JP2000109121A - 食品包装材及びこれを用いた食品包装容器 - Google Patents

食品包装材及びこれを用いた食品包装容器

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JP2000109121A JP10312653A JP31265398A JP2000109121A JP 2000109121 A JP2000109121 A JP 2000109121A JP 10312653 A JP10312653 A JP 10312653A JP 31265398 A JP31265398 A JP 31265398A JP 2000109121 A JP2000109121 A JP 2000109121A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱後転倒しても内容物が漏れることのない
容器を提供する。 【解決手段】 部分的に多数の貫通小孔または部分的に
切開部を設けたフイルムの外面または内面に、該多孔部
または切開部を覆って、気体は透過するが液体は透過し
ない気体透過−液体不透過層を配設し、貫通小孔または
切開部の周辺で気体透過−液体不透過層を溶着した内側
フイルムと、該内側フイルムの外側に設けた気体も液体
も透過しない気体−液体不透過フイルムとの積層体から
なり、内側フイルムと外側フイルムの間には多孔部また
は切開部に連通する非接着部を設け、該内側フイルム
と、該外側フイルムとは少なくとも非接着部の周辺で溶
着し一体に結合しており、溶着部の少なくとも一部に非
接着部と連通する弱接着部を設置した易開通構造部を配
設して形成してなる、漏れを防止した食品包装材と食品
包装容器である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加熱殺菌加工食品、
冷凍食品、チルド食品、調味料、食品素材等を密封包装
するのに使用する包装材とこの包装材を用いた容器に関
するもので、詳細には加熱後転倒しても内容物が漏れる
ことのない包装材と容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来行われている包装された食品の加熱
処理には大別して次の3種の方法が用いられている。 開封後別の容器に移して加熱する。 加熱前に開封し、そのまま加熱する。 密封状態のまま加熱し、加熱中に容器の一部が開封
する。ところでの開封後別容器に移して加熱する方法
は別容器が必要である。またの開封して加熱する容器
は容器に開封する手段を設置する必要がある。の密封
した状態のまま加熱し、加熱中に破裂を防ぐため容器の
一部が開封する容器を用いる場合は、加熱後は開封状態
であるので加熱装置から容器を取り出す際、加熱された
内容物が漏洩し加熱装置を汚したり、またこの漏洩によ
り取り出す者等に火傷を負わせる危険が大きい。最近、
スーパー、デパートそしてコンビニエンスストアーの食
品販売コーナーに電子レンジが設置され、消費者が購入
した食品を加熱して、持ち帰ることが行われているが、
従来容器では、加熱により開封されるため、持ち帰る際
に容器の転倒等により内容物の漏洩及びそれによる火傷
の危険性が大きい。また、容器内に配置されている添付
用調味料容器は衛生上の観点からそのまま加熱するが、
調味料がマイクロ波で加熱され、調味料容器の内圧が上
昇し、破裂する問題がある。また加熱させないように金
属箔積層体で形成した調味料容器を用いると、金属箔が
放電する問題がある。
【0003】次に従来技術について具体的に例を挙げて
説明する。特開平3−1767号公報にはベースフイル
ムと不織布とを剥離可能に積層した積層フイルムを用い
た容器が記載されている。そして加熱前にベースフイル
ムと不織布を剥離することにより通気性と通水性が得ら
れると説明されているが、この容器はベースフイルムと
不織布の間に非接着層がないので加熱時に蒸気がベース
フイルムを押し上げるので予め接着部を剥離し開封して
加熱しなければならず、開封の手間がかかり、また開封
処置を忘れた場合容器が破裂する問題があり、さらに通
常の食品売場で電子レンジで加熱するため容器を開封す
ることは衛生上の問題がある。また特開平9−4003
2号公報には、「プラスチックラミネートフイルムを折
曲げ成形し、接合端部および両端部をヒートシール加工
してヒートシール部を形成した電子レンジ用包装袋にお
いて、上記ヒートシール部のうちの少なくとも1つのヒ
ートシール部に、所定の蒸気圧に達した時に剥離して蒸
気逃げ孔を形成する易剥離区域を設けたことを特徴とす
る電子レンジ用包装袋。」が記載されており、特開平9
−267870号公報には「耐熱性樹脂フイルムからな
る密閉容器の内圧調整用折り込み部として、内面側にパ
ートコート材をコーティングし、該パートコート材をシ
ールした時にパートコート材で閉鎖される位置に貫通孔
または切り目を入れた耐熱性樹脂フイルムからなる袋」
が記載されている。これ等の袋は完全な貫通孔が設けら
れているので消費者が店頭で電子レンジで加熱し、持ち
帰る際容器が転倒すると加熱された内容物が漏洩する問
題がある。特開平9−40033号公報には「不通気性
のシート層を外層、吸水性を有するパルプ繊維シート層
を中間層、透湿通気かつ防水機能を有するメルトプロー
ン不織布層を内層として配した食品包装材であって、前
記メルトプローン不織布層が、全樹脂中でのエチレン含
有量が2〜10%の、エチレン−ポリプロピレンランダ
ム共重合体樹脂か、またはポリプロピレン系樹脂とエチ
レン系樹脂との合成樹脂からなるものであることを特徴
とする電子レンジ加熱用食品包装材。」が記載されてい
る。しかしながら、吸水層を設けると電子レンジで加熱
したとき吸水した水が加熱されのでこの吸水層が加熱さ
れ袋が破壊する危険がある。また、実開平5−1917
1号公報には「不通気性シートを外層、吸水性繊維シー
トを中間層、疎水性シートとを食品に接する内層として
食品を包装し、密封シールした食品包装体であり、該疎
水性シートは10cc/cm/sec.以上の通気度
を有し、シール部分において該不通気性シートと該吸水
性繊維シート間および/または該吸水性繊維シートと該
疎水性シート間は実質的に表面層のみで接合した部分を
形成したことを特徴とする食品包装体。」が記載されて
いる。このようにシール部で各層の表面のみを接着し吸
水層を外部と連通する構造とすると該吸収層は表面以外
は通気性となり流通工程で外部と連通し外部の菌や異臭
ガス等の異物が侵入し内容物が汚染される危険がある。
本発明者は先に特願平10−46125号として、容器
の一部に、耐水圧が1cmHO以上である微小透孔を
有する気体を透過し液体を透過しない内面層と、気体と
液体の両者を透過しない外面層の間に両層と接着しない
非接着部を形成し、周縁の少なくとも一部を易剥離性で
かつ外部と連通しない接着部により接着して、該非接着
部の易開通構造部を配設してなる、漏れを防止した食品
包装容器を出願した。この食品容器は加熱による破裂も
なく、漏れも防止された優れた効果を奏する。本出願の
発明はこの発明をさらに発展させ、特殊な内側フイルム
を用いることにより容器の落下強度など機械的強度の向
上及び易開封性を向上した、ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】包装容器の落下強度が
強く、また破裂することなく、そのまま加熱が可能で、
加熱後の輸送時及び容器が転倒した場合も、内容物が漏
洩せず流通工程で内容物の汚染が発生せず更に容易に開
封可能な容器を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、 「1. 部分的に多数の貫通小孔または部分的に切開部
を設けたフイルムの外面または内面に、該多孔部または
