JP2001187498A - 熱転写シートと被転写体の使用方法、及び熱転写シート - Google Patents

熱転写シートと被転写体の使用方法、及び熱転写シート

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JP2001187498A
JP2001187498A JP2000212248A JP2000212248A JP2001187498A JP 2001187498 A JP2001187498 A JP 2001187498A JP 2000212248 A JP2000212248 A JP 2000212248A JP 2000212248 A JP2000212248 A JP 2000212248A JP 2001187498 A JP2001187498 A JP 2001187498A
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Daigo Morizumi
大悟 森住
Keiji Hirose
恵二 広瀬
Masafumi Hayashi
雅史 林
Nobuo Ikeuchi
伸穂 池内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カード等に記録された情報をそのままでは容
易に識別できないような、十分な隠蔽性を有し、かつ爪
やコインなどにより隠蔽部を容易に擦り落とすことがで
きるスクラッチ用の熱転写シート、及び熱転写シートと
被転写体を用いた使用方法を提供する。 【解決手段】 本発明の熱転写シートと被転写体の使用
方法によれば、フィルム基材の片面に、少なくとも熱転
写インキ層を設けた熱転写シートと、被転写体を重ね合
わせて、加熱により、該熱転写インキ層を被転写体へ転
写して記録し、その後に被転写体の転写記録部を爪やコ
イン等で擦って、該記録部を被転写体から簡単に除去で
きる。また、被転写体には予め印刷が施されていれば、
該印刷部を上記の熱転写シートから被転写体へ転写した
熱転写インキ層により、簡単に隠蔽することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルヘッド等
の加熱により転写を行う熱転写プリンター等に用いられ
る熱転写シートに関し、特にカード等に記録された情報
をそのままでは容易に識別できないように隠蔽すること
ができ、尚かつ爪やコインなどにより隠蔽部を容易に擦
り落とすことができる(以下スクラッチオフ)スクラッ
チ用の熱転写シート、及び該熱転写シートと被転写体を
用いた使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、隠蔽するインキ層を爪やコイン等
で擦って隠蔽インキ層を削り落とすことにより、隠蔽イ
ンキ層の下部に設けてある隠蔽画像が現出する印刷物
は、抽選券、プリペードカード等として一般的に利用さ
れている。これらの印刷物は、プラスチックフィルム、
紙、合成紙等の不透明な基材面に、印刷インキを使用し
てベタ柄にて文字や絵柄からなる画像を印刷し、印刷さ
れた画像全体を覆うように不透明インキを用いて全面に
ベタ印刷を行って、画像を剥離可能に隠蔽した構成のも
のである。また、隠蔽される画像を可変情報として、基
材上に熱転写層を形成した熱転写シートを用いて、その
背面からサーマルヘッド等により、画像状に加熱して、
画像を形成し、さらに隠蔽するインキ層を版を用いて印
刷方式で、隠蔽される画像上に形成するのではなく、隠
蔽層となり得る熱転写層を有する熱転写シートを用い
て、その熱転写層を隠蔽される画像の表面に熱転写し
て、画像を隠蔽することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、隠蔽性
を有する熱転写層をもつ熱転写シートを用いて、熱転写
により、カード等に記録された情報を、そのままでは容
易に識別できないように隠蔽しようとしても、記録情報
に凹凸があるような場合には(例えば、熱転写インキを
用いて、情報を熱転写記録した場合は、転写部にのみイ
ンキが付着するため、その部分だけ盛り上がる。)隠蔽
インキ層に下地を隠蔽できるだけの十分な隠蔽力があっ
ても、凹凸模様や表面光沢の違いに追従してしまい、記
録情報が読み取れてしまうという問題がある場合もあっ
た。
【0004】したがって、上記の問題を解決するため、
本発明は、カード等に記録された情報をそのままでは容
易に識別できないような、十分な隠蔽性を有し、かつ爪
やコインなどにより隠蔽部を容易に擦り落とすことがで
きるスクラッチ用の熱転写シート、及び熱転写シートと
被転写体を用いた使用方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の熱転写シートと被転写体の使用方法は、フ
ィルム基材の片面に、少なくとも熱転写インキ層を設け
た熱転写シートと、被転写体を重ね合わせて、加熱によ
り、該熱転写インキ層を被転写体へ転写して記録し、そ
の後に被転写体の転写記録部を擦って、該記録部を被転
写体から除去できることを特徴とする。前記の被転写体
には、予め印刷が施され、該印刷部を上記転写記録部が
隠蔽可能とすることができる。また、前記の熱転写シー
トが、フィルム基材の片面に、少なくともパターン状に
設けられた転写性のパターン層と、隠蔽性材料とバイン
ダーを含む熱転写インキ層を順次設けたことが好まし
い。前記の被転写体に予め印刷された部分の3次元粗さ
測定による中心面平均値SPaが10μm以下であるこ
とが好ましい。
【0006】本発明の熱転写シートは、フィルム基材の
片面に、隠蔽性材料とバインダーを含む熱転写インキ層
を設けて、該熱転写インキ層を被転写体へ転写し、その
後に被転写体に転写された熱転写インキ層を擦って、該
熱転写インキ層を被転写体から除去できることを特徴と
する。前記の被転写体に転写された熱転写インキ層がJ
IS K 5400の手かき法で規定する鉛筆引っかき
値が、HB以下であることが好ましい。また本発明の熱
転写シートは、フィルム基材の片面に少なくともパター
ン状に設けられた転写性のパターン層と、隠蔽性材料と
バインダーを含む熱転写インキ層を順次設けたことを特
徴とする。前記のパターン層の模様が社名やロゴ、特定
マーク等のパターンであっても良い。また、前記のパタ
ーン層と、その上に設けた熱転写インキ層との占有面積
を比較した時、転写された面積2cm2当たり、パター
ン部の面積(パターン率)が、5〜85%の割合である
ことが好ましい。また、前記のフィルム基材の片面に、
剥離層を設け、該剥離層の上にパターン層、熱転写イン
キ層を順次設けることができる。さらに、前記のフィル
ム基材の片面に、パターン層を設け、該パターン層上に
剥離層を設け、該剥離層の上に熱転写インキ層を順次設
けることもできる。
【0007】前記のパターン層が、ワックス、熱可塑性
樹脂から選ばれる少なくとも一種のバインダー及び/ま
たは着色剤を含有することが好ましい。また、前記の熱
転写インキ層の上に、接着層を設けることが望ましい。
さらに、前記の熱転写インキ層の上に、ゴム系樹脂を主
体とした接着層を設けることが好ましい。前記のゴム系
樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、またはその
変性物、またはエチレンモノマーと酢酸ビニルモノマー
