JPH10230688A - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート

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JPH10230688A
JPH10230688A JP9049582A JP4958297A JPH10230688A JP H10230688 A JPH10230688 A JP H10230688A JP 9049582 A JP9049582 A JP 9049582A JP 4958297 A JP4958297 A JP 4958297A JP H10230688 A JPH10230688 A JP H10230688A
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JP
Japan
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thermal transfer
primer layer
transfer sheet
conductive powder
layer
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JP9049582A
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Emiko Mogi
恵美子 茂木
Taro Suzuki
太郎 鈴木
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱転写プリンターにおいて、帯電防止機能を
持ちながら、充分に光沢のある印字画像が得られる熱転
写シートを提供することを目的とする。 【解決手段】 基材フィルムの一方の面に、プライマー
層、熱溶融性インキ層をこの順序に積層してなる熱転写
シートにおいて、該プライマー層が平均粒径10nm〜
22nmの導電性粉体を含有していることを特徴とす
る。また導電性粉体がプライマー層中に30〜70重量
%で含有されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱溶融性インキ層
を備えた熱転写シートに関し、さらに詳しくは、帯電防
止機能を有する熱転写シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、熱転写プリンター、ファクシミリ
等に用いられる熱転写記録媒体として、基材フィルムの
一方の面に熱溶融性インキ層を設けた熱転写シートが使
用されている。従来の熱転写シートは、基材フィルムと
して厚さ10〜20μm程度のコンデンサ紙やパラフィ
ン紙のような紙、あるいは厚さ3〜20μm程度のポリ
エステルやセロファンのようなプラスチックフィルムを
用い、この基材フィルム上にバインダーに顔料や染料等
の着色剤を混合し、さらに必要に応じて、低融点剤及び
可塑剤等の添加剤を加えた熱溶融性のインキを塗布し
て、熱溶融性インキ層を設けたものである。そして、基
材フィルムの裏側からサーマルヘッドにより所定箇所を
加熱・加圧し、熱溶融性インキ層のうち、印字部に相当
する箇所の熱溶融性インキ層を溶融させ、被転写体に転
写して印字を行うものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の熱転写
シートを構成する基材フィルム及び熱溶融性インキ層は
一般的に電気絶縁体であるため、熱転写シートの搬送
系、すなわち、サーマルヘッド、プラテンロール、ピン
チロールその他各種支持バー、ロールに当接して、熱転
写シートが搬送される場合に、摩擦力により熱転写シー
トは高電位に帯電する。その他、熱転写シートロールの
巻き戻し、巻き取り時にも熱転写シートは帯電する。こ
のようにして、一旦生じた静電気の電位の減衰には長時
間を要する。熱転写プリンターにおいて、画像形成時に
熱転写シートが帯電することにより生じる現象は、上記
の当接部における熱転写シートの静電引力による巻き込
みによって発現し、印画における一大障害となる。
【0004】また、この熱転写シートの帯電は、熱転写
プリンターの電気制御などに用いられる電子部品にも電
気的影響を及ぼし、誤動作、作動不良の原因となり、手
にまとわりつく、あるいはゴミを吸着するなど取り扱い
上の問題ともなる。このような熱転写シートの帯電によ
る各種障害を解決する方策として、特開昭61−144
393、特開平3−197092、特開平4−8009
0に示されているように、ベースフィルム上に導電性粉
体を含有しているマット層を設け、その上に熱溶融性イ
ンキ層を設ける熱転写シートが提供された。この場合の
マット層ではマット剤の粒径の大きさの制約から、印字
画像が光沢のない艶消しになるという欠点があった。マ
ット剤すなわち、導電性粉体は、金属粉体であり、一般
に0.1〜数十μmの粒径である。また、導電性粉体の
