JP2000108136A - 光学素子形成用平板及びそれを用いた光学素子母型の作製方法 - Google Patents

光学素子形成用平板及びそれを用いた光学素子母型の作製方法

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JP2000108136A JP10299058A JP29905898A JP2000108136A JP 2000108136 A JP2000108136 A JP 2000108136A JP 10299058 A JP10299058 A JP 10299058A JP 29905898 A JP29905898 A JP 29905898A JP 2000108136 A JP2000108136 A JP 2000108136A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて高精度に、且つ簡単に、光学素子母型
を作製することができ、特に微細で複雑な形状の光学素
子の作製に極めて有効である光学素子形成用平板の作製
方法、及び該平板を使用した光学素子母型の作製方法を
提供する。 【解決手段】 互いに平行な二面をもつ平板の端部に、
所望のデザインの光学素子側面の投影形状に対応する形
状が形成された複数の微細構造平板を、LIGAプロセスを
含む工程によって形成することを特徴とする光学素子形
成用平板の作製方法、及び複数の該平板を、該光学素子
形状を構成するように多数重ね合わせて光学素子母型を
作製することを特徴とする光学素子母型の作製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、キューブコー
ナープリズム、リニアフレネルレンズ、レンチキュラー
レンズ、円筒レンズ、透過平面、透過曲面、リニアプリ
ズム、屈折型レンズ、フォログラムパターンなどの光学
素子集合体形成用の光学素子母型の作製方法に関し、特
にフルキューブコーナー型再帰反射体、即ち、入射した
光が概ね光源に向かって反射する物体の製造に用いるフ
ルキューブコーナー型光学素子集合体形成用のフルキュ
ーブコーナー型光学素子母型の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、上記の如き種々の光学素子の
集合体を合成樹脂シートの表面に搭載した合成樹脂光学
シートの製造に用いられる光学素子集合体の形成方法に
関しては数多くの提案がなされている。
【0003】これら合成樹脂光学シートの製造法は、他
の用途の合成樹脂の所謂エンボス加工、シボ加工、梨地
加工などの一般的な樹脂加工とは異なり、光学素子の形
状精度が光学性能を決定するという意味で非常に精度の
高い加工を必要とする。例えば、キューブコーナー型光
学素子(以下、キューブコーナープリズムということが
ある)の集合体を合成樹脂シート上に搭載した、所謂キ
ューブコーナー型再帰反射シートの場合、該キューブコ
ーナープリズムを構成するお互いに90゜で交差する三つ
の面が成型加工時に、例えば1゜程度変動した場合でも、
再帰反射する光の束の発散角度が大きくなり過ぎて実用
にならないという不具合を生じる。従って、このような
合成樹脂光学シートの製造に用いられる光学素子集合体
母型には、極めて高い精度が要求される。
【0004】このような光学素子集合体母型の作製方法
に関して、従来から種々の試みがなされている。以下、
主としてキューブコーナー型再帰反射体の製造に用いる
光学素子を例にとり、従来提案されている代表的な光学
素子母型の製造方法に関して述べる。
【0005】(1) ピン結束法(米国特許第1,591,572号
明細書、米国特許第3,922,065号明細書及び米国特許第
2,029,375号明細書参照):金属のピンの先端にプリズ
ムを形成し、それらを何本も束ねてプリズム集合体を形
成する方法である。先端に形成するプリズムの設計が任
意に変更できるという特徴があり、比較的大きなプリズ
ムの製造に適するが、本発明の主たる目的である、例え
ば2,000個/cm2以上の光学素子の形成を必要とする場合
には実用的ではない。
【0006】(2) プレート法(米国特許第1,591,572号
明細書、米国特許第3,069,721号明細書及び米国特許第
4,073,568号明細書参照):互いに平行な二平面を持つ
金属平板を重ね、該平面に対して直角な方向に等しいピ
ッチでV溝を切削して、頂角が約90゜の連続する屋根型
の突起群を形成し、次いで各々の平板上に形成された屋
根型突起群の屋根の頂部を、隣接する平板上に形成され
たV溝の底部に一致させるように移動させることにより
得られる。フルキューブコーナー(以下、六角プリズム
ということもある)型光学素子金型の形成方法であり、
ピン結束法ほどではないが、やはり設計の自由度が比較
的大きいという特徴がある。この方法は、上記ピン結束
法の欠点であるプリズム金型製造における生産性の悪さ
の改善を可能にする方法であるが、光学素子を形成させ
る場合には、V溝切削時に平板の強度不足等により平板
が歪み易いという欠点があり、やはり比較的大きなプリ
ズムの製造に用いられてきた。
【0007】(3) 三角プリズム法(米国特許第2,380,44
7号明細書、米国特許第3,712,706号明細書参照):金属
等の平板の表面に三方向からV溝を切削して、表面にプ
リズム集合体を形成する方法であり、従来のプリズム素
子を用いた再帰反射シートの製造にはこの方法が多く採
用されている。その理由は、光学素子を切削加工により
形成するのが比較的簡単であり、また、形成される三角
プリズムの底面が共通の面に配列した集合体を形成する
ことができるので、得られる再帰反射シートを薄くする
ことができるからである。しかしながら、この方法は、
採用できるプリズム形状がV溝加工が可能な三角プリズ
ムに限定され、設計の自由度が小さいという問題があ
る。
【0008】次に、再帰反射シートに望まれる性能と、
プリズム素子を用いたキューブコーナー型再帰反射シー
トの問題点について説明する。一般に、再帰反射シート
に望まれる基本性能としては、高輝度性、即ち、該シー
ト正面から入射した光の反射輝度に代表される反射輝度
の高さ、及び、広角性であり、さらに広角性に関して
は、次の三性能が要求される。
【0009】広角性に関して第1に望まれる性能は観測
角特性である。再帰反射シートが、例えば、交通標識な
ど各種標識類に用いられる場合、通常、光源と観察者の
位置は同じではないため、入射光軸から離れた位置にい
る観察者に、より強い光が到達する必要がある。そのた
めには観測角が大きくなっても反射輝度の低下が少ない
ことが必要である。広角性に関して第2に望まれる性能
は入射角特性である。例えば、自動車が交通標識に接近
しつつあるとき、該自動車から発せられるヘッドライト
の光の、該標識に対する入射角は次第に増大し、それに
つれて観察者である運転者に到達する光の輝度は漸次減
少する。運転者が標識に近ずいても該標識に十分な輝度
を保持させるためには、優れた入射角特性を必要とす
る。
【0010】広角性に関して第3に望まれる性能は回転
角特性である。プリズム素子特有の現象として、再帰反
射シートのどの方向から光が入るかにより、再帰反射輝
度が変化するという性質がある。このため再帰反射シー
トを標識に貼付するに際しては、該シートを一定の方向
に管理して貼らなければならないという煩雑な問題があ
る。マイクロ硝子球型再帰反射シートでは、反射素子が
回転体形状であるためにこの問題は起こらない。
【0011】通常、プリズム素子を用いたキューブコー
ナー型再帰反射シートの正面再帰反射輝度は、マイクロ
硝子球型再帰反射シートのそれに比べ2〜3倍も高いと
言われている。その理由は、後者がマイクロ硝子球型再
帰反射材に一般に用いられている硝子球の、レンズ素子
としての光学的不完全性や、球面収差又は反射面に設置
された金属反射面の反射率の低さなどにより、再帰反射
効率低下が起こり易いのに対し、前者のキューブコーナ
ー型再帰反射シートに用いられるプリズム素子の場合に
は、比較的精度の高い光学素子が形成可能であるからで
あると言われている。その反面、キューブコーナー型再
帰反射シートは広角性の点では一般に劣悪であると言わ