切開部を覆って、気体は透過するが液体は透過しない気
体透過−液体不透過層を配設し、貫通小孔または切開部
の周辺で気体透過−液体不透過層を溶着した内側フイル
ムと、該内側フイルムの外側に設けた気体も液体も透過
しない気体−液体不透過フイルムとの積層体からなり、
内側フイルムと外側フイルムの間には多孔部または切開
部に連通する非接着部を設け、該内側フイルムと、該外
側フイルムとは少なくとも非接着部の周辺で溶着し一体
に結合しており、溶着部の少なくとも一部に非接着部と
連通する弱接着部を設置した易開通構造部を配設して形
成してなる、漏れを防止した食品包装材。 2. 気体透過−液体不透過層が耐水圧が1cmH
以上である微小透孔を有する不織布、多孔質膜、孔開け
加工または切開加工した膜から選んだ膜で形成された層
である、1項に記載された、漏れを防止した食品包装
材。 3. 気体と液体の両者を透過しない層である外側フイ
ルムが合成樹脂フィルム、該フィルムの積層フィルム、
これらに金属等を蒸着したフィルム、金属箔や紙との積
層体から選んだ層である、1項または2項に記載され
た、漏れを防止した食品包装材。 4. 易開通構造部が内側フイルムと外側フイルムの非
接着部の周縁の少なくとも一部を弱接着性でかつ剥離す
るまでは外部と連通性のない接着部により接着し、他の
周縁は強固な接着部で接着した構造部である、1項ない
し3項のいずれか1項に記載された、漏れを防止した食
品包装材。 5. 易開通構造部の弱接着性でかつ剥離するまでは外
部と連通性のない接着部の端部を外部に露出させて包装
材の密封シール部に配設した、1項ないし4項のいずれ
か1項に記載された、漏れを防止した食品包装材。 6. 外側フイルムと内側フイルムの非接着部周縁の弱
接着性でかつ剥離するまでは外部と連通性のない易開通
構造部の弱接着部が、圧力により外部と開通する接着部
である、1項ないし5項のいずれか1項に記載された、
漏れを防止した食品包装材。 7. 外側フイルムと内側フイルムの非接着部周縁の弱
接着性でかつ剥離するまでは外部と連通性のない易開通
構造部の弱接着部が、容器を加熱した時内容物からの蒸
気の熱と圧力により外部と開通する接着部である、1項
ないし6項のいずれか1項に記載された、漏れを防止し
た食品包装材。 8. 耐水圧が1cmHO以上である微小透孔を有す
る気体透過−液体不透過層を設けた内側フイルムと、気
体と液体の両者を透過しない外側フイルムとの非接着部
周縁に設けた弱接着性でかつ剥離するまでは外部と連通
性のない易開通構造部の弱接着部が弱接着剤、粘着剤ま
たは感熱接着剤による接着力の弱い接着部である、1項
ないし7項のいずれか1項に記載された、漏れを防止し
た食品包装材。 9. 部分的に多数の貫通小孔または部分的に切開部を
設けたフイルムの外面または内面に、該多孔部または切
開部を覆って、気体は透過するが液体は透過しない気体
透過−液体不透過層を配設し、貫通小孔または切開部の
周辺で気体透過−液体不透過層を溶着した内側フイルム
と、該内側フイルムの外側に設けた気体も液体も透過し
ない気体−液体不透過フイルムとの積層体からなり、内
側フイルムと外側フイルムの間には多孔部または切開部
に連通する非接着部を設け、該内側フイルムと、該外側
フイルムとは少なくとも非接着部の周辺で溶着し一体に
結合しており、溶着部の少なくとも一部に非接着部に突
出し、非接着部の中心と非突起状の溶着部との最も短い
距離Lと、該非接着部の中心と突起状の溶着部の非接
着部と反対側の突起の先端の距離L2の間にL1>L2
の関係を満たす突起を設けて形成した易開通構造部を配
設してなる、漏れを防止した食品包装材。 10. 非接着部が水平面の断面が円形、楕円形または
多角形である、9項に記載された、漏れを防止した食品
包装材。 11. 非接着部が水平面の断面が円形、楕円形または
多角形以外の異形であって、非接着部の中心を異形の非
接着部に外接する仮想の円、楕円または多角形の中心と
した、9項に記載された、漏れを防止した食品包装材。 12. 気体透過−液体不透過層が耐水圧が1cmH
O以上である微小透孔を有する不織布、多孔質膜、孔開
け加工または切開加工した膜から選んだ膜で形成された
層である、9項ないし11項のいずれか1項に記載され
た、漏れを防止した食品包装材。 13. 気体と液体の両者を透過しない層である外側フ
イルムが合成樹脂フィルム、該フィルムの積層フィル
ム、これらに金属等を蒸着したフィルム、金属箔や紙と
の積層体から選んだ層である、9項ないし12項のいず
れか1項に記載された、漏れを防止した食品包装材。 14. 易開通構造部の剥離するまでは外部と連通性の
ない溶着部の外側フイルム側の突起の後端部を外部に露
出させて包装材の密封シール部に配設した、9項ないし
13項のいずれか1項に記載された、漏れを防止した食
品包装材。 15. 易開通構造部の外側フイルムと内側フイルムの
非接着部周縁に設けた剥離するまでは外部と連通性のな
い易開通構造部の溶着部が、圧力により外部と開通する
溶着部である、9項ないし14項のいずれか1項に記載
された、漏れを防止した食品包装材。 16. 外側フイルムと内側フイルムの非接着部周縁に
設けた剥離するまでは外部と連通性のない易開通構造部
の溶着部が、容器を加熱した時内容物からの蒸気の熱と
圧力により外部と開通する接着部である、9項ないし1
4項のいずれか1項に記載された、漏れを防止した食品
包装材。 17. 1項ないし16項のいずれか1項に記載された
食品包装材で形成した食品容器であって、内側フイルム
を内面とし易開通構造部の端部が外部に露出しており、
該易開通構造部は剥離するまでは外部と連通性のない接
合部で形成されていることを特徴とする、漏れを防止し
た食品容器。 18. 1項ないし16項のいずれか1項に記載された
食品包装材を内側フイルムを内面として形成した袋であ
り、易開通構造部の接合部の端部を外部に露出させて袋
の密封シール部に配設した、漏れを防止した食品包装容
器。 19. 袋の密封シール部が易開封性である、18項に
記載されれた漏れを防止した食品包装容器。 20. 1項ないし16項のいずれか1項に記載された
食品包装材を内側フイルムを内面としてカップ、トレ
ー、ボトル等の成形容器の開口部のフランジに接着して
蓋となし、蓋を形成する包装材の易開通構造部の接合部
の端部を外部に露出させて容器と蓋の密封シール部に配
設した、漏れを防止した食品包装容器。 21. 容器と蓋の密封シール部が易開封性である、2
0項に記載されれた漏れを防止した食品包装容器。 22. 内側フイルムの多孔部に配設した、耐水圧が1
cmHO以上である微小透孔を有する気体透過−液体
不透過層が不織布、多孔質膜、孔開け加工した膜から選
んだ膜で形成された層である、17項ないし21項のい
ずれか1項に記載された、漏れを防止した食品包装容
器。 23. 気体と液体の両者を透過しない外側フイルムが
合成樹脂フイルム、該フイルムの積層フイルム、これら
に金属等を蒸着したフイルム、金属箔や紙との積層体か
ら選んだ層である、17項ないし22項のいずれか1項
に記載された、漏れを防止した食品包装容器。 24. 部分的に多数の貫通小孔または部分的に切開部
を設けたフイルムの外面または内面に、該多孔部または
切開部を覆って、気体は透過するが液体は透過しない気
体透過−液体不透過層を配設し、貫通小孔または切開部
の周辺で気体透過−液体不透過層を溶着した内側フイル
ムと、該内側フイルムの外側に設けた気体も液体も透過
しない気体−液体不透過フイルムとの積層体からなり、
内側フイルムと外側フイルムの間には多孔部または切開
部に連通する非接着部を設け、該内側フイルムと、該外
側フイルムとは少なくとも非接着部の周辺で溶着し一体
に結合しており、外側フイルムの少なくとも一部の膜厚
を薄くした薄膜部を非接着部に連通する位置に配置して
