JP2000117100A - ガス貯蔵性有機金属錯体、その製造方法およびガス貯蔵装置 - Google Patents

ガス貯蔵性有機金属錯体、その製造方法およびガス貯蔵装置

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JP2000117100A
JP2000117100A JP11121178A JP12117899A JP2000117100A JP 2000117100 A JP2000117100 A JP 2000117100A JP 11121178 A JP11121178 A JP 11121178A JP 12117899 A JP12117899 A JP 12117899A JP 2000117100 A JP2000117100 A JP 2000117100A
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gas
divalent metal
metal ion
organometallic complex
gas storage
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Kenji Seki
建司 関
Susumu Kitagawa
進 北川
Mitsuru Kondo
満 近藤
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価であるとともに体積当たりのガス吸着能
が高く、繰り返し特性の良好なガスの貯蔵技術を提供す
る。 【解決手段】二価の金属イオン、前記金属イオンに配位
可能な原子を有する二座配位可能な有機配位子、および
ハロゲン化二価金属アニオンより構成される三次元構造
を有するガス貯蔵可能な有機金属錯体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス貯蔵性有機金
属錯体、その製造方法、ガス吸蔵材、ガス貯蔵装置およ
びガス貯蔵方法に関する。さらに、本発明は、ガス自動
車に関し、詳しくは、メタンを主成分とするガスから駆
動力を得るガス自動車に関する。さらに、本発明は、吸
着式ガス貯蔵タンク及びLNG貯蔵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、メタンを主成分とするガスの貯蔵
にあたっては、吸蔵材として主に活性炭を使用すること
が提案されている。しかしながら、活性炭を使用する場
合は、体積当たりのガスの吸着量が少ない。体積当たり
のガスの吸着量を上げるために、活性炭を成型して吸蔵
材とした場合においても、その吸着量の向上には限界が
あった。比表面積が大きく、比較的体積当たりのガス吸
着能が高いもの(高比表面積活性炭)もあるが、これら
は、その価格が高い。ガスの吸着、脱離状況について考
察すると、活性炭の場合は、細孔径が様々であるため、
ガスの吸着、脱離を繰り返すと、吸着、脱離性能が一定
せず、繰り返し特性が悪いという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安価
であるとともに体積当たりのガス吸着能が高く、繰り返
し特性の良好なガスの貯蔵技術を提供するとともに、ガ
スの貯蔵を簡便に行えるガス貯蔵装置を得ることにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な課題を解決するために鋭意研究を遂行し、特定の金属
錯体がガス吸蔵材、特にメタンを主成分とするガスの吸
蔵材として好適であることを見出し、本発明を完成し
た。
【0005】本発明は、下記の項1〜項12に関する。 項1. 二価の金属イオン、前記金属イオンに配位可能
な原子を有する二座配位可能な有機配位子、およびハロ
ゲン化二価金属アニオンより構成される三次元構造を有
するガス貯蔵可能な有機金属錯体。 項2. 前記二座配位可能な有機配位子が、ピラジン、
4,4’−ビピリジル、トランス−1,2−ビス(4−
ピリジル)エチレン、4,4’−アゾピリジン、4,
4’−ビピリジルエタン、4,4’−ビスピリジルフェ
ニレン、N−(4−ピリジル)イソニコチンアミドから
なる群から選ばれる少なくとも1種である項1に記載の
