JP2000107678A - ブラックマトリックス基板およびその製造方法 - Google Patents

ブラックマトリックス基板およびその製造方法

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JP2000107678A JP30162098A JP30162098A JP2000107678A JP 2000107678 A JP2000107678 A JP 2000107678A JP 30162098 A JP30162098 A JP 30162098A JP 30162098 A JP30162098 A JP 30162098A JP 2000107678 A JP2000107678 A JP 2000107678A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂タイプのブラックマトリックスを高い精
度で、かつ、良好な密着性で備えたブラックマトリック
ス基板と、このようなブラックマトリックス基板の製造
方法を提供する。 【解決手段】 ブラックマトリックス基板を、透明基板
上にブラックマトリックスとを備え、このブラックマト
リックスを透明基板との界面近傍において含有量が最大
となるように光反応開始剤を含有したものとし、このよ
うなブラックマトリックス基板は、透明基板上に光反応
開始剤を含有する薄膜を形成し、この薄膜上にブラック
マトリックス用のネガ型の感光性樹脂組成物を塗布して
感光性樹脂層を形成した後、感光性樹脂層をブラックマ
トリックス用のフォトマスクを介して露光し現像するこ
とにより製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブラックマトリック
ス基板およびその製造方法に係り、特に樹脂タイプのブ
ラックマトリックスを良好な密着性で備えたブラックマ
トリックス基板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、フラットディスプレイとして、モ
ノクロあるいはカラーの液晶ディスプレイが注目されて
いる。カラーの液晶ディスプレイには、3原色の制御を
行うためにアクティブマトリックス方式および単純マト
リックス方式とがあり、いずれの方式においてもカラー
フィルタが用いられている。そして、カラーの液晶ディ
スプレイは構成画素部を3原色(R,G,B)とし、液
晶の電気的スイッチングにより3原色の各光の透過を制
御してカラー表示を行うものである。
【0003】液晶ディスプレイ用のカラーフィルタは、
透明基板上に各着色パターンと透明電極膜を形成して構
成されている。そして、発色効果や表示コントラストを
上げるために、着色パターンのR,G,Bの各画素の境
界部分に遮光膜(ブラックマトリックス)が形成され
る。また、アクティブマトリックス方式の液晶ディスプ
レイでは、薄膜トランジスタ(TFT)をスイッチング
素子として用いているため、光リーク電流を抑制する必
要がある。このため、ブラックマトリックスに対してよ
り高い遮光性が要求されている。
【0004】従来、カラーフィルタを製造するためのブ
ラックマトリックス基板としては、透明基板上に、クロ
ム薄膜をフォトエッチングしてブラックマトリックスを
形成したもの、親水性樹脂レリーフを染色してブラック
マトリックスとしたもの、黒色顔料等を分散した感光樹
脂組成物を用いてブラックマトリックスを形成したも
の、黒色電着塗料を電着してブラックマトリックスを形
成したもの、印刷によりブラックマトリックスを形成し
たもの等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の黒色顔料等を分
散した感光性樹脂組成物を用いレリーフ形成してブラッ
クマトリックスとする場合、ネガ型の感光性樹脂組成物
からなる感光性樹脂層をフォトマスクを介して露光し、
その後、現像することによりレリーフパターンを形成す
ることが行われている。しかし、感光性樹脂層に照射さ
れた光は層内を透過する際に黒色顔料に吸収され、一
方、上記のネガ型の感光性樹脂組成物はモノマーや光反
応開始剤が均一に分散されているので、感光性樹脂層の
表面で照射光と光反応開始剤との光反応が最も強く起こ
り、透明基板との界面近傍の感光性樹脂層では光反応が
起こりにくくなる。したがって、光反応生成物の濃度勾
配が感光性樹脂層の厚み方向に生じ、これにより、感光
性樹脂層の硬化度にも差が生じて表面側の硬化度が高く
なる。このような露光が行われた感光性樹脂層を現像し
て得られるブラックマトリックスパターンは、透明基板
側が細い逆テーパー構造のものとなる。このような逆テ
ーパー構造のブラックマトリックスは、透明基板との密
着面積が小さくなり、密着性が低いという問題があっ
た。
【0006】本発明は上述のような事情に鑑みてなされ
たものであり、樹脂タイプのブラックマトリックスを高
い精度で、かつ、良好な密着性で備えたブラックマトリ
ックス基板と、このようなブラックマトリックス基板の
製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明のブラックマトリックス基板は、透明
基板と、該透明基板上に設けられたブラックマトリック
スとを備え、ブラックマトリックスは光反応開始剤を含
