JP2000115522A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JP2000115522A
JP2000115522A JP10301696A JP30169698A JP2000115522A JP 2000115522 A JP2000115522 A JP 2000115522A JP 10301696 A JP10301696 A JP 10301696A JP 30169698 A JP30169698 A JP 30169698A JP 2000115522 A JP2000115522 A JP 2000115522A
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JP10301696A
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Yukio Yamaguchi
幸男 山口
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原稿中の閉領域図形に多少の線切れがある場
合や、閉領域図形の濃度が低い場合でも、閉領域検出を
誤り無く行えるようにする。 【解決手段】 システム制御部8は、原稿中の閉領域の
検出に失敗してしまった場合、画像読み取り部1に対し
て再度読み取り動作を指示し、読み取り結果を原稿用B
M5に再度記憶させる。このときに空間フィルタ回路に
おけるフィルタ係数を閉領域検出失敗時の値よりも平滑
処理を行うような係数に再設定し、あるいは二値化処理
における二値化しきい値を現在の値よりも所定量だけ低
く再設定し、あるいは太らせ処理における制御パラメー
タを現在の値より膨張側に再設定する。これにより対象
原稿中の閉領域図形が元々“線切れ”状態であった場合
や、図形画像の濃度情報が低い場合であっても、取り込
み画像に対する平滑化処理や太らせ処理、あるいは二値
化処理におけるしきい値の低下によって正しく閉領域を
検出することができるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ、複写
機、ファクシミリ装置、表示装置等の画像処理装置に関
し、特に、入力する画像の任意の閉領域を指定すること
により、その入力画像に対し指定した閉領域の内外にお
いて異なる画像処理を施すことができる画像処理装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディジタル複写機等の画像処理装置にお
いて、通常のコピーを実施する場合には、原稿を読み取
って得られた画像データに対してページ単位で均一に画
像処理が施されるが、視覚上の特殊効果を得るべく、読
み取った原稿中の特定の閉領域の内部に対して他の領域
と異なる画像処理が施される場合がある。この種の従来
技術として、特開平01-168163 号公報記載のものがあ
る。この公報記載の技術では、原稿をプレスキヤンして
原稿画像情報を二値化すなわちドット毎に濃度情報を0
または1として原稿画像用ビットマップメモリに書き込
み、ディジタイザにより指定した座標を中心として原稿
画像中にける閉領域を検出し、その閉領域の位置情報
を、塗り潰し用ビットマップメモリ上に閉領域と対応す
る領域内を塗り潰すようにして展開し保持する。その
後、本スキャンすなわち実際に使用する画像の読み取り
を行い、塗り潰し用ビットマップメモリ上に展開された
閉領域(塗りつぶされた領域)に対して所定の画像処理
を施し、閉領域の内外で異なる画像処理(閉領域処理)
を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、読み
取った原稿中の特定の閉領域の内部に対して他の領域と
異なる画像処理を施すためには、本スキャンに先立ち、
予め原稿中の閉領域を検出することが必要である。従来
の技術においては指定された閉領域の位置情報を取得す
るために、原稿中の閉領域情報としてその二次元的な濃
度情報を固定の制御パラメータによって取得している。
しかし、図10に示すような一部に線切れ部を有する不
完全な環状線で囲まれた閉領域がある場合、閉領域の検
出は正しくなされない。このような場合、閉領域処理が
全くなされないか、誤った個所に閉領域処理がなされる
ことになるため、そのシステムのオペレータに閉領域検
