JPH07100116B2 - 衣類乾燥機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本発明は、溶剤によって洗浄された衣類を乾燥するため
の衣類乾燥機に関する。

（ロ）従来の技術 先に提案された特願平１−144372号に依れば、石油系溶
剤で洗浄した衣類を加熱乾燥する場合に、42℃以下の低
温乾燥を行ない、残留溶剤が減少してから高温乾燥を行
なう。低温乾燥の際は、高温乾燥と同等の効率を得るた
めに、乾燥風の供給量を増加させている。

（ハ）発明が解決しようとする課題 従って、従来例では、被乾燥物（衣類）がドラム内で風
下側に押しやられやすく、特に軽量でデリケートな衣類
がドラム出口側のパンチング孔に吸引された状態とな
り、風中のほこりが集中して付着したり、孔跡、しわを
残すと言う欠点があった。

本発明は、溶剤洗浄された軽量衣類を回転ドラムに収容
して乾燥する場合、衣類がドラムへ付着して衣類にしわ
が付いたり埃が付いたりするのを極力防止する衣類乾燥
機を提供しようとするものである。

（ニ）課題を解決するための手段 本発明の衣類乾燥機は、開閉扉が装着された乾燥室と、
この乾燥室内に配置され、溶剤洗浄された衣類を収容し
た状態で回転する、周壁に多数の孔を有する回転ドラム
と、上記乾燥室に設けられた乾燥風の入口及び出口と、
これら入口及び出口に両端が接続され、且つ上記出口側
から順にリントフィルター装置、クーラ及びヒータを内
蔵するとともにファンを内蔵する、溶剤を回収するため
の回収槽と、この回収槽内に設けられ、乾燥風を上記乾
燥室と回収槽との間で循環させて軽量衣類を乾燥する場
合、乾燥風を減少させて循環させるべく乾燥風路を絞る
第１弁と、上記回収槽に設けられ、外気を上記乾燥室内
へ導入させるとともに乾燥室内の空気を機外へ排出させ
て軽量衣類を乾燥する場合、外気を減少させて導入させ
るべく導入風路を絞る第２弁とを備えたものである。

（ホ）作用 例えば、低温乾燥運転では乾燥風を乾燥室と回収槽との
間で循環させ、高温乾燥運転では外気を乾燥風として乾
燥室へ導入するとともに乾燥室内の空気を機外へ排出す
る。

而して、衣類が軽量の場合、低温乾燥運転では第１弁で
乾燥風路を絞って乾燥風を減少させて循環させ、高温乾
燥運転では第２弁で導入風路を絞って外気を減少させて
導入させる。これにより、軽量衣類は低温乾燥運転及び
高温乾燥運転のいずれにおいても、風量が少ないため回
転ドラムへ付着しにくい。

上記第１弁及び第２弁は、衣類に応じて自動に、或いは
手動で適当な開度に操作される。

（ヘ）実施例 図面に基づいて説明すると、乾燥機の機体１は上下２段
に区画されており、上段には多孔の回転ドラム２を有す
る乾燥室３を構成し、下段にはＵ字型通路を有する回収
槽４を構成している。機体１の前面上部には、扉５によ
って開閉される乾燥室３の衣類出入口が設けてある。

また、機体１の上部には、当該乾燥機を操作し、制御す
るための操作体や制御回路を配設している。乾燥室３
は、その後寄りの出口６を回収槽４の後端に接続し、前
寄りの入口７を槽前端に接続している。

回収槽４内の出口６側には上下にリントフィルター17、
目の細かい保護フィルター18、クーラー９が順に配設さ
れており、回収槽４の内底部は凝縮溶剤の収容室に形成
してある。そして、回収槽４内の入口７側にはファン10
が配設されて、入口７近傍にヒータ11が配設してある。

回転ドラム２は、中央外周部をシール兼摺動部材12によ
って支持され、この摺動部材12は乾燥室３内を前後に区
画しているのである。

機体１の前面下部にはファン10の吸込側に連通する吸気
口13が設けてあり、ここを吸気弁14が開閉する。回収槽
４内のクーラー９の上流側には上記保護フィルター18を
付設した連通口15が設けてあり、ここを連通弁16が吸気
弁14とは逆の作動で開閉する。

また、吸気弁14は、吸気口13に対して45度と20度に開度
を調節でき（この時の吸気弁14は本発明の第２弁に相当
する）、連通弁16は、連通口15に対して30度と90度に開
度を調節できる（この時の連通弁16は本発明の第１弁に
相当する）。

