JP2000114525A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JP2000114525A
JP2000114525A JP11106298A JP10629899A JP2000114525A JP 2000114525 A JP2000114525 A JP 2000114525A JP 11106298 A JP11106298 A JP 11106298A JP 10629899 A JP10629899 A JP 10629899A JP 2000114525 A JP2000114525 A JP 2000114525A
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electrode
gate
semiconductor device
film
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Takeharu Koga
丈晴 古閑
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】MOS構造を構成するチャネル領域に応力が加
わらない、加圧接触構造の半導体装置を提供すること。 【解決手段】pコレクタ領域11、nベース層9、pウ
エル領域13およびnエミッタ領域5をn形半導体基板
に形成し、ゲート酸化膜16を介してゲート電極15を
形成し、ゲート電極15上の層間絶縁膜21上、nエミ
ッタ領域5上およびコンタクトホール8上に第1層目の
エミッタ電極17を形成する。チャネル領域6を形成し
ない箇所のゲート電極21上の第1層目のエミッタ電極
17の表面にゲート台座となるポリイミド膜7を形成す
る。このポリイミド膜7の表面と第1層目のエミッタ電
極17の表面に第2層目のエミッタ電極19を形成す
る。平坦なコンタクト端子体20で第2層目のエミッタ
電極19の凸部を加圧したとき、加圧力はチャネル領域
6が形成されない箇所に加えられ、チャネル領域6には
加わらない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、加圧接触型の電
力用半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ
(以下、IGBTと称す)やMOS型電界効果トランジ
スタ(以下、MOSFETと称す)は、電圧駆動型で扱
い易く、高速スイッチングが可能であり、広い安全動作
領域を持つなどの特長により、パワースイッチングデバ
イスとして、産業用インバータおよび車輌用インバータ
などに幅広く使われている。
【0003】このIGBTやMOSFETのようなMO
S制御デバイスでは、一般的に半導体チップの一方の主
面にエミッタ電極(MOSFETの場合ではソース電極
のこと)とゲート電極が並んで作られ、他方の主面には
コレクタ電極(MOSFETの場合ではドレイン電極の
こと)が作られる。IGBTチップは、一般的には、モ
ジュール構造として、コレクタ面を放熱体兼用の金属ベ
ース上にはんだなどにより接合される。エミッタ電極と
ゲート電極は、別々に外部導出端子を介して引き出され
る。この外部導出端子はパッケージ容器の上面側に装備
され、エミッタ電極およびゲート電極とそれぞれの外部
導出端子とは、線径300μm程度のアルミ導線を数十
本程度ワイヤボンディングして接続している。
【0004】しかし、このようなモジュール構造では、
コレクタ側からの放熱は金属ベースで行われるが、エミ
ッタ側からの放熱はアルミ線を介して行われるので放熱
効果は少ない。また、エミッタ電極と外部導出端子間に
接続しているワイヤボンディングのパワーサイクル耐量
やコレクタ面のはんだ接合のヒートサイクル耐量に問題
がある。これらの問題点を解決する構造として加圧接触
構造がMOSデバイスにも適用されている。
【0005】図8に、従来の加圧接触型IGBTの構造
例を示す。ここではMOSデバイスの代表例としてIG
BTを取り上げた。コレクタ側共通電極64上にIGB
Tチップ63の図示しないコレクタ電極をはんだ接合
し、図示しないエミッタ電極はコンタクト端子体62で
加圧接触される。コンタクト端子体62はエミッタ側共
通電極61から加圧力を与えられる。IGBTチップ6
3の図示しないゲートパッドと配線基板66とはゲート
ボンディングワイヤ67で接続される。IGBTチップ
63およびコンタクト端子体62はセラミックパッケー
ジ65に収納される。このように加圧接触型のIGBT
チップ63は、エミッタ電極と外部導出端子をボンディ
ングワイヤで接続せず、コンタクト端子体62でIGB
Tチップ63のエミッタ電極面を圧接しているので、エ
ミッタ面とコレクタ面の両方から冷却ができる利点をも
つとともに、モジュール構造(エミッタ電極と外部導出
端子をボンディングワイヤで接続している)と比較し
て、構造的に直列接続に適し、配線インダクタンスを小
さくできて、また、ハーメチックシールの平形パッケー
ジを採用することで防爆耐量を大きくできるという利点
をもっている。
【0006】しかし、IGBTチップ63のMOS構造
部の一部分であるチャネル領域上のゲート酸化膜に応力
が加わると、しきい値などの電気的特性が変わるだけで
なく、極端な場合は特性不良にいたる場合もあるため、
従来は加圧接触構造をMOS構造のデバイスに適用する
ことは困難であった。この問題を回避する方法として、