とその他のモノマーとの共重合体であることが好まし
い。また、前記の熱転写インキ層が、アルミ顔料とカー
ボンブラック、ワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂を主体とするホットメルトインキから構成されて
いることが、好ましく行われる。
【0008】カード等の被転写体に記録された情報の上
に、上記のパターン層がある熱転写シートを用いて、熱
転写インキ層を転写し、また、同時にパターン層も転写
され、記録情報の上には、熱転写インキ層とパターン層
の2層が被転写体の表面上に混在しているために、表面
の光沢や色調が変化し、盛り上がりによる記録情報部が
読み取れてしまうことがなく、また熱転写インキ層に上
記の成分を含有させることにより、十分な隠蔽性と、ま
た適度な凝集力を有し、爪やコインなどにより隠蔽部を
容易に擦り落とすことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、好ましい実施の形態を挙
げて、本発明を更に詳しく説明する。図1は本発明の熱
転写シート1である一つの実施形態を示す断面図を示
し、フィルム基材2の片面に、隠蔽性材料とバインダー
を含む熱転写インキ層4を設けたものである。但し、そ
の熱転写シート1において、該熱転写インキ層4を被転
写体へ転写し、その後に被転写体に転写された熱転写イ
ンキ層4を擦って、該熱転写インキ層4を被転写体から
除去できるものである。図2は本発明の熱転写シート1
である他の実施形態を示す断面図を示し、フィルム基材
2の片面に、転写性のパターン層3と、熱転写インキ層
4を順次設けたものである。また、図3は本発明の熱転
写シート1である他の実施形態を示す断面図であり、フ
ィルム基材2の片面に、剥離層5を設け、該剥離層5の
上にパターン層3、熱転写インキ層4を順次設けた構成
である。図4は、本発明の熱転写シート1である他の実
施形態を示す断面図であり、フィルム基材2の片面に、
パターン層3を設け、該パターン層3及びフィルム基材
2上に剥離層5を設け、さらに該剥離層5の上に熱転写
インキ層4を順次設けた構成である。
【0010】図5は、本発明の熱転写シート1である他
の実施形態を示す断面図であり、フィルム基材2の片面
に、剥離層5と、転写性のパターン層3と、熱転写イン
キ層4、接着層7を順次設け、また、フィルム基材2の
他方の面に、耐熱層6を設けた構成であり、接着層7に
より、被転写体への転写性、スクラッチオフ適性を調整
することができる。また、耐熱層6により、サーマルヘ
ッド加熱におけるスティッキングや、印字しわ等の悪影
響を防止することができる。本発明では、熱転写インキ
層4は、被転写体に転写されて隠蔽部10を形成する。
また、隠蔽部10にはパターン層3、剥離層5、接着層
7も必要に応じて含まれる場合もある。
【0011】図6は、被転写体8であるカード,但しカ
ード表面には情報9が記録されていて、その記録された
情報9の上に、本発明の熱転写シートを用いて、隠蔽部
10を熱転写した後の状態を示す断面図であり、平滑な
カード表面には情報9が盛り上がった状態で記録されて
いるが、その部分と非記録部(被転写体の記録された情
報部9を除いた、残りの部分を意味する、以下同じ)と
を含めて、熱転写インキ層4がそれらの上に転写して、
記録情報9を隠蔽し、また転写された熱転写インキ層4
の上にパターン状に設けられたパターン層3が設けられ
ていて、被転写体8の隠蔽部10の表面上に、熱転写イ
ンキ層4とパターン層3の2層が混在しているため、表
面の光沢や色調が変化し、盛り上がりによる記録情報部
8が読み取れることを防止できる。
【0012】図7は、被転写体8であるカード,但しカ
ード表面には情報9が記録されていて、その記録された
情報9の上に、本発明の熱転写シートを用いて、隠蔽部
10を熱転写した後の状態を示す断面図であり、平滑な
カード表面には情報9が盛り上がった状態で記録されて
いるが、その部分と非記録部とを含めて、熱転写インキ
層4がそれらの上に転写して、記録情報9を隠蔽し、ま
た転写された熱転写インキ層4の上にパターン状に設け
られたパターン層3が有り、さらにパターン層3と熱転
写インキ層4の上に全面に剥離層5が設けられた構成
で、隠蔽部10を熱転写する際に、熱転写インキ層4と
パターン層3がフィルム基材2からスムーズに剥離でき
る。また、被転写体8の隠蔽部10の表面上には、剥離
層5が全面で覆い、剥離層5の下に、熱転写インキ層4
とパターン層3の2層が混在しているため、盛り上がり
による記録情報部8をより読み取りにくくしている。
【0013】図8は、被転写体8であるカード,但しカ
ード表面には情報9が記録されていて、その記録された
情報9の上に、本発明の熱転写シートを用いて、隠蔽部
10を熱転写した後の状態を示す断面図であり、平滑な
カード表面には情報9が盛り上がった状態で記録されて
いるが、その部分と非記録部とを含めて、熱転写インキ
層4がそれらの上に転写して、記録情報9を隠蔽し、ま
た転写された熱転写インキ層4の上に剥離層5が設けら
れ、またその剥離層5の上にパターン状に有るパターン
層3が設けられていて、被転写体8の隠蔽部10の表面
上に、剥離層5とパターン層3の2層が混在し、盛り上
がり等による記録情報部8が読み取れることを防止でき
る。
【0014】(フィルム基材)熱転写シートのフィルム
基材2は、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有する
ものであれば、いずれのものでもよく、例えば、0.5
〜50μm、好ましくは2〜10μm程度の厚さのポリ
エステルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピ
レンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィル
ム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコール
フィルム、セロファン等であり、特に好ましいものは、
ポリエステルフィルムである。
【0015】(剥離層)剥離層5は、転写記録時に、熱
転写シートから被転写体側に、その厚み方向の全部又は
凝集破壊によって一部が転写移行する層である。一部移
行又は全部移行の場合は、印字時の箔切れが良いように
記録時の凝集力が低いものが良い。或いは、全く転写移
行しない層であってもよい。要は、剥離層は該層或いは
該層隣接面において熱転写シートが剥離し、フィルム基
材と熱転写インキ層やパターン層との分離を可能にする
層である。
【0016】剥離層として、例えばカルナバワックス、
パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、
エステルワックス、フィシャートロプシュワックス、各
種低分子量ポリエチレン、木ロウ、みつロウ、鯨ロウ、
イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリ
ラワックス、ペトロラクタム、一部変性ワックス、脂肪
酸エステル、脂肪酸アミド等の種々のワックス類が使用
できる。
【0017】また、剥離層としては基材との剥離性等が
適切であれば上記ワッスク以外の樹脂も使用でき、樹脂
のみ、或いは上記ワックス類と樹脂との混合物等であっ
てもよい。このような樹脂としては、例えば、ポリイソ
プレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンアク
リロニトリルゴム等のゴム系樹脂、アクリル酸エステル
系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体型樹脂、ポリス
チレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリイミド系樹脂、ポリ塩素化オレフィン系樹脂、
ポリカーボネート、ポリビニルブチラール系樹脂等が挙
げられる。
【0018】剥離層は、従来公知の方法、すなわち、グ
ラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート
等の方法で、形成することができ、その厚みは、塗工量
で一般に0.1〜10g/m2の範囲である。0.1g
/m2未満であると、剥離層としての機能をなさず、1
0g/m2を超えると、印字時の箔切れが低下し、また
箔持ちの低下をもたらし、使用できなくなることもあ
る。剥離層5は、フィルム基材上や、パターン層上に全
面またはパターン状に形成することができる。剥離層5
をフィルム基材上に全面に設けた時は、特に転写の安定
性を上げることができる。また、また、パターン層上に
全面に剥離層を設けると、被転写体表面のパターン層と
の光沢差や、色調差を与えることができ、情報の読み取
りをより困難にすることができる。また、隠蔽性を補助
する目的で、従来公知の着色剤を混ぜても良い。
【0019】(パターン層)本発明の熱転写シートは、
フィルム基材の上にパターン状に熱により転写する(転
写性の)パターン層3を形成している。パターン層は、
ワックス、熱可塑性樹脂から選ばれる少なくとも一種の
バインダーを含有する。ワックスとしては、マイクロク
リスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワ
ックス等がある。更に、フィッシャートロプシュワック
ス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨
ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャ
ンデリラワックス、ペトロラクタム、ポリエステルワッ
クス、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミ
ド等、種々のワックスが用いられる。
【0020】また、熱可塑性樹脂のバインダーとして
は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド
系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合、スチレン−ブタジエンゴム等の熱可塑性エラスト
マーが挙げられる。そして、パターン層は各種の従来公
知の着色剤を含むことができる。着色剤としては、有機
または無機の顔料、もしくは染料のうち、記録材料とし
て良好な特性を有するもの、例えば、十分な着色濃度を
有し、光、熱、温度などにより変褪色しないものが好ま
しい。着色剤としては、シアン、マゼンタ、イエロー、
ブラックなどの色相を任意に選択することができる。ま
た、金色、銀色、銅色等の金属光沢を有した顔料や、蛍
光性を有する無機顔料や有機顔料、染料、そして白色系
や、緑色、橙色、紫色等の中間色系の顔料、染料も使用
できる。
【0021】パターン層は、熱転写インキ層だけでは果
たせない、被転写体に予め記録された情報の凹凸を不明
確にする立体的、視覚的な隠蔽力を付与する目的で設け
られる。パターン層は、パターン層と熱転写インキ層と
の2層、またはパターン層と剥離層との2層を被転写体
の表面上に混在させて、層の違いにより表面の光沢や色
調が変化して、被転写体上の記録情報部が盛り上がる等
により読み取れることを防止する。また、特に着色剤を
含ませた構成では、色調差及びその模様により、視覚的
に情報の読み取りを困難にすることができる。特に、パ
ターン層に着色剤を含有させる構成ならば、パターン
層、剥離層、熱転写インキ層とも熱可塑性樹脂又はワッ
クスのどちらかを主体にすることも可能である。
【0022】パターン層に着色剤を含有させる場合、下
に隠蔽する記録された情報部の色相と同様の、または類
似した色相の着色剤を添加することにより、下に有る記
録情報部を隠蔽し、より判読しにくくすることができ
る。このように、有色のパターン層により、色彩的な模
様により隠蔽情報の読み取りを防止し、着色、非着色に
関わらず、転写された表面での光沢感、マット感の差
(熱転写インキ層や剥離層の転写された表面との差)
で、立体的に隠蔽情報の読み取りを防止する効果があ
る。また、パターン層を形成する領域としては、全面ま
たは部分的にストライプ状の縞模様や、波線模様、市松
模様で形成したり、網点状に形成したり、社名やロゴ、
特定マーク等のパターンであったり、適宜、その形状を
変えて形成することができ、下に有る記録情報部を、透
かしても、表面を観察して、表面光沢より判読しようと
しても出来ないようにすることが好ましい。パターン状
の模様としては、特に例えば線幅が0.1〜3.0m
m、長さ0.1〜20cmの間で変化するような波線模
様を規則的に、または不規則に並べたものや重ねたもの
を繋ぎ目が判らないようにして0.5〜20cm程度の
周期で形成したものが視覚的に情報を読み取りにくくす
るため、好ましい。
【0023】以上のパターン層は、バインダーと、必要
に応じて着色剤、その他添加剤を加えて、ホットメルト
コート、ホットラッカーコート、グラビアコート、グラ
ビアリバースコート、ナイフコート、エアコート、ロー
ルコート法等により、乾燥時で塗布量は0.05〜5.
0g/m2程度であり、特に0.2〜1.5g/m2が好
ましい。ここでいう塗布量は、パターン層が塗布された
部分だけを取り出した時の、1m2当たりの質量であ
り、塗布された部分と非塗布部を含めた実際のサンプル
で1m2当たりの質量を実測したものとは異なるもので
ある。実際のサンプル1m2当たりの質量と、このパタ
ーンのパターン率とから計算されて求められる塗布量で
ある。その塗布量が0.05g/m2未満であると、下
に有する記録画像の凹凸が判別できるようになり、一方
5.0g/m2を越えると、パターン層の熱転写の際
に、安定してパターン層が剥離しなくなってくる。ま
た、パターン層と、その上に設けた熱転写インキ層との
占有面積を比較した時、その熱転写シートを用いて、転
写された面積2cm2当たり、パターン部の面積(パタ
ーン率)が、5〜95%、好ましくは5〜85%の割合
であることが好ましく、それによって被転写体に予め印
刷が施された部分(記録情報部)を、パターン層、熱転
写インキ層の熱転写層により、良好に隠蔽することがで
きる。尚、上記の割合は、熱転写インキ層の面積(10
0%)に対するものである。また、上記のパターン率
は、本発明の熱転写シートを用いて、被転写体に熱転写
して、転写された面積2cm2当たりで、パターン層の
転写された部分(パターン部)の面積比率であるが、被
転写体に転写する前の熱転写シートの状態で、面積2c
2当たりで、パターン層の占有面積が熱転写インキ層
(100%)に対する比率と同様のものである。パター
ン層の模様の例として、図9に示すものが挙げられ、上
記のパターン層の塗工面積/熱転写インキ層の塗工面積
