JPH0872384A - 微細パターンの印刷方法 - Google Patents

微細パターンの印刷方法

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JPH0872384A
JPH0872384A JP23062694A JP23062694A JPH0872384A JP H0872384 A JPH0872384 A JP H0872384A JP 23062694 A JP23062694 A JP 23062694A JP 23062694 A JP23062694 A JP 23062694A JP H0872384 A JPH0872384 A JP H0872384A
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JP
Japan
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ink
printing
intaglio
pattern
intaglio plate
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JP23062694A
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English (en)
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Hiroshi Yanai
洋 谷内
Masaaki Tsuboi
當昌 坪井
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TOYO SHIGYO KK
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TOYO SHIGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 凹版の凹部にインキを充填した後、インキを
被印刷体に転移させてパターンを印刷する凹版印刷方法
において、インキの離型性、パターンの再現性、および
耐刷性を向上させて精度の高い印刷を実現する。 【構成】 凹版印刷方法において、脱有機酸型あるいは
脱アルコール型で縮合硬化するシリコーンを使用して、
凹版の少なくとも凹部の表面に離型性のシリコーン樹脂
層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高精度で微細な画像を
形成する方法に関し、特に半導体素子回路の製造などに
使用するレジストパターンを形成する方法、あるいは大
面積のディスプレイパネル基板上に半導体素子回路ある
いは高精度のカラーフィルタパターンを形成する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子回路の製造に使用されるエッ
チング用のレジストパターンの形成には、従来フォトリ
ソグラフィ法が使用されている。一方、最近ディスプレ
イパネルの大型化が進行し、13インチ以上のサイズの
ものが盛んに開発され、また、370×480mm程度
の大きいガラス基板も使用されつつある。したがって、
半導体素子回路のパターン形成やカラーフィルタのパタ
ーン形成においても、パターンの微細化と共に基板の大
型化や量産化が求められるようになった。このような要
求に対して、現行のフォトリソグラフィ法では、大型露
光装置の開発や設備投資に莫大な費用がかかり、しかも
フォトマスクの適用サイズやスピナー塗布機の仕様に限
界があるなどの問題がある。
【0003】したがって、大型製品の製造においては、
フォトリソグラフィ法以外の方法が提案されている。そ
の中で、所定のパターンに相当するパターン状の凹部を
形成した凹版を作製し、この凹版の凹部中に充填された
インキを硬化させ、被転写体に直接転写する方法は装置
上の制約がなく、量産効果が高く、しかも得られるパタ
ーンの質が良く、低コストであるという点で優れてい
る。
【0004】その方法として、例えば凹版に光あるいは
熱で硬化するインキを充填し、次いで光あるいは熱でイ
ンキを硬化処理して、被印刷体に転写する方法がある
(特開平3−280416号公報)。別の方法として、
例えば凹版に光あるいは熱で硬化するインキを充填し、
次いで光あるいは熱でインキの少なくとも表層部は半硬
化状になるようにインキの硬化処理を行ない、被印刷体
に転写しあるいは中間介在物としてのブランケットに転
写するときに転写を容易にし、その後に被印刷体に転写
する方法もある(特開平3−19889号公報、特開平
4−317008号公報)。さらに、表面に剥離層を形
成した可撓性フィルムと凹版との間に硬化性インキを挿
入し、両者を圧着し、次いでインキを光硬化させた後に
フィルムを凹版より剥離してフィルムにインキパターン
を転写し、これを被印刷体に再転写する方法も提案され
ている(特開平5−241175号公報)。また別の方
法として、凹版の凹部に離型層を形成し、インキ供給
後、刃物状のもの(ドクター)で凹版の凹部以外のイン
キをかき取り、凹部にインキを充填する方法(ドクター
リング)もある(特開平2−135348号公報)。
【0005】凹版表面の離形層としては、シリコーン樹
脂、フッ素樹脂、ポリオレフィンなどが提案されている
(特開平4−317005号公報、特開平5−1390
65号公報、特開平5−241175号公報)。また、
凹版の凹部のみにシリコーンゴムを被覆して、インキの
凹版からの離型性を改良することも提案されている(特
開平5−139065号公報)。
【0006】しかしながら、特開平3−19889号公
報の記載のように、離型層を設けた凹版を作り、空気酸
化型の印刷インキ、つまり通常のオフセットインキ、あ
るいは電離放射線により硬化するインキあるいは熱硬化
するインキを凹版に充填し、被印刷体へ直刷りあるいは
ブランケットを介して印刷を行なうと、1枚から数枚の
印刷においては、シリコーン樹脂あるいはフッ素樹脂、
シリコーンゴム、ポリオレフィン等がインキに対して離
型性を示すが、20枚以上印刷する場合には離型性が劣
化して転写時に凹版の凹部に硬化したインキが残存し易
いものが殆どであった。つまり従来公知のシリコーン樹
脂層による離型層では、印刷時の耐刷性がよくなく、離
型層の離型機能が印刷の反復にしたがい20枚程度で劣
化してしまうものであった。このように従来知られてい
る離型層では、被転写体上に高精度でかつ微細なパター
ンを形成し、しかも耐刷性のあるものは存在しなかっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】大型ディスプレイデバ
イスのパネル上の半導体素子回路形成用のレジストパタ
ーンやカラーフィルタは、線幅については通常100μ
m以下、位置精度については±1〜10μmのレベルが
要求される。そのためには、凹部の形状を忠実に再現す
るインキパターンを形成し、これを高い位置精度で被転
写体に完全に転写しなければならない。
【0008】本発明は、凹版の表面処理、特にシリコー
ン系離型剤によって凹版を表面処理することにより離型
層を形成した凹版と、その凹版を用いる印刷方法に関す
るものである。特に印刷時の耐久性がよく、しかもイン
キの離型性の良い凹版の表面処理と、それを用いて凹版
のパターンをよく再現する画像を得る印刷方法を提供す
るものである。さらに凹版の非画像部にインキが残って
転写後に画線部位以外に汚れやかぶりを生じさせない印
刷方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記のような事
情に鑑みなされたもので、凹版に離型層を形成し、しか
もその離型層が凹版と接着し、離型性が良く、しかも多
数枚の印刷に耐える凹版を提供し、かつその凹版を用い
て微細な画像をも印刷し得る方法を提供するものであ
