JP2000106195A - 基板実装用電池及びその取り付け方法及びその取り付け装置 - Google Patents

基板実装用電池及びその取り付け方法及びその取り付け装置

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JP2000106195A JP10312903A JP31290398A JP2000106195A JP 2000106195 A JP2000106195 A JP 2000106195A JP 10312903 A JP10312903 A JP 10312903A JP 31290398 A JP31290398 A JP 31290398A JP 2000106195 A JP2000106195 A JP 2000106195A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温環境下で使用され、且つ遠心力が加わる
装置に使用した場合にも電池性能を低下させない基板実
装電池及びその取り付け方法及び取り付け装置を提供す
る。 【解決手段】 正極端子を兼ねる電池ケースの内部に、
金属酸化物、ハロゲン化物、硫化物のいずれかを主体と
する正極材料と、軽金属あるいはこの合金を主体とする
負極材料とを、耐熱温度が150℃以上の素材からなる
セパレータを介して対向配置し、溶媒として沸点が17
0℃以上の有機溶媒の単体もしくは混合物を、溶質とし
てリチウム塩を用いた電解液を充填し、耐熱温度が15
0℃以上にあり、耐有機溶剤性を有する絶縁ガスケット
を介して、電池ケースの開口部を、負極端子を兼ねる封
口板にて封口構成された素電池の正極端子、負極端子の
表面に基板取り付け用の外部接続端子部材を接合する構
成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高温雰囲気下で遠心
力が加わる場所に取り付けられた装置に装着され、非水
電解液電池を用いた基板実装用電池及びその取り付け方
法及び取り付け装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】非水電解液電池は、常温雰囲気下で10
年以上という長期保存性に優れていることによりメモリ
ーバックアップ用の電源として広く用いられている。最
近では、自動車、宇宙観測機器、各種の産業用機器の高
温下で遠心力が作用する環境での使用用途が要望されて
いる。例えば、自動車タイヤの空気圧を自動車の走行中
にも測定管理できるように構成された装置を動作させる
ために使用される基板実装電池には走行中における高温
の付加、ならびにタイヤの回転による遠心力が加わるこ
とになる。遠心力が作用する雰囲気下では下記のような
問題点が生じる。
【0003】つまり、電池における電気化学反応は、正
極物質と負極物質との間に存在する電解液中のイオン伝
導による。一般に電解液は正極物質と負極物質との間に
介在させたセパレータに含浸させた状態て゛存在し、正
負電極間の酸化還元反応に寄与するつまり、正極の活物
質(正極材料)をP1、負極の活物質(負極材料)をN
1とした時、正極では(化1)、負極では(化2)で表
わされる反応が進行することになる。
【0004】
【化1】
【0005】
【化2】
【0006】(化1)と(化2)の反応が電池の中、つ
まり電解液を介して接触した時、外部回路に電池端子面
に取り付けた外部接続端子部材のリード部より直流の電
流を流すことが可能となり基板実装電池の起電反応が進
むものである。しかしながら、基板実装電池を遠心力が
加わる装置に搭載したとき、遠心力による電解液の流動
により起電反応に寄与する電解液が減少し、電池性能が
低下する場合が生じる。また、従来の非水電解液電池、
一例として図6に示すフッ化黒鉛リチウム電池の例で説
明する。図6においてステンレス鋼よりなる電池ケース
5内にリチウム金属により円板状に形成された負極2
と、フッ化黒鉛を主成分とした材料により円板状に形成
された正極3とを、その間にポリプロピレン不織布で形
成されたセパレータ4を介在させて積層配置し、高沸点
のガンマーブチロラクトン(以下GBLと記す)、もし
くはプロピレンカーボネート(以下PCと記す)、低沸
点のジメトキシエタン(以下DMEと記す)の混合有機
溶媒に、溶質濃度1mol/lの濃度となるようにホウ
フッ化リチウムを溶解させた電解液を充填した後、負極
端子を兼ねるステンレス鋼よりなる封口板1及びポリプ
ロピレン製樹脂からなるガスケット6により正極端子を
兼ねる電池ケース5を封口して素電池Aが形成されてい
る。この構成のフッ化黒鉛リチウム電池において、正極
は450から6150℃まで熱には安定なフッ化黒鉛を
活物質に用い、負極は181℃の融点までは熱に安定な