出の失敗を伝えるべく、操作パネル等にエラーメッセー
ジが表示される。本発明が解決しようとする課題は、上
記従来技術の不具合を解消し、原稿中の画像のさまざま
な要件によって原稿中の閉領域の検出に失敗してしまっ
た場合でも、自動的に再度閉領域検出処理を実施して的
確に閉領域を検出し、閉領域処理を適切に実施すること
ができる画像処理装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明に係る画像処理装置は、原稿を
読み取り画像データとして入力する画像読み取り手段
と、前記画像読み取り手段より入力された画像データに
フィルタ処理、膨張処理、二値化処理を施した画像デー
タを記憶する第1の記憶手段と、原稿中の閉領域を指定
する閉領域指定手段と、前記第1の記憶手段に記憶され
ている画像データから前記閉領域指定手段によって指定
された閉領域の位置情報を検出する閉領域検出手段と、
前記閉領域検出手段によって検出された位置情報を展開
し保持する第2の記憶手段と、前記第2の記憶手段の記
憶内容に応じて、前記閉領域の内部と外部とで異なる画
像処理を施す画像処理手段と、前記閉領域検出手段によ
る閉領域の位置情報の取得が失敗した場合には、前記画
像読み取り手段に再度原稿の読み取りを実行させ、入力
された画像データを前記第1の記憶手段に記憶させ、前
記閉領域検出手段によって前記第1の記憶手段に記憶さ
れた画像データから閉領域の位置情報を検出させる制御
手段とを備えたことを特徴としている。また請求項2記
載の発明は、請求項1記載の装置構成を前提にして、前
記制御手段が、前記閉領域検出手段による閉領域検出が
失敗した場合に前記第1の記憶手段に記憶される画像デ
ータに施すフィルタ処理の制御パラメータを制御するこ
とを特徴としている。また請求項3記載の発明は、請求
項1記載の装置構成を前提にして、前記制御手段が、前
記閉領域検出手段による閉領域検出が失敗した場合に前
記第1の記憶手段に記憶される画像データに施す二値化
処理の制御パラメータを制御することを特徴としてい
る。また請求項4記載の発明は、請求項1記載の装置構
成を前提にして、前記制御手段が、前記閉領域検出手段
による閉領域検出が失敗した場合に前記第1の記憶手段
に記憶される画像データに施す膨張処理の制御パラメー
タを制御することを特徴としている。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態に基づき詳細に説明する。図1に本発明をディジタ
ルカラー複写機に適用した場合の実施の形態のブロック
図を示す。このディジタルカラー複写機は、原稿をラス
タ走査によって読み取りカラー画像データを出力する画
像読み取り部1と、画像読み取り部1により読み取った
画像データ(入力画像データ)に対して各種画像処理を
旋す画像処理部2と、画像処理を施したカラー画像デー
タを所定用紙に記録(印字出力)する画像記録部3と、
オペレータがエリア処理用の座標指定を行うためのディ
ジタイザ4と、画像読み取り部1より入力された画像デ
ータに所定の処理を施した後に画像データを記憶する原
稿記憶用ビットマップメモリ(以下、原稿用BMと記
す。)5と、画像処理部2で施される画像処理のエリア
処理内容を示すエリアデータを記憶するエリアデータ用
ビットマップメモリ(以下、エリア用BMと記す。)6
と、オペレータが各種動作モードを選択し入力する操作
パネル7と、上記各部を統括し制御するシステム制御部
8より構成される。以下に各ブロックの構成及び動作を
説明する。画像読み取り部1は、R(レッド)用、G
(グリーン)用、B(ブルー)用の計3本のCCDライ
ンセンサを有しており、原稿から光学的に読み取ったR
GBデータに所定のアナログ補正処理、増幅処理を施し
た後、A/D変換して得られた8bitのRGBデータ
をパラレルに外部に出力する。
【0006】図2に画像処理部2の内部構成を示す。図
示するように、画像処理部2は、画像読み取り部1から
出力されたRGBデータに色変換処理を施す色変換処理
部9と、色変換処理部9から出力された画像データに対
して階調処理を施す階調処理部10と、階調処理部10
から出力された画像データに対してアンダーカラー処理
を施すアンダーカラー処理部11と、アンダーカラー処
理部11から出力された画像データに対してペイント
(塗り潰し)処理を施すペイント処理部12とから構成
されている。画像処理部2内の各部の構成及び動作は以