=パターン率(%)として、図9(1)に示す模様では
パターン率が12%、図9(2)ではパターン率が14
%、図9(3)ではパターン率が16%である。尚、パ
ターン率の測定方法は、実際にパターンの転写された物
をスキャナにて読み取り画像データにする。このデータ
を、例えばAdobe社のPhotoshopのように
各ピクセルの256階調を判別できるようなソフトにて
読み込み、各ピクセルの256階調のヒストグラムから
パターン部分の比率を読み取る。この比率がパターン率
になる。
【0024】(熱転写インキ層)本発明の熱転写シート
における熱転写インキ層4は、熱転写後に隠蔽部として
の働きを有するもので、以下に示す機能を果たすもので
ある。 被転写体に予め記録された情報が透けて見えないよう
にするための光学的な隠蔽力、被転写体に予め記録さ
れた情報の凹凸を不明確にするための立体的な隠蔽力、
取り扱い時には剥がれず、爪などで擦った時に容易に
削り取れる易接着力、カード等の平滑性が高く、固い
被転写体に転写できるだけの凝集力等の機能が挙げられ
る。
【0025】上記の機能を充分に発揮するには、インキ
組成を十分に検討した結果、熱転写インキ層には、アル
ミ顔料等の隠蔽性材料と、ワックスや熱可塑性樹脂のバ
インダーを用いることが好ましい点を見出した。すなわ
ち、顔料としては、隠蔽性の高い顔料であれば良いが、
特にアルミ顔料は隠蔽力が高く、また削りかすが汚くな
らないので、色調の点から有用である。隠蔽性材料とし
ては、亜鉛末、アルミニウム顔料、金属粉(黄銅、銅)
等の隠蔽性の高い金属顔料や、チタン系白色顔料、カー
ボンブラック、有機系白色顔料、着色顔料等が挙げられ
る。アルミ顔料としては、平均粒子径0.1〜100μ
m程度のリーフィングタイプ、ノンリーフィングタイプ
のアルミニウム粉顔料が挙げられる。
【0026】熱転写インキ層は、ホットメルト系インキ
または溶剤希釈系インキのいずれのタイプのインキでも
形成することができ、ホットメルト系インキで熱転写イ
ンキ層を形成する場合、各種ワックス類と、熱可塑性樹
脂を主体に含有させる。各種ワックス類は、マイクロク
リスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワ
ックス等がある。更に、フィッシャートロプシュワック
ス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨
ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャ
ンデリラワックス、ペトロラクタム、ポリエステルワッ
クス、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミ
ド等、種々のワックスも使用可能である。
【0027】また、上記のホットメルト系インキの熱転
写インキ層で、熱可塑性樹脂としては、エチレン−酢酸
ビニル共重合体樹脂を始め、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等を用いること
ができる。熱転写インキ層は、バインダーとして各種ワ
ックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を主体と
し、顔料としてアルミ顔料とカーボンブラックを用いた
ホットメルト系インキで形成することが、隠蔽される記
録情報の凹凸を吸収し、下地の情報を判別出来なくする
点で好ましい。
【0028】ワックスとエチレン−酢酸ビニル共重合体
樹脂等の熱可塑性樹脂の混合比は、ワックス/熱可塑性
樹脂の質量比で20〜0.5/1が好ましい。熱可塑性
樹脂が、混合比で多すぎると、隠蔽情報の凹凸の吸収が
不十分になり、また下地の記録情報の光学的な隠蔽性が
不足してくる。また、熱転写インキ層のホットメルトコ
ーティングに適した溶融粘度の範囲を超えてくる。一
方、ワックスが混合比で多すぎると、カード等の平滑性
が高く、固い被転写体に転写できるだけの凝集力が不足
し、記録が出来なくなってくるといった不具合が発生す
る。
【0029】次に、隠蔽性材料とバインダーの混合割合
は、隠蔽性材料の比率が多すぎると、印字の際の感度低
下、ボイドの発生等の不具合が発生してくる。一方、バ
インダーの比率が多すぎると、十分な光学的隠蔽力を得
る為に塗布量を多くしなくてはならず、塗工適性、印字
感度、印字の切れなどが悪くなってくる。したがって、
隠蔽性材料とバインダーの両者をバランス良く、混合す
る必要がある。例えば、隠蔽性材料として、アルミ顔料
とカーボンブラックを主体とした顔料と、ワックスとエ
チレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を主体としたバインダ
ーの比率は、顔料/バインダーの質量比で1/4〜1/
0.5が好ましい。ホットメルト系インキの熱転写イン
キ層は上記の隠蔽性材料と、バインダーを主成分とし、
その他必要に応じて添加剤を加え、ホットメルトコート
の方法で、塗工量を、乾燥時で0.5〜10g/m2
度、特に1〜7g/m2が好ましい。この場合、熱転写
インキ層は光学的に十分な隠蔽力を得る目安として、熱
転写シートの状態でブラックフィルターでの透過濃度が
1.0以上好ましくは1.5以上を確保することが望ま
しい。
【0030】熱転写インキ層を溶剤希釈系インキで形成
する場合、各種の熱可塑性樹脂を主体に構成する。熱可
塑性樹脂としては、従来公知のものが用いられるが、ス
クラッチ性を付与させるためには、特にゴム系樹脂を用
いることが好ましい。かかるゴム系樹脂は、50℃での
弾性率が104から108Paの範囲にある樹脂が易接着
性、スクラッチ・オフ適性(削りやすさ)、印字感度の点
で好ましい。例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂、ブタジエン−アクリルニトリルゴム、スチレン−ブ
タジエンゴム、塩化ゴム、エステルゴム、ポリイソブチ
レンゴム、ブチルゴムや、オレフィン樹脂、アクリル樹
脂、ウレタン樹脂等の単体、変性物、共重合物が挙げら
れる。また、バインダーとして、これらのゴム系樹脂で
はなく、従来公知の熱可塑性樹脂を用いても良い。例え
ば、エチルセルロース、酢酪酸セルロース等のセルロー
ス誘導体、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレンなど
のスチレン共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリ
エチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート等のア
クリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、ポリ
エステル樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレ
タン系樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重
合体、エチレン−アクリル酸エステルやポリアミド樹
脂、ポリ塩素化オレフィン等のオレフィン樹脂等の熱可
塑性樹脂が挙げられる。但し、これらの熱可塑性樹脂を
用いた場合はスクラッチ・オフ適性が低下するため、ワ
ックス類を添加するか、ゴム系樹脂を主体とした接着層
