JP2000109205A - 自動倉庫システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 物をケース等に収納しなくても安全に搬入／
搬出できる、簡易な構成の自動倉庫を実現する。 【解決手段】 移動車の移載装置７に無限軌道式のフリ
ースライドベルト１１ａを設け、保管棚１にも同様のフ
リースライドベルト１１ｂを設ける。物品１２をアーム
で押す等により移動させると、物品は面上を滑ることな
しに移動でき、またスライドベルト１１ａ、１１ｂはと
もにフリーであるので、その間に速度差が生じて物品に
衝撃を与えることもない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動倉庫システム
に係わり、特に運搬する物品をケース等に保管すること
なく、入庫及び出庫するようにした自動倉庫システムに
関する。

【０００２】

【従来の技術】自動倉庫では、物品の搬入／搬出や倉庫
内での移動のときに、移動車と保管棚との間、及び移動
車と入出庫ステーションとの間で物品の移載を行う。こ
のための移載手段としては、コンベヤを設けたもの、ど
ちらも平板状の移載台としてその上を物品がすべるよう
にアーム等で外力を加えるもの、あるいはクォークを用
いるもの等がある。また、移載時に物品に損傷を与えな
いようにするため、あるいは小物品をまとめて扱うため
に物品収納用のパレットやケースを用いることもある。
また、カラーコイルのような円筒状の物品を扱うパレッ
トレス式の自動倉庫で、２つの円筒形アームにその物品
を載せて収容するときの物品と円筒形アームとの間の摩
擦による物品の損傷を防ぐために、円筒形アームの各々
に緩衝材を回転自在にとりつけたものが特開平６ー１９
１６０９号に開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】コンベヤを装備して移
載を行う場合には、コンベヤやローラを駆動用モータで
駆動するが、移載元と移載先の各コンベヤの搬送速度が
異なると物品に衝撃を与える。これはコンベヤの起動、
停止時にも生じる。これに対処するには、高精度の速度
制御を必要とし設備が高価になる。また、平板状の移載
台をすべらせるものでは、移載台と物品との間に作用す
る摩擦力により物品を傷つけることがある。例えば、カ
ーボーン紙のロール成形品やひもで束ねた紙葉類のよう
な物品では、下面を引っ張ったり、圧縮したりして表面
を傷つけてしまい、その物品の商品価値を損ねてしまう
ことがある。また、これらをケースやパレットに保管、
搬送すれば、直接外力は加わらないが、ケース等との物
品の出し入れをするための自動化設備の必要、及び保管
に必要なケース等そのものの準備等、コストが増加する
ことも問題である。さらに、ケース等に保管する場合、
物品の寸法により大きいものを準備する必要があり、保
管スペースが増加する問題もある。

【０００４】また、特開平６ー１９１６０９号の技術を
用いれば、ケースやパレットなしで物品に損傷を与えな
いようにすることができるが、この従来技術が対象とし
ている物品は、剛性で、２つのアームにより支持して保
管できるような、ある程度の大きさを持つものである。
従って、カーボン紙のロール成形品やひもで束ねた紙葉
類のような物品には不適当であり、かつ装置も大げさに
なる。

【０００５】本発明の目的は、移載される物品に摩擦、
衝撃等の外力が殆ど加わらずに物品の移載を行え、かつ
その構成も簡単で安価に実現できる移載手段を備えた自
動倉庫システムを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、物品を保管す
るための保管棚と、当該倉庫外部との間で物品の搬入、
搬出を行うための入出庫ステーションと、前記保管棚と
前記入出庫ステーションとの間で物品を搬送する移動車
とを備えた自動倉庫システムにおいて、前記移動車は、
前記保管棚または入出庫ステーションとの間で物品の移
載を行うための、移載される物品との摩擦力により駆動
されるフリースライドベルトを備えたことを特徴とする
自動倉庫システムを開示する。

【０００７】また、前記保管棚及び入出庫ステーション
の少なくとも一方に、前記移動車との間で物品の移載を
行うための、移載される物品との摩擦力により駆動され
るフリースライドベルトを備えたことを特徴とする自動
倉庫システムを開示する。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。図６は、本発明に係る自動倉庫シス
テムの例を示すレイアウト図で、保管棚１、移動車２、
及び入出庫ステーション３で構成されている。移動車２
には、走行装置４、昇降体５とそれを上下させるための
昇降装置６、昇降体５から保管棚１へ物品を入出庫させ
るための移載装置７が取付けられている。

【０００９】図７は、移載装置７の構造を示したもので
ある。図２において、物品１２を棚１から取り出す場
合、昇降体５により移載装置７を目的とする棚１の直前
に停止させる。この状態で、例えば、移載装置７に設置
された移載アーム右８ａ及び移載アーム左８ｂを棚１の
方向に直進させる。移載アーム８ａ、８ｂが伸び切った
ところで、物品１２の後方より、つめ９ａ、９ｂを移載
アーム８ａ、８ｂよりそれぞれ出す。つづいて物品１２
を昇降体５に移載するため、移載アーム８ａ、８ｂを昇
降体５側に移動する。この時物品１２が、後述するスラ
イドベルトに載り、物品１２はその下面の摩擦なしで移
載装置へ乗り移ることができる。物品を棚へ収めるとき
も同様である。

【００１０】このような自動倉庫で、物品を出庫すると
きは、まず移動車２を該当する棚位置まで移動させる。
この動作には移動車２自体の走行、昇降体５の上下動作
が含まれる。次に図２で説明したようにして物品を移載
装置７上へ移載し、走行装置４及び昇降装置６により移
動車ごと移動し、入出庫ステーション３の所へ移る。こ
こで図２の機構により物品を移載装置７から入出庫ステ
ーション３へ移載する。入出庫ステーション３は移載さ
れた物品を倉庫外へ搬送し、こうして出庫動作を完了す
る。入庫の動作も同様である。

