JP2000111454A - 車両挙動の不具合評価装置 - Google Patents

車両挙動の不具合評価装置

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JP2000111454A
JP2000111454A JP10284187A JP28418798A JP2000111454A JP 2000111454 A JP2000111454 A JP 2000111454A JP 10284187 A JP10284187 A JP 10284187A JP 28418798 A JP28418798 A JP 28418798A JP 2000111454 A JP2000111454 A JP 2000111454A
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wheels
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vehicle behavior
load cell
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Hiromichi Nozaki
崎 博 路 野
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Nissan Altia Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば高偏平タイヤのアライメント調整に好
適で、各輪の純粋な横力成分を計測し、該計測値を基に
車両の片流れとサイドスリップ相当量の合否を合理的に
評価し、アライメントによって生ずる車両挙動の多様な
不具合をチェックし得るとともに、アライメント計測機
能を備えて、この種装置の利便性を向上し、更にロード
セルの小能力化と小形化を図り、この種装置の構造の簡
潔化と小形かつ低廉化を実現できる車両挙動の不具合評
価装置を提供すること。 【解決手段】 左右前後輪12〜15をそれぞれ回転可
能に載置可能な各一対のローラ10を有する。前記ロー
ラ10に載置した各輪12〜15の横力成分を計測可能
なロードセル20を有する。各輪12〜15の横力を演
算し、その演算値を基準値と比較して、片流れまたはサ
イドスリップ相当量の合否を判定可能な演算器21とを
備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば高偏平タイ
ヤのアライメント調整に好適で、各輪の純粋な横力成分
を計測し、該計測値を基に車両の片流れとサイドスリッ
プ相当量の合否を合理的に評価し、アライメントによっ
て生じる車両挙動の多様な不具合をチェックし得るとと
もに、アライメントの計測機能を備えて、この種装置の
利便性を向上し、更にロードセルの小能力化と小形化を
図り、この種装置の構造の簡潔化と小形かつ低廉化を実
現できるようにした車両挙動の不具合評価装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置は、例えば特許第2
622600号公報のように、左右一対の移動台板と、
該移動台板上に取り付けられ、かつ車輪を支持する一対
のローラを設けた左右一対の支持台と備え、これら移動
台板と支持台とをパンタグラフ機構の接離手段を介して
車幅方向に移動可能に設けるとともに、支持台入口側の
移動台板上に一対のガイドローラを車両の進入方向に間
隔を狭めて配置し、車両が片側にずれたり斜めに進入し
た場合でも、車両のセンターラインと測定基準線との合
致を容易かつ自動的に行なえるようにしている。
【0003】しかし、この従来の装置は、通常のアライ
メントを測定し得るだけで、アライメントによって生ず
る片流れやサイドスリップ等の車両挙動の不具合をチェ
ックすることができなかった。
【0004】ところで、従来においても通常のアライメ
ント測定の他に、車両挙動の不具合である車両の片流れ
を評価できるようにしたものがある。例えば特開平6−
331505号公報には、一対のローラ上に車輪を回転
支持する車輪駆動機構と、修正輪をタイヤの側方から押
圧して車両をアライメントテスターにセンタリングする
車両正対機構と、修正輪に作用する押圧力を計測するロ
ードセルと、超音波センサを備えたホイールアライメン
トテスターと、マイクロコンピュータを内臓した制御盤
と、計測値を出力する車両姿勢計測器とを備え、車輪を
ローラ上に支持し、車両をアライメントテスターにセン
タリング後、各車輪のホイールアライメントを測定し、
かつその際修正輪に作用する押圧力をロードセルを介し