を設けるかして、スクラッチ・オフ適性を向上させるこ
とが好ましい。
【0031】また、上記の溶剤希釈系インキの場合、易
接着性、スクラッチ・オフ適性(削りやすさ)、印字感
度を向上させるために、各種ワックスを加えてもよい
が、あまり多く加えると削りにくくなる、カード等の平
滑性が高く、固い被転写体に転写できるだけの凝集力が
無くなるなどの不具合が発生してくる。溶剤希釈系イン
キの熱転写インキ層では、隠蔽性材料とバインダーの混
合比率は、隠蔽性材料/バインダーの質量比で、5/1
〜1/4が好ましい。隠蔽性材料の比率が多いほど、隠
蔽性を向上させることができるが、多すぎると、印字の
際の感度低下、ボイドの発生等の不具合が発生してく
る。一方、バインダーの比率が多すぎると、十分な光学
的隠蔽力を得る為に塗布量を多くしなくてはならず、塗
工適性、印字感度、印字の切れなどが悪くなってくる。
溶剤希釈系インキの熱転写インキ層は、上記の隠蔽性材
料と、バインダーを主成分とし、その他必要に応じて添
加剤を加え、従来公知の方法、すなわち、グラビアコー
ト、グラビアリバースコート、ロールコート等の方法
で、塗工量を、乾燥時で0.5〜10.0g/m2
度、特に1.0〜5.0g/m2が好ましい。この場合
は、熱転写インキ層は光学的に十分な隠蔽力を得る目安
として、熱転写シートの状態でブラックフィルターでの
透過濃度が1.0以上、特に1.5以上を確保すること
が望ましい。
【0032】(接着層)接着層7は、熱転写インキ層の
被転写体への転写性、易接着性、スクラッチ・オフ適性
等の向上の為に、熱転写インキ層の上に設けることがで
きる。接着層は一般的に熱可塑性樹脂、天然樹脂、ゴ
ム、ワックス等を用いることができる。例えばエチルセ
ルロース、酢酪酸セルロース等のセルロース誘導体、ポ
リスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン共重
合体、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリ
レート、ポリエチルアクリレート等のアクリル系樹脂、
ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体及びエチレンモノマーと酢酸ビニルモノマー
とその他のモノマーとの共重合体、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル系樹
脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、
ポリウレタン系樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステルやポリア
ミド樹脂、ポリ塩素化オレフィン等のオレフィン樹脂
や、エステルゴム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴ
ム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリル
ニトリルゴム、塩化ゴムなどの単体、変性物、共重合物
があげられる。特に、接着層にゴム系樹脂として、エチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂、またはその変性物、また
はエチレンモノマーと酢酸ビニルモノマーとその他のモ
ノマーとの共重合体を用いることが、本発明の熱転写シ
ートのスクラッチ・オフ適性等の点から好ましい。
【0033】接着層は、熱転写インキ層の被転写体への
転写性の向上、易接着性、スクラッチ・オフ適性、ラフ
紙適性(記録情報の凹凸上に均一な印字ができるよう
に)等の向上のために、特にゴム系樹脂を用いることが
好ましい。使用するゴム系樹脂は、50℃での弾性率が
104〜108Paの範囲にある樹脂が、易接着性、スク
ラッチ・オフ適性(爪やコイン等により隠蔽部を容易に
擦り落とすことができる適性)、印字感度の点で好まし
い。接着層には、転写感度、インキ流動性、スクラッチ
・オフ適性、ラフ紙適性等の向上のために、ワックス類
を添加することができる。この接着層の厚さは、乾燥状
態で0.05〜5.0g/m2程度で、特に0.5〜
3.0g/m2が好ましい。なお、接着層は、前記のパ
ターン層と同様な方法で塗布、乾燥し、形成することが
できる。
【0034】(耐熱層)上記の如き熱転写シートは、そ
の裏面に、サーマルヘッドの熱によるスティッキングや
印字しわなどの悪影響を防止するため、耐熱層6を設け
ることが好ましい。上記の耐熱層を形成する樹脂として
は、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポ
リエステル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポ
リエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン/ブタ
ジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンア
クリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテル
アクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエ
ポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロ
ースナイトレート樹脂、セルロースアセトプロピオネー
ト樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロ
ースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セル
ロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、
ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等が
挙げられる。また、より耐熱性向上のために、各種イソ
シアネート硬化剤や不飽和結合を有するモノマー、オリ
ゴマーとの反応生成物でもよく、硬化方法は加熱、電離
放射線の照射等、硬化手段は限定されない。
【0035】これらの樹脂からなる耐熱層に添加、ある
いは上塗りする滑り性付与剤としては、燐酸エステル、
シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン
系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アク
リルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサ
ン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体が挙げら
れるが、好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコ
ール高分子化合物とポリイソシアネート化合物及び燐酸
エステル系化合物からなる層であり、更に充填剤を添加
することがより好ましい。耐熱層は、上記に記載した樹
脂、滑り性付与剤、更に充填剤を、適当な溶剤により、
溶解又は分散させて、耐熱層形成用インキを調製し、こ