1つであるカーボンブラックにおいて、印刷インキ用の
汎用カーボンブラックの粒径は23〜85nmの大きさ
である。このようにマット剤として使用する導電性粉体
の粒径に応じて、マット層の表面が粗くなり、印字物の
表面は、そのマット層から剥離転写されるため、印字物
に光沢がなくなる。
【0005】それにもかかわらず、商品タグ、各種ラベ
ル等、光沢のある被転写体には帯電防止性を維持しつ
つ、光沢のある印字画像が求められている。本発明は、
上記の欠点、問題を改善、解決し、熱転写プリンターに
おいて、帯電防止機能を持ちながら、充分に光沢のある
印字画像が得られる熱転写シートを提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、基材フィルムの一方の面に、プライマー
層、熱溶融性インキ層をこの順序に積層してなる熱転写
シートにおいて、該プライマー層が平均粒径10nm〜
22nmの導電性粉体を含有していることを特徴とす
る。また、前記の導電性粉体が、プライマー層中に30
〜70重量%で含有されていることを特徴とする。さら
に、基材フィルムの他方の面に、背面層を設けたことを
特徴とする。
【0007】本発明の熱転写シートの作用は、熱転写シ
ートを構成するプライマー層中に平均粒径10nm〜2
2nmの導電性粉体を含有しているため、熱転写プリン
ター等で熱転写シートの搬送中に、熱転写シートが摩擦
により高電位に帯電しても、瞬時にその静電気が熱転写
シートから逃げて静電気が残存することがない。 ま
た、その導電性粉体が平均粒径10nm〜22nmの非
常に細かく、かつ粒径のばらつきが少ないものであるた
め、印字画像部の表面が目視では凹凸がなく、充分に光
沢のある優れた印字物が得られる。また、印画時の熱転
写シートの搬送の際に、熱転写シートと被転写体が重ね
合わされて、サーマルヘッドで加熱され、熱転写シート
の熱溶融性インキ層のみが被転写体へ転写し、特定粒径
の導電性粉体を含有しているプライマー層は膜強度が強
いため、熱転写シートの基材フィルム側に残って、熱溶
融性インキ層が容易に剥離される。さらに、上記のよう
にプライマー層は膜強度が強いため、印画の際に、プラ
イマー層が被転写体へ転写されることがなく、熱溶融性
インキ層のみが被転写体へ転写され、印字画像の品質は
優れたものとなる。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態につい
て、詳述する。本発明の熱転写シートは、基材フィルム
の一方の面に、プライマー層、熱溶融性インキ層をこの
順序に積層し、該プライマー層が平均粒径10nm〜2
2nmの導電性粉体を含有しているものである。また、
前記の導電性粉体は、プライマー層中で30〜70重量
%に含有されていることが好ましい。また、本発明の熱
転写シートは必要に応じて、基材フィルムの他方の面に
背面層を設けることも可能である。
【0009】(基材フィルム)本発明の熱転写シートで
用いられる基材フィルムとしては、従来の熱転写シート
に使用されているものと同じ基材フィルムをそのまま用
いることが出来ると共に、その他のものも使用すること
が出来、特に制限されない。好ましい基材フィルムの具
体例としては、例えば、ポリエステル、ポリプロピレ
ン、セロハン、ポリカーボネイト、酢酸セルロース、ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロ
ン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアル
コール、フッ素樹脂、塩化ゴム、アイオノマー等のプラ
スチック、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不
織布等があり、又、これらを複合した基材フィルムであ
ってもよい。この基材フィルムの厚さは、その強度及び
熱伝導性が適切になるように材料に応じて適宜変更する
ことが出来るが、その厚さは、好ましくは、例えば、3
〜10μmである。
【0010】(プライマー層)プライマー層は、樹脂バ
インダーと導電性粉体よりなり、必要に応じて、分散剤
等の種々の添加剤を加えたものが使用される。導電性粉
体は、具体的にはニッケル、鉄、銅、銀、アルミニウ
ム、金、カドミウム、コバルト、クロム、マグネシウ
ム、モリブデン、鉛、パラジウム、白金、ロジウム、ス
ズ、タンタル、チタン、タングステン、亜鉛、ジルコニ
ウム等の金属粉体またはこれらの酸化物、または、導電
性カーボンやカーボンブラック、グラファイトが挙げら
れ、その導電性粉体は平均粒径10nm〜22nmの大
きさであることが特徴である。導電性粉体の平均粒径は
10nm〜22nmでなければならず、より光沢のある
印字を行うためには、さらに粒径のばらつきの少ないも
の、すなわち、粒度分布の範囲が狭いものが好ましい。
【0011】通常のバーコード用熱転写プリンターは冷
間剥離型であり、プライマー層の表面性が印字面に影響
