JP2000107886A - サブマージアーク溶接用溶接材料及びサブマージアーク溶接方法 - Google Patents
サブマージアーク溶接用溶接材料及びサブマージアーク溶接方法Info
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- JP2000107886A JP2000107886A JP10278730A JP27873098A JP2000107886A JP 2000107886 A JP2000107886 A JP 2000107886A JP 10278730 A JP10278730 A JP 10278730A JP 27873098 A JP27873098 A JP 27873098A JP 2000107886 A JP2000107886 A JP 2000107886A
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Abstract
性を有する溶接部を得る。 【解決手段】 ワイヤ中の成分含有量を〔C〕W、
〔P〕W、〔S〕W、〔Cu〕W、〔Ni〕W、〔C
r〕W、〔Ti〕Wとして表し、フラックス中の成分含有
量を〔C〕f、〔P〕f、〔S〕f、〔Cu〕f、〔Ni〕
f、〔Cr〕f、〔Ti〕 fとして表し、ワイヤの単位消
費量(g/min)当たりのフラックスの消費量(g/
min)をaとした場合に、ワイヤ及びフラックス全体
の成分含有量が C=〔C〕W+a×〔C〕f:0.005乃至0.20重
量% P=〔P〕W+a×〔P〕f:0.04重量%以下 S=〔S〕W+a×〔S〕f:0.04重量%以下 Cu=〔Cu〕W+a×〔Cu〕f:0.05乃至1.0
重量% Ni=〔Ni〕W+a×〔Ni〕f:0.05乃至9.0
重量% Cr=〔Cr〕W+a×〔Cr〕f:0.05重量%以下 Ti=〔Ti〕W+a×〔Ti〕f:0.10乃至10.
0重量%(但し、TiO2はTiに換算する)を満足す
る。
Description
の遂行が困難な構造物で、特に海岸近郊等のような塩害
環境下で使用され、耐食性及び機械的性能が優れている
ことが要求される用途に好適のサブマージアーク溶接用
溶接材料及びサブマージアーク溶接方法に関する。
に、塩水又は融雪塩が飛来する塩分腐食環境下にある道
路橋等の橋梁構造物に使用する鋼材及びその溶接部は、
耐食性向上のため、従来から塗装されて用いられてい
る。しかし、この塗装塗膜は必ず経時劣化するため、耐
食性維持のために、一定周期で塗装しなおす維持管理の
必要性がある。
数桁橋梁に代わり、2主桁橋梁に代表されるような主桁
の数が少ない少数主桁橋梁が多く用いられるようになっ
ている。この少数主桁橋梁は、多数桁橋梁に比して、使
用鋼材量(鋼重)及び橋材片数が削減可能で、施工性も
良く、環境保護及び工期の短縮の点で利点を有する。そ
して、このような少数主桁橋梁には、橋梁設置後の維持
管理の負荷及びコストの最小化と、橋梁自体の長寿命化
が強く求められている。従って、このような少数主桁橋
の構造材に使用される溶材には、前記塩分腐食環境下で
あっても、耐食性が優れた溶材が強く求められている。
ワイヤ(JIS Z3351)としては、Cu:0.3
0乃至0.55重量%、Cr:0.50乃至0.80重
量%及びNi:0.05乃至0.80重量%を含有する
ものが提示されているが、これらは、前記元素の作用に
よって、表面に生成するさびが、高い耐食性を有する緻
密な「安定さび層」となる自己防食機能を有している。
そして、このような性質により、前記橋梁等のように、
これまで種々の構造物のメンテナンスフリーの構造材と
して、基本的に無塗装で使用されてきた。
環境下では、塩分の影響により、前記「安定さび層」が
形成されにくくなる。そして、この「安定さび層」が形
成されなくなると、耐食性は著しく低下してしまう。こ
れは、前記塩分の多い腐食環境下では、腐食に伴って、
さび皮膜中のpHが特に低下することに起因している。
即ち、通常、腐食がわずかでも始まると、先ず、Fe→
Fe2++2e-の反応が生じ、これに続くFe2++2H2
O→Fe(OH)2+2H+なる反応により、鋼表面のp