有機金属錯体。 項3. 一般式(1) Cu(配位子)2(ハロゲン化二価金属アニオン) (1) 〔式中、配位子は、ピラジン、4,4’−ビピリジン、
トランス−1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン、
4,4’−アゾピリジン、4,4’−ビピリジルエタ
ン、4,4’−ビスピリジルフェニレンまたはN−(4
−ピリジル)イソニコチンアミドである。ハロゲン化二
価金属アニオンは、SiX6 2-、GeX6 2-、Zr
6 2-、TiX6 2-、SnX6 2-、NbOX6 2-、PtX6
2-またはMoO24 2-(Xは、F、Cl、Br又はIで
ある)である。〕で表される項1に記載の有機金属錯
体。 項4. 二価の金属イオンが、銅、カドミウム、コバル
ト、およびニッケルからなる群から選ばれる項1記載の
有機金属錯体。 項5. 二価の金属イオンの塩とハロゲン化二価金属ア
ニオンの塩の水溶液及び前記金属イオンに配位可能な原
子を有する二座配位可能な有機配位子の溶液を所定比率
で混合し、反応させることを特徴とする3次元構造を有
する有機金属錯体の製造方法。 項6. 二価の金属イオンの塩とハロゲン化二価金属ア
ニオンの塩の溶液の反応により得られるM2+[ハロゲン
化二価金属アニオン]2-〔M2+は2価の金属イオン〕と
前記二価金属イオンに配位可能な原子を有する二座配位
可能な有機配位子の溶液を所定比率で混合し、反応させ
ることを特徴とする3次元構造を有する有機金属錯体の
製造方法。 項7. 項1〜4のいずれかに記載の有機金属錯体から
なるガス吸蔵材。 項8. ガスの出入口を備えた耐圧容器の内部に形成さ
れた空間に、前記ガス貯蔵可能な有機金属錯体を収納し
てなるガス貯蔵装置。 項9. 項7に記載のガス吸蔵材に加圧条件下でメタン
を主成分とするガスを吸着して貯蔵するガス貯蔵方法。 項10. 項8に記載のガス貯蔵装置(1)を備え、ガ
ス貯蔵装置(1)から供給されるメタンを主成分とする
ガスから駆動力を得る内燃機関(3)を備えたガス自動
車。 項11. 項7に記載のガス吸蔵材を含むことを特徴と
する吸着式ガス貯蔵タンク。 項12. LNGタンクと吸着式充填タンクを安全弁を
介して連設し、LNGタンクの圧力が所定値以上に高く
なった場合に、一定量の蒸発ガス(BOG)が吸着式充
填タンクに充填されるようにしてなるLNG貯蔵装置。
【0006】
【発明の実施の形態】<金属錯体の製造>ハロゲン化二
価金属アニオンの塩と二価の金属イオンの塩の反応によ
り得られるハロゲン化二価金属アニオン/二価金属イオ
ン塩の溶液と、二座配位可能な有機配位子の溶液を混合
することにより、有機金属錯体を製造することができ
る。得られた混合液を例えば数時間〜数日静置し、沈殿
してきた固体を吸引濾過し、100℃で5時間真空乾燥
することにより有機金属錯体の結晶を製造することがで
きる。
【0007】二価の金属イオンとしては、ベリリウム、
マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム
等のアルカリ土類金属イオン、鉄、コバルト、ニッケ
ル、パラジウム等のVIII族の金属イオン、銅、亜鉛、カ
ドミウム、水銀、鉛、マンガン等の金属イオンが挙げら
れ、これら二価金属イオンの硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸
塩、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサハロゲン化リン酸
塩、ハロゲン化塩、炭酸塩、ギ酸塩、酢酸塩を使用する
ことができる。
【0008】ハロゲン化二価金属アニオンとしては、8
面体構造を有するアニオンが使用でき、SiX6 2-、G
eX6 2-、ZrX6 2-、TiX6 2-、SnX6 2-、NbOX
6 2-、PtX6 2-およびMoO24 2-(Xは、F、Cl、
Br又はIである)を好ましく例示できる。Xは、好ま
しくはFである。ハロゲン化二価金属アニオンの塩とし
ては、これらアニオンのアンモニウム塩、ナトリウム、
カリウム、リチウム、セシウムなどのアルカリ金属塩、
メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン等の1級ア