する。光沢感のある印字には印字面の表面が平滑である
ことが必要であり、そのためには、プライマー層中に有
形のものが何も入っていないことが望ましいが、プライ
マー層に帯電防止性等の機能を持たせる場合には、導電
性粉体を添加せざるを得ない。本発明では、プライマー
層の表面を出来るだけ平滑に近づけるために、導電性粉
体を平均粒径で10nm〜22nmとして粒径を小さく
し、また、導電性粉体の添加量をプライマー層中で30
〜70重量%に規定した。導電性粉体は、プライマー層
中に30〜70重量%で含有されていることが好まし
く、導電性粉体がこの範囲より少ないと、帯電防止性が
不十分となり、一方、この範囲より多いと、プライマー
層の膜強度が低下してしまう。バインダーとして使用す
る樹脂としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹
脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、メ
チルメタクリレート樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、フッ
化ビニリデン−アトラフッ化エチレン共重合体樹脂、ポ
リフッ化ビニル樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重
合体樹脂等が挙げられる。特に、ポリエステル系樹脂が
好ましく、例えば、バイロン(東洋紡績製)、エリーテ
ル(ユニチカ製)、ポリエスター(日本合成化学製)等
の商品名で種々のグレードのものが市場から入手でき、
いずれも本発明で使用することができる。
【0012】本発明では、基材フィルムの一方の面に、
プライマー層、熱溶融性インキ層をこの順序に積層して
なる熱転写シートであり、被転写体と重ね合わせて、サ
ーマルヘッドの加熱により、被転写体へ熱溶融性インキ
層のみが転写し、プライマー層は被転写体へ転写せず
に、熱転写シートの基材フィルム側に残存している設計
である。本発明では、上記の樹脂バインダーと導電性粉
体からプライマー層を形成するにあたり、プライマー層
中の導電性粉体の分散を均一にする目的で、プライマー
層に高級脂肪族アルコール、リン酸エステル及びその金
属塩、有機カルボン酸及びその誘導体や低融点ワック
ス、各種界面活性剤等の分散剤を添加することが好まし
い。
【0013】プライマー層を形成するには、上記の如き
材料を、メチルエチルケトン、トルエン、アルコール
類、水等の適当な溶媒中に溶解または分散させて、塗工
液を調整し、グラビアコーター、ロールコーター、ワイ
ヤーバー等の慣用の塗工手段により、塗工し、乾燥すれ
ばよい。プライマー層の塗工量は、乾燥固形分で、0.
2〜1.0g/m2 が好ましく、より好ましくは0.2
〜0.5g/m2 の厚みで、充分な性能を有するプライ
マー層を形成することができる。塗工量が0.2g/m
2 を下回ると、帯電防止性が充分でなく、剥離音が大き
くなる傾向があり、塗工量が1.0g/m2 を越える
と、プライマー層が厚すぎて、転写時の印字感度が低下
するので好ましくない。
【0014】(熱溶融性インキ層)本発明では、上記の
プライマー層の上に、熱溶融性インキ層を設けるもので
ある。熱溶融性インキ層は、従来公知の着色剤とバイン
ダーよりなり、必要に応じて、鉱物油、植物油、ステア
リン酸等の高級脂肪酸、可塑剤、熱可塑性樹脂、充填剤
等の種々の添加剤を加えたものが使用される。バインダ
ーとして用いられるワックス成分としては、例えば、マ
イクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラ
フィンワックス等がある。更に、フィッシャートロプシ
ュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツ
ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワック
ス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、ポリエス
テルワックス、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂
肪酸アミド等、種々のワックスが用いられる。このなか
で、特に融点が50〜85℃であるものが好ましい。5
0℃以下であると、保存性に問題が生じ、又85℃以上
であると感度不足になる。
【0015】バインダーとして用いられる樹脂成分とし
ては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体、ポリエチレン、ポリ
スチレン、ポリプロピレン、ポリブデン、石油樹脂、塩
化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ
ビニルアルコール、塩化ビニリデン樹脂、メタクリル樹
