JP3746321B2 - ガス貯蔵性有機金属錯体とその製造方法及びガス貯蔵装置並びにガス貯蔵装置を装備した自動車 - Google Patents

ガス貯蔵性有機金属錯体とその製造方法及びガス貯蔵装置並びにガス貯蔵装置を装備した自動車 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な金属錯体に関し、その結晶構造中に分子を収納しうる空隙を有し、ガスを貯蔵する能力を有する金属錯体に関する。
本発明の目的は、金属錯体として新規な構造を持ち、新しい用途として用いられ得る、あるいは、より高い機能を実現可能な金属錯体を提供することにある。
また本発明は、前記金属錯体を使用したガス貯蔵装置、及び前記ガス貯蔵装置を装備した交通輸送手段、特に自動車にも関する。
さらに、本発明にかかる金属錯体は、反応触媒やその担体、ガス組成物中の特定の成分を吸着除去して精製する処理剤や、処理装置にも使用可能である。
【0002】
【従来の技術】
可燃性のガスを貯蔵する技術としては、単に加圧し、体積を圧縮して高圧でボンベに充填する方法、冷却して液化し、断熱された容器に充填する方法、アセチレンのように、比較的低い圧力にしか圧縮できないガスをアセトン等の溶剤に溶解してボンベに充填する方法等が知られている。
ガスをエネルギー源として使用する交通輸送手段としては、ボンベに充填したLPガスを燃料とした乗用車が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ガスを貯蔵する方法において、単に加圧するだけの方法では、高圧にするための特殊な加圧装置が必要である上に、水素ガス、メタンガス等に使用される20MPa(200kgf/cm2 )にも及ぶ高圧に耐える性能を確保するためボンベの重量が極めて重くなり、取り扱い、搬送が困難である。また、液化する方法も特殊な圧縮装置と冷却装置を必要とし、容器も保温性能を確保するために特殊な構造のものを必要とする。さらに、溶剤を使用するものは、ガス中に溶剤の蒸気が混入する上に、溶剤分だけ搬送重量が余分にかかり、無駄であると共に、特殊なガスにしか使用できない。
近年、水素を貯蔵する多孔質の合金が開発されたが、高価であり、ガス成分の種類が限定的である。
【0004】
これに対し、ジカルボン酸銅錯体として、層状構造を有する錯体が見いだされ、その構造を利用した用途として、ガスの吸着・吸蔵による貯蔵、触媒、分子ふるい等の機能が期待されている。これらの錯体は、その結晶構造中に空間を有し、その空間の大きさと構成成分の特性に応じ種々のガス成分を吸着・貯蔵しうるものであることが解明されつつあり、さらに各種の金属錯体の開発が期待される。
また、本発明においては、LPガス以外のガス燃料をもエネルギー源とすることができ、かつ軽量な貯蔵装置を装備する交通輸送手段も提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、2価の金属イオン、剛直な骨格の両末端に前記2価の金属イオンに配位可能な窒素原子を有する2座配位可能な有機配位子と、2,3−ピラジンジカルボン酸とにより構成される有機金属錯体であって、前記2価の金属イオンと前記2,3−ピラジンジカルボン酸とによって形成された二次元層が、前記有機配位子の両末端であってその分子内の点対称の位置にある窒素原子の夫々に前記2価の金属イオンが配位することによって連結した多層構造を有する、ガス貯蔵可能な有機金属錯体に関する。
好ましくは、前記金属錯体を構成する有機配位子は、ピラジン、4,4’−ビピリジル、トランス−1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン、1,4−ジシアノベンゼン、4,4’−ジシアノビフェニル、1,2−ジシアノエチレン、1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼンより選択される。
【0006】
このような錯体としては、特に2価の金属イオンとして銅イオン(Cu2+)を使用した、
[化3]
Cu2(bpy)(byzdc)2
(bpyは4,4’−ビピリジル、byzdcは2,3−ピラジンジカルボン酸を表す。)にて表される金属錯体が好ましい。
【0007】
本発明に使用される有機配位子は、剛直な分子構造を有し、その作用によりガスを吸着・貯蔵しうる結晶格子中の空間が形成される。「剛直な分子構造」とは、C−C結合等のように回転可能な結合を含まず、従って、金属に配位可能な原子間の距離が変動しない分子構造であることを意味する。このような分子の両末端に、金属イオンに配位可能な、窒素等の原子を有している配位子が好適である。配位可能な原子は、有機配位子の分子の両末端に、分子内で点対称に存在していることが特に好ましい。
