JP4116714B2 - ブラックマトリックス基板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はブラックマトリックス基板およびその製造方法に係り、特に樹脂タイプのブラックマトリックスを良好な密着性で備えたブラックマトリックス基板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、フラットディスプレイとして、モノクロあるいはカラーの液晶ディスプレイが注目されている。カラーの液晶ディスプレイには、3原色の制御を行うためにアクティブマトリックス方式および単純マトリックス方式とがあり、いずれの方式においてもカラーフィルタが用いられている。そして、カラーの液晶ディスプレイは構成画素部を3原色(R,G,B)とし、液晶の電気的スイッチングにより3原色の各光の透過を制御してカラー表示を行うものである。
【0003】
液晶ディスプレイ用のカラーフィルタは、透明基板上に各着色パターンと透明電極膜を形成して構成されている。そして、発色効果や表示コントラストを上げるために、着色パターンのR,G,Bの各画素の境界部分に遮光膜(ブラックマトリックス)が形成される。また、アクティブマトリックス方式の液晶ディスプレイでは、薄膜トランジスタ(TFT)をスイッチング素子として用いているため、光リーク電流を抑制する必要がある。このため、ブラックマトリックスに対してより高い遮光性が要求されている。
【0004】
従来、カラーフィルタを製造するためのブラックマトリックス基板としては、透明基板上に、クロム薄膜をフォトエッチングしてブラックマトリックスを形成したもの、親水性樹脂レリーフを染色してブラックマトリックスとしたもの、黒色顔料等を分散した感光樹脂組成物を用いてブラックマトリックスを形成したもの、黒色電着塗料を電着してブラックマトリックスを形成したもの、印刷によりブラックマトリックスを形成したもの等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の黒色顔料等を分散した感光性樹脂組成物を用いレリーフ形成してブラックマトリックスとする場合、ネガ型の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層をフォトマスクを介して露光し、その後、現像することによりレリーフパターンを形成することが行われている。しかし、感光性樹脂層に照射された光は層内を透過する際に黒色顔料に吸収され、一方、上記のネガ型の感光性樹脂組成物はモノマーや光反応開始剤が均一に分散されているので、感光性樹脂層の表面で照射光と光反応開始剤との光反応が最も強く起こり、透明基板との界面近傍の感光性樹脂層では光反応が起こりにくくなる。したがって、光反応生成物の濃度勾配が感光性樹脂層の厚み方向に生じ、これにより、感光性樹脂層の硬化度にも差が生じて表面側の硬化度が高くなる。このような露光が行われた感光性樹脂層を現像して得られるブラックマトリックスパターンは、透明基板側が細い逆テーパー構造のものとなる。このような逆テーパー構造のブラックマトリックスは、透明基板との密着面積が小さくなり、密着性が低いという問題があった。
【0006】
本発明は上述のような事情に鑑みてなされたものであり、樹脂タイプのブラックマトリックスを高い精度で、かつ、良好な密着性で備えたブラックマトリックス基板と、このようなブラックマトリックス基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明のブラックマトリックス基板の製造方法は、溶剤およびバインダー樹脂中に光反応開始剤を溶解させてなる光反応開始剤塗布液を透明基板上に塗布して、該透明基板上に光反応開始剤を20〜40重量%の範囲で含有し厚みが0.05〜0.2μmの範囲である薄膜を形成し、該薄膜上にブラックマトリックス用のネガ型の感光性樹脂組成物を塗布して感光性樹脂層を形成し、該感光性樹脂層をブラックマトリックス用のフォトマスクを介して露光し現像することによりブラックマトリックスパターンを形成するような構成とした。
【0009】
上記のような本発明では、露光において感光性樹脂層を透過して光反応開始剤を含有する薄膜に達した光が光反応開始剤と光反応を起こして光反応生成物を生じ、感光性樹脂層の厚み方向における光反応生成物の濃度勾配をほぼ均一にする作用をなす。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
ブラックマトリックス基板
図1は本発明のブラックマトリックスの一実施形態を示す概略断面図である。図1において、ブラックマトリックス基板1は、透明基板2と、この透明基板2上に形成されたブラックマトリックス3とからなっている。
【0011】
透明基板2としては、石英ガラス、パイレックスガラス、合成石英板等の可撓性のないリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有するフレキシブル材を用いることができる。この中で特にコーニング社製7059ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり、寸法安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含まない無アルカリガラスであるため、ブラックマトリックス基板を用いてアクティブマトリックス方式によるLCD用のカラーフィルタを製造する場合に適している。
