JP4397442B2 - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー液晶表示装置等に内蔵される転写型カラーフィルタの製造に使用する接着剤に関する。さらに詳しくは感光性無溶剤型のアルカリ溶解性を有するカラーフィルタ用接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
近年、パーソナルコンピュータの発達、特に携帯用パーソナルコンピュータの発達に伴い、カラー液晶表示装置の需要が増加する傾向にある。しかし、さらなる普及のためには、コストダウンが必要とされている。
従来から、このカラー液晶表示装置に内蔵されるカラーフィルタにおいてもコストダウンをするために、種々の方法が試みられている。
第一の方法が顔料分散法である。この方法は、まず、基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることによりカラーフィルタ層単色のパターンを得る。この工程を所定回繰り返すことにより、例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)3色のカラーフィルタ層を形成するものである。
【0004】
第二の方法が染色法である。この染色法は、まずガラス基板上に被染色材料である水性の高分子材料を形成し、これをパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたカラーフィルタ層単色のパターンを得る。この工程を3回繰り返すことにより、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)3色のカラーフィルタ層を形成するものである。
第三の方法が電着法である。この方法は、まず、基板上に透明電極をパターニングし、顔料、樹脂、電解液等で構成された電着塗装液に浸漬し着色されたカラーフィルタ層単色のパターンを得る。この工程を3回繰り返し、次に焼成し赤色(R)、緑色(G)、青色(B)3色のカラーフィルタ層を形成するものである。
【0005】
第四の方法が印刷法である。この方法は、熱硬化性樹脂に顔料を分散させたインキを基板上に印刷し着色されたカラーフィルタ層単色のパターンを得る。この工程を3回繰り返し、次に焼成し赤色(R)、緑色(G)、青色(B)3色のカラーフィルタ層を形成するものである。
しかし、液晶表示装置用カラーフィルタを製造する際に、上記の種々の方法を用いても、直接に基板上にカラーフィルタ層を形成する手段によってカラーフィルタを製造したのでは、コスト面で十分に対応できるものではない。
【0006】
そこで、コスト面で十分に対応すべく、例えば、カラーフィルタに用いるガラス基板とほぼ同じ値の熱膨張係数を有する金属薄板を転写基材とした転写シートを用いて、製造工程の簡略化を計ったカラーフィルタの製造方法が提案されている。この方法は、転写基材上に一旦カラーフィルタ層を形成し、次に、このカラーフィルタ層をガラス基板上に転写するものである。
【0007】
この方法によれば、得られるカラーフィルタの表面は高度に平滑であり、また、赤(R)、緑(G)、青(B)等の所定色数を繰り返し形成する工程は、ガラス基板に対してではなく、転写基材に対して別途行われる。それ故に、ガラス基板のカラーフィルタ製造ラインとは別工程で、煩瑣なカラーフィルタの製造工程を行うことができ、液晶表示装置用カラーフィルタを製造する全工程としての生産効率上は好ましいと言える。
【0008】
また一方、近年、液晶表示装置の進歩に伴い液晶表示装置は、例えば、対角5インチのサイズから、8インチ、10インチ、12インチ、14インチへと、より大きなサイズのものが次第に実用されるようになってきた。
これまで、このような液晶表示装置を効率よく生産するために、これらのサイズの液晶表示装置を一枚のガラス基板に多面付けして製造する方法がとられてきた。
例えば、対角8インチの液晶表示装置の製造は、約300×400mm角のガラス基板に4面付けして、また、対角10インチの液晶表示装置の製造は、約400×500mm角のガラス基板に4面付けして、また、対角12インチの液晶表示装置の製造は、約550×650mm角のガラス基板に6面付けして、すなわち、液晶表示装置を製造するガラス基板の大きさは、対角インチのサイズの大型化に伴い、次第に大型化してきたものである。
【0009】
このように液晶表示装置を製造するガラス基板の大型化に伴い、上記の転写シートを用いて製造工程の簡略化を計った転写型カラーフィルタの製造方法においても同様に、例えば、対角12インチの液晶表示装置用のカラーフィルタを製造する際には、対角約12インチの転写シートを6面用いて約550×650mm角のガラス基板に、1面づつ隣接する位置へ順次転写してカラーフィルタ層を形成する方法を採用している。
【0010】