【0008】
本発明の金属錯体は、2価の金属イオンの溶液、剛直な骨格の両末端であって分子内の点対称の位置に前記2価の金属イオンに配位可能な窒素原子を有する2座配位可能な有機配位子の溶液、2,3−ピラジンジカルボン酸の溶液を所定比率で混合し、反応させて得られるものであり、前記2価の金属イオンと前記2,3−ピラジンジカルボン酸とによって形成された二次元層が、前記有機配位子の両末端であってその分子内の点対称の位置にある窒素原子の夫々に前記2価の金属イオンが配位することによって連結した多層構造を有する結晶の成長に適した条件を選択して合成される。
【0009】
本発明はガス貯蔵装置にも関する。例としては図3に示され、この図に基づいて説明すると、ガス貯蔵装置1は、ガスの出入り口4a、4bを備えた耐圧容器2の内部に形成された空間5に、2価の金属イオンと、剛直な骨格の両末端に前記2価の金属イオンに配位可能な窒素原子を有する2座配位可能な有機配位子と、2,3−ピラジンジカルボン酸とにより構成され、前記2価の金属イオンと前記2,3−ピラジンジカルボン酸とによって形成された二次元層が、前記有機配位子の両末端であってその分子内の点対称の位置にある窒素原子の夫々に前記2価の金属イオンが配位することによって連結した多層構造を有するガス貯蔵可能な3次元有機金属錯体3を収納して構成される。
かかる貯蔵装置は、簡易な充填装置を使用してガスを充填することができると共に、ガス吸着能を有する金属錯体を収納しているため内圧の低い状態で多くのガスを貯蔵することができ、貯蔵装置自体の構造も簡易でかつ軽量に設計することが可能であり、内燃機関、燃料電池等の燃料となるメタン、天然ガス等を容易に搬送することが可能となる。したがって、かかる貯蔵装置は、自動車、船舶等の交通輸送手段、およびこれらに使用される発電機、冷凍機等の付属設備のエネルギー供給源として使用が可能である。
【0010】
前記ガス貯蔵装置に収納して使用するガス貯蔵可能な金属錯体は、2座配位可能な有機配位子として、ピラジン、4,4’−ビピリジル、トランス−1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン、1,4−ジシアノベンゼン、4,4’−ジシアノビフェニル、1,2−ジシアノエチレン、1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼンより選択される有機配位子を使用したものであることが好ましい。かかる配位子を使用した金属錯体が、ガスを吸着しうる結晶格子空間を形成しうるからである。これらの金属錯体のうち、特に、その化学構造が前記〔化3〕にて表されるものであることが好ましい。その理由は、4,4’−ビピリジルが、その化学構造上メタンの吸着貯蔵に適した結晶格子空間を形成するからである。また、1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼンも、同様の理由により、好ましい錯体を形成する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、2価の金属イオン、剛直な骨格の両末端に前記2価の金属イオンに配位可能な窒素原子を有する2座配位可能な有機配位子と、2,3−ピラジンジカルボン酸とにより構成され、前記2価の金属イオンと前記2,3−ピラジンジカルボン酸とによって形成された二次元層が、前記有機配位子の両末端であってその分子内の点対称の位置にある窒素原子の夫々に前記2価の金属イオンが配位することによって連結した多層構造を有する、ガス貯蔵可能な3次元有機金属錯体に関する。
このような金属錯体は、その層状構造に基づく層間に比較的大きな空間を形成し、その空間はガス分子を収納しうる大きさであるため、ガスを吸着、貯蔵する性能が得られるものと推定される。
【0012】
本発明の金属錯体を構成する2座配位可能な有機配位子は、ピラジン、4,4’−ビピリジル、トランス−1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン、1,4−ジシアノベンゼン、4,4’−ジシアノビフェニル、1,2−ジシアノエチレン、1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼンより選択される有機配位子であることが好ましい。