る。また、凹部の形状を忠実に再現するインキパターン
を形成し、耐刷性を向上させるために、凹版の少なくと
も凹部の表面を脱有機酸型あるいは脱アルコール型の硬
化機構を有するシリコーン樹脂で表面処理を行ない離型
層を形成すると、インキが転写時に凹部に残らず、しか
もインキのドクターリングの際に非画像部にインキが残
らないようにすることができる。
【0010】凹版の少なくとも凹部全面、好ましくは凹
部および非画像部の製版面全面に、離型層を形成する。
離型層の材質としては、離型層中の低分子シリコーン化
合物がインキに移行することが少なく、しかもインキに
対して離型性の高いものがよい。従来は、それにパラフ
ィン系ワックスやシリコーン系の樹脂などが用いられて
きたが、シリコーン系の樹脂については、多数の種類が
存在するにも拘らず、本発明のような目的に有効なもの
は特定されていなかった。そこで発明者らは、多数の種
類のシリコーン樹脂について試験を行なってみると、単
に基版の上に離型性の層が設けられているだけでは、凹
版に充填されたインキはドクターリングのあと被印刷体
や中間介在物に完全には転写されず、むしろ凹版の凹部
に残ることが殆どであった。また、シリコーン樹脂の種
類により離型性は非常に相違し、しかも耐刷性について
は殆どのものが余り良好ではなかった。しかし次のよう
な評価方法によって離型性の良好な樹脂を選択した結
果、シリコーン樹脂の中でも、脱有機酸型あるいは脱ア
ルコール型、特に脱酢酸型のシリコーン樹脂が離型性も
よく、かつ耐刷性が高いことを見出し本発明に到達し
た。この事実は従来全く予想されていないことであり、
しかも高精度の印刷を容易に実現し、しかも耐刷性を向
上させるために非常に有効な知見である。
【0011】本発明における離型性の評価は次のように
して行なった。図3に示すように離型層13を形成した
ガラス基板12を真空吸引孔11により試験台20に固
定し、一定量のインキ14を離型層13を有する基板1
2の表面に置き、表面処理を施してない10mm×10
mmのセンサーガラス15を押しつけてインキ14を挟
む。その後、空気酸化による硬化機構を有するインキで
はそのまま、また電磁放射線照射による硬化機構を有す
るインキではランプ19からの電磁放射線16をガラス
基板12を通し照射してインキを硬化させ、あるいは熱
硬化性のインキでは熱を加えてインキを硬化させる。そ
の後センサーガラス15の一辺を金属線17によって一
定速度で引き上げて、インキ14とセンサーガラス15
とが剥離するときの力を力センサー18で測定し剥離力
として表す。また、離型層13の耐刷性の評価方法は後
述の実施例2において説明する。
【0012】一般にシリコーン樹脂、あるいはシリコー
ンゴムの架橋の反応形式としては次のようなものが知ら
れている。 A.過酸化物架橋 B.付加反応による架橋 C.縮合反応による架橋 C1 脱アルコール C2 脱オキシム C3 脱有機酸(特に脱酢酸が好ましい) C4 脱アミン C5 脱アミド C6 脱水 C7 その他 その結果、離型性がよく、つまり剥離力が低く、しかも
耐刷性のあるシリコーン樹脂の離型層は縮合反応型シリ
コーン樹脂であり、より好ましくは脱有機酸縮合型ある
いは脱アルコール縮合型の硬化機構を持つものであり、
特に脱有機酸型縮合型の硬化機構によるシリコーン樹脂
は耐刷性がよく、剥離力が低い点で最も好ましいという
ことが判明した。
【0013】これは離型層の表面部分にインキが付き難
く、しかも離型層の基板部分に接する部分で基板によく
接着し、かつ離型層が高度に架橋していて強度が高いた
めであると思われる。数多くのテストを行なった結果、
特に脱有機酸縮合型の硬化機構を持つシリコーン樹脂が
これらの条件を全て充足していることは驚くべきことで
あった。離型層の凹版基板への形成方法としては、シリ
コーン樹脂あるいはその前駆体をそのまま、あるいは硬
化触媒を微量添加して溶剤に溶解するか、あるいは分散
剤に分散させて凹版に塗設する。塗布方法としてはディ
ップ法、スピンコート法、転写法、噴霧法、蒸着法など
があり、塗設後、室温あるいは50℃ないし300℃以
下で加熱処理を行なって離型層を形成する。離型層の厚
さは10nm以上、10μm以下であり、通常は100
nmから5μmの膜厚が適当である。
【0014】また、凹版の基板に離型層を設ける前に、
空気中でオゾンを発生する短波長のランプで凹版を照射
してから離型層を設けると耐刷性が向上することが判明
した。例えば、200Wのランプを、10cm離した距
離から20秒から3分、より好ましくは30秒から90
秒間照射すると耐刷性が少なくとも20%向上する。あ
るいはプライマーをあらかじめ凹版に塗布し、その上に
離型層を設けると、離型性と耐刷性の効果がより優れた
ものになることもある。この際、オゾンを発生するラン
プで照射してからプライマーを設けることも有効であ
る。離型層として用いる低分子シリコーン樹脂あるいは
その前駆体の硬化を空気中の水分との反応をより早くす
るために、硬化触媒と呼ばれる主としてPt・Pdが用
いられることが多く、硬化促進剤をシリコーンに加えて
硬化させることもできる。更に特異なことに、以下に述
べる光硬化型インキの場合には、特に脱酢酸型あるいは
脱アルコール型の硬化機構を有する離型層が、他の形式
の硬化機構を有するシリコーン樹脂あるいは前駆体から
生成される離型層よりも凹版からのインキの離型性が良
く、しかも耐刷性が高かった。インキの離型性がよいと
転写されたインキが凹版の形状を忠実に再現し、画質の
良いパターンを得ることができる。
【0015】図1および図2は本発明の方法の一実施例
を示す断面図である。図中、符号1は凹版である。この
凹版1には、あらかじめフォトリソグラフィ法とエッチ
ング法との組合わせなどの通常の方法で所望のパターン
を形成する。凹版1上に形成する凹部2の幅は1〜20
0μm、凹部の深さは1〜20μm程度であり、より好
ましくは2〜10μm程度である。使用に供する凹版1
の材料としては、例えば金属、ガラス、セラミック、エ
ンジニアリングプラスチック等が挙げられる。また、例
えばドクター4による損傷を防止するために、これらの
材料からなる凹版1の製版面(ショルダー部及び凹部の
表面)をクロム、ニッケル等の硬質金属で被覆すること
も好ましい。被覆法としては、例えば湿式メッキ法、ス
パッター法、真空蒸着法などが挙げられる。
【0016】凹版1の材質としては剛性材でもよいが、
例えばステンレス鋼、燐青銅やインバー−42合金等の
低膨張性鉄合金などの可撓性のある材質も好ましく用い
られる。また、硬化工程、転写工程でプレスを使用する
場合にも、プレスした際に凹版が変形したままになら
ず、元の形状に回復するような性質を有する材質を選択
することが好ましい。また、後述する被転写体7の基板
7aとして、低膨張率のガラス基板を用いる場合には、
ほぼ同じ程度の熱膨張率をもつ低膨張性鉄合金あるいは
ガラスを凹版1として用いることが好ましい。とくに本
発明の離型剤はガラス凹版の場合に有効である。印刷に
よってカラーフィルタを作製する場合、被転写体のガラ
スと同程度の熱膨張率を持つ材料が好ましく、このこと
は特開平5−323111号公報に記載されている。低
膨張性の鉄合金は可撓性が高く、被転写体の表面に多少
の厚さムラがあっても追従が可能であるという利点を有
するが、平台の印刷機を用いる場合は凹版としてガラス
が好ましい。上記凹版1の厚さは、材質に合わせて機械
的強度を考慮して適宜選択する。
【0017】インキとしては、通常のインキの概念に該
当しないものでもよく、凹部に入るものであればよい。
例えば、電離放射線硬化型インキ、電子線硬化型イン
キ、あるいは二液硬化性インキ、熱硬化性インキ、金属
回路形成用インキ、赤外線硬化型インキなどでもよい。
また、上記電磁放射線あるいは熱による硬化性のインキ
の硬化の程度は、電磁放射線あるいは熱をインキに加え