有するとともに、透明基板との界面近傍において光反応
開始剤の含有量が最大となるような構成とした。
【0008】本発明のブラックマトリックス基板の製造
方法は、透明基板上に光反応開始剤を含有する薄膜を形
成し、該薄膜上にブラックマトリックス用のネガ型の感
光性樹脂組成物を塗布して感光性樹脂層を形成し、該感
光性樹脂層をブラックマトリックス用のフォトマスクを
介して露光し現像することによりブラックマトリックス
パターンを形成するような構成とした。
【0009】上記のような本発明では、露光において感
光性樹脂層を透過して光反応開始剤を含有する薄膜に達
した光が光反応開始剤と光反応を起こして光反応生成物
を生じ、感光性樹脂層の厚み方向における光反応生成物
の濃度勾配をほぼ均一にする作用をなす。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。ブラックマトリックス基板 図1は本発明のブラックマトリックスの一実施形態を示
す概略断面図である。図1において、ブラックマトリッ
クス基板1は、透明基板2と、この透明基板2上に形成
されたブラックマトリックス3とからなっている。
【0011】透明基板2としては、石英ガラス、パイレ
ックスガラス、合成石英板等の可撓性のないリジット
材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓
性を有するフレキシブル材を用いることができる。この
中で特にコーニング社製7059ガラスは、熱膨脹率の
小さい素材であり、寸法安定性および高温加熱処理にお
ける作業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含
まない無アルカリガラスであるため、ブラックマトリッ
クス基板を用いてアクティブマトリックス方式によるL
CD用のカラーフィルタを製造する場合に適している。
【0012】ブラックマトリックス3は、ネガ型の感光
性樹脂層をパターン露光によって硬化した後、現像処理
によりパターン形成したものであり、黒色顔料等の遮光
材を均一に分散して含有するとともに、光反応開始剤
を、透明基板2との界面近傍部3aにおいて含有量が最
大となるように含有する。
【0013】ブラックマトリックス3に含有される光反
応開始剤としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、
N,N´テトラメチル−4,4´−ジアミノベンゾフェ
ノン、4−メトキシ−4´−ジメチルアミノベンゾフェ
ノン、4,4´−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−
エチルアントラキノン、フェナントレン等の芳香族ケト
ン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエー
テル類、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベン
ゾイン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−フェニ
ルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−
4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量
体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニ
ルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)
−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体等のハロメチ
ルチアゾール化合物、2,4−ビス(トリクロロメチ
ル)−6−p−メトキシスチリル−S−トリアジン、
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジ
メチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−S−
トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−
p−メトキシスチリル−S−トリアジン等のハロメチル
−S−トリアジン系化合物、2,2−ジメトキシ−1,
2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−
〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプ
ロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,1−ヒ
ドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン等、さらに
具体的には、イルガキュアー369(チバガイギー社
製)、イルガキュアー651(チバガイギー社製)、イ
ルガキュアー907(チバガイギー社製)等が挙げられ
る。これらの光反応開始剤は、単独で、あるいは、2種
以上の組み合わせであってもよい。
【0014】尚、ブラックマトリックス3の透明基板2
との界面近傍部3aとは、透明基板2との界面から0.