下のとおりである。
【0007】図3に色変換処理部9の内部構成を示す。
画像処理部2に入力されたRGBデータは、先ずこの色
変換処理部9によって所定の色変換処理が施される。そ
の際、入力されたRGBデータは、色変換処理部9内の
マトリクス乗算回路13によってマスキング処理を施さ
れる。このマトリクス乗算回路13でのマトリクス乗算
処理はマトリクステーブル14に保持されているマスキ
ング係数に応じて行われ、入力されたRGBデータはK
CMYデータに変換される。マトリクステーブル14中
のデータはシステム制御部8により書き換えられるよう
になっており、マトリクステーブル14の内容を適宜書
き換えることにより、任意のカラー選択(フルカラー、
単色処理等)が可能となる。
【0008】図4に階調処理部10の内部構成を示す。
階調処理部10は、色変換処理部9によりKCMYデー
タに変換された画像データに対して所定の階調処理を施
す。その際、階調処理部10に入力されたKCMYデー
タは、階調処理部10内のフィルタ乗算回路15によっ
て各色に応じたフィルタリング処理が施される。フィル
タ乗算回路15には1ライン分のデータ保持長を有する
3本のFIFO16a〜16cが接続されており、フィ
ルタ乗算回路15中の長さ5画素分のシフトレジスタに
よって3×5画素単位でフィルタ処理を行っている。上
記3×5画素単位の乗算処理の各乗算係数はフィルタ係
数テーブル17に保持されており、このフィルタ係数テ
ーブル17のデータはシステム制御部8により書き換え
られるようになっている。
【0009】図5にアンダーカラー処理部11の内部構
成を示す。階調処理部10で階調処理された画像データ
は、アンダーカラー処理部11によってアンダーカラー
処理が施される。アンダーカラー処理部11では、入力
された階調処理後の画像データと所定のオフセット値が
保持されているレジスタ19の内容とを加算器18によ
って加算した結果が外部に出力される。その際、加算器
18による加算結果と加算前の入力画像データのうちど
ちらかがセレクタ20で選択されて外部に出力される。
レジスタ19に保持されているオフセット値やセレクタ
20のセレクト信号は、外部から選択されたアンダーカ
ラー処理のON/OFFやアンダーカラー色に応じてシ
ステム制御部8により制御される。
【0010】図6にペイント処理部12の内部構成を示
す。アンダーカラー処理部11でアンダーカラー処理
(非処理を含む)された画像データはペイント処理部1
2によってペイント処理が施される。ペイント処理部1
2では、入力された画像データと所定のペイント濃度デ
ータを保持してるレジスタ21の内容とがセレクタ22
に入力され、システム制御部8からのセレクト信号によ
ってどちらか一方が外部に出力される。レジスタ21に
保持されているペイント濃度データはシステム制御部8
により書き換えが可能である。デイジタイザ4は、オペ
レータにより原稿中の任意の一点が指定されるとその指
定された座標データをシステム制御部8に送信する。こ
こでは原稿中に存在する閉領域図形の内部の任意の一点
がオペレータにより指定される。
【0011】図7に原稿用BM5の内部構成を示す。原
稿用BM5は、原稿読み取り部1によって読み取られた
カラー画像データ(8bitRGBデータ)に対して、
所定の間隔(主副4ドット)で間引きした後に8bit
から4bitに変換処理する間引き処理部23と、間引
き処理されたRGBデータを濃度情報に変換するマトリ
クス演算部24と、空間フィルタ処理を施す空間フィル
タ回路25と、二値化処理を行う二値化回路26と、注
目位置の周辺画素の二値化処理結果を0から1に変更し
て画像を膨張させる膨張処理(以下、、太らせ処理と記
す。)を行う太らせ処理回路27と、これらの処理が施
された結果を記憶する1ドットあたり4ビットのビット
マップメモリ(以下、濃度BMと記す。)28と、濃度
BM28の任意のアドレスをアクセスするデータアクセ
ス回路とによって構成される。原稿用BM5の動作は以
下のとおりである。まずプレスキヤンによって取り込ま
れたRGBデータは間引き処理部1により主副方向4×
4ドットのOR処理を施された後、ビットシフト処理に
よって下位4ビットが切り捨てられて4ビットに変換さ
れる。変換処理されたRGBデータはマトリクス演算部
(図3に示す色変換処理部と同様な構成)によって4ビ