て測定し、この測定値を規定値と比較し、車両の片流れ
量を評価するようにしていた。
【0005】しかし、この従来の装置は、車輪をアライ
メントテスターにセンタリングする際、修正輪が車体側
方へ押し戻される軸圧縮荷重をロードセルで測定してい
るため、アライメントによって生ずる各輪の横力(サイ
ドフォース)を測定することができず、したがって前記
ロードセルの測定値からは各輪のアライメント調整の当
否を判断し得ない。しかも、前記軸圧縮荷重は概して大
荷重で、大能力かつ高価なロードセルを要し、更にロー
ドセルをリンク機構とエアーシリンダに連係しているた
め、構成が複雑で装置が大形化するという問題があっ
た。
【0006】また、この従来の装置は、通常のアライメ
ント測定と片流れの評価に留まり、アライメントによっ
て生じる車両挙動の主要な不具合であるサイドスリップ
相当量、すなわち各輪のサイドフォースのチェックを欠
いているため、その改善が望まれていた。特に、近時の
高偏平タイヤをアライメント調整する場合、カーメーカ
ーの基準データー範囲内のアライメント調整では不十分
な面が生じており、この点からも車両挙動の不具合チェ
ックの多様化が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題を解決し、例えば高偏平タイヤのアライメント調整に
好適で、各輪の純粋な横力成分を計測し、該計測値を基
に車両の片流れとサイドスリップ相当量の合否を合理的
に評価し、アライメントによって生じる車両挙動の多様
な不具合をチェックし得るとともに、アライメントの計
測機能も備えて利便性を向上し、更にロードセルの小能
力化と小形化を図り、この種装置の構造の簡潔化と小形
かつ低廉化を実現できるようにした車両挙動の不具合評
価装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1の発
明は、左右前後輪をそれぞれ回転可能に載置可能な各一
対のローラと、該ローラに載置した各輪の横力成分を計
測可能なロードセルと、これら各輪の横力を演算し、そ
の演算値を基準値と比較して片流れまたはサイドスリッ
プ相当量の合否を判定可能な演算器と、を備え、各輪の
横力と片流れまたはサイドスリップ相当量との関係を明
確にするとともに、車両挙動の不具合の多様なチェック
を実現し、近時の高偏平タイヤを装着した車両や、アラ
イメントの影響感度が非常に高い車両に対するアライメ
ント調整に好適にしている。
【0009】請求項2の発明は、左右各輪の横力の差を
前後輪別に演算し、その演算値を基に前記片流れを評価
して、各輪の横力と片流れとの関係を明確にしている。
請求項3の発明は、左右各輪の横力の和を前後輪別に演
算し、その演算値を基に各輪の横力とサイドスリップ相
当量との関係から、前記サイドスリップ相当量を評価す
るようにしている。請求項4の発明は、片流れの合否判
定時に、前後輪別の横力の差の演算値と各輪の片流れ方
向を出力可能にするとともに、前記サイドスリップ相当
量の合否判定時に、前後輪別の横力の和の演算値と各輪
のサイドスリップ方向と当該タイヤの偏摩耗への影響を
出力可能にし、アライメント調整の確実かつ容易化を図
るようにしている。
【0010】請求項5の発明は、各輪の横力成分計測時
に、各輪の動的アライメントを計測可能にし、車両挙動
の不具合のチェック機能に、アライメント計測機能を加
味して、この種装置の利便性を向上するようにしてい
る。請求項6の発明は、ロードセルを前記ローラの軸支
部に設置し、各輪の接地部から純粋な一輪当たりの横力
成分を計測可能にして、計測値の信頼性を向上するとと
もに、ロードセルの小能力化と小形化、並びに低廉化を
図り、更に従来のようなリンク機構やアクチュエータと
の連係を廃して、この種装置の小形化と構造の簡潔化を
図るようにしている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明すると、図1乃至図6において1は自動車整
備工場等の平坦な作業床面で、該床面1上に評価装置2
が取り外し可能に設置されている。
【0012】評価装置2は、実質的に同一に構成した4
つの評価ユニット3,4,5,6を有し、これらのユニ
ット3〜6を作業床面1の所定位置に配置している。上
記評価ユニット3〜6は、作業床面1上に取り外し可能
な架台7を備え、該架台7に軸支手段である左右一対の
軸受8,9を介して、一対のローラ10,10を回転自
在に支持し、このローラ10,10上に被験車両11の
左右の前後輪12〜15を回転可能に支持している。
【0013】上記各一対のローラ10は、その一方を駆
動側に構成し、この駆動側ローラ10を例えばプーリ1
