JP2000106846A - 食用内臓物等の軟化処理方法 - Google Patents

食用内臓物等の軟化処理方法

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JP2000106846A
JP2000106846A JP10282381A JP28238198A JP2000106846A JP 2000106846 A JP2000106846 A JP 2000106846A JP 10282381 A JP10282381 A JP 10282381A JP 28238198 A JP28238198 A JP 28238198A JP 2000106846 A JP2000106846 A JP 2000106846A
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softening
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salt
organic acid
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Masaaki Fushimi
雅明 伏見
Masaaki Taniguchi
正明 谷口
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Musashino Chemical Laboratory Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟化度に優れ、かつ容易に軟化することがで
きる食用内臓物等の軟化処理方法を提供する。 【解決手段】 食用内臓物を有機酸またはその塩を含有
するpH1〜5の溶液で処理した後加熱調理することを
特徴とする軟化処理方法である。前記処理が、有機酸ま
たはその塩含有溶液への食用内臓物の浸漬処理であるこ
とを特徴とし、前記加熱処理として茹でることが好まし
い。本発明は、軟化度に優れると共に、白く仕上がり、
かつ臭いが少ない食用内臓物が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は食用内臓物等の軟化
処理方法に関し、より詳細には、加熱前に特定の有機酸
等含有溶液で処理することを特徴とする、においや内臓
物からの蛋白質等の溶出が少なく、かつ容易に軟化する
ことができる食用内臓物等の軟化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】牛、豚などの畜肉、鶏、カモなどの鳥肉
等の硬度は味覚に大きな影響を与え、、これらの焼く、
炒める、揚げるなどの調理方法に拘らず、食用に対する
適度な柔らかさを有することが求められる。特に肉片は
加熱調理で固く締まる性質があるため、あらかじめプロ
テアーゼ等の酵素類で筋肉組織を軟化させる方法や、炭
酸塩と有機酸とを共存させ、水溶液の形で食肉や魚介類
の内部に浸透させ、加熱調理時に内部で炭酸ガスを発生
させて該ガスの圧力により肉組織を膨張させ当該組織構
造に変化を与えることにより軟化をもたらす方法等が利
用されている。
【0003】これら畜肉に対し、畜肉の内臓物は一般に
「もつ」と呼ばれ、優れたタンパク質源であると共に
鉄、ビタミンB源となる。また、横紋筋からなる食肉と
は異なる組織構成を有するため、特有の食感、味覚を有
する。これら食用内臓物は、肉類小売店やスーパーマー
ケットなどにおいて、予め加熱処理した商品が市販され
ることが多い。食用内臓物は一般に酵素を多く含み腐敗
しやすく特有の臭気を有するためであり、従来から、食
用に適する軟度を奏する程度まで茹でる軟化処理が施さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】食肉の軟化処理のため
に使用される酵素類の至適温度は、一般に35℃以上で
あるが、食品衛生上の観点から調理直前まで低温域(2
0℃以下)に置くことが望ましく、また加熱調理前の温
度は通常室温以下である。従って、例えば食用内臓物等
にプロテアーゼ等の軟化酵素類を作用させても、低温域
では十分に働くことができず、必要とする軟化度を得る
ことは困難である。
【0005】また、食用内臓物は主として結合組織から
なるため、炭酸塩と有機酸とから生ずる炭酸ガスを発生
させる方法では、これらが十分に結合組織内に含浸され
ず、また、発生する炭酸ガスでは十分な軟化度を得るこ
とはできない。