【００１１】以上は倉庫の入出庫動作の全体であり、公
知のものと同様であるが、本発明の自動倉庫システムで
は、とくに移載装置７と棚１あるいは入出庫ステーショ
ン３との間の物品の移載機構に特徴がある。図１及び図
２はこの移載機構の構成例を示した平面図及びそのＡー
Ａ断面図で、スライドベルトを主構成要素としている。
即ち、移載装置７及び棚１にはスライドベルト１１ａ、
１１ｂがそれぞれに設置されている。スライドベルト１
１ａ、１１ｂはフリースライド型のもので、例えばビニ
ール等の材質で構成し、それぞれベアリング１３ａ、１
３ｂを介してロール上に取り付けられ、こうして無限軌
道を構成している。ベアリング１３ａ、１３ｂの位置調
整で、スライドベルト１１ａ、１１ｂに適度な張力を付
与することができる。ベアリングは、外径３０mm程度
で、平板を折り曲げて棚板を制作する寸法とほぼ同様で
あり、一般的なコンベヤ寸法より小径である。スライド
ベルト１１ａ、１１ｂはそれぞれベルトサポートすべり
材１４ａ、１４ｂの上にのり、物品１２とスライドベル
ト１１ａ、１１ｂが一体で移動し、スライドベルトとベ
ルトサポートすべり材の間を滑りながら移動する。ベル
トサポートすべり材としては、例えば、沸化エチレン樹
脂材を使用する。

【００１２】なお、図１、２は棚と移動車との間の移載
を説明したが、この構造は入出庫ステーション３の場合
も同様である。そしてこのような構造によると、移載開
始／停止時にも、また２つのスライドベルト間を移動す
るときも物品に作用する外力は極めて小さくなる。従っ
て、例えばロール成形したカーボン紙を、ケース等に収
納しなくても安全に入出庫できる。また、つみ重ねて束
ねた紙葉類でも、それらを全体として包装しない状態で
もそのままで入出庫できるようになる。また、スライド
ベルトは動力を必要とせず、搬送のためケース等を用い
る必要がないため、省エネルギー、省スペースがはかれ
る利点がある。

【００１３】図３は、スライドベルト１１ａに物品１２
の脱落防止用のサイドガイド１５を設けた例を、図１の
Ｂ−Ｂ断面図として示したものである。このサイドガイ
ド１５は、物品１２の移載方向と平行な方向に取付られ
ている。また図４は、スライドベルト１１ａの移載方向
と直角方向に、フロント・エンドガイド１６、１６を取
り付けた例で、図１のＡーＡ断面で示している。このガ
イド１６、１６はスライドベルト１１ａと一体成形して
もよい。物品の搬送時（移動車の走行中）の位置ずれ防
止に効果がある。さらに、図５のようにスライド・ベル
ト１１ａを固定するための、ソレノイドを使用したクラ
ンパ１７を設置すれば、スライドベルト１１ａを直接把
持することができ、移動車走行中のずれ防止を行える。

【００１４】なお、スライドベルト１１ａ、１１ｂは、
ユニット化が容易であり、ユニット化すると交換を容易
に行うことができる。また、物品の性質により、移動車
のみにスライドベルトを装置し、棚の方は、平板として
もよい。

【００１５】

【発明の効果】本発明によれば、簡単で安価な構造によ
り、物品を摩擦や衝撃により損傷することのない自動倉
庫システムを、実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】移載装置の構造を示す平面図である。

【図２】図１のＡーＡ断面図である。

【図３】移載装置側スライドベルトにサイドガイドを取
付けた例である。

【図４】移載装置側スライドベルトにフロント・エンド
・ガイドを取付けた例である。

【図５】移載装置側スライドベルトにクランパを取付け
た例である。

【図６】移載装置を有する自動倉庫システムのレイアウ
トを示した図である。

【図７】自動倉庫棚と取合う移載装置の構造を示した図
である。

【符号の説明】

１ 保管棚 ２ 移動車 ３ 入出庫ステーション ７ 移載装置 １１ａ、１１ｂ スライドベルト １２ 物品 １５ サイドガイド １６ フロント・エンド・ガイド １７ クランパ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 物品を保管するための保管棚と、当該倉
   庫外部との間で物品の搬入、搬出を行うための入出庫ス
   テーションと、前記保管棚と前記入出庫ステーションと
   の間で物品を搬送する移動車とを備えた自動倉庫システ
   ムにおいて、 前記移動車は、前記保管棚または入出庫ステーションと
   の間で物品の移載を行うための、移載される物品との摩
   擦力により駆動されるフリースライドベルトを備えたこ
   とを特徴とする自動倉庫システム。
2. 【請求項２】 前記保管棚及び入出庫ステーションの少
   なくとも一方に、前記移動車との間で物品の移載を行う
   ための、移載される物品との摩擦力により駆動されるフ
   リースライドベルトを備えたことを特徴とする請求項１
   に記載の自動倉庫システム。
3. 【請求項３】 前記移動車のフリースライドベルトは、
   当該移動車の移動中に前記フリースライドベルトが駆動
   される方向もしくはそれと直角な方向の少なくとも１つ
   の方向へ物品が動くのを阻止する手段を備えたことを特
   徴とする請求項１または２に記載の自動倉庫システム。
4. 【請求項４】 前記移動車のフリースライドベルトを、
   当該移動車の移動中に動かないように固定する手段を備
   えたことを特徴とする請求項１または２に記載の自動倉
   庫システム。