JP2000107491A - 溶剤回収乾燥装置 - Google Patents

溶剤回収乾燥装置

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JP2000107491A
JP2000107491A JP10300420A JP30042098A JP2000107491A JP 2000107491 A JP2000107491 A JP 2000107491A JP 10300420 A JP10300420 A JP 10300420A JP 30042098 A JP30042098 A JP 30042098A JP 2000107491 A JP2000107491 A JP 2000107491A
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drying
recovery
temperature
passage
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Yoshiharu Ishii
義治 石井
Shiyouichi Nakamura
廠一 中村
Tadashi Une
正 宇根
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NIPPON PRESS SEISAKUSHO KK
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NIPPON PRESS SEISAKUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶剤の回収率が高く、装置内の爆発の危険性
を確実に回避しながら乾燥室内の衣類を短時間で乾燥さ
せることができ、さらに、冷却効果が高くて衣類に溶剤
が再付着することのない溶剤回収乾燥装置を提供する。 【解決手段】 溶剤を含んだ空気を、乾燥室1、排気通
路2、冷却通路3、吸込み通路5の順に循環させてクー
ラー3aによって液化し、分離器4でその溶剤と水分を
分離して回収する回収乾燥行程Xを、前半回収乾燥行程
Xaと後半回収乾燥行程Xbとに分け、前半回収乾燥行
程Xaを溶剤の引火点以下の温度で、後半回収乾燥行程
Xbで引火点以上の温度で高温回収を行っても溶剤の濃
度が爆発下限界以上に達することがない値まで濃度を下
げることのできるまでの一定時間行った後、後半回収乾
燥行程Xbを溶剤の引火点以上の高温で一定時間行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶剤回収乾燥装置
に関する。より詳細には、石油系ドライクリーニング溶
剤で洗浄した衣類から、その衣類に付着している溶剤を
回収しながら当該衣類を乾燥させる装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】石油系ドライクリーニング溶剤で洗浄し
た衣類に付着した溶剤を回収しながらその衣類を乾燥さ
せる装置として、例えば、特公平7−49077号およ
び特公平7−53197号公報に記載のものがある(図
6参照)。
【0003】これら公報に記載の溶剤回収乾燥装置は、
それまでの乾燥装置(実開昭59−73298号公報に
記載のもの)が、溶剤を排出空気と共にそのまま大気中
に放出することとしているために溶剤の臭気が周囲に漂
い、環境衛生上好ましくないという点に鑑み創案された
ものであり、この問題を解決するために、まず、溶剤回
収循環行程Aを行い、次に外気導入行程(排気行程)B
を間欠的に導入しながら先と同様の溶剤回収循環行程A
を行い、続いて循環冷却行程Cと脱臭行程Dとを行うも
のとしている。
【0004】そして、外気導入行程(排気行程)Bにお
いて、溶剤を含んだ空気を大気中に放出するに先立ち、
その空気を冷却室11を通過させて冷却し、それに含ま
れる溶剤を液化分離してできる限り回収するようにして
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の溶剤回収乾燥装置においては、排出空気を冷却して
その空気中に含まれる溶剤を、それまでの装置と比較し
て、多く回収するようにはしているものの、回収率は約
50%であり、満足できるものではないという問題を有
する。すなわち、最初の溶剤回収循環行程Aに続いて間
欠的に導入される外気導入行程(排気行程)Bは、装置
内の爆発を防ぐために溶剤を大気中に放出するための行
程であり、よって、排出空気が冷却室で冷却されそれに
含まれる溶剤が多少回収されるとしても、残りの多くの