形成した易穿孔性の易開通構造部を配設してなる、漏れ
を防止した食品包装容器。 25. 易穿孔性の易開通構造部が外側フイルムの少な
くとも一部をホットメルト型の合成樹脂で形成した低温
溶融部である、24項に記載された漏れを防止した食品
包装容器。 26. 易穿孔性の易開通構造部が外側フイルムの少な
くとも一部を切開し、易剥離性接着剤により他のフイル
ムを貼着して封止した易剥離性封止部である、24項に
記載された漏れを防止した食品包装容器。 27. 易穿孔性の易開通構造部が外側フイルムの少な
くとも一部を1軸延伸したフイルムで形成した易引裂部
である、24項に記載された漏れを防止した食品包装容
器。 28. 容器が袋であり、易穿孔性の易穿孔部を胴部に
配設した、24項ないし27項のいずれか1項に記載さ
れた、漏れを防止した食品包装容器。 29. 容器が、カップ、トレー、ボトル等の成形容器
であって、易穿孔性の易開通構造部を蓋の天板部に配設
した、24項ないし27項のいずれか1項に記載された
漏れを防止した食品包装容器。 30. 容器が、カップ、トレー、ボトル等の成形容器
であって、易穿孔性の易開通構造部を胴部の上部に配設
した、24項ないし27項のいずれか1項に記載された
漏れを防止した食品包装容器。 31. 容器本体が金属、ガラス、プラスチック、紙及
びこれらの積層体又は複合体で形成された、1項ないし
30項のいずれか1項に記載された、漏れを防止した食
品包装容器。」に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の包装材としては内面層を
部分的に多数の貫通小孔又は切開部を設けたフイルムの
該部分の片面に気体を透過するが液体を透過しない層を
配設し、この内面層と気体と液体の両者を透過しない外
面層との周縁熱溶融して溶着し両層を一体化し、内層と
外層の間に両層と接着しない非接着部を形成しこの溶着
部の一部に非接着部と連通する弱接着部を配置して形成
した易開通構造部が好適である。このように包装材と容
器の一部に易開通構造部を配設したのは、この包装材を
用いた容器を加熱すると内容物から発生した蒸気はガス
であるので内面層の気体透過−液体不透過膜及び貫通孔
や切開部を通って内面層と外面層の間に形成された非接
着部に侵入し、内面層と外面層を押圧する。内面層と外
面層の溶着部に形成された弱い接着力により接着されて
いる易開通構造部は蒸気の熱の圧により剥離し蒸気は剥
離部を通って外部に放出されるので容器の破裂は発生し
ない。この様な構造の易開通構造部は弱接着部が剥離し
たとき非接着部が外部と連通するため、弱接着部の少な
くとも一部が外部に露出していることが好ましく、容器
の端部に配設することにより簡単に露出させることがが
でき、蓋と容器本体の密着部や袋のシール部に設置する
ことが実用的である。
【0007】本発明で言う弱接着とは50℃以上の接着
力が内面層と容器との接着力より小さければよく、10
00g以下/cmの接着力を意味する。易開通構造部が
連通する非接着部の内面を気体を透過するが液体を透過
しない層としたので、店頭で加熱した容器を持ち帰る際
や、加熱して加熱装置から取り出すときに容器が転倒し
ても、非接着部には液体が侵入しないので内容物が漏洩
することはなく、安全かつ衛生的である。
【0008】本発明でいう気体が透過しない層とは透気
度が0.01cc/cm/sec以下の層であり、ま
た液体を透過しない層とは耐水圧が1cmHO以上の
層をいう。本発明の容器の気体透過−液体不透過膜は、
不織布、多孔質膜、孔開け加工した膜等であるが、気体
は透過し、液体は不透過の性能を得るため、それらの層
の材質や厚みそして孔径を調整し、耐水圧が1cmH
O以上である必要があり、特に、3cmHO以上の層
が効果が大きいが、耐水圧があまり大きいと材料が高価
格となる問題があるので1cmHO〜80cmH
が好ましい。なお、ここでいう耐水圧とはJIS L
1092の耐水度試験法のA法に準じる試験法である。
【0009】本発明の容器の内側層に適したプラスチッ
ク材料としては、気体透過−液体不透過膜と溶着し、且
つ、容器本体とは加熱後容器開封時に容易に開封するこ
とが必要であり、例えば、結晶性ポリプロピレン、結晶
性プロピレン−エチレン共重合体、結晶性ポリブテン−
1、結晶性ポリ4−メチルペンテン−1、低密度ポリエ
チレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直
鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体(EVA)、EVAケン化物、エチレン−アクリル酸
エチル共重合体(EEA)、イオン架橋オレフィン共重
合体(アイオノマー)、環状オレフィン等のポリオレフ
ィン類:ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体
等の芳香族ビニル共重合体:ポリアクリル系樹脂:ニト
リル共重合体:ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等の
熱可塑性樹脂フイルムやこれらのブレンド物フイルムそ
して積層フイルム等が使用される。また、本発明の容器
の易開通構造部の外面層に適したプラスチック材料とし
ては、例えば結晶性ポリプロピレン、結晶性プロピレン
−エチレン共重合体、結晶性ポリブテン−1、結晶性ポ
リ4−メチルペンテン−1、低密度ポリエチレン、中密
度ポリエチレン、あるいは高密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)、EVAケン化物、エチレン−アクリル酸エ
チル共重合体(EEA)、イオン架橋オレフィン共重合
体(アイオノマー)、環状オレフィン等のポリオレフィ
ン類;ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体等
の芳香族ビニル共重合体;ポリ塩化ビニル、塩化ビニリ
デン樹脂等のハロゲン化ビニル共重合体;ポリアクリル
系樹脂;アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリ
ロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体のようなニ
トリル重合体;ナイロン6、ナイロン66、パラ又はメ
タキシリレンアジパミドのようなポリアミド樹脂;ポリ
エチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタ
レート等のポリエステル類;各種ポリカーボネート;フ
ッ素系樹脂;ポリオキシメチレン等のポリアセタール類
等の熱可塑性樹脂フイルムや、これ等のフイルムを積層
したフイルムや、これ等に金属を蒸着したフイルムや、
金属箔、紙等との積層体が使用されるが、電子レンジ加
熱用には金属を用いることは好ましくない。
【0010】本発明の食品包装材の易開通構造部が連通
する内面層と外面層の間に配置された両層と接着しない
非接着部は両層間に空隙を形成してもよく、単に接着し
ないで両層が重なっている形状でもよい。内面層と外面
層は互いに強く接着されていてもよいが、非接着部に接
続する弱い接着力で接着した弱接着部が配置されていれ
ば、容器を加熱したときの蒸気熱圧が非接着部に侵入
し、そこに接続している弱接着部を剥離し、外部と連通
する。弱接着部は例えば接着力の弱い接着剤や粘着剤に
よる接着が用いられる。この他蒸気の熱により接着力が
低下する感熱性接着剤も使用される。このほか、易穿孔
性の易開通構造部や、非接着部の周辺の溶着部の一部を
非接着部側に突出させ、非接着部中心から突起状溶着部
以外の溶着部との最も短い距離Lと突起状溶着部の非
接着部と反対側の溶着部の突起先端との距離Lの間に
>Lの関係を満たす突起を形成することにより易