たときにインキ供給時より粘度が高く、凹部の形状を保
持できる程度に非流動性になることが好ましい。本発明
の方法に使用するインキで特に好ましいインキは、例え
ば紫外線照射により硬化する光硬化型インキ(以下「U
Vインキ」という)であり、かつ、酸素の存在による硬
化阻害性を有する嫌気性のUVインキである。この他に
も、可視光の照射により光架橋が生ずる可視光架橋性イ
ンキも使用し得る。UVインキと後者の可視光架橋性イ
ンキを含めて本発明では単に「光硬化性インキ」とい
う。
【0018】光硬化性インキは、光を照射することによ
って起こる光ラジカル重合反応を応用したものが多い。
光としては紫外線を用いることが多いが、開始剤および
増感剤を選択することにより近紫外光や可視光も使用す
ることができる。一般にラジカル反応によって光硬化す
る材料の光硬化反応は、空気中の酸素によって阻害され
るので、多少なりとも嫌気性を有する。従来、光硬化性
インキの酸素による硬化阻害は、インキの印刷適性とし
ては好ましくなく、酸素による硬化阻害を防止するため
に種々の改良がなされてきた。しかるに、本発明の特徴
の一つは、この空気による硬化阻害による問題点を逆に
利用して微細パターンをつくることもできる。図1
(b)において、凹版2に光硬化性インキ3を充填した
後、光源6から光を照射すると、凹版1に接する内側層
3aは硬化するが、表面層3bは半硬化の状態であり、
粘着性を帯びている。次に、図1(C)においてインキ
パターンをブランケット5の上に転移した場合に、イン
キ層3のブランケットに接する側3bは空気による光硬
化阻害作用を受けない。この状態で、必要により、適当
量の第二段階の光照射を行なうと、ブランケット5に接
している側のインキ3bも硬化して、ブランケット5か
ら剥離し易くなる。
【0019】このように、インキ層の転移面すなわち表
面層3bと、剥離面すなわち内側層3aの表面状態を変
化させることによって、インキの転写を完全に行なうこ
とが可能であり、転写時に多大な圧力をかけることなく
精密パターンを印刷することができる。酸素によるラジ
カル重合の阻害性の度合い(嫌気度)が不足または過剰
である場合には、インキに使用する光重合開始剤、増感
剤、熱重合禁止剤などの添加剤を加えることによって嫌
気度を調節することができる。しかしブランケットのよ
うな中間介在物にインキを転写してからさらに被転写体
7に転写する場合は、被転写体7の基板7aの表面に粘
着層9がある方が転写し易い。
【0020】以下、インキとして光硬化性インキを例に
とり、さらにその構成材料について説明する。光硬化性
インキとしては、エチレン性不飽和二重結合を少なくと
も1つ以上有する光重合性化合物、光重合開始剤、その
他のオリゴマーあるいは樹脂からなる系であり、場合に
よってはその他に、顔料、添加剤が含まれる。より詳し
くは日本印刷学会誌 Vol. 28、200〜214頁(1991)の総
説を参考にすることができる。使用され得るエチレン性
不飽和二重結合を少なくとも1つ以上有する光重合性化
合物としては以下のような化合物が挙げられる。
【0021】先ず、光架橋または光重合可能なモノマ
ー、オリゴマー、プレポリマーとしては、エチルアクリ
レート、ブチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリ
レート、ヒドロキシエチルメタクリレート、エチレング
リコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサメタクリレートのような一価
または多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸
のエステル類;多価アルコールと一塩基酸または多塩基
酸を縮合して得られるポリエステルプレポリマーにアク
リル酸またはメタクリル酸を反応させて得られるポリエ
ステルアクリレートまたはメタクリレート;ポリオール
基と2個のイソシアネート基を持つ化合物を反応させた
後、アクリル酸またはメタクリル酸を反応させて得られ
るポリウレタンアクリレートまたはメタクリレート;ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン
酸グリシジルエステル、ポリオールグリシジルエステ
ル、脂肪族または脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ
樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロ
キシベンゼン型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂とアク
リル酸またはメタクリル酸を反応させて得られるエポキ
シアクリレートまたはメタクリレート等の光重合性化合
物が挙げられる。また、アクリロイル基またはメタクリ
ロイル基とカルボキシル基を併せ持つ光重合性モノマー
およびオリゴマーも使用でき、そのような化合物の具体
例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹
脂、ポリカルボン酸エポキシ樹脂、ポリカルボン酸グリ
シジルエステル、脂肪族または脂環式エポキシ樹脂、ア
ミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹
脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂などのエポキ
シ基とアクリル酸またはメタクリル酸を反応させて得ら
れるヒドロキシル基に酸無水物を反応させたエポキシア
クリレート−カルボン酸付加物またはエポキシメタクリ
レート−カルボン酸付加物;無水マレイン酸と共重合可
能なエチレン、プロペン、イソブチレン、スチレン、ビ
ニルフェノール、アクリル酸エステル、アクリルアミド
等のモノマーとの共重合体の無水マレイン酸部に、ヒド
ロキシエチルアクリレート等のアルコール性のヒドロキ
シ基を持つアクリレートやグリシジルメタクリレート等
のエポキシ基をもつアクリレートを反応させ、ハーフエ
ステル化した化合物;アクリル酸、アクリル酸エステル
とヒドロキシエチルアクリレート等のアルコール性のヒ
ドロキシ基を持つアクリレートの共重合体の水酸基にさ
らにアクリル酸を反応せしめた化合物等が挙げられる。
これらの光重合性化合物は単独または混合して使用され
る。
【0022】本発明で使用される光重合開始剤は、種々
の光重合開始剤を単独あるいは混合して使用することが
できるが、一般に顔料を、重合性オリゴマーまたは光重
合性樹脂に分散させる着色光重合性樹脂では、光重合開
始剤がラジカルを発生するのに必要な活性電磁放射線が
顔料に吸収されてしまい、充分にラジカルを発生できな
いため、重合が不十分となることがある。顔料を光重合
性樹脂に分散させる着色光重合性樹脂用の光重合開始剤
としては、高感度な化合物あるいは組成物が要求され
る。そのような光重合開始剤の具体例としては、ベンジ
ル、ベンゾインエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノ
ン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、
4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイ
ド、ベンジルメチルケタール、2−n−ブトキシエチル
−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−クロロチオキ
サントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジ
イソプロピルチオキサントン、ジメチルアミノメチルベ
ンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、