溶剤が大気中に放出される。
【0006】また、この種の溶剤回収乾燥装置は、爆発
の危険性を回避しながら乾燥室の温度を上昇させ、乾燥
室内の衣類をできるだけ短時間で乾燥させることが好ま
しいがこの従来装置ではこうした乾燥時間短縮のための
工夫は特になされていない。
【0007】さらに、この従来装置における循環冷却行
程Cは、加熱器12をオフとし冷却室11をオンとした
状態で、空気を装置内で循環させるものであるが、加熱
器12の残留熱によって循環空気が温められるので、冷
却効果が低減すると共に、この加熱器12および冷却室
11に残留している溶剤が衣類に再度付着してしまうと
いう問題も発生する。また、こうした溶剤回収乾燥装置
にあっては、溶剤の回収容器が満杯になった際にそれを
自動的に検出する手段があれば便利である。
【0008】そこで本発明の目的とするところは、溶剤
の回収率が高く、装置内の爆発の危険性を確実に回避し
ながら乾燥室内の衣類を短時間で乾燥させることがで
き、さらに、冷却効果が高くて衣類に溶剤が再付着する
ことのない溶剤回収乾燥装置を提供することにある。
【0009】また、他の目的とするところは、上記目的
に加えて、溶剤の回収容器が満杯になった際にそれを自
動的に検出する手段を具備し、溶剤の無駄をなくす溶剤
回収乾燥装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1に記載の溶剤回収乾燥装置は、
入口側に吸気ダンパー(1a)によって開閉自在の吸気
口(1b)を有し、溶剤を含んだ衣類が投入される乾燥
室(1)と、この乾燥室(1)の出口側と連通し、乾燥
室(1)の空気を吸引するファン(2a)および排気ダ
ンパー(2b)によって開閉自在の排気口(2c)を有
する排気通路(2)と、この排気通路(2)の出口側と
連通し、クーラー(3a)を内蔵する冷却通路(3)
と、この冷却通路(3)のクーラー(3a)より下位部
分と接続通路(4a)を介して連通し、クーラー(3
a)によって液化された前記溶剤と水分を分離する分離
器(4)と、冷却通路(3)の出口側と乾燥室(1)の
入口側との間に連通し、冷却通路(3)側に吸込みダン
パー(5a)によって開閉自在の吸込み口(5b)を有
すると共に、乾燥室(1)側にヒーター(5c)を内蔵
する吸込み通路(5)とを備える溶剤回収乾燥装置にお
いて、前記溶剤を含んだ空気を、乾燥室(1)、排気通
路(2)、冷却通路(3)および吸込み通路(5)の順
に循環させてクーラー(3a)によって液化し、分離器
(4)でその溶剤と水分を分離して回収する回収乾燥行
程(X)を、前半回収乾燥行程(Xa)と後半回収乾燥
行程(Xb)とに分け、ヒーター(5c)を介して、前
半回収乾燥行程(Xa)を前記溶剤の引火点以下の温度
で、後半回収乾燥行程で引火点以上の温度で高温回収を
行っても溶剤の濃度が爆発下限界以上に達することがな
い値まで濃度を下げることのできるまでの一定時間行っ
た後、後半回収乾燥行程(Xb)を溶剤の引火点以上の
高温で一定時間行う制御行程を有することを特徴とす
る。
【0011】なお、溶剤の爆発下限界は、溶剤の種類に
よって異なるものの、一般に使用されている溶剤(石油
系ドライクリーニング溶剤)において、その引火点42
℃で爆発下限界温度は38.6℃でその爆発下限界濃度
は0.86vol%である。すなわち、循環空気に含まれる
溶剤の濃度が0.86vol%以上である場合に、着火源に
より爆発の危険性がある。逆に、溶剤濃度が0.86vol
%以上あってもその溶剤を含む空気の温度が42℃以下
である場合、および空気の温度が42℃以上であっても
溶剤濃度が0.86vol%以下である場合は、着火源が存
在してもともに爆発をおこさない。
【0012】また、請求項2に記載の溶剤回収乾燥装置
は、請求項1に記載の回収乾燥行程(X)に続いて、吸
込み口(5b)から吸込んだ外気を、吸込み通路
(5)、乾燥室(1)および排気通路(2)を経由して
排気口(2c)から排出して脱臭する排気乾燥行程
(Y)と、吸気口(1b)から取り入れた外気を、乾燥
室(1)および排気通路(2)を経由して排気口(2
c)から排出して引火点以下の温度まで冷却するクール
ダウン工程(Z)を行う制御行程を有することを特徴と
するものである。
【0013】さらに、請求項3に記載の溶剤回収乾燥装
置は、請求項2に記載の乾燥室(1)又はその近傍に温
度センサー(1c)を取付け、空気の温度が、前半回収
乾燥行程(Xa)中に溶剤の引火点以上に達した場合、
および後半回収乾燥行程(Xb)中に設定温度以上に達
した場合に、自動的にクールダウン行程(Z)に切り替
える制御行程を有する安全装置を備えたことを特徴とす