ットの濃度情報(明るい→0、暗い→15)に変換さ
れ、画像読み取り部1のラスタ走査に同期して濃度BM
28に記憶される。その際、二値化処理回路26では、
内部の所定レジスタに保持されている二値化しきい値と
入力データとを比較し、比較結果に応じて0or1
(0:画像低濃度部、1:画像高濃度部)出力する。な
お、上記レジスタに保持する二値化しきい値はシステム
制御部8によって書き換え可能である。
【0012】太らせ処理回路27では、注目位置の周辺
画素の二値化処理結果を参照して、注目画素の二値化結
果を0→1に変更する。例えば太らせ処理のパラメータ
が“周辺8近傍”であった場合には、図11に示すよう
な処理結果となる。なお、上記太らせ処理パラメータは
システム制御部8によって書き換え可能である。空間フ
ィルタ処理回路25は、図4に示す階調処理回路と同様
な構成を有し、3×5構造のマトリクス演算によって平
滑化処理やエッジ強調処理を入力画像データに対して行
う。なお、3×5のマトリクスで表現されるフィルタ係
数はシステム制御部8により書き換えが可能となってい
る。画素[i ,j ]あるいはその近傍のいずれかが
“1”画素である場合はgij=1、それ以外の場合はg
ij=0となる。例えば近傍とは、注目画素の周辺4(上
下左右)あるいは8(上下左右と斜め上下)の画素を指
し、参照する周辺画素領域を広げると、膨張する度合い
も大きくなる。
【0013】図8にエリア用BM6の構成を示す。エリ
ア用BM6は、エリアデータ4ビットを原稿用BMと同
じ分解能(主副1 4 )で記憶可能なBM29と、システ
ム制御部8からの書き込みアドレスとデータとに応じて
BM29にデータを書き込むデータ書き込み部30と、
システム制御部8からの読み出しアドレスに応じてエリ
アデータを読み出し、エリア信号として外部に出力する
データ読み出し部31とにより構成される。エリア用B
M6の動作は以下のとおりである。エリア用BM6に
は、システム制御部8より書き込みアドレス信号と書き
込みデータが入力されBM29上の任意アドレス位置に
エリアデータが書き込まれる。エリアデータは4ビット
構成であり、BM29中の1ドットあたり1エリアデー
タが記憶される。ここで1エリアデータ中の4ビット
は、図8に示すBM29一枚あたり1ビットのデータが
記憶される。なお、エリアBM6の内容の初期値は
“0”であるとする。
【0014】BM29上に全てのエリアデータが書き込
まれた後、原稿を読み取る本スキャン動作に同期してシ
ステム制御部8からデータ読み出し部31に読み出しア
ドレス信号が逐次入力される。データ読み出し部31
は、読み出しアドレス信号が入力されるとBM29上の
指定されたアドレスからエリアデータを読み出す。エリ
アデータを読み出す際、データ読み出し部31では読み
出し結果に「履歴」を持たせ、エリア信号を外部に出力
する。ここで「履歴」というのは、注目ライン中に読み
出したエリアデータの値(0以外)を記憶しておき、記
憶してある値と同じエリアデータが読み出されるまで記
憶してあるエリアデータ値を出力エリア信号として保持
(ラッチ)するという機能である。例えばエリアデータ
0が連続して書き込まれているライン中にエリアデータ
1が離れた位置に2ドット書き込まれている場合には、
そのエリアデータ1に挟まれた領域ではエリア信号1が
出力され、その他の領域ではエリア信号0が出力される
(図9参照)。このように、閉領域の輪郭部に相当する
位置にのみエリアデータ(上記例では“1”)を書き込
むことで、閉領域内部において任意のエリア信号が発生
する。
【0015】画像記録部3では、画像処理部2によって
所定の画像処理を施された画像データに応じて、電子写
真方式の一連のプロセスによる画像形成処理が実施さ
れ、所定の記録用紙に画像が記録される。操作パネル7
には、この複写機システムの各種動作モードや機能メニ
ューな等を選択・指示するための各種操作ボタンを表示
するLCD等を用いた表示部が設けられており、オペレ
ータが表示部に表示された所望の指示内容の操作ボタン
にタッチすることにより、複写機システムに対し各種動
作モードや機能を選択し指示することができるようにな
っている。ここでは指定閉ループ中の処理(ペイント、
アンダーカラーのON/OFF制御、指定色の選択等)
を選択し指示することができる。システム制御部8は、
画像読み取り部1、画像処理部2、ディジタイザ4、原