3,3'−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、2,
4−ジメチルチオキサントン、1−(4−ドデシルフェ
ニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オ
ン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1
−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒド
ロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、イソプロピル
チオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチ
オ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オ
ン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モ
ルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ミヒラーズ
ケトン、2,2−ジクロロ−p−フェノキシアセトフェ
ノン、フェナントレンキノンが挙げられる。あるいはビ
スメチロールアミノフェニル基がトリアジン核に結合し
たトリハロメチルトリアジン化合物あるいはフェニル基
中にブロムが置換したトリハロメチル誘導体等が挙げら
れ、この系統の化合物は着色が少なく、また光感度が比
較的高い。
【0023】これらの光重合開始剤は、光重合性化合物
に対し0.5〜30重量%、好ましくは2〜15重量%
の範囲内で使用する。これらは単独でまたは数種類混合
して使用することができる。また、本発明においては、
光重合開始剤にヘキサアリールビスイミダゾール系化合
物または水素供与体を併用してもよい。ヘキサアリール
ビスイミダゾール系化合物の例としては、2,2'−ビス
(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェ
ニル−1,2−ビスイミダゾール、2,2'−ビス(2−
クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラ(4−メト
キシフェニル)ビスイミダゾ−ル、2,2'−ビス(2−
クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラ(3,4−メ
チレンジオキシフェニル)−1,1'−ビ−1H−イミダ
ゾ−ルなどが挙げられる。他の水素供与体としては、芳
香族メルカプタン系化合物、芳香族アミン系化合物、ポ
リビニルフォルマール、ポリビニルブチラール、チオヒ
ダントイン等を用いることもできる。
【0024】本発明のインキに使用する樹脂としては、
ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アク
リル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂あるいはこれ
らの部分変性物、例えばメラミン変性ポリエステル樹脂
等がある。ポリエステル樹脂と部分的に架橋反応させる
メラミン樹脂としては、ヘキサメトキシメチロールメラ
ミンおよび、ヘキサブトキシメチロールメラミンがあ
る。メラミン樹脂の配合割合はポリエステル樹脂100
重量部に対し、メラミン樹脂5〜80重量部で、特に好
ましくは20〜60重量部である。メラミン樹脂が少な
いと印刷インキの凝集力付与が充分ではなく、凹部に充
填されたインキがブランケットに完全に転写され難い。
また、非画像部にインキが付着して汚れ易くなる。多す
ぎると凝集力が大きくなり、凹版の凹部にインキを充填
し難くなる。本発明においては、さらに耐熱性を向上さ
せる目的で、その他の樹脂としてエポキシ化合物を使用
することもできる。エポキシ化合物は、前記カルボキシ
ル基を有する化合物等と熱的に反応して架橋することに
より耐熱性を向上させる作用がある。エポキシ化合物の
具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ
樹脂、ポリカルボン酸グリシジルエステル、ポリオール
ポリグリシジルエステル、脂肪族または脂環式エポキシ
樹脂、アミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エ
ポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂など
が挙げられる。これらの樹脂は、光重合性化合物の重量
に対して30%以下の範囲内で使用され、さらに5〜1
5%の範囲内で使用することが好ましい。
【0025】分子間相互作用の大きなウレタン樹脂を用
いてインキの凝集力を大きくすることにより、凹版の凹
部に充填されたインキを転写され易くできる。十分な凝
集力を得るためには、ある程度以上の分子鎖長が必要で
あり、平均分子量で3000以上、好ましくは重量平均
分子量で6000から10000までのウレタンアクリ
レートが有効である。このようなウレタンアクリレート
は、ポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオ
ールおよび水酸基含有アクリル酸エステルをポリイソシ
アネート化合物と反応させて得られるが、大日本インキ
化学工業(株)製ユニディック、日本合成化学工業(株)製
ゴーセラック、東亜合成化学工業(株)製アロニックス、
日本化薬(株)製カヤラッド、ダイセルUCB(株)製エベ
クリル、ロードファーイースト(株)製フォトグレーズ
等、およびその他市販の紫外線硬化型プレポリマーの中
から適宜選択して使用することもできる。充分な凝集力
を得るため、インキ中に必要なウレタンアクリレート含
有量は、ウレタンアクリレートの種類および組合わせて
用いる他のインキ構成成分の種類にもよるが、少なくと
も3%以上、好ましくは8%以上が適当である。ウレタ
ンアクリレートを40%より多く使用した場合は、イン
キの粘度が過度に高くなり、印刷適性上好ましいレオロ
ジー特性を得ることが困難である。本発明に有効に使用
得るウレタンアクリレートは、紫外線硬化型プレポリマ
ーとしては比較的分子量の大きな線状ポリマーであるた
め、これを低粘度の紫外線硬化型モノマーと組み合わせ
て単独に配合したインキは、顔料への濡れ性の不足や過
度の曳糸性等により、光沢が不足したり、ドクターリン
グの時に非画像部にインキ汚れが多いという問題があ
る。酸価100以上の高酸価樹脂、特に好ましくは天然
樹脂変性マレイン酸樹脂を上述のウレタンアクリレート
樹脂と併用して用いた場合は、顔料への濡れ性や、イン
キのレオロジーを改善し、上記の問題を解決することが
できる。かかる高酸価樹脂としては、特開昭59−11
7568号公報、特開昭62−53312号公報または
特開平1−96273号公報に記載されたシクロペンタ
ジエンまたはその重合体を不飽和カルボン酸またはその
酸無水物と反応させて、得られる酸変性炭化水素樹脂、
特開昭61−264014号公報に記載されたフェノー
ル樹脂と多価カルボン酸ないしその酸無水物を反応させ
て得られる酸変性フェノール樹脂、および多価カルボン
酸ないしその酸無水物を各種アルコールと反応させて得
られるエステル樹脂、その他の天然樹脂および合成樹脂
等のなかで酸価が100以上で、軟化点が60〜140
℃の範囲のものであればよく、特に好ましくは酸価が1
50から300までの天然樹脂変性マレイン酸樹脂が好
適に用いられる。
【0026】使用する顔料は、可視光を透過させる必要
上、透過光の波長の1/2以下の粒径を有するものが望
ましく、さらに望ましくは、平均個数粒径が0.2μm
以下に分散された顔料が好ましい。また、顔料は、通常
分散剤として、例えばポリカプロラクトン系化合物、長