れている。
【0012】このように硝子球に比べて高い反射輝度を
有しているものの広角性の点では不満足なプリズム素子
の広角性を改善するためには、前述した三つの特性につ
いてさらに検討する必要があり、以下それについて述べ
る。
【0013】観測角特性:再帰反射シートで反射した光
の束は、ある程度の広がりを持ち入射光軸から外れた位
置にいる観察者にも届くことが必要である。そうするた
めには、反射光が僅かな角度(拡散角)を持って広がる
ように設計される必要がある。これは、プリズム素子が
お互いになす理論的プリズム頂角である90゜を極僅か変
化させたり、プリズム素子の反射面を僅かに湾曲させた
り、又は微小なプリズム素子の持つ回折効果を利用した
りすることにより達成される。
【0014】大型トラックなどの輸送手段の、ヘッドラ
イトと運転手との相対的位置からすると、観測角は通常
最大で約5゜程度であるので、上記拡散角もこの最大観
測角をわずかに超える角度で制御されるべきである。
【0015】入射角特性:一般に入射角が増大するにつ
れて再帰反射シートの再帰反射効率は低下する。これ
は、キューブコーナーの再帰反射原理である三面反射原
理を満足させるためには、入射角が比較的0゜に近いこ
と、即ち光が再帰反射シート面に垂直に近い角度で入射
することが必要であり、入射角が大きくなると次に反射
すべき第2又は第3のプリズム面に光が到達せず、プリ
ズムの外に光が逃げてしまって再帰反射の効率が低下す
るからである。この不具合は三角プリズムを用いた場合
に特に顕著であり、六角プリズムを用いることによりあ
る程度緩和される。また、入射角が大きくなるにつれて
内部全反射条件が満足されなくなり、プリズム背面に光
が透過してしまうことになる。又は入射光とは違う方向
へ反射していく。
【0016】上記の如き不具合を改善する方法として、
従来、再帰反射シート面に対して垂直方向に向けられて
いるプリズム素子の光学軸を種々の方向に僅かに傾ける
ことにより、傾けた方向への再帰反射能率を増大させる
方法が一般的に採用されている。
【0017】例えば、三角プリズム法においては、一般
に、互いに60゜で交差するV溝の交差角を若干変化させ
ることが提案されている(米国特許第4,588,258号明細
書及び米国特許第4,775,219号明細書参照)。この方法
は極めて高い精度と煩雑な操作が要求されるが、得られ
る光学素子において傾斜される光学軸は、互いに180゜の
方向で向き合った一対の光学素子の組みとして得られる
のみであるので、広角性の改善は光学軸の傾斜方向につ
いては達成されるが、それ以外の方向については達成さ
れず、また、回転角特性の改善は得られない。
【0018】また、前記の特定の入射角以上では内部全
反射条件を満足しないという不具合を改善するために、
プリズム反射面を金属膜などで鏡面にして鏡面反射させ
る方法が提案されているが(米国特許第3,712,706号明
細書及び米国特許第2,380,447号明細書参照)、この方
法ではシートの外観が暗くなったり金属膜が水分などで
侵され易いという欠点がある。
【0019】回転角特性:回転角特性は、特に三角プリ
ズムの場合に顕著に発生する。これを改善する方法とし
ては、プリズム集合面を一定の区画に区切り、その集合
面の方向を変化させる方法が知られている(米国特許第
4,243,618号明細書参照)。この方法では区画単位でプ
リズムへ入射する回転角が異なり、それに応じて反射輝
度が変化するので、遠距離から見ると平均化されて回転
角特性が均一化されるが、プリズム集合面の区画が再帰
反射シートの表面からかなりはっきりと見えてしまい、
該シート外観の意匠性が低下するという問題点がある。
【0020】六角プリズムを採用した場合は、素子の形
状が比較的円形に近いために、前述の三面反射の未達成
が発生しにくく回転角特性の低下が小さい。三面反射を
達成しうる概略の区域はプリズム素子の内接面に近似さ
れ、三角プリズムの場合はプリズム素子の投影面積の約
60%、六角プリズムの場合は約90%である。
【0021】また、本発明の利用分野に適応可能な、比
較的薄くて柔軟な再帰反射シートの製造に用いるプリズ
ム金型は、プリズム素子の大きさが、例えば500μm以下
の微小な寸法であることが望ましいが、前述のピン結束
法及びプレート法では、このような反射シートの製造は
困難であり、さらに、三角プリズム法によっては、微小
なプリズムの形成は可能であっても、本発明の他の目的
である広角性に優れたプリズムの設計は困難である。
【0022】本発明は、前記のプリズム法に着目し、そ
の長所を保持しつつその問題点を克服することにより、
キューブコーナー型再帰反射体、特に薄型で柔軟なシー
ト形状をした再帰反射シートの製造に適用しうる、高輝
度性と優れた広角性を有する光学素子の製造を可能にす
る光学素子集合体母型の作製方法の提供を目的とするも
のであり、さらにこの光学素子集合体母型を作製するた
めの光学素子形成用金属板の作製方法の提供を目的とす
るものである。
【0023】前記のプレート法において、Stimsonによ
る前記米国特許第1,591,572号明細書には、先端にプリ
ズム形状を形成したガラス製の棒や薄板を用いるプリズ
ム金型の形成法が記載されている。また、Arniらによる
前記米国特許第3,069,721号明細書には、金属平板をダ
イアモンドカッターにより切削することにより、金属切
削面が光学的な平面で得られること、並びに、この方法
によるプリズム形成金属平板を用いてプリズムシートの
形成が可能であることが記載されている。また三村らの
PCT国際公開WO97/04939号公報には、特定硬度及び
特定厚さの金属又は合成樹脂平板を重ね合わせて得られ
る積層物の端部を、該平板に対して直角な方向に等しい
ピッチで切削することにより、頂角が約90゜の連続する
屋根型突起群を形成し、次いで各平板の屋根型突起群の
屋根の頂部を、隣接する平板上に形成されたV溝の底部
に一致させるように移動させることを特徴とするキュー
ブコーナー型光学素子母型の製造方法について開示され
ている。
【0024】しかしながら、平板の端部に形成される光
学素子微細構造が極めて高い精度を要する複数微細構造
の組合せからなるときには、従来技術における機械的切
削法ではその作製は極めて煩雑なものとなり、事実上作
製困難であることもしばしばである。また、上記の明細
書又は公報には、特定形状のX線マスク膜を用いLIGAプ
ロセスにより、平板の端部に光学素子側面の投影形状に
対応する形状を形成させることについてなど、何ら記載
も示唆もされていない。
【0025】
【発明が解決すべき課題】本発明者は、前記のPCT国
際公開WO97/04939号公報開示の発明の後、さらに研究
を継続した結果、特定形状のX線マスク膜を用い、LIGA
プロセスを採用することによって、極めて高精度に、且
つ簡単に、マイクロプリズムに限らず、レンチキュラ
ー、円筒レンズ、リニアフルネルレンズ等を含めた光学
素子の母型を作製するための光学素子形成用平板を作製
することができることを見いだし、本発明を完成した。
【0026】
【課題を達成するための手段】本発明によれば、互いに
平行な二面をもつ平板の端部に、所望のデザインの光学
素子側面の投影形状に対応する形状が形成された複数の
微細構造平板を、LIGAプロセスを含む工程によって形成
することを特徴とする光学素子形成用平板の作製方法が
提供される。
【0027】本発明によれば、好ましくは、上記LIGAプ
ロセスを含む工程が、(a) 金属基板上に、レジスト膜、
マスク支持膜、端部に所望のデザインの光学素子側面の
投影形状に対応するネガ形状が形成されているX線マス
ク膜を順に重ねて積層物を作製し、(b) 得られた積層物
の上方よりX線を照射し、レジスト膜の上記X線マスク
膜によって遮蔽されていない部分をX線に露光させ、
(c) レジスト膜のX線露光部分を溶剤により選択的に溶
解除去することにより、所望のデザインの光学素子側面
の投影形状が少なくとも部分的に転写・配置された微細
構造レジスト膜を形成し、(d) 得られた微細構造レジス
ト膜の溶解除去部分に、電鋳法により金属堆積層を形成
させ、(e) 該金属堆積層の表面を研磨した後、該微細構