開通性とすることもできる。
【0011】本発明の他の発明である容器はカップ、ト
レー、ボトル等の成形品または袋である。本発明は本発
明の包装材を容器の少なくとも一部に使用することによ
り容器に易開通性を与えることができるものであり、容
器本体は通常の合成樹脂フイルム、紙、積層体等で形成
することができる。この他容器自体を本発明の気体は透
過するが液体を透過しない内面層と、気体と液体を透過
しない外面層とを積層した包装材で形成し、器壁や蓋の
一部に両層が接着しない非接着部を設け、該非接着部の
周縁の接着部の一部を弱接着として、容器の一部に易開
通構造部を配設することもできる。このように内面層と
外面層の周縁に弱接着部を設けた易開通構造部はカッ
プ、トレー、ボトル等の成形品の場合は容器本体と蓋体
との被蓋部に易開通構造部を設置することが好ましい。
袋の場合は袋を密封するシール部に易開通構造部を配置
することが好ましい。容器本体は金属、ガラス、プラス
チック、紙、これ等の積層体または複合体で形成され
る。蓋体も同様であるが、電子レンジ加熱用容器の場合
は金属を用いることは好ましくない。
【0012】また本発明において、容器の一部に配設す
る易開通構造部としては、前述の内面層と外面層の両層
の間に非接着部を設けその周縁の少なくとも一部に弱接
着部を設けたものの他、非接着部の外面層の非接着部と
連通する位置に設けた易穿孔性の易開通構造部、或いは
溶着部の一部に特別形状の突起を形成した易開通構造部
もある。このような易穿孔性の易開通構造部も内容物が
加熱されると発生した蒸気が非接着部に侵入し、内面側
フイルム層と外面側フイルム層を熱圧するので易穿孔性
易開通構造部が破れ穿孔して外部も開通し容器の破裂は
防止される。易穿孔性の易開通構造部としては、非接着
部の外面層の少なくとも一部の膜厚を薄くした薄膜部
や、非接着部の外面層の少なくとも一部をホットメルト
型の合成樹脂で形成した低温溶融部や、接着部の外面層
の一部を切開し、この切開部に易剥離性接着剤により他
のフイルムを貼着して封止した易剥離封止部や、非接着
部の外面層の少なくとも一部を1軸延伸フイルムで形成
した易引裂部等がある。易穿孔性の易開通構造部として
ホットメルト型合成樹脂で形成した低温溶融部を配設す
る場合は外面層フイルムに孔を配設し、この孔をホット
メルト型合成樹脂で埋めるのが実際的である。容器が袋
の場合は易穿孔性の構造部を設けた易開通構造部は胴部
に設けることが好ましく、容器がカップ、トレー、ボト
ル等の成形容器の場合は蓋の天板や容器の胴部の上部に
配設することが好ましい。
【0013】また、易開通構造部が非接着部の周縁の外
側フイルムと内側フイルムの溶着部の少なくとも一部に
非接着部側に突出した突起状の溶着部を形成し、該突起
状溶着部の形状が非接着部の中心から突起状でない溶着
部の最短距離Lと、突起状溶着部の非接着部の反対側
の突起の先端との距離Lの間にL>Lの関係を満
たす構造部でもよい。この形状の溶着部は内容物が加熱
されて発生した蒸気が非接着部に侵入し、内側フイルム
と外側フイルムを熱圧すると両フイルムは突起状溶着部
の先端部から剥離が始まり、進行する。そして非突起状
溶着部の位置まで剥離すると剥離させる力は非突起状の
溶着部と同一となり、剥離が停止する。ところが、突起
状溶着部の非接着部と反対側の突起の先端が、非突起状
の溶着部より非接着部側にあると、この先端部も剥離す
るので外部に開通する。このように溶着部の構造を一部
に突起形状を設け非接着部と反対側の突起の先端が、非
突起状の溶着部より非接着部側にあると内圧を受けて剥
離がこの先端部から発生するが単に溶着部に突起状部を
設けただけでは外部と開通しない。剥離は非突起状の溶
着部の位置で停止するから、剥離が非突起状の溶着部の
位置に達する前に開通しなければならない。そのために
は突起状溶着部の形状が、非接着部の中心から突起状で
ない溶着部との最も短い距離Lと、突起状溶着部の非
接着部の反対側の突起の先端との距離Lの間にL
の関係を満たさなければならない。この関係を満た
す突起状の溶着部は必ず非接着部と反対側の突起の先端
が、非突起状の溶着部より非接着部側にあるので易開通
部となるのである。
【0014】非接着部中心を通る水平面の断面が円形の
場合Lは円の半径となり、多角形の場合は中心と辺の
最短距離となり、楕円の場合は短径の半径となる。非接
着部が水平面の断面が円、楕円、多角形以外の異形の場
合は非接着部の中心は、これ等の異形の接着部に外接す
る仮想の円、楕円、または多角形の中心として突起状溶
着部の構造をL>Lとすれば易開通構造部となる。
容器本体、蓋、袋等は金属、ガラス、プラスチック、紙
及びこれ等の積層体または複合体で形成することができ
る。容器の加熱は電子レンジ加熱の他湯煎加熱、直火加
熱、電磁加熱が用いられる。
【0015】
【実施例】本発明を実施例について具体的に説明する。
【0016】図1は容器として成形体を用い内面層と外
面層の周縁の少なくとも一部を弱接着した易開通構造部
9を配設した実施例である。1は容器本体である。2は
開口部を密封する蓋体であって、本発明の包装材で形成
されており、気体と液体を透過しない外面層3と液体を
透過しないが気体を透過する気体透過−液体不透過層を
配設した内面層4とを積層してなり両層間に非接着部5
が配設されている。易開通構造部9の弱接着部は通気性
を遮断した接着でなければならない。そうでないとこの
易開通構造部の内面層はガス透過性を有するため外気が
侵入し、菌、異臭等により汚染され、また内気や内容物
の水分が放出されるため内容物の品質変化が発生するか
らである。蓋体の周縁部は容器本体外周縁に設置された
フランジ11に接着されている。この例では易開通構造
部9の端部は外部に露出している。本発明の包装材で形
成された蓋2の内側フイルムに配設された、気体透過−
液体不透過層は、内側フイルムに部分的に設けた多数の
貫通小孔6の片面に気体は透過するが液体を透過しない
層7を周縁部を内側フイルムに熱溶着して配置し形成さ
れる。8は熱溶着部である。この気体透過−液体不透過
層は非接着部5に連通する位置に配置されている。気体
透過−液体不透過層は外側フイルムとは接着していな
い。外側フイルムと内側フイルムは非接着部5の周縁で
熱溶着され、積層体となるが、外側フイルムと内側フイ
ルムの熱溶着部の少なくとも一部を弱接着させることに
より易開通構造部9を形成する。勿論熱溶着部の全体を
弱接着部としてもよい。この様な弱接着部は例えば外側
フイルムをポリエチレンフイルムとし、内側フイルムを
ポリプロピレンまたはポリプロピレンとポリエチレンの
ブレンド物フイルムとすることにより弱接着部とするこ
とができる。10は容器の開口部のフランジ11と蓋2
の内側フイルムが熱溶着された易開封部であって、蓋を
開ける時易開封性であれば容易に開口できる利点があ
る。このような易開封部はフランジと内側フイルムを易
開封性となるように組み合わせればよく、例えば容器を
ポリエチレンで作り、内側フイルムとしてポリプロピレ
ンとポリエチレンのブレンドを用いる。
【0017】図2は容器本体のフランジと蓋体の一部に
形成された易開通構造部9を拡大して説明する。フラン
ジ11には蓋体の易開通構造部の内面層である膜4が易
剥離接着10している。この易剥離接着は加熱時に内容
物からの蒸気圧で開封しない接着強度があればよく、該
接着強度を有するものであれば加熱後開封するのに便利
な易剥離性シールが好ましい。蓋体の外面層である3は
弱い接着力の易剥離性接着部で内面層4に接着してい
る。内面層と外面層の間には非接着部5が形成されてお
り、該非接着部5に接触して易開通構造部9が配設され
ている。
【0018】図3は容器が加熱されたところを示す。蒸
気は矢印の方向に運動して気体を透過する内面層の多孔
部6と気体を透過するが液体を透過しない層7を透過し