鎖アルキルポリアミノアマイド系化合物を使用し、顔料
とプレポリマーおよび/またはポリマーと共にサンドミ
ル、ロールミル等の分散機によって、樹脂の一部あるい
は全部と共に分散させ、その後、場合によっては熱重合
防止剤あるいはインキの凝集力向上のために金属セッケ
ン、有機チタネートなどの架橋剤を加えることも可能で
ある。青色の顔料としては、フタロシアニン系顔料等
が、赤色の顔料としては、キナクリドン系顔料、ペリレ
ン系顔料、ピロロ・ピロール系顔料、アントラキノン系
顔料等が、緑の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニ
ン系顔料がそれぞれ好ましい例として挙げられる。ま
た、赤、緑の色相調節のために黄色顔料が加えられるこ
ともある。さらに青の色相調節のために紫の顔料が加え
られることもある。
【0027】転写の中間介在物としてゴムブランケット
を使用する場合、図1(c)においてゴムブランケット
5を加圧しながら回転すると、ブランケット5の面にイ
ンキ3の粘着性の表面層3bが接し、ブランケットより
離れた側は硬化したインキの内側層3aとなり、凹版の
凹部のインキ3が完全な形で転写される。また、ブラン
ケット3の表面が少し粘着性を有する場合は、インキの
ブランケットに接する面は半硬化の状態でなくてもよ
い。なお、図1では説明の都合上ゴムブランケットの直
径を小さく表し、また、インキ3の層は大きく、かつ厚
く描いてあるが、実際にはゴムブランケットの直径は相
対的の非常に大きいので、版面に対して殆ど平面的に接
触することになり、インキは凹版に充填された形状でゴ
ムブランケットに転写される。ここで使用されるゴムブ
ランケットは、インキに対して耐久性があり、かつ表面
が平坦であれば何れでもよく、とりわけシリコーンゴム
(特開平5−19116号公報参照)やNBRゴム、ウ
レタンゴムなどからなるブランケットが好ましい。特に
シリコーンゴムのブランケットは、転写されたインキを
被転写体に再転写する場合に好ましい。次いで、図2
(d)においてゴムブランケットに転写されたインキ3
を被転写体7に再転写する。ブランケットに転写された
インキの表面が粘着性を持つ場合は直接被転写体に転写
し、ブランケットに転写されたインキが粘着性を持たな
い場合には被転写体上に粘着層9を均一に形成した後に
転写する。
【0028】ここで用いる粘着層9の形成材料として
は、例えば、粘着過程が溶剤賦活型、熱賦活型、圧力賦
活型、化学反応型等である接着剤若しくは粘着剤が挙げ
られる。これら各種の粘着剤等の中でも、好ましいもの
は感圧粘着剤、ホットメルト型粘着剤である。粘着剤と
しては通常のゴム系あるいはアクリル系の熱可塑性のも
のも使用可能であるが、耐熱性を必要とされる場合、あ
るいは後工程に微量の粘着剤の流出を避けるためには熱
硬化性若しくは光硬化型の粘着剤が好ましい。また、本
実施例では被転写体基板7aの上に粘着剤を塗布してそ
の上にインキを転写しているが、これに代えて、例えば
図1(b)の凹版2の凹部に充填したインキを半硬化処
理した後にインキに粘着剤を塗布してからガラス基板7
aに直接転写してもよい。
【0029】このような接着剤若しくは粘着剤により形
成される粘着層9の厚さは、通常0.1〜10μm、好
ましくは0.3〜5μmである。この厚さが0.1μmよ
りも薄いと、粘着力が充分ではないことがある。一方、
10μmを越えると、パネルの封止が困難になることが
ある。この粘着層9を介して基板7a上に形成されるイ
ンキ層は硬化したインキで形成されており、具体的に
は、例えばブランケット5上であらかじめ硬化したイン
キ3aおよび3bを粘着層9の上に転写して形成する。
本発明の方法においては、透明基板7aの着色層形成面
において着色層を形成しない部位に粘着層9が露出する
場合もあるが、その場合には露出した粘着層9を常法に
従って除去してもよい。除去手段としては、例えばドラ
イエッチング法、ウエットエッチング法、オゾン酸化
法、放射エネルギー分解法、溶解除去法などが挙げられ
る。
【0030】以上のようにして精密な微細パターン印刷
画像が得られる。LCDディスプレイの液晶カラーフィ
ルタの場合、同様なことを4回繰り返すことによって、
赤、緑、青、黒の微細パターンが得られることになり、
TFT・LCDやSTN・LCD対応の液晶カラーフィル
タに使用することが可能となった。また、ブラックマト
リクスは、クロム、酸化クロムを用いてスパッター法で
膜付けし、またパターン形成し、カーボンブラック、黒
鉛などを用いてフォトファブリケーションでパターンを
形成し、赤、緑、青のみのパターンの形成を本発明の方
法で行なうこともできる。また、プリント基板、薄膜ハ
イブリッドIC、ICパッケージなどの高精細配線のレ
ジスト印刷、超小型センサの素子材料、電極材料などに
は、それぞれに適するレジストインキ、例えばメッキレ
ジストインキ、ソルダーレジストインキ、金属回路用イ
ンキなどの適用が可能となる。また、半導体素子回路の
形成に特別のレジストを用いて、微細パターンを作るこ
とができる。
【0031】被転写体(被印刷体)としては、カラーフ
ィルタの場合には低熱膨張性ガラス、例えばホウ珪酸ガ
ラス、合成石英ガラス、石英ガラス、光学樹脂板、ポリ
イミド、ポリエステル、ポリオレフィンあるいは他の透
明なプラスチックフィルムなどの基板が用いられる。半
導体素子回路用には被印刷体ガラス基板上にポリシリコ
ンを設け、その上に半導体用フォトレジスト膜を第1層
として用いる2層レジスト法を用いる。フォトレジスト
層、粘着層、印刷パターンの順に形成され、構成され
る。被印刷体の大きさは特に限定されない。これは本発
明の大きな利点となっている。被印刷体基板の材質は特
に限定されないが、大面積アクティブマトリクス型液晶
ディスプレイのパネル基板には通常低膨張ガラスが用い
られる。この他には、各種半導体素子のウェーハやプリ
ント配線用基板あるいは通常のガラスなどが挙げられ
る。
【0032】
【実施例】
<実施例1>以下、本発明の実施例を示し、本発明につ
いてさらに具体的に説明する。 凹版の作成 ガラス基板全面にクロム(Cr)を1000Åの厚さに
蒸着し、その後レジスト〔東京応化工業(株)製、「OFPR
-800」〕を1.0μm厚に塗布し、所定のパターンに露
光および現像処理を行なった。次いで、エッチング液と
して硝酸第二セリウムアンモニウム165gおよび過塩
素酸(70%)42mlに水を加えて1リットルの溶液を
調製し、そのエッチング液でクロムを食刻し、クロムパ
ターンを作製した。それをエッチングレジストとして用
い、過酸化水素水とフッ化アンモニウムとの混合液をエ
ッチング液として用いてガラスをエッチングして、幅3
0μm、深さ5μmのマトリクスパターンを備えるガラ
ス製凹版を作製した。その後、クロムはクロムのエッチ
ング液で除去した。 凹版の表面処理 ガラス凹版に、200Wのオゾンランプを8cm離れた
所から60秒間照射した後、低分子シリコーン化合物を
1.0重量%になるように溶剤に溶解し、これに必要な
場合は硬化触媒を2.5〜15.0重量%加えて溶解した
溶液を、ガラス基板にスピンナーで塗布し、その後20
0℃、1時間加熱してガラス表面に薄い離型層を作成
し、次の表1に示す19種類の低分子シリコーン化合物
を用いて表面処理した凹版を作製した。また、前記の凹
版を用いて表面処理の評価を行なった。離型性の評価方
法としては、図3に示すように離型層13を形成したガ
ラス基板12を試験台20の上に固定し、一定面積に離
型層13を形成した基板12の平面部分に一定量(イン
キ面積:0.196cm2)のインキ14を置き、表面処
理を施してない10mm×10mmのセンサーガラス1
5を押付けてインキ14を挟み、次にランプ19からの
電磁放射線16を照射することによりインキ14を硬化
させ、その後センサーガラス15の辺を一定速度(1.