リチウム金属を活物質としている。また放電生成物であ
るリチウムフロライド(LiF)は8150℃まで熱に
は安定である。一般にコイン形、ボタン形のリチウム電
池において、その形状に拘らず、正極端子を兼ねる金属
容器、負極端子を兼ねる金属封口板の間に、絶縁機能を
持つガスケットを設置しなければならず、ガスケット正
負極間の絶縁機能と、発電要素が電池外部に出ること
や、外部空気、水蒸気の電池内部への侵入を防ぐように
密閉保持される機能を持つ。しかし、高温環境下、熱衝
撃により、ガスケット材料、正負極容器材料の熱望張係
数の差から微細な間隙が生じ、電解液の蒸発、漏液、水
分の侵入により電池性能の劣化が生ずる可能性が大であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記に示す従来のリチ
ウム電池の構成では、−40から70℃の温度範囲で使
用、保存が可能である。しかしながら70℃以上の高温
保存や熱衝撃負荷による電池性能の劣化の原因として、
図6のB部に示す封口カシメ部(ガスケットと封口板/
ガスケットと電池ケースとの接触部)に生ずる間隙か
ら、電池内部から電解液の蒸発、漏れ、あるいは電池内
部への外部からの水分の侵入がある。特に電解液の溶媒
としてDMEのような沸点が83℃の低沸点溶媒を使用
した場合、83℃以上の温度で極めて容易にガス化し、
前記の封口カシメ部の微細な間隙から容易にDMEが飛
散し電池性能のを著しく劣化させることになる。また、
ガスケット、セパレータの材料としてもちいるPP樹脂
は、その連続使用温度が約65℃であり、従って、65
℃以上の温度での使用時、あるいはこの付近の温度での
保存時、熱により樹脂の酸化、電解液の樹脂内部への浸
透、拡散により複合的な劣化を始め、ガスケットの場
合、絶縁、電解液の保持機能が損なわれ電池性能は著し
く低下する。170℃の高温環境下ではPP樹脂が溶融
しガスケット、セパレータ共前記の機能は喪失し電池特
性を示さなくなる。本発明が目的とするところは、高温
の付加及び遠心力が加わる装置に使用した場合にも電池
性能を低下させない基板実装電池及びその取り付け方法
及び取り付け装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願の第一発明は、基板実装用電池の構成として正
極端子を兼ねる電池ケース内に金属酸化物あるいは、ハ
ロゲン化物、硫化物を主体とする正極材料、軽金属ある
いはこの合金を負極材料とし、耐熱温度が150℃以上
の素材からなるセパレータを介して対向配置し、正負両
極材料の間に沸点が170℃以上の有機溶媒を単体、も
しくは混合物に、溶質としてリチウム塩を溶解させた電
解液を充填し正極端子と負極端子の間に介在する絶縁ガ
スケットとして耐熱温度が150℃以上の耐有機溶剤性
の素材を用いて封口構成された素電池の端子表面に基板
取り付け用の外部接続端子部材を接合した基板実装用電
池とする。
【0009】また、第二の発明は、正極端子を兼ねる電
池ケース内に金属酸化物あるいは、ハロゲン化物、硫化
物を主体とする正極材料、軽金属あるいはこの合金を負
極材料としセパレータを介して対向配置し、正負両極材
料の間に電解液を充填した素電池の端子表面に基板取り
付け用の外部接続端子部材を接合するとともに、前記外
部接続端子部材のリード部が外部へ突出した状態で所定
形状の耐熱性ケース内に収納され、外部接続端子部材の
リード部を除いてケース内に耐熱性、耐電解液性充填部
材で充填固化された基板実装用電池としたもの。
【0010】また第三の発明である基板実装用電池の遠
心力が作用する装置への取り付け方法として、正極端子
を兼ねる電池ケース内に金属酸化物あるいは、ハロゲン
化物、硫化物を主体とする正極材料、軽金属あるいはこ
の合金を負極材料とし、耐熱温度が150℃以上の素材
からなるセパレータを介して対向配置し、正負両極材料
の間に沸点が170℃以上の有機溶媒を単体、もしくは
混合物に、溶質としてリチウム塩を溶解させた電解液を
充填し正極端子と負極端子の間に介在する絶縁ガスケッ
トとして耐熱温度が150℃以上の耐有機溶剤性の素材
を用いて封口構成された素電池の端子表面に基板取り付
け用の外部接続端子部材を接合した基板実装用電池を遠
心力が加わる場所に取り付けられた装置に装着する基板
実装用電池の取り付け方法であって、前記装置に加わる
遠心力の方向に素電池を厚み方向に均に分割したさい
に、空隙容積が小となる分割部分を遠心力が作用する方
向に装着するとともに遠心力の方向に対して0から60
度の角度範囲内に装着することを特徴とする基板実装用
電池の取り付け方法である。
【0011】第四の発明として正極端子を兼ねる電池ケ
ース内に金属酸化物あるいは、ハロゲン化物、硫化物を
主体とする正極材料、軽金属あるいはこの合金を負極材