て非接着部5に侵入し、気体を透過しない外面層3を押
し上げる。このため蓋体と容器本体の弱接着部で形成さ
れる易開通構造部9に圧力が加えられる。図4は蓋体の
外面層3と内面層4を接着している弱い接着力の易剥離
性接着部が剥離し、非接着部5が外方と開通して蒸気が
放出されるところを示す。内面層4は容器本体のフラン
ジ7とより強い接着力で接着しているので蒸気圧では剥
離しない。蒸気圧による剥離はもっぱら外面層と内面層
を弱い接着力で接着して形成されている易開通構造部に
発生する。
【0019】図5は加熱し弱い易剥離性接着部は剥離し
非接着部が外部と開通した容器を転倒したところを示
す。液体は内面層に向って移動するが内面層は液体を透
過しないので非接着部に流入せず、剥離した開通部から
外方に流出することはない。つまり転倒しても漏洩しな
いのである。図6は容器を蓋の上方から俯瞰した図であ
り、11はフランジとの接着部、9は易開通構造部であ
り、この例のように両端に配設されてもよく一端のみで
もよい。5は内面層と外面層の間に形成された非接着部
5である。8は溶着部、7は気体は透過するが液体は透
過しない層である。このように易開通構造部は容器の一
部に形成されていればよく、この例で蓋とフランジの接
着部全面を易開通構造部としてもよい。このように全面
を該積層構造としても加熱したとき易開通構造部の何処
かが剥離するだけであり、内面層が残るので漏洩は生じ
ない。
【0020】図7は容器が袋の場合である。9は易開通
構造部であり、5の部分には内面層と外面層の間に非接
着部が形成されている。7は気体は透過するが液体は透
過しない層であり、8は該層と内側フイルムの溶着部で
ある。この例は四方シールの袋であるが図8の如く三方
シールの袋としても同様である。袋の場合も袋の一部に
このような易開通構造部を設ければよい。図9は容器が
袋の場合の易開通構造部の説明図である。3は液体も気
体も透過しない外面層である。4は内面層であって、内
側フイルムに設けられた多孔部6の内側に気体は透過す
るが液体は透過しない層7が配置されている。5は両層
間に設けられた非接着部であり、9は内面層と外面層の
間に設けられた弱い接着力で接着した接着部で形成され
た易開通構造部である。
【0021】図10は容器が成形体であり、容器の少な
くとも一部に設けた易開通構造部が内面層と外面層の間
に設けられた非接着部の外面層に易穿孔部を配設した構
造部からなる例である。1は容器本体であり、蓋2が容
器本体のフランジ11に接着している。蓋はガスも液体
も透過しない外面層3とガスは透過するが液体は透過し
ない層を配置した内面層4からなり、両層の間には非接
着部5が設けられている。非接着部の周縁は強接着であ
る。非接着部の外面層には易穿孔性易開通構造部12が
設置されている。
【0022】図11は易穿孔部の例を示し、非接着部5
の上方の外面層3の一部の膜厚を薄くして易穿孔性易開
通構造部12とした例である。容器を加熱すると蒸気は
ガスを透過する内面層4を通って矢印の方向に移動して
非接着部5に侵入し外面層を押し上げる。こうして内圧
が大きくなると外面層の薄肉部13は破れて穿孔し蒸気
は外方に脱出する。容器が倒れても内面層は液体を通さ
ないので洩れることはない。図12は、ホットメルト型
樹脂で易穿孔部を形成した例である。12は易穿孔性易
開通構造部であって、非接着部5の上方の外面層に予め
孔14を設けこの孔をホットメルト型樹脂15で充填し
て易穿孔部とする。容器を加熱すると蒸気はガスを透過
する内面層4を通って矢印の方向に移動して非接着部5
に侵入し外面層を押し上げる。こうして内圧が大きくな
り、易穿孔性易開通構造部12は加熱加圧されるのでホ
ットメルト型樹脂が溶融し穿孔される。図13は易剥離
性樹脂を用いて穿孔性易開通構造部を形成した例であ
る。12は易穿孔性易開通構造部であって、非接着部5
の上方の外面層に予め孔を設けこの孔に易剥離性接着剤
16を用いて他のフイルム17を貼着して孔を封止し易
穿孔性易開通構造部とする。容器を加熱すると蒸気はガ
スを透過する内面層4を通って矢印の方向に移動して非
接着部5に侵入し外面層を押し上げる。こうして内圧が
大きくなると易剥離性接着剤は剥離し孔があいて蒸気は
外方に脱出する。この該非接着部の外面層の少なくとも
一部を一軸延伸フイルムで形成し、蒸気圧で開裂させる
穿孔部からなる易開通構造部も用いられる。以上の例で
は易開通構造部蓋に配設したが胴部、特に胴部上方に設
けることも好ましい。また袋の場合はこのような易穿孔
部からなる易開通構造部は袋の胴部に配設することが実
用上有利である。
【0023】図14は外側フイルムと内側フイルムの非
接着部と連通する位置の該接着部の周縁の溶着部の少な
くとも一部に非接着部に突出し、非接着部の中心と非突
起状の溶着部との最も短い距離Lと突起状の溶着部の
非接着部と反対側の突起の先端の距離Lの間にL
の関係を満たす突起を設けて形成した易開通構造部
を配設した例である。内側フイルムと外側フイルムを溶
着部18によって溶着し、非接着部5が形成されてい
る。溶着部18の一部に非接着部5内に向って突出する
突起状溶着部19が配設されており、この溶着部19の
非接着部と反対側には突起20が形成されている。非接
着部の中心21と非突起状溶着部との最短距離Lと溶
着部19の非接着部と反対側の突起20の先端との距離
の間にはL>Lの関係が満たされなければなら
ない。内圧が大きくなると、内側フイルムと外側フイル
ムは突起状溶着部の先端から剥離する。この例では溶着
部19の非接着部と反対側の突起状溶着部の先端まで剥
離して開通するが、例えば図15に示すように溶着部1
9の非接着部と反対側の突起20の先端が非突起状溶着
部の中心部よりの最短距離より長い距離の位置、つまり
非突起状溶着部18の内側表面より外側にある場合は突
起状溶着部先端で生じた距離は非突起状溶着部の内側表
面で停止する。つまりこの点まで剥離すると剥離力は非
突起状溶着部と同一になるため小さい内圧では剥離せ
ず、もし剥離が生ずる場合も突起状溶着部の位置には限
らない。したがって易開通構造部とはならない。このよ
うに非突起状溶着部のどこかに、中心との距離が溶着部
19の非接着部と反対側の突起20の先端より短い箇所
があっては易開通構造部とならないので、非溶着部中心
と溶着部19の非接着部と反対側の突起20の距離L
と非接着部中心と非突起状溶着部との最短距離Lの間
にはL>Lの関係を満たすことが必要である。この
関係を満たせば突起の形状は、V字型、U字型、W字型
等どのような形でもよい。
【0024】次に非接着部の中心について説明する。非
接着部は種々の形状とすることができる。内容物が加熱
されて発生した水蒸気が侵入すると膨らんで球状等とな
るが加熱前は平面状となっているので平面状で説明す
る。非接着部が円形、楕円形、多角形状である場合は、
非接着部の中心はこれ等の形状の中心となり、またL
は円形の場合は半径、楕円の場合は短径の半径となる。
多角形の場合は中心と辺の最短距離となる。非接着部が
円、楕円、多角形以外の形状、いわゆる異形の場合はこ
の形状に外接する仮想の円、楕円、多角形の中心が非接
着部の中心となる。このような場合もL>Lが満足
される突起状溶着部であれば易開通構造部となる。この
例では融着部の一部にV字形状の融着部を設けて、V字
の先端に内圧がかかり、弱い内圧でも剥離する形状とす
る易開通構造部とした。このような構造では、内圧がV
字の先端に集中し、溶着部の接着強度が強くても、弱い
内圧で、剥離は開始し、V字以外の溶着部に内圧がかか
る前にV字部が剥離し、非接着部と外部が開通すること
によって、溶着部が強接着でも容易に開通する。
【0025】実施例1 外側フイルムとして12μmのBOPETフイルムと3
0μmLLDPE(線状低密度ポリエチレン)フイルム
