JP2000107290A - 注射器 - Google Patents

注射器

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JP2000107290A
JP2000107290A JP10282692A JP28269298A JP2000107290A JP 2000107290 A JP2000107290 A JP 2000107290A JP 10282692 A JP10282692 A JP 10282692A JP 28269298 A JP28269298 A JP 28269298A JP 2000107290 A JP2000107290 A JP 2000107290A
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syringe
lip
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Hirokazu Suzuki
博和 鈴木
Tetsuo Tokawa
哲郎 東川
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IGAKU JOHO SERVICE KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人体に対する悪影響を少なくすると共にシリ
ンジとガスケットとの間の気密・水密性を維持しつつ摺
動抵抗をより小さくした注射器を提供する。 【解決手段】 シリンジ1と、プランジャー2と、該プ
ランジャー2の先端部2cに装着して該シリンジ1の内
壁面1aに密着させつつ摺動させる短円柱状の弾性材料
よりなるガスケット3と、を有する注射器10におい
て、該ガスケット3の内部にその長手方向に円柱状の中
空部3bを設け、この円柱状の中空部3bに長手方向の
間隙3b1 ,3b2 及び/又は円周方向の間隙3b4
残すように該円柱状の中空部3bより小さいプランジャ
ー2の円柱状の先端部2cを挿入して該円柱状の先端部
2cで該ガスケット3を保持すると共に、該円柱状の中
空部3bの両端X,Yより軸の中点側寄となる部分に対
応する該ガスケット3の本体部3aの外周面にリップ3
1 ,3d2 ,3d3 を円周方向に突出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摺動性を改良した
注射器、さらに、詳しくは、ガスケットとシリンジとの
間の摩擦を軽減させた注射器に関する。
【0002】
【従来の技術】注射器は、シリンジと、プランジャー
と、該プランジャーの先端に装着して該シリンジの内壁
面に密着させつつ摺動させるガスケットと、により構成
されている。かかる注射器におけるシリンジ及びプラン
ジャーの材料としては、これまで、ガラスが用いられて
きたが、最近では、焼却処分の可能なポリプロピレン、
ポリ(4−メチルペンテン−1)等の硬質の樹脂が用い
られ、また、ガスケットとしては、ブチルゴム、天然ゴ
ム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の高
弾性材が用いられている。
【0003】図7は、従来の注射器において用いられて
いる標準的なガスケットの側面図であり、そして、図8
は、そのB−B線断面図である。図9は、従来の注射器
において用いられている他のガスケットの断面図であ
る。
【0004】従来の標準的なガスケットは、シリンジと
の間に摩擦を保持すると共にシリンジ側からプランジャ
ー側への注射液の漏れを防止するために、その本体部の
外周面に連続して円周方向に突出した少なくとも2条の
環状リップを有している。これらの環状リップは、図
7,8に示されるガスケット20では、3条設けられ、
図8に示されるガスケット30では、2条設けられてい
るが、ガスケット30の傾きを防止するために、少なく
ともガスケットの両端に1条づつ設けられ、さらに、3
条以上の場合には、両端の環状リップの間に等間隔にな
るように何条か設けられている。即ち、図7,8に示さ
れるガスケット20では、その両端に環状リップ23d
1 ,23d2 が設けられ、それらの間に等間隔になるよ