【0006】即ち、食用内臓物を構成する結合組織は、
基本細胞と多量の細胞間物質とから成る組織の一種であ
って、エラスチンやコラーゲン、コンドロイチン硫酸等
を多く含んでいる。特に、動物の真皮、腱、軟骨などに
繊維状に存在するコラーゲンは、硬タンパク質の一つで
あり、ポリペプチド鎖3本が三重らせん構造を呈する強
固な構造である。また、コンドロイチン硫酸も軟骨を中
心に一般の動物の結合組織に分布するムコ多糖類の一種
であり、組織内ではタンパク質と結合し、コラーゲンと
共に細胞間マトリックスの主成分となっている。従っ
て、構成糖、蛋白等が異なるため、食肉に用いられる軟
化方法では食用内臓物や食用獣の腱、舌、尾、鼻、足先
等を十分に軟化することは容易ではない。
【0007】また、食用内臓物は酵素類を多量に含むた
め、特に軟化後に臭気が残存したり、着色していると商
品価値が低下する。単に茹でるだけでは臭気を防止し、
白色化させることは一般に困難である。軟化後に漂白剤
で脱色する方法も考えられるが安全性の点で問題があ
り、漂白剤を使用せずに白く仕上げる方法が望まれる。
【0008】更に、食用内臓物等を茹でる軟化処理にお
いては、多量のタンパク質が組織から流出する。この流
出タンパク質は工業廃水となり環境汚染の一因となるた
め、特別の廃水処理工程が必要となる。このためタンパ
ク質の組織からの流出を少なくできる軟化処理方法が望
まれる。また、容易に軟化し、白く仕上がり、かつ臭い
の少ない食用内臓物の軟化処理方法が望まれる。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、下記(1)
〜(6)により達成される。
【0010】(1) 食用内臓物を有機酸またはその塩
を含有するpH1〜5の溶液で処理した後加熱調理する
ことを特徴とする軟化処理方法。
【0011】(2) 食用獣の腱、舌、尾、鼻、手、足
および耳から選ばれる1種以上の部位を有機酸またはそ
の塩を含有するpH1〜5の溶液で処理した後加熱調理
することを特徴とする軟化処理方法。
【0012】(3) 前記処理が、有機酸またはその塩
含有溶液への食用内臓物の浸漬処理であることを特徴と
する前記(1)記載の軟化処理方法。
【0013】(4) 前記処理が、有機酸またはその塩
含有溶液への食用獣の腱、舌、尾、鼻、足先および耳か
ら選ばれる1種以上の部位の浸漬処理であることを特徴
とする前記(2)記載の軟化処理方法。
【0014】(5) 前記加熱処理として茹でることを
特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の軟化
処理方法。
【0015】(6) 前記有機酸またはその塩が、乳
酸、リンゴ酸、クエン酸、アジピン酸、グルコン酸、酢
酸またはこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上で
あることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに
記載の軟化処理方法。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の食用内臓物等の軟化処理
方法の対象となるのは、一般に「臓物」、「もつ」等と
称さているものであり、食用であれば食肉種としては、
豚肉、牛肉、鶏肉、ヒツジ肉、猪肉、馬肉、鹿肉など問
わない。内臓物としては、腸、直腸、胃袋、腎臓、心
臓、肝臓、砂肝、子宮、血管等が例示できる。更に、本
発明は、食用獣の腱、舌、尾、鼻、手、足および耳等の
直接内臓を構成しない組織であっても、コラーゲン、コ
ンドロイチン硫酸、エラスチン等を多く含み、食用とし
て軟化処理が困難な部位も含む。以下、本発明の説明に
おいて食用内臓肉について説明するが、その対象とし
て、食用獣の腱、舌、尾、鼻、足先および耳等の1種以
上の部位を対象とする場合も含むものとする。
【0018】本発明実施前の状態についても特に制限は
ない。本発明は、食用内臓物の軟化処理方法であるから
処理前の食用内臓物が変質、変色していなければ特に制
限はなく、処理前の状態が生であるか冷凍したものの解
凍物であるか冷蔵物であるか等の保存状態も問わない。
更に、他の方法で予め軟化させたが、軟化の程度が不十
分である食用内臓物等にも本発明を実施することができ
る。
【0019】本発明で使用する有機酸またはその塩とし
ては、食品に添加できる有機酸であることが必要であ
り、乳酸、クエン酸、イソクエン酸、コハク酸、フマル