【0012】
ブラックマトリックス3は、ネガ型の感光性樹脂層をパターン露光によって硬化した後、現像処理によりパターン形成したものであり、黒色顔料等の遮光材を均一に分散して含有するとともに、光反応開始剤を、透明基板2との界面近傍部3aにおいて含有量が最大となるように含有する。
【0013】
ブラックマトリックス3に含有される光反応開始剤としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、N,N´テトラメチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4´−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4´−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、フェナントレン等の芳香族ケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル類、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体等のハロメチルチアゾール化合物、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−S−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−S−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−S−トリアジン等のハロメチル−S−トリアジン系化合物、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン等、さらに具体的には、イルガキュアー369(チバガイギー社製)、イルガキュアー651(チバガイギー社製)、イルガキュアー907(チバガイギー社製)等が挙げられる。これらの光反応開始剤は、単独で、あるいは、2種以上の組み合わせであってもよい。
【0014】
尚、ブラックマトリックス3の透明基板2との界面近傍部3aとは、透明基板2との界面から0.2μm程度の厚みまでを意味する。
【0015】
本発明のブラックマトリックス基板1は、ブラックマトリックスパターンの線幅Wが高さ方向でほぼ均一であり、図1の右側のブラックマトリックスに鎖線で示す逆テーパー構造ではない。したがって、ブラックマトリックス3の遮光総面積と透明基板との密着総面積がほぼ一致し、透明基板との密着性が高いものとなっている。
【0016】
このようなブラックマトリックス3の線幅は10〜25μm、高さは0.9〜1.7μmの範囲で任意に設定することができる。
ブラックマトリックス基板の製造方法
図2は本発明のブラックマトリックス基板の製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。
【0017】
図2において、まず、透明基板2に光反応開始剤を含有する薄膜4を形成する(図2(A))。この薄膜4は、上記のような光反応開始剤を所定の▲1▼溶媒、または、▲2▼溶媒およびバインダー樹脂に溶解させた溶液をロールコート法、スピンコート法、ブレードコート法等の従来公知の塗布手段で塗布、乾燥することにより形成することができる。薄膜4の厚みは0.05〜0.2μm程度に設定することが好ましい。尚、上記の薄膜4中の光反応開始剤の含有量は、▲1▼溶媒に溶解させた溶液を用いて薄膜4を形成する場合、溶液中の光反応開始剤の含有量を1〜5重量%の範囲内で設定し、また、▲2▼溶媒およびバインダー樹脂中に溶解させた溶液を用いて薄膜4を形成する場合は、溶液中の光反応開始剤の含有量を総固形分(溶媒は総固形分に入らない)に対して20〜40重量%の範囲内で設定することにより適正なものとすることができる。
【0018】
次に、薄膜4上にブラックマトリックス用のネガ型の感光性樹脂組成物を塗布して感光性樹脂層5を形成する(図1(B))。感光性樹脂層5の厚みは、形成しようとするブラックマトリックスの厚みに応じて設定することができ、また、塗布方法は、ロールコート法、スピンコート法、ブレードコート法等の従来公知の塗布手段を用いることができる。
【0019】
このように薄膜4上に感光性樹脂層5を形成する段階で、薄膜4を構成する光反応開始剤は感光性樹脂層5中に移行するので、薄膜4と感光性樹脂層5との界面は明確には存在せず、透明基板2との界面近傍において光反応開始剤の濃度が特に高いような濃度勾配をもった感光性樹脂層5´が存在することになる。
【0020】
上記の感光性樹脂組成物は、バインダー樹脂、モノマー、光反応開始剤と、染料、無機顔料、有機顔料等から選ばれた遮光材料を含有する。
【0021】