7mm/sec)で引き上げて、後記のインキAと基板
12とが剥離するときの力を力センサー18によって測
定して、剥離力とした。離型層13の耐刷性の評価方法
としては次の方法を採用した。すなわち、上記剥離力の
測定を多数回繰り返し、剥離力の測定値が1400g/
0.196cm2以上となる回数をもって、耐刷性の評価
とした。これらの結果を前記表1に併せて示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1の化合物名称の欄の記載はシリコーン
樹脂の商品名である。その内(*)印は東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン(株)、(**)印は東芝シリコーン(株)およ
びその他のものは信越化学工業(株)の製品である。ま
た、(1)から(5)の注を付した触媒において、(1)は付加
反応触媒であるゴム架橋剤、商品名: CLA-5、信越化学
工業(株)製)を5%使用したことを示す。(2)は同触媒
を7%、(3)は同触媒を9%および(4)は同触媒を15%
それぞれ使用した。また、(5)はSn系縮合反応触媒
(商品名: CAT PS-3とCAT PD の混合体、信越化学工業
(株)製)を CAT PS-3を10%、CAT PD 3%を使用した
ことを示す。なお、塗布性については、○は完全に透明
な膜が形成されたもの、△は極く一部にストリフィケー
ションあるいは少しはじきがみられたもの、および×は
塗布面が良好ではないものを示す。
【0035】剥離力および耐刷力の測定に用いた光硬化
性インキ次の通りである。 インキA *成分 光重合開始剤: 2−メチル−1−[4−(メチルチ
オ)フェニル]2−モルフォリノプロパン−1 CIBA−GEIGY(株)製 モノマー: トリメチロールプロパントリメタクリ
レート 新中村化学(株)製 オリゴマー: ウレタンアクリレート 新中村化学(株)製 ポリエステル樹脂含有ビヒクル: 大日本インキ(株)
製 青色顔料: フタロシアニンブルー(CI, Blue 15:
6) 大日精化工業(株)製 *配合量 光重合開始剤: 3.0g モノマー: 30 g オリゴマー: 30 g ポリエステル樹脂含有ビヒクル: 40 g 青色顔料: 1.0g これらの材料を常法により混練し、3本ロールによって
顔料を微分散化した。顔料はマーキングのために加える
ものであり、カラーフィルタのパターンを最終的に作る
ための顔料濃度にはなってはいない。このインキの粘度
は25℃で25Pa・secであった。
【0036】<実施例2> ブランケットの作成 厚さ2.0mmのシリコーンゴムを両面テープで直径1
0cmの金属ロールに貼付しブランケットを作成した。
シリコーンゴムの硬度は80度であり、表面粗度の平均
は1.6μmであった。 被印刷体(被転写体)の作成 1.0μm厚のホウ珪酸ガラスに、スピンコータを用い
てアクリル系粘着剤とエチルアルコールからなる粘着層
塗布インキで粘着層を乾燥膜厚0.8μmに塗布し、粘
着層を有する被印刷体を作成した。
【0037】<実施例3>実施例1ので作製した凹版
を、実施例1のにおける脱酢酸型の硬化機構を有する
低分子シリコーン化合物ST−1により表面処理を施し
た凹版の溝に、黒色顔料およびアクリル樹脂のワニスを
含むUVインキ(粘度120Pa・sec)を、金属製ド
クターを用いて角度60゜、速度100mm/secで
充填した後、UV光を100mJ/cm2で照射してイン
キを硬化させ、その後、実施例2で作成したシリコーン
ゴム製のブランケットロールを前記凹版に接触させ、イ
ンキをブランケットに転移させた。続いて、ブランケッ
トロールを実施例2のの被印刷体上の粘着層に接触さ
せ、ブランケット上のインキを被印刷体上に転移させ
た。このとき、ブランケット上のインキは殆ど残留せず
被印刷体上に転写され、被印刷体上には幅31μm、厚
さ4.4μmのブラックマトリクスパターンが形成され
た。これを200℃、1時間ポストベークして、厚さ
3.8μmのブラックマトリクスを得た。
【0038】このようにして形成したマトリクスパター
ンには画線の部分的な太りや細りは認められず、またパ
ターン表面の平滑性に優れていた。次に、赤色(R)
層、緑色(G)層、および青色(B)層のそれぞれを光
硬化性の着色インキを用い、本発明の凹版オフセット印
刷法により次のようにパターニングした。まず、赤色顔
料を含有するインキをガラス基板の所定位置に印刷し、
その後、加熱硬化させて赤色(R)層を形成した。同様
に、緑色(G)層顔料を含有するインキおよび青色
(B)層顔料を含有するインキのそれぞれをガラス基板
の所定位置に印刷し、その後加熱硬化させて緑色(G)
層および青色(B)層を形成することにより、所定配列
のRGBパターンを形成した。なお、赤色(R)層、緑
色(G)層および青色(B)層は、深さ3.0μmの凹
版を用いて、いずれも厚さ2.4μmに形成した。
【0039】以上のようなRGBパターンの形成方法に
より、あらかじめ形成されたブラックマトリクスパター
ンが障壁の役割を果たすために、RGB印刷により容易
に所定のパターンが得られた。
【0040】<実施例4>黒色顔料およびフェノールノ
ボラックレジンとメチロールメラミンおよび酸発生剤を
含むUV硬化インキ(粘度45Pa・sec)、セラミ
ックス製のドクターを用いて角度80゜、速度400m
m/secで実施例1のと、実施例1ののKE−4
27TSを表面処理した深さ3μmの凹版を用いて、上
記インキを凹版の溝に充填した後、UV光を100mJ
/cm2照射してインキを硬化し、ブランケットロールを
該凹版に接触、回転させて、インキをシリコーン製のブ
ランケットに転移させた。
【0041】次に、ブランケット上のインキに紫外線を
150mJ/cm2照射して、ブランケットに接触した部
分のインキを完全に硬化させた。続いて、ブランケット
ロールを被印刷体に接触、回転させてインキを被印刷体
に転移させた。このとき、ブランケット上のインキは残
留することなく被印刷体上に転写され、被印刷体上には
幅20μm、厚さ2μmのブラックマトリクスを作るこ
とができた。ブラックマトリクスを200℃で30分加
熱した。このものに、顔料分散法の赤色のカラーレジス
ト(富士ハント(株)製、CR−6000)をスピンコー
ト法によって塗布し、90℃で10分乾燥して厚さ1.
