JP2000118149A - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート

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JP2000118149A
JP2000118149A JP10298123A JP29812398A JP2000118149A JP 2000118149 A JP2000118149 A JP 2000118149A JP 10298123 A JP10298123 A JP 10298123A JP 29812398 A JP29812398 A JP 29812398A JP 2000118149 A JP2000118149 A JP 2000118149A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 針入度の大きく、融点の低いワックスを使用
しても、印字物の耐擦過性が劣化することなく、印字の
転写感度と印字物の耐擦過性の双方が優れ、製造上の作
業性、コストの面で良好である熱転写シートを提供す
る。 【解決手段】 基材フィルムの一方の面に、少なくとも
熱溶融インキ層を設けてあり、該熱溶融インキ層がワッ
クス、樹脂、着色剤から構成され、該樹脂として脂環族
系石油樹脂、または脂環族・芳香族系石油樹脂を含有
し、該石油樹脂の含有量を熱溶融インキ層の全固形分に
対して20重量%以上としている。これにより、上記の
石油樹脂は溶融粘度が低いため、20重量%以上の割合
で用いても、熱溶融インキ層の溶融粘度が高くなる点を
抑制でき、また針入度4以上のワックスを使用しても、
その軟らかいワックス中に硬い該石油樹脂が添加される
ため、印字の転写感度と印字物の耐擦過性の双方におい
て優れたものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写シートに関
わり、さらに詳しくはその印字物において印字品質が良
く、耐擦過性に優れた熱転写シートに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、顔料、染料等の着色剤を熱溶融性
のワックスや樹脂等のバインダーに分散させた熱溶融イ
ンキ層を、プラスチックフィルム等の基材シートに担持
させた熱転写シートを用いて、サーマルヘッド等の加熱
デバイスにより画像情報に応じたエネルギーを印加し、
紙やプラスチックシートなどの受像シート上に着色剤を
バインダーとともに転写する溶融転写方式が知られてい
る。この溶融転写方式によって形成される印字画像は、
高濃度で鮮鋭性に優れ、文字、線画等の2値画像の記録
に適している。また、イエロー、マゼンタ、シアン、ブ
ラック等の熱溶融インキ層を有する熱転写シートを用い
て、受像シート上に各熱溶融インキ層を重ねて印字記録
することで、減色混合により多色ないしフルカラー画像
の形成も可能である。
【0003】さて、溶融転写方式により、バーコードの
ように線幅、線間隔、長さに厳しい規格が設けられてい
るものを印字する場合、熱転写シートには熱溶融インキ
層の膜切れ性が良好で、シャープな印字が可能であるこ
とが要求される。また、バーコードリーダーによる読み
取りを正確なものとし、さらに印字物の取り扱いによ
り、印字部の擦れ汚れを防止するため、印字物には耐擦
過性が要求される。これに対して、熱転写シートの熱溶
融インキ層をアクリル系樹脂や酢酸ビニル系樹脂等の樹
脂を主体にしたもので、多くの種類のものが提案されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
熱転写シートでは、熱溶融インキ層にパラフィンワック
スのような針入度の大きく、融点の低いワックスを使用
して、ホットメルトの塗工が行いやすく、また印字にお
ける転写感度を高めるものが一般的である。この熱転写
シートでは、印字物の耐擦過性が良くなく、バーコード
のような印字部を読み取る場合、読み取り不良が発生す
るという問題がある。また、熱転写シートの熱溶融イン
キ層を、カルナバワックスのような針入度の小さいワッ
クスを主体にしたものでは、印字物の耐擦過性は良くな
るが、針入度の小さいワックスは融点が高く、印字の転
写感度が低いという欠点がある。さらに、カルナバワッ
クスのような天然物は、生産量が不安定であり、そのた
めにコストが高いという問題がある。したがって、本発
明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、針入度
の大きく、融点の低いワックスを使用しても、印字物の
耐擦過性が劣化することなく、印字の転写感度と印字物
の耐擦過性の双方が優れ、製造上の作業性、コストの面
で良好である熱転写シートを提供することを目的として
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、基材フィルムの一方の面に、少なくとも
熱溶融インキ層を設けた熱転写シートにおいて、該熱溶
融インキ層がワックス、樹脂、着色剤から構成され、該
樹脂として脂環族系石油樹脂、または脂環族・芳香族系
石油樹脂を含有し、該石油樹脂の含有量が熱溶融インキ