6とベルト17を介してモータ18に連係している。上
記モータ18は架台7若しくはその延設部に一体的に設
置され、架台7と共に作業床面1に取り外し可能に設置
されている。
【0014】前記架台7の側端部にベースフレーム19
が固定され、該フレーム19内に前記一方の軸受9が設
けられ、該軸受9のアウターレースの外側にワッシャー
型のロードセル20が設けられている。前記ロードセル
20は、各車輪12〜15のサイドフォースSFR ,S
FL ,SF'R,SF'Lを検出可能にされ、その検出信号
を演算器21へ入力可能にしている。
【0015】演算器21はマイクロコンピュータを内蔵
し、前記ロードセル20と後述する変位センサからの信
号入力を条件に、予め記憶した情報に基いて、車両挙動
の不具合チェック対象である片流れとサイドスリップ相
当量の合否判定と、通常のアライメント測定の合否判定
とを並行して処理可能にされている。
【0016】演算器21の処理手順は図6のようで、こ
のうち車両挙動の不具合チェック対象である片流れとサ
イドスリップ相当量の合否判定は、ロードセル20によ
る各車輪12〜15のサイドフォースSFR ,SFL ,
SF'R,SF'Lの検出信号に基いて行なわれ、その合否
をCRTおよびプリンタ22へ出力可能にしている。
【0017】すなわち、演算器21は、車両の片流れの
合否判定手段として、前後輪12〜15のサイドフォー
スSFR ,SFL ,SF'R,SF'Lの差を演算し、それ
らが基準値、ここでは15〜20kgの範囲内にあるか
否か、つまり前輪12,13側のサイドフォースの差|
SFR −SFL |<15〜20kgと、後輪14,15
側のサイドフォースの差|SF'R−SF'L|<15〜2
0kgとを判定し、これが基準値内であれば片流れO
K、基準値外であれば片流れ不合格として判定し、不合
格の場合はアライメント要調整と判定するようにしてい
る。
【0018】上記基準値は、サイドフォースとサイドス
リップ量が線形関係にあり、かつ15〜20kg程度の
サイドフォースが、サイドスリップ量5m/kmに相当
するとする経験則ないし実験データに依っており、この
数値を目安に片流れを評価するようにしている。
【0019】また、演算器21は、サイドスリップ相当
量の合否判定手段として、前後輪12〜15のサイドフ
ォースSFR ,SFL ,SF'R,SF'Lの和を演算し、
それらが経験則に基づく基準値15〜20kgの範囲内
にあるか否か、つまり前輪12,13側のサイドフォー
スの和|SFR +SFL |<15〜20kg、後輪1
4,15側のサイドフォースの和|SF'R+SF'L|<
15〜20kgを判定し、基準値内であればサイドスリ
ップ相当量OK、基準値外であればサイドスリップ相当
量不合格として判定し、不合格の場合はアライメント要
調整と判定するようにしている。
【0020】一方、前記ベースフレーム19に幅広な支
持板23が立設され、該板23の内側面上部に、複数の
センサ移動用アクチュエ−タ24〜26を原点0の同心
円上に等角度位置、実施形態では直角位置に配置してい
る。これらのアクチュエ−タ24〜26は、出力軸とし
て伸縮可能なセンサロッド27〜29を有し、該ロッド
27〜29の伸縮変位を演算器21へ入力可能にしてい
る。
【0021】センサロッド27〜29の先端部に、距離
センサであるレーザ式の変位センサ30〜32が設けら
れ、これらのセンサ30〜32は対応する車輪12〜1
5のサイドウオール12a〜15aを横断して移動可能
にされ、かつその際前記サイドウオール12a〜15a
に向けてレーザービームを照射し、タイヤのビード部3
3から肩部34に亘る計測面と、前記センサ30〜32
との距離La,Lb,Lcを測定し、その信号を前記演
算器21へ入力可能にしている。
【0022】演算器21は、前記センサ移動用アクチュ
エ−タ24〜26からの移動変位信号Da,Db,Dc
と、変位センサ30〜32からの距離信号La,Lb,
Lcに基づき、前記センサ30〜32が前記タイヤのビ
ード部33と肩部34を通過する際の前記センサーロッ
ド27〜29の伸縮変位を検出し、かつこれらの変位か
らタイヤのビード部33と肩部34の間の中央位置を演
算して、計測点Pa,Pb,Pcの各位置と、それらの
距離D1 ,D2 を演算するようにしている。前記距離D
1 は、計測点Pa,Pcを結ぶ線上の原点Oと計測点P
bとの垂直距離、距離D2 は、計測点Pa,Pc間の距
離である。
【0023】また、演算器21は、前記変位センサ30
〜32からの距離信号La,Lb,Lcに基づき、それ
らの平均値L,L,Lを演算し、これらの平均値
に基づいてトー角θt,キャンバー角θc等のアライメ