かかる配位子は、分子の両末端に金属イオンに配位可能な原子、好ましくは窒素原子を有し、かつ分子に剛直性があるため、その両末端、好ましくは分子内の点対称の位置に存在する窒素原子が、それぞれ別の金属イオンに配位し、その(金属イオン−配位子)の繰り返し構造が錯体の結晶格子中で形成され、このような格子が場合によっては積層された構造を形成することにより、ガス貯蔵可能な層状構造が形成されるものと考えられる。配位子中の、金属に配位した原子、ここでは窒素原子間の距離はこの配位子により決定されるため、当該配位子の選択により、吸着される分子の大きさが変更でき、従って、貯蔵しうるガス成分の選択も可能となる。また、原料化合物である金属塩の陰イオンによっても変動しうる。
【0013】
前記錯体に適する金属イオンとしては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属イオン、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム等のVIII族の金属イオン、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、鉛、マンガン等の金属イオンが使用でき、これらの金属イオンの硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、テトラフルオロほう酸塩、ヘキサフルオロりん酸塩、ハロゲン塩、炭酸塩、蟻酸塩、酢酸塩等を前記金属イオンの原料として使用することができる。特に、金属イオンとして銅イオンを使用したものが好ましく、この場合、使用する原料としては、硫酸銅、硝酸銅、炭酸銅等の無機塩、蟻酸銅、酢酸銅等の有機塩を使用することができる。
【0014】
金属錯体は、金属イオン塩の溶液、剛直な骨格の両末端であって分子内の点対称の位置に前記2価の金属イオンに配位可能な窒素原子を有する2座配位可能な有機配位子の溶液、2,3−ピラジンジカルボン酸の溶液を所定比率で混合し、反応させ、錯体化することにより得られるものであり、各原料の比率が所定の比となるように混合し、均一に攪拌したのち、所定の条件で反応させ、錯体の結晶を生成させる。反応条件は、金属イオンと配位子の組み合わせによって異なるが、外見上は粉体であっても、結晶がある程度の大きさに成長しないと結晶中の空間が十分に得られない。好ましくは、室温に近い条件で長時間反応させる。必要に応じ、加熱による反応の促進、溶剤の蒸発等を行ってもよい。反応温度は−10℃〜100℃、好ましくは10℃〜60℃である。
【0015】
本発明において、金属塩を溶解させる溶剤としては、水、アセトン、の他メタノール、エタノール等のアルコール類、その他金属に強く配位しないで金属塩を溶解するものが好ましく、単独で又は混合して使用する。また、有機配位子を溶解させる溶剤としても強く金属に配位しないものが使用可能であり、水の他、アセトン、MEK、MIBK等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メタノールやエタノール等のアルコール類、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、トルエン、ヘキサン等の有機溶剤を単独で又は混合して使用する。
【0016】
本発明の金属錯体を製造するのに使用する前記溶剤は、相互に均一に混和するもの、相互に混和せず相分離するもの、いずれの組み合わせも使用できる。「混和」する場合とは、例えば、水とアセトン、水とエタノール等のように、いかなる比率でも均一に相溶する組み合わせの他、ある一定の組成範囲のみで均一に相溶する水とメチルエチルケトン(MEK)等の組み合わせでもかまわない。溶剤は、原料化合物の溶解性、溶剤自体の相溶性、生成する錯体の溶解度、反応への影響等を考慮して選択される。水とヘキサンのように、完全に相分離する溶剤の組み合わせによると、分離した界面に結晶が生成する。
【0017】
得られた錯体は、常法により濾過し、乾燥する。乾燥は、好ましくは、減圧下に、加熱して行う。乾燥が不十分な場合は、結晶格子空間に溶剤分子が残り、ガス吸着性能が十分に発揮されず、吸着後脱着されたガスの溶剤含有率が高くなる。水等の低揮発性の溶剤を使用した場合は、その水等と相溶する高揮発性の有機溶剤にて洗浄し、さらに、これら水等の低揮発性の溶剤と共沸する有機溶剤、例えば水に対してはエタノール、アセトン等の親水性溶剤で洗浄したのち乾燥することも好ましい態様である。
【0018】