バインダー樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレンビニル共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、エチレンメタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。
【0022】
このようなバインダー樹脂の含有量は、感光性樹脂組成物の総固形分に対して30〜50重量%の範囲が好ましい。尚、感光性樹脂組成物中の総固形分とは、バインダー樹脂、モノマー、光反応開始剤および遮光材料を意味する。
【0023】
また、モノマーとしては、少なくとも1つの重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有する化合物を用いることができる。具体的には、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート等のアクリレートモノマー、および、これらのアクリレート基をメタクリレート基に置換したもの、ポリウレタン構造を有するオリゴマーにアクリレート基を結合させたウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステル構造を有するオリゴマーにアクリレート基を結合させたポリエステルアクリレートオリゴマー、エポキシ基を有するオリゴマーにアクリレート基を結合させたエポキシアクリレートオリゴマー、ポリウレタン構造を有するオリゴマーにメタクリレート基を結合させたウレタンメタクリレートオリゴマー、ポリエステル構造を有するオリゴマーにメタクリレート基を結合させたポリエステルメタクリレートオリゴマー、エポキシ基を有するオリゴマーにメタクリレート基を結合させたエポキシメタクリレートオリゴマー、アクリレート基を有するポリウレタンアクリレート、アクリレート基を有するポリエステルアクリレート等が挙げられる。
【0024】
これらは使用することができるモノマーの一例であり、これらに限定されるものではない。また、このようなモノマーの含有量は、感光性樹脂組成物の総固形分に対して15〜25重量%の範囲が好ましい。
【0025】
さらに、光反応開始剤は、上記の光反応開始剤を用いることができ、含有量は感光性樹脂組成物の総固形分に対して3〜8重量%の範囲が好ましい。 感光性樹脂組成物は、さらに添加剤として可塑剤、増感剤、重合停止剤、レベリング剤、分散剤、安定剤、消泡剤、増粘剤、沈殿防止剤等を必要に応じて含有することができる。
【0026】
また、感光性樹脂組成物に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、エチレングリコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類等が挙げられる。
【0027】
次に、この感光性樹脂層5(5´)に対して、ブラックマトリックス用のフォトマスク11を介して露光を行う(図2(C))。このようなフォトマスク11を介した感光性樹脂層5の露光において、照射された光は感光性樹脂層5内で光反応開始剤と光反応を起こして光反応生成物を生じながら徐々に吸収される。そして、感光性樹脂層5を透過し光反応開始剤を含有する薄膜4に到達した光は、薄膜4において光反応開始剤と光反応を起こして光反応生成物を生じる。このように、照射光の到達光量が少ない感光性樹脂層5´の透明基板2との界面近傍では、高い濃度で存在する光反応開始剤によって光反応生成物が生じるので、感光性樹脂層5(5´)の厚み方向における光反応生成物の濃度勾配はほぼ均一となる。したがって、感光性樹脂層5(5´)の露光部位の厚み方向における硬化度もほぼ均一となる。
【0028】
次に、感光性樹脂層5(5´)を現像することにより、ブラックマトリックス3が透明基板2上に形成され、ブラックマトリックス基板1が得られる(図1(D))。この現像では、上述のように感光性樹脂層5(5´)の露光部位の厚み方向における硬化度がほぼ均一となっているので、深さ方向で感光性樹脂層の除去量が多くなり逆テーパー構造が発生することはなく、ブラックマトリックス3と透明基板2との密着性は高いものとなる。
【0029】
【実施例】
次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
【0030】
まず、ガラス基板(コーニング(株)製7059ガラス(厚み0.7mm))上に、下記組成の光反応開始剤塗布液をスピンコート法により塗布し乾燥して、厚み0.05μmの薄膜を形成した。
【0031】
光反応開始剤塗布液の組成
・イルガキュアー369(チバガイギー社製) … 1重量部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 … 4重量部
(モル比=73/27)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート… 100重量部
次に、上記の薄膜上に、下記組成のブラックマトリックス用のネガ型の感光性樹脂組成物をスピンコート法により塗布し乾燥して感光性樹脂層(厚み1.3μm)を形成した。
【0032】
感光性樹脂組成物
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 … 150重量部
(モル比=73/27)