る。
【0014】また、請求項4に記載の溶剤回収乾燥装置
は、分離器(4)で分離された溶剤の回収容器(6)
に、その回収容器(6)が満杯になったことを検知する
液位センサー(6a)を取付けたことを特徴とする。
【0015】なお、カッコ内の記号は、図面および後述
する発明の実施の形態に記載された対応要素又は対応事
項を示す。
【0016】本発明の請求項1に記載の溶剤回収乾燥装
置によれば、回収乾燥行程中に装置内の循環空気を大気
中に放出しないので、その循環空気中に含まれる溶剤の
回収率が85〜95%ときわめて高い(従来装置は約5
0%)。また、前半回収乾燥行程を引火点以下の温度
で、それに続く後半回収乾燥行程で引火点以上の温度で
高温回収を行っても溶剤の濃度が爆発下限界以上に達す
ることがない値まで濃度を下げることのできるまでの一
定時間溶剤を回収した後、後半回収乾燥行程を引火点以
上の高温で行えるので、爆発の危険性を確実に回避しつ
つ、従来装置と比較して短時間で衣類を乾燥させること
ができる。
【0017】また、請求項2に記載の発明によれば、請
求項1に記載の発明の作用効果に加えて、排気乾燥行程
が行われるので衣類に付着している臭いが取除かれる。
また、クールダウン行程が行われるので衣類は冷却され
る。特に、クールダウン行程を、空気をヒーターおよび
クーラーを通過させることなく行うこととしているの
で、ヒーターの残留熱によって空気が加熱されることが
なく、よって、衣類の冷却効果を低減することなく行う
ことができると共に、ヒーターおよびクーラーに付着し
ている溶剤が衣類に再付着することがない。
【0018】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
請求項2に記載の発明の作用効果に加えて、温度センサ
ーのはたらきによって、自動的に、前半回収乾燥行程中
の爆発を未然に防止することができると共に、後半回収
乾燥行程中の乾燥温度を設定値以下に抑えることができ
るので一層安全である。
【0019】また、請求項4に記載の発明によれば、請
求項1乃至3に記載の発明の作用効果に加えて、液位セ
ンサーの表示によって、溶剤の回収容器に回収された溶
剤が満杯になったことを知ることができるので、この信
号に対応して、例えば、次回の回収乾燥行程を中止させ
たりすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1および図2を参照して、本発
明の実施形態に係る溶剤回収乾燥装置について説明す
る。図1は溶剤回収乾燥装置および各行程における空気
の流れを示す正面断面図であり、図2乃至図5は各行程
における空気の温度とその空気中に含まれる溶剤の濃度
の変化を示すグラフである。
【0021】本発明の実施形態に係る溶剤回収乾燥装置
は、石油系ドライクリーニング溶剤で洗浄した背広、婦
人服、化繊物、デリケート繊維物等の衣類から、その衣
類に付着している溶剤を回収しながら同衣類を乾燥させ
るものである。図2は背広,図3は婦人服,図4は化繊
物,図5はデリケート繊維物の場合をそれぞれ示す。
【0022】この装置は、入口側に吸気ダンパー1aに
よって開閉自在の吸気口1bを有し、溶剤を含んだ衣類
がドア1dによって開閉自在の投入口1eから投入され
る乾燥室1と、その乾燥室1の出口側と連通し、乾燥室
1の空気を吸引するファン2aと、排気ダンパー2bに
よって開閉自在の排気口2cと、衣類から発生する糸屑
を収集するリントフィルター2dとを具備する排気通路
2と、その排気通路2の出口側と連通し、冷凍機を冷却
源とするクーラー3aを内蔵する冷却通路3と、その冷
却通路3のクーラー3aより下位部分と接続通路4aを
介して連通し、クーラー3aによって液化された溶剤と
水分を分離する分離器4と、冷却通路3の出口側と乾燥
室1の入口側との間に連通し、冷却通路3側に吸込みダ
ンパー5aによって開閉自在の吸込み口5bを有すると
共に、乾燥室1側にヒーター5cを内蔵する吸込み通路
5と、で構成されている。
【0023】そして、この溶剤回収乾燥装置は、回収乾
燥行程X、排気乾燥行程Y、クールダウン行程Zおよび
ノンリンクル行程Nという連続する制御行程を有する。
溶剤回収乾燥装置には衣類に対応した選択スイッチ(図
示しない)が取付けられるとともに、各衣類に対応した
制御行程(図2〜図5)が記憶装置(図示しない)に予
め格納されている。そして、選択されたスイッチに対応
した制御行程がCPU(図示しない)によって記憶装置
から読み出されて、CPUが制御行程に沿った制御を行
う。
【0024】本実施形態では、背広を例にとって説明す