図9(a)に示すようなIGBTチップのエミッタ側表
面の一部分にMOS制御部を設けない、放熱と電流経路
としての役割を持たせた集電極部70をもつ構造を、集
電極型IGBTチップが提案されている。集電極部70
のみを加圧できるように加工したコンタクト端子体でチ
ップを加圧し、主電極部にワイヤボンディングを使用し
ない構造となっている。IGBTチップに集電極構造を
採用することにより、MOS構造部に加圧力が加わらず
に、エミッタ側からも放熱できるため電流密度を向上さ
せることができ、主電極部のワイヤボンディングが不要
なことによる信頼性の向上にも効果がある。
【0007】しかし、集電極部70はMOS構造部を設
けないために実際にはスイッチング動作をしない無効な
領域であるため、非加圧領域71である活性領域(IG
BTセルのある部分)の面積が減少し、電流容量が低下
する。また、図示しないコンタクト端子体を集電極部7
0だけ加圧するようにゲタの歯状に加工しなければなら
ず、コストアップにもつながる。尚、図中の68は耐圧
構造部、69はゲートパッドである。
【0008】そこで、特願平6−260824号で開示
された、図9(b)のようなセル加圧型IGBTチップ
が開発、試作された。この図9(b)のIGBTチップ
の加圧領域72は、図10に示すように、直下にゲート
酸化膜86をもたないコンタクトホール94とエミッタ
領域84上とに形成されたエミッタ電極87上にポリイ
ミド膜88などにより段差を設けた。この段差により、
平坦なコンタクト端子体90で加圧したときに、ゲート
酸化膜86およびチャネル領域93に応力がかからない
ようにしている。この構造を、エミッタ台座構造とよん
でいる。尚、図10中の92はコレクタ電極、81はp
コレクタ領域、82はnベース領域、83はpウエル領
域、91は層間絶縁膜、87は第1層目のエミッタ電
極、89は第2層目のエミッタ電極である。
【0009】前記の説明で省略したゲート配線部分につ
いて、つぎに説明する。MOSデバイスは、一般的に、
半導体チップ内のゲート配線はポリシリコンで形成され
る。このポリシリコンの抵抗が高いために、ゲート配線
抵抗が大きくなる。このゲート配線抵抗が大きくなる
と、ゲート信号に遅れが生じる。この遅れを防止するた
めに、ゲート配線抵抗を小さくする必要がある。
【0010】このゲート配線抵抗を下げるために、一般
的に取られている方法に、チップ内を縦横に金属ゲート
線を巡らしている。この金属ゲート線はゲートランナー
と呼ばれている。
【0011】前記のように、IGBTチップのエミッタ
電極をコンタクト端子体で加圧する場合、ゲートランナ
ーとコンタクト端子体との間の絶縁耐圧を確保するため
に、ゲートランナー上にポリイミド膜を被覆し、さら
に、このポリイミド膜とコンタクト端子体とが接触しな
いようにしている。
【0012】図15は、従来のIGBTチップを示し、
同図(a)は要部平面図、同図(b)は同図(a)のB
部拡大図、同図(c)は同図(b)のX−X線で切断し
た要部断面図である。同図(a)は図9(b)で省略し
たゲートランナーを示した図である。このように、ゲー
トランナー73は多数本、IGBTチップ内に配置され
ている。同図(b)はゲートランナー73箇所の拡大図
である。ゲートランナー73と加圧領域72aとは分離
され、ゲートランナー73にはコンタクト端子体90が
接触しない構造となっている。同図(c)はゲートラン
ナー73部分の要部断面図である。ゲートランナー73
部分は、pウエル領域83の表面層にはnエミッタ領域
84を形成しない。pウエル領域83上にゲート酸化膜
86を介してゲート電極85を形成し、ゲート電極85
上を被覆する層間絶縁膜91に、貫通孔96(コンタク
トホール)を開け、この貫通孔96上と、この貫通孔9
6近傍の層間絶縁膜91上にゲートランナー73を形成
する。このゲートランナー73上にポリイミド膜75を
1層被覆する。加圧時にコンタクト端子体90が第2層
目のエミッタ電極89に接触するが、ポリイミド膜75
とコンタクト端子体90とは離れている。このコンタク
ト端子体90とゲートランナー75の間の距離Eがゲー
ト・エミッタ間の絶縁距離となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前記のエミッタ台座構
造では、大きな加圧力が加わった場合、ポリイミド膜の
幅Xが細いため(直下に酸化膜をもたないエミッタ電極
部分の幅が狭く、その上のポリイミド膜88はさらに細
くなるため)に潰れて、ゲート酸化膜86およびチャネ
ル領域93にも応力が加わるようになる。
【0014】また、ゲートランナーとコンタクト端子体
の距離Eが短く、安定したゲート・エミッタ間の絶縁耐
圧を得ることが困難となる場合がある。さらに、ゲート
ランナー上のポリイミド膜75にピンホールが開くと、
ゲート・エミッタ間の絶縁耐圧を確保出来なくなる。
【0015】この発明の目的は前記の課題を解決して、
MOS構造を構成するチャネル領域に応力が加わらず、
且つ、ゲート・エミッタ間の絶縁耐圧を確保できる加圧
接触構造の半導体装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、第1の主面にエミッタ電極とゲート電極、第2の
主面にコレクタ電極を有するMOS制御型半導体チップ
を、加圧接触構造の平形パッケージに収納した加圧接触
型の半導体装置において、ゲート電極上にも絶縁膜を介