層の全固形分に対して20重量%以上であることを特徴
としている。前記のワックスは、針入度が4以上のワッ
クスを主成分とすることが好ましく行われる。尚、本発
明で規定する針入度は全て25℃におけるデータであ
る。また、前記の脂環族系石油樹脂、または脂環族・芳
香族系石油樹脂の軟化点が80〜140℃の範囲内であ
ることが好ましい。
【0006】本発明の作用は、以下の通りである。本発
明の熱転写シートは、基材フィルムの一方の面に、少な
くとも熱溶融インキ層を設けてあり、該熱溶融インキ層
がワックス、樹脂、着色剤から構成され、該樹脂として
脂環族系石油樹脂、または脂環族・芳香族系石油樹脂を
含有し、該石油樹脂の含有量を熱溶融インキ層の全固形
分に対して20重量%以上としている。これにより、上
記の石油樹脂は溶融粘度が低いため、20重量%以上の
割合で用いても、熱溶融インキ層の溶融粘度が高くなる
点を抑制でき、また針入度4以上のワックスを使用して
も、その軟らかいワックス中に硬い該石油樹脂が添加さ
れるため、印字の転写感度と印字物の耐擦過性の双方に
おいて優れたものとなる。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態につい
て、詳述する。本発明の熱転写シートの基本形態は、基
材フィルムの一方の面に、少なくとも熱溶融インキ層を
設けた構成であるが、熱溶融インキ層と基材フィルムと
の間に、剥離層を設けても良く、また熱溶融インキ層の
上に、接着層を設けることもでき、さらに、基材フィル
ムの他方の面に耐熱層を設けることができる。
【0008】(基材フィルム)本発明で用いる基材フィ
ルムとしては、従来の熱転写シートに使用されていると
同じ基材フィルムがそのまま用いることが出来ると共
に、その他のものも使用することが出来、特に制限され
ない。好ましい基材フィルムの具体例としては、例え
ば、ポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカ
ーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩
化ビニリデン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、塩
化ゴム、アイオノマー等のプラスチックフィルム、コン
デンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等があり、
又、これらを複合した基材フィルムであってもよい。特
に好ましい基材フィルムはポリエチレンテレフタレート
フィルムである。この基材フィルムの厚さは、その強度
及び熱伝導性が適切になるように材料に応じて適宜変更
することが出来るが、その厚さは、好ましくは、例え
ば、2〜25μmである。
【0009】(剥離層)本発明の熱転写シートは、基材
フィルムと熱溶融インキ層との間に、剥離層を設けても
良い。基材フィルムの一方の表面に形成する剥離層は、
熱転写時に溶融して熱溶融インキ層の剥離性を良くし、
転写後は転写画像の表面に少なくとも一部が熱溶融イン
キ層と共に転写され、熱溶融インキ層の保護層、特に転
写画像に良好な滑り性を与えて、転写画像の耐擦過性を
向上させる作用をする。本発明では先ず、上記基材フィ
ルムの一方の面に剥離層を形成する。この剥離層は、例
えば、剥離性に優れたアクリル樹脂、シリコーン樹脂、
弗素樹脂、シリコーン或は弗素で変性した各種の樹脂が
使用出来るが、好ましいものはワックスである。
【0010】かかるワックスとしては、印字時に溶融し
て剥離性を発揮する各種のワックスが好ましい。好適に
使用されるワックスとしては、例えば、マイクロクリス
タリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワック
ス、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポ
リエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、
羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、
ペトロラクタム、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、
脂肪酸アミド等、種々のワックスが挙げられる。特に好
ましいワックスは比較的融点が高く且つ溶剤に溶けにく
いマイクロクリスタリンワックス及びカルナバワックス
等である。上記剥離層は熱転写シートの感度を低下させ
ることがないように薄い層、例えば、乾燥状態で0.1
〜2μm程度の厚みであるのが好ましい。
【0011】(熱溶融インキ層)上記の基材フィルムの
上に形成される熱溶融インキ層は、ワックス、樹脂、着
色剤から構成され、該樹脂として脂環族系石油樹脂、ま
たは脂環族・芳香族系石油樹脂を含有し、該石油樹脂の
含有量が熱溶融インキ層の全固形分に対して20重量%
以上であり、上限としては、ワックスの割合が少なくな
ると、印字が劣る傾向にあるため、60重量%程度であ
り、より好ましくはホットメルトの状態で塗工の行いや
すい40重量%以下が好ましい。熱溶融インキ層の構成