造レジスト膜を除去することにより、互いに平行な二面
をもつ、端部に所望のデザインの光学素子側面の投影形
状に対応する形状が形成された微細構造金属平板を形成
する、工程(a)〜(e)からなるLIGAプロセスを含む工程で
あり、
【0028】好ましくは、上記LIGAプロセスを含む工程
が、LIGAプロセスで得た微細構造金属平板を母型にした
電鋳工程を更に含む工程であり、好ましくは、上記LIGA
プロセスを含む工程が、LIGAプロセスで得た微細構造金
属平板を母型にするか、若しくは、LIGAプロセスで得た
微細構造金属平板を母型にした電鋳工程により得られた
微細構造金属平板を母型にした成型工程を更に含む工程
である光学素子形成用平板の作製方法を提供する。
【0029】更に、本発明によれば、互いに平行な二面
をもつ平板の端部に、所望のデザインの光学素子側面の
投影形状に対応する形状が形成された複数の微細構造平
板を、該光学素子形状を構成するように多数重ね合わせ
て光学素子母型を作製するにあたり、各微細構造平板を
LIGAプロセスを含む工程によって形成することを特徴と
する光学素子母型の作製方法が提供される。
【0030】本発明によれば、好ましくは、上記LIGAプ
ロセスを含む工程が、(a) 金属基板上に、レジスト膜、
マスク支持膜、端部に所望のデザインの光学素子側面の
投影形状に対応するネガ形状が形成されているX線マス
ク膜を順に重ねて積層物を作製し、(b) 得られた積層物
の上方よりX線を照射し、レジスト膜の上記X線マスク
膜によって遮蔽されていない部分をX線に露光させ、
(c) レジスト膜のX線露光部分を溶剤により選択的に溶
解除去することにより、所望のデザインの光学素子側面
の投影形状に対応する形状が少なくとも部分的に転写・
配置された微細構造レジスト膜を形成し、(d) 得られた
微細構造レジスト膜の溶解除去部分に、電鋳法により金
属堆積層を形成させ、(e) 該金属堆積層の表面を研磨し
た後、該微細構造レジスト膜を除去することにより、互
いに平行な二面をもつ、端部に所望のデザインの光学素
子側面の投影形状に対応する形状が形成された微細構造
金属平板を形成する、工程(a)〜(e)からなるLIGAプロセ
スを含む工程である光学素子母型の作製方法を提供す
る。以下、本発明を適宜図面を参照しながらさらに詳細
に説明する。
【0031】上記のLIGAプロセスとは、例えば、F
EDジャーナル第5巻No.1(1994)20〜35頁に記載さ
れている成型物の作製方法であって、レジスト膜上の特
定部分にX線を照射し、レジスト膜からX線露光部分を
除去して、ネガ構造の微細構造レジスト膜を得るディー
プエッチX線リソグラフィ工程と、該微細構造レジスト
膜の除去部分に電鋳法により微細構造金属平板を得る電
鋳工程を含むプロセスをいう。
【0032】本発明の光学素子母型の作製方法において
は、上記ディープエッチX線リソグラフィ工程で、レジ
スト膜上に、一端に所望のデザインの光学素子側面の投
影形状に対応する形状にX線を照射し、レジスト膜のX
線露光部分を除去することにより、所望のデザインの光
学素子側面の投影形状に対応する形状が少なくとも部分
的に転写・配置され、所望のデザインの光学素子側面の
投影形状を有するたネガ構造の微細構造レジスト膜を形
成する。さらに、電鋳工程で、上記微細構造レジスト膜
の除去部分に、電鋳法により金属堆積層を形成させ、微
細構造レジスト膜を除去することにより、互いに平行な
二面をもつ、端部に所望のデザインの光学素子側面の投
影形状に対応する形状が形成された微細構造金属平板を
形成する。
【0033】図1(a)〜(c)は、本発明の光学素子母
型の作製方法に適用する、好適なLIGAプロセスを説明す
る概念図である。図1(a)は、LIGAプロセスのディー
プエッチX線リソグラフィ工程における積層物を分解し
て示す概念斜視図である。金属基板(4)の上には、順
に、レジスト膜(3)、マスク支持体(2)及びX線マスク膜
(1)が積層され、該X線マスク膜(1)により、X線の照射
形状が規定される。図1(a)においては、X線マスク
膜(1)として窓枠状のものを用いており、窓の部分(6)が
空隙状態となっている。上記窓枠状のX線マスク膜(1)
の内周の少なくとも一部には所望のデザインの光学素子
側面の投影形状の微細構造(5)が形成されている。
【0034】ディープエッチX線リソグラフィ工程で使
用される金属基板(4)は、照射されるX線を実質的に完
全に遮断できる金属であることが好ましく、例えば、鉛
などの金属が用いられ、その厚さは、一般に1μm〜5000
μm程度であるのが好ましい。金属基板(4)のレジストを
塗布する表面は研磨により平滑に仕上げておくことが好
ましい。
【0035】金属基盤(4)に直接レジストを塗布してレ
ジスト膜(3)を直接積層する場合には、レジスト材料樹
脂との密着を改善する目的で、金属基盤(4)の表面に化
学的な前処理を施すこともできる。化学的前処理の例と
しては、例えばメタクリルオキシプロピルトリメトキシ
シランなどのシランカップリング剤などで、予め金属基
体表面を処理する方法などが例示できる。
【0036】上記レジスト膜に使用されるレジスト材料
は、光学透過性に優れており、X線に暴露された部分の
分子量が顕著に低下して、溶剤により容易に溶解除去で
きるものであることが必要であり、この観点からレジス
ト材料としては、メチルメタクリレート樹脂又は変性メ
チルメタクリレート樹脂を用いるのが好ましい。変性メ
チルメタクリレート樹脂としては、例えばメチルメタク
リレートとブチルメタアクリレートなどの変成用単量体
との共重合体が好適に用いられる。
【0037】レジスト膜(3)の形成方法としては、特に
限定されるものではなく、公知の方法を適宜採用するこ
とができるが、レジスト材料となる樹脂原料である単量
体と過酸化物などの重合開始剤を、必要に応じて所望量
の重合体とともに金属基板上にキャスティングして、直
接重合して均一なレジスト膜(3)を形成するのが好まし
い。レジスト膜(3)の厚さは、一般に1000μm以下、好ま
しくは1〜300μm、さらに好ましくは2〜100μmの範囲内
であるのがよい。レジスト膜(3)の厚さが該上限値以下
であれば、X線照射により形成されるレジスト側壁の平
面精度が優れているので好ましく、該下限値以上であれ
ばレジスト層と金属基板との密着による応力が小さいの
で好ましい。
【0038】X線マスク膜(1)は、照射されるX線から
該X線マスク膜の下にあるレジスト膜(3)をX線に曝さ
れないように防護する。その全てがX線吸収層であって
もよいが、少なくともその表面にX線を遮蔽するに十分
なX線吸収層を有していることが必要であり、X線吸収
層の材質としては、変質しにくく、経時変化の少ないも
のが好ましく、例えば、金が使用できる。
【0039】X線吸収層の厚さとしては、例えば1〜20
μm程度の厚さを例示することができる。上記X線マス
ク膜の一端には1種類以上の光学素子の投影形状のネガ
形状が配置されており、該ネガ形状は、光リソグラフィ
ーや高コントラストなX線マスク膜が得られやすい電子
ビーム法リソグラフィーを用いて形成することができ
る。
【0040】マスク支持膜(2)は、X線マスク膜を支持
できる程度に強靭であり、且つX線を透過させることが
必要である。このようなマスク支持膜(2)に用いられる
材料としては、例えば、ポリイミド等の合成樹脂;ベリ
ウム、シリコン、チタン、カーボン、アルミニウム、窒
化珪素及び窒化硼素等の金属又は無機質材料;を例示す
ることができる。マスク支持膜(2)の厚さは、一般に0.1
〜100μm、好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは1
〜3μmの範囲内であるのがよい。
【0041】本発明におけるディープエッチX線リソグ
ラフィ工程で用いられるX線としては、レジスト膜(3)
の断面方向の平面形状精度が十分なものとなるようなも
のであれば、その波長や放射線量を特定することを要し
ないが、強度及び指向性に優れ、レジスト材料に対する
高い分解能をもち、得られる微細構造レジスト膜の断面
方向の平面(レジスト壁面)の形状精度が優れたシンク
ロトロン放射X線の使用が特に好ましい。