ミン塩、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロ
ピルアミン等の2級アミン塩、トリエチルアミン等の3
級アミン塩が例示される。
【0009】これらの二価金属イオンの塩とハロゲン化
二価金属アニオンの塩を反応させることにより、ヘキサ
ハロゲン化シリケート金属塩を得ることができる。この
金属塩を溶液のまま又は単離後、二座配位可能な有機配
位子と反応させることにより、目的のガス吸蔵材である
有機金属錯体を得ることができる。
【0010】前記二座配位可能な有機配位子は、ピラジ
ン、4,4’−ビピリジル、トランス−1,2−ビス
(4−ピリジル)エチレン、4,4’−アゾピリジン、
4,4’−ビピリジルエタン、4,4’−ビスビピリジ
ルフェニレン、N−(4−ピリジル)イソニコチンアミ
ド等が使用できる。
【0011】濃度としては、ヘキサハロゲン化シリケー
トの2等量であり、0.01〜0.5mol/Lであ
る。
【0012】前記合成の反応温度は−20〜100℃程
度であり、常温で反応する。
【0013】本反応の溶媒としては、水、アセトン、メ
タノール、エタノール等のアルコール類、アセトニトリ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン、
ヘキサン等の有機溶媒を単独又は混合して使用できる。ガス吸蔵材 有機金属錯体はガス(例えば、メタンを主成分とするガ
ス)を吸着することができるので、ガス吸蔵材として使
用することができる。有機金属錯体の結晶における細孔
径は、構造上一定しているため、特定のガス(例えば、
メタン)以外のガス成分を吸着したまま脱着しにくくな
り、繰り返し性能が劣化するといった問題も発生しにく
い。
【0014】有機金属錯体の結晶を成型(特に、圧縮成
型)することにより、比較的嵩密度の高いガス吸蔵材と
することができる。ガス吸蔵材の嵩密度を高くすること
により、体積当たりのガスの吸着量を大きく増大するこ
とができ、ガス貯蔵性能の点からも好ましい。有機金属
錯体の結晶を成型することにより、その成型密度を高く
するとともに、その吸着能を高くすることができ、単位
体積当たりのガス吸蔵能を、例えば、活性炭より格段に
高いものとすることができる。ガス貯蔵方法 本発明のガス吸蔵材を、加圧条件下で、貯蔵の対象とな
るガス(例えば、メタンを主成分とするガス)を接触さ
せることにより、吸着し、貯蔵することができる。この
貯蔵は、常温以上(例えば、5℃以上)でも可能であ
る。ガスを吸着したガス吸蔵材のガス圧(貯蔵容器内の
圧力)を減圧することにより又は吸蔵材を加熱すること
により、吸着したガスを脱着(放出)させることができ
る。
【0015】メタン以外の貯蔵可能な成分としては、一
酸化炭素、水素、エタン、プロパン、等が挙げられる。
なお、メタンのみを吸蔵することも可能である。ガス貯蔵装置 本発明のガス貯蔵装置においては、圧力容器内に本発明
のガス吸蔵材を備えるので、吸蔵材が収納されている圧
力容器内に、その出入口からメタンを主成分とするガス
を圧入することにより、ガス吸蔵材に吸着させた状態で
貯蔵することができる。本発明のガス貯蔵装置において
は、例えば、出口側に備えられる弁を開放し、圧力容器
内の内圧を低下させることにより、ガスをガス吸蔵材か
ら脱着させ、貯蔵装置から放出させることができる。ガス自動車 図1に、本発明のガス貯蔵装置を備えたガス自動車2の
概略構成を示す。ガス自動車2は、燃料タンク1として
本発明のガス貯蔵装置を備えるとともに、燃料タンク1
から、タンク内に貯蔵される天然ガスを得て、燃焼用酸
素含有ガス(例えば空気)と混合して、その燃焼により
走行駆動力を得る内燃機関としてのエンジン3を備えて
いる。
【0016】燃料タンク1は、いわゆる圧力容器4を備
えて構成されるとともに、貯蔵対象のガスが出入り可能
な出入口として一対の出口5aと入口5bとを備え、容
器4内のガスを加圧状態に維持可能な気密保持機構を構
成する一対の弁6を、出口5a及び入口5bそれぞれに
備えている。燃料である天然ガスは、ガスステーション
7において、加圧状態で、燃料タンク1に充填される。
燃料タンク1には、本発明のガス吸蔵材8が内装されて
おり、ガス吸蔵材8が天然ガス(メタンを主成分とする
ガスの一例)を常温、加圧状態で吸着する。
【0017】燃料タンク1は、通常、常温状態であり、