ントを演算するようにしている。すなわち、演算器33
は、トー角を、θt=arctan{(L−L)/
D2 }、キャンバー角を、θc=arctan〔{L
−(L+L)/2}/D1 〕から演算し、かつそれ
らの数値がメーカー指定の基準値の範囲内にあるか否か
を判定し、基準値内であればアライメントOK、基準値
外であればアライメント不合格として判定し、不合格の
場合はアライメント要調整と判定するようにしている。
【0024】図中、35はベースフレーム19上に設け
た流体圧シリンダ等のアクチュエ-タで、そのピストンロ
ッド36を車輪12〜15の下部方向へ伸縮可能に配置
している。前記ピストンロッド36の先端部に押圧ロー
ラ37が回転自在に支持され、該ローラ37をピストン
ロッド36の伸長時、車輪12〜15の下部側面に当接
可能に配置し、被験車両11を評価装置2に正対可能に
している。
【0025】この他、図中38は前軸アクスル、39は
後軸アクスル、40はタイヤホイール、41は各評価ユ
ニット3〜6の片側に設置したステップである。
【0026】このように構成した評価装置2は、各評価
ユニット3〜6の取付け基部を構成する架台7、モータ
18、ベースフレーム19等を作業床面1上に取外し可
能にしたから、不使用時は上記各部材を取り外して所定
位置に保管することができ、そのようにすることで作業
床面1が開放され、その有効利用が可能になる。
【0027】この場合、上記構成部材を一体的に構成し
ているから、それらの取り外しや取り付けを各評価ユニ
ット3〜6毎に行なえ、評価装置2の撤去や設置を能率
良く行なえる。
【0028】しかも、本発明は作業床面1にピットの付
設を要しないから、これを容易かつ安価に製作すること
ができ、従来のような専用の作業スペースを要せず、一
定の広さの作業床面1を確保すれば所期の利用が可能に
なる。また、本発明は各評価ユニット3〜6毎に分割し
て構成しているから、これらを一体的に構成したものに
比べて、大掛かりにならずコンパクトで取り扱いが至便
になる。
【0029】しかも、本発明は片流れ検出法として、各
輪のサイドフォース測定法を採用し、これをワッシャー
型のロードセル20で測定しているから、従来のように
各輪の側圧縮力をロードセルで測定する方法に比べて、
ロードセル20の負荷が非常に小さく、その小能力化と
小形軽量化、低廉化を図れる。
【0030】また、本発明はロードセル20を各車輪1
2〜15の接地部であるローラ10の軸支部9に設けた
から、各車輪12〜15の純粋なサイドフォースを計測
でき、しかもロードセルをリンク機構やアクチュエータ
に連係する従来の装置に比べて、部品点数が少なく構造
が簡単で装置の小型化を図れる。
【0031】次に、本発明の評価装置2を使用する場合
は、各評価ユニット3〜6を搬入し、これを作業床面1
の所定位置に取り付ける。すなわち、各評価ユニット3
〜6を、被験車両11の車輪12〜15の間隔に合わせ
て配置し、これを例えばボルト・ナットを用いて取付け
る。この場合、各評価ユニット3〜6の架台7、モータ
18、ベースフレーム19等が一体的に構成されている
から、それらの設置を簡易かつ迅速に行なえる。
【0032】この後、被験車両11を作業床面1へ入場
し、車輪12〜15をステップ41を介し各評価ユニッ
ト3〜6のローラ10,10上に乗り上げ、静止させた
ところで、被験車両11を評価装置2に正対させる。
【0033】上記正対は、各評価ユニット3〜6のモー
タ18を駆動し、各車輪12〜15を回転するととも
に、前後輪の一方、実施形態では前輪12,13に対応
する評価ユニット3,4のアクチュエータ35を作動
し、そのピストンロッド36を伸長して、押圧ローラ3
7を前輪12,13の下部側面に押し付ける。
【0034】そして、前輪12,13をローラ10,1
0の軸方向、つまり上記車輪12,13の偏位方向と反
対方向へ押し動かし、その略中央位置で拘束する。この
後、後輪14,15に対応する評価ユニット5,6のア
クチュエータ35を作動し、そのピストンロッド36を
伸長して、押圧ローラ37を後輪14,15の下部側面
に押し付け、前述と同様に後輪14,15を偏位方向と
反対方向へ押し動かし、その姿勢を矯正する。
【0035】こうして、被験車両11を評価装置2に正
対したところで、通常のアライメント測定と、車両挙動
の不具合のチェック対象である片流れとサイドスリップ
相当量の合否判定を並行する。このうち、アライメント
測定に際しては、各評価ユニット3〜6のセンサ移動用
アクチュエ−タ24〜26を駆動し、各センサロッドを
27〜29を伸縮変位させる。
【0036】このようにすると、各変位センサ30〜3
2が、レーザービームを照射しながら各車輪12〜15