樹脂である脂環族系石油樹脂、または脂環族・芳香族系
石油樹脂について、以下に説明する。
【0012】脂環族系石油樹脂は、炭素原子が環状に結
合した構造をもち、芳香族石油樹脂に属さないものであ
り、主としてナフサ分解生成物の蒸留により分解された
高純度のジシクロペンタジエンを原料とする。その他
に、改質のためにC9留分、エステル含有モノマー、水
酸基含有モノマー等を用いる場合もある。脂環族系石油
樹脂の製造法は、ジシクロペンタジエンを熱重合または
カチオン重合して得られる。古くは比較的低純度のジシ
クロペンタジエンをカチオン重合して製造される場合が
多かったが、最近では高純度のジシクロペンタジエンを
熱重合して製造されることが多い。脂環族系石油樹脂の
構造は、下記化学式1または化学式2に示すものが挙げ
られる。
【0013】
【化1】 尚、nは1以上の整数を示す。
【化2】
【0014】上記の脂環族系石油樹脂は、軟化点が80
〜140℃の範囲内であるものが好ましく用いられ、該
石油樹脂の溶融粘度が他の樹脂に比較して低いため、ワ
ックスインキ中に多量に添加しても溶融粘度を低く抑え
られる。また熱溶融インキ層は該硬い石油樹脂が、軟ら
かいワックスに添加されているため、印字に転写感度と
印字物の耐擦過性の双方において優れたものとなる。次
に、脂環族・芳香族系石油樹脂は、脂環族系石油樹脂と
芳香族系石油樹脂が混合されたもの(相互に分子結合は
されていない。)である。例えば、ビニル芳香族石油樹
脂を主体とする重合体ブロックと、脂環構造の共役ジエ
ンを主体とする重合体ブロックとのブロック共重合体等
が挙げられる。上記のビニル芳香族石油樹脂としては、
例えば、スチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン
等が挙げられ、脂環構造の共役ジエンとしては、例え
ば、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。上記の脂環
族・芳香族系石油樹脂は、軟化点が80〜140℃の範
囲内であるものが好ましく用いられ、該石油樹脂の溶融
粘度が他の樹脂に比較して低いため、ワックスインキ中
に多量に添加しても溶融粘度を低く抑えられる。また熱
溶融インキ層は該硬い石油樹脂が、軟らかいワックスに
添加されているため、印字の転写感度と印字物の耐擦過
性の双方において優れたものとなる。
【0015】また、バインダー樹脂として、上記の石油
樹脂に加えて、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミ
ド樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリレート樹
脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体、ポリスチレン樹脂等の比較的軟
化点の低い熱可塑性樹脂が使用できる。熱溶融インキ層
で使用するワックスとしては、ワックスとしては、例え
ば、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワック
ス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワッ
クス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、
鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キ
ャンデリラワックス、ペトロラクタム、ポリエステルワ
ックス、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸ア
ミド等、種々のワックスが挙げられる。
【0016】上記のワックスの中でも、針入度が4以上
で、融点の低めのワックスを主成分として、熱溶融イン
キとして、ホットメルト塗工が行いやすく、また印字の
感度を高めることが好ましい。針入度が4以上のワック
スとして、具体的にはパラフィンワックス、マイクロク
リスタリンワックス等、針入度が4以上であれば、上記
の各種ワックスが使用できる。一般的に、針入度10以
上のワックスを使用するのが望ましい。また、使用する
ワックスの針入度の上限としては、30程度、好ましく
は20程度である。熱溶融インキ層中のワックス含有量
は、熱溶融インキ層の全固形分に対して40〜70重量
%程度である。また、本発明では、着色剤として、イエ
ロー、マゼンタ、シアン、ブラック、ホワイトなどの各
着色剤が、従来公知の染料、顔料より適宜選択可能であ
る。本発明の熱溶融インキ層の塗工液には、上記のバイ
ンダー樹脂と着色剤と、必要に応じて可塑剤、界面活性
剤、滑剤、流動性調整剤等の助剤を加えることもでき
る。
【0017】熱溶融インキ層の形成は、上記材料で配合
した熱溶融インキ層形成用塗布液を、従来公知の塗工手
段、例えばホットメルトコート、ホットラッカーコー
ト、グラビアダイレクトコート、グラビアリバースコー
ト、ナイフコート、エアコート、ロールコート等の方法
により行うことができる。本発明の熱転写シートでは、
熱溶融インキ層にワックスとして針入度が4以上で、融
点の低いワックスを使用することが望ましく、ホットメ