特に冷却されたりすることはなく、気温が上昇する例え
ば夏場においては、比較的温度が高くなる。本発明のガ
ス吸蔵材(カルボン酸金属錯体の結晶)は、このような
条件下において、即ち、比較的高温(25〜60℃程
度)の温度域においても、その吸着能が高く、有効な使
用が図れる。
【0018】出口側の弁6を開放することにより、吸着
状態にあるガスをガス吸蔵材8から脱着させることがで
きる。脱着したガスをエンジン3側に送って燃焼させる
ことにより、走行駆動力を得ることができる。吸着式ガス貯蔵タンク 従来のガス貯蔵タンク内に、本発明のガス吸蔵材を入れ
ることにより、タンクの単位体積当たりのガス貯蔵量を
増大することができる。LNG貯蔵装置 従来のLNGタンクに、本発明の吸着材を備えた吸着式
充填タンクを接続し、これらのタンクの間に安全弁を設
けることにより、LNGタンクの圧力が所定圧力(例え
ば1〜9kg/cm2)以上になった場合に、安全弁を介して
蒸発ガス(BOG)が吸着式充填タンクに流れ込み、L
NGタンクの内圧を設定値以内に保つことができる。
【0019】
【発明の効果】本発明の有機金属錯体はガス吸蔵材とし
て有用である。本発明の錯体は製造が容易で安価である
ため、経済的なメリットが大きい。
【0020】本発明のガス吸蔵材は、メタンを主成分と
するガスの貯蔵において、体積当たりの吸着量が多く、
繰り返し特性が良い。本発明のガス吸蔵材によれば、常
温条件下の加圧状態でガス(特に、メタンを主成分とす
るガス)を貯蔵することができる。本発明のガスの貯蔵
方法によれば、メタンを主成分とするガスを、効率よく
吸蔵することができる。
【0021】本発明のガス貯蔵装置は、容積当たりのガ
ス貯蔵能が高い。本発明のガス貯蔵装置によれば、本発
明の吸蔵材の常温、加圧下におけるメタン吸着能を利用
して、比較的小さい容積中に有効にガスを貯蔵すること
ができる。
【0022】本発明のガス自動車は、容積当たりのガス
貯蔵能が高いガス貯蔵装置を備えているので、構造上使
用しやすい。
【0023】本発明のガス貯蔵タンクは、単位体積当た
りのガス貯蔵量が大きい。
【0024】本発明のLNG貯蔵装置は、LNGタンク
の温度が上昇した場合にも、LNGが吸着式充填タンク
に貯蔵され、LNGタンクの圧力を許容範囲内に収める
ことができる。
【0025】
【実施例】(1)有機金属錯体の合成実施例1 過塩素酸銅6水和物(Cu(ClO4)2・6H2O、378mg、1.02mmo
l)とアンモニウムヘキサフルオロシリケート((NH4)2Si
F6、200mg、1.12mmol)を水20mlに溶かした。これに
4,4’−ビピリジル(349mg、2.24mmol)の水溶液(2
0ml)をゆっくりと加えた。4日間静置後、得られた
青色沈殿を濾過して集め、減圧乾燥したところ、目的物
である錯体が0.53g得られた。得られた錯体の比表
面積をBET法により調べたところ、1193m2/g
であり、細孔径は約7.8Åであった。
【0026】得られた錯体を元素分析することにより、
組成式は{Cu(4,4'-bpy)2SiF6}で表されることが判明
した。
【0027】この結晶についてX線測定を行い解析した
結果、Cuイオン配位子である4,4’−ビピリジルが
架橋することにより生成した二次元格子構造をSiF6イオ
ンにより軸配位子として架橋することにより、三次元構
造を形成している。この分子内空間にガスを貯蔵するこ
とが可能である。この構造を模式的に示したのが図2で
ある。実施例2 過塩素酸銅6水和物(Cu(ClO4)2・6H2O、378mg、1.02mmo
l)とアンモニウムヘキサフルオロシリケート((NH4)2Si
F6、200mg、1.12mmol)を水20mlに溶かした。これに
4,4’−ビスピリジルフェニレン(4,4'-bpyph、2.24
mmol)の水溶液(20ml)をゆっくりと加えた。4日
間静置後、得られた青色沈殿を濾過して集め、減圧乾燥
したところ、目的物である錯体が0.62g得られた。
得られた錯体を元素分析することにより、組成式は{Cu
(4,4'-bpyph)2SiF6}で表されることが判明した。 (2)有機金属錯体の吸着性能 マイクロ天秤を用いた重量法により、上記実施例1で合
成した{Cu(4,4'-bpy) 2SiF6}なる錯体のメタン吸着能