る。回収乾燥行程Xは、溶剤を含んだ空気を、乾燥室
1、排気通路2、冷却通路3および吸込み通路5の順に
循環させてクーラー3aによって液化し、分離器4で液
化した溶剤と水分を分離して回収するものである。この
回収乾燥行程Xは、前半回収乾燥行程Xaと後半回収乾
燥行程Xbとに分けられ、前半回収乾燥行程Xaを、溶
剤の引火点以下の温度で、溶剤の濃度が爆発下限界以上
に達することがなくなるまでの一定時間行った後、後半
回収乾燥行程Xbを、溶剤の引火点以上の高温で一定時
間行うこととしている。
【0025】本実施形態に係る溶剤回収乾燥装置に投入
される衣類のドライクリーニングに使用された溶剤の引
火点は42℃で、その爆発下限界濃度は0.86vol%で
ある。この点に鑑み、図2に示すように、前半回収乾燥
行程Xaでは、循環空気をヒーター5cによって徐々に
42℃まで昇温させ、その温度を継続的に維持させてい
る。この前半回収乾燥行程Xaの時間は約13分であ
る。
【0026】この間に衣類に含まれる溶剤はクーラー3
aおよび分離器4によって回収され続けるので、循環空
気中の溶剤濃度は爆発下限界である0.86vol%を大き
く下回る0.5vol%以下に保たれている。従って、例
え温度が爆発下限界の38.6℃を越えたとしても爆発
の危険性はない。この前半回収乾燥行程Xaで溶剤の多
くが回収され、この行程完了後に循環空気の溶剤濃度が
爆発下限界を超えることはない。
【0027】前半回収乾燥行程Xaに続いて行われる後
半回収乾燥行程Xbでは、ヒーター5cによって循環空
気の温度を引火点を超える60℃まで昇温し、溶剤の回
収および衣類の乾燥を行う。この後半回収乾燥行程Xb
は約9分行う。この行程で衣類に含まれている溶剤の殆
どが回収され、再利用される。
【0028】この回収乾燥行程Xにおいては、溶剤を一
切外気中へ放出しないので、溶剤回収率がきわめて高
く、溶剤の異臭が周囲に漂うことがない。また、前半回
収乾燥行程Xaでは循環空気の温度を引火点以下に抑え
ると共に、溶剤をその濃度が爆発下限界以下になるまで
を回収し、後半回収乾燥行程Xbでは循環空気の温度を
高温とするので、爆発の危険性を未然に防ぎながら衣類
を短時間で乾燥させることが可能となっている。
【0029】回収乾燥行程Xに続いて行われる排気乾燥
行程Yは、吸込み口5bから吸込んだ外気を、吸込み通
路5、乾燥室1および排気通路2を経由して排気口2c
から排出する。この排気乾燥行程Yは、回収乾燥行程X
と同様60℃で行われ、約3分続けられる。この行程
は、衣類に付着している臭いを完全に取除くために行わ
れる。
【0030】排気乾燥行程Yに続いて行われるクールダ
ウン行程Zと、さらにそのクールダウン行程Zに引き続
いて行われるノンリンクル行程Nは、ともに、吸気口1
bから取り入れた外気を、乾燥室1および排気通路2を
経由して排気口2cから排出するものである。ただし、
ノンリンクル行程Nでファン2aは停止している。
【0031】クールダウン行程Zは、排気乾燥行程Y後
に装置を停止したままにすると衣類に皺が発生するの
で、乾燥室1を作動させながら約40℃まで徐々に冷却
する行程である。また、ノンリンクル行程Nは、乾燥室
1から衣類を取出すのが遅れた場合に衣類に皺が発生す
るので、それを防止するために乾燥室1内のバスケット
を間欠運転させる行程である。クールダウン行程Zは5
分行われ、ノンリンクル行程Nは衣類が乾燥室1から取
り出されるまで続けられる。なお、ノンリンクル行程N
中に乾燥装置のドアが開けられると行程が終了するよう
になっている。
【0032】このクールダウン行程Zにおいては、外気
をヒーター5cに通過させないこととしているので、ヒ
ーター5cの残留熱によって外気が温められて冷却効果
が低減するといった問題が発生しない。なお、乾燥室1
内へ外気を取り入れる吸気口1bに、クールダウン行程
Z用のクーラー(図示せず)を取付けると、冷却効果を
さらに高めることができる。
【0033】また、このクールダウン行程Zとノンリン
クル行程Nは、共に、空気をヒーター5cおよびクーラ
ー3aに通過させないで行うので、ヒーター5cおよび
クーラー3aに付着している溶剤が衣類に再付着するこ
とがない。
【0034】ちなみに、本実施形態において(背広を乾
燥する場合)、その回収乾燥行程Xからクールダウン行
程Z終了までに要する時間は30分であるが(ノンリン
クル行程Nは衣類の取り出しまで継続されるので除い
た)、例えば、婦人服の場合は25分、化繊物およびデ
リケート繊維物はともに22分で全行程を終了すること
ができる。
【0035】なお、本実施形態にあっては、乾燥室1の