うにガスケットの中点に環状リップ23d3 が設けられ
ている。図9に示されるガスケット30では、その両端
に環状リップ33d1 ,33d2 が設けられている。図
7,8に示されるガスケット20では、その内部に設け
られた中空部23b(図8)にプランジャーの先端部
(図示せず)が螺合されて固定され、また、図9に示さ
れるガスケット30では、その内部に設けられた中空部
33bにプランジャーの先端部(図示せず)が圧入され
て固定されている。図8に示される23aは、ガスケッ
ト20の本体部であり、そして、図9に示される33a
及び33bは、それぞれ、ガスケット30の本体部及び
中空孔である。
【0005】前記従来例では、ガスケットの本体部の外
周面に連続して円周方向に突出した少なくとも2条の環
状リップを有する標準的なガスケットについて説明した
が、本発明者は、ガスケットの本体部の外周面に形成さ
れるリップを十分な密着性をを保ちながらより摩擦係数
の小さい形状のものとするために、(1) ガスケットのリ
ップとして少なくとも2条の略波形の傾斜状リップをガ
スケットの本体部の外周面に連続して円周方向に突出さ
せること、(2) ガスケットのリップとして少なくとも1
条の環状リップをガスケットの本体部の外周面に連続し
て円周方向に突出させると共に少なくとも1条の略波形
の傾斜状リップを該ガスケットの本体部の外周面に連続
して円周方向に突出させること、(3) ガスケットのリッ
プとして少なくとも1条の環状リップをガスケットの本
体部の外周面に連続して円周方向に突出させると共に少
なくとも1条の略逆ハの字状傾斜状リップを該ガスケッ
トの本体部の外周面に連続して円周方向に突出させるこ
と、(4) ガスケットのリップとして少なくとも1条の環
状リップをガスケットの本体部の外周面に連続して円周
方向に突出させると共に少なくとも1条の軸線方向に複
数配設した略波形の傾斜状リップを該ガスケットの本体
部の外周面に連続して円周方向に突出させること、(5)
ガスケットのリップとしてなまこ壁状に交差した複数本
の傾斜状リップをガスケットの本体部の外周面に連続し
て円周方向に突出さること、等の技術を提案した(PC
T/JP95/02728)。
【0006】このようなリップを有するガスケットは、
プランジャーの先端に固定されてシリンジに強く押し込
まれ、シリンジの内周面に密着される。しかしながら、
一般に用いられているブチルゴム、天然ゴム、イソプレ
ンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の高弾性材で形成
されたガスケットは、静摩擦係数及び動摩擦係数が大き
く、摺動性が悪いので、ガスケット及び/又はシリンジ
の内周面にシリコンオイル等の潤滑材が塗布され、ガス
ケットの摩擦が適度なものになるように調整されてい
る。しかるに、このような潤滑材が、使用中に微少粒状
に分散して、注射液に混入したり、また、注射液の成分
と化学反応したりして、人体に対して悪影響を及ぼすこ
とが指摘されるようになった。
【0007】そこで、このような不都合を解決するため
に、注射器を構成する材料としてより摩擦係数の小さい
ものを選択することに着目して、環状ポリオレフィン
(環状オレフィンとαオレフィンとの共重合体)でシリ
ンジを形成すること、シリンジの内周面やガスケット
の本体部の外周面にフッ素系樹脂層を形成すること、
ガスケットの本体部の外周面に含フッ素重合体セグメン
ト及びオルガノポリシロキサンセグメントを有するグラ
フト共重合体の加硫膜を被覆すること、オレフィン系
熱可塑性エラストマーを射出成形してガスケットとする
こと、水添ブロック共重合体を含むエラストマーを射
出成形してガスケットとすること、等の技術が提案され
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の技術によれば、環状ポリオレフィンにより形成された
シリンジは、摺動性が充分ではなく、その上、熱に弱
く、割れやすい、という問題があった。上記,の技
術によれば、シリンジの内周面とガスケットの本体部の
外周面との間に癒着が生じやすく、そのために、シリン
ジとガスケットとの間の摺動抵抗が増加し、しかも、そ
の癒着した部分にひびが発生するという問題があった。