のサイドウォール12a〜15aを横断して移動し、各
センサ30〜32から各サイドウォール12a〜15a
までの距離La,Lb,Lcを多点計測して、その計測
信号を演算器21へ入力する。また、各センサ移動用ア
クチュエ−タ24〜26は、変位センサ30〜32が各
タイヤのビード部33と肩部34を通過する際の各セン
サロッド27〜29の伸縮変位Da,Db,Dcを演算
器21へ入力する。
【0037】演算器21は、前記変位センサ30〜32
からの距離信号La,Lb,Lcに基づき、それらの平
均値L,L,Lを演算するとともに、各センサロ
ッド27〜29の伸縮変位Da,Db,Dcに基づき、
各タイヤのビード部33と肩部34との間の中央位置を
計測点Pa,Pb,Pcとして、それらの各位置と、そ
れらの間の距離D1 ,D2 を演算する。
【0038】演算器33は前述の演算値から、トー角を
θt=arctan{(L−L)/D2 }、キャン
バー角をθc=arctan〔{L−(L+L
/2}/D1 〕から演算し、かつそれらの数値がメーカ
ー指定の基準値の範囲内にあるか否かを判定し、基準値
内であればアライメントOK、基準値外であればアライ
メント不合格として判定し、不合格の場合はアライメン
ト要調整と判定する。
【0039】一方、車両挙動の不具合のチェック対象で
ある片流れの測定は、前記アライメント測定と前後して
試験員が被験車両11に乗車し、ハンドルを直進状態に
セットして自由走行させる。その際、各ローラ10上に
おける車輪12〜15のサイドフォースSFR ,SFL
,SF'R,SF'L、換言すれば横力成分を各ロードセ
ル20が測定し、その測定値を演算器21に入力する。
【0040】演算器21は、前記測定値を基に前輪1
2,13側のサイドフォースの差|SFR −SFL |
と、後輪14,15側のサイドフォースの差|SF'R−
SF'L|を演算し、これが基準値15〜20kgの範囲
内にあるか否かを比較判定し、|SFR −SFL |<1
5〜20kgおよび|SF'R−SF'L|<15〜20k
gであれば片流れOK(合格)、基準値外であれば片流
れ不合格として判定し、不合格の場合はアライメント要
調整と判定し、これらを演算器21に表示するととも
に、プリンター22に出力する。
【0041】この場合、演算器21およびプリンター2
2は、片流れの測定内容を具体的に表示する。例えば、
前輪12,13側において、SFR −SFL >0であれ
ば前軸アクスル38側が左流れ、SFR −SFL <0で
あれば前軸アクスル38側が右流れ、また後輪14,1
5側において、SF'R−SF'L>0であれば後軸アクス
ル39側が左流れ、SF'R−SF'L<0であれば後軸ア
クスル39側が右流れと表示する。
【0042】次に片流れOKの場合、演算器21は、前
記サイドフォースSFR ,SFL ,SF'R,SF'Lの測
定値を基に前輪12,13側のサイドフォースの和|S
FR+SFL |と、後輪14,15側のサイドフォース
の和|SF'R+SF'L|を演算し、これが基準値−15
〜−20kgから15〜20kgの範囲内にあるか否か
を比較判定し、基準値内であればサイドスリップ相当量
OK(合格)、基準値外であればサイドスリップ量不合
格として判定し、不合格の場合はアライメント要調整と
判定し、これらをサイドスリップの方向とタイヤの偏摩
耗への影響と併せて、演算器21に表示するとともに、
プリンター22に出力する。
【0043】例えば、前輪12,13側において、SF
R +SFL >15〜20kgであれば、サイドスリップ
相当量が内側方向へ大で、かつタイヤの外側偏摩耗への
影響が大であることを、またSFR +SFL <−15〜
−20kgであれば、サイドスリップ相当量が外側方向
へ大で、かつタイヤの内側偏摩耗への影響が大であるこ
とを、演算器21およびプリンター22が表示する。
【0044】また、後輪14,15側において、SF'R
+SF'L>15〜20kgであれば、サイドスリップ相
当量が内側方向へ大で、かつタイヤの外側偏摩耗への影
響が大であることを、またSF'R+SF'L<−15〜−
20kgであれば、サイドスリップ相当量が外側方向へ
大で、かつタイヤの内側偏摩耗への影響が大であること
を、演算器21およびプリンター22が表示する。
【0045】したがって、作業者は前記演算器21およ
びプリンター22のメッセージに基いてアライメント調
整する。特に、サイドスリップ量の評価にタイヤの偏摩
耗への影響を加味しているから、近時のような高偏平タ
イヤを装着した車両や、アライメントの影響感度が非常
に高い車両のアライメント調整に際して、従来のような