料とし、耐熱温度が150℃以上の素材からなるセパレ
ータを介して対向配置し、正負両極材料の間に沸点が1
70℃以上の有機溶媒を単体、もしくは混合物に、溶質
としてリチウム塩を溶解させた電解液を充填し正極端子
と負極端子の間に介在する絶縁ガスケットとして耐熱温
度が150℃以上の耐有機溶剤性の素材を用いて封口構
成された素電池の端子表面に基板取り付け用の外部接続
端子部材を接合した基板実装用電池を遠心力が加わる場
所に取り付けられた装置に装着する基板実装用電池の取
り付け方法であって、前記装置に加わる遠心力の方向に
素電池を厚み方向に均に分割したさいに、空隙容積が大
となる分割部分を遠心力が作用する方向に装着するとと
もに遠心力の方向に対して20から180度の角度範囲
内に装着することを特徴とする基板実装用電池の取り付
け方法である。
【0012】第五の発明として正極端子を兼ねる電池ケ
ース内に金属酸化物あるいは、ハロゲン化物、硫化物を
主体とする正極材料、軽金属あるいはこの合金を負極材
料としセパレータを介して対向配置し、正負両極材料の
間に電解液を充填した素電池の端子表面に基板取り付け
用の外部接続端子部材を接合するとともに、前記外部接
続端子部材のリード部が外部へ突出した状態で所定形状
のケース内に収納され、外部接続端子部材のリード部を
除いてケース内に充填部材で充填固化された基板実装用
電池を、遠心力が加わる場所に取り付けられた装置に装
着する基板実装用電池の取り付け方法であって、前記装
置に加わる遠心力の方向に素電池を厚み方向に均に分割
したさいに、空隙容積が小となる分割部分を遠心力が作
用する方向に装着するとともに遠心力の方向に対して0
から60度の角度範囲内に装着することを特徴とする基
板実装用電池の取り付け方法である。
【0013】第六の発明として正極端子を兼ねる電池ケ
ース内に正極材料と負極材料とをセパレータを介して対
向配置し、正負両極材料の間に電解液を充填した素電池
の端子表面に基板取り付け用の外部接続端子部材を接合
するとともに、前記外部接続端子部材のリード部が外部
へ突出した状態で所定形状のケース内に収納され、外部
接続端子部材のリード部を除いてケース内に充填部材で
固定された基板実装用電池を、遠心力が加わる場所に取
り付けられた装置に装着する基板実装用電池の取り付け
方法であって、装置に加わる遠心力の方向に素電池を厚
み方向に2Hの部分で二分割した際に、その空隙容積が
大となる分割部分を遠心力の作用する方向となる向きに
装着するとともに遠心力の方向に対して20から180
度の角度範囲内に装置に装着する基板実装用電池の取り
付け方法としたものである。この取り付け方法によれば
遠心力により流動した電解液は正負極材料の反応面に必
ず存在する状態が維持され、端子付き電池を遠心力が加
わる装置に装着しても電池性能の低下はない。
【0014】また、第七の発明は、正極端子を兼ねる電
池ケース内に金属酸化物あるいは、ハロゲン化物、硫化
物を主体とする正極材料、軽金属あるいはこの合金を負
極材料とし、耐熱温度が150℃以上の素材からなるセ
パレータを介して対向配置し、正負両極材料の間に沸点
が170℃以上の有機溶媒を単体、もしくは混合物に、
溶質としてリチウム塩を溶解させた電解液を充填し正極
端子と負極端子の間に介在する絶縁ガスケットとして耐
熱温度が150℃以上の耐有機溶剤性の素材を用いて封
口構成された素電池の端子表面に基板取り付け用の外部
接続端子部材を接合した基板実装用電池を、遠心力が加
わる場所に取り付けられた装置に装着する基板実装用電
池の取り付け装置であって、前記装置に加わる遠心力の
方向に対し所定角度範囲内に正負極材料が向くように素
電池の外部端子外形形状が正極側と負極側とで異なるい
ずれか一方極側の形状にのみ嵌合する取り付け構造によ
り装着方向を規制して装着するように構成されたことを
特徴とする基板実装用電池の取り付け装置である。
【0015】第八の発明は正極端子を兼ねる電池ケース
内に金属酸化物あるいは、ハロゲン化物、硫化物を主体
とする正極材料、軽金属あるいはこの合金を負極材料と
しセパレータを介して対向配置し、正負両極材料の間に
電解液を充填した素電池の端子表面に基板取り付け用の
外部接続端子部材を接合するとともに、前記外部接続端
子部材のリード部が外部へ突出した状態で所定形状のケ
ース内に収納され、外部接続端子部材のリード部を除い
てケース内に充填部材で充填固化された基板実装用電池
の取り付け装置であって、前記装置に加わる遠心力の方
向に対し所定角度範囲内に正負極材料が向くように素電
池の外部端子外形形状が正極側と負極側とで異なるいず
れか一方極側の形状にのみ嵌合する取り付け構造により
装着方向を規制して装着するように構成されたことを特
徴とする基板実装用電池の取り付け装置である。
