JP2000111317A - ガラス材の厚み測定装置及び測定方法 - Google Patents

ガラス材の厚み測定装置及び測定方法

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JP2000111317A
JP2000111317A JP10284553A JP28455398A JP2000111317A JP 2000111317 A JP2000111317 A JP 2000111317A JP 10284553 A JP10284553 A JP 10284553A JP 28455398 A JP28455398 A JP 28455398A JP 2000111317 A JP2000111317 A JP 2000111317A
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light
glass material
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glass
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JP10284553A
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Kazuhiko Kusunoki
一彦 楠
Yoshiaki Yamade
善章 山出
Tadahisa Arahori
忠久 荒堀
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複層ガラス材の各層の厚みを非破壊的に測定
する。 【解決手段】 合成石英ガラス層1aに対向して光源
(水銀ランプ)11が配されており、光源11からの出
射光はコリメータレンズ12を通って石英坩堝1に入射
される。励起光の入射により石英坩堝1から蛍光が発せ
られ、CCD14で受光される。CCD14は、受光し
た蛍光の強度を検出し、二次元画像処理を施して石英坩
堝1の厚み方向の光強度分布を表示する。演算部15
は、CCD14で検出された光強度分布に基づいて界面
の位置を求め、合成石英ガラス層1aの厚みを演算す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のガラス層を
有する複層ガラス材について各ガラス層の厚さを測定す
る装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】複数のガラス層を有する複層ガラス材
は、例えばレンズ,プリズムなどの光学ガラス,自動車
用の窓ガラス,半導体基板材料である単結晶シリコンの
インゴットを製造するための石英坩堝などに使用されて
いる。
【0003】複層ガラス材の各層の厚みを測定するため
には以下の方法が用いられている。ガラス層毎に不純物
元素の含有量が異なるガラス材では、ガラス材を表面か
ら厚み方向に順次切り出し、夫々のガラス片について不
純物元素の含有量を検出する。この含有量が変化した位
置がガラス層界面であり、これにより各ガラス層の厚み
が測定できる。しかしながら、この方法は破壊試験であ
り、手間がかかり、例えば製品の出荷検査等のような日
常の品質確認に用いることができないという問題があっ
た。
【0004】また、不純物元素の種類及び含有量によ
り、二つのガラス層の着色の程度が異なるガラス材で
は、ガラス材の端部のようなガラス層の界面(貼り合わ
せ界面)が露出された領域で色相の差を検出することに
より、非破壊的に各層の厚みを測定することができる。
しかしながら、ガラス材の総厚みが端部とその他の領域
とで同一であるとは限らず、また、たとえ総厚みが同一
であったとしても、測定すべきガラス層の厚みがガラス
材全体で均一であるとは限らないという問題があった。
【0005】このように、ガラス材の各層の厚みを非破
壊的に測定することは困難であり、各層の厚みをガラス
材の位置毎に測定することはさらに困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、単結晶シリ
コンのインゴットの製造に用いられる石英坩堝は2層構
造を有している。インゴット製造時に石英坩堝にはシリ
コン融液が装填され、石英坩堝の内表面が溶融してシリ
コン融液中に溶け出すので、インゴットの品質を向上さ
せるために、内側には純度は高いがハイコストである合
成石英ガラスが用いられる。そして、外側には安価であ