6μmの膜を作製し、次いで紫外線により画像露光し、
アルカリ性の現像液によって40秒現像して赤のパター
ンを得た。同様に、カラーレジストCG−5000で緑
のパターンを得て、次いでCB−6000により青のパ
ターンを作成した。その後、赤、緑、青のパターンを2
30℃で30分加熱してポストベークを行なった。ポス
トベーク後の膜厚は1.5μmであった。このように、
印刷法によっては、従来は20μm幅のブラックマトリ
クスを作成することは困難であったものが、本発明によ
り可能になった。
【0042】<実施例5>銅を機械的に食刻して、幅2
0μm、縦330μm、横110μmの格子状の凹部を
形成した。これに全面クロムメッキを施して凹版とし
た。これに実施例1の低分子シリコーン樹脂のKE−
3475Sで表面処理して、離型性のよい凹版を作成し
た。黒色顔料とアルキッド樹脂系ワニスを含む熱硬化イ
ンキを、硬度80度のウレタンゴムのドクターで凹版に
充填した。次いで、遠赤外線ランプを凹版に照射して、
熱硬化性インキを熱硬化させた。しかる後、ウレタンゴ
ムのブランケットにインキを転写し、さらにポリエステ
ルフィルムにアクリル系粘着剤を0.7μm厚に塗布し
た基板にブランケットよりインキパターンを再転写し、
その後140℃で30分加熱してブラックマトリクスの
微細パターンを作成した。赤色(R)顔料と光硬化樹脂
とを含有する赤色インキ、緑色(G)顔料と光硬化樹脂
とを含有する緑色インキおよび青色(B)顔料と光硬化
樹脂とを含有する青色インキを用いて、実施例3の光硬
化性インキを用いたのと同様にしてRGBパターンを形
成した。
【0043】すなわち、まず、赤色(R)インキを用い
て前記実施例3におけるブラックマトリクスの形成と同
様にして実施例2のの被印刷体上に赤色(R)パター
ンを形成した。次いで、このようにして赤色(R)パタ
ーンを形成した被印刷体上に赤色(R)パターンの形成
と同様にして緑色(G)パターンを形成した。さらに、
同様にして青色(B)のパターンを形成した。次いで、
220℃に1時間加熱して着色インキパターンと、被印
刷体の粘着層を硬化させた。このようにして形成された
RGBパターンには画線の部分的な太りや細りは見られ
ず、またパターン表面の平滑性が従来の平版オフセット
法によるものとは桁違いに優れていた。
【0044】<実施例6>実施例1ので作成した凹版
を、実施例1のの脱酢酸型の硬化機構をする低分子シ
リコーン化合物ST−1により表面処理をした凹版の溝
に、黒色顔料およびアクリル樹脂のワニスを含むUVイ
ンキ(粘度120Pa・sec)を、金属製ドクターを
用いて角度60゜、速度400mm/secで充填した
後、UV光を100mJ/cm2照射してインキを硬化さ
せた。その後、実施例2で作成したシリコーンゴム製の
ブランケットロールを該凹版に接触させ、インキをブラ
ンケットに転移させた。続いて、ブランケットロールを
実施例2のの被印刷体上の粘着層に接触させ、ブラン
ケット上のインキを被印刷体上に転移させた。このと
き、ブランケット上のインキは殆ど残留せず被印刷体上
に転写され、被印刷体上には幅31μm、厚さ4.4μ
mのブラックマトリクスパターンが形成された。これを
200℃で1時間ポストベークして、厚さ3.8μmの
ブラックマトリクスを得た。
【0045】このようにして形成されたマトリクスパタ
ーンには、画線の部分的な太りや細りはみられず、また
パターン表面の平滑性に優れていた。次に、赤色(R)
層、緑色(G)層、および青色(B)層のそれぞれを発
明の凹版オフセット印刷法により次のようにパターニン
グした。まず、赤色顔料を含有するインキをガラス基板
の所定位置に印刷し、その後、加熱硬化させて赤色
(R)層を形成した。同様に、緑色(G)層顔料を含有
するインキおよび青色(B)層顔料を含有するインキの
それぞれをガラス基板の所定位置に印刷し、その後、加
熱硬化させて緑色(G)層および青色(B)層を形成す
ることにより、所定配列のRGBパターンを形成した。
なお、赤色(R)層、緑色(G)層および青色(B)層
は、深さ3.0μmの凹版を用いていずれも厚さ2.4μ
mに形成した。
【0046】以上のようなRGBパターンの形成方法に
より、あらかじめ形成されたブラックマトリクスパター
ンが障壁の役割を果たすために、RGB印刷により容易
に所定のパターンが得られた。
【発明の効果】凹版の凹部にインキを充填した後、イン
キを被印刷体に転移させてパターンを印刷する凹版印刷
方法において、脱有機酸型あるいは脱アルコール型で縮
合硬化するシリコーンを使用して、凹版の少なくとも凹
部の表面に離型性の樹脂層を形成することにより、イン
キの離型性、パターンの再現性、および耐刷性を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷方法の一実施例を示し、(a)は
印刷版の凹部に光硬化型インキを充填する工程、(b)
は印刷版のインキを部分硬化する工程、および(c)は
インキパターンをブランケットに転移させる工程の略示
縦断面図である。
【図2】(d)は図1に示す印刷方法の後続工程におい
て、ブランケットに転移されたインキを被転写体に転移
させる工程の略示縦断面図である。
【図3】離型性を測定するための装置の略示縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1 凹版 2 凹部 3 光硬化型インキ 3a 内側層 3b 表面層 4 ドクターナイフ 5 ブランケット 6 光源 7 被転写体 7a 被転写基板 8 離型層 9 粘着層 11 真空吸引孔 12 ガラス基板 13 離型層 14 インキ 15 センサーガラス 16 電磁放射線 17 金属線 18 力センサー 19 ランプ 20 試験台
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】また、凹版の基板に離型層を設ける前に、
空気中でオゾンを発生する短波長のランプで凹版を照射
してから離型層を設けると耐刷性が向上することが判明
した。例えば、200Wのランプを、10cm離した距
離から20秒から3分、より好ましくは30秒から90
秒間照射すると耐刷性が少なくとも20%向上する。あ
るいはプライマーをあらかじめ凹版に塗布し、その上に
離型層を設けると、離型性と耐刷性の効果がより優れた
ものになることもある。この際、オゾンを発生するラン
ブで照射してからプライマーを設けることも有効であ
る。離型層として用いる低分子シリコーン樹脂あるいは
その前駆体の硬化を空気中の水分との反応をより早くす
るために、硬化触媒と呼ばれる主としてPt・Snが用
いられることが多く、硬化促進剤をシリコーンに加えて
硬化させることもできる。更に特異なことに、以下に述
べる光硬化型インキの場合には、特に脱酢酸型あるいは
脱アルコール型の硬化機構を有する離型層が、他の形式
の硬化機構を有するシリコーン樹脂あるいは前駆体から
生成される離型層よりも凹版からのインキの離型性が良
く、しかも耐刷性が高かった。インキの離型性がよいと
転写されたインキが凹版の形状を忠実に再現し、画質の
良いパターンを得ることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】光硬化性インキは、光を照射することによ
って起こる光ラジカル重合反応を応用したものが多い。
光としては紫外線を用いることが多いが、開始剤および
増感剤を選択することにより近紫外光や可視光も使用す
ることができる。一般にラジカル反応によって光硬化す
る材料の光硬化反応は、空気中の酸素によって阻害され
るので、多少なりとも嫌気性を有する。従来、光硬化性
インキの酸素による硬化阻害は、インキの印刷適性とし