入口側と出口側の両方に温度センサー1c,1cを取付
け、循環空気の温度が、前半回収乾燥行程Xa中に溶剤
の引火点以上に達した場合や、後半回収乾燥行程Xb中
に設定温度以上に達した場合に、自動的にクールダウン
行程Zに切り替えることとしている。これによって、前
半回収乾燥行程Xaにおける爆発の危険性を確実に阻止
すると共に、後半回収乾燥行程Xbにおいて設定以上の
高温で衣類が損傷するのを未然に防止することができ
る。
【0036】さらに、本実施形態に係る溶剤回収乾燥装
置においては、その分離器4によって分離された溶剤の
回収容器6に、溶剤で満杯になったことを検知する液位
センサー6aを取付けている。溶剤で満杯の信号に対応
して、例えば、次回の回収乾燥行程を中止させたりする
ことができる。これによって、溶剤が溶剤回収容器6か
ら溢れ出ることがない。
【0037】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の請求項1に記載
の溶剤回収乾燥装置によれば、回収乾燥行程中に装置内
の循環空気を大気中に放出しないので、その循環空気中
に含まれる溶剤の回収率が85〜95%ときわめて高い
(従来装置は約50%)。よって溶剤の異臭が周囲に漂
うことがなく、環境衛生上優れている。また、前半回収
乾燥行程を引火点以下の温度で一定時間行い溶剤の濃度
が爆発下限界以上に達することがなくなるまでその溶剤
を回収した後、後半回収乾燥行程を引火点以上の高温で
行うので、爆発の危険性を確実に回避しつつ、従来装置
と比較して短時間で衣類を乾燥させることができる。こ
れによって、本発明装置の、より優れた安全性と性能の
向上を図ることができる。
【0038】また、請求項2に記載の発明によれば、請
求項1に記載の発明の作用効果に加えて、排気乾燥行程
が行われるので衣類に付着している臭いが取除かれる。
また、クールダウン行程が行われるので衣類は冷却され
る。特に、クールダウン行程を、空気をヒーターおよび
クーラーを通過させることなく行うこととしているの
で、ヒーターの残留熱によって空気が加熱されることが
なく、よって、衣類の冷却効果を低減することなく行う
ことができると共に、ヒーターおよびクーラーに付着し
ている溶剤が衣類に再付着することがない。
【0039】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
請求項2に記載の発明の作用効果に加えて、温度センサ
ーのはたらきによって、自動的に、前半回収乾燥行程中
の爆発を未然に防止することができると共に、後半回収
乾燥行程中の乾燥温度を設定値以下に抑えることができ
るので、本発明装置の安全性を、より確実に確保するこ
とができる。
【0040】また、請求項4に記載の発明によれば、請
求項1乃至3に記載の発明の作用効果に加えて、液位セ
ンサーの表示によって、溶剤の回収容器に回収された溶
剤が満杯になったことを知ることができるので、この信
号に対応して、例えば、次回の回収乾燥行程を中止させ
たりすることができる。これにより、溶剤の無駄をなく
すことができる。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る溶剤回収乾燥装置およ
び各行程における空気の流れを示す正面断面図である。
【図2】背広についての、各行程における空気の温度と
その空気中に含まれる溶剤の濃度の変化を示すグラフで
ある。
【図3】婦人服についての、各行程における空気の温度
とその空気中に含まれる溶剤の濃度の変化を示すグラフ
である。
【図4】化繊物についての、各行程における空気の温度
とその空気中に含まれる溶剤の濃度の変化を示すグラフ
である。
【図5】デリケート繊維物についての、各行程における
空気の温度とその空気中に含まれる溶剤の濃度の変化を
示すグラフである。
【図6】従来例に係る溶剤回収乾燥容器および各行程に
おける空気の流れを示す正面断面図である。
【符号の説明】