上記,の技術によれば、それらのガスケットの摺動
性が十分ではなく、その上、例えば、121℃で20分
間というような高温下では、ガスケットの圧縮永久歪が
悪化するという問題があった。
【0009】本発明は、かかる問題を解決することを目
的としている。即ち、本発明は、人体に対する悪影響を
少なくすると共にシリンジとガスケットとの間の気密・
水密性を維持しつつ摺動抵抗をより小さくした注射器を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】従来、注射器におけるガ
スケットは、使用時(摺動時)においては、その形状
(外径寸法)が一定のものとして考えられてきたが、本
発明者は、ガスケットの材質がゴム弾性を有する弾性体
であるので、その動作中の形状が、一定とは限らず、ま
た、気密・水密性を保つ限り一定でなければならない理
由はないと考えて、シリンジと、プランジャーと、該プ
ランジャーの先端部に装着して該シリンジの内壁面に密
着させつつ摺動させる短円柱状の弾性材料よりなるガス
ケットと、を有する注射器において、該ガスケットの内
部にその長手方向に円柱状の中空部を設け、この円柱状
の中空部にその長手方向に間隙を残すように該円柱状の
中空部より小さいプランジャーの円柱状の先端部を挿入
して該円柱状の先端部で該ガスケットを保持するすると
共に、該円柱状の中空部の両端より軸の中点側寄となる
部分に対応する該ガスケットの本体部の外周面にリップ
を円周方向に突出させたたところ、ガスケットの一部で
ある一端近傍が外力として引っ張り力(F)をプランジ
ャーの先端部を経由して受けると、ガスケットの一部で
ある一端近傍の直径が減少すると共にリップのシリンジ
内面への圧力も減少し、このような外力を暫時増加させ
ていくと、ガスケットの直径の減少部位はその他端へと
拡大してゆき、そのために、シリンジ内面とリップとの
間の摩擦力が減少してゆくが、ガスケットの直径の減少
は、全長にわたって同時に生じるわけではないために、
シリンジ内面と環状リップとの間の気密・水密性は維持
され、このまま、さらに、引っ張り力(F)増加させて
ゆくと、シリンジ内面と環状リップとの間の摩擦力
(R)との間にF=Rが成り立つ点を堺として、ガスケ
ットは、引っ張り力(F)の方向へ滑り始めることを見
出して、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本第1発明は、上記目的を達成する
ために、シリンジと、プランジャーと、該プランジャー
の先端部に装着して該シリンジの内壁面に密着させつつ
摺動させる短円柱状の弾性材料よりなるガスケットと、
を有する注射器において、該ガスケットの内部にその長
手方向に円柱状の中空部を設け、この円柱状の中空部に
その長手方向の間隙及び/又は円周方向の間隙を残すよ
うに該円柱状の中空部より小さいプランジャーの円柱状
の先端部を挿入して該円柱状の先端部で該ガスケットを
保持すると共に、該円柱状の中空部の両端より軸の中点
側寄となる部分に対応する該ガスケットの本体部の外周
面にリップを円周方向に突出させたことを特徴とする注
射器である。
【0012】本第2発明は、第1発明において、ガスケ
ットのリップとして少なくとも2条の環状リップをガス
ケットの本体部の外周面に連続して円周方向に突出させ
たことを特徴とするものである。
【0013】本第3発明は、第1発明において、ガスケ
ットのリップとして少なくとも2条の略波形の傾斜状リ
ップをガスケットの本体部の外周面に連続して円周方向
に突出させたことを特徴とするものである。
【0014】本第4発明は、第1発明において、ガスケ
ットのリップとして少なくとも1条の環状リップをガス
ケットの本体部の外周面に連続して円周方向に突出させ
ると共に少なくとも1条の略波形の傾斜状リップを該ガ
スケットの本体部の外周面に連続して円周方向に突出さ
せたことを特徴とするものである。
【0015】本第5発明は、第1発明において、ガスケ
ットのリップとして少なくとも1条の環状リップをガス
ケットの本体部の外周面に連続して円周方向に突出させ
ると共に多数の略逆ハの字状傾斜状リップを連続して円
周方向に突出させたことを特徴とするものである。
【0016】本第6発明は、第1発明において、ガスケ