【0042】具体的には、例えばレジスト材料として、
厚さ100μm程度のポリメチルメタアクリレート樹脂(PM
MA)を用いる際、シンクロトロン放射X線の臨界波長は
0.2〜0.5nm程度である。また、レジスト材料表面におけ
る損傷限界線量は15〜20KJ/cm3であり、レジスト膜の最
下部を十分に露光させるに必要な最小線量としては4KJ/
cm3が例示できる。過剰照射になるとレジスト材料樹脂
の分解により気泡が発生したり、X線マスク膜の損傷が
起こりやすく、また、照射線量が過小であるとレジスト
側壁の形状精度の低下が発生し好ましくない。
【0043】図1(b)は、図1(a)に示されている積
層物の平坦な表面に対して、実質的に垂直な方向からX
線を照射している状態を示す概念斜視図である。矢印A
は、X線の照射方向を示している。X線はX線マスク膜
(1)の窓の部分(6)を通ってその下にあるマスク支持体
(2)を透過するので、さらにその下にあるレジスト膜(3)
がX線に露光して、この部分のレジスト材料を形成する
樹脂の分子量が低下する。次いでX線マスク膜(1)及び
マスク支持体(2)が取り外され、レジスト膜(3)及び金属
基板(4)の積層物は適宜の溶剤で処理されて、レジスト
膜(3)を形成する樹脂のうち、分子量が低下した部分、
すなわちX線に露光した部分が溶剤に溶解して除去され
る。
【0044】上記レジスト膜中の分子量が低下した樹脂
の部分を溶解・除去するために用いる溶剤としては、例
えばテトラハイドロ−1、4−オキシンと2アミノエタノー
ル-1、2-ブトキシエトキシと水の混合液等を例示するこ
とができる。図1(c)はこのようにして得られた、少
なくとも部分的に微細構造が転写・配置された微細構造
レジスト膜(7)と金属基板(4)との積層物の概念斜視図で
ある。(8)はX線露光して、レジスト材料の樹脂を溶出
させた露光溶出部であり、図1(a)における窓の部分
(6)に対応する。
【0045】電鋳工程では、上記のようにして形成した
微細構造レジスト膜をマスターとして、露光溶出部(8)
に電鋳法により金属堆積層を充填し、微細構造レジスト
膜を除去して、端部に所望のデザインの光学素子側面の
投影形状に対応する形状が設置された微細構造金属平板
を形成する。
【0046】微細構造金属平板の互いに平行な2面を平
滑にするために、露光溶出部(8)に電鋳法により金属堆
積層を充填し、さらに盛り上がるように金属堆積層を形
成させ、金属堆積層を微細構造レジスト膜の裏面と水平
となるように研磨して微細構造金属平板を得ることが好
ましい。
【0047】図2(a)は、得られた微細構造レジスト
膜(7)が電鋳法により処理されて、樹脂溶出部(8)を埋
め、さらに盛り上がるように金属堆積層(9)形成させた
状態を示す概念斜視図である。図2(b)は、研磨後の
金属堆積層(10)の状態を示す概念斜視図である。次いで
レジスト微細構造(7)と金属基板(4)が取り外される。図
2(c)は、かくして得られた端部に所望のデザインの
光学素子側面の投影形状に対応する形状の微細構造が形
成された微細構造金属平板を示す概念斜視図である。上
記研磨された面の平面精度(Ra)は、50nm以下であるこ
とが好ましい。
【0048】上記電鋳工程においては、金属堆積層を形
成する金属の塩の水溶液中に、図1(c)で示された微
細構造レジスト膜と金属基板との積層物を浸漬し、金属
基板をマイナス側の電極として荷電し、電鋳を行うこと
ができる。好適な電鋳方法として、例えば、スルファミ
ン酸ニッケル60重量%水溶液中、45℃、電流条件10A/m2
程度の条件下で行われる電鋳方法が挙げられる。
【0049】電鋳層の形成速度としては、例えば、48時
間/mm以下程度とすることにより均一な電鋳層が得られ
やすく、それ以上の形成速度においては表面の平滑性の
欠如や電鋳層の中に欠損部分が生じるなどの不具合が起
こりやすい。
【0050】電鋳処理に用いられる金属としては、例え
ば、ニッケル、銅、金及びクロムなどの金属単体、並び
にニッケル/コバルト、ニッケル/クロム及びニッケル
/鉄などの金属合金が使用可能である。特にスルファミ
ン酸浴などを用いた純ニッケル電鋳は表面硬度が高いこ
と、転写精度が優れていること、内部応力が小さいこと
から特に好ましい。
【0051】また、電鋳加工においては、金型の表面魔
耗性の改善を目的として、コバルトなどの成分を加えた
ニッケル・コバルト合金電鋳を行なうこともできる。コ
バルトを10〜15重量%加えることにより、得られる電鋳
層のピッカース硬度Hvを300〜400にまで硬くすること
が可能であるので、得られる電鋳金型を用いて合成樹脂
を形成し、製品の再帰反射体である光学素子シートを製
造するに際して、該金型の耐久性を改善することが可能
となる。
【0052】本発明の微細構造平板は、上記の如くLIGA
プロセスで得られた微細構造金属平板であってもよい
し、該微細構造金属平板を最初の母型として、更に、電
鋳法、成型法等で転写した転写微細構造平板であっても
よい。
【0053】所望のデザインの光学素子側面の投影形状
に対応する形状を便宜上ネガ形状と表現すると、該ネガ
形状の微細構造平板を転写すると、ネガ形状に対応する
ポジ形状の微細構造平板が得られ、更に該ポジ形状の微
細構造平板を転写するとネガ形状の微細構造平板が得ら
れる。したがって、ネガ形状である所望のデザインの光
学素子側面の投影形状に対応する形状を有する微細構造
平板を偶数回転写することにより、所望のデザインの光
学素子側面の投影形状に対応する形状と同一形状を有す
る微細構造平板を得ることができる。更に、本発明の微
細構造平板は、LIGAプロセスでポジ形状の微細構造金属
平板を得、該ポジ形状の微細構造金属平板を奇数回転写
することにより得たネガ形状の微細構造平板であっても
よい。
【0054】上記転写のための電鋳方法は、母型が電鋳
によって得られた金属製の微細構造平板である場合には
微細構造レジスト膜を使用して微細構造金属平板を得る
場合の電鋳方法と同様に行うことができる。又、母型が
成型により得られた樹脂製の微細構造平板である場合に
は樹脂表面に金属を蒸着して得ることができる。上記成
型法により転写する場合には、母型は金属製であること
が望ましく、後述する光学素子母型を使用して光学素子
を得る場合の成型法と同様に行うことができる。
【0055】本発明の光学素子母型は、前記LIGAプロセ
スにより作製した端部に微細構造が形成された微細構造
平板を少なくとも2枚以上、好ましくは多数の枚数を重
ね合わせることにより作製することができる。
【0056】微細構造平板を多数重ね合わせる場合、目
的の光学素子の種類によってその重ね合わせ方が異な
る。例えば、目的の光学素子がリニアフレネルレンズ、
レンチキュラーレンズ及び円筒レンズなどの場合には、
その目的に応じて形成されたその形状が実質的に同一で
ある微細構造平板同士を、それぞれの微細構造の形状が
全く重なり合うように重ね合わされる。光学素子形状は
重ね合わせることにより拡大された微細構造部分の、該
平板の平行な二面と直交する面によって形成される。
【0057】また目的の光学素子がキューブコーナープ
リズムの場合には、数種類の微細構造平板を多数重ね合
わせた後、一方の微細構造平板の突起の頂部と、相隣接
する他方の微細構造平板の底部とが一致するように、該
平板の平行な二面に沿って横方向及び縦方向に相互に平
板を移動させることにより、微細構造平板群の一端部に
キューブコーナープリズム形状を形成することができ
る。
【0058】図3(a)〜(c)は上記光学素子がキュー
ブコーナープリズムの場合に微細構造平板を多数重ね合
わせて光学素子母型を作製する方法を説明する概念図で
ある。図3(a)及び(b)に示される突起の頂部と底部
との繰り返しピッチが半ピッチずつずれた二種類の微細
構造平板を、多数重ね合わせ、該平板の平行な二面に沿
って縦方向に相互に平板を移動させて、一方の平板の突
起の頂部と、相隣接する他方の平板の底部とを一致させ
ることにより、図3(c)で示される微細構造平板群の
一端部にキューブコーナープリズム形状を有する光学素
子母型を作製することができる。
【0059】本発明の光学素子母型を構成する多数の微
細構造平板の形状及び重ね合わせ方は、所望する光学素