れを、上記のフィルム基材の他方に面に、例えば、グラ
ビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリ
バースコーティング法等の形成手段により塗布し、乾燥
して形成することができる。
【0036】(熱転写シートと被転写体の使用方法)本
発明の熱転写シートと被転写体の使用方法は、フィルム
基材の片面に、少なくとも熱転写インキ層を設けた熱転
写シートと、被転写体を重ね合わせて、加熱により、該
熱転写インキ層を被転写体へ転写して記録し、その後に
被転写体の転写記録部を擦って、該記録部を被転写体か
ら除去できるものである。本発明の熱転写シートと被転
写体の使用方法で用いる熱転写シートは、フィルム基材
の片面に、少なくとも熱転写インキ層を設けたもので、
上記に説明してきた、フィルム基材の片面に、少なくと
もパターン状に設けられた転写性のパターン層と、隠蔽
性材料とバインダーを含む熱転写インキ層を順次設けた
熱転写シートを含むが、それだけに限定されず、フィル
ム基材上に熱転写インキ層を単層で設けたものも使用す
ることができる。
【0037】フィルム基材上に熱転写インキ層を単層で
設ける場合は、該熱転写インキ層が被転写体に転写さ
れ、その転写された熱転写インキ層が被転写体から、手
やコイン等で擦って、簡単に除去できるものであれば、
いずれのものでもよく、上記に説明した隠蔽性材料とバ
インダーを少なくとも含有する熱転写インキ層を用いる
ことができる。但し、使用する被転写体として、転写さ
れる熱転写インキ層が浸透しにくく、転写された部分を
擦り取っても、下に位置する被転写体の表面が損傷しな
いように、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体樹脂等の各種プラスチックフィル
ムやプラスチックカード、ポリエステル繊維、ポリアミ
ド樹脂、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維等の合成繊
維からなる織布や不織布、ポリプロピレン樹脂やポリエ
ステル樹脂等を主成分とした合成紙、コート紙等を用い
ることができる。
【0038】また、本発明の熱転写シートと被転写体の
使用方法は、被転写体に予め印刷が施され、該印刷部が
上記の熱転写シートから被転写体へ転写した熱転写イン
キ層による記録部に隠蔽されることが好ましい。上記の
被転写体に予め施される印刷は、凸版印刷、オフセット
印刷やグラビア印刷等による印刷であっても良いし、ま
たオンデマンド印刷としての、熱溶融性インキや熱昇華
性インキによる熱転写印刷や、インクジェット印刷、電
子写真方式の印刷等であっても良い。但し、被転写体の
予め施された印刷部の上に、熱転写インキ層による隠蔽
を行う際、該熱転写インキ層の熱転写時の加熱条件によ
り、該印刷部が溶融したり、変色したり等、変化しない
ように、該印刷部には耐熱性が必要である。特に、被転
写体に予め施される印刷として、熱転写印刷を用いる場
合は、隠蔽される印刷部の熱転写時の熱転写シートを介
して接する温度よりも低い温度で、隠蔽するための熱転
写インキ層が被転写体に転写されるように、予め印刷部
のインキ層の材料選択をしておく必要がある。
【0039】また、本発明の熱転写シートと被転写体の
使用方法において、被転写体に予め印刷された部分の3
次元粗さ測定による中心面平均値SPaが10μm以下
であることが好ましく、これにより隠蔽される印刷部分
の表面凹凸を少なくして、熱転写シートから転写される
熱転写インキ層により、隠蔽を確実に行い、被転写体に
予め印刷された部分の凹凸や表面光沢の違いに追従し
て、該印刷部分が読み取れる点を防止することができ
る。
【0040】本発明の熱転写シートと被転写体の使用方
法において、被転写体に熱転写シートから転写された記
録部を擦って、該記録部を被転写体から除去する際に、
記録部を擦ることは、具体的には、爪やコイン等で記録
部の熱転写インキ層を擦った際に、容易に削り取れるも
のである。隠蔽層としての熱転写インキ層は、爪やコイ
ン等で擦れば削り取れるが、取扱上で物と擦れた程度で
は削られるものではない。したがって、隠蔽層としての
熱転写インキ層は、JIS K 5400の手かき法で
規定する鉛筆引っかき値が、HB以下で隠蔽層塗膜が破
れることが好ましく、それにより、被転写体との適度な
密着性と、爪やコイン等で擦った際の、削り落とせる適
度な脆さの両者のバランスをもったものが得られる。
【0041】JIS K 5400の手かき法で規定す
る鉛筆引っかき値は、塗膜(隠蔽層としての熱転写イン
キ層)の硬さを、鉛筆の芯で塗膜を引っかいて調べ、鉛
筆の濃度記号で表したものである。具体的には、試験片
を水平な台の上に塗面を上向きに固定し、水平台に対し
約45度の角度で鉛筆を持ち、芯が折れない程度にでき
る限り強く塗面に押し付けながら、試験者の前方に均一
な速さで約1cm押し出して塗面を引っかく。押し出す
速度は約1cm/sとする。1回引っかくごとに鉛筆の
芯の先端を新たに研いで、同一の濃度記号の鉛筆で5回
ずつ試験を繰り返す。5回の試験で2回以上試験片の素
地又は下塗塗膜に届く破れが認められないときは、上位
の濃度記号の鉛筆に取り替えて同様に試験を行い、塗膜
の破れが2回以上になる鉛筆を見つけ、その鉛筆の濃度
記号より一段階下位の濃度記号を、その塗膜の鉛筆引っ
かき値とする。
【0042】3次元粗さ形状測定機による中心面平均値
SPaの測定には、(株)東京精密のサーフコム570
A−3DFを用いた。測定面積は、2.0mm×2.0
mmとし、PVC(ポリ塩化ビニル樹脂)カード上に書
体Times New Romanをボールドにして、
サイズ6ポイントにて、「B」の文字を記録し、その中
心面平均値SPaを測定した。その記録方法は、凸版印
刷、オフセット印刷やグラビア印刷等による印刷や、熱
転写等、各種の印刷方式を用いた。中心面平均値SPa
が10μmより大きいと、本発明の熱転写シートを用い
て、印字しても、被転写体に予め印刷された部分を隠蔽
することができない。
【0043】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に
説明する。尚、文中、部または%とあるのは、特に断り
のない限り質量基準である。(実施例1)一方の面に易
接着処理を施した厚さ6μmのPETをフィルム基材と
し、そのフィルム基材の他方の面には、予め乾燥状態で
塗工厚1μmの耐熱層を設け、フィルム基材の易接着処
理面の全面に、ベタ状に、下記組成の熱転写インキ層用
塗工液を、ホットメルトコーティングにより、塗布、乾
燥させ、乾燥状態で塗工厚6.0g/m2の熱転写イン
キ層を設け、実施例1の熱転写シートを作製した。
【0044】熱転写インキ層用塗工液 アルミペースト 20部 カーボンブラック 5部 エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂 15部 マイクロワックス 65部
【0045】(実施例2)一方の面に易接着処理を施し
た厚さ6μmのPETをフィルム基材とし、そのフィル
ム基材の他方の面には、予め乾燥状態で塗工厚1μmの
耐熱層を設け、フィルム基材の易接着処理面の全面に、
下記組成のパターン層用塗工液をグラビア印刷機によ
り、市松模様に塗布、乾燥させて、乾燥状態で塗工厚
0.5g/m2のパターン層を設け、さらに、パターン
層上及びフィルム基材上に、全面ベタ状に、実施例1で
