内 (72)発明者 影山 謙介 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 (72)発明者 松浦 正弥 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 (72)発明者 小木 勝実 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4G031 AA09 AA11 AA13 AA32 BA02 CA08 GA06 GA07 GA18 4G048 AA03 AB05 AC02 AD02 AD10 AE05 AE08 5G303 AA10 AB20 BA03 BA07 CA01 CA09 CA11 CB15 CB25 CB35 CB39 CD04 DA02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Pb、La、Zr、Tiから選ばれた2種以上の
    金属のアルコキシド、その部分加水分解物、および/ま
    たは有機酸塩を有機溶媒中に含有する溶液からなり、こ
    の溶液中の溶存酸素濃度が飽和溶存酸素濃度の30%以下
    であることを特徴とする、一般式:Pb1-x Lax (Zry Ti
    1-y)1-x/43 (式中、0≦x<1、0≦y≦1)で表
    される組成を持つ強誘電体薄膜の成膜用原料溶液。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の原料溶液を耐熱性基板に
    塗布し、空気中または含水蒸気雰囲気中で加熱して金属
    酸化物膜を成膜し、必要に応じて膜が所望の厚さになる
    まで塗布と加熱を繰り返し、前記加熱中または塗布と加
    熱の繰り返し後に膜を結晶化温度以上で焼成することか
    らなる、強誘電体薄膜の形成方法。
JP10292395A 1998-10-14 1998-10-14 強誘電体薄膜の成膜用原料溶液および成膜方法 Pending JP2000119020A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004075424A (ja) * 2002-08-12 2004-03-11 Mitsubishi Materials Corp 耐疲労特性に優れた強誘電体薄膜とその形成用組成物
JP2009170695A (ja) * 2008-01-17 2009-07-30 Seiko Epson Corp 強誘電体メモリの製造方法

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