ットのリップとして少なくとも1条の環状リップをガス
ケットの本体部の外周面に連続して円周方向に突出させ
ると共に軸線方向に配設した多数条の略波形の傾斜状リ
ップを該ガスケットの本体部の外周面に連続して円周方
向に突出させたことを特徴とするものである。
【0017】本第7発明は、第1発明において、ガスケ
ットのリップとしてなまこ壁状に交差した複数本の傾斜
状リップをガスケットの本体部の外周面に連続して円周
方向に突出させたことを特徴とするものである。
【0018】本第8発明は、第1〜7発明の何れか1つ
の発明において、ガスケットがポリテトラフルオロエチ
レンを化学結合させたゴムで形成されていることを特徴
とするものである。
【0019】本第9発明は、第1〜8発明の何れか1つ
の発明において、シリンジがガラス又は合成樹脂で形成
されていることを特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本実
施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施の形態を
示す注射器の一部破断側面図である。図2は、ガスケッ
トの側面図である。図3は、図2のA−A線断面図であ
る。図4は、有限要素法による変形前のガスケットの解
析結果を示す縦断面説明図である。図5は、有限要素法
による変形後のガスケットの解析結果を示す縦断面説明
図である。図6(a)〜(e)は、環状リップ以外に適
用可能なガスケットのリップの形状の説明図である。
【0021】図1に示される注射器10は、シリンジ1
と、プランジャー2と、該プランジャー2の先端に装着
して該シリンジ1の内壁面1aに密着させつつ摺動させ
る短円柱状の弾性材料よりなるガスケット3とを有して
いる。前記プランジャー2は、本体部2a、接合部2b
及び先端部2cで構成されている。
【0022】シリンジ1の材料としては、成形性が良好
であること、透明性が高いこと、摺動性が良好であるこ
と、焼却処分が可能であること、等の要件を満たす硬質
の合成樹脂であればいかなる合成樹脂も用いることがで
きるが、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレ
ン、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネー
ト、ポリメチルメタアクリレート、アクリロニトリル/
スチレン共重合体、ポリスチレン等の樹脂が好適に用い
られる。そして、シリンジ1の材料としては、特に、耐
熱性を要する場合には、ガラスであってもかまわない。
【0023】プランジャー2の材料としては、例えば、
高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)等の硬
質の合成樹脂が用いられる。これらの合成樹脂は、シリ
ンジ1の材料と同様に、焼却処分が可能なものである。
【0024】ガスケット3の材料としては、例えば、ブ
チルゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴ
ム、フッ素ゴム、スチレンーブタジエンゴム、エチレン
−プロピレンゴム、及び、ブタジエン−アクルロニトリ
ルゴムから選ばれる少なくとも1種のゴムを加硫した弾
性体、或いは、スチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
ク系エラストマー、SEBS系エラストマー、EP系エ
ラストマー、ポリエスレル系エラストマー、及び、ポリ
ウレタン系エラストマーから選ばれる少なくとも1種の
熱可塑性エラストマーからなる弾性体が用いられる。ま
た、ガスケット3の材料としては、本発明者が提案した
ポリテトラフルオロエチレンを化学結合させたゴムから
なる弾性体(PCT/JP97/03193)が用いら
れる。
【0025】図3に示すように、ガスケット3の内部に
はその長手方向に円柱状の中空部3bが設けてある。図
1及び図5に示すように、このような円柱状の中空部
(図示せず)にその長手方向の間隙3b1 ,3b2 [又
は、間隙3b3 (=3b1 +3b2 )]、及び、円周方
向の間隙3b4 を残すように該円柱状の中空部3bより
小さい大きさの円柱状の先端部2cをガスケット3の中