2μm程度の厚みまでを意味する。
【0015】本発明のブラックマトリックス基板1は、
ブラックマトリックスパターンの線幅Wが高さ方向でほ
ぼ均一であり、図1の右側のブラックマトリックスに鎖
線で示す逆テーパー構造ではない。したがって、ブラッ
クマトリックス3の遮光総面積と透明基板との密着総面
積がほぼ一致し、透明基板との密着性が高いものとなっ
ている。
【0016】このようなブラックマトリックス3の線幅
は10〜25μm、高さは0.9〜1.7μmの範囲で
任意に設定することができる。ブラックマトリックス基板の製造方法 図2は本発明のブラックマトリックス基板の製造方法の
一実施形態を説明するための工程図である。
【0017】図2において、まず、透明基板2に光反応
開始剤を含有する薄膜4を形成する(図2(A))。こ
の薄膜4は、上記のような光反応開始剤を所定の溶
媒、または、溶媒およびバインダー樹脂に溶解させた
溶液をロールコート法、スピンコート法、ブレードコー
ト法等の従来公知の塗布手段で塗布、乾燥することによ
り形成することができる。薄膜4の厚みは0.05〜
0.2μm程度に設定することが好ましい。尚、上記の
薄膜4中の光反応開始剤の含有量は、溶媒に溶解させ
た溶液を用いて薄膜4を形成する場合、溶液中の光反応
開始剤の含有量を1〜5重量%の範囲内で設定し、ま
た、溶媒およびバインダー樹脂中に溶解させた溶液を
用いて薄膜4を形成する場合は、溶液中の光反応開始剤
の含有量を総固形分(溶媒は総固形分に入らない)に対
して20〜40重量%の範囲内で設定することにより適
正なものとすることができる。
【0018】次に、薄膜4上にブラックマトリックス用
のネガ型の感光性樹脂組成物を塗布して感光性樹脂層5
を形成する(図1(B))。感光性樹脂層5の厚みは、
形成しようとするブラックマトリックスの厚みに応じて
設定することができ、また、塗布方法は、ロールコート
法、スピンコート法、ブレードコート法等の従来公知の
塗布手段を用いることができる。
【0019】このように薄膜4上に感光性樹脂層5を形
成する段階で、薄膜4を構成する光反応開始剤は感光性
樹脂層5中に移行するので、薄膜4と感光性樹脂層5と
の界面は明確には存在せず、透明基板2との界面近傍に
おいて光反応開始剤の濃度が特に高いような濃度勾配を
もった感光性樹脂層5´が存在することになる。
【0020】上記の感光性樹脂組成物は、バインダー樹
脂、モノマー、光反応開始剤と、染料、無機顔料、有機
顔料等から選ばれた遮光材料を含有する。
【0021】バインダー樹脂としては、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチ
レンビニル共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル
−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリメタクリル酸樹
脂、エチレンメタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、
塩素化塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロース
アセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチ
レート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリ
フェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリビニル
ブチラール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミ
ド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、
ポリエーテルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂
等が挙げられる。
【0022】このようなバインダー樹脂の含有量は、感
光性樹脂組成物の総固形分に対して30〜50重量%の
範囲が好ましい。尚、感光性樹脂組成物中の総固形分と
は、バインダー樹脂、モノマー、光反応開始剤および遮
光材料を意味する。
【0023】また、モノマーとしては、少なくとも1つ
の重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有する化合物を用
いることができる。具体的には、アリルアクリレート、
ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、
ブトキシエチレングリコールアクリレート、シクロヘキ
シルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリ
レート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、イソボニルアクリレート、イソデキシルアクリレー
ト、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレー
ト、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレ
ングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレ
ート、ステアリルアクリレート、エチレングリコールジ
アクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート等
のアクリレートモノマー、および、これらのアクリレー
ト基をメタクリレート基に置換したもの、ポリウレタン
構造を有するオリゴマーにアクリレート基を結合させた
ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステル構造を
有するオリゴマーにアクリレート基を結合させたポリエ
ステルアクリレートオリゴマー、エポキシ基を有するオ
リゴマーにアクリレート基を結合させたエポキシアクリ
レートオリゴマー、ポリウレタン構造を有するオリゴマ
ーにメタクリレート基を結合させたウレタンメタクリレ
ートオリゴマー、ポリエステル構造を有するオリゴマー
にメタクリレート基を結合させたポリエステルメタクリ
レートオリゴマー、エポキシ基を有するオリゴマーにメ
タクリレート基を結合させたエポキシメタクリレートオ
リゴマー、アクリレート基を有するポリウレタンアクリ
レート、アクリレート基を有するポリエステルアクリレ
ート等が挙げられる。
【0024】これらは使用することができるモノマーの
一例であり、これらに限定されるものではない。また、
このようなモノマーの含有量は、感光性樹脂組成物の総
固形分に対して15〜25重量%の範囲が好ましい。
【0025】さらに、光反応開始剤は、上記の光反応開
始剤を用いることができ、含有量は感光性樹脂組成物の
総固形分に対して3〜8重量%の範囲が好ましい。 感
光性樹脂組成物は、さらに添加剤として可塑剤、増感
剤、重合停止剤、レベリング剤、分散剤、安定剤、消泡
剤、増粘剤、沈殿防止剤等を必要に応じて含有すること
ができる。
【0026】また、感光性樹脂組成物に用いる溶剤とし
ては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、エ
チレングリコール等のアルコール類、アセトン、メチル
エチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、
カルビトール、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、セロソルブアセテート、カルビトールアセテート等
の酢酸エステル類等が挙げられる。
【0027】次に、この感光性樹脂層5(5´)に対し
て、ブラックマトリックス用のフォトマスク11を介し
て露光を行う(図2(C))。このようなフォトマスク
11を介した感光性樹脂層5の露光において、照射され
た光は感光性樹脂層5内で光反応開始剤と光反応を起こ
して光反応生成物を生じながら徐々に吸収される。そし
て、感光性樹脂層5を透過し光反応開始剤を含有する薄
膜4に到達した光は、薄膜4において光反応開始剤と光
反応を起こして光反応生成物を生じる。このように、照
射光の到達光量が少ない感光性樹脂層5´の透明基板2
との界面近傍では、高い濃度で存在する光反応開始剤に
よって光反応生成物が生じるので、感光性樹脂層5(5
´)の厚み方向における光反応生成物の濃度勾配はほぼ
均一となる。したがって、感光性樹脂層5(5´)の露
光部位の厚み方向における硬化度もほぼ均一となる。
【0028】次に、感光性樹脂層5(5´)を現像する
ことにより、ブラックマトリックス3が透明基板2上に
形成され、ブラックマトリックス基板1が得られる(図
1(D))。この現像では、上述のように感光性樹脂層
5(5´)の露光部位の厚み方向における硬化度がほぼ
均一となっているので、深さ方向で感光性樹脂層の除去
量が多くなり逆テーパー構造が発生することはなく、ブ
ラックマトリックス3と透明基板2との密着性は高いも
のとなる。
【0029】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。
【0030】まず、ガラス基板(コーニング(株)製7
059ガラス(厚み0.7mm))上に、下記組成の光
反応開始剤塗布液をスピンコート法により塗布し乾燥し
て、厚み0.05μmの薄膜を形成した。
【0031】光反応開始剤塗布液の組成 ・イルガキュアー369(チバガイギー社製) … 1重量部 ・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 … 4重量部 (モル比=73/27) ・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート… 100重量部 次に、上記の薄膜上に、下記組成のブラックマトリック
ス用のネガ型の感光性樹脂組成物をスピンコート法によ
り塗布し乾燥して感光性樹脂層(厚み1.3μm)を形
成した。
【0032】感光性樹脂組成物 ・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 … 150重量部 (モル比=73/27) ・イルガキュアー369(チバガイギー社製) … 25重量部 ・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート … 80重量部 ・カーボンブラック分散液 … 150重量部 次いで、ブラックマトリックス用のフォトマスク(マト