子の形状に合わせて自由に設定することができる。図5
〜図9は各種の微細構造平板の形状及び重ねあわて形成
される形状を示した模式図であり、各図の(a)及び
(b)は光学素子母型を構成する微細構造平板の形状を
示し、(c)は重ね合わせて形成される形状を示す。な
お、図5(a)及び(b)はそれぞれ図3(a)及び(b)
に示した微細構造平板を側面図で表した形状を示してい
る。
【0060】これら微細構造の形状は、直線の組み合わ
せ、例えば、三角形の二辺からなるもの(図5〜7)、
四辺形の三辺からなるものなど;直線と曲線との組み合
わせ、例えば、フレネルレンズ断面形状;及び、、曲線
の一部分からなる形状、例えば、円、楕円、双曲線又は
放物線の一部からなるもの(図8)などを挙げることが
できる。
【0061】そしてこれら微細構造の形状は、実質的に
一種以上の形状の組み合わせの繰り返しからなるもの、
すなわち図5、図6及び図8のように同一形状の繰り返
しからなるものとともに、図9、図7やフレネルレンズ
断面形状のように1つ1つの突起の形状は異なっていて
も、それら相異なるいくつかの突起が1つの組を作り、
その組が1つの繰り返し単位となっているものを例示す
ることができる。
【0062】また、突起は必ずしも隙間なく相隣接して
形成されている必要はなく、必要に応じて、突起と突起
との間に平坦部又は凹状曲線部が形成されていてもよ
い。このような平坦部又は凹状曲線部は、内照式の表示
装置の表面に再帰反射シートなどを貼付した場合、この
再帰反射シートの光学素子の中に部分的に組み込むこと
によって、内部の光を部分的に透過する作用がある。
【0063】目的とする光学素子母型が、主にキューブ
コーナー型光学素子形成のための母型である場合、突起
としては、三角形の二辺からなる頂角が略直角、すなわ
ち89.60゜〜90.40゜の範囲の角度のものが採用される。
また突起が三角形の二辺からなる時、図5及び図9に示
されているように、その突起が略左右対称形であるも
の:図6及び図7に示されているように、その突起が左
右非対称形であるもの:が採用され、後者の場合には、
三角形状突起の底角、すなわち突起の底部の先端を結ぶ
ことにより形成される三角形の底角の二方が15゜〜45゜未
満、特には20゜〜43゜の範囲内であるものが好適に採用さ
れる。
【0064】次に、図5〜7について説明する。図5
は、突起が略左右対称形の三角形の二辺からなる微細構
造平板を示す側面図である。図5(a)と図5(b)は、前記
図3の場合と同様に突起の頂部と底部との繰り返しピッ
チが半ピッチずつずれた二種類の微細構造平板であり、
図5(c)は、これらを重ね合わせてから、隣接する平板
同士の突起の頂部と底部とが合致するようにその一方を
該平板の平行な二面に沿って縦方向に移動させた時の側
面図である。さらに該平板の厚みを三角形の二辺と合致
させることにより該平板の一端部に、実質的に光学軸の
傾きのないキューブコーナープリズムを形成することが
できる。
【0065】図6は、突起が左右非対称形の三角形の二
辺からなる微細構造平板を示す側面図である。図6(a)
と図6(b)は、突起部と溝部が反転した二種類の微細構
造平板であり、図6(c)は、これらを重ね合わせてか
ら、隣接する平板同士の突起の頂部と底部とが合致する
ようにその一方を該平板の平行な二面に沿って縦方向に
移動させた時の側面図である。このことにより該平板の
一端部に、光学軸が傾いたキューブコーナープリズムを
2種類同時に形成することができる。
【0066】図9は、突起が略左右対称形の大小の三角
形の二辺の組合せを基本とする形状からなる微細構造平
板を示す側面図である。図9(c)は、図9(a)及び図9
(b)の平板を重ねあわせてから、隣接する平板同士の突
起の頂部と底部とが合致するようにその一方を該平板の
平行な二面に沿って縦方向に移動させて重ねた時の側面
図である。
【0067】図7は、突起が左右非対称の三角形が隣り
合わせに向き合うように組み合わさってできた4辺の組
み合わせを基本とする形状からなる微細構造平板を示す
側面図である。図7(a)と図7(b)は前記図6(a)
と図6(b)の場合と同様に突起部と溝部が反転した二
種類の微細構造平板であり、図7(c)はこれらを重ね
合わせてから隣接する平板同士の突起の頂部と頂部とを
結ぶ直線と突起の底部と底部とを結ぶ直線とが合致する
ようにその一方を該平板の平行な2面に沿って縦方向に
移動させたときの側面図である。このことにより、該平
板の一端部に、光学軸の傾いたキューブコーナープリズ
ムを4種類同時に形成することができる。以上の如くし
て、その端部に、各種の形状の光学素子側面の投影形状
に対応する形状を有した複数の平板を重ねることによ
り、各種の光学素子母型を形成することができる。
【0068】本発明の光学素子母型を使用して、光学素
子を作製する場合には、本発明の光学素子母型を使用し
て、直接光学素子を作製しても良いし、又は本発明の光
学素子母型を最初の母型として、電鋳法、成型法等で転
写した光学素子素子母型を使用して光学素子を作製して
も良い。
【0069】合成樹脂光学シートは、通常、広い面積の
シートに極めて多数の微小の光学素子を配置しているた
め、本発明の光学素子母型を基にして転写を行い、転写
によって得られた多数の光学素子転写母型を接合して一
定面積の光学素子母型接合シートとした後に、それを使
用して光学素子シートを作製することが好ましい。
【0070】微細構造平板の転写の場合と同様に、所望
のデザインの光学素子の形状に対応する形状を便宜上ネ
ガ形状と表現すると、ネガ形状の光学素子母型を転写す
ると、ネガ形状に対応するポジ形状の光学素子母型が得
られ、更に該ポジ形状の光学素子母型を転写するとネガ
形状の光学素子母型が得られる。したがって、ネガ形状
である所望のデザインの光学素子の形状を有する光学素
子母型を偶数回転写することにより、所望のデザインの
光学素子の投影形状と同一形状を有する光学素子母型を
得ることができる。
【0071】更に、本発明の光学素子母型は、LIGAプロ
セスでポジ形状の微細構造金属平板を得、該ポジ形状の
微細構造金属平板を多数重ね合わせて作成したポジ形状
の光学素子母型を奇数回転写することにより得たネガ形
状の光学素子母型であってもよい。上記転写のための電
鋳方法は、母型が電鋳によって得られた金属製の光学素
子母型である場合には微細構造レジスト膜を使用して微
細構造金属平板を得る場合の電鋳方法と同様に行うこと
ができる。
【0072】又、母型が成型により得られた樹脂製の光
学素子母型である場合には、樹脂表面に金属蒸着するこ
とで同様に電鋳して得ることができる。上記成型法によ
り転写する場合には、母型は金属製であることが望まし
く、後述する光学素子母型を使用して光学素子を得る場
合の成型法と同様に行うことができる。
【0073】上記光学素子転写母型を得るために、本発
明の光学素子母型を基にして電鋳を行う方法としては、
前記微細構造レジスト膜を使用して、電鋳法により微細
構造金属平板を作製した場合と同様の電鋳方法を採用す
ることができる。なお、電鋳加工により得られる電鋳層
の表面を均一なものとするために、電鋳加工に先だっ
て、しばしば光学素子母型表面の活性化処理が行なわれ
る。この活性化処理としては、例えば、10重量%スルフ
ァミン酸水溶液に侵漬する方法等を採用することができ
る。
【0074】上記の如く、電鋳法により作製された複数
個の光学素子転写母型は、精密に切断された後に、組み
合せて、接合し、所望の広さの面積を持つ光学素子母型
接合シートを得ることができる。
【0075】この接合の方法としては、切断端面を単に
突き合わせる方法や、組み合わせた接合部分を、例えば
電子ビーム溶接、YAGレーザー溶接、炭酸ガスレーザ
ー溶接などの方法で溶接する方法などが採用可能であ
る。さらに、例えば、上記方法で形成した厚さ0.5mmの
薄肉電鋳金型を、前記溶接法により接合してエンドレス
ベルト金型とすることもできる。
【0076】本発明の光学素子母型、上記光学素子転写
母型、または光学素子母型複合シートは、光学素子成型
用金型として合成樹脂の成型に用いられる。成型する方
法としては、射出成型法、圧縮成型法、反応射出成型