力を測定した。実験条件は、 使用ガス:メタン(純度99.99%) 温度:25℃ 時間:平行に達するまで(数秒) にて行った。結果を図3に示す。図3に示されるよう
に、本発明の錯体はメタン吸着能を有することが明らか
になった。実施例3 テトラフルオロホウ酸銅6水和物(Cu(BF4)2・6H2O、386m
g、1.12mmol)とアンモニウムヘキサフルオロゲルマネ
ート((NH4)2GeF6、248mg、1.12mmol)を水10mlに溶
かした。これに4,4’−ビピリジン(350mg、2.24mmo
l)のジメトキシエタン(120ml)溶液にゆっくりと
加えた。得られた紫色沈殿を濾過して集め、減圧乾燥し
たところ、目的物である錯体が0.33g得られた。得
られた錯体の比表面積をBET法により調べたところ、
1050m2/gであり、細孔径は約7.8Åであっ
た。
【0028】この錯体を元素分析することにより、組成
式が{Cu(4,4'-bpy)2GeF6nで表されるものであること
が判明した。
【0029】この結晶についてX線測定を行い構造を解
析した結果、Cuイオンを配位子である4,4’−ビピ
リジンが架橋することにより生成した二次元格子構造を
GeF6イオンにより軸配位子として架橋することにより、
三次元構造を形成している。この分子内空間にガスを貯
蔵することが可能となる。実施例4 テトラフルオロホウ酸銅6水和物(Cu(BF4)2・6H2O、772m
g、2.24mmol)とアンモニウムヘキサフルオロチタネー
ト((NH4)2TiF6、443mg、2.24mmol)を水10mlに溶か
した。これを4,4’−ビピリジン(700mg、4.48mmol)
のジメトキシエタン(240ml)溶液にゆっくりと加
えた。得られた紫色沈殿を濾過して集め、減圧乾燥した
ところ、目的物である錯体が0.67g得られた。得ら
れた錯体の比表面積をBET法により調べたところ、1
205m2/gであり、細孔径は約7.8Åであった。
【0030】この錯体を元素分析することにより、組成
式が{Cu(4,4'-bpy)2TiF6nで表されるものであること
が判明した。
【0031】この結晶についてX線測定を行い構造を解
析した結果、Cuイオンを配位子である4,4’−ビピ
リジンが架橋することにより生成した二次元格子構造を
TiF6イオンにより軸配位子として架橋することにより、
三次元構造を形成している。この分子内空間にガスを貯
蔵することが可能となる。実施例5 テトラフルオロホウ酸銅6水和物(Cu(BF4)2・6H2O、772m
g、2.24mmol)とアンモニウムヘキサフルオロジルコネ
ート((NH4)2ZrF6、540mg、2.24mmol)を水10mlに溶
かした。これを4,4’−ビピリジン(700mg、4.48mmo
l)のジメトキシエタン(240ml)溶液にゆっくり
と加えた。得られた紫色沈殿を濾過して集め、減圧乾燥
したところ、目的物である錯体が0.71g得られた。
得られた錯体の比表面積をBET法により調べたとこ
ろ、1050m2/gであり、細孔径は約7.8Åであ
った。
【0032】この錯体を元素分析することにより、組成
式が{Cu(4,4'-bpy)2ZrF6nで表されるものであること
が判明した。
【0033】この結晶についてX線測定を行い構造を解
析した結果、Cuイオンを配位子である4,4’−ビピ
リジンが架橋することにより生成した二次元格子構造を
ZrF6イオンにより軸配位子として架橋することにより、
三次元構造を形成している。この分子内空間にガスを貯
蔵することが可能となる。ガス貯蔵能力の測定 実施例3〜5で得られた錯体について、メタン吸着能力
を測定した。実験条件は、 使用ガス:メタン(純度99.99%) 温度:25℃ 時間:平行に達するまで(数秒) にて行った。結果を図4に示す。
【0034】この結果より、本発明の有機金属錯体はメ
タンの吸着に対し性能を有していることが判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガス自動車の該略図を示す。
【図2】本発明の錯体の三次元構造を模式的に示す概略
図である。
【図3】実施例1の錯体のガス吸着能(吸着等温線)を
示すグラフである。
【図4】実施例3〜5の錯体のガス吸着能(吸着等温