この際、対角約12インチの第1面の転写シートを接着剤を介してガラス基板に押圧すると接着剤が延展するので、余分の接着剤は転写シートの周辺部からはみ出すことになる。この第1面の転写シートの周辺部からはみ出した余分の接着剤は完全に除去し、第2面の転写シートを隣接する位置へ精度良く押圧するようにしている。しかし、従来用いられてきた接着剤は非水溶性であり、はみ出した余分の接着剤は有機溶剤を用いて除去していたものである。
この有機溶剤を用いた製造工程は、作業の安全性、健康、環境に及ぼす影響などの点で好ましいものではない。
【0011】
また、従来の接着剤は転写シート及びガラス基板双方の対向面に塗布し、両者を加熱し、接着剤が半乾燥状態になった段階で転写シート及びガラス基板を密着させ押圧し、紫外線照射を行って接着剤を硬化させていた。
このような加熱する方法では、たとえ転写シートの転写基材及びガラス基板の熱膨張係数はほぼ同じものを使用しても、両者の膨張する速度は異なるため、この加熱により転写シートの転写基材とガラス基板とに寸法差が生じ、転写されたカラーフィルタのパターンの全体の大きさに変化が起こる。このため液晶表示装置を構成する対向パネルとの貼り合わせの際に寸法の点で問題が生じていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明における課題は、転写シート上に形成されたカラーフィルタ層をガラス基板上に転写して転写型カラーフィルタを製造する際に用いる接着剤において、転写シートを接着剤を介してガラス基板に密着させ押圧することにより、はみ出した余分の接着剤を除去するのに有機溶剤を用いずに除去することができ、且つ、接着剤を塗布した転写シート及びガラス基板を加熱することなく密着させ押圧させることができるカラーフィルタ用接着剤を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、転写シート上に形成されたカラーフィルタ層をガラス基板上に接着剤を介して押圧し、転写してなるカラーフィルタの製造方法において、 前記接着剤が、樹脂、希釈モノマー、光増感剤を主成分とする感光性無溶剤型の接着剤であって、該樹脂がエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有するアクリル系共重合体であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【0014】
また、本発明は、上記発明における前記アクリル系共重合体が分子量1〜100×103、二重結合当量3×103 以下、カルボキシル基は樹脂酸価で50〜150のアクリル系共重合体であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタの製造方法である。
【0015】
また、本発明は、上記発明における前記アクリル系共重合体に少なくとも5重量%以上熱硬化成分を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のカラーフィルタの製造方法である。
また、本発明は、上記発明における前記希釈モノマーの沸点が200℃以上であることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のカラーフィルタの製造方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明によるカラーフィルタ用接着剤を、その一実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0017】
本発明によるカラーフィルタ用接着剤は、樹脂、希釈モノマー、光増感剤を主成分とする感光性無溶剤型のカラーフィルタ用接着剤であって、樹脂がエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有するアクリル系共重合体であるが、必要に応じ熱硬化成分、添加剤などが用いられる。
【0018】
エチレン性不飽和基とカルボキシル基を有するアクリル系共重合体は、感度の面から二重結合当量が3×103 以下であることが好ましく、カルボキシル基は溶解性の面から、樹脂酸価として50〜150の範囲が好ましい。酸価50以下では溶解性が低下し、接着剤が除去しきれずガラス基板上の転写シートの周辺部に残る。
また、酸価150以上では接着剤の除去時に膨潤してしまい、きれいな転写シートの周辺部が得られないという問題がある。また、このアクリル系共重合体の分子量は1〜100×103 の範囲が好ましいものであり、分子量が1×103 以下では感度低下をきたし、100×103 以上ではアルカリ溶解性が低下する。
【0019】
本発明におけるアクリル系共重合体としては、グリシジルメタクリレート(GMA)のようなグリシジル基とエチレン性不飽和基を有するモノマーのアクリル系共重合体にアクリル酸の様なエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有するモノマーを付加した後、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸のような酸無水物を付加させた物や、アクリル酸のようなエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有するモノマーのアクリル系共重合体にGMAのようなグリシジル基とエチレン性不飽和基を有するモノマーを付加した樹脂が挙げられる。