リックス状の透光部の線幅15μm、透光部のピッチ6
0μm)を介して下記の条件で感光性樹脂層に対して露
光を行った。
【0033】露光条件 ・光源 :超高圧水銀灯(波長350〜5
00nm) ・露光量(5種) :25、50、75、100、1
50mJ/cm2 次いで、感光性樹脂層をアルカリ現像液で現像し、さら
に洗浄、乾燥し、200℃で30分間加熱して、マトリ
ックス状のブラックマトリックスパターンを形成しブラ
ックマトリックス基板(試料1〜5)を得た。
【0034】比較として、光反応開始剤を含有する薄膜
を形成しない他は、上述のブラックマトリックスパター
ンの形成と同様にして、ブラックマトリックス基板(比
較試料1〜5)を得た。
【0035】このように形成した各ブラックマトリック
スパターンの厚み、および、各ブラックマトリックスパ
ターンの膜厚方向での感光性樹脂組成物の二重結合の残
存量を下記の方法で測定して、結果を下記の表1に示し
た。
【0036】厚みの測定方法 テンコール社製の触針式膜厚計α−step300で測
定した。
【0037】二重結合の残存量測定方法 ATR法によるIR測定を行い、C=C/C=O比の変
化量から二重結合の残存量を決定した。また、プリズム
の種類、入射角度を変化させることにより、ブラックマ
トリックスの膜厚方向全体と、表面側の二重結合の残存
量を求め、基板界面近傍の二重結合の残存量を算出し
た。
【0038】
【表1】 表1に示されるように、光反応開始剤を含有する薄膜を
形成することにより、50mJ/cm2 以上(試料2〜
5)の露光量でブラックマトリックスパターンの形成が
可能であった。しかし、光反応開始剤を含有する薄膜を
形成しない場合、露光量を75mJ/cm2 以上(比較
試料3〜5)にしないとブラックマトリックスのパター
ン形成は不可能であった。このことから、光反応開始剤
を含有する薄膜を形成することにより、感光性樹脂組成
物の光反応生成物の膜厚方向での濃度差が小さくなり、
ガラス基板界面での反応量が増大して密着性が向上した
ことが確認された。これを裏づけるように、比較試料3
〜5のブラックマトリックスパターンは、ガラス基板界
面近傍で二重結合残存量が最大となっており、光反応生
成物の膜厚方向での濃度差が大きくなっているのに対
し、試料2〜5のブラックマトリックスパターンは、ガ
ラス基板界面近傍と表面とにおける二重結合残存量の差
がなく、光反応生成物の膜厚方向での濃度差は生じてい
ない。
【0039】尚、試料2〜5のブラックマトリックス基
板は、ブラックマトリックスの線幅が厚み方向において
約17μmで一定であった。しかし、比較試料3〜5の
ブラックマトリックス基板は、ブラックマトリックスの
線幅が、表面側で17μm、ガラス基板側で13.5μ
mであり、逆テーパー構造を有するものであった。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば露
光において照射された光は感光性樹脂層内で光反応開始
剤と光反応を起こして光反応生成物を生じながら徐々に
吸収され、感光性樹脂層の深さ方向で光反応生成物量が
減少するが、感光性樹脂層を透過した光は光反応開始剤
を含有する薄膜において光反応開始剤と光反応を起こし
て多量の光反応生成物を生じるので、感光性樹脂層の厚
み方向における光反応生成物の濃度勾配はほぼ均一とな
り、したがって露光部位の厚み方向における硬化度もほ
ぼ均一となり、現像により得られるブラックマトリック
スは、その幅が高さ方向でほぼ均一で、従来の逆テーパ
ー構造のブラックマトリックスとは明らかに構造が異な
るものとなり、ブラックマトリックスと透明基板との密
着性が良好で、かつ、パターン精度の高いブラックマト
リックス基板が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラックマトリックス基板の一実施形
態を示す概略断面図である。
【図2】本発明のブラックマトリックス基板の製造方法
の一実施形態を説明するための工程図である。
【符号の説明】
1…ブラックマトリックス基板 2…透明基板 3…ブラックマトリックス 4…光反応開始剤を含有する薄膜 5,5´…感光性樹脂層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板と、該透明基板上に設けられた
    ブラックマトリックスとを備え、ブラックマトリックス
    は光反応開始剤を含有するとともに、透明基板との界面
    近傍において光反応開始剤の含有量が最大となることを
    特徴とするブラックマトリックス基板。
  2. 【請求項2】 透明基板上に光反応開始剤を含有する薄
    膜を形成し、該薄膜上にブラックマトリックス用のネガ
    型の感光性樹脂組成物を塗布して感光性樹脂層を形成
    し、該感光性樹脂層をブラックマトリックス用のフォト
    マスクを介して露光し現像することによりブラックマト
    リックスパターンを形成することを特徴とするブラック
    マトリックス基板の製造方法。
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