してエミッタ電極を被覆し、ゲート電極はその直下にチ
ャネル領域が形成される第1の箇所と、チャネル領域が
形成されない第2の箇所を有し、第1の箇所の上方のエ
ミッタ電極の表面高さより第2の箇所の上方のエミッタ
電極の表面高さが高い構成とする。
【0017】前記第2の箇所の上方のエミッタ電極が外
部接続端子体と加圧接触すると構成とするとよい。前記
エミッタ電極を2層構造とし、前記チャネル領域が形成
されない箇所のゲート電極上の第1層目のエミッタ電極
と第2層目のエミッタ電極との間に厚膜を選択的に形成
する構成とするとよい。
【0018】前記厚膜の厚さが3μm以上で10μm以
下とするとよい。前記厚膜がポリイミド膜であるとよ
い。前記厚膜が前記半導体チップの耐圧構造部に形成さ
れる保護膜と同一であるとよい。前記厚膜が前記チャネ
ル領域から5μm以上で20μm以下離れて形成される
とよい。
【0019】第1の主面にエミッタ電極とゲート電極、
第2の主面にコレクタ電極を有するMOS制御型半導体
チップを、加圧接触構造の平形パッケージに収納した加
圧接触型の半導体装置において、第1の主面にゲート電
極を形成する工程と、ゲート電極上に層間絶縁膜を介し
て第1層目のエミッタ電極を形成する工程と、直下にチ
ャネル領域が形成されないゲート電極上方の第1層目の
エミッタ電極上に厚膜を形成する工程と、該厚膜上およ
び第1層目のエミッタ電極上に、第2層目のエミッタ電
極を形成する工程とを含む製造工程とする。前記厚膜
と、前記半導体チップの耐圧構造部を被覆する保護膜と
が同時に形成されるとよい。
【0020】上記のように、この発明の半導体装置は、
MOSデバイス表面に設けられたエミッタ電極(Al−
Siなど)の上部に厚膜(ポリイミド膜など)を塗布
し、その後のフォトグラフィ、エッチング工程により、
直上に加圧するための外部電極(コンタクト端子)の加
圧部分が相当する領域において、直下にチャネル領域を
もつエミッタ電極部分は厚膜を除去する一方で、直下に
チャネル領域をもたないゲート電極の上に相当するエミ
ッタ電極部分の一部には厚膜を残す。この工程を経た後
に、そのMOSデバイス表面上に2層目のエミッタ電極
を作成する。この時、厚膜を除去した部分(直下にチャ
ネル領域をもつエミッタ電極部分を含む)において、1
層目のメタル電極と2層目のメタル電極がオーミック接
続されている。また、直下にチャネル領域をもたないゲ
ート電極の上に相当するエミッタ電極部分は、厚膜の膜
厚分をゲタとして、メタル電極が積層された形となり、
他の部分より一段高くなっている。以下、この構造をゲ
ート台座構造と呼ぶこととする。
【0021】このゲート台座構造を採用することで、直
下にチャネル領域をもたないゲート電極の上に相当する
エミッタ電極部分が、他の部分よりも高くすることがで
きて、平坦な外部電極(コンタクト端子)にて加圧した
場合、この高い部分が外部電極により加圧され、その時
の応力は、この部分に集中する。このため、チャネル部
分への応力が緩和され、ターンオフなどのスイッチング
動作への影響は、極力抑えられる。
【0022】半導体装置を実機に搭載する際には、偏加
圧や機械的衝撃、熱応力の影響などにより単位面積当た
りの圧力の増大が考えられるが、ゲート台座構造の採用
により、より高い加圧力耐量が得られ、信頼性を高める
ことができる。
【0023】さらに、第1の主面にエミッタ電極とゲー
ト電極、第2の主面にコレクタ電極とゲート金属配線
(ゲートランナー)を有するMOS制御型半導体チップ
を、加圧接触構造の平形パッケージに収納した加圧接触
型の半導体装置において、ゲート電極上にも絶縁膜を介
してエミッタ電極を被覆し、ゲート電極はその直下にチ
ャネル領域が形成される第1の箇所と、チャネル領域が
形成されない第2の箇所を有し、第2の箇所の上方のエ
ミッタ電極の表面高さが、第1の箇所の上方のエミッタ
電極の表面高さより高くし、ゲート金属配線を2層以上
の絶縁物からなる複数層の第1厚膜で被覆し、該第1厚
膜の表面高さを、第2の箇所の上方のエミッタ電極の表
面高さと同等にするか、もしくは第2の箇所の上方のエ
ミッタ電極の表面高さより低くする構成とする。
【0024】このように、第1厚膜を2層以上の複数層
の厚膜とすることで、1層目の厚膜にピンホールが形成
されたり、段差切れがあった場合でも、この1層目の厚
膜の上に形成される2層目の厚膜により、ピンホールや
段差切れは塞がれ、確実にゲート金属配線とエミッタ電
極との間の絶縁耐圧を確保できる。また、チャネル領域
が形成されないゲート電極上のエミッタ電極の表面高さ
より低くすると、エミッタ電極と接触するコンタクト端
子体で、複数層の厚膜の表面が擦れることがなく、絶縁
耐圧を安定に確保できる。
【0025】前記第1厚膜の1層分の厚さが3μm以上
で10μm以下とするとよい。前記第1膜厚がポリイミ
ド膜であると効果的である。前記エミッタ電極を2層以
上の複数層構造とし、前記第2の箇所の上方の最上層の
エミッタ電極と、最下層のエミッタ電極との間のいずれ
かの層間に第2厚膜を選択的に形成し、且つ、第1厚膜
の層数を、エミッタ電極の層数と同等とするか、もしく
はエミッタ電極の層数より少なくする構成とする。
【0026】特に、第1厚膜の層数をエミッタ電極の層
数より少なくすることで、第1厚膜の表面高さを、チャ
ネル領域が形成されないゲート電極上のエミッタ電極の
表面高さより、低くできる。こうすることで、エミッタ
電極と接触するコンタクト端子体で、第1厚膜の表面が