Hが低下し、さび皮膜及びさび皮膜と溶接金属との界面
のpHも低下する。そして、これらのpHが一旦低下す
ると、電気的中性を保つためにさび皮膜中の塩素イオン
の輸率が増大し、塩素イオンの濃縮がさび皮膜と溶接金
属との界面で生じる。この結果、この界面部分に塩酸雰
囲気が形成され、溶接金属の腐食を促進する。また、こ
れと同時に、さび皮膜中のpHの低下によって、鉄イオ
ンの溶解度が大きくなり、防食機構の要である前記「安
定さび層」の形成を阻害する現象も生じ、腐食加速状況
が形成される。
のであって、少数主桁橋等の構造材として使用可能な耐
食性を有すると共に、機械的性能が優れた溶接部を得る
ことができるサブマージアーク溶接用溶接材料及びサブ
マージアーク溶接方法を提供することを目的とする。
アーク溶接用溶接材料は、溶接部にフラックスを供給
し、ソリッドワイヤ又はフラックス入りワイヤを使用し
て溶接するサブマージアーク溶接に使用するサブマージ
アーク溶接用溶接材料において、溶接材料中の成分C、
P、S、Cu、Ni、Cr、Tiのうち、ワイヤ中の成
分含有量を〔C〕 W、〔P〕W、〔S〕W、〔Cu〕W、
〔Ni〕W、〔Cr〕W、〔Ti〕Wとして表し、フラッ
クス中の成分含有量を〔C〕f、〔P〕f、〔S〕f、
〔Cu〕f、〔Ni〕f、〔Cr〕f、〔Ti〕fとして表
し、ワイヤの単位消費量(g/min)当たりのフラッ
クスの消費量(g/min)をaとした場合に、ワイヤ
及びフラックス全体の成分含有量が下記数式1にて規定
される範囲を満足することを特徴とする。
方法は、溶接部にフラックスを供給し、ソリッドワイヤ
又はフラックス入りワイヤを使用して溶接するサブマー
ジアーク溶接方法において、溶接材料中の成分C、P、
S、Cu、Ni、Cr、Tiが前記数式1を満足するこ
とを特徴とする。
アルカリ化する化学種を鋼中に分散させた耐候性鋼材
が、特に、前記少数主桁橋等の構造材に求められている
レベル、即ち、無塗装で使用可能な裸耐候性のレベルま
でに、耐候性鋼の耐食性を改善できない理由を追求し
た。その結果、これらの耐候性鋼材に含まれるCrが腐
食因子として作用していることを知見した。
溶接金属のミクロな表面欠陥部において腐食がわずかで
も始まると、化学平衡的に鉄原子に伴いCr原子も微量
溶解し、この微量溶解するCrイオンが、Clイオンの
作用も加わり、前記溶接金属のミクロな表面欠陥部内に
おけるpHの低下の原因となる。また、このCrイオン
が、欠陥内での凝縮水分の酸化性を促進し、腐食を誘発
する作用がある。
を0.05重量%以下にする。そして、Crに代わる前
記「安定さび層」の形成促進元素としてTiを選択し
た。Tiは、Crのような前記pHの低下の原因となら
ずに、前記「安定さび層」の形成促進効果があるという
特異な性質を有する。本発明におけるTiの目的は、前
記したとおり緻密な「安定さび層」の形成であり、この
点がCrの低減と共に本発明の特徴の一つである。
法においては、開先にフラックスを散布又は供給し、こ
の開先にソリッドワイヤ又はフラックス入りワイヤを使
用してアークを形成することにより、前記フラックスを
溶融させて溶接部をシールさせると共に、前記開先を溶
接していく。この場合に、ワイヤの単位消費量(g/m
in)当たりのフラックスの消費量(g/min)をa
とする。
接材料における成分添加理由及び組成限定理由について
説明する。なお、溶接材料中の成分C、P、S、Cu、
Ni、Cr、Tiのうち、ワイヤ中の成分含有量を
〔C〕W、〔P〕W、〔S〕W、〔Cu〕W、〔Ni〕W、
〔Cr〕W、〔Ti〕Wとして表し、フラックス中の成分
含有量を〔C〕f、〔P〕f、〔S〕f、〔Cu〕f、〔N
i〕f、〔Cr〕f、〔Ti〕fとして表す。このフラッ
クス中の成分含有量とは、開先に散布又は供給されるフ
ラックス中の成分の含有量のことであり、ワイヤ中の成
分含有量とは、ソリッドワイヤを使用した場合はそのソ
リッドワイヤ中の成分含有量であり、フラックス入りワ
イヤを使用した場合は、鋼シース及び充填フラックス中
の総量としての成分含有量である。
である。C含有量が0.005重量%未満では、溶接金
属のC量が低くなりすぎるため、強度を確保しにくいば