るが純度が低い溶融石英ガラスが用いられている。
【0007】このような石英坩堝は、通常、回転溶融法
により製造されるが、内側の合成石英ガラスの厚みは坩
堝の位置によりばらつきが生じる。内側の合成石英ガラ
スの厚みが薄すぎる場合は、外側の溶融石英ガラスが内
面側に露出し、インゴット製造時に不純物元素がシリコ
ン融液に溶け出すためにインゴットの品質が低下する。
このために、石英坩堝の内側の合成石英ガラス層の厚み
を所定厚さ以上に保つことが重要であるが、上述したよ
うに、複層ガラス材の各層の厚みを非破壊的に測定する
ことは困難であり、ガラス材の位置による厚み、即ち、
石英坩堝の位置による合成石英ガラス層の厚みを測定す
ることはさらに困難であるという問題があった。
【0008】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、励起光の入射により発した蛍光の光強度を厚
み方向に検出することにより複層ガラス材の各層の厚み
を非破壊的に測定でき、また複層ガラス材の位置による
厚みを測定してガラス材の品質確認を可能とする厚み測
定装置及び測定方法を提供することを目的とする。
【0009】また、本発明は単結晶シリコンの製造装置
である石英坩堝の内層ガラスの厚みを非破壊的に測定で
きる厚み測定装置及び測定方法を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1発明に係るガラス材
の厚み測定装置は、複数のガラス層を有するガラス材の
各層の積層方向の厚みを測定する装置において、励起光
を出射する光源と、前記励起光が入射したガラス材の領
域から発せられた蛍光を受光し、前記ガラス材の厚み方
向の光強度分布を検出する光検出部とを備え、検出され
た光強度分布を用いて各層の厚みを求めるべくなしてあ
ることを特徴とする。
【0011】第1発明にあっては、ガラス層中に存在す
る欠陥,不純物などにより生成したエネルギ準位への電
子遷移に対応する波長の光を測定対象のガラス材に入射
することによりガラス材が蛍光を発し、この蛍光の強度
をガラス材の厚み方向に検出する。複数のガラス層の間
で例えば不純物含有量が異なる場合は、蛍光の発生挙動
がガラス層によって異なるので、蛍光強度を厚み方向に
検出することにより、ガラス層の界面の位置を知ること
ができる。
【0012】第2発明に係るガラス材の厚み測定装置
は、第1発明において、前記光検出部により検出された
光強度分布に基づいて求めたガラス層界面の位置と、前
記ガラス材の屈折率と、前記励起光の入射角度とを用い
て各層の厚みを算出する演算部をさらに備えることを特
徴とする。
【0013】第2発明にあっては、設定された励起光の
入射角度と、予め測定されたガラス材のガラス屈折率
と、求めたガラス層界面の位置とにより、ガラス材表面
からガラス層界面までの厚みが演算される。
【0014】第3発明に係るガラス材の厚み測定装置
は、第1又は第2発明において、前記光検出部は電荷結
合素子(CCD)を用いることを特徴とする。
【0015】第3発明にあっては、電荷結合素子が蛍光
を受光し、ガラス材の厚み方向に対する蛍光強度分布を
容易に検出できる。
【0016】第4発明に係るガラス材の厚み測定装置
は、第1乃至第3発明のいずれかにおいて、前記ガラス
材は、合成石英ガラス層及び溶融石英ガラス層を有する
石英坩堝であることを特徴とする。
【0017】第4発明にあっては、合成石英ガラス層と
溶融石英ガラス層とを有する石英坩堝は、欠陥含有量の
違いによる蛍光の強度の差が明確に示される。従って、
さらに高精度に合成石英ガラス層の厚みを測定できる。
【0018】第5発明に係るガラス材の厚み測定方法
は、複数のガラス層を有するガラス材の各層の積層方向
の厚みを測定する方法において、励起光を前記ガラス材
に所定の角度を有して入射せしめる過程と、前記励起光
が入射した前記ガラス材の領域から発せられた蛍光を受
光し、前記ガラス材の厚み方向の光強度分布を検出する
過程と、該光強度分布に基づいて前記ガラス材の各層の
厚みを演算する過程とを有することを特徴とする。
【0019】第5発明にあっては、励起光をガラス材に
入射してガラス材から蛍光を発し、この蛍光の強度をガ
ラス材の厚み方向に検出する。複数のガラス層の間で例
えば不純物含有量が異なる場合、蛍光の発生挙動がガラ
ス層によって異なる。従って、蛍光強度を厚み方向に検
出することにより、ガラス層の界面の位置を知ることが
できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を
示す図面に基づき具体的に説明する。 実施の形態1 図1及び図2は本発明に係る厚み測定装置の構成を模式
的に示す構成図である。図2は石英坩堝の全体を測定す
る際の装置の全体図を示し、図1は図2に示した光学系
の構成図を光路と共に拡大して示した構成図である。図
中1は石英坩堝であり、内層に合成石英ガラス層1a
を、外層に溶融石英ガラス層1bを有する2層構造であ
る。図2に示すように、石英坩堝1の上方にはアーム2
1が配されている。アーム21は駆動制御部22の指示
により、先端部分が石英坩堝1の内周面又は外周面に沿
うように移動し、アーム21の先端部分に取付けられた
光学系10が石英坩堝1の底部から直胴部にわたる曲面
に沿って面から一定間隔を隔てた態様で走査する。
【0021】光学系10は、図1に示すように、光源1
1としての水銀ランプ,コリメータレンズ12,干渉フ
ィルタ17,結像レンズ13及びCCD(Charge-Coupl
ed Device ,電荷結合素子)14を備えて構成されてい
る。石英坩堝1の内周面側、即ち、合成石英ガラス層1
aに対向して光源11が配されており、例えば250n
m程度の波長の光を有する紫外線を出射する。光源11
からの出射光はコリメータレンズ12に入射されて平行
光となり、干渉フィルタ17により所定波長の光が選択
的に石英坩堝1に入射される。光源11及びコリメータ
レンズ12は、紫外線が合成石英ガラス層1aの入射点
での法線に対して入射角度θ1 を有して入射するように
光学的に配設されている。
【0022】また、石英坩堝1の内周側で、コリメータ
レンズ12から所定長離隔した位置に結像レンズ13が
配されている。結像レンズ13は、光が入射された石英
坩堝1の領域から発せられる蛍光を結像し、結像された
光が結像レンズ13の背面側に配したCCD14の受光
面で受光されるように光学的に配設されている。CCD
14は、受光した蛍光の強度を検出し、二次元画像処理
を施して石英坩堝1の厚み方向の光強度分布を表示す
る。CCD14には演算部15が接続されており、CC
D14で検出された光強度分布が与えられて、石英坩堝
1の内外層の両端部と界面との位置を求め、予め設定さ
れた出射光の入射角度θ1 を用いて合成石英ガラス層1
aの厚みを演算するようになっている。
【0023】このような構成の測定装置を用いて、石英
坩堝1の内周側の合成石英ガラス層1aの厚みを測定す
る方法を以下に説明する。まず、光源11から250n
m程度の波長の光を有する紫外線を出射し、石英坩堝1
内に合成石英ガラス層1a側から入射する。溶融石英ガ
ラスは酸素欠乏型欠陥を有しており、酸素欠乏型欠陥の
吸収エネルギーに対応する波長は245nmであること
が知られている。従って、本実施の形態で250nmの
出射光は、溶融石英ガラス層1bにとって励起光とな
る。ガラス層は励起光が照射されると蛍光を発するの
で、溶融石英ガラス層1bから蛍光が発せられる。一
方、合成石英ガラスには酸素欠乏型欠陥はほとんど含ま
れていないので、250nmの出射光の入射により合成
石英ガラス層1aから発せられる蛍光の光強度は弱い。
ここで、光源11からの紫外線は連続的に出射されるの
で、発せられる蛍光の経時的変化はない。
【0024】一般に、石英ガラスは、不純物含有量欠
陥,放射線照射による欠陥,製造方法による欠陥などを
有しており、これらの欠陥により吸収される光の波長は
様々である。例えば、上述した酸素欠乏型欠陥の他に、
低OH基で酸素過剰型の石英ガラスにγ線の照射、線引
き加工又は水素処理を行なった場合には夫々の欠陥が生
じるが、これらの欠陥には、325 nm,630 nm,1.25
μm,1.45μm等の吸収帯が知られている。また低OH
基で酸素欠乏型の石英ガラスでは、γ線の照射、線引き
加工により163 nm,215 nmの吸収帯を有する欠陥が
生じ、高OH基含有の石英ガラスでは1.39μm,600 n
mなどの吸収帯を有する欠陥を有することが知られてい
る。
【0025】図1に示すように、励起光の入射領域にお
いて、合成石英ガラス層1aの端面(表面)位置をA、
ガラス層界面位置をB、溶融石英ガラス層1bの端面
(表面)位置をCとした場合に、石英坩堝1の両端面A
〜Cの範囲から蛍光が発せられる。この蛍光は結像レン
ズ13で結像されてCCD14にて受光される。CCD
14では、石英坩堝1の厚み方向に対する蛍光強度が二