使用した熱転写インキ層用塗工液を、ホットメルトコー
ティングにより、塗布、乾燥させ、乾燥状態で塗工厚
6.0g/m2の熱転写インキ層を設け、実施例2の熱
転写シートを作製した。
【0046】パターン層用塗工液 カーボンブラック水分散液(固形分30%) 20部 カルナバワックスエマルジョン(固形分40%、融点82℃) 20部 水/イソプロピルアルコール(質量比1/2) 60部
【0047】(実施例3)上記の実施例2の熱転写シー
トと同様に、予め耐熱層の形成されたフィルム基材の他
方の易接着処理面に、実施例2で使用したパターン層用
塗工液をグラビア印刷機により、市松模様に塗布、乾燥
させて、乾燥状態で塗工厚0.5g/m2のパターン層
を設け、さらに、パターン層上及びフィルム基材上に、
全面ベタ状に、下記組成の剥離層用塗工液をグラビアコ
ーティングにより、塗布、乾燥させて、乾燥状態で塗工
厚0.5g/m2の剥離層を設け、さらに剥離層上に全
面ベタ状に、下記組成の熱転写インキ層用塗工液を、溶
剤系インキのグラビアコーティングにより、塗布、乾燥
させ、乾燥状態で塗工厚3.0g/m2の熱転写インキ
層を設け、実施例3の熱転写シートを作製した。
【0048】剥離層用塗工液 塩素化ポリオレフィン樹脂 30部 トルエン 70部熱転写インキ層用塗工液 アルミペースト 15部 エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂 30部 トルエン/メチルエチルケトン(質量比5/1) 70部
【0049】(実施例4)上記の実施例2の熱転写シー
トと同様に、予め耐熱層の形成されたフィルム基材の他
方の易接着処理面に、実施例2で使用したパターン層用
塗工液をグラビア印刷機により、市松模様に塗布、乾燥
させて、乾燥状態で塗工厚0.5g/m2のパターン層
を設け、さらに、パターン層上及びフィルム基材上に、
全面ベタ状に、実施例3で使用した剥離層用塗工液をグ
ラビアコーティングで、塗布、乾燥させて、乾燥状態で
塗工厚1.0g/m2の剥離層を設け、さらに剥離層上
に全面ベタ状に、下記組成の熱転写インキ層用塗工液
を、溶剤系インキのグラビアコーティングにより、塗
布、乾燥させ、乾燥状態で塗工厚3.0g/m2の熱転
写インキ層を設け、さらに熱転写インキ層の上に、全面
ベタ状に、下記組成の接着層用塗工液を、グラビアコー
ティングにより、塗布、乾燥させ、乾燥状態で塗工厚
2.0g/m2の接着層を設け、実施例4の熱転写シー
トを作製した。
【0050】熱転写インキ層用塗工液 アルミペースト 15部 ポリエステル樹脂 10部 トルエン/メチルエチルケトン(質量比5/1) 75部接着層層用塗工液 エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン(固形分35%) 20部 水/イソプロピルアルコール(質量比1/2) 80部
【0051】(実施例5)上記の実施例3で使用したフ
ィルム基材の易接着処理面に、まず実施例3で使用した
剥離層用塗工液を、塗布、乾燥させて、乾燥状態で塗工
厚0.5g/m2の剥離層を設け、さらに剥離層の上
に、下記組成のパターン層用塗工液を、市松模様に塗
布、乾燥させて、乾燥状態で塗工厚0.5g/m2のパ
ターン層を設けた以外は、実施例3と同様にして実施例
5の熱転写シートを作製した。パターン層用塗工液 カーボンブラック水分散液(固形分30%) 20部 ポリエステル樹脂エマルジョン 20部 (固形分25%、Tg60℃、数平均分子量15000) 水/イソプロピルアルコール(質量比1/2) 60部
【0052】(実施例6)上記の実施例4で作製した熱
転写シートの接着層を下記組成の塗工液に変えた以外
は、実施例4と同様にして実施例6の熱転写シートを作
製した。接着層層用塗工液 エチレン−アクリル酸共重合体樹脂エマルジョン 20部 (固形分30%、Tg20℃) カルナバワックスエマルジョン 5部 (固形分40%、融点82℃) 水/イソプロピルアルコール(質量比1/2) 75部
【0053】(実施例7)上記の実施例3で作製した熱
転写シートのパターン層の模様を図10に示すようなロ
ゴに変更した以外は、実施例3と同様にして実施例7の
熱転写シートを作製した。
【0054】(実施例8)上記の実施例3で作製した熱
転写シートのパターン層を下記組成の塗工液に変え、乾
燥状態で塗工厚を1.0g/m2にした以外は、実施例
3と同様にして実施例8の熱転写シートを作製した。パターン層用塗工液 カーボンブラック水分散液(固形分30%) 10部 ポリエステル樹脂エマルジョン 20部 (固形分25%、Tg−5℃、数平均分子量20000) メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 70部
【0055】(評価方法)市販されているバーコード用
熱転写リボンを用いて、塩化ビニル製カードに予め黒色
の文字や数字等の可変情報の記録を行っておく。次に上
記に得られた実施例及び比較例の熱転写シートを用い
て、上記の可変情報の記録部を覆い隠すように、該可変
情報記録部全面より少し大きめに、隠蔽部を形成するよ
うに、サーマルヘッドにより印字エネルギーを0.4m
J/dot(通常の印字エネルギーよりも高め)で、加
熱、転写した。
【0056】(実施例9)被転写体の塩化ビニル製カー
ドに予め黒色の文字や数字等の可変情報の記録を行い、
該記録部の3次元粗さ測定による中心面平均値SPa
が、1.0μm、5.0μm、11.0μmのものを用
いて、上記の実施例3の熱転写シートを用いて、該可変
情報記録部を覆い隠すように、可変情報記録部全面より
少し大きめに、隠蔽部を形成した。隠蔽部の加熱、転写
条件は上記と同様である。
【0057】(評価結果)実施例2〜8の熱転写シート
を用いて、文字や数字等の可変情報記録部上の隠蔽部表
面が模様として光沢差があり、カードを斜めから観察し
ても、該可変情報記録部の凹凸が判読できなく、また、
該可変情報記録部を透かして見ようとしても、熱転写イ
ンキ層の隠蔽性と、パターン層の黒色の模様で、該可変
情報記録部を判読することができず、優れた隠蔽性を有
するものであった。実施例1の熱転写を用いた場合、可
変情報記録部の上の隠蔽部表面にパターン層の模様はな
いが、カードを正面から観察して、可変情報記録部を判
読することができず、隠蔽性はほぼ良好であった。ま
た、実施例1〜8では熱転写された隠蔽部を爪で擦って
容易に削り落とすことができ、具体的には、被転写体に
転写された熱転写インキ層(隠蔽部)がJIS K 5
400の手かき法で規定する鉛筆引っかき値で、HB以
下であった。つまり、上記の鉛筆引っかき値がHB以
下、すなわち鉛筆引っかき値がHB、B、2B、3B、
4B、5B、6Bのいずれかであった。例えば、鉛筆引
っかき値がHBの場合、9H〜HBの間の鉛筆で引っか
くと、塗膜の隠蔽部が破れる。一方、B〜6Bの間の鉛
筆で引っかいても、隠蔽部は破れない。また、鉛筆引っ
かき値が6Bの場合、9H〜6Bの間の鉛筆で引っかく
と、塗膜の隠蔽部が破れる。上記の鉛筆引っかきによ
り、塗膜の隠蔽部が破れる場合に、下にある可変情報記
録部がきれいに出てくる。なお、熱転写された隠蔽部
は、カードの取り扱い中(定期入れ等に保管し、携帯し
て)、剥がれるものではなかった。
【0058】実施例9では、被転写体に予め印刷された
部分の3次元粗さ測定による中心面平均値SPaが1.