酸、リンゴ酸、アジピン酸、グルコン酸、酢酸等の有機
カルボン酸、その他、グルコノデルタラクトン、酒石酸
等が例示できる。これらのなかでも、乳酸、クエン酸、
イソクエン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピ
ン酸、グルコン酸、酢酸等の有機カルボン酸が好まし
く、より好ましくは乳酸、リンゴ酸、クエン酸、アジピ
ン酸、グルコン酸、酢酸、特に好ましくは乳酸である。
また、有機酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム
塩、カルシウム塩等が例示される。本発明では有機酸の
塩としては、好ましくはナトリウム塩、カリウム塩であ
る。
【0020】有機酸またはその塩を溶解させる溶液とし
ては、食用に適するものであれば、水のほかに、エタノ
ールやこれを含有する清酒等を使用することができ、有
機酸またはその塩が溶解できるものであればこれらの1
種以上を併用してもよい。
【0021】有機酸またはその塩の濃度は処理方法によ
り、適宜選択することができる。例えば、食用内臓物を
有機酸またはその塩含有溶液に浸漬する場合には、pH
が1〜5となるようにこれら有機酸またはその塩を選択
すればよく、より好ましくはpH1〜4.5、特に好ま
しくはpH1〜4である。有機酸またはその塩は、上記
の中から1種を単独で使用するほか2種以上を併用して
もよい。従って、特定のpHとなるように特定の有機酸
とこれらの塩とを組み合わせて、緩衝液を調整して使用
してもよい。かかる場合問題となるのはpHであり、有
機酸とその塩との種類にかかわらず、上記範囲のpHを
得ることが必要である。この範囲であれば、優れた軟化
効果を奏するとともに白色で臭いも少ない軟化食用内臓
物が提供できるからである。
【0022】本発明で使用する有機酸またはその塩によ
り、食用内臓物が軟化される理由については定かではな
い。しかし食用内臓物の軟化度が使用する有機酸等のp
Hに依存することを考慮すると、これら有機酸等が食用
内臓物の主として結合組織に作用しその構造を軟化させ
るためと考えられる。この際、他の組織細胞の破壊は極
めて少ないと考えられる。理由の詳細は不明であるが、
有機酸等含有溶液で処理した後の食用内臓物を水煮した
場合に、水煮液中に溶出されるタンパク質量が当該処理
をしない場合に比較して極めて少ないからである。この
ため、本発明の軟化方法では、水煮処理廃液中のタンパ
ク質量が少なくなり、廃液処理が極めて容易になる。こ
のような食用内臓物の軟化処理における有機酸等の効果
は従来全く知られておらず、本発明は、かかる有機酸等
の作用により安全かつ容易に軟化処理を行うものであ
る。
【0023】本発明では、食用内臓物を有機酸またはそ
の塩含有溶液で処理する。処理方法としては、当該有機
酸またはその塩含有溶液に食用内臓物を浸漬させる方法
や、その表面に噴霧、刷毛で塗布する方法等がある。こ
れらにより内臓物表面全体に当該溶液が付与され、優れ
た軟化効果を奏するからである。本発明の方法において
は、有機酸またはその塩含有溶液に食肉を浸漬させるこ
とが好ましい。大量処理、均一な処理が可能であると共
に処理が容易だからである。
【0024】本発明で使用する有機酸またはその塩含有
溶液には、本発明の目的を逸脱しない範囲で、随時必要
に応じて各種の添加剤を配合することができる。例え
ば、アルギン酸塩、CMC等の合成糊料、保存料として
ソルビン酸カリウム、酸化防止剤としてアスコルビン
酸、重合燐酸塩等を使用することができる。また、食
塩、洋酒、香料、香辛料も配合することが可能である。
【0025】本発明の対象となる食用内臓物は、入手後
直ちに有機酸またはその塩含有溶液で処理することが好
ましい。変質等を防止するためである。同様の目的で、
処理対象となる食用内臓物は低温で保存されたもの、ま
たは冷凍保存されていたものであってもよい。いずれも
食用内臓物自体の変質が抑制されているからである。ま
た、軟化処理に用いる有機酸またはその塩含有溶液の液
温も低温であることが好ましく、1℃〜室温、より好ま
しくは2〜20℃、特には2〜10℃である殊が好まし
い。処理中の変質を抑制するためである。
【0026】食用内臓物の含浸時間は、30分以上であ
れば特に制限はない。特にいわゆるロース肉、ランプ肉
等の食肉と相違し、食用内臓物は、硬タンパク質を多量
に含有するため長持間の浸漬等によって食用内臓物が脱
水したり、組織が分解するおそれが少ないからである。
従って、一般には30分〜24時間であることが好まし