外部への排気ダクト19は、両フィルター17、18間の横向
き排気口20に連結してある。

回転ドラム２は、後端にモータ駆動による回転軸21を連
結しており、低速で回転或いは反転される。

かくして、この乾燥機は、吸気弁14を閉成して連通弁16
を90度或いは30度に開放して低温乾燥運転を行った後、
吸気弁14を45度或いは20度に開放して連通弁16を閉成し
て高温乾燥運転を行う。

低温乾燥運転では、回転ドラム２で溶剤を蒸発させた乾
燥風は出口６−フィルター17−保護フィルター18−連通
口15−クーラー９−ファン10−ヒータ11−入口７−回転
ドラム２と循環し、フィルター17によってリントを除去
されると共に目の細かい保護フィルター18によってほこ
りを除去され、クーラー９によって溶剤分を除去され
る。乾燥風の温度は、サーモ等によってヒータ11を調節
することにより、引火点温度以下に保持されている。こ
の運転中には、ファン10の吸込側が低圧であるので、循
環中の乾燥風が排気口20や乾燥室３の扉５から漏出する
ことはほとんど無い。

溶剤回収が略終了した頃に高温乾燥運転となり、吸気口
13から外気が導入され、連通口15が閉成され、ヒータ11
が高温で吸入外気を加熱する。乾燥風（加熱外気）は、
入口７から乾燥室３内で、回転ドラム２に入り、また出
て出口６からフィルター17に至り、そこから排気口20及
び排気ダクト19を介して排出される。

この時、フィルター17は目が粗いので、その上流側であ
る乾燥室３での圧力上昇がほとんど無く、乾燥風を円滑
に排出させる。

因みに、低温乾燥運転で、回転ドラム２を0.81Gで回転
し、連通弁16をストッパ21で90度に全開した場合、連通
口15は100mm×400mmの開口面積であり、風量は約16m³/
分である。軽量衣類の時には、これではドラムへの付着
が生じるので、連通弁16をストッパー22で30度にし、風
量を約13m³/分に減少させ、付着を抑制する。

高温乾燥運転では、吸気弁14は開口寸法80mm×200mmの
吸気口13をストッパー23で45度に開き、このときに風量
が約16m³/分となる。軽量衣類の場合は、吸気弁14をス
トッパー24で20度にし、風量を約13m³/分に減少させ
て、衣類のドラムの付着を抑制する。

各弁14、16の開度調節は、自動或いは手動ででき、スト
ッパー21〜24の位置（開度）は、周辺の構成と整合させ
て適量の風量とする。

（ト）発明の効果 本発明によれば、溶剤洗浄された軽量衣類を回転ドラム
に収容して乾燥する場合、乾燥風を乾燥室と回収槽との
間で循環させて行う乾燥運転、例えば低温乾燥運転、及
び外気を乾燥風として乾燥室へ導入するとともに乾燥室
内の空気を機外へ排出させて行う乾燥運転、例えば高温
乾燥運転のいずれにおいても、風量を通常より少なくし
たものであり、従って、衣類がドラムへ付着して衣類に
しわが付いたり埃が付いたりするのを極力防止でき、極
めて仕上がりの良い衣類乾燥機を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図は本発明による衣類乾燥機の側断面図である。 ２……回転ドラム、３……乾燥室、４……回収槽、５…
…扉、６……出口、７……入口、９……クーラー、10…
…ファン、11……ヒータ、13……吸気口、14……吸気
弁、15……連通口、16……連通弁、17……フィルター、
18……保護フィルター、20……排気口。

フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭59−190192（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭56−9359（ＪＰ，Ｂ２) 実公 昭63−14791（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】開閉扉が装着された乾燥室と、この乾燥室
   内に配置され、溶剤洗浄された衣類を収容した状態で回
   転する、周壁に多数の孔を有する回転ドラムと、上記乾
   燥室に設けられた乾燥風の入口及び出口と、これら入口
   及び出口に両端が接続され、且つ上記出口側から順にリ
   ントフィルター装置、クーラ及びヒータを内蔵するとと
   もにファンを内蔵する、溶剤を回収するための回収槽
   と、この回収槽内に設けられ、乾燥風を上記乾燥室と回
   収槽との間で循環させて軽量衣類を乾燥する場合、乾燥
   風を減少させて循環させるべく乾燥風路を絞る第１弁
   と、上記回収槽に設けられ、外気を上記乾燥室内へ導入
   させるとともに乾燥室内の空気を機外へ排出させて軽量
   衣類を乾燥する場合、外気を減少させて導入させるべく
   導入風路を絞る第２弁とを備えた衣類乾燥機。