かりでなく、耐高温割れ感受性が劣ると共に、溶接中の
シールド効果が不足することによって、溶接金属中のN
量が増大し、衝撃性能が劣化する。また、C含有量が
0.20重量%を超えると溶接金属中のC量が多くなり
すぎるため、耐高温割れ感受性が急激に劣化する。この
ため、溶接材料中のCは0.005乃至0.20重量%
とする。
るが、本発明ではTi等の含有により、安定さび層の生
成を達成できるため、過度の含有は必要ない。逆に、P
の過度の添加は靭性劣化及び耐割性劣化を招くため、P
は0.04重量%以下とする。
性の劣化を招く。Niを過剰に含有した場合、NiSは
溶接金属の粒界に析出し、延性及び靭性劣化を招く。こ
のため、Sは0.04重量%以下とする。
の生成を促進し、耐食性を向上させる効果を有する。C
uが0.05重量%未満では、これらの効果が得られな
い。Cuが1.0重量%を超えると、それ以上添加して
もその添加量に見合う効果は得られず、逆に脆化と耐割
性劣化を引き起こす。このため、Cuは0.05乃至
1.0重量%とする。
0.05重量%未満では、これらの効果が得られない。
逆に、Ni含有量が9.0重量%超では、それ以上の効
果は得られず、逆に強度が過大となるため、耐割れ性劣
化及び延性劣化が生じる。また、経済的にも問題があ
る。このため、Ni含有量は0.05乃至9.0重量%
とする。
なり、欠陥内での凝縮水分の酸化性を促進し、腐食を誘
発する作用を有するため、耐食性を劣化させる元素であ
る。このため、Crは0.05重量%以下とする。
O2 (Ti換算)を含む) TiはCrに代わる安定さび層の生成促進元素である。
TiはCrのように前記pHの低下の原因となるような
耐食性への悪影響もなく、更に結晶粒微細化による生成
さびの微細化及び靭性向上の効果を有する。Tiが0.
10重量%未満では、これらの効果が得られない。一
方、Tiが10.0重量%超では、それ以上の効果も得
られず、経済的でない。
成分については特に限定されず、溶接金属の引張・衝撃
性能を確保するために、通常のMn、Si、Mo、B等
を添加することが可能である。
i等の成分は、ワイヤ及びフラックスの両方若しくはい
ずれかより添加することができる。また、ワイヤはソリ
ッドワイヤに限らず、成分が該当すればフラックス入り
ワイヤも用いることがでできると共に、フラックスは、
溶融・ボンドのいずれかのタイプ及びその混合タイプを
用いても良い。
明の範囲に入る実施例及び本発明の範囲から外れる比較
例の溶接材料を使用してサブマージアーク溶接を行い、
その特性を評価した結果について説明する。
る。 ・使用鋼材の化学組成:C:0.09重量%、Si:
0.25重量%、Mn:0.60重量%、P:0.02
1重量%、S:0.004重量%、Cu:0.25重量
%、Ni:0.70重量%、Ti:0.04重量%、C
r:0.01重量% ・鋼材の板厚:20mmt ・溶接方法:JIS Z 3183に準拠 ・溶接条件:AC 500A−30V−30cm/mi
n ・ワイヤ径:4.0mm 供試ワイヤの化学組成を下記表1に示し、供試フラック
スの化学組成を下記表2に示す。そして、前記数式1に
より算出された溶接材料の成分の化学組成を下記表3に
示す。
10mmの試験片を採取して、週1回の塩水散布を含む
1年間の大気暴露試験を行ない、その長期耐久性を評価
した。その結果を下記表4に示す。
は、実際の塩分腐食環境下に合わせて週1回の5体積%
塩水の散布を行い、供試材は南向き、水平に対し30°
の傾斜で設置した。この大気暴露試験後、供試材の平均
板厚減少量を測定し、0.9mm以下を良好とした。こ
の表4から明らかなように、本発明の実施例の場合は、
耐食性が良好であるが、比較例の場合は、高温割れが発
生したり、耐食性が劣化した。
材料を使用してサブマージアーク溶接することにより、
溶接部の耐食性が著しく向上し、少数主桁橋等の構造材
として使用可能な耐食性を有すると共に、機械的性能が
優れた溶接部を得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 溶接部にフラックスを供給し、ソリッド
ワイヤ又はフラックス入りワイヤを使用して溶接するサ