稿用BM5、エリア用BM6、画像記録部3に対して、
同期信号、アドレス信号、データ信号等を送受信し、統
合的に各ブロックを管理・制御する。またシステム制御
部8は、原稿用BM5中に記憶されている内容を読み出
し、原稿中の閉領域を構成する図形の輪郭情報を抽出す
る機能や、抽出した情報をエリアデータとしてエリア用
BM6に書き込む機能を有する。またシステム制御部8
は、アンダーカラー処理部11とペイント処理部12に
対して、エリア用BM6から出力されるエリア信号に応
じて各処理のON/OFF制御や、各処理部内部のレジ
スタ保持のオフセット値やペイント濃度データをリアル
タイムに切り替える制御(エリア処理制御)を行う機能
も有する。
【0016】以上のように構成された本実施の形態のデ
ィジタルカラー複写機の動作は以下のとおりである。ま
ず、システム制御部8は画像読み取り部1を作動させ、
プレスキヤンによって原稿画像データ(濃度データ)を
原稿用BM5に取り込む。原稿用BM5への原稿画像デ
ータの取り込みが終了した後、ディジタイザ4により閉
領域内の一点が指定されると、指定された座標データに
基づきその指定点を内包する閉領域の輪郭線を検出す
る。ここで検出された閉領域の輪郭情報(位置情報)は
システム制御部8内のRAMに格納される。閉領域検出
手法の詳細については周知であるので説明を省くが、例
をあげると、注目画素の8近傍を時計周り(あるいは反
時計周り)に逐次検出していき、次の輪郭部を検出する
「輪郭線追跡」という手法や、互いに連結する画素に同
一のラベル(番号)を割り当て、異なった連結成分には
異なったラベルを割り当てる「ラべリング処理」という
手法などがある。原稿用BM5に保持されている画像デ
ータに対して閉領域の検出処理を行った際、種々の事情
で閉領域を検出できない場合がある。例えば原稿中の画
像が元々閉領域でない場合や、原稿濃度が薄い場合など
である。その場合、システム制御部8は、“閉領域検出
失敗”として検出処理を一旦、終了する。
【0017】そしてシステム制御部8は、画像読み取り
部1に対して再度読み取り動作を指示し、読み取り結果
を原稿用BM5に再度記憶させる。このときに空間フィ
ルタ回路25におけるフィルタ係数を現在(閉領域検出
失敗時)の値よりもより平滑化する処理をおこなうよう
な係数に再設定し、あるいは二値化回路26における二
値化しきい値を現在の値よりも所定量だけ低く再設定
し、あるいは太らせ処理回路27における制御パラメー
タを現在の値より膨張側に再設定(例えば4近傍検出を
8近傍検出へ変更)する。それにより対象原稿中の閉領
域図形が元々“線切れ”状態であった場合(図10参
照)や、図形画像の濃度情報が低い場合であっても、取
り込み画像に対する平滑化処理や太らせ処理、あるいは
二値化処理におけるしきい値の低下によって正しく閉領
域を検出することができるようになる。上記手法によっ
て原稿中の閉領域の輪郭を抽出した後、システム制御部
8内のRAMにスタックされた輪郭情報を参照して、検
出した輪郭線に囲まれる領域に対応するエリア用BM6
のアドレスにエリアデータを書き込む。ここで書き込ま
れるエリアデータはオペレータが操作パネル上で選択し
た処理内容(ペイント処理、アンダーカラー処理等)を
示すデータである(例えばエリアデータ“0”はペイン
ト処理、アンダーカラー処理なし、データ“1”はRペ
イント処理、データ“2”はGペイント処理、データ
“3”はBペイント処理等)。
【0018】エリア用BM6にエリアデータの書き込み
が終了した後、本スキャンが実行されて原稿画像が画像
読み取り部1より再び取り込まれる。取り込まれた画像
データは上記に述べたように色変換処理部9、階調処理
部10、アンダーカラー処理部11、ペイント処理部1
2をそれぞれ通り、各々の処理が施される。システム制
御部8は画像読み取り部1の読み取り動作に同期してエ
リア用BM6からエリア信号を読み出し、読み出したエ
リア信号に応じてペイント処理部12やアンダーカラー
処理部11を制御する。上記のように本実施の形態のデ
ィジタルカラー複写機では、原稿中の閉領域検出に失敗
した場合に再度、画像読み取り部1によって原稿画像を
読み取り、原稿用BM5中の各種制御パラメータを変更
して原稿画像を濃度BM28に取り込むように構成した
ことにより、もし初期パラメータによってオペレータ指
定の原稿中の閉領域が検出できない場合においても、上