次元処理されて表示される。図3は、二次元処理された
光強度分布の一例を示すグラフであり、縦軸は蛍光強度
を示し、横軸は石英坩堝の厚み方向を示している。上述
したように、合成石英ガラス層1aは溶融石英ガラス層
1bよりも酸素欠乏型欠陥の程度が小さいので、端面位
置A付近では蛍光強度は低い。そして溶融石英ガラス層
1bは蛍光強度が高いので、ガラス層界面位置Bを境に
蛍光強度は急峻に増加し、端面位置C付近では励起光の
大部分が吸収されて蛍光強度は低下している。このよう
に光強度分布のグラフから、蛍光強度が急峻に増加した
付近をガラス層の界面として検出できる。
【0026】演算部15には、予め、石英坩堝1に入射
される励起光の入射角度θ1 と、大気及び各ガラス層1
a,1bの屈折率とが入力されている。演算部15は、
CCD14で検出された蛍光強度分布のデータが与えら
れ、入射角度θ1 及び前記屈折率を用いて、合成石英ガ
ラス層1aの厚みd1 、即ち、位置Aから位置Bまでの
厚みを算出する。必要な場合は、溶融石英ガラス層1b
の厚みd2 も求めることができる。
【0027】このような方法で合成石英ガラス層1aの
厚みを非破壊的に測定する。そして、図2に示すよう
に、先端に光学系10を備えたアーム21を石英坩堝1
の曲面に追従させて走査することにより、石英坩堝1の
全ての位置における合成石英ガラス層1aの厚みを測定
できる。これにより、インゴットの製造に石英坩堝1が
使用可能であるか否かを試験できる。
【0028】実施の形態2 図4は、実施の形態2の光学系の構成を模式的に示した
構成図である。石英坩堝1から発した蛍光は、金属製の
スリット16を通過してCCD14に受光されるように
なっている。その他の構成は上述した実施の形態1(図
1及び図2)と同様であり、対応する部分に同符号を付
して説明を省略する。スリット16は石英坩堝1とCC
D14との間に配され、石英坩堝1の厚さに対応する方
向に複数並設された間隙を有し、石英坩堝1からの蛍光
が夫々の間隙を通ってCCD14に到達する。
【0029】このような構成の測定装置を用いて、実施
の形態1と同様の手順で、合成石英ガラス層1a及び溶
融石英ガラス層1bの厚みを測定することができる。ま
た、蛍光がスリット16を通ることにより、蛍光が坩堝
1の厚み方向に分離され、平行な光束になってCCDに
受光されるので、光強度分布が厚み方向に高精度に検出
できる。また、外部からの迷光を除去することができ
る。
【0030】次に、上述した実施の形態1及び実施の形
態2の演算部15にて、溶融石英ガラス層1bの厚みd
2 を測定する方法について以下に説明する。図5は測定
方法の説明図であり、光学系の構成図と共に示してい
る。上述したように、光源11から出射された紫外線は
入射角度θ1 で合成石英ガラス層1aに入射される。そ
して合成石英ガラス層1a内を角度θ2 で透過する。こ
の透過角度θ2 は、入射点(端面位置)Aでの法線と透
過光とのなす角度である。ガラス層界面Bから発せられ
た蛍光は、合成石英ガラス層1a内を角度θ3 で透過す
る。この透過角度θ3 は、蛍光のガラス材1からの出射
点Dでの法線と透過光とのなす角度である。ガラス材1
から蛍光が出射角度θ4 で出射し、結像レンズ13を通
ってCCD14で受光されるようになっている。
【0031】透過角度θ2 ,θ3 はスネルの法則から以
下の式で求めることができる。 nair ×sin θ1 =n1 ×sin θ2 …(1) n1 ×sin θ3 =nair ×sin θ4 …(2) 但し、nair は大気の屈折率であり、n1 は合成石英ガ
ラス層1aの屈折率である。一方、ガラス材1端面の入
射点Aと出射点Dとの距離をLとした場合に、 L=d1 ×tan θ3 +d1 ×tan θ2 …(3) となる。d1 は合成石英ガラス層1aの厚みである。従
って、合成石英ガラス層1aの厚みd1 は(3)式から
導かれた以下の式より求めることができる。 d1 =L/(tan θ2 +tan θ3 ) …(4)
【0032】演算部15には入射角度θ1 は予め入力さ
れている。ガラス材1端面の入射点Aと出射点Dとの間
の距離Lを検出し、その結果を演算部15に入力する。
演算部15は、与えられた蛍光強度分布のデータに基づ
いてガラス層界面からの蛍光を検出し、出射角度θ4
求める。そして、入射角度θ1 ,距離L及び出射角度θ
4 を式(1)式及び(2)式に代入し、(4)式から合
成石英ガラス層1aの厚みd1 を算出する。なお、距離