脂、ポリアミド、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリ
ビニルフォルマール、ポリビニルブチラール、アセチル
セルロース、ニトロセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリ
イソブチレン、エチルセルロース又はポリアセタール等
が挙げられるが、特に従来より感熱接着剤として使用さ
れている比較的低軟化点、例えば、50〜80℃の軟化
点を有するものが好ましい。
【0016】着色剤としては、公知の有機または無機の
顔料、あるいは染料の中から適宜選択することができ、
例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱等により変色、
退色しないものが好ましい。また、加熱により発色する
物質や、被転写体の表面に塗布されている成分と接触す
ることにより発色するような物質であってもよい。さら
に、着色剤の色としては、シアン、マゼンタ、イエロ
ー、ブラックに限定されるものではなく、種々の色の着
色剤を使用することができる。
【0017】さらに、熱溶融性インキ層に、良好な熱伝
導性および熱溶融転写性を与えるため、バインダーの充
填剤として熱伝導性物質を配合してもよい。このような
充填剤としては、例えばカーボンブラック等の炭素質物
質、アルミニウム、銅、酸化錫、二硫化モリブデン等の
金属および金属化合物等がある。熱溶融性インキ層の形
成は、上記のような着色剤成分とバインダー成分と、さ
らに、これに必要に応じて水、有機溶剤等の溶媒成分を
配合調整した熱溶融性インキ層形成用塗工液を、従来公
知のホットメルトコート、ホットラッカーコート、グラ
ビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等
の方法で行う。また、水系又は非水系のエマルジョン塗
液を用いて形成する方法もある。熱溶融性インキ層の厚
みは、必要な印字濃度と熱感度との調和がとれるよう
に、決定すべきであって、0.1μm〜30μmの範
囲、好ましくは、1μm〜20μm程度が、好ましい。
【0018】(背面層)また、基材フィルムの他方の面
に、サーマルヘッドの粘着を防止し、且つ、滑り性を良
くするために、背面層を設けることも可能である。この
背面層は、バインダー樹脂に滑り剤、界面活性剤、無機
粒子、有機粒子、顔料等を添加したものを、好適に使用
し、形成される。
【0019】背面層に使用されるバインダー樹脂は、例
えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロー
ス、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、硝化綿などの
セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、
ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂、ポリアクリルア
ミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体などのビニ
ル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリ
コーン変性またはフッ素変性ウレタン樹脂などが、あげ
られる。これらのなかで、数個の反応性基、例えば、水
酸基を有しているものを使用し、架橋剤として、ポリイ
ソシアネートなどを併用して、架橋樹脂を使用すること
が好ましい。
【0020】背面層を形成する手段は、上記のごとき、
バインダー樹脂に滑り剤、界面活性剤、無機粒子、有機
粒子、顔料等を添加した材料を、適当な溶剤中に溶解ま
たは分散させて、塗工液を調製し、この塗工液をグラビ
アコーター、ロールコーター、ワイヤーバーなどの慣用
の塗工手段により、塗工し、乾燥するものである。本発
明の熱転写シートは、カラー印字に適応できることは言
うまでもなく、多色の熱転写シートも本発明の範囲に含
まれる。尚、本発明の熱転写シートは、上記の発明の実
施の形態に限定されるものではない。また、本発明の熱
転写シートと組み合わせて用いられる被転写体は、表面
が光沢のある被転写体に限らず、従来公知のいずれの被
転写体でも使用することができる。
【0021】
【実施例】次に実施例及び比較例をあげて、本発明を更
に具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは、
特に断りのない限り重量基準である。 (実施例1)基材フィルムとして、厚さ4.5μmのポ
リエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、下記
組成のプライマー層をグラビアコーターにより、0.4
g/m2 (乾燥固形分)の厚みで設ける。次いで、その
プライマー層の上に、下記組成の熱溶融性インキ層用塗