ブマージアーク溶接に使用するサブマージアーク溶接用
溶接材料において、溶接材料中の成分C、P、S、C
u、Ni、Cr、Tiのうち、ワイヤ中の成分含有量を
〔C〕W、〔P〕W、〔S〕W、〔Cu〕W、〔Ni〕W、
〔Cr〕W、〔Ti〕Wとして表し、フラックス中の成分
含有量を〔C〕f、〔P〕f、〔S〕f、〔Cu〕f、〔N
i〕f、〔Cr〕f、〔Ti〕fとして表し、ワイヤの単
位消費量(g/min)当たりのフラックスの消費量
(g/min)をaとした場合に、ワイヤ及びフラック
ス全体の成分含有量が C=〔C〕W+a×〔C〕f:0.005乃至0.20重
量% P=〔P〕W+a×〔P〕f:0.04重量%以下 S=〔S〕W+a×〔S〕f:0.04重量%以下 Cu=〔Cu〕W+a×〔Cu〕f:0.05乃至1.0
重量% Ni=〔Ni〕W+a×〔Ni〕f:0.05乃至9.0
重量% Cr=〔Cr〕W+a×〔Cr〕f:0.05重量%以下 Ti=〔Ti〕W+a×〔Ti〕f:0.10乃至10.
0重量%(但し、TiO2はTiに換算する) を満足することを特徴とするサブマージアーク溶接用溶
接材料。 - 【請求項2】 溶接部にフラックスを供給し、ソリッド
ワイヤ又はフラックス入りワイヤを使用して溶接するサ
ブマージアーク溶接方法において、溶接材料中の成分
C、P、S、Cu、Ni、Cr、Tiのうち、ワイヤ中
の成分含有量を〔C〕W、〔P〕W、〔S〕W、〔C
u〕W、〔Ni〕W、〔Cr〕W、〔Ti〕Wとして表し、
フラックス中の成分含有量を〔C〕f、〔P〕f、〔S〕
f、〔Cu〕f、〔Ni〕f、〔Cr〕f、〔Ti〕fとし
て表し、ワイヤの単位消費量(g/min)当たりのフ
ラックスの消費量(g/min)をaとした場合に、ワ
イヤ及びフラックス全体の成分含有量が C=〔C〕W+a×〔C〕f:0.005乃至0.20重
量% P=〔P〕W+a×〔P〕f:0.04重量%以下 S=〔S〕W+a×〔S〕f:0.04重量%以下 Cu=〔Cu〕W+a×〔Cu〕f:0.05乃至1.0
重量% Ni=〔Ni〕W+a×〔Ni〕f:0.05乃至9.0
重量% Cr=〔Cr〕W+a×〔Cr〕f:0.05重量%以下 Ti=〔Ti〕W+a×〔Ti〕f:0.10乃至10.
0重量%(但し、TiO2はTiに換算する)を満足す
ることを特徴とするサブマージアーク溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27873098A JP3657128B2 (ja) | 1998-09-30 | 1998-09-30 | サブマージアーク溶接用溶接材料及びサブマージアーク溶接方法 |
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JP27873098A JP3657128B2 (ja) | 1998-09-30 | 1998-09-30 | サブマージアーク溶接用溶接材料及びサブマージアーク溶接方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102962604A (zh) * | 2012-11-07 | 2013-03-13 | 北京奥邦焊业有限公司 | 一种焊丝及其制造方法 |
KR20140117617A (ko) | 2012-02-28 | 2014-10-07 | 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 | 내이종 금속 접촉 부식성이 우수한 강재 및 용접 조인트 |
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-
1998
- 1998-09-30 JP JP27873098A patent/JP3657128B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN102962604B (zh) * | 2012-11-07 | 2015-07-15 | 北京奥邦焊业有限公司 | 一种焊丝 |
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