0μm、5.0μmのものでは、可変情報記録部の上の
隠蔽部表面が模様として光沢差があり、カードを斜めか
ら観察しても、可変情報記録部の凹凸が判読できなく、
また、可変情報記録部を透かして見ようとしても、熱転
写インキ層の隠蔽性と、パターン層の黒色の模様で、可
変情報記録部を判読することができず、優れた隠蔽性を
有するものであった。それに対し、被転写体に予め印刷
された部分の3次元粗さ測定による中心面平均値SPa
が11.0μmのものは、熱転写された隠蔽部を爪で擦
って容易に削り落とすことができ、下にある可変情報記
録部がきれいに出てくるが、隠蔽性において、カードを
斜めから観察すると、可変情報記録部の凹凸が判読でき
た。
【0059】
【発明の効果】以上の通り、本発明の熱転写シートと被
転写体の使用方法は、フィルム基材の片面に、少なくと
も熱転写インキ層を設けた熱転写シートと、被転写体を
重ね合わせて、加熱により、該熱転写インキ層を被転写
体へ転写して記録し、その後に被転写体の転写記録部を
爪やコイン等で擦って、該記録部を被転写体から簡単に
除去できる。また、被転写体には予め印刷が施されてい
れば、該印刷部を上記の熱転写シートから被転写体へ転
写した熱転写インキ層により、簡単に隠蔽することがで
きる。また、本発明の熱転写シートは、フィルム基材の
片面に少なくともパターン状に設けられた転写性のパタ
ーン層と、アルミ顔料と熱可塑性樹脂を含む熱転写イン
キ層を順次設けたことにより、カード等の被転写体に記
録された情報の上に、上記の熱転写シートを用いて、熱
転写インキ層を転写し、また、同時にパターン層も転写
され、記録情報の上には、熱転写インキ層とパターン層
の2層が被転写体の表面上に混在しているため、表面の
光沢や色調が変化し、盛り上がりによる記録情報部が読
み取れてしまうことがなく、また熱転写インキ層に上記
の成分を含有させることにより、十分な隠蔽性と、また
適度な凝集力を有し、爪やコインなどにより隠蔽部を容
易に擦り落とすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写シートである一つの実施形態を
示す断面図である。
【図2】本発明の熱転写シートである他の実施形態を示
す断面図である。
【図3】本発明の熱転写シートである他の実施形態を示
す断面図である。
【図4】本発明の熱転写シートである他の実施形態を示
す断面図である。
【図5】本発明の熱転写シートである他の実施形態を示
す断面図である。
【図6】被転写体に予め情報が記録されていて、その記
録された情報の上に、本発明の熱転写シートを用いて、
隠蔽部を熱転写した後の状態を示す、一つの実施形態を
示す断面図である。
【図7】被転写体に予め情報が記録されていて、その記
録された情報の上に、本発明の熱転写シートを用いて、
隠蔽部を熱転写した後の状態を示す、他の実施形態を示
す断面図である。
【図8】被転写体に予め情報が記録されていて、その記
録された情報の上に、本発明の熱転写シートを用いて、
隠蔽部を熱転写した後の状態を示す、他の実施形態を示
す断面図である。
【図9】パターン層の模様の例を示す図である。
【図10】パターン層の模様の例(ロゴ)を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 熱転写シート 2 フィルム基材 3 パターン層 4 熱転写インキ層 5 剥離層 6 耐熱層 7 接着層 8 被転写体 9 記録された情報 10 隠蔽部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 雅史 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 池内 伸穂 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2C005 HB04 HB12 KA01 KA12 LA14 LA20

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム基材の片面に、少なくとも熱転
    写インキ層を設けた熱転写シートと、被転写体を重ね合
    わせて、加熱により、該熱転写インキ層を被転写体へ転
    写して記録し、その後に被転写体の転写記録部を擦っ
    て、該記録部を被転写体から除去できることを特徴とす
    る熱転写シートと被転写体の使用方法。
  2. 【請求項2】 前記の被転写体には、予め印刷が施さ
    れ、該印刷部を上記転写記録部が隠蔽可能とすることを
    特徴とする請求項1に記載する熱転写シートと被転写体
    の使用方法。
  3. 【請求項3】 前記の熱転写シートが、フィルム基材の
    片面に、少なくともパターン状に設けられた転写性のパ
    ターン層と、隠蔽性材料とバインダーを含む熱転写イン
    キ層を順次設けたことを特徴とする請求項1または2に
    記載する熱転写シートと被転写体の使用方法。
  4. 【請求項4】 前記の被転写体に予め印刷された部分の
    3次元粗さ測定による中心面平均値SPaが10μm以
    下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つ
    に記載する熱転写シートと被転写体の使用方法。
  5. 【請求項5】 フィルム基材の片面に、隠蔽性材料とバ
    インダーを含む熱転写インキ層を設けた熱転写シートに
    おいて、該熱転写インキ層を被転写体へ転写し、その後
    に被転写体に転写された熱転写インキ層を擦って、該熱
    転写インキ層を被転写体から除去できることを特徴とす
    る熱転写シート。
  6. 【請求項6】 前記の被転写体に転写された熱転写イン
    キ層がJIS K5400の手かき法で規定する鉛筆引
    っかき値が、HB以下であることを特徴とする請求項5
    に記載する熱転写シート。
  7. 【請求項7】 フィルム基材の片面に、少なくともパタ
    ーン状に設けられた転写性のパターン層と、隠蔽性材料
    とバインダーを含む熱転写インキ層を順次設けたことを
    特徴とする請求項5または6に記載する熱転写シート。
  8. 【請求項8】 前記のパターン層の模様が社名やロゴ、
    特定マーク等のパターンであることを特徴とする請求項
    7に記載する熱転写シート。
  9. 【請求項9】 前記のパターン層と、その上に設けた熱
    転写インキ層との占有面積を比較した時、転写された面
    積2cm2当たり、パターン部の面積(パターン率)
    が、5〜85%の割合であることを特徴とする請求項7
    に記載する熱転写シート。
  10. 【請求項10】 前記のフィルム基材の片面に、剥離層
    を設け、該剥離層の上にパターン層、熱転写インキ層を
    順次設けたことを特徴とする請求項7に記載する熱転写
    シート。
  11. 【請求項11】 前記のフィルム基材の片面に、パター
    ン層を設け、該パターン層上に剥離層を設け、該剥離層
    の上に熱転写インキ層を順次設けたことを特徴とする請
    求項7に記載する熱転写シート。
  12. 【請求項12】 前記のパターン層が、ワックス、熱可
    塑性樹脂から選ばれる少なくとも一種のバインダー及び
    /または着色剤を含有することを特徴とする請求項7ま
    たは11に記載する熱転写シート。
  13. 【請求項13】 前記の熱転写インキ層の上に、接着層
    を設けたことを特徴とする請求項7〜12のいずれか一
    つに記載する熱転写シート。
  14. 【請求項14】 前記の熱転写インキ層の上に、ゴム系
    樹脂を主体とした接着層を設けたことを特徴とする請求
    項13に記載する熱転写シート。
  15. 【請求項15】 前記のゴム系樹脂が、エチレン−酢酸
    ビニル共重合樹脂、またはその変性物、またはエチレン
    モノマーと酢酸ビニルモノマーとその他のモノマーとの
    共重合体であることを特徴とする請求項14に記載する
    熱転写シート。
  16. 【請求項16】 前記の熱転写インキ層が、アルミ顔料
    とカーボンブラック、ワックス、エチレン−酢酸ビニル
    共重合体樹脂を主体とするホットメルトインキから構成
    されていることを特徴とする請求項5〜15のいずれか
    一つに記載する熱転写シート。
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