Lが直接検出できない場合は、光源11とCCD14と
合成石英ガラス層1aの表面との位置関係、例えば互い
の距離,方角などを求めることにより距離Lを算出して
も良い。
【0033】このように演算部15では、蛍光の光強度
分布に基づいて、励起光とガラス層界面から発する蛍光
との空間的な位置関係を求めることにより、合成石英ガ
ラス層1aの厚みを求めるようになっている。なお、合
成石英ガラス層1aの厚みd 1 を求める方法は上述した
方法には限らない。光源11,CCD14,励起光の入
射位置及び蛍光の出射位置、並びに対象のガラス層の屈
折率を求めることにより、ガラス層の厚みを測定でき
る。また、石英坩堝1の総厚みを超音波試験等で検出す
ることによっても各ガラス層の厚みを測定できる。
【0034】なお、上述した実施の形態1及び実施の形
態2では、石英坩堝1の内周側、即ち、合成石英ガラス
層1aの側から励起光を入射する場合を説明している
が、これに限るものではなく、外周側、即ち、溶融石英
ガラス層1bの側から励起光を入射しても合成石英ガラ
ス層1a及び溶融石英ガラス層1bの夫々の厚みを測定
できる。
【0035】また、上述した実施の形態1及び実施の形
態2では、光源11に水銀ランプを用いた場合を説明し
ているが、これに限るものではなく、ガラス層に存在す
る欠陥の吸収帯、即ち励起光となる波長の光を出射する
光源であれば良い。また、ガラス材が有する欠陥は、上
述した種類の欠陥に限らない。また、励起光として用い
る光は、上述した吸収帯の波長に限らない。
【0036】さらに石英坩堝1の石英ガラス層は、上述
したように、製造方法,製造条件の違いにより、同じ材
料であっても吸収帯が異なる場合がある。この場合は、
対象となる石英坩堝と同じ方法及び条件で製造された各
ガラス層について、予め吸収帯を検出した後、本実施の
形態を適用することにより、同様の効果を得る。
【0037】さらにまた、実施の形態1及び実施の形態
2では、励起光をコリメートレンズに通しているが、こ
れに限るものではなく、励起光を所定の形状にするため
のレンズ,スリット,ピンホール又は反射鏡などを配し
ても良い。
【0038】さらにまた、石英坩堝1の厚み方向の蛍光
強度分布を検出するためにCCD14を用いているが、
これに限るものではなく、蛍光強度が石英坩堝1の厚み
方向に検出できればどのような光検出器を用いてもよ
い。例えば、走査型の光検出器を用いて坩堝厚みに対応
する方向に走査し、蛍光の光強度を検出しても良い。ま
た、反射鏡で反射させた蛍光を光検出器で検出し、この
反射鏡を回転させて坩堝表面に対する角度を変化させる
ことにより、厚み方向の光強度を検出してもよい。
【0039】さらにまた、CCD14の替わりに、Si
太陽電池,フィルムなどのように一般に光検出のために
使用されているものを用いても良い。さらにまた、蛍光
を受光するために、スリット,反射鏡,光ファイバー等
を介して光検出器で受光しても良い。またフィルターを
配してこれに蛍光を通すことにより、励起光が光強度検
出に影響を与えることがない。
【0040】なお、上述した実施の形態1及び実施の形
態2では、石英坩堝1について厚みを測定する場合を説
明しているが、これに限るものではなく、複数のガラス
層を有するガラス材であれば、同様に各ガラス層の厚み
を測定することができる。
【0041】また、実施の形態1及び実施の形態2で
は、2層のガラス層を有するガラス材について説明して
いるが、これに限るものではなく、3層以上のガラス層
を有するガラス材についても同様に適用できる。その
際、蛍光波長が大きく異なる特性のガラス層で構成され
たガラス材ほどガラス層界面が明瞭に検出でき、高精度
に各層の厚みを測定できる。
【0042】
【実施例】上述した実施の形態1及び実施の形態2の測
定装置を用いて、石英坩堝の石英ガラス層の厚みを測定
した。石英坩堝1は、内側が合成石英ガラス層1a、外
側が溶融石英ガラス層1bで形成されており、外径は56
0 mm,高さは360 mm、総厚みは10mmである。石英
坩堝1の底部中央部、直胴部と底部との境界部分、及び
直胴部の3点について、合成石英ガラス層1aの厚みを
夫々測定した。実施例1は上述した実施の形態1の測定
装置を用いた場合、実施例2は実施の形態2の測定装置
を用いた場合である。
【0043】光源11には100 Wの水銀ランプを用い、
コリメータレンズ12を介して励起光の光束を直径略1
mmに絞り、入射角度45°で合成石英ガラス層1aの側