ルトコートによる熱溶融インキ層の形成が好ましく行わ
れる。熱溶融インキ層の厚さは、乾燥状態で、0.5〜
6μm程度が好ましい。0.5μm未満では、充分な着
色性が得られず、6μmを越えると多量の印字エネルギ
ーが必要となり好ましくない。
【0018】(接着層)本発明の熱転写シートは、熱溶
融インキ層の上に接着層を設けることが可能である。接
着層は、受像シートと転写される熱溶融インキ層との接
着性を向上させることができる。この接着層は、サーマ
ルヘッド、レーザー等の加熱により、軟化して接着性を
発揮する熱可塑性樹脂を主体とし、得られる熱転写シー
トをロール状に巻き取った時にブロッキングを防止する
ために、ワックス類、高級脂肪酸のアミド、エステル及
び塩、フッ素樹脂や無機物質の粉末のようにブロッキン
グ防止剤を添加することができる。
【0019】熱可塑性樹脂として、例えば、エチレン−
酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸
エステル共重合体(EEA)、ポリエステル樹脂、ポリ
エチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリブデ
ン、石油樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデン樹
脂、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、
ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール、アセ
チルセルロース、ニトロセルロース、ポリ酢酸ビニル、
ポリイソブチレン、エチルセルロースまたはポリアセタ
ールなどが挙げられ、特に従来感熱接着剤として使用さ
れている比較的低軟化点、例えば、50〜150℃の軟
化点を有するものが好ましい。
【0020】接着層の形成は、上記の熱可塑性樹脂と添
加剤をホットメルトコートまたは適当な有機溶剤または
水に溶解または分散した接着層形成用塗工液を、従来公
知のホットメルトコート、ホットラッカーコート、グラ
ビアダイレクトコート、グラビアリバースコート、ナイ
フコート、エアコート、ロールコート等の方法により、
乾燥状態で厚さ0.05〜5μmを設けるものである。
乾燥塗膜の厚さが、0.05μm未満の場合、受像シー
ト及び熱溶融インキ層との接着性が劣り、印字の際に転
写不良となる。また、厚さが5μmを越えた場合、印字
時の転写感度が低下し、満足のいく印字品質が得られな
い。
【0021】(耐熱層)また、本発明においては、基材
フィルムとして熱に弱い材料を用いる場合、サーマルヘ
ッドに接する側の表面に、サーマルヘッドの滑り性を良
くし、かつスティッキングを防止する耐熱層を設けるこ
とが好ましい。耐熱層は、耐熱性のある樹脂と熱離型剤
または滑剤の働きをする物質とを基本的な構成成分とす
る。このような耐熱層を設けることによって、熱に弱い
プラスチックフィルムを基材とした熱転写シートにおい
てもスティッキングが起こることなく熱印字が可能であ
って、プラスチックフィルムの持つ切れにくさ、加工の
し易さ等のメリットが生かせる。
【0022】この耐熱層は、バインダー樹脂に滑り剤、
界面活性剤、無機粒子、有機粒子、顔料等を添加したも
のを、好適に使用し、形成される。耐熱層に使用される
バインダー樹脂は、例えば、エチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロ
ース、硝化綿などのセルロース系樹脂、ポリビニルアル
コール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、アクリル樹
脂、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン
共重合体などのビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、シリコーン変性またはフッ素変性ウレタ
ン樹脂などが、あげられる。
【0023】これらのなかで、数個の反応性基、例え
ば、水酸基を有しているものを使用し、架橋剤として、
ポリイソシアネートなどを併用して、架橋樹脂を使用す
ることが好ましい。耐熱層を形成する手段は、上記のご
とき、バインダー樹脂に滑り剤、界面活性剤、無機粒
子、有機粒子、顔料等を添加した材料を、適当な溶剤中
に溶解または分散させて、塗工液を調製し、この塗工液
をグラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバーな
どの慣用の塗工手段により、塗工し、乾燥するものであ
る。
【0024】
【実施例】次に実施例及び比較例をあげて、本発明を更
に具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは、
特に断りのない限り重量基準である。 (実施例1)基材フィルムとして、厚さ4.5μmのポ
リエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、
ルミラー)の一方の面に、下記組成の熱溶融インキ層塗
工液1をホットメルトコートにより、乾燥塗布量が3.