擦れることがなくなり、絶縁耐圧が安定に確保できるよ
うになる。
【0027】前記第2厚膜の厚さが3μm以上で10μ
m以下とすると好ましい。前記第2厚膜がポリイミド膜
であるとよい。このように第1厚膜を2層以上の複数層
とし、また、エミッタ電極を2層以上の複数層とするこ
とで、前記と同様の効果が期待できる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の第1実施例の
半導体装置で、同図(a)はIGBTチップの要部平面
図、同図(b)は同図(a)のA部拡大図である。同図
(a)において、IGBTチップ1のエミッタ側にはゲ
ートパッド2、IGBTセル部がある加圧領域4および
耐圧構造部3(エッジターミネーション)がある。A部
を拡大した図が同図(b)で、nエミッタ領域5、チャ
ネル領域6およびゲート台座であるポリイミド膜7が配
置されている。また、nエミッタ領域5で囲まれてコン
タクトホール8が形成され、また前記以外の領域がnベ
ース領域9である。
【0029】図2は図1(b)のA−A線で切断したI
GBTセル部の要部断面図である。この図には外部接続
端子体であるコンタクト端子体20も書き込まれてい
る。pコレクタ領域11、nベース層9、pウエル領域
13およびnエミッタ領域5をn形半導体基板に形成
し、ゲート酸化膜16を介してゲート電極15を形成
し、ゲート電極15上の層間絶縁膜21上、nエミッタ
領域5上およびコンタクトホール8上に第1層目のエミ
ッタ電極17を形成する。チャネル領域6を形成しない
箇所のゲート電極21上の第1層目のエミッタ電極17
の表面にポリイミド膜7を形成する。このポリイミド膜
7の表面と第1層目のエミッタ電極17の表面に第2層
目のエミッタ電極19を形成する。この第2層目のエミ
ッタ電極19の凸部の底にあたるA部がチャネル領域6
上にこないように、A部をチャネル領域6の端から多少
離して形成する。第1層目のエミッタ電極17と第2層
目のエミッタ電極19をオーミック接続する。尚、この
ポリイミド膜7をゲート台座と呼ぶこととする。
【0030】平坦なコンタクト端子体20で第2層目の
エミッタ電極19の凸部を加圧する。この加圧力はチャ
ネル領域6が形成されない箇所に加えられ、チャネル領
域6には加わらない。そのために、チャネル領域6に応
力が加わることがない。
【0031】さらに、このIGBTチップについて詳細
に説明する。試作に用いたIGBTチップのチップサイ
ズは、21.5mm×21.5mmである。加圧領域4
の面積は、約230mm2 である。第1層目のエミッタ
電極17の形成までは、通常のプレーナー構造をしたI
GBTである。第1層目のエミッタ電極17としては、
Al−Si膜をスパッタ法により3μmの厚さに形成す
る。その後、その第1層目のエミッタ電極17の上部
に、ポリイミド膜7を5μm程度塗布し、その上に第1
層目のエミッタ電極17と同様に、第2層目のエミッタ
電極19を形成する。
【0032】ポリイミド膜7を選定した理由は、ポリイ
ミド膜7は絶縁強度が高く、各種の信頼性に優れ、プロ
セス的にも比較的製造が容易であり、ある程度の弾力性
を有するからである。勿論、ポリイミド膜以外で、絶縁
強度が高く、プロセス的に容易で、ある程度の弾力性の
ある材料であれば、ゲート台座となる厚膜として採用で
きる。また、耐圧構造部3を被覆する絶縁膜をこのゲー
ト台座となる厚膜が兼ねない場合は、ゲート台座となる
厚膜は絶縁性の膜である必要はない。
【0033】ポリイミド膜の厚さHを5μmと設定した
のは、加圧時には1〜2μm程度縮むことと、実使用で
のパワーサイクルにて表面部分が1〜2μm程度コンタ
クト端子体との摩擦により削られることを考慮してい
る。このポリイミド膜の厚さHとして、最低でも3μm
以上が必要となる。しかし、ポリイミド膜の厚さHが厚
過ぎると、フォトリソグラフィで精度よくパターンニン
グできなくなり、また、厚さHのばらつきが増大するな
ど好ましくないために、10μm以下が好ましい。
【0034】このように、直下にチャネル領域6をもた
ないゲート電極15の上に相当する第1層目のエミッタ
電極17の上部にポリイミド膜7などの厚膜を施し、表
面の高さを、直下にチャネル領域6をもつ第1層目のエ
ミッタ電極17の上部より3μm〜10μm高くして、
チャネル領域6上のゲート酸化膜16の部分への応力集
中を緩和させる。
【0035】このように、フォトリソグラフィやエッチ
ング工程により、直上に加圧するための外部電極である
コンタクト端子体20が加圧接触する加圧領域4におい
て、直下にチャネル領域6をもつ第1層目のエミッタ電
極17の部分はポリイミド膜7を除去し、直下にチャネ
ル領域6をもたないゲート電極15の上に相当する第1
層目のエミッタ電極17の部分にはポリイミド膜7を残
す。この残されたポリイミド膜7は、幅Wが約40μ
m、長さが700μm程度の大きさのものが、加圧領域
4に配置されたIGBTセルの本数に対応して2000
本近く形成されている。
【0036】このポリイミド膜7は、チャネル領域6の
端から離す距離Lを10μm程度としてある。これは、
加圧された後、ポリイミド膜6が2μm程度つぶれ横方
向へ広がることや、ポリイミド膜上にさらに、第2層目
のエミッタ電極19を形成することから、その幅を考慮
して、加圧による応力の影響がチャネル領域6に極力お
よばないようにし、さらにマスクずれなども考慮してい
るためである。