く、より好ましくは2〜15時間、特には3〜8時間で
ある。従って、前日に浸漬液につけ込み、翌日水煮処理
することも可能である。なお、対象となる食用内臓物
は、ブロック状でも予め細切したものでもよい。
【0027】本発明の軟化処理方法では、上記有機酸等
溶液で処理した食用内臓物を加熱処理する。加熱処理に
は、茹でる、蒸す、煮る、揚げる等の各種の方法がある
が、本発明においては、茹でることが好ましい。大量処
理が容易であり、しかも従来の単なる茹で処理と比較
し、タンパク質の流出が少ないため廃水処理が容易だか
らである。更に、本発明により有機酸等処理した後に茹
でた加工食用内臓物は、当該処理をしない場合に比べて
その歩留まりに優れるのである。その理由の一つとして
結合組織が軟化した結果、組織間の保水性が向上したた
めと考えられる。さらに茹でることにより当該有機酸等
による処理をしない場合に比較して、食用内臓物特有の
臭気が薄れる特徴がある。
【0028】加熱時間は、加熱方法や食用内臓物により
適宜選択すればよい。加熱処理は、用いた有機酸等溶液
を水切り、必要に応じて水洗し、または紙や布等で吸い
取って除去した後に行う。加熱方法は、一般に行われる
方法を採用でき、例えば茹でる、蒸す、焼く、炒める、
油揚、更にマイクロウェーブ加熱等がある。加熱時間
は、可食部位が可食可能な柔らかさになるまで加熱すれ
ばよく、部材の大きさ、部材の種類、加熱方法により適
宜選択することができる。
【0029】本発明により軟化処理した食用内臓物は、
冷蔵保存することが好ましく、密封した後に冷蔵するこ
とがより好ましい。
【0030】本発明の軟化処理方法は、結合組織を多量
に含有する食用内臓物を簡便に軟化することができる。
従って、予め軟化加熱処理して市販するいわゆる「も
つ」を容易に調製することができる。本発明で使用する
有機酸は生体内物質であり、安全性が高く、食用内臓物
を容易に軟化するのみならず、同時に臭気を抑制しかつ
タンパク質溶出量も低減できるのである。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例により具体的に説明す
る。なお、「%」は「重量%」を示すものとする。
【0032】測定方法 (1)軟化度 軟化度はクリープメーターにて測定した。茹で上げ後の
試料を試料台に固定し、クリープメーター((株)山電
製)にて、φ3円錐形プランジャーにて、突き刺し試験
を行い突き抜けたときの荷重を測定した。軟化度は、有
機酸処理をしなかった無添加例の値を100として、他
の試験例を相対的に評価した。数値が低いほど柔らかい
ことを示す。
【0033】(2)臭強度 臭強度は、茹で上げ後の試料をポリ袋に入れ密封し、こ
れを30℃にて30分間放置し、ニオイセンサ(新コス
モス電気(株)製)にて測定した。臭強度は、有機酸処
理をしなかった無添加例の値を100として、他の試験
例を相対的に評価した。数値が低いほど臭いが少ないこ
とを示す。
【0034】(3)歩留まり 歩留まりの測定は、有機酸処理前と加熱処理後の食用内
臓物の重量比によった。
【0035】(4)白さ 白さの測定は、肉眼観察により判断した。+++が灰色が
濃く、-が白いことを示す。
【0036】(5)茹汁の濁度 茹汁の濁度は、紫外分光光度計((株)島津製作所UV
−240)にて、波長660nm、光路長さ1cmに吸
光度を測定した。その結果、0〜0.2を+、0.2を
こえ0.5以下を++、0.5以上を+++とした。
【0037】(実施例1〜6、比較例1、2)冷凍牛小
腸を流水中で解凍し3〜5cmに切断した。冷蔵庫内で
表1に示す有機酸またはその塩の溶液に1晩浸漬した。
次いで、水切り後沸騰水で30分茹でた後、直ちに冷却
した。軟化処理後の食用内臓物の臭い強度、軟化度、歩
留まり、白さ、茹汁の濁りを測定した。結果を表1に示
す。軟化度、臭強度等に優れると共に白さなどの外観に
も優れ、かつ茹汁中の濁度も少ないことから、廃液処理
も容易であることがわかる。
【0038】
【表1】
【0039】(実施例7、比較例3)市販の茹で牛大腸
を冷蔵庫内で表2に示す処理液に1晩浸漬した。水切り
後、沸騰水中で30分間茹でた後、直ちに冷却した。こ
れを用いて、軟化度、臭強度、歩留まりを測定した。結
果を表2に示す。2種類の有機酸を併用した場合にも優
れた軟化効果を奏すると共に、臭いも少なく歩留まりに
優れた。
【0040】
【表2】
【0041】(実施例8、比較例4、5)冷凍牛小腸を
流水中で解凍し3〜5cmに切断した。冷蔵庫内で表3