を接着材を用いてラミネートした積層フイルムをBOP
ETを外側にして使用した。内側フイルムはポリプロピ
レンとポリプロピレン+ポリエチレンのブレンド物の積
層体(厚み30μm)のフイルムに長さ10mmの貫通
線状切り込みを2個いれ、ポリプロピレン+ポリエチレ
ンのブレンド層を内側として用いた。この切り込み部の
外側面にPP製不織布(三井石油化学製 シンテックス
MBV3050N1E、通気度:25cc/cm/s
ec)を切り込みを覆うように配置し、周縁部を熱接着
し、気体透過−液体不透過膜層を形成した。外側フイル
ムと内側フイルムを積層し、周縁部を融着し、外側フイ
ルムと内側フイルムの間に両フイルムに接着しない非接
着部を形成した。非接着部と連通する位置に内側フイル
ムの気体透過−液体不透過膜層が配置されている。この
食品包装材を蓋体とし、フランジを有するPP製カップ
(フランジ径:75mm、口径:60mm、底径:50
mm、高さ:35mm、内容積:90cc)に内容物と
して、水を70cc充填し、蓋体をフランジにヒートシ
ールして得た図1のカップを用いた。PP製カップと内
側フイルムの接着強度は1800g/15mmの易剥離
性であり、内側フイルムと外側フイルムの接着強度は2
50g/15mmの弱接着であった。この容器をJIS
−Z0200の自由落下試験レベル1(落下高さ80c
m)に準じて落下試験を行ったが、内側フイルム及び外
側フイルムのシール部の破損または気体透過−液体不透
過膜の破損等もなかった。またこの容器を電子レンジ
(500W)で3分間加熱した結果、容器の破裂もな
く、内容物は沸騰した。さらに加熱後容器を転倒させて
も、内容物が漏洩することもなかった。
【0026】比較例1 内側フイルムと外側フイルムとの層間において、気体透
過−液体不透過膜層と連通する位置に非接着部がないよ
うに全面接着した以外は実施例1と同じ容器を形成し、
電子レンジ加熱を行った結果、加熱1分後に内容物の内
圧上昇にともない容器が破裂した。
【0027】比較例2 通気量が280cc/cm/secである多孔質膜P
P膜を気体透過−液体不透過膜層として使用した以外は
実施例1と同じ容器を形成し、電子レンジ加熱を行った
結果、加熱3分でも容器の破裂は生じなかったが、加熱
後容器を転倒した場合、内容物が漏洩した。
【0028】比較例3 内側フイルムにPP製不織布(三井石油化学製 シンテ
ックスMBV3050N1E、通気度:25cc/cm
/sec)を用いた以外は実施例1と同じ容器を形成
した。この容器をJIS−Z0200の自由落下試験レ
ベル1(落下高さ80cm)に準じて落下試験を行った
結果、内側フイルムのシール部が破損し、内側フイルム
と外側フイルム間の非接着部に内容物が侵入した。この
容器を電子レンジ加熱を行った結果、加熱3分でも容器
の破裂は生じなかったが、加熱後容器を転倒した場合、
内容物が漏洩した。
【0029】比較例4 内側フイルムと外側フイルムとの接着を熱シールではな
く、強接着(1500g/15mm)であるウレタン系
接着剤で接着したこと以外は実施例1と同じ容器を形成
し、電子レンジ加熱を行った結果、加熱1分後に内容物
の内圧上昇に伴い容器が破裂した。
【0030】実施例2 内側フイルムと外側フイルムとの接着を熱シールではな
く、粘着剤(リンテック株式会社製、スーパーテック
PET−20)を用い、接着したこと以外は実施例1と
同じ容器を形成した。PP製カップと内側フイルムの接
着強度は1800g/15mmの易剥離性であり、内側
フイルムと外側フイルムの接着強度は100g/15m
mの弱接着であった。この容器をJIS−Z0200の
自由落下試験レベル1(落下高さ80cm)に準じて落
下試験を行ったが、内側フイルム及び外側フイルムのシ
ール部の破損または気体透過−液体不透過膜の破損等も
なかった。またこの容器を電子レンジ(500W)で3
分間加熱した結果、容器の破損もなく、内容物は沸騰し
た。更に加熱後容器を転倒させても、内容物が漏洩する
こともなかった。
【0031】実施例3 内側フイルムの切り込みの代わりに直径2mmの貫通小
孔を5個開け、気体透過−液体不透過膜層にPP製不織
布(三井石油化学製シンテックスMB、V3040N1
E、通気度:35cc/cm/sec)を用い、外側
フイルムとして50μPP/接着剤/12μポリエステ
ル積層体を用い、PP層を内面として熱接着を行った。
また外側フイルムの非接着部に連通する位置に直径2m
mの貫通孔(孔の数3個)を開け、EVA系のホットメ
ルト用コーティング剤で封孔処理をしたこと以外は実施
例1と同じ容器を形成した。この容器の内側フイルムと
外側フイルムとの接着強度は2400g/15mmであ
った。この容器をJIS−Z0200の自由落下試験レ
ベル1(落下高さ80cm)に準じて落下試験を行った
が、内側フイルム及び外側フイルムのシール部の破損ま
たは気体透過−液体不透過膜の破損等もなかった。また
この容器を電子レンジ(500W)で3分間加熱した結
果、容器の破裂もなく、内容物は沸騰した。さらに加熱
後容器を転倒させても、内容物が漏洩することもなかっ
た。
【0032】実施例4 外側フイルムの孔開け加工の代わりに、非接着部に位置
するPP/接着剤/ポリエステル積層体にPP層から刃
物を押しあてることにより十文字の傷を付けたこと以外
は実施例3と同じ容器を形成した。十文字の傷は非接着
部のほぼ中央の位置で、長さ約20mmであった。この
容器をJIS−Z0200の自由落下試験レベル1(落
下高さ80cm)に準じて落下試験を行ったが、内側フ
イルム及び外側フイルムのシール部の破損または気体透
過−液体不透過膜の破損等もなかった。またこの容器を
電子レンジ(500W)で3分間加熱した結果、容器の
破裂もなく、内容物は沸騰した。さらに加熱後容器を転
倒させても、不織布が内容物が漏洩することもなかっ
た。
【0033】実施例5 外側フイルムの孔開け加工の代わりに、非接着部に位置
するPP/接着剤/ポリエステル積層体に15mmの貫
通切り込みをいれ、その外面にEVA系弱接着剤で12
μのポリエステルフイルムを部分的に貼着し、封止した
こと以外は実施例3と同じ容器を形成した。この容器を
JIS−Z0200の自由落下試験レベル1(落下高さ
80cm)に準じて落下試験を行ったが、内側フイルム
及び外側フイルムのシール部の破損または気体透過−液
体不透過膜の破損等もなかった。またこの容器を湯煎で
加熱した結果、蓋材(PP/接着剤/ポリエステル積層
体)外面層の非接着部は膨張し、外面のEVA系接着剤
を介した12μのポリエステルフイルムの一部分が剥離
し、容器の破裂もなく、内容物は沸騰した。さらに加熱
後容器を転倒させても、内容物が漏洩することもなかっ
た。
【0034】実施例6 外側フイルムとして12μmのBOPETフイルムと3
0μmLLDPE(線状低密度ポリエチレン)フイルム
を接着材を用いてラミネートした積層フイルムをBOP
ETを外側にして使用した。内側フイルムはポリプロピ
レン(厚み30μm)のフイルムに長さ10mmの貫通
線状切り込みを2個いれ、この切り込み部の外側面にP
P製不織布(三井石油化学製 シンテックスMBV30
50N1E、通気度:25cc/cm/sec)を切
り込みを覆うように配置し、周縁部を熱接着し、気体透
過−液体不透過層を形成した。外側フイルムと内側フイ
ルムを積層し、周縁部を融着し、外側フイルムと内側フ
イルムの間に両フイルムに接着しない非接着部を形成し
た。非接着部と連通する位置に内側フイルムの気体透過
−液体不透過膜層が配置されている。この積層体を用い
て、外寸40×80mmの三方シール袋を成形し、内容
物として、醤油を10cc充填した。内側フイルムの切
り込み部が上面にくるように配置し、電子レンジ(50
0W)で1分間加熱した結果、袋は容器の破裂せず、ま
た内容物も漏洩することもなかった。