空孔3cを介して挿入して該円柱状の先端部2cで該ガ
スケット3を保持する。このような間隙は、長手方向に
間隙3b1 及び3b2 [又は、間隔3b3 (=3b1+3
2 )]、或いは、円周方向の間隙3b4 を残すだけの
ものであってもかまわない。そして、該ガスケット3の
本体部3aの外周面には、該円柱状の中空部3bの両端
X,Yより軸の中点側寄りとなる部分にリップ3dとし
て環状リップ3d1 ,3d3 ,3d 2 を円周方向に突出
させる。
【0026】図4及び図5は、それぞれ、有限要素法に
よる変形前のガスケット及び変形後のガスケットの解析
結果を示す縦断面説明図であるが、かかる有限要素法
は、鷲津久一郎、外4名 編、「有限要素法ハンドブッ
ク II 応用編」、株式会社倍風館 発行、第128
〜169頁に記載されている。図4は、図1に示される
注射器の変形前のガスケットを示すものであるが、この
注射器は、前記したような従来の注射器にない構造を有
しているために、図5に示すように、ガスケット3の一
部である一端近傍(T)が外力として引っ張り力(F)
をプランジャーの先端部2cを経由して受けると、ガス
ケット3の一部である一端近傍(T)の直径が減少する
と共に環状リップ3d1 ,3d3 のシリンジ内面への圧
力も減少し、このような外力を暫時増加させていくと、
ガスケット3の直径の減少部位はその他端へと拡大して
ゆき、そのために、シリンジ内面と環状リップ3d1
3d3 ,3d2 との間の摩擦力が減少してゆくが、ガス
ケット3の直径の減少は、全長にわたって同時に生じる
わけではないために、シリンジ内面と環状リップ3
1 ,3d3 ,3d2 との間の気密・水密性は維持さ
れ、このまま、さらに、引っ張り力(F)を増加させて
ゆくと、シリンジ内面と環状リップ3d1 ,3d3,3
2 との間の摩擦力(R)との間にF=Rが成り立つ点
を界として、ガスケット3は、引っ張り力(F)の方向
へ滑り始める。
【0027】また、図1に示される注射器10によれ
ば、そのガスケット3における環状リップ3d1 ,3d
2 が左右対称位置に設けられ、さらに、環状リップ3d
3 がそれらの間に等間隔になるようにガスケットの中点
に設けられているので、ガスケット3の傾きが防止され
る。
【0028】本実施の形態においては、ガスケット3の
ガスケットのリップ3dとして少なくとも2条の環状リ
ップ3d1 ,3d3 ,3d2 を有するもの(図2,3)
が適用できることを説明したが、図6(a)〜(e)に
示すように、ガスケットのリップ3dとして少なくとも
2条の略波形の傾斜状リップ3e1 、3e2 をガスケッ
トの本体部の外周面に連続して円周方向に突出させたも
の(a)、ガスケットのリップ3dとして少なくとも1
条の環状リップ3d1 をガスケットの本体部の外周面に
連続して円周方向に突出させると共に少なくとも1条の
略波形の傾斜状リップ3e1 を該ガスケットの本体部の
外周面に連続して円周方向に突出させたもの(b)、ガ
スケットのリップ3dとして少なくとも1条の環状リッ
プ3d1をガスケットの本体部の外周面に連続して円周
方向に突出させると共に多数の略逆ハの字状傾斜状リッ
プ3fを連続して円周方向に突出させたもの(c)、ガ
スケットのリップ3dとして少なくとも1条の環状リッ
プ3d1 をガスケットの本体部の外周面に連続して円周
方向に突出させると共に軸線方向に配設した多数条の略
波形の傾斜状リップ3gを該ガスケットの本体部の外周
面に連続して円周方向に突出させたもの(d)、及び、
ガスケットのリップ3dとしてなまこ壁状に交差した複
数本の傾斜状リップ3hをガスケットの本体部の外周面
に連続して円周方向に突出させたもの(e)も同様に適
用できる。
【0029】図1〜3に示される環状リップ3d1 ,3
3 ,3d2 、図6(a)に示される略波形の傾斜状リ
ップ3e1 、3e2 、図6(b)に示される環状リップ
3d 1 及び略波形の傾斜状リップ3e1 、並びに、なま
こ壁状に交差した複数本の傾斜状リップ3hを有するガ
スケット3は、その円周上に連続したリップを有するも
のであるので、どちら側のリップを注射液又は体液に接
するようにシリンジ1内に配置してもかまわないが、図
6(c)に示される環状リップ3d1 及び略逆ハの字状