法、射出圧縮成型法などが採用可能である。
【0077】圧縮成型は、例えば、形成した薄肉状のニ
ッケル電鋳金型、所定の厚さの合成樹脂シート及びクッ
ション材として厚さ5mm程度のシリコーンゴム製シート
を、所定の温度に加熱された圧縮成型プレスに挿入した
後、成型圧の10〜20%の圧力下で30秒予熱を行なった
後、180〜250℃、10〜30kg/cm2程度の条件下で約2分間
加熱加圧するこにより行なうことができる。しかるの
ち、加圧状態のままで室温まで冷却して圧力を開放する
ことにより、光学素子成型品を得ることが可能である。
【0078】前記エンドレスベルト金型を使用する場合
には、該ベルト金型を加熱ロールと冷却ロールとからな
る1対のロール上に設置して回転させ、加熱ロール上に
あるベルト金型に、溶融した合成樹脂をシート状の形状
で供給し、1個以上のシリコーン製ロールで加圧成型を
行なった後、冷却ロール上でガラス転移点温度以下に冷
却して、ベルト金型から引き剥がすことにより連続した
シート状の製品を得ることが可能である。
【0079】用いる樹脂は特に限定されないがポリメチ
ルメタアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
塩化ビニル樹脂、スチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、フ
ッ素樹脂およびそれら樹脂の共重合体、変性樹脂が採用
できるし、必要に応じて顔料、染料、蛍光顔料、蛍光染
料などの着色剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン類な
どの光安定剤、酸化防止剤などを添加することができ
る。
【0080】また成型された光学樹脂成型品はスパッ
タ、蒸着、化学メッキ、コーティング、ラミネートなど
の方法を用いて1層以上の表面処理を行なうことができ
る。表面処理の例としてはアルミニウム、金、銀、銅な
どの反射層、酸化チタンなどの高屈折率層などが可能で
ある。
【0081】
【実施例】以下、実施例により本発明を一層詳細に説明
する。 実施例1. (ディープエッチX線リソグラフィ工程)電子線描画装
置を用いて、厚み2μmの金による吸収体にそれぞれ図
5(a)及び(b)に示された形状であって、高さ70.71
μm、底辺141.42μmの二等辺三角形上の光学素子投影
形状を繰返しのパターンをもつ中間マスクを作成した。
更にその中間マスクを用いて、シンクロトロン放射光を
用いたLIGAプロセスによって厚み10μmのパター
ン化された金の吸収体を厚み2μmチタン支持膜上に図
1(a)で示された如き2種類を作製し、ディープエッチ
X線マスクとした。
【0082】一方、表面を平均粗さ(Ra)が100nm
以下になるように研磨した鉛板の研磨面に、単量体100
重量部に対し、0.01部の過酸化ベンゾイルを配合したメ
チルメタクリレート単量体を塗布し、加熱重合せしめ
て、厚さ110μmのポリメチルメタクリレートのレジス
ト膜を形成させた。
【0083】上記2種類のX線マスク膜をそれぞれ上記
レジスト膜の上に、更に積層して、図1(a)に示した
順に重ね合わされた2種類の積層物を作製し、該積層物
の上方より臨界波長0.5nm、 放射線量10KJ/cm3のシ
ンクロトロン放射X線を照射した。
【0084】上記X線を照射した積層物から、X線マス
ク膜及びマスク支持膜を除去し、さらにレジスト膜中の
X線露光部分を除去することで、2種類の図1(c)の
如き、微細構造レジスト膜を得た。
【0085】(電鋳工程)上記2種類の微細構造レジス
ト膜を、それぞれスルファミン酸ニッケル60%水溶液中
に浸漬し、40℃、電流条件10A/m2の条件で電鋳を行
い、微細構造レジスト膜中の溶解除去にニッケルの金属
堆積層を形成させた。上記金属堆積層の表面を研磨した
後、金属基板及びレジスト膜を除去して、図2(a)及
び(b)に示された如き構造を有する厚さ100μm、平均
粗さ(Rn)が50nmの2種類の微細構造金属平板(図
3(a)及び(b))を得た。
【0086】(光学素子母型の作製)上記微細構造金属
平板(図3(a)及び(b))をおのおの200枚交互に重
ね合わせた後に、該微細構造金属平板のそれぞれの突起
の頂部が、隣接する該微細構造金属平板の突起の底部に
一致するようにずらして重ねて35.26度に傾け、固
定ジグで固定して図3(c)に示された形状の如き光学
素子母型を得た。
【0087】(光学素子転写母型及び光学素子の作製)
上記光学素子母型をさらに電鋳して厚さ1mmのニッケ
ル製の図4に示された形状の如き光学素子転写母型を作
製した。上記光学素子転写母型を金型として圧縮成型法
により、表面にプリズム素子が最密充填状に配置された
ポリメチルメタクリレート製の再帰反射シートを得た。
【0088】実施例2.LIGAプロセスは実施例1と
同じであり、平板の投影形状が図6(a)及び(b)のご
とき不等辺三角形状のものと、その突起部の頂点を結ん
で出来る直線に対称形状のものと2種類を用いそれぞれ
平板の頂部と相隣接する平板の底部が一致するように組
合せることで2種類の素子形状が合わさった光学素子形
成用母型が得られた。
【0089】実施例3.LIGAプロセスは実施例1と
同じであり、平板の投影形状がその突起部の頂角が略9
0゜からわずかづつ違った5種類の三角形を組みとし、
その繰返しからなる平板と、その突起部の頂点を結んで
出来る直線に対称形状のものと2種類を用い、それぞれ
平板の頂部と相隣接する平板の底部が一致するように、
図11に示したごとく組合せることで10種類の素子形
状が合わさった光学素子形成用母型が得られた。
【0090】実施例4.LIGAプロセスおよび平板の
投影形状は実施例1と同じであり、その電鋳工程後の研
磨工程において平板の厚みを100μmと90μmの2種
類をそれぞれの平板においてつくり、これら2枚を組と
して2枚毎に組合わせることで、図12に示したごとく
2種類の素子形状が合わさった光学素子形成用母型が得
られた。
【0091】
【発明の効果】以上述べた本発明の方法により、極めて
高精度に、且つ簡単に、光学素子母型を作製することが
でき、特に微細で複雑な形状の光学素子の作製に極めて
有効である。
【0092】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)〜(c)は、本発明の光学素子の作
成方法に適用するLIGAプロセスにおける好適なディープ
エッチX線リソグラフィ工程を説明する概念図である。
(a)は、LIGAプロセスが施される積層物を分解して示
す概念斜視図であり、(b)は、図1(a)に示されてい
る積層物の平坦な表面に対して、実質的に垂直な方向か
らX線を照射しているところを示す概念斜視図であり、
(c)は、レジスト膜中のX線露光部分を樹脂溶出して
得られた、微細構造レジスト膜と金属基板の積層物の概
念斜視図である。
【図2】 図2(a)〜(c)は、本発明の光学素子の作
成方法に適用するLIGAプロセスにおける好適な電鋳工程
を説明する概念図である。(a)は、微細構造レジスト
膜が電鋳法により処理されて、樹脂溶出部を埋め、さら
に盛り上がるように形成された金属堆積層の状態を示す
概念斜視図である。 (b)は、研磨後の金属堆積層の
状態を示す概念斜視図である。(c)は、金属基板及び
レジスト膜を除去して得られた微細構造金属平板を示す
概念斜視図である。
【図3】 図3(a)〜(c)は、LIGAプロセスにより得
られた2種類の微細構造平板を多数重ね合わせて、本発
明の光学素子母型を作製する工程を説明する概念図であ
る。(a)及び(b)は、使用する2種類の微細構造平板
を示す概念斜視図である。(c)は、重ね合わせで作製
した光学素子母型を示す概念斜視図である。
【図4】 図4は本発明の光学素子母型を基に更に電鋳
して得られた光学素子転写母型を示す概念斜視図であ
る。
【図5】 図5(a)〜(c)は、突起が略左右対称形の
三角形の二辺からなる2種類の微細構造平板の重ね合わ
せ方を説明する平面図である。(a)及び(b)は、2種
類の微細構造平板の形状を示す概念図である。(c)は
2種類の微細構造平板を重ね合わせた形状を示す概念図
である。