に示す有機酸水溶液を2%に希釈した溶液に1晩浸漬し
た。次いで、水切り後沸騰水で30分茹でた後、直ちに
冷却した。軟化処理後の食用内臓物の臭強度、破断強度
を測定した。
【0042】乳酸と乳酸ナトリウムとを配合し緩衝作用
を利用する場合にも、優れた軟化効果を奏することが判
明した。結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】(実施例9、比較例6)冷凍豚耳を流水中
で解凍した後、そのまま表4に示す溶液に冷蔵庫中で1
晩浸漬した。水切り後、沸騰水中で1時間茹でた。直ち
に冷却した後、軟化度、歩留まり、白さを測定した。結
果を表4に示す。なお、表4において比較例6は、白さ
の項の++は着色の程度を示すものであるが、色自体は赤
みを帯びていた。本実施例および比較例の結果から、食
用内臓肉以外の耳部において、1時間の茹で処理で、軟
化度に優れると共に特に歩留まり、白さに優れることが
判明した。
【0045】
【表4】
【0046】(実施例10、比較例7)冷凍豚足を流水
中で解凍した後、表5に示す溶液に冷蔵庫中で1晩浸漬
した。水切り後、沸騰水中で30分茹でた。直ちに冷却
した後、歩留まり、白さおよび食感を測定した。結果を
表5に示す。なお、表5において比較例7は、白さの項
の++は着色の程度を示すものであるが、色自体は赤みを
帯びていた。本実施例および比較例の結果から、食用内
臓肉以外の豚足部においてもわずか30分の茹時間で可
食に適する軟化処理がなされることが判明した。
【0047】
【表5】
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、有機酸またはその塩を
含有するpH1〜5の溶液に浸漬した後に加熱処理する
だけで、食用内臓物等を容易に軟化することができる。
本発明の軟化処理方法によれば、食用内臓物等が白く仕
上がりかつ歩留まりに優れ臭いも少ない。茹汁濁度は、
主として有機物によるものであり、その濁度が少ないこ
とは、有機物の茹汁への浸出が少ないことを示す。この
点、本発明の軟化方法によれば、処理廃水である茹汁の
濁度が低く廃水処理が容易である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食用内臓物を有機酸またはその塩を含有
    するpH1〜5の溶液で処理した後加熱調理することを
    特徴とする軟化処理方法。
  2. 【請求項2】 食用獣の腱、舌、尾、鼻、手、足および
    耳から選ばれる1種以上の部位を有機酸またはその塩を
    含有するpH1〜5の溶液で処理した後加熱調理するこ
    とを特徴とする軟化処理方法。
  3. 【請求項3】 前記処理が、有機酸またはその塩含有溶
    液への食用内臓物の浸漬処理であることを特徴とする請
    求項1記載の軟化処理方法。
  4. 【請求項4】 前記処理が、有機酸またはその塩含有溶
    液への食用獣の腱、舌、尾、鼻、足先および耳から選ば
    れる1種以上の部位の浸漬処理であることを特徴とする
    請求項2記載の軟化処理方法。
  5. 【請求項5】 前記加熱処理として茹でることを特徴と
    する請求項1から45のいずれかに記載の軟化処理方
    法。
  6. 【請求項6】 前記有機酸またはその塩が、乳酸、リン
    ゴ酸、クエン酸、アジピン酸、グルコン酸、酢酸または
    これらの塩からなる群から選ばれる1種以上であること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の軟化処理
    方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103110125A (zh) * 2013-03-05 2013-05-22 藤桥禽业股份有限公司 一种液熏鸭舌休闲食品的生产方法
KR101370432B1 (ko) * 2013-06-04 2014-03-06 김만제 가축 부산물의 냄새 제거를 위한 가공방법
JP2020174572A (ja) * 2019-04-17 2020-10-29 有限会社皆川商事 豚ハラミの焼肉用加工方法
CN112425733A (zh) * 2020-11-13 2021-03-02 重庆琳耕科技有限公司 动物内脏泡发制剂及其制备方法、毛肚的泡发方法、应用

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