カーメーカーからの基準データ範囲内による調整では不
十分で対応できない点を補える利点がある。
【0046】
【発明の効果】請求項1の発明は、左右前後輪をそれぞ
れ回転可能に載置可能な各一対のローラと、該ローラに
載置した各輪の横力成分を計測可能なロードセルと、こ
れら各輪の横力を演算し、その演算値を基準値と比較し
て片流れまたはサイドスリップ相当量の合否を判定可能
な演算器と、を備えたから、各輪の横力と片流れまたは
サイドスリップ相当量との関係が明確になるとともに、
車両挙動の不具合の多様なチェックを実現し、近時の高
偏平タイヤを装着した車両や、アライメントの影響感度
が非常に高い車両に対するアライメント調整に好適な効
果がある。
【0047】請求項2の発明は、左右各輪の横力の差を
前後輪別に演算し、その演算値を基に前記片流れを評価
したから、各輪の横力と片流れとの関係を明確にするこ
とができる。請求項3の発明は、左右各輪の横力の和を
前後輪別に演算し、その演算値を基に各輪の横力とサイ
ドスリップ相当量との関係から、前記サイドスリップ相
当量を評価したから、各輪の横力とサイドスリップ相当
量との関係を明確にすることができる。請求項4の発明
は、片流れの合否判定時に、前後輪別の横力の差の演算
値と各輪の片流れ方向を出力可能にするとともに、前記
サイドスリップ相当量の合否判定時に、前後輪別の横力
の和の演算値と各輪のサイドスリップ方向と当該タイヤ
の偏摩耗への影響を出力可能にしたから、アライメント
調整の正確性と容易化を図れ、特に近時の高偏平タイヤ
を装着した車両に対するアライメント調整に有利な効果
がある。
【0048】請求項5の発明は、各輪の横力成分計測時
に、各輪の動的アライメントを計測可能にしたから、車
両挙動の不具合のチェック機能に、アライメント計測機
能を加味し、この種装置の利便性を向上することができ
る。請求項6の発明は、ロードセルを前記ローラの軸支
部に設置したから、各輪の接地部から純粋な一輪当たり
の横力成分を計測することができ、該計測値の信頼性を
向上できるとともに、ロードセルの小能力化と小形化、
並びに低廉化を図れ、更に従来のようなリンク機構やア
クチュエータとの連係を廃して、この種装置の小形化と
構造の簡潔化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の概要を示す説明図であ
る。
【図2】本発明によるアライメント測定状況の要部を示
す正面図である。
【図3】図2の側面図である。
【図4】本発明によるアライメント測定状況の要部を拡
大して示す断面図である。
【図5】本発明に適用したアライメント測定状況を示す
説明図である。
【図6】本発明によるアライメント測定および車両挙動
不具合のチェックの手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
9 軸支部(軸受) 10 ローラ 12,13 前輪 14,15 後輪 20 ロードセル 21 演算器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右前後輪をそれぞれ回転可能に載置可
    能な各一対のローラと、該ローラに載置した各輪の横力
    成分を計測可能なロードセルと、これら各輪の横力を演
    算し、その演算値を基準値と比較して片流れまたはサイ
    ドスリップ相当量の合否を判定可能な演算器と、を備え
    た車両挙動の不具合評価装置。
  2. 【請求項2】 左右各輪の横力の差を前後輪別に演算
    し、その演算値を基に前記片流れを評価するようにした
    請求項1記載の車両挙動の不具合評価装置。
  3. 【請求項3】 左右各輪の横力の和を前後輪別に演算
    し、その演算値を基に前記サイドスリップ相当量を評価
    するようにした請求項1記載の車両挙動の不具合評価装
    置。
  4. 【請求項4】 前記片流れの合否判定時に、前後輪別の
    横力の差の演算値と各輪の片流れ方向を出力可能にする
    とともに、前記サイドスリップ相当量の合否判定時に、
    前後輪別の横力の和の演算値と各輪のサイドスリップ方
    向と当該タイヤの偏摩耗への影響を出力可能にした請求
    項1記載の車両挙動の不具合測定装置
  5. 【請求項5】 前記各輪の横力成分計測時に、各輪の動
    的アライメントを計測可能にした請求項1記載の車両挙
    動の不具合評価装置。
  6. 【請求項6】 前記ロードセルを前記ローラの軸支部に
    設置した請求項1記載の車両挙動の不具合評価装置。
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