また、フェノールノボラック樹脂やクレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールタイプ等のエポキシ樹脂にアクリル酸の様なエチレン性不飽和基を有するカルボン酸を付加した後、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸を付加させた物も使用できる。
【0020】
本発明における希釈モノマーとしては、硬化時に発泡等を起こさないよう、その沸点が200℃以上あることが好ましいく、貼り合わせ押圧時の作業にあわせ、接着剤を適切な粘度まで希釈出来れば良い。
例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能モノマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能モノマー、1.6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能モノマー、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチルモノフタレート等の単官能モノマー、水酸基を2個以上有するポリオール化合物、イソシアネート化合物及び水酸基を有する(メタ)アクリレートからなるウレタンアクリレートやエポキシアクリレート等が挙げられ、これらを適宜組み合わせて使用できる。
【0021】
本発明における光増感剤としては、特に制限はなく、ベンゾフェノン、ジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メチル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−メチル{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルフォリノ−1−プロパノン、等が挙げられ、その添加量は樹脂と希釈モノマーの総量に対し、0.1〜20重量部が好ましい。
【0022】
添加剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等の重合防止剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の接着性付与剤、及び、エポキシ樹脂、ポリオール、メラミン樹脂等の熱硬化成分等が挙げられ、このうち熱硬化成分が少ないと、硬化した樹脂にカルボン酸基が多く残り耐水性が低下する。その添加量はアクリル系共重合体中のカルボン酸に対し、1/2当量以上の添加が好ましい。
【0023】
本発明による接着剤においては、アルカリ水溶液による液相処理で転写シートの周辺部の余分な接着剤を除去できるので、有機溶剤を用いないですむ。従って、作業の安全性、健康、環境へ及ぼす有機溶剤の影響がなくなるものである。
また、接着剤を塗布した転写シート及びガラス基板を加熱することなく、常温にて密着させ押圧させることができるので、加熱による転写シートの転写基材とガラス基板とに寸法差が生じないものとなる。
更にまた、接着剤を転写シートに滴下後すぐに転写シートとガラス基板を密着させ押圧するため、工程中の異物付着に起因する白抜け不良の発生を防止することができる。
【0024】
図1(イ)〜(ハ)は、ガラス基板(4)に転写シート(16)を複数枚貼り合わせ転写型カラーフィルタを製造する多面付けの状態を示す説明図である。
図1(イ)は、例えば、対角約12インチの転写シート(16)であり、斜線部(22)はガラス基板(4)へ転写されるカラーフィルタ層(11)、遮光層(12)の領域を示している。
【0025】
予め、転写基材上に剥離層、カラーフィルタ層、遮光層などを形成した第一面の転写シート(16)に接着剤を滴下し、例えば、略550×650mm角のガラス基板(4)に、接着剤を介して押圧すると、接着剤が延展するので、余分の接着剤は転写シートの周辺部からはみ出すことになる。
図1(ロ)は、余分の接着剤が転写シートの周辺部からはみ出した状態を示したものであり、点の部分ははみ出した接着剤(15’)、鎖線(17)は第2面以降の転写シートが押圧される予定位置を示している。
【0026】
次に、斜線部(22)で示すカラーフィルタ層と遮光層の領域に光照射し、この領域の接着剤を硬化させ、第1面の転写シートの周辺部からはみ出した光照射がされていない接着剤(15’)を除去する。これは、第2面以降の転写シートを予定位置へ精度よく押圧できるようにするためである。
図1(ハ)は、はみ出した接着剤(15’)を除去した後に転写シートの転写基材と剥離層を剥離し、斜線部(22)で示すカラーフィルタ層と遮光層の領域が転写された状態を示している。
【0027】
以後、同様にして、第2面〜第6面の転写シートを押圧し、カラーフィルタ層と遮光層の領域を転写し、略550×650mm角のガラス基板(4)に6面付けの転写型カラーフィルタを形成するものである。