記パラメータを変更して再度閉領域検出が実施されるの
で、原稿中の閉領域図形に多少の線切れが生じていた
り、また閉領域図形の原稿濃度が低い場合においても、
閉領域検出を失敗することなく適切な閉領域検出結果を
出力することができ、誤りの無い閉領域処理が可能とな
る。なお、上記実施の形態では、ディジタイザ4によっ
て原稿中の座標データを入力しているが、他の座標指定
デバイス(原稿画像が表示されるタッチパネル等)を用
いて閉領域内座標を入力するように構成してもよい。ま
た、上記実施の形態では、エリア処理としてペイント処
理、アンダーカラー処理が行われる構成になっている
が、他の編集処理(色変換処理、階調変換処理、影付け
処理、中抜き処理、ネガポジ反転処理等)が行われる構
成であってもよい。また、上記実施の形態では、エリア
データをエリア用BM6に空間的に展開・保持している
が、エリア用BM6を持たずに輪郭位置のX,Y座標デ
ータとそのドット位置のエリアデータ値を保持する方式
でエリアデータを記憶するように構成してもよい。ま
た、上記実施の形態では、原稿中の閉領域を検出する方
式として、輪郭線追跡やラべリング手法を例示したが、
これら以外の方式を用いてもよい。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は以下のよ
うな優れた効果を発揮する。請求項1記載の発明に係る
画像処理装置では、原稿中の閉領域の検出に失敗してし
まった場合でも、自動的に再度原稿画像を読み取り、閉
領域検出を行うので、原稿中の閉領域図形に多少の線切
れが生じていたり、また閉領域図形の原稿濃度が低い場
合においても、閉領域検出を失敗することなく適切な閉
領域検出結果を出力することができ、誤りの無い閉領域
処理が可能となる。請求項2記載の発明に係る画像処理
装置では、原稿中の閉領域の検出に失敗してしまった場
合、自動的に再度原稿画像を読み取り、フィルタ処理の
制御パラメータ(フィルタ係数)を閉領域検出失敗時よ
りも平滑化処理側にシフトさせて閉領域検出を行うよう
に構成したので、初期における制御パラメータ設定では
オペレータの指定した原稿中の閉領域が検出できなかっ
た場合でも、上記制御パラメータを変更して再度閉領域
検出が実施されるので、原稿中の閉領域図形に多少の線
切れが生じていたり、また閉領域図形の原稿濃度が低い
場合においても、閉領域検出を失敗することなく適切な
閉領域検出結果を出力することができ、誤りの無い閉領
域処理が可能となる。請求項3記載の発明に係る画像処
理装置では、原稿中の閉領域の検出に失敗してしまった
場合、自動的に再度原稿画像を読み取り、二値化処理の
制御パラメータ(しきい値)を閉領域検出失敗時よりも
低く再設定して閉領域検出を行うように構成したので、
初期における制御パラメータ設定ではオペレータの指定
した原稿中の閉領域が検出できなかった場合でも、上記
制御パラメータを変更して再度閉領域検出が実施される
ので、原稿中の閉領域図形に多少の線切れが生じていた
り、また閉領域図形の原稿濃度が低い場合においても、
閉領域検出を失敗することなく適切な閉領域検出結果を
出力することができ、誤りの無い閉領域処理が可能とな
る。請求項4記載の発明に係る画像処理装置では、原稿
中の閉領域の検出に失敗してしまった場合、自動的に再
度原稿画像を読み取り、太らせ処理の制御パラメータを
閉領域検出失敗時よりも太らせ度合いを大きくするよう
に変更して閉領域検出を行うように構成したので、初期
における制御パラメータ設定ではオペレータの指定した
原稿中の閉領域が検出できなかった場合でも、上記制御
パラメータを変更して再度閉領域検出が実施されるの
で、原稿中の閉領域図形に多少の線切れが生じていた
り、また閉領域図形の原稿濃度が低い場合においても、
閉領域検出を失敗することなく適切な閉領域検出結果を
出力することができ、誤りの無い閉領域処理が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をディジタルカラー複写機に適用した場
合の実施の形態の一例を示すブロック図である。
【図2】画像処理部の内部構成例を示すブロック図であ
る。
【図3】色変換処理部の内部構成例を示すブロック図で
ある。
【図4】階調処理部の内部構成例を示すブロック図であ
る。
【図5】アンダーカラー処理部の内部構成例を示すブロ
ック図である。