ては好ましくなく、酸素による硬化阻害を防止するため
に種々の改良がなされてきた。しかるに、本発明の特徴
の一つは、この空気による硬化阻害による問題点を逆に
利用して微細パターンをつくることもできる。図1
(b)において、凹版1の凹部2に光硬化性インキ3を
充填した後、光源6から光を照射すると、凹部2に接す
る内側層3aは硬化するが、表面層3bは半硬化の状態
であり、粘着性を帯びている。次に、図1(C)におい
てインキパターンをブランケット5の上に転移した場合
に、インキ層3のブランケットに接する側3bは空気に
よる光硬化阻害作用を受けない。この状態で、必要によ
り、適当量の第二段階の光照射を行なうと、ブランケッ
ト5に接している側のインキ3bも硬化して、ブランケ
ット5から剥離し易くなる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】ここで用いる粘着層9の形成材料として
は、例えば、粘着過程が溶剤賦活型、熱賦活型、圧力賦
活型、化学反応型等である接着剤若しくは粘着剤が挙げ
られる。これら各種の粘着剤等の中でも、好ましいもの
は感圧粘着剤、ホットメルト型粘着剤である。粘着剤と
しては通常のゴム系あるいはアクリル系の熱可塑性のも
のも使用可能であるが、耐熱性を必要とされる場合、あ
るいは後工程に微量の粘着剤の流出を避けるためには熱
硬化性若しくは光硬化型の粘着剤が好ましい。また、本
実施例では被転写体基板7aの上に粘着剤を塗布してそ
の上にインキを転写しているが、これに代えて、例えば
図1(b)の凹版1の凹部2に充填したインキを半硬化
処理した後にインキに粘着剤を塗布してからガラス基板
7aに直接転写してもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】剥離力および耐刷力の測定に用いた光硬化
インキは次の通りである。 インキA *成分 光重合開始剤: 2−メチル−1−[4−(メチルチ
オ)フェニル]2−モルフォリノプロパノン−1 CIBA−GEIGY社製 モノマー: トリメチロールプロパントリメタクリ
レート 新中村化学(株)製 オリゴマー: ウレタンアクリレート 新中村化学(株)製 ポリエステル樹脂含有ビヒクル: 大日本インキ(株)
製 青色顔料: フタロシアニンブルー(CI,Blu
e 15:6) 大日精化工業(株)製 *配合量 光重合開始剤: 3.0g モノマー: 30 g オリゴマー: 30 g ポリエステル樹脂含有ビヒクル: 40 g 青色顔料: 1.0g これらの材料を常法により混練し、3本ロールによって
顔料を微分散化した。顔料はマーキングのために加える
ものであり、カラーフィルタのパターンを最終的に作る
ための顔料濃度にはなってはいない。このインキの粘度
は25℃で25Pa・secであった。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】<実施例2> ブランケットの作成 厚さ2.0mmのシリコーンゴムを両面テープで直径1
0cmの金属ロールに貼付しブランケットを作成した。
シリコーンゴムの硬度は80度であり、表面粗度の平均
は1.6μmであった。 被印刷体(被転写体)の作成1.1mm 厚のホウ珪酸ガラスに、スピンコータを用い
てアクリル系粘着剤とエチルアルコールからなる粘着層
塗布液で粘着層を乾燥膜厚0.8μmに塗布し、粘着層
を有する被印刷体を作成した。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】<実施例5>銅を機械的に食刻して、幅2
0μm、縦330μm、横110μmの格子状の凹部を
形成した。これに全面クロムメッキを施して凹版とし
た。これに実施例1の項の低分子シリコーン樹脂のK
E−3475で表面処理して、離型性のよい凹版を作成
した。黒色顔料とアルキッド樹脂系ワニスを含む熱硬化
インキを、硬度80度のウレタンゴムのドクターで凹版
に充填した。次いで、遠赤外線ランプを凹版に照射し
て、熱硬化性インキを熱硬化させた。しかる後、ウレタ
ンゴムのブランケットにインキを転写し、さらにポリエ
ステルフィルムにアクリル系粘着剤を0.7μm厚に塗
布した基板にブランケットよりインキパターンを再転写
し、その後140℃で30分加熱してブラックマトリク
スの微細パターンを作成した。赤色(R)顔料と光硬化
樹脂とを含有する赤色インキ、緑色(G)顔料と光硬化
樹脂とを含有する緑色インキおよび青色(B)顔料と光
硬化樹脂とを含有する青色インキを用いて、実施例3の
光硬化性インキを用いたのと同様にしてRGBパターン
を形成した。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】<実施例6>実施例1ので作成した凹版
を、実施例1のの脱酢酸型の硬化機構をする低分子シ
リコーン化合物KE−41により表面処理をした凹版の
溝に、黒色顔料およびアクリル樹脂のワニスを含むUV
インキ(粘度120Pa・sec)を、金属製ドクター
を用いて角度60°、速度400mm/secで充填し
た後、UV光を100mJ/cm照射してインキを硬
化させた。その後、実施例2で作成したシリコーンゴム
製のブランケットロールを該凹版に接触させ、インキを
ブランケットに転移させた。続いて、ブランケットロー
ルを実施例2のの被印刷体上の粘着層に接触させ、ブ
ランケット上のインキを被印刷体上に転移させた。この
とき、ブランケット上のインキは殆ど残留せず被印刷体
上に転写され、被印刷体上には幅31μm、厚さ4.4
μmのブラックマトリクスパターンが形成された。これ
を200℃で1時間ポストベークして、厚さ3.8μm
のブラックマトリクスを得た。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷画線部となるパターン凹部を設けた
    凹版の少なくとも凹部の表面に、凹版に接着する離型性
    の樹脂層を形成し、この凹版にインキを充填し、被印刷
    体あるいは中間介在物に転写する微細パターンの印刷方
    法において、脱有機酸型あるいは脱アルコール型で縮合
    硬化するシリコーンを使用して離型性のシリコーン樹脂
    層を形成することを特徴とする印刷方法。
  2. 【請求項2】 脱有機酸型あるいは脱アルコール型で縮
    合硬化するシリコーン樹脂層を設けた凹版を用い、光硬
    化型インキのインキを凹版に充填して電離放射線の照射
    により該インキの少なくとも内部を硬化させ、内部が硬
    化したインキを中間介在物に転写し、しかる後に被印刷
    体に再転写する請求項1記載の印刷方法。
  3. 【請求項3】 脱有機酸型あるいは脱アルコール型で縮
    合硬化するシリコーン樹脂層を設けた凹版および凹版に
    充填する光硬化型インキを使用し、電離放射線の照射に
    より該インキの表層部が半硬化状態で、かつ表層部より
    内部が硬化した状態にし、該インキを中間介在物に転写
    し、転写されたインキ像に電離放射線を再照射し、しか
    る後に被印刷体に再転写する請求項1記載の印刷方法。
  4. 【請求項4】 脱有機酸型で縮合硬化するシリコーン樹
    脂層を設けた凹版および凹版に充填する光硬化型インキ
    を使用し、電離放射線の照射により該インキの表層部が
    半硬化状態で、かつ表層部より内部が硬化した状態に
    し、該インキを中間介在物に転写し、転写されたインキ
    像に電離放射線を再照射し、しかる後に被印刷体に再転
    写する請求項3記載の印刷方法。
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