工液を、グラビアコーターで、塗布、乾燥して、厚さ
3.5g/m2 (乾燥固形分)の熱溶融性インキ層を形
成し、実施例1の熱転写シートを作成した。但し、基材
フィルムの他方の面には、下記組成の背面層塗工液を、
ロールコーターにより、塗布、乾燥し、0.1μmの厚
みの背面層を予め設けてある。
【0022】プライマー層用塗工液A ポリエステル樹脂(ユニチカ製 エリーテルUE3200) 6.0部 カーボンブラック(三菱化学株式会社製 平均粒径18nm) 4.0部 分散剤(ゼネカ製 ソルスパース24000GR) 1.0部 トルエン/メチルエチルケトン(1/1) 89.0部 熱溶融性インキ層用塗工液 カーボンブラック(三菱化学株式会社製 #25) 20部 エチレンー酢酸ビニル共重合体 10部 (三井デュポン・ポリケミカル社製 エバフレックス#410) カルナバワックス 10部 パラフィンワックス 60部 (日本精蝋株式会社製 HNP−11)背面層塗工液 ポリビニルブチラール樹脂 20部 (積水化学株式会社製 エスレックBX−1) タルク(日本アルク株式会社製 ミクロエースL−1) 30部 メラミン樹脂微粒子(日本触媒化学工業株式会社製 エポスターS) 30部 ポリイソシアネート(武田薬品工業株式会社製 タケネートA−3) 40部 トルエン/メチルエチルケトン(1/1) 900部
【0023】(実施例2)プライマー層塗工液を下記組
成とした以外は、実施例1と同様にして実施例2の熱転
写シートを用意する。プライマー層用塗工液B ポリエステル樹脂(ユニチカ製 エリーテルUE3200) 4.0部 カーボンブラック(三菱化学株式会社製 平均粒径18nm) 6.0部 分散剤(ゼネカ製 ソルスパース24000GR) 1.0部 トルエン/メチルエチルケトン(1/1) 89.0部
【0024】(実施例3)プライマー層塗工液を下記組
成とした以外は、実施例1と同様にして実施例3の熱転
写シートを用意する。プライマー層用塗工液C ポリエステル樹脂(ユニチカ製 エリーテルUE3200) 4.0部 カーボンブラック(三菱化学株式会社製 平均粒径22nm) 6.0部 分散剤(ゼネカ製 ソルスパース24000GR) 1.0部 トルエン/メチルエチルケトン(1/1) 89.0部
【0025】(実施例4)プライマー層塗工液を下記組
成とした以外は、実施例1と同様にして実施例4の熱転
写シートを用意する。プライマー層用塗工液D ポリエステル樹脂(日本合成化学製 ポリエスターWR930) 6.0部 酸化スズ(石原産業製 平均粒径20nm) 4.0部 水/イソプロピルアルコール(2/1) 90.0部
【0026】(実施例5)プライマー層塗工液を下記組
成とした以外は、実施例1と同様にして実施例5の熱転
写シートを用意する。プライマー層用塗工液E ポリエステル樹脂(日本合成化学製 ポリエスターWR930) 4.0部 酸化スズ(石原産業製 平均粒径20nm) 6.0部 水/イソプロピルアルコール(2/1) 90.0部
【0027】(実施例6)プライマー層塗工液を下記組
成とした以外は、実施例1と同様にして実施例6の熱転
写シートを用意する。プライマー層用塗工液F ポリエステル樹脂(ユニチカ製 エリーテルUE3200) 8.0部 カーボンブラック(三菱化学株式会社製 平均粒径18nm) 2.0部 分散剤(ゼネカ製 ソルスパース24000GR) 1.0部 トルエン/メチルエチルケトン(1/1) 89.0部
【0028】(実施例7)プライマー層塗工液を下記組
成とした以外は、実施例1と同様にして実施例7の熱転
写シートを用意する。プライマー層用塗工液G ポリエステル樹脂(ユニチカ製 エリーテルUE3200) 2.0部 カーボンブラック(三菱化学株式会社製 平均粒径18nm) 8.0部 分散剤(ゼネカ製 ソルスパース24000GR) 1.0部 トルエン/メチルエチルケトン(1/1) 89.0部
【0029】(比較例1)プライマー層塗工液を下記組
成とした以外は、実施例1と同様にして比較例1の熱転
写シートを用意する。プライマー層用塗工液H ポリエステル樹脂(ユニチカ製 エリーテルUE3200) 6.0部 カーボンブラック(三菱化学株式会社製 平均粒径40nm) 4.0部 分散剤(ゼネカ製 ソルスパース24000GR) 1.0部 トルエン/メチルエチルケトン(1/1) 89.0部
【0030】(比較例2)プライマー層塗工液を下記組
成とした以外は、実施例1と同様にして比較例2の熱転
写シートを用意する。プライマー層用塗工液I ポリエステル樹脂(ユニチカ製 エリーテルUE3200) 4.0部 カーボンブラック(三菱化学株式会社製 平均粒径40nm) 6.0部 分散剤(ゼネカ製 ソルスパース24000GR) 1.0部 トルエン/メチルエチルケトン(1/1) 89.0部
【0031】(比較例3)プライマー層塗工液を下記組
成とした以外は、実施例1と同様にして比較例3の熱転
写シートを用意する。プライマー層用塗工液J ポリエステル樹脂(ユニチカ製 エリーテルUE3200) 10.0部 トルエン/メチルエチルケトン(1/1) 90.0部