【図6】 図6(a)〜(c)は、突起が左右非対称形の
三角形の二辺からなる2種類の微細構造平板の重ね合わ
せ方を説明する平面図である。
【図7】 図7(a)〜(c)は、突起が左右非対称の三
角形が隣り合わせに向き合うように組み合わさってでき
た4辺の組み合わせを基本とする形状からなる2種類の
微細構造平板の重ね合わせ方を説明する平面図である。
【図8】 図8(a)〜(c)は、突起が半円形の形状か
らなる同一種類の微細構造平板を形状が完全に重なり合
うように重ね合わせた状態を説明する平面図である。
(a)及び(b)は、同一種類の微細構造平板の形状を示
す概念図である。(c)は同一種類の微細構造平板を重
ね合わせた形状を示す概念図である。
【図9】 図9(a)〜(c)は、突起が略左右対称形の
大小の三角形の二辺の組合せを基本とする形状からなる
2種類の微細構造平板の重ね合わせ方を説明する平面図
である。
【図10】 図10(a)〜(c)は、突起が左右非対称
形の三角形が隣り合わせに向き合うように組み合わさっ
て形成した四辺の組み合わせを基本とする形状からなる
2種類の微細構造平板の重ね合わせ方を説明する平面図
である。
【図11】 図11は、実施例3で得られた、10種類
の素子形状が合わさった光学素子形成用母型を説明する
図である。
【図12】 図12は、実施例4で得られた、厚みの異
なる平板が組み合わされた光学素子形成用母型を説明す
る図であって、(a)はその平面図、(b)はその側面
図である。
【符号の説明】
1 X線マスク膜 2 マスク支持体 3 レジスト膜 4 金属基板 5 微細構造 6 窓の部分 7 微細構造レジスト膜 8 樹脂溶出部 9 金属堆積層 10 研磨後の金属堆積層

Claims (49)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに平行な二面をもつ平板の端部に、所
    望のデザインの光学素子側面の投影形状に対応する形状
    が形成された複数の微細構造平板を、LIGAプロセスを含
    む工程によって形成することを特徴とする光学素子形成
    用平板の作製方法。
  2. 【請求項2】光学素子側面の投影形状に対応する形状
    が、直線の組み合わせ、直線と、円、楕円、双曲線又は
    放物線から選ばれた曲線との組み合わせ、及び、該曲線
    の一部分からなる形状の群から選ばれる少なくとも一種
    の形状である請求項1に記載の光学素子形成用平板の作
    製方法。
  3. 【請求項3】上記投影形状に対応する形状が実質的に一
    種以上の形状の組み合わせの繰り返しからなる請求項2
    に記載の光学素子形成用平板の作製方法。
  4. 【請求項4】上記投影形状に対応する形状が実質的に同
    一形状の繰り返しからなる請求項3に記載の光学素子形
    成用平板の作製方法。
  5. 【請求項5】上記投影形状に対応する形状が三角形の二
    辺からなる突起である請求項2〜4の何れか1項に記載
    の光学素子形成用平板の作製方法。
  6. 【請求項6】三角形の二辺からなる突起の頂角が略直角
    である請求項5に記載の光学素子形成用平板の作製方
    法。
  7. 【請求項7】三角形の二辺からなる突起の頂角が89.6゜
    〜90.4゜である請求項6に記載の光学素子形成用平板の
    作製方法。
  8. 【請求項8】三角形の二辺からなる突起が略左右対称形
    である請求項5〜7の何れかに記載の光学素子形成用平
    板の作製方法。
  9. 【請求項9】三角形の二辺からなる突起が左右非対称形
    である請求項5〜7の何れか1項に記載の光学素子形成
    用平板の作製方法。
  10. 【請求項10】三角形の二辺からなる突起の底部の先端
    を結ぶことにより形成される三角形の底角の一方が15゜
    以上、45゜未満の範囲内である請求項9に記載の光学素
    子形成用平板の作製方法。
  11. 【請求項11】三角形の底角の一方が20゜以上、43゜以下
    の範囲内である請求項10に記載の光学素子形成用平板
    の作製方法。
  12. 【請求項12】上記投影形状に対応する形状が実質的に
    相異なる二種以上の形状の突起からなる請求項2又は3
    に記載の光学素子形成用平板の作製方法。
  13. 【請求項13】上記突起と突起との間に平坦部又は凹状
    曲線部が形成されている請求項4又は12に記載の光学
    素子形成用平板の作製方法。
  14. 【請求項14】上記LIGAプロセスを含む工程が、 (a) 金属基板上に、レジスト膜、マスク支持膜、端部に
    所望のデザインの光学素子側面の投影形状に対応するネ
    ガ形状が形成されているX線マスク膜を順に重ねて積層
    物を作製し、 (b) 得られた積層物の上方よりX線を照射し、レジスト
    膜の上記X線マスク膜によって遮蔽されていない部分を
    X線に露光させ、 (c) レジスト膜のX線露光部分を溶剤により選択的に溶
    解除去することにより、所望のデザインの光学素子側面
    の投影形状に対応する形状が少なくとも部分的に転写・
    配置された微細構造レジスト膜を形成し、 (d) 得られた微細構造レジスト膜の溶解除去部分に、電
    鋳法により金属堆積層を形成させ、 (e) 該金属堆積層の表面を研磨した後、該微細構造レジ
    スト膜を除去することにより、互いに平行な二面をも
    つ、端部に所望のデザインの光学素子側面の投影形状に
    対応する形状が形成された微細構造金属平板を形成す
    る、工程(a)〜(e)からなる請求項1に記載の光学素子形
    成用平板の作製方法。
  15. 【請求項15】上記LIGAプロセスを含む工程が、LIGAプ
    ロセスで得た微細構造金属平板を母型にした電鋳工程を
    更に含む工程である請求項1又は14の何れかに記載の
    光学素子形成用平板の作製方法。
  16. 【請求項16】上記LIGAプロセスを含む工程が、LIGAプ
    ロセスで得た微細構造金属平板を母型にするか、若しく
    は、LIGAプロセスで得た微細構造金属平板を母型にした
    電鋳工程により得られた微細構造金属平板を母型にした
    成型工程を更に含む工程である請求項1、14又は15
    の何れかに記載の光学素子形成用平板の作製方法。
  17. 【請求項17】X線マスク膜が光リソグラフィー法又は
    電子ビームリソグラフィー法により形成される請求項1
    〜16の何れかに記載の光学素子形成用平板の作製方
    法。
  18. 【請求項18】X線マスク膜表面のX線吸収層の材質が
    金である請求項1〜17の何れかに記載の光学素子形成
    用平板の作製方法。
  19. 【請求項19】金属基板が鉛により形成されている請求
    項1〜18の何れかに記載の光学素子形成用平板の作製
    方法。
  20. 【請求項20】レジスト材料がメチルメタクリレート樹
    脂又は変性メチルメタクリレート樹脂である請求項1〜
    19の何れかに記載の光学素子形成用平板の作製方法。
  21. 【請求項21】マスク支持膜が、ポリイミド、ベリリウ
    ム、シリコン、チタン、カーボン、アルミニウム、窒化
    珪素及び窒化硼素の群から選ばれる請求項1〜20の何
    れかに記載の光学素子形成用平板の作製方法。
  22. 【請求項22】金属堆積層形成に用いる金属が、ニッケ
    ル、銅、金、クロム、ニッケル・コバルト合金、ニッケ
    ル・クロム合金及びニッケル・鉄合金からなる群から選
    ばれる少なくとも1種である請求項1〜21の何れかに
    記載の光学素子形成用平板の作製方法。
  23. 【請求項23】光学素子が、キューブコーナープリズ
    ム、リニアフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ及び
    円筒レンズから選ばれた少なくとも1種である請求項1
    〜22の何れかに記載の光学素子形成用平板の作製方
    法。
  24. 【請求項24】互いに平行な二面をもつ平板の端部に、