0g/m2 になるように塗布、乾燥して熱溶融インキ層
を形成し、実施例1の熱転写シートを作成する。尚、上
記の基材フィルムの他方の面に、予め下記組成の耐熱層
塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が
0.3g/m2 になるように塗布、乾燥して、耐熱層を
形成しておく。
【0025】熱溶融インキ層塗工液1 カーボンブラック(三菱化学株式会社製、#44) 15部 パラフィンワックス(針入度11) 40部 カルナバワックス 10部 脂環族・芳香族系石油樹脂 30部 (日本ゼオン株式会社製、Quintone1925、軟化点125℃) エチレン−酢酸ビニル共重合体 5部 (MI=150、VA=19%)
【0026】耐熱層塗工液 スチレンアクリロニトリル共重合体樹脂 11部 線状飽和ポリエステル樹脂 0.3部 ジンクステアリルホスフェート 6部 メラミン樹脂粉末 3部 メチルエチルケトン 80部
【0027】(実施例2)上記の実施例1で使用した熱
溶融インキ層塗工液1を、下記組成の塗工液2に変更
し、その他は実施例1と同様にして、実施例2の熱転写
シートを作成した。 熱溶融インキ層塗工液2 カーボンブラック(三菱化学株式会社製、#44) 15部 パラフィンワックス(針入度11) 50部 カルナバワックス 10部 脂環族・芳香族系石油樹脂 20部 (日本ゼオン株式会社製、Quintone1925、軟化点125℃) エチレン−酢酸ビニル共重合体 5部 (MI=150、VA=19%)
【0028】(実施例3)上記の実施例1で使用した熱
溶融インキ層塗工液1を、下記組成の塗工液3に変更
し、その他は実施例1と同様にして、実施例3の熱転写
シートを作成した。 熱溶融インキ層塗工液3 カーボンブラック(三菱化学株式会社製、#44) 15部 パラフィンワックス(針入度11) 40部 カルナバワックス 10部 脂環族系石油樹脂 30部 (日本ゼオン株式会社製、Quintone1500、軟化点100℃) エチレン−酢酸ビニル共重合体 5部 (MI=150、VA=19%)
【0029】(実施例4)上記の実施例1で使用した熱
溶融インキ層塗工液1を、下記組成の塗工液4に変更
し、その他は実施例1と同様にして、実施例4の熱転写
シートを作成した。 熱溶融インキ層塗工液4 カーボンブラック(三菱化学株式会社製、#44) 15部 パラフィンワックス(針入度13) 40部 カルナバワックス 10部 脂環族・芳香族系石油樹脂 30部 (日本ゼオン株式会社製、Quintone1925、軟化点125℃) エチレン−酢酸ビニル共重合体 5部 (MI=150、VA=19%)
【0030】(比較例1)上記の実施例1で使用した熱
溶融インキ層塗工液1を、下記組成の塗工液5に変更
し、その他は実施例1と同様にして、比較例1の熱転写
シートを作成した。 熱溶融インキ層塗工液5 カーボンブラック(三菱化学株式会社製、#44) 15部 パラフィンワックス(針入度11) 60部 カルナバワックス 10部 脂環族・芳香族系石油樹脂 10部 (日本ゼオン株式会社製、Quintone1925、軟化点125℃) エチレン−酢酸ビニル共重合体 5部 (MI=150、VA=19%)
【0031】(比較例2)上記の実施例1で使用した熱
溶融インキ層塗工液1を、下記組成の塗工液6に変更
し、その他は実施例1と同様にして、比較例2の熱転写
シートを作成した。 熱溶融インキ層塗工液6 カーボンブラック(三菱化学株式会社製、#44) 15部 パラフィンワックス(針入度11) 40部 カルナバワックス 10部 変性テルペン樹脂 30部 (ヤスハラケミカル株式会社製、T0115、軟化点115℃) エチレン−酢酸ビニル共重合体 5部 (MI=150、VA=19%)
【0032】(比較例3)上記の実施例1で使用した熱
溶融インキ層塗工液1を、下記組成の塗工液7に変更
し、その他は実施例1と同様にして、比較例3の熱転写