・イルガキュアー369(チバガイギー社製) … 25重量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート … 80重量部
・カーボンブラック分散液 … 150重量部
次いで、ブラックマトリックス用のフォトマスク(マトリックス状の透光部の線幅15μm、透光部のピッチ60μm)を介して下記の条件で感光性樹脂層に対して露光を行った。
【0033】
露光条件
・光源 :超高圧水銀灯(波長350〜500nm)
・露光量(5種) :25、50、75、100、150mJ/cm2
次いで、感光性樹脂層をアルカリ現像液で現像し、さらに洗浄、乾燥し、200℃で30分間加熱して、マトリックス状のブラックマトリックスパターンを形成しブラックマトリックス基板(試料1〜5)を得た。
【0034】
比較として、光反応開始剤を含有する薄膜を形成しない他は、上述のブラックマトリックスパターンの形成と同様にして、ブラックマトリックス基板(比較試料1〜5)を得た。
【0035】
このように形成した各ブラックマトリックスパターンの厚み、および、各ブラックマトリックスパターンの膜厚方向での感光性樹脂組成物の二重結合の残存量を下記の方法で測定して、結果を下記の表1に示した。
【0036】
厚みの測定方法
テンコール社製の触針式膜厚計α−step300で測定した。
【0037】
二重結合の残存量測定方法
ATR法によるIR測定を行い、C=C/C=O比の変化量から二重結合の残存量を決定した。また、プリズムの種類、入射角度を変化させることにより、ブラックマトリックスの膜厚方向全体と、表面側の二重結合の残存量を求め、基板界面近傍の二重結合の残存量を算出した。
【0038】
【表1】
Figure 0004116714
表1に示されるように、光反応開始剤を含有する薄膜を形成することにより、50mJ/cm2 以上(試料2〜5)の露光量でブラックマトリックスパターンの形成が可能であった。しかし、光反応開始剤を含有する薄膜を形成しない場合、露光量を75mJ/cm2 以上(比較試料3〜5)にしないとブラックマトリックスのパターン形成は不可能であった。このことから、光反応開始剤を含有する薄膜を形成することにより、感光性樹脂組成物の光反応生成物の膜厚方向での濃度差が小さくなり、ガラス基板界面での反応量が増大して密着性が向上したことが確認された。これを裏づけるように、比較試料3〜5のブラックマトリックスパターンは、ガラス基板界面近傍で二重結合残存量が最大となっており、光反応生成物の膜厚方向での濃度差が大きくなっているのに対し、試料2〜5のブラックマトリックスパターンは、ガラス基板界面近傍と表面とにおける二重結合残存量の差がなく、光反応生成物の膜厚方向での濃度差は生じていない。
【0039】
尚、試料2〜5のブラックマトリックス基板は、ブラックマトリックスの線幅が厚み方向において約17μmで一定であった。しかし、比較試料3〜5のブラックマトリックス基板は、ブラックマトリックスの線幅が、表面側で17μm、ガラス基板側で13.5μmであり、逆テーパー構造を有するものであった。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば露光において照射された光は感光性樹脂層内で光反応開始剤と光反応を起こして光反応生成物を生じながら徐々に吸収され、感光性樹脂層の深さ方向で光反応生成物量が減少するが、感光性樹脂層を透過した光は光反応開始剤を含有する薄膜において光反応開始剤と光反応を起こして多量の光反応生成物を生じるので、感光性樹脂層の厚み方向における光反応生成物の濃度勾配はほぼ均一となり、したがって露光部位の厚み方向における硬化度もほぼ均一となり、現像により得られるブラックマトリックスは、その幅が高さ方向でほぼ均一で、従来の逆テーパー構造のブラックマトリックスとは明らかに構造が異なるものとなり、ブラックマトリックスと透明基板との密着性が良好で、かつ、パターン精度の高いブラックマトリックス基板が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラックマトリックス基板の一実施形態を示す概略断面図である。
【図2】本発明のブラックマトリックス基板の製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。
【符号の説明】
1…ブラックマトリックス基板
2…透明基板
3…ブラックマトリックス
4…光反応開始剤を含有する薄膜
5,5´…感光性樹脂層

Claims (1)

  1. 溶剤およびバインダー樹脂中に光反応開始剤を溶解させてなる光反応開始剤塗布液を透明基板上に塗布して、該透明基板上に光反応開始剤を20〜40重量%の範囲で含有し厚みが0.05〜0.2μmの範囲である薄膜を形成し、該薄膜上にブラックマトリックス用のネガ型の感光性樹脂組成物を塗布して感光性樹脂層を形成し、該感光性樹脂層をブラックマトリックス用のフォトマスクを介して露光し現像することによりブラックマトリックスパターンを形成することを特徴とするブラックマトリックス基板の製造方法。
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