【0028】
図2(イ)〜(ヘ)は、本発明によるカラーフィルタ用接着剤を用いて転写型カラーフィルタを製造する工程をその断面で示す説明図である。
図2(イ)は、転写基材(13)上に、既に剥離層(14)、カラーフィルタ層(11)、遮光層(12)などが形成された転写シート(16)示している。
そして、カラーフィルタ層(11)は、顔料分散法、染色法など任意の方法で形成されたもので、画素状になっており、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色のものである。
【0029】
先ず、図2(ロ)に示すように、本発明による感光性無溶剤型のカラーフィルタ用接着剤(15)をこの第一面の転写シート(16)に滴下する。
次に、図2(ハ)に示すように、例えば、略550×650mm角のガラス基板(4)と位置を合わせて上下から押圧(40)し、転写シート(16)とガラス基板(4)を着剤層(15)を介して密着させる。
すると、この第一面の転写シート(16)の周辺部には、余分のはみ出した接着剤(15’)が延展される。
【0030】
続いて、図2(ニ)に示すように、フォトマスク(70)を重ねカラーフィルタ層(11)及び遮光層(12)の転写する領域に光照射(60)を行い、この領域の着剤層(15)を硬化させる。
次に、図2(ホ)に示すように、転写基材(13)及び剥離層(14)を剥離し、この第一面の転写シート(16)の周辺部にはみ出した接着剤(15’)をアルカリ水溶液を用いて除去し、図2(ヘ)に示すように、略550×650mm角のガラス基板(4)の第一面の位置にカラーフィルタ層(11)及び遮光層(12)が転写された転写型カラーフィルタを得るものである。
【0031】
この略550×650mm角のガラス基板(4)には、対角約12インチの転写シート(16)が6面付けされるものなので、この段階ではこの第一面のみが転写されている。続いて同様な操作を行い略550×650mm角のガラス基板(4)に6面付けされた転写型カラーフィルタを得るものである。
【0032】
【実施例】
以下に本発明の実施例を具体的に説明する。
<実施例1>
(転写シートの作製)
まず、転写基材として厚さ0.11mmの42合金(ニッケル重量%、残部鉄)を用いた。6重量%のポリビニルアルコールを5〜10μmの厚さにディップコーター方式にて塗布形成した後、150℃の雰囲気で乾燥して剥離層を得た。
この剥離層上に、下記組成の赤色アクリル系顔料分散感光材をリバースコーターで塗布し、乾燥後所定パターンを有するフォトマスクを介して光照射し、アルカリ現像液で現像・水洗後150℃で5分間乾燥した。
以下同様にして緑色、青色、黒色のアクリル系顔料分散感光材を用い所定の位置にカラーフィルタ層と遮光層を形成し転写シートを得た。
【0033】
使用したアクリル系顔料分散材の組成は以下の処方による。
A;顔料10重量部
顔料はカラーインデックス(C.I)ナンバーで示す。
赤色:C.I.赤色顔料177
緑色:C.I.緑色顔料36及びC.I.黄色顔料139
青色:C.I.青色顔料15
黒色:C.I.黒色顔料7
B;以下の組成からなるアニオン性アクリル共重合体10重量部
メチルメタクリレート 2重量部
メタクリル酸 1重量部
ヒドロキシメタクリレート 2重量部
ブチルメタクリレート 2重量部
シクロヘキシルアクリレート 3重量部
C;多官能アクリルモノマー 10重量部
アロニックスM−300(東亞合成化学工業(株)製)
D;光重合開始剤 0.5重量部
イルガギュアー907(チバガイギー社製)
E;有機溶剤 120重量部
【0034】
(感光性無溶剤型接着剤の調製)
GMA40g、メチルメタクリレート(MMA)60gとアセトン200gを窒素雰囲気下でADVN(大塚化学製)を用い、分子量20×103 のポリマーを得た。このポリマー溶液にアクリル酸20g、ベンジルジメチルアミン0.2gを加え反応させた後、テトラヒドロ無水フタル酸25gを加え反応させ、シクロヘキサンにて析出沈殿させ、乾燥し白色粉末130gを得た。この粉末の樹脂の分子量は35×103 、酸価は100であった。
この樹脂50gにTMP3A50g、ヒドロキシエチルメタクリレート40g、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート40g、ビスコート#2000(大阪有機化学製)10g、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン10g、メトキノン0.1g、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン10g、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル15gを加え、溶解して感光性無溶剤型接着剤を得た。
【0035】
(転写型カラーフィルタの作製)