【0037】このチャネル領域6の端から離す距離Lは
最低でも5μm以上とする必要がある。しかし、離し過
ぎるとポリイミド膜の幅Wが狭くなり、加圧時にポリイ
ミド膜7が潰れたり、また微細化ができなくなるなど好
ましくない。そのため離す距離Lは20μm以下がよ
い。
【0038】このポリイミド膜7の形成と同時に、コレ
クタ・エミッタ間の耐圧を出すためにチップのエッジに
設けた耐圧構造部3(エッジターミネーションの部分)
にも、このポリイミド膜をパッシベーション膜(保護
膜)として残るようにする。これについては後述の図4
で説明する。
【0039】図3は、この発明の第2実施例の半導体装
置の図1(b)に相当する要部平面図である。ポリイミ
ド膜7aがnエミッタ領域5を取り囲むように形成され
ている点が図1(b)と異なる。またA−A線で切断し
た要部断面図は図2と同一である。
【0040】図4は、この発明の第3実施例で、IGB
Tチップの耐圧構造部の要部断面図である。耐圧構造部
3は、ガードリングと呼ばれるリング状のp領域31を
設け、そのp領域31上にAl−Si膜などの金属膜3
3、その上に電圧分担を良くするために、抵抗性のa−
Si膜34を設けている。さらに、その上に、パッシベ
ーション膜としてポリイミド膜7bにて全体を覆ってい
る。このポリイミド膜7bがないと、高電圧が素子のコ
レクタ・エミッタ間に印加されたとき、耐圧構造部にて
放電を起こす場合がある。このポリイミド膜7aは図2
のポリイミド膜7と同一材料で同時に形成される。この
ように、図2のポリイミド膜7と、図4の耐圧構造部3
のポリイミド膜7aを同時の塗布、フォトリソグラフィ
およびエッチング工程にて行うことにより、プロセスの
短縮、効率化が図れる。また、図中の35はチップ終端
部に形成されるp領域である。
【0041】つぎに、IGBTセルに加わる応力につい
て説明する。IGBTチップ1に加圧する圧力は、平均
的には約280×9.8N(ニュートン:1kgf=
9.8N)である。ポリイミド膜7で形成されたゲート
台座構造を用いない場合、チャネル領域6および直下に
チャネル領域6を形成しないゲート電極15への加圧力
は、1.2×9.8N/cm2 (=280×9.8N÷
2.3cm2 )である。一方、ゲート台座構造を用いた
場合、直下にチャネル領域6を形成しないゲート電極1
5への加圧力は、4.0×9.8N/cm2 と上昇する
が、チャネル領域6を形成する箇所は加圧されないため
に、この加圧力の影響は殆どない。この加圧力の遮断電
流に対する影響について、つぎに説明する。
【0042】図5は、加圧力と遮断電流の相関(TJ =
125℃)を示す図である。横軸には加圧力(任意単
位)を、縦軸には遮断電流値を定格電流値で割った値を
取ってある。加圧力を増加させるとあるポイントで急激
に電流の遮断能力が落ち、低い電流で破壊に至ることが
ある。この発明のゲート台座を設けたもの(チャネル領
域から離す距離L=5μm)では、さらに加圧力を増加
させても定格電流の4倍の電流値を遮断でき、加圧力に
対して非常に安定な電流遮断能力を持つことが示され
た。また一点鎖線は従来のエミッタ台座を設けた場合
で、加圧力を増加させると、ゲート台座なしよりは高い
ポイントで、やはり急激に電流の遮断能力が低下する。
【0043】また、図6に、この発明のゲート台座のチ
ャネル領域の端からの距離LとSi表面のおける応力の
関係をシミュレーションした結果を示す。横軸にはゲー
ト台座のチャネル領域の端からの距離Lを、縦軸には、
Si表面のおける応力(任意単位)を示す。IGBTチ
ップ全体への加圧力は、平均的な加圧力である280×
9.8N、560×9.8Nおよび840×9.8Nと
した。いずれの場合も、チャネル領域の端からの距離L
が5μm以下で、チャネル領域への影響が顕著になり始
める。この結果より、ゲート台座は、チャネル領域から
少なくとも5μm以上離れていることで、チャネル領域
への応力の影響をなくすことができる。前記したよう
に、図5のゲート台座ありはチャネル領域の端からの距
離Lを5μmとったものであり、加圧力に対して非常に
安定な電流遮断能力を持つことができる。
【0044】つぎに、図2の半導体装置の製造方法につ
いて概略を説明する。図7は、この発明の第4実施例
で、半導体装置の製造工程において、同図(a)から同
図(c)に工程順に示した製造工程断面図である。
【0045】同図(a)において、n形半導体基板を用
いて、pウエル領域13、nエミッタ領域5、pコレク
タ領域11を形成する。pウエル領域13とpコレクタ
領域に挟まれた領域がnベース領域9である。nベース
領域9上、nベース領域9とnエミッタ領域5に挟まれ
たpウエル領域13上にゲート酸化膜16を介して、ゲ
ート電極15を形成し、ゲート電極15上に層間絶縁膜
21を形成する。22はコレクタ電極である。
【0046】同図(b)において、nエミッタ領域5
上、pウエル領域13のコンタクト部ホール8および層
間絶縁膜21上に第1層目のエミッタ電極17を形成す
る。つぎに、第1層目のエミッタ電極17上にポリイミ
ド膜を被覆し、チャネル領域6を形成しない箇所のゲー
ト電極15上の第1層目のエミッタ電極17上に形成さ
れたポリイミド膜7を残してゲート台座とし、チャネル
領域6を形成する箇所およびその他の箇所のポリイミド
膜を除去する。このとき、図示しない耐圧構造部上のポ
リイミド膜(図4の7b)を残す。
【0047】同図(c)において、第1層目のエミッタ