【0035】実施例7 フランジを有する金属/PP積層製カップ以外は実施例
1と同じ構成の容器を形成した。この容器をJIS−Z
0200の自由落下試験レベル1(落下高さ80cm)
に準じて落下試験を行ったが、内側フイルム及び外側フ
イルムのシール部の破損または気体透過−液体不透過膜
の破損等もなかった。またこの容器を湯煎で加熱した結
果、容器の破裂もなく、内容物は沸騰した。さらに加熱
後容器を転倒させても、内容物が漏洩することもなかっ
た。
【0036】実施例8 フランジを有するPP製カップ(フランジ径:85m
m、口径:60mm、底径:50mm、高さ:35m
m、内容積:90cc)の寸法、シール形状が図14で
あること以外は実施例1と同じ容器を形成した。シール
部の形状は図14に示した通り、V字が対角に配置さ
れ、シール巾は2mm、V字の大きさは6.4mmでV
字以外のシール部の内側端部(内径:76mm)よりV
字の先端の外側の方が容器の中心に近い(V字先端の外
側間の距離:74mm)、形状をしている。この容器を
JIS−Z0200の自由落下試験レベル1(落下高さ
80cm)に準じて落下試験を行ったが、内側フイルム
及び外側フイルムのシール部の破損または気体透過−液
体不透過膜の破損等もなかった。またこの容器を電子レ
ンジ(500W)で3分間加熱した結果、容器の破裂も
なく、内容物は沸騰した。さらに加熱後容器を転倒させ
ても、不織布が内容物が漏洩することもなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明は食品包装容器の落下強度が強
く、破裂することなく、そのまま加熱が可能で、加熱後
の輸送時および容器が転倒した場合も、内容物が漏洩せ
ず流通工程で内容物の汚染が発生しない効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】成形体容器を用いた実施例の説明図である。
【図2】易開通構造部の拡大図である。
【図3】容器が加熱された場合の説明図である。
【図4】開通したところを示す説明図である。
【図5】開通転倒し易の洩れないことを示す説明図であ
る。
【図6】蓋と易開通構造部の説明図である。
【図7】四方シール袋を用いた実施例の説明図である。
【図8】三方シール袋を用いた実施例の説明図である。
【図9】袋の易開通構造部の拡大図である。
【図10】易開通構造部として易穿孔性易開通構造部を
用い容器の蓋に配設した実施例の説明図である。
【図11】薄膜の易穿孔性易開通構造部の拡大図であ
る。
【図12】ホットメルト樹脂を用いた易穿孔性易開通構
造部の拡大図である。
【図13】易剥離性樹脂を用いた易穿孔性易開通構造部
の拡大図である。
【図14】突起状の溶着部を設けた形状の易開通構造部
の説明図である。
【図15】易開通構造部とならない突起状溶着部の説明
図である。
【符号の説明】
1 容器本体 2 蓋 3 外面層 4 内面層 5 非接着部 6 多孔部 7 気体透過−液体不透過膜 8 気体透過−液体不透過膜と多孔部の溶着部 9 易開通構造部 10 易剥離性接着部 11 フランジ 12 易穿孔性の易開通構造部 13 肉薄部 14 孔 15 ホットメルト型樹脂充填部 16 易剥離性接着層 17 封止フイルム 18 内側フイルム外側フイルムの溶着部 19 突起状溶着部 20 突起状溶着部の非接着反対側突起 21 非接着部の中心 L 非接着部の中心と非接着部反対側突起の距離 L 非接着部中心と非突起状溶着部の最短距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E086 AD01 AD04 AD05 AD06 BA04 BA13 BA15 BA40 BB02 BB41 BB47 BB51 BB71 CA01

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部分的に多数の貫通小孔または部分的に
    切開部を設けたフイルムの外面または内面に、該多孔部
    または切開部を覆って、気体は透過するが液体は透過し
    ない気体透過−液体不透過層を配設し、貫通小孔または
    切開部の周辺で気体透過−液体不透過層を溶着した内側
    フイルムと、該内側フイルムの外側に設けた気体も液体
    も透過しない気体−液体不透過フイルムとの積層体から
    なり、内側フイルムと外側フイルムの間には多孔部また
    は切開部に連通する非接着部を設け、該内側フイルム
    と、該外側フイルムとは少なくとも非接着部の周辺で溶
    着し一体に結合しており、溶着部の少なくとも一部に非
    接着部と連通する弱接着部を設置した易開通構造部を配
    設して形成してなる、漏れを防止した食品包装材。
  2. 【請求項2】 気体透過−液体不透過層が耐水圧が1c
    mHO以上である微小透孔を有する不織布、多孔質
    膜、孔開け加工または切開加工した膜から選んだ膜で形
    成された層である、請求項1に記載された、漏れを防止
    した食品包装材。
  3. 【請求項3】 気体と液体の両者を透過しない層である
    外側フイルムが合成樹脂フィルム、該フィルムの積層フ
    ィルム、これらに金属等を蒸着したフィルム、金属箔や
    紙との積層体から選んだ層である、請求項1または2に
    記載された、漏れを防止した食品包装材。
  4. 【請求項4】 易開通構造部が内側フイルムと外側フイ
    ルムの非接着部の周縁の少なくとも一部を弱接着性でか
    つ剥離するまでは外部と連通性のない接着部により接着
    し、他の周縁は強固な接着部で接着した構造部である、
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載された、漏れを
    防止した食品包装材。
  5. 【請求項5】 易開通構造部の弱接着性でかつ剥離する
    までは外部と連通性のない接着部の端部を外部に露出さ
    せて包装材の密封シール部に配設した、請求項1ないし
    4のいずれか1項に記載された、漏れを防止した食品包
    装材。
  6. 【請求項6】 外側フイルムと内側フイルムの非接着部
    周縁の弱接着性でかつ剥離するまでは外部と連通性のな
    い易開通構造部の弱接着部が、圧力により外部と開通す
    る接着部である、請求項1ないし5のいずれか1項に記
    載された、漏れを防止した食品包装材。
  7. 【請求項7】 外側フイルムと内側フイルムの非接着部
    周縁の弱接着性でかつ剥離するまでは外部と連通性のな
    い易開通構造部の弱接着部が、容器を加熱した時内容物
    からの蒸気の熱と圧力により外部と開通する接着部であ
    る、請求項1ないし6のいずれか1項に記載された、漏
    れを防止した食品包装材。
  8. 【請求項8】 耐水圧が1cmHO以上である微小透
    孔を有する気体透過−液体不透過層を設けた内側フイル
    ムと、気体と液体の両者を透過しない外側フイルムとの
    非接着部周縁に設けた弱接着性でかつ剥離するまでは外
    部と連通性のない易開通構造部の弱接着部が弱接着剤、
    粘着剤または感熱接着剤による接着力の弱い接着部であ
    る、請求項1ないし7のいずれか1項に記載された、漏
    れを防止した食品包装材。
  9. 【請求項9】 部分的に多数の貫通小孔または部分的に
    切開部を設けたフイルムの外面または内面に、該多孔部
    または切開部を覆って、気体は透過するが液体は透過し
    ない気体透過−液体不透過層を配設し、貫通小孔または
    切開部の周辺で気体透過−液体不透過層を溶着した内側
    フイルムと、該内側フイルムの外側に設けた気体も液体
    も透過しない気体−液体不透過フイルムとの積層体から