上記転写シート上に、上記感光性無溶剤型接着剤を滴下した。滴下直後に、滴下した接着剤の上からガラス基板の接着面を被せ、ロールプレス機にて1〜5kg/cm2 の圧力で押圧し、接着剤を均一に転写シートとガラス基板の間に延展させた。
このとき遮光層とカラーフィルタ層の重なりで生じた突起部がスペーサーの役割を果たすことで、カラーフィルタ層とガラス基板との距離は、両者が対向する部分で一定となる。カラーフィルタ層の厚さは1.3μm程度であり、突起部のカラーフィルタ層からの突起量は0.4μm程度である。これによりカラーフィルタ層とガラス基板との間に広がった接着層の膜厚は均一化されている。
【0036】
次いで、ガラス基板の裏側から、転写するカラーフィルタ層(11)及び遮光層(12)以外の領域を遮光するフォトマスクを介して紫外線を200mJ/cm2 照射し接着剤の硬化を行い、転写基材の金属薄板と剥離層を共に剥離を行った。そして、はみ出した接着剤をアルカリ水溶液を用いて除去した。
続いて、ポストベークを行って、ガラス基板上に、カラーフィルタ層及び遮光層が転写された転写型カラーフィルタを得た。
はみ出した接着剤を除去したガラス基板上の隣接する位置に、第2面目の転写シートを用いて同様な操作を行ったが、その転写は良好なものであった。
【0037】
使用したアルカリ水溶液の組成は以下の処方による。
Na2 CO3 ・・・・ 5重量部
NaOH ・・・・ 1重量部
H2 O ・・・・200重量部
【0038】
【発明の効果】
本発明は、樹脂、希釈モノマー、光増感剤を主成分とする感光性無溶剤型のカラーフィルタ用接着剤であって、樹脂がエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有するアクリル系共重合体であるので、転写シート上に形成されたカラーフィルタ層をガラス基板上に転写して転写型カラーフィルタを製造する際に、転写シートを接着剤を介してガラス基板に密着させ押圧することにより、はみ出した余分の接着剤を除去するのに、有機溶剤でなくアルカリ水溶液を用いることができるカラーフィルタ用接着剤となる。
このため、このカラーフィルタ用接着剤を用いた製造工程は、作業の安全性、健康、環境に及ぼす影響などの点で好ましいものになる。
また、接着剤を塗布した転写シート及びガラス基板を加熱することなく密着させ押圧させることができるカラーフィルタ用接着剤となる。このため、このカラーフィルタ用接着剤を用いると、転写シートの転写基材とガラス基板とに寸法差が生じることがない。
【0039】
また、本発明は、アクリル系共重合体が分子量1〜100×103 、二重結合当量3×103 以下、カルボキシル基は樹脂酸価で50〜150のアクリル系共重合体であるので、良好な感度と良好なアルカリ溶解性を有するカラーフィルタ用接着剤となる。
また、本発明は、アクリル系共重合体に少なくとも5重量%以上熱硬化成分を含有するので、良好な耐水性を有するカラーフィルタ用接着剤となる。
また、本発明は、希釈モノマーの沸点が200℃以上であるので、硬化時に発泡等を起こさないカラーフィルタ用接着剤となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)〜(ハ)は、多面付けの状態を示す説明図である。
【図2】(イ)〜(ヘ)は、本発明によるカラーフィルタ用接着剤を用いて転写型カラーフィルタを製造する工程をその断面で示す説明図である。
【符号の説明】
4…ガラス基板
11…カラーフィルタ層
12…遮光層
13…転写基材
14…剥離層
15…感光性無溶剤型接着剤
15’…はみ出した接着剤
16…転写シート
17…転写シートが押圧される予定位置
22…カラーフィルタ層と遮光層(画素の領域)
40…押圧
60…光照射
70…フォトマスク
R…赤色カラーフィルタ層
G…緑色カラーフィルタ層
B…青色カラーフィルタ層
Claims (4)
- 転写シート上に形成されたカラーフィルタ層をガラス基板上に接着剤を介して押圧し、転写してなるカラーフィルタの製造方法において、
前記接着剤が、樹脂、希釈モノマー、光増感剤を主成分とする感光性無溶剤型の接着剤であって、該樹脂がエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有するアクリル系共重合体であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 前記アクリル系共重合体が分子量1〜100×103、二重結合当量3×103 以下、カルボキシル基は樹脂酸価で50〜150のアクリル系共重合体であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記アクリル系共重合体に少なくとも5重量%以上熱硬化成分を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記希釈モノマーの沸点が200℃以上であることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のカラーフィルタの製造方法。
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