線)を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 241/12 C07D 241/12 F17C 11/00 F17C 11/00 A 13/00 302 13/00 302A // C07F 1/08 C07F 1/08 C

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二価の金属イオン、前記金属イオンに配位
    可能な原子を有する二座配位可能な有機配位子、および
    ハロゲン化二価金属アニオンより構成される三次元構造
    を有するガス貯蔵可能な有機金属錯体。
  2. 【請求項2】 前記二座配位可能な有機配位子が、ピラ
    ジン、4,4’−ビピリジル、トランス−1,2−ビス
    (4−ピリジル)エチレン、4,4’−アゾピリジン、
    4,4’−ビピリジルエタン、4,4’−ビスピリジル
    フェニレン、N−(4−ピリジル)イソニコチンアミド
    からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1
    に記載の有機金属錯体。
  3. 【請求項3】 一般式(1) Cu(配位子)2(ハロゲン化二価金属アニオン) (1) 〔式中、配位子は、ピラジン、4,4’−ビピリジン、
    トランス−1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン、
    4,4’−アゾピリジン、4,4’−ビピリジルエタ
    ン、4,4’−ビスピリジルフェニレンまたはN−(4
    −ピリジル)イソニコチンアミドである。ハロゲン化二
    価金属アニオンは、SiX6 2-、GeX6 2-、Zr
    6 2-、TiX6 2-、SnX6 2-、NbOX6 2-、PtX6
    2-またはMoO24 2-(Xは、F、Cl、Br又はIで
    ある)である。〕で表される請求項1に記載の有機金属
    錯体。
  4. 【請求項4】二価の金属イオンが、銅、カドミウム、コ
    バルト、およびニッケルからなる群から選ばれる請求項
    1記載の有機金属錯体。
  5. 【請求項5】二価の金属イオンの塩とハロゲン化二価金
    属アニオンの塩の水溶液及び前記金属イオンに配位可能
    な原子を有する二座配位可能な有機配位子の溶液を所定
    比率で混合し、反応させることを特徴とする3次元構造
    を有する有機金属錯体の製造方法。
  6. 【請求項6】二価の金属イオンの塩とハロゲン化二価金
    属アニオンの塩の溶液の反応により得られるM2+[ハロ
    ゲン化二価金属アニオン]2-〔M2+は2価の金属イオ
    ン〕と前記二価金属イオンに配位可能な原子を有する二
    座配位可能な有機配位子の溶液を所定比率で混合し、反
    応させることを特徴とする3次元構造を有する有機金属
    錯体の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜4のいずれかに記載の有機金属
    錯体からなるガス吸蔵材。
  8. 【請求項8】ガスの出入口を備えた耐圧容器の内部に形
    成された空間に、前記ガス貯蔵可能な有機金属錯体を収
    納してなるガス貯蔵装置。
  9. 【請求項9】請求項7に記載のガス吸蔵材に加圧条件下
    でメタンを主成分とするガスを吸着して貯蔵するガス貯
    蔵方法。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載のガス貯蔵装置(1)
    を備え、ガス貯蔵装置(1)から供給されるメタンを主
    成分とするガスから駆動力を得る内燃機関(3)を備え
    たガス自動車。
  11. 【請求項11】請求項7に記載のガス吸蔵材を含むこと
    を特徴とする吸着式ガス貯蔵タンク。
  12. 【請求項12】LNGタンクと吸着式充填タンクを安全
    弁を介して連設し、LNGタンクの圧力が所定値以上に
    高くなった場合に、一定量の蒸発ガス(BOG)が吸着
    式充填タンクに充填されるようにしてなるLNG貯蔵装
    置。
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