電極17表面およびポリイミド膜7表面に第2層目のエ
ミッタ電極19を形成し、第1層目のエミッタ電極17
と第2層目のエミッタ電極19をオーミック接触させ
る。
【0048】図11は、図2で示したIGBTのゲート
ランナー部分の要部断面図である。ゲートランナー41
とコンタクト端子体20の間の距離Dは、図15(c)
と比べて大きくなっており、ゲート・エミッタ間の絶縁
耐圧は、図15(c)に比べて確保しやすい。しかし、
ポリイミド膜42にピンホールが開いていると、この絶
縁耐圧の確保は困難となる。それを解決する方法をつぎ
に説明する。
【0049】図12は、この発明の第5実施例で、IG
BTのゲートランナー部分の要部断面図である。同図は
図11に相当した図である。また、試作に用いた素子
は、前記と同じで、21.5mm×21.5mmであ
る。
【0050】同図において、ゲートランナー部分はpウ
エル領域13の表面層にはnエミッタ領域を形成しな
い。pウエル領域13上にゲート酸化膜16を介してゲ
ート電極15を形成し、ゲート電極15上を被覆する層
間絶縁膜21に、貫通孔46(コンタクトホール)を開
け、この貫通孔46上と、この貫通孔46近傍の層間絶
縁膜21上にゲートランナー41を形成する。このゲー
トランナー41上に1層目のポリイミド膜42を膜厚5
μmで塗布する。1層目のポリイミド膜42を選定した
理由および5μmとした理由は前記した通りである。そ
の後、フォトリソグラフィ、エッチング工程により、直
上に加圧するためのコンタクト端子体20の加圧部分相
当する領域において、直下にチャネル領域を持つエミッ
タ電極部分は、ポリイミド膜を除去し、一方で、直下に
チャネル領域を持たないゲート電極上のエミッタ電極部
分の一部にはポリイミド膜7を残す。残すポリイミド膜
7は、幅40μm、長さ700μm程度のものが、加圧
部分のIGBTチップのセル本数に対応して2000本
ある。
【0051】ゲートランナー41(前記のゲート金属配
線のこと)上にも1層目のポリイミド膜42を残し、ゲ
ートランナー41を覆う。この1層目のポリイミド膜4
2の形成と同時に、前記したように、コレクタ・エミッ
タ間の耐圧を出すために、図示しないIGBTチップの
エッジに設けたエッジターミネーション部分にもポリイ
ミド膜が残るようにしている。このポリイミド膜が、エ
ッジターミネーション部分のパッシベーション膜(保護
膜)としての役割も果たしている。
【0052】この工程を経た後、表面上に第2層目のエ
ミッタ電極19として、Al・Si膜を5μm蒸着し、
ゲートランナー41部分の第2層目のエミッタ電極19
を除去する。この蒸着で、ポリイミド膜を除去した部分
(直下にチャネル領域を持つエミッタ電極部分も含む)
の第1層目のエミッタ電極17と第2層目のエミッタ電
極19はオーミック接続される。また、直下にチャネル
領域を持たないゲート電極15上に形成された第2層目
のエミッタ電極19部分の表面高さは、ポリイミド膜7
の膜厚分ゲタをはいた形となり、他の部分より5μm程
度高くる。
【0053】この工程を経た後、その表面上に、2層目
のポリイミド膜43を塗布する。その後、フォトリソグ
ラフィ、エッチング工程により、エミッタ電極加圧部分
の2層目のポリイミド膜43は除去する。
【0054】ゲートランナー41部分には、2層のポリ
イミド膜43が形成され、また、同時に、図示しないエ
ッジターミネーション部分にも2層のポリイミド膜43
が形成され、放電などに対する耐量が向上する。
【0055】また、ゲートランナー41部分のポリイミ
ド膜を2層とすることで、ピンホールやステップカバレ
ージ不足(段差切れ)によるゲート・エミッタ間の絶縁
耐量不足を防止できる。
【0056】しかし、この実施例の場合、C部に示すよ
うに、ゲートランナー41上に設けた2層目のポリイミ
ド膜43とコンタクト端子体20の間に殆ど隙間がな
く、ゲートランナー41部分に加圧力が加わったり、ま
た、素子にパワーサイクルが課せられると、表面が擦れ
て、2層目のポリイミド膜43が削られ、ゲート・エミ
ッタ間の絶縁耐圧が低下する恐れがある。この擦れを防
止するための実施例をつぎに説明する。
【0057】図13は、この発明の第6実施例で、IG
BTのゲートランナー部分の要部断面図である。図12
との違いは、第3層目のエミッタ電極44を形成した点
である。この第3層目のエミッタ電極44を形成したこ
とで、ゲートランナー41部分の2層目のポリイミド膜
43の表面とコンタクト端子体20との間に隙間を確保
することができる。そのため、ゲートランナー41部分
に加圧力が加わることがなくなり、また、パワーサイク
ルが課せられても、ゲートランナー41部分の2層目の
ポリイミド43の表面が擦れることがなくなり、安定し
て、ゲート・エミッタ間の絶縁耐量を確保できる。ま
た、隙間が確保されるために、接触面が平坦なコンタク
ト端子体20で加圧することが可能となる。
【0058】図14は、この発明の第7実施例で、IG
BTのゲートランナー部分の要部断面図である。図13
との違いは、第2層目のエミッタ電極19を形成した後
で、第2層目のポリイミド膜43を形成する点である。
こうすると、第2層目のエミッタ電極19と第3層目の
エミッタ電極44の間のポリイミド膜7は、2層目のポ
リイミド膜43と同時に形成する。効果は図12の場合
と同じである。
【0059】また、平坦なコンタクト端子体20で加圧
した場合、図11のようにポリイミド膜が1層の場合に