【0032】(比較例4)プライマー層を設けないと
し、その他は実施例1と同様にして比較例4の熱転写シ
ートを用意する。上記、実施例および比較例で得られた
熱転写シートを用いて、下記の印字条件にて印字を実施
した。印字条件 サーマルヘッド;薄膜型サーマルヘッド 印加エネルギー;0.3mj/dot 被転写体;コート紙ラベル(Fasson IC)
【0033】上記の条件にて印字し、印字部の光沢、熱
転写シートの帯電防止性及びプライマー層の膜強度につ
いて以下の方法及び判断基準で評価する。印字部の光沢 印字部の光沢を反射濃度計(Macbeth RD91
4)により測定する。反射濃度が1.6以下であると、
艶消し感が大きく、反射濃度が1.7以上であれば艶消
し感がなく、光沢がある。 ○;反射濃度が1.7以上である。(艶消し感がなく、
光沢がある。) ×;反射濃度が1.6以下である。(艶消し感が大き
く、光沢がない。)
【0034】帯電防止性 熱転写シートの熱溶融性インキ層が設けられている面の
表面抵抗を、高抵抗抵抗率計(三菱油化製 Hires
ta IP)により測定する。表面抵抗値が1010Ω未
満であると、熱転写プリンターで走行上、帯電による問
題が生じなく、表面抵抗値が1011Ωを越えると、帯電
による問題が生じやすい。 ○;表面抵抗値が1010Ω未満 △;表面抵抗値が1010〜1011Ω ×;表面抵抗値が1011Ωを越える。
【0035】プライマー層の膜強度 通常、熱転写シートはプライマー層を設けた場合は、印
字時にプライマー層面と熱溶融性インキ層面との界面で
離れ、熱溶融性インキ層のみが被転写体に転写される。
しかし、プライマー層の膜強度が弱いと、印字時にプラ
イマー層も被転写体へ転写され、印字画像品質が悪くな
ってしまう。 ○;印字後に、プライマー層が基材フィルム側に残って
いる。(プライマー層の膜強度が強い。) △;印字後に、プライマー層が被転写体に少し転写され
る。(プライマー層の膜強度が弱い。)
【0036】(評価結果)評価結果を表1に示す。 (以下余白)
【0037】
【表1】 上記の表1において、*1にある粒径は、プライマー層
に含有する導電性粉体の平均粒径(nm)を示す。ま
た、*2にある粉体重量部は、プライマー層に含有する
導電性粉体のプライマー層全体に対する固形分の重量部
(%)を示す。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、基材フ
ィルムの一方の面に、プライマー層、熱溶融性インキ層
をこの順序に積層してなる熱転写シートにおいて、該プ
ライマー層が平均粒径10nm〜22nmの導電性粉体
を含有していることにより、また好ましくはその導電性
粉体が、プライマー層中に30〜70重量%で含有され
ていれば、熱転写プリンターにおいて、帯電防止機能を
持ちながら、充分に光沢があり、優れた印字画像が得ら
れる。さらに、プライマー層のバインダー樹脂は、汎用
の有機溶剤を用いて塗工することが容易であり、接着性
及び耐熱性に優れたプライマー層を形成することができ
るため、熱転写シートを生産性良く、提供することがで
きる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムの一方の面に、プライマー
    層、熱溶融性インキ層をこの順序に積層してなる熱転写
    シートにおいて、該プライマー層が平均粒径10nm〜
    22nmの導電性粉体を含有していることを特徴とする
    熱転写シート。
  2. 【請求項2】 前記の導電性粉体が、プライマー層中に
    30〜70重量%で含有されていることを特徴とする上
    記の請求項1に記載する熱転写シート。
  3. 【請求項3】 基材フィルムの他方の面に、背面層を設
    けたことを特徴とする上記の請求項1、2に記載する熱
    転写シート。
JP9049582A 1997-02-19 1997-02-19 熱転写シート Pending JPH10230688A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001187498A (ja) * 1999-10-21 2001-07-10 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シートと被転写体の使用方法、及び熱転写シート

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001187498A (ja) * 1999-10-21 2001-07-10 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シートと被転写体の使用方法、及び熱転写シート

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