次に、本発明の錯体を使用したガス貯蔵装置について図3に基づき説明する。
ガス貯蔵装置2は、ガス出入口を備えた、密閉容器であり、耐圧容器であることが好ましい。ガス出入口4a、4bは、容器本体に別々に取り付けられていても良く、一つを兼用または2重管構造としてもよい。圧力指示装置の取付は自由である。容器本体内部の空間に、2価の金属イオン、剛直な骨格の両末端に前記2価の金属イオンに配位可能な窒素原子を有する2座配位可能な有機配位子と、2,3−ピラジンジカルボン酸とにより構成され、前記2価の金属イオンと前記2,3−ピラジンジカルボン酸とによって形成された二次元層が、前記有機配位子の両末端であってその分子内の点対称の位置にある窒素原子の夫々に前記2価の金属イオンが配位することによって連結した多層構造を有する、ガス貯蔵可能な3次元有機金属錯体3を収納して構成される。容器本体内部は、収納した錯体とガスの接触、ガスの流通を良くするために区画5、棚6等を設け、また、錯体が粉体である場合にはメッシュ状の材料にて前記区画5、棚6等を製作することが好ましく、適当なバインダーを使用して顆粒状、又はペレット状に成形することも好ましい態様である。容器本体外周部、又は必要に応じて内部には、貯蔵するガス成分の、錯体への吸着、脱着を促進するための加熱・冷却を行う装置を設けることも好ましい。なお、図3の例では、ガスの流通を良くするために、空間7を設けてある。
【0019】
ガス貯蔵容器に収納する金属錯体は、請求項1〜3の何れか1項に記載した錯体であり、かかる錯体の使用により、比較的低い圧力にてガスが貯蔵可能となり、容器にガスを充填するために特殊な加圧装置、冷却装置を必要とせず、また特殊な断熱容器も必要とせずガスを貯蔵・搬送することができる。
本発明にかかるガス貯蔵容器への、ガスの充填は、適当なガス加圧装置を介して貯蔵容器にガスを送り込むことにより行う。この際、ガスの金属錯体への吸着は通常発熱反応であるため、容器を同時に冷却することが好ましい。
本発明のガス貯蔵容器から、貯蔵したガスを取り出すときは、取り出し側の圧力を貯蔵装置に対し、相対的に低圧にし、同時に貯蔵装置を加熱することにより促進する。
【0020】
図4には、ガス貯蔵装置1を備えたガス自動車9の概略構成を例示した。この例においては、ガス自動車9は燃料供給源として、本発明のガス貯蔵性金属錯体が収納されたガス貯蔵装置1を備えるとともにこのガス貯蔵装置1に貯蔵された天然ガス等の可燃性ガスを燃料とする内燃機関としてのエンジン10を備えている。この例の他、ガス燃料を利用した燃料電池をエネルギー源とし、モーターを駆動源とした自動車も可能である。なお、図4に示す自動車に使用したガス貯蔵装置は、図3のものとは別の実施例である。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
(錯体合成例1)
硫酸銅0.02M水溶液50mlに、ビピリジルの0.01M、2,3−ピラジンジカルボン酸0.02Mのエタノール/水=1/1の混合溶媒溶液50mlを加えて混合し、室温にて1日放置し、生じた青色の沈殿物を吸引濾過した後、室温にて真空乾燥したところ、目的物である錯体が0.35g得られた。
この錯体を元素分析することにより、組成式が、
〔Cu2(bpy)(pyzdc)2n
で表されるものであることが判明した。
【0022】
この結晶についてX線回折を行い、構造を解析した結果、Cuとpyzdcが形成する層構造がbpyによって連結されて多層構造となって結晶を構成しており、この層間にガスを貯蔵しうる空間が形成されているものと推定される。
この層構造を模式的に示したのが図1である。
【0023】
(ガス貯蔵能力の測定1)
錯体合成例1にて得られた、
[化4]
Cu2(bpy)(pyzdc)2
なる組成の錯体について、メタンの吸着能力を測定した。
実験条件は、
使用ガス:メタン(純度 99.99%)
温度 :25℃
時間 :平衡に達するまで(数秒間)
にて行った。結果を図1に示した。
この結果より、化3にて示される組成を有する金属錯体は、メタンの吸着に対して選択性を有していることが判る。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】Cu2(bpy)(pyzdc)2組成の錯体の結晶構造模式図。
【図2】Cuを使用した金属錯体の、メタンガス吸着特性測定性能を測定したグラフ。
【図3】ガス貯蔵装置の概略図。
【図4】ガス自動車のモデル図。
【符号の説明】
1 ガス貯蔵装置
2 圧力容器
3 金属錯体
4a ガス出口
4b ガス入口
5 区画
6 棚部材