は、1チップ当たり280kgf(280×9.8N)
の加圧力で、ゲートランナー部分でのゲート・エミッタ
間の絶縁耐圧不良が2〜3%発生する。これを2層にす
ると、1チップ当たり2倍の560kgf(560×
9.8N)の加圧力を加えても、絶縁耐圧不良は全く発
生しない。
【0060】また、平坦なコンタクイト端子体を使用で
きるために、加圧接触面積を広くでき、熱抵抗を低下さ
せることができる。さらに、エミッタ電極の厚さを厚く
することで、偏加圧や衝撃力に対する耐量が向上し、ま
た、異物を噛み込んだ場合の耐量も向上できる。
【0061】また、第2層目および第3層目のエミッタ
電極の厚みがそれぞれ5μm程度であるので、フォトリ
ソグラフィ工程におけるレジスト膜の段差切れがなくな
り、またエッチング時間が長くなることによるポリイミ
ド膜へのダメージを回避できる。
【0062】前記の実施例では、ゲートランナー上のポ
リイミド膜の層数が2層であったが、さらに層数を増や
してもよい。また、エミッタ電極の層数が3層までの例
で説明したが、さらに層数を増やしても構わない。
【0063】
【発明の効果】この発明によれば、チャネル形成以外の
箇所にゲート台座を設けることで、MOSデバイスのチ
ャネル部分への応力を緩和でき、スイッチング特性への
影響を極力抑えることができる。
【0064】また、デバイスの実機での使用に際して
は、偏加圧や機械的衝撃、熱応力の影響などにより単位
面積当たりの圧力の増大が考えられるが、この発明よ
り、より高い加圧力耐量が得られ、信頼性の高いMOS
デバイスを提供できる。
【0065】また、直下にチャネル領域をもたないエミ
ッタ電極上に残すポリイミド膜と、エッジターミネーシ
ョン部分に残すポリイミド膜を同時の塗布、フォトグラ
フィ、エッチング工程にて行うことにより、プロセスの
短縮、効率化が図れる。また、ゲートランナー部分のポ
リイミド膜を2層にすることで、ゲート・エミッタ間の
絶縁耐量の確保ができる。
【0066】また、エミッタ電極を3層にすることで、
ゲートランナー部分のポリイミド膜とコンタクト端子体
の間に隙間を設けることができて、このポリイミド膜が
コンタクト端子体によって、擦れることがなく、また、
ゲートランナー部分が加圧されることもなくなり、その
結果、ゲート・エミッタ間の絶縁耐量低下を防止するで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の半導体装置で、(a)
はIGBTチップの要部平面図、(b)は(a)のA部
拡大図
【図2】図1(b)のA−A線で切断したIGBTセル
部の要部断面図
【図3】この発明の第2実施例の半導体装置の図1
(b)に相当する要部平面図
【図4】この発明の第3実施例で、IGBTチップの耐
圧構造部の要部断面図
【図5】加圧力と遮断電流の相関(TJ =125℃)を
示す図
【図6】この発明のゲート台座のチャネル領域の端から
の距離LとSi表面のおける応力の関係をシミュレーシ
ョンした結果を示す図
【図7】この発明の第4実施例で、半導体装置の製造工
程において、(a)から(c)に工程順に示した製造工
程断面図
【図8】従来の加圧接触型IGBTの構造例を示す図
【図9】従来のIGBTチップで、(a)は集電極型I
GBTチップの要部平面図、(b)はエミッタ台座構造
のIGBTチップの要部平面図
【図10】エミッタ台座構造のIGBTセルの要部断面
【図11】図2のIGBTのゲートランナー部分の要部
断面図
【図12】この発明の第5実施例で、IGBTのゲート
ランナー部分の要部断面図
【図13】この発明の第6実施例で、IGBTのゲート
ランナー部分の要部断面図
【図14】この発明の第7実施例で、IGBTのゲート
ランナー部分の要部断面図
【図15】従来のIGBTチップを示し、(a)は要部
平面図、(b)は(a)のB部拡大図、(c)は(b)
のX−X線で切断した要部断面図
【符号の説明】 1 IGBTチップ 2 ゲートパッド 3 耐圧構造部 4 加圧領域 5 nエミッタ領域 6 チャネル領域 7 ポリイミド膜(ゲート台座) 7a ポリイミド膜 8 コンタクトホール 9 nベース領域 11 pコレクタ領域 13 pウエル領域 15 ゲート電極 16 ゲート酸化膜 17 第1層目のエミッタ電極 19 第2層目のエミッタ電極 20 コンタクト端子体 21 層間絶縁膜 22 コレクタ電極 31、35 p領域 32 酸化膜 33 金属膜 34 a−Si膜 41 ゲートランナー 42 1層目のポリイミド膜 43 2層目のポリイミド膜 44 第3層目のエミッタ電極 46 貫通孔 L チャネル領域の端から離した距離 H ポリイミド膜の厚さ W ポリイミド膜の幅 D ゲートランナーとコンタクト端子体の間の距離

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の主面にエミッタ電極とゲート電極、
    第2の主面にコレクタ電極を有するMOS制御型半導体
    チップを、加圧接触構造の平形パッケージに収納した加
    圧接触型の半導体装置において、ゲート電極上にも絶縁
    膜を介してエミッタ電極を被覆し、ゲート電極はその直
    下にチャネル領域が形成される第1の箇所と、チャネル
    領域が形成されない第2の箇所を有し、第1の箇所の上
    方のエミッタ電極の表面高さより第2の箇所の上方のエ
    ミッタ電極の表面高さが高いことを特徴とする半導体装