    所望のデザインの光学素子側面の投影形状に対応する形
    状が形成された複数の微細構造平板を、該光学素子形状
    を構成するように多数重ね合わせて光学素子母型を作製
    するにあたり、各微細構造平板をLIGAプロセスを含む工
    程によって形成することを特徴とする光学素子母型の作
    製方法。
  25. 【請求項25】光学素子側面の投影形状に対応する形状
    が、直線の組み合わせ、直線と、円、楕円、双曲線又は
    放物線から選ばれた曲線との組み合わせ、及び、該曲線
    の一部分からなる形状の群から選ばれる少なくとも一種
    の形状である請求項24に記載の光学素子母型の作製方
    法。
  26. 【請求項26】上記投影形状に対応する形状が実質的に
    一種以上の形状の組み合わせの繰り返しからなる請求項
    25に記載の光学素子母型の作製方法。
  27. 【請求項27】上記投影形状に対応する形状が実質的に
    同一形状の繰り返しからなる請求項26に記載の光学素
    子母型の作製方法。
  28. 【請求項28】上記投影形状に対応する形状が三角形の
    二辺からなる突起である請求項25〜27の何れか1項
    に記載の光学素子母型の作製方法。
  29. 【請求項29】三角形の二辺からなる突起の頂角が略直
    角である請求項28に記載の光学素子母型の作製方法。
  30. 【請求項30】三角形の二辺からなる突起の頂角が89.6
    ゜〜90.4゜である請求項29に記載の光学素子母型の作製
    方法。
  31. 【請求項31】三角形の二辺からなる突起が略左右対称
    形である請求項28〜30の何れかに記載の光学素子母
    型の作製方法。
  32. 【請求項32】三角形の二辺からなる突起が左右非対称
    形である請求項28〜30の何れか1項に記載の光学素
    子母型の作製方法。
  33. 【請求項33】三角形の二辺からなる突起の底部の先端
    を結ぶことにより形成される三角形の底角の一方が15゜
    以上、45゜未満の範囲内である請求項32に記載の光学
    素子母型の作製方法。
  34. 【請求項34】三角形の底角の一方が20゜以上、43゜以下
    の範囲内である請求項33に記載の光学素子母型の作製
    方法。
  35. 【請求項35】上記投影形状に対応する形状が実質的に
    相異なる二種以上の形状の突起からなる請求項25又は
    26に記載の光学素子母型の作製方法。
  36. 【請求項36】上記突起と突起との間に平坦部又は凹状
    曲線部が形成されている請求項27又は35に記載の光
    学素子母型の作製方法。
  37. 【請求項37】上記LIGAプロセスを含む工程が、 (a) 金属基板上に、レジスト膜、マスク支持膜、端部に
    所望のデザインの光学素子側面の投影形状に対応するネ
    ガ形状が形成されているX線マスク膜を順に重ねて積層
    物を作製し、 (b) 得られた積層物の上方よりX線を照射し、レジスト
    膜の上記X線マスク膜によって遮蔽されていない部分を
    X線に露光させ、 (c) レジスト膜のX線露光部分を溶剤により選択的に溶
    解除去することにより、所望のデザインの光学素子側面
    の投影形状に対応する形状が少なくとも部分的に転写・
    配置された微細構造レジスト膜を形成し、 (d) 得られた微細構造レジスト膜の溶解除去部分に、電
    鋳法により金属堆積層を形成させ、 (e) 該金属堆積層の表面を研磨した後、該微細構造レジ
    スト膜を除去することにより、互いに平行な二面をも
    つ、端部に所望のデザインの光学素子側面の投影形状に
    対応する形状が形成された微細構造金属平板を形成す
    る、工程(a)〜(e)からなるLIGAプロセスを含む工程であ
    る請求項24に記載の光学素子母型の作製方法。
  38. 【請求項38】上記LIGAプロセスを含む工程が、LIGAプ
    ロセスで得た微細構造金属平板を母型にした電鋳工程を
    更に含む工程である請求項24又は37の何れかに記載
    の光学素子母型の作製方法。
  39. 【請求項39】上記LIGAプロセスを含む工程が、LIGAプ
    ロセスで得た微細構造金属平板を母型にするか、若しく
    は、LIGAプロセスで得た微細構造金属平板を母型にした
    電鋳工程により得られた微細構造金属平板を母型にした
    成型工程を更に含む工程である請求項24、37、又は
    38の何れかに記載の光学素子母型の作製方法。
  40. 【請求項40】X線マスク膜が光リソグラフィー法又は
    電子ビームリソグラフィー法により形成される請求項2
    4〜39の何れかに記載の光学素子母型の作製方法。
  41. 【請求項41】X線マスク膜表面のX線吸収層の材質が
    金である請求項24〜40の何れかに記載の光学素子母
    型の作製方法。
  42. 【請求項42】金属基板が鉛により形成されている請求
    項24〜40の何れかに記載の光学素子母型の作製方
    法。
  43. 【請求項43】レジスト材料がメチルメタクリレート樹
    脂又は変性メチルメタクリレート樹脂である請求項24
    〜42の何れかに記載の光学素子母型の作製方法。
  44. 【請求項44】マスク支持膜が、ポリイミド、ベリリウ
    ム、シリコン、チタン、カーボン、アルミニウム、窒化
    珪素及び窒化硼素の群から選ばれる請求項24〜43の
    何れかに記載の光学素子母型の作製方法。
  45. 【請求項45】金属堆積層形成に用いる金属が、ニッケ
    ル、銅、金、クロム、ニッケル・コバルト合金、ニッケ
    ル・クロム合金及びニッケル・鉄合金からなる群から選
    ばれる少なくとも1種である請求項24〜44の何れか
    に記載の光学素子母型の作製方法。
  46. 【請求項46】光学素子が、キューブコーナープリズ
    ム、リニアフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ及び
    円筒レンズから選ばれた少なくとも1種である請求項2
    4〜45の何れかに記載の光学素子母型の作製方法。
  47. 【請求項47】所望のデザインの光学素子側面の投影形
    状に対応する形状がが形成された平板であって、その形
    状が実質的に全て同一である平板を重ね合わせる請求項
    24〜46に記載の光学素子母型の作製方法。
  48. 【請求項48】所望のデザインの光学素子側面の投影形
    状に対応する形状が形成された平板であって、その形状
    が2種以上である平板を重ね合わせる請求項24〜47
    に記載の光学素子母型の作製方法。
  49. 【請求項49】光学素子母型が、複数の微細構造平板が
    重ね合わされて光学素子形状を形成している部分を電鋳
    法により処理することによって得られた転写母型である
    請求項1に記載の光学素子母型の作製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100438889B1 (ko) * 2001-10-23 2004-07-02 학교법인 포항공과대학교 변형된 liga 공정을 이용한 미세 u형 골 구조물제조방법
KR100441881B1 (ko) * 2001-12-07 2004-07-27 학교법인 포항공과대학교 광학용 초소형 구조물 어레이 금형의 제조방법
JP2007011075A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 New Industry Research Organization 導光板の製造方法、導光板、及びそれを用いた面光源装置、液晶表示用光源パネル、並びに液晶表示装置
JP2011062853A (ja) * 2009-09-15 2011-03-31 Nikon Corp 金型中子の製作方法および金型中子

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