    なり、内側フイルムと外側フイルムの間には多孔部また
    は切開部に連通する非接着部を設け、該内側フイルム
    と、該外側フイルムとは少なくとも非接着部の周辺で溶
    着し一体に結合しており、溶着部の少なくとも一部に非
    接着部に突出し、非接着部の中心と非突起状の溶着部と
    の最も短い距離Lと、該非接着部の中心と突起状の溶
    着部の非接着部と反対側の突起の先端の距離Lの間に
    >Lの関係を満たす突起を設けて形成した易開通
    構造部を配設してなる、漏れを防止した食品包装材。
  10. 【請求項10】 非接着部が水平面の断面が円形、楕円
    形または多角形である、請求項9に記載された、漏れを
    防止した食品包装材。
  11. 【請求項11】 非接着部が水平面の断面が円形、楕円
    形または多角形以外の異形であって、非接着部の中心を
    異形の非接着部に外接する仮想の円、楕円または多角形
    の中心とした、請求項9に記載された、漏れを防止した
    食品包装材。
  12. 【請求項12】 気体透過−液体不透過層が耐水圧が1
    cmH2O以上である微小透孔を有する不織布、多孔質
    膜、孔開け加工または切開加工した膜から選んだ膜で形
    成された層である、請求項9ないし11のいずれか1項
    に記載された、漏れを防止した食品包装材。
  13. 【請求項13】 気体と液体の両者を透過しない層であ
    る外側フイルムが合成樹脂フィルム、該フィルムの積層
    フィルム、これらに金属等を蒸着したフィルム、金属箔
    や紙との積層体から選んだ層である、請求項9ないし1
    2のいずれか1項に記載された、漏れを防止した食品包
    装材。
  14. 【請求項14】 易開通構造部の剥離するまでは外部と
    連通性のない溶着部の外側フイルム側の突起の後端部を
    外部に露出させて包装材の密封シール部に配設した、請
    求項9ないし13のいずれか1項に記載された、漏れを
    防止した食品包装材。
  15. 【請求項15】 易開通構造部の外側フイルムと内側フ
    イルムの非接着部周縁に設けた剥離するまでは外部と連
    通性のない易開通構造部の溶着部が、圧力により外部と
    開通する溶着部である、請求項9ないし14のいずれか
    1項に記載された、漏れを防止した食品包装材。
  16. 【請求項16】 外側フイルムと内側フイルムの非接着
    部周縁に設けた剥離するまでは外部と連通性のない易開
    通構造部の溶着部が、容器を加熱した時内容物からの蒸
    気の熱と圧力により外部と開通する接着部である、請求
    項9ないし14のいずれか1項に記載された、漏れを防
    止した食品包装材。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし16のいずれか1項に
    記載された食品包装材で形成した食品容器であって、内
    側フイルムを内面とし易開通構造部の端部が外部に露出
    しており、該易開通構造部は剥離するまでは外部と連通
    性のない接合部で形成されていることを特徴とする、漏
    れを防止した食品容器。
  18. 【請求項18】 請求項1ないし16のいずれか1項に
    記載された食品包装材を内側フイルムを内面として形成
    した袋であり、易開通構造部の接合部の端部を外部に露
    出させて袋の密封シール部に配設した、漏れを防止した
    食品包装容器。
  19. 【請求項19】 袋の密封シール部が易開封性である、
    請求項18に記載されれた漏れを防止した食品包装容
    器。
  20. 【請求項20】 請求項1ないし16のいずれか1項に
    記載された食品包装材を内側フイルムを内面としてカッ
    プ、トレー、ボトル等の成形容器の開口部のフランジに
    接着して蓋となし、蓋を形成する包装材の易開通構造部
    の接合部の端部を外部に露出させて容器と蓋の密封シー
    ル部に配設した、漏れを防止した食品包装容器。
  21. 【請求項21】 容器と蓋の密封シール部が易開封性で
    ある、請求項20に記載されれた漏れを防止した食品包
    装容器。
  22. 【請求項22】 内側フイルムの多孔部に配設した、耐
    水圧が1cmHO以上である微小透孔を有する気体透
    過−液体不透過層が不織布、多孔質膜、孔開け加工した
    膜から選んだ膜で形成された層である、請求項17ない
    し21のいずれか1項に記載された、漏れを防止した食
    品包装容器。
  23. 【請求項23】 気体と液体の両者を透過しない外側フ
    イルムが合成樹脂フイルム、該フイルムの積層フイル
    ム、これらに金属等を蒸着したフイルム、金属箔や紙と
    の積層体から選んだ層である、請求項17ないし22の
    いずれか1項に記載された、漏れを防止した食品包装容
    器。
  24. 【請求項24】 部分的に多数の貫通小孔または部分的
    に切開部を設けたフイルムの外面または内面に、該多孔
    部または切開部を覆って、気体は透過するが液体は透過
    しない気体透過−液体不透過層を配設し、貫通小孔また
    は切開部の周辺で気体透過−液体不透過層を溶着した内
    側フイルムと、該内側フイルムの外側に設けた気体も液
    体も透過しない気体−液体不透過フイルムとの積層体か
    らなり、内側フイルムと外側フイルムの間には多孔部ま
    たは切開部に連通する非接着部を設け、該内側フイルム
    と、該外側フイルムとは少なくとも非接着部の周辺で溶
    着し一体に結合しており、外側フイルムの少なくとも一
    部の膜厚を薄くした薄膜部を非接着部に連通する位置に
    配置して形成した易穿孔性の易開通構造部を配設してな
    る、漏れを防止した食品包装容器。
  25. 【請求項25】 易穿孔性の易開通構造部が外側フイル
    ムの少なくとも一部をホットメルト型の合成樹脂で形成
    した低温溶融部である、請求項24に記載された漏れを
    防止した食品包装容器。
  26. 【請求項26】 易穿孔性の易開通構造部が外側フイル
    ムの少なくとも一部を切開し、易剥離性接着剤により他
    のフイルムを貼着して封止した易剥離性封止部である、
    請求項24に記載された漏れを防止した食品包装容器。
  27. 【請求項27】 易穿孔性の易開通構造部が外側フイル
    ムの少なくとも一部を1軸延伸したフイルムで形成した
    易引裂部である、請求項24に記載された漏れを防止し
    た食品包装容器。
  28. 【請求項28】 容器が袋であり、易穿孔性の易穿孔部
    を胴部に配設した、請求項24ないし27のいずれか1
    項に記載された、漏れを防止した食品包装容器。
  29. 【請求項29】 容器が、カップ、トレー、ボトル等の
    成形容器であって、易穿孔性の易開通構造部を蓋の天板
    部に配設した、請求項24ないし27のいずれか1項に
    記載された漏れを防止した食品包装容器。
  30. 【請求項30】 容器が、カップ、トレー、ボトル等の
    成形容器であって、易穿孔性の易開通構造部を胴部の上
    部に配設した、請求項24ないし27のいずれか1項に
    記載された漏れを防止した食品包装容器。
  31. 【請求項31】 容器本体が金属、ガラス、プラスチッ
    ク、紙及びこれらの積層体又は複合体で形成された、請
    求項1ないし30のいずれか1項に記載された、漏れを
    防止した食品包装容器。
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