から入射させた。なお、入射角度は90°でも良いが、90
°よりも小さい方が合成石英ガラス層1a及び溶融石英
ガラス層1bでの反射の影響を受けにくい。実施例1の
場合は、蛍光を結像レンズ13でCCD14上に結像さ
せて光強度を検出した。合成石英ガラス層1aの厚みの
測定結果を表1に示す。実施例1及び実施例2の測定後
に、石英坩堝1の各測定点において破壊検査(不純物の
AlについてICP-MS分析)を実施し、合成石英ガラス層1
aの厚みを測定した結果を破壊検査として表1に示し
た。
【0044】
【表1】
【0045】表1から判るように、測定した3点共にお
いて、実施例1及び実施例2の結果は、破壊検査で測定
した結果とほぼ一致している。これにより、本発明の測
定装置及び測定方法により、合成石英ガラス層の厚みを
非破壊的に正確に測定できることが判った。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明においては、複数
のガラス層を有するガラス材の各層の厚みを非破壊的
に、且つ、簡便に測定できる。また、各ガラス層が有す
る欠陥の吸収帯が大きく異なるガラス材ほど、高精度に
ガラス層の厚みを測定することができる。さらに、合成
石英ガラス層と溶融石英ガラス層とを有する石英坩堝
は、他のガラス材と比較して、欠陥含有量の違いによる
蛍光の強度の差が明確に示されるので、さらに高精度に
合成石英ガラス層の厚みを測定できる等、本発明は優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の厚み測定装置の光学系
の構成を示す構成図である。
【図2】本発明の測定装置の全体構成を模式的に示す全
体図である。
【図3】本発明の測定方法による光強度分布の一例を示
すグラフである。
【図4】実施の形態2の厚み測定装置の光学系の構成を
示す構成図である。
【図5】石英ガラス層の厚みを演算する方法の説明図で
ある。
【符号の説明】
1 石英坩堝 1a 合成石英ガラス層 1b 溶融石英ガラス層 10 光学系 11 光源 12 コリメータレンズ 13 結像レンズ 14 CCD 16 スリット 17 干渉フィルタ 21 アーム
フロントページの続き (72)発明者 荒堀 忠久 兵庫県尼崎市扶桑町1番8号 住友金属工 業株式会社エレクトロニクス技術研究所内 Fターム(参考) 2F065 AA09 AA30 AA31 BB17 BB21 FF01 FF04 FF46 FF65 FF67 GG02 GG25 HH04 HH05 HH12 JJ02 JJ25 LL01 LL04 LL22 LL28 LL30 MM07 MM22 PP02 PP22 QQ28 QQ31

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のガラス層を有するガラス材の各層
    の積層方向の厚みを測定する装置において、 励起光を出射する光源と、前記励起光が入射したガラス
    材の領域から発せられた蛍光を受光し、前記ガラス材の
    厚み方向の光強度分布を検出する光検出部とを備え、検
    出された光強度分布を用いて各層の厚みを求めるべくな
    してあることを特徴とするガラス材の厚み測定装置。
  2. 【請求項2】 前記光検出部により検出された光強度分
    布に基づいて求めたガラス層界面の位置と、前記ガラス
    材の屈折率と、前記励起光の入射角度とを用いて各層の
    厚みを算出する演算部をさらに備える請求項1記載のガ
    ラス材の厚み測定装置。
  3. 【請求項3】 前記光検出部は電荷結合素子を用いる請
    求項1又は2記載のガラス材の厚み測定装置。
  4. 【請求項4】 前記ガラス材は、合成石英ガラス層及び
    溶融石英ガラス層を有する石英坩堝である請求項1乃至
    3のいずれかに記載のガラス材の厚み測定装置。
  5. 【請求項5】 複数のガラス層を有するガラス材の各層
    の積層方向の厚みを測定する方法において、 励起光を前記ガラス材に所定の角度を有して入射せしめ
    る過程と、前記励起光が入射した前記ガラス材の領域か
    ら発せられた蛍光を受光し、前記ガラス材の厚み方向の
    光強度分布を検出する過程と、該光強度分布に基づいて
    前記ガラス材の各層の厚みを演算する過程とを有するこ
    とを特徴とするガラス材の厚み測定方法。
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