シートを作成した。 熱溶融インキ層塗工液7 カーボンブラック(三菱化学株式会社製、#44) 15部 パラフィンワックス(針入度11) 40部 カルナバワックス 40部 エチレン−酢酸ビニル共重合体 5部 (MI=150、VA=19%)
【0033】上記、実施例および比較例の熱転写シート
を用いて、下記の印字条件にて、印字を実施し、その印
字物を下記の評価方法にて、印字品質及び耐擦過性の評
価を行う。印字条件 使用プリンターは、Autoncs社製BC8MK3プ
リンターを用い、ミラーコート紙に印字速度40mm/
secの条件で、バーコードパターンを印字した。印字品質の評価方法 上記の各印字物について、バーコードの転写状態を目視
にて観察し、下記の判断基準にて評価する。 ○:転写状態が良好である。 ×:転写状態が不良である。
【0034】耐擦過性の評価方法 上記の各印字物について、下記の方法にて、擦過性テス
トを行い、印字物の表面状態を目視にて観察し、下記の
判断基準にて評価する。 試験機 :スガ試験機株式会社製、磨耗試験機 荷重 :500g 移動速度:30mm/sec 往復回数:100回
【0035】評価基準: ○:印字部の脱落が無く、地の部分の汚れが無い。 △:印字部の脱落が少しあり、地の部分の汚れがある。 ×:印字部の脱落が目立ち、地の部分の汚れが非常にあ
る。
【0036】(評価結果)上記の実施例および比較例の
評価結果を、下記の表1に示す。
【表1】
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の熱転写シ
ートは、基材フィルムの一方の面に、少なくとも熱溶融
インキ層を設けてあり、該熱溶融インキ層がワックス、
樹脂、着色剤から構成され、該樹脂として脂環族系石油
樹脂、または脂環族・芳香族系石油樹脂を含有し、該石
油樹脂の含有量を熱溶融インキ層の全固形分に対して2
0重量%以上としている。これにより、上記の石油樹脂
を20重量%以上の割合で用いて、熱溶融インキ層の溶
融粘度が高くなる点を抑制でき、また針入度4以上のワ
ックスを使用しても、その軟らかいワックスを該石油樹
脂の硬い皮膜が覆って、印字の転写感度と印字物の耐擦
過性の双方において優れたものとなる。さらに、熱溶融
インキ層のワックスとして、針入度が4以上のワックス
を主成分に用いて、溶融インキ層の溶融粘度を低めにし
て、熱転写シート製造上の作業性と、さらにワックスの
原料コストの面で有利となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C068 AA06 AA15 BB08 BB27 BC12 BC30 BC33 2H111 AA10 AA26 BA03 BA33 BA53 BA54

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムの一方の面に、少なくとも
    熱溶融インキ層を設けた熱転写シートにおいて、該熱溶
    融インキ層がワックス、樹脂、着色剤から構成され、該
    樹脂として脂環族系石油樹脂、または脂環族・芳香族系
    石油樹脂を含有し、該石油樹脂の含有量が熱溶融インキ
    層の全固形分に対して20重量%以上であることを特徴
    とする熱転写シート。
  2. 【請求項2】 前記のワックスは、針入度が4以上のワ
    ックスを主成分とすることを特徴とする上記の請求項1
    に記載する熱転写シート。
  3. 【請求項3】 前記の脂環族系石油樹脂、または脂環族
    ・芳香族系石油樹脂の軟化点が80〜140℃の範囲内
    であることを特徴とする上記の請求項1に記載する熱転
    写シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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