傾斜状リップ3f、並びに、図6(d)に示される環状
リップ3d1 及び軸線方向に配設した多数条の略波形の
傾斜状リップ3gを有するガスケット3は、環状リップ
3d1 を注射液又は体液に接するようにシリンジ1内に
配置する。
【0030】本実施の形態においては、通常の注射器に
ついて説明したが、かかる注射器は、例えば、注射液の
体内への注入、及び、体液の採取に用いることができ、
さらには、中間摺動弁を併用してシリンジ内に予め製剤
を充填したキット式注射器とすることによって注射液を
体内に注入することもできる。本発明の注射器は、通常
の使用では、シリコン等の潤滑剤を用いなくても気密・
水密性を維持しつつ摺動性を十分に保持できるものであ
るが、特別に、摺動性を上げたい場合には、シリコン等
の潤滑剤を併用してもかまわない。
【0031】以上、本発明によれば、次のような利点が
ある。 (1) 本発明の注射器は、シリンジと、プランジャーと、
該プランジャーの先端部に装着して該シリンジの内壁面
に密着させつつ摺動させる短円柱状の弾性材料よりなる
ガスケットと、を有する注射器において、該ガスケット
の内部にその長手方向に円柱状の中空部を設け、この円
柱状の中空部に長手方向の間隙及び/又は円周方向の間
隙を残すように該円柱状の中空部より小さいプランジャ
ーの円柱状の先端部を挿入して該円柱状の先端部で該ガ
スケットを保持すると共に、該円柱状の中空部の両端よ
り軸の中点側寄となる部分に対応する該ガスケットの本
体部の外周面にリップを円周方向に突出させたので、ガ
スケットの一部である一端近傍が外力として引っ張り力
(F)をプランジャーの先端部を経由して受けると、ガ
スケットの一部である一端近傍の直径が減少すると共に
リップのシリンジ内面への圧力も減少し、このような外
力を暫時増加させていくと、ガスケットの直径の減少部
位はその他端へと拡大してゆき、そのために、シリンジ
内面とリップとの間の摩擦力が減少してゆくが、ガスケ
ットの直径の減少は、全長にわたって同時に生じるわけ
ではないために、シリンジ内面と環状リップとの間の気
密・水密性は維持され、このまま、さらに、引っ張り力
(F)を増加させてゆくと、シリンジ内面と環状リップ
との間の摩擦力(R)との間にF=Rが成り立つ点を界
として、ガスケットは、引っ張り力(F)の方向へ滑り
始める。このように、本発明の注射器は、シリコン等の
潤滑剤を用いないので、人体に対する悪影響が少なくな
り、また、気密・水密性を維持しつつシリンジとガスケ
ットとの間の摺動抵抗がより小さくなる。
【0032】(2) 本発明の注射器は、ガスケットのリッ
プとして、少なくとも2条の環状リップをガスケットの
本体部の外周面に連続して円周方向に突出させたもの、
少なくとも2条の略波形の傾斜状リップをガスケットの
本体部の外周面に連続して円周方向に突出させたもの、
少なくとも1条の環状リップをガスケットの本体部の外
周面に連続して円周方向に突出させると共に少なくとも
1条の略波形の傾斜状リップを該ガスケットの本体部の
外周面に連続して円周方向に突出させたもの、少なくと
も1条の環状リップをガスケットの本体部の外周面に連
続して円周方向に突出させると共に多数の略逆ハの字状
傾斜状リップを連続して円周方向に突出させたもの、少
なくとも1条の環状リップをガスケットの本体部の外周
面に連続して円周方向に突出させると共に軸線方向に配
設した多数条の略波形の傾斜状リップを該ガスケットの
本体部の外周面に連続して円周方向に突出させたもの、
又は、なまこ壁状に交差した複数本の傾斜状リップをガ
スケットの本体部の外周面に連続して円周方向に突出さ
せたものを適用しているので、ガスケットの傾斜を防止
し、気密・水密性を維持しつつ、シリンジとガスケット
との間の摺動抵抗を小さくすることができる。
【0033】
【発明の効果】人体に対する悪影響を少なくすると共に
シリンジとガスケットとの間の気密・水密性を維持しつ
つ摺動抵抗をより小さくした注射器を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す注射器の一部破断
側面図である。
【図2】ガスケットの側面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】有限要素法による変形前のガスケットの解析結