1 乾燥室 1a 吸気ダンパー 1b 吸気口 1c 温度センサー 1d ドア 1e 投入口 2 排気通路 2a ファン 2b 排気ダンパー 2c 排気口 2d リントフィルター 3 冷却通路 3a クーラー 3b 冷凍機 4 分離器 4a 接続通路 5 吸込み通路 5a 吸込みダンパー 5b 吸込み口 5c ヒーター 6 溶剤回収容器 6a 液位センサー X 回収乾燥行程 Xa 前半回収乾燥行程 Xb 後半回収乾燥行程 Y 排気乾燥行程 Z クールダウン行程 N ノンリンクル行程 11 冷却室 12 加熱器 A 溶剤回収循環行程 B 外気導入行程(排気行程) C 循環冷却行程 D 脱臭行程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇根 正 広島市安佐北区安佐町大字飯室6861番地の 9 株式会社日本プレス製作所内 Fターム(参考) 3B155 AA01 AA14 AA16 AB09 BA01 BA05 BA10 BA12 BB16 CC11 CC15 CC16 CC17 CC18 KA19 KA27 LA16 LB02 LB05 LB22 LC03 LC13 LC30 MA01 MA02 MA05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入口側に吸気ダンパーによって開閉自在の
    吸気口を有し、溶剤を含んだ衣類が投入される乾燥室
    と、 該乾燥室の出口側と連通し、乾燥室の空気を吸引するフ
    ァンおよび排気ダンパーによって開閉自在の排気口を有
    する排気通路と、 該排気通路の出口側と連通し、クーラーを内蔵する冷却
    通路と、 該冷却通路のクーラーより下位部分と接続通路を介して
    連通し、前記クーラーによって液化された前記溶剤と水
    分を分離する分離器と、 前記冷却通路の出口側と前記乾燥室の入口側との間に連
    通し、前記冷却通路側に吸込みダンパーによって開閉自
    在の吸込み口を有すると共に、前記乾燥室側にヒーター
    を内蔵する吸込み通路とを備える溶剤回収乾燥装置にお
    いて、 前記溶剤を含んだ空気を、前記乾燥室、排気通路、冷却
    通路および吸込み通路の順に循環させてクーラーによっ
    て液化し、分離器でその溶剤と水分を分離して回収する
    回収乾燥行程を、前半回収乾燥行程と後半回収乾燥行程
    とに分け、前記ヒーターを介して、前記前半回収乾燥行
    程を前記溶剤の引火点以下の温度で、後半回収乾燥行程
    で引火点以上の温度で高温回収を行っても溶剤の濃度が
    爆発下限界以上に達することがない値まで濃度を下げる
    ことのできるまでの一定時間行った後、後半回収乾燥行
    程を溶剤の引火点以上の高温で一定時間行う制御行程を
    有することを特徴とする溶剤回収乾燥装置。
  2. 【請求項2】前記回収乾燥行程に続いて、吸込み口から
    吸込んだ外気を、吸込み通路、乾燥室および排気通路を
    経由して排気口から排出して脱臭する排気乾燥行程と、 吸気口から取り入れた外気を、乾燥室および排気通路を
    経由して排気口から排出して引火点以下の温度まで冷却
    するクールダウン行程を行う制御行程を有することを特
    徴とする請求項1に記載の溶剤回収乾燥装置。
  3. 【請求項3】前記乾燥室又はその近傍に温度センサーを
    取付け、空気の温度が、前記前半回収乾燥行程中に溶剤
    の引火点以上に達した場合、および後半回収乾燥行程中
    に設定温度以上に達した場合に、自動的に前記クールダ
    ウン行程に切り替える制御行程を有する安全装置を備え
    たことを特徴とする請求項2に記載の溶剤回収乾燥装
    置。
  4. 【請求項4】前記分離器で分離された溶剤の回収容器
    に、その回収容器が満杯になったことを検知する液位セ
    ンサーを取付けたことを特徴とする請求項1乃至3に記
    載の溶剤回収乾燥装置。
JP10300420A 1998-10-06 1998-10-06 溶剤回収乾燥装置 Pending JP2000107491A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7322123B2 (en) 2004-09-07 2008-01-29 Sanyo Electric Co., Ltd. Drying machine
US7409776B2 (en) 2004-03-10 2008-08-12 Sanyo Electric Co., Ltd. Drying machine with inner and outer drums and outside air introduction

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US7409776B2 (en) 2004-03-10 2008-08-12 Sanyo Electric Co., Ltd. Drying machine with inner and outer drums and outside air introduction
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