7 空間
9 自動車
10 内燃機関

Claims (10)

  1. 2価の金属イオン、剛直な骨格の両末端に前記2価の金属イオンに配位可能な窒素原子を有する2座配位可能な有機配位子と、2,3−ピラジンジカルボン酸とにより構成され
    前記2価の金属イオンと前記2,3−ピラジンジカルボン酸とによって形成された二次元層が、前記有機配位子の両末端であってその分子内の点対称の位置にある窒素原子の夫々に前記2価の金属イオンが配位することによって連結した多層構造を有するガス貯蔵可能な有機金属錯体。
  2. 記有機配位子は、ピラジン、4,4’−ビピリジル、トランス−1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン、1,4−ジシアノベンゼン、4,4’−ジシアノビフェニル、1,2−ジシアノエチレン、1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼンより選択される有機配位子である、請求項1記載の、ガス貯蔵可能な有機金属錯体。
  3. [化1]
    Cu2(bpy)(pyzdc)2
    (bpyは4,4’−ビピリジル、pyzdcは2,3−ピラジンジカルボン酸を表す。)
    にて表されるものである、請求項1記載のガス貯蔵可能な有機金属錯体。
  4. 2価の金属イオンの溶液、剛直な骨格の両末端であって分子内の点対称の位置に前記2価の金属イオンに配位可能な窒素原子を有する2座配位可能な有機配位子の溶液、2,3−ピラジンジカルボン酸の溶液を所定比率で混合し、反応させることを特徴とする、
    前記2価の金属イオンと前記2,3−ピラジンジカルボン酸とによって形成された二次元層が、前記有機配位子の両末端であってその分子内の点対称の位置にある窒素原子の夫々に前記2価の金属イオンが配位することによって連結した多層構造を有するガス貯蔵可能な有機金属錯体の製造方法。
  5. 前記有機配位子として、ピラジン、4,4’−ビピリジル、トランス−1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン、1,4−ジシアノベンゼン、4,4’−ジシアノビフェニル、1,2−ジシアノエチレン、1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼンより選択される有機配位子を使用する、請求項4記載の、多層構造を有するガス貯蔵可能な金属錯体の製造方法。
  6. 前記2価の金属イオンとして、Cuイオンの溶液、2座配位可能な有機配位子として4,4’−ビピリジルの溶液、及び2,3−ピラジンジカルボン酸の溶液を所定比率で混合し、反応させることを特徴とする請求項4記載の、多層構造を有するガス貯蔵可能な有機金属錯体の製造方法。
  7. ガスの出入り口を備えた耐圧容器の内部に形成された空間に、
    2価の金属イオン、剛直な骨格の両末端に前記2価の金属イオンに配位可能な窒素原子を有する2座配位可能な有機配位子と、2,3−ピラジンジカルボン酸とにより構成され、前記2価の金属イオンと前記2,3−ピラジンジカルボン酸とによって形成された二次元層が、前記有機配位子の両末端であってその分子内の点対称の位置にある窒素原子の夫々に前記2価の金属イオンが配位することによって連結した多層構造を有するガス貯蔵可能な有機金属錯体を収納した、ガス貯蔵装置。
  8. ガス貯蔵可能な前記有機金属錯体が、前記有機配位子として、ピラジン、4,4’−ビピリジル、トランス−1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン、1,4−ジシアノベンゼン、4,4’−ジシアノビフェニル、1,2−ジシアノエチレン、1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼンより選択される有機配位子を使用したものである、請求項7記載のガス貯蔵装置。
  9. 前記ガス貯蔵可能な有機金属錯体が、
    [化2]
    Cu2(bpy)(pyzdc)2
    (bpyは4,4’−ビピリジル、pyzdcは2,3−ピラジンジカルボン酸を表す。)
    にて表されるものである、請求項7記載のガス貯蔵装置。
  10. 請求項7、8又は9に記載のガス貯蔵装置を搭載し、前記ガス貯蔵装置より供給されるメタンを主成分とするガスをエネルギー源として動く自動車。
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