【図6】ペイント処理部の内部構成例を示すブロック図
である。
【図7】原稿用ビットマップメモリの内部構成例を示す
ブロック図である。
【図8】エリア用ビットマップメモリの内部構成例を示
すブロック図である。
【図9】エリア用ビットマップメモリの動作説明図であ
る。
【図10】線切れ部のある不完全な環状線で囲まれた閉
領域の説明図である。
【図11】膨張処理(太らせ処理)の様子を例示した説
明図である。
【符号の説明】
1:画像読み取り部、2:画像処理部、3:画像記録
部、4:ディジタイザ(閉領域指定手段)、5:原稿記
憶用ビットマップメモリ(第1の記憶手段)、6:エリ
アデータ用ビットマップメモリ(第2の記憶手段)、
7:操作パネル、8:システム制御部(閉領域検出手
段、制御手段)、9:色変換処理部、10:階調処理
部、11:アンダーカラー処理部、12:ペイント処理
部、15:フィルタ乗算回路、17:フィルタ係数テー
ブル、18:加算器、19:レジスタ、21:レジス
タ、22:セレクタ、23:間引き処理部、24:マト
リクス演算部、25:空間フィルタ回路、26:二値化
回路、27:太らせ処理回路、28:濃度ビットマップ
メモリ、29:ビットマップメモリ、30:データ書き
込み部、31:データ読み出し部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B057 AA11 BA02 BA19 BA24 BA29 CA01 CA02 CA12 CA16 CB01 CB02 CB06 CB08 CC03 CE06 CE09 CF03 CH09 CH11 DA03 DA08 DB02 DB05 DB06 DB08 DC07 DC17 5C076 AA02 AA32 BA03 BA04 BA06 BB06 CA04 CA05 5C077 LL08 MM03 PP02 PP15 PP19 PP25 PP27 PP28 PP32 PP38 PQ22 RR02 SS05 TT06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿を読み取り画像データとして入力す
    る画像読み取り手段と、 前記画像読み取り手段より入力された画像データにフィ
    ルタ処理、膨張処理、二値化処理を施した画像データを
    記憶する第1の記憶手段と、 原稿中の閉領域を指定する閉領域指定手段と、 前記第1の記憶手段に記憶されている画像データから前
    記閉領域指定手段によって指定された閉領域の位置情報
    を検出する閉領域検出手段と、 前記閉領域検出手段によって検出された位置情報を展開
    し保持する第2の記憶手段と、 前記第2の記憶手段の記憶内容に応じて、前記閉領域の
    内部と外部とで異なる画像処理を施す画像処理手段と、 前記閉領域検出手段による閉領域の位置情報の取得が失
    敗した場合には、前記画像読み取り手段に再度原稿の読
    み取りを実行させ、入力された画像データを前記第1の
    記憶手段に記憶させ、前記閉領域検出手段によって前記
    第1の記憶手段に記憶された画像データから閉領域の位
    置情報を検出させる制御手段とを備えたことを特徴とす
    る画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記閉領域検出手段に
    よる閉領域検出が失敗した場合に前記第1の記憶手段に
    記憶される画像データに施すフィルタ処理の制御パラメ
    ータを変更することを特徴とする請求項1記載の画像処
    理装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記閉領域検出手段に
    よる閉領域検出が失敗した場合に前記第1の記憶手段に
    記憶される画像データに施す二値化処理の制御パラメー
    タを変更することを特徴とする請求項1記載の画像処理
    装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記閉領域検出手段に
    よる閉領域検出が失敗した場合に前記第1の記憶手段に
    記憶される画像データに施す膨張処理の制御パラメータ
    を変更することを特徴とする請求項1記載の画像処理装
    置。
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