    置。
  2. 【請求項2】前記第2の箇所の上方のエミッタ電極が外
    部接続端子体と加圧接触することを特徴とする請求項1
    に記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】前記エミッタ電極を2層構造とし、前記チ
    ャネル領域が形成されない箇所のゲート電極上の第1層
    目のエミッタ電極と第2層目のエミッタ電極との間に厚
    膜を選択的に形成することを特徴とする請求項1に記載
    の半導体装置。
  4. 【請求項4】前記厚膜の厚さが3μm以上で10μm以
    下とすることを特徴とする請求項3に記載の半導体装
    置。
  5. 【請求項5】前記厚膜がポリイミド膜であることを特徴
    とする請求項3に記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】前記厚膜が前記半導体チップの耐圧構造部
    に形成される保護膜と同一であることを特徴とする請求
    項3に記載の半導体装置。
  7. 【請求項7】前記厚膜が前記チャネル領域から5μm以
    上で20μm以下離れて形成されることを特徴とする請
    求項3に記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】第1の主面にエミッタ電極とゲート電極、
    第2の主面にコレクタ電極を有するMOS制御型半導体
    チップを、加圧接触構造の平形パッケージに収納した加
    圧接触型の半導体装置において、第1の主面にゲート電
    極を形成する工程と、ゲート電極上に層間絶縁膜を介し
    て第1層目のエミッタ電極を形成する工程と、直下にチ
    ャネル領域が形成されないゲート電極上方の第1層目の
    エミッタ電極上に厚膜を形成する工程と、該厚膜上およ
    び第1層目のエミッタ電極上に、第2層目のエミッタ電
    極を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体装置
    の製造方法。
  9. 【請求項9】前記厚膜と、前記半導体チップの耐圧構造
    部を被覆する保護膜とが同時に形成されることを特徴と
    する請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】第1の主面にエミッタ電極とゲート電
    極、第2の主面にコレクタ電極とゲート金属配線(ゲー
    トランナー)を有するMOS制御型半導体チップを、加
    圧接触構造の平形パッケージに収納した加圧接触型の半
    導体装置において、ゲート電極上にも絶縁膜を介してエ
    ミッタ電極を被覆し、ゲート電極はその直下にチャネル
    領域が形成される第1の箇所と、チャネル領域が形成さ
    れない第2の箇所を有し、第2の箇所の上方のエミッタ
    電極の表面高さが、第1の箇所の上方のエミッタ電極の
    表面高さより高くし、ゲート金属配線を2層以上の絶縁
    物からなる複数層の第1厚膜で被覆し、該第1厚膜の表
    面高さを、第2の箇所の上方のエミッタ電極の表面高さ
    と同等にするか、もしくは第2の箇所の上方のエミッタ
    電極の表面高さより低くすることを特徴とする半導体装
    置。
  11. 【請求項11】前記第1厚膜の1層分の厚さが3μm以
    上で10μm以下とすることを特徴とする請求項10に
    記載の半導体装置。
  12. 【請求項12】前記第1膜厚がポリイミド膜であること
    を特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
  13. 【請求項13】前記エミッタ電極を2層以上の複数層構
    造とし、前記第2の箇所の上方の最上層のエミッタ電極
    と、最下層のエミッタ電極との間のいずれかの層間に第
    2厚膜を選択的に形成し、且つ、第1厚膜の層数を、エ
    ミッタ電極の層数と同等とするか、もしくはエミッタ電
    極の層数より少なくすることを特徴とする請求項10に
    記載の半導体装置。
  14. 【請求項14】前記第2厚膜の厚さが3μm以上で10
    μm以下とすることを特徴とする請求項13に記載の半
    導体装置。
  15. 【請求項15】前記第2厚膜がポリイミド膜であること
    を特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103296072A (zh) * 2013-06-25 2013-09-11 江苏博普电子科技有限责任公司 一种提高了BVcbo的双极型晶体管及其生产工艺
JP2015226029A (ja) * 2014-05-30 2015-12-14 三菱電機株式会社 炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法
JP2016119434A (ja) * 2014-12-24 2016-06-30 株式会社日立製作所 半導体装置、その製造方法、それを用いた電力変換装置
WO2024014149A1 (ja) * 2022-07-15 2024-01-18 ローム株式会社 電子部品および電子モジュール

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