果を示す縦断面説明図である。
【図5】有限要素法による変形後のガスケットの解析結
果を示す縦断面説明図である。
【図6】環状リップ以外に適用可能なガスケットのリッ
プの形状の説明図である。
【図7】従来の注射器において用いられている標準的な
ガスケットの側面図である。
【図8】図7のB−B線断面図である。
【図9】従来の注射器において用いられている他のガス
ケットの断面図である。
【符号の説明】
1 シリンジ 1a シリンジ内壁面 2 プランジャー 2a 本体部 2b 接合部 2c 先端部 3 ガスケット 3a 本体部 3b 中空部 X,Y 中空部の先端 3b1 ,3b2,3b3 (3b1 +3b2 )、3b4
間隙 3c 中空孔 3d リップ 3d1 ,3d2 ,3d3 環状リップ 3e1 ,3e2 略波型の傾斜リップ 3f 略ハの字状傾斜リップ 3g 軸線方向に配設した多数条の略波型の傾斜リップ 3h なまこ壁状に交差した複数本の傾斜リップ 10 注射器

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンジと、プランジャーと、該プラン
    ジャーの先端部に装着して該シリンジの内壁面に密着さ
    せつつ摺動させる短円柱状の弾性材料よりなるガスケッ
    トと、を有する注射器において、該ガスケットの内部に
    その長手方向に円柱状の中空部を設け、この円柱状の中
    空部に長手方向の間隙及び/又は円周方向の間隙を残す
    ように該円柱状の中空部より小さい大きさとしたプラン
    ジャーの円柱状の先端部を挿入して該円柱状の先端部で
    該ガスケットを保持すると共に、該円柱状の中空部の両
    端より軸の中点側寄りとなる部分に対応する該ガスケッ
    トの本体部の外周面にリップを円周方向に突出させたこ
    とを特徴とする注射器。
  2. 【請求項2】 ガスケットのリップとして少なくとも2
    条の環状リップをガスケットの本体部の外周面に連続し
    て円周方向に突出させたことを特徴とする請求項1記載
    の注射器。
  3. 【請求項3】 ガスケットのリップとして少なくとも2
    条の略波形の傾斜状リップをガスケットの本体部の外周
    面に連続して円周方向に突出させたことを特徴とする請
    求項1又2記載の注射器。
  4. 【請求項4】 ガスケットのリップとして少なくとも1
    条の環状リップをガスケットの本体部の外周面に連続し
    て円周方向に突出させると共に少なくとも1条の略波形
    の傾斜状リップを該ガスケットの本体部の外周面に連続
    して円周方向に突出させたことを特徴とする請求項1記
    載の注射器。
  5. 【請求項5】 ガスケットのリップとして少なくとも1
    条の環状リップをガスケットの本体部の外周面に連続し
    て円周方向に突出させると共に多数の略逆ハの字状傾斜
    状リップを連続して円周方向に突出させたことを特徴と
    する請求項1記載の注射器。
  6. 【請求項6】 ガスケットのリップとして少なくとも1
    条の環状リップをガスケットの本体部の外周面に連続し
    て円周方向に突出させると共に軸線方向に配設した多数
    条の略波形の傾斜状リップを該ガスケットの本体部の外
    周面に連続して円周方向に突出させたことを特徴とする
    請求項1記載の注射器。
  7. 【請求項7】 ガスケットのリップとしてなまこ壁状に
    交差した複数本の傾斜状リップをガスケットの本体部の
    外周面に連続して円周方向に突出させたことを特徴とす
    る請求項1記載の注射器。
  8. 【請求項8】 ガスケットがポリテトラフルオロエチレ
    ンを化学結合させたゴムで形成されていることを特徴と
    する請求項1ないし7の何れか1つに記載の注射器。
  9. 【請求項9】 シリンジがガラス又は合成樹脂で形成さ
    れていることを特徴とする請求項1ないし8の何れか1
    つに記載の注射器。
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