【0016】上記構成における取り付け手段は、素電池
の端子外形形状が正極側と負極側とで異なるいずれか一
方極側の形状にのみ嵌合する取り付け構造により装着方
向を規制して装着するように構成することができる。電
池に取り付けた端子はその正極側と負極側とで外形形状
が異なるので、いずれか一方側の形状に嵌合する取り付
け構造を用いて基板実装電池を装着することにより、電
池を遠心力の影響をうけることが少ない方向に装着する
ことができる。
【0017】第九の発明は正極端子を兼ねる電池ケース
内に正極材料と負極材料とをセパレータを介して対向配
置し、正負両極材料の間に電解液を充填した素電池の端
子表面に外部接続端子部材を接合するとともに、前記外
部接続端子部材のリード部が外部へ突出した状態で所定
形状のケース内に収納され、外部接続端子部材のリード
部を除いてケース内に充填部材で固定された基板実装用
電池であって、充填部材が合成樹脂、瀝青剤あるいは、
これらの混合物であり、ケース素材が耐熱性、耐衝撃性
に優れる合成樹脂素材からなる基板実装用電池というも
のである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の一実施形態について説明し、本発明の理解に供する。
【0019】基板実装電池は発電要素として正極材料、
負極材料、電解液の基本3要素、ならびに封口カシメ部
として電池ケース、ガスケット、封口板の3要素からな
り、電池の端子表面部に正負極端子部材を備えている構
成、あるいは端子付き素電池をケースに収納し端子部材
のリード部を除いて固定用の充填部材で固定した構成で
成り立っている。電解液は正極材料と負極材料との間に
存在して前記したように正負極間の起電反応に寄与す
る。この基板実装用電池に遠心力が加わる状態で使用し
た場合、例えば、自動車タイヤのような回転体に取り付
けられた装置を動作させる電源として使用されるような
場合に基板実装用電池には遠心力が加わり、流体である
電解液が遠心力方向に流動するため、基板実装用電池の
取り付け方向、ならびにその方向における取り付け位置
(角度)が適正でない場合に、電池の起電反応に寄与し
ない可能性が生じる。この遠心力による基板実装用電池
の性能の変化を検証するため次に示すような試験を実施
した。
【0020】試験は、図1に示すような本願発明の一実
施例である基板実装用のフッ化黒鉛リチウム電池を回転
試験機に装着して回転させ、回転による遠心力の方向に
対する基板実装用電池の装着方向、及び装着角度による
放電容量(mAh)を測定しその利用率について比較し
た。
【0021】図1に示すような本願発明の一実施例であ
る基板実装用のフッ化黒鉛リチウム電池は、素電池の構
成としてステンレス鋼よりなる電池ケース5内にリチウ
ム金属により円板状に形成された負極2と、フッ化黒鉛
を主成分とした材料により円板状に形成された正極3と
を、その間に耐熱温度が150℃以上のガラス繊維から
なるセパレータ4を介在させて積層配置し、沸点が20
2℃と高沸点のガンマーブチロラクトン(以下GBLと
記す)からなる有機溶媒に、溶質濃度1mol/lの濃
度となるようにホウフッ化リチウムを溶解させた電解液
を充填した後、負極端子を兼ねるステンレス鋼よりなる
封口板1及び耐熱温度が150℃以上のポリフェニレン
スルフィド樹脂からなるガスケット6により正極端子を
兼ねる電池ケース5を封口して素電池AAが形成されて
いる。この構成のフッ化黒鉛リチウム電池において、正
極は450から6150℃まで熱には安定なフッ化黒鉛
を活物質に用い、負極は181℃の融点までは熱に安定
なリチウム金属を活物質としている。また放電生成物で
あるリチウムフロライド(LiF)は8150℃まで熱
には安定である。この素電池の正負極容器の端子表面に
はレーザー、抵抗溶接で溶接一体化した正負極端子部材
1a、5aがそれぞれ取り付けられ基板実装用電池を構
成する。
【0022】正負極端子部材の素材としては、厚みが
0.1から5mmで、ビッカース硬度が250から45
0HV、バネ限界値が30から60kgf/mm2 のス
テンレス鋼、ニッケル、リン青銅の金属材料からなる。
この基板実装用電池に回転試験機の回転数の変化により
100から1000Gの遠心力を加えると共に、遠心力
方向に対する基板実装用電池の取り付け方向、及び取り
付け方向における取り付け角度を変えて測定した放電容
量の利用率を表1、表2に示す。
【0023】表1は、装置に加わる遠心力の方向に基板
実装用フツ化黒鉛リチウム電池を厚み方向に二分割した
際に、その空隙容積が小となる分割部分を遠心力の作用
する方向となる向きに装着するとともに基板実装用電池
を遠心力の方向に対して取り付け角度を変化させて装着
した場合の放電容量の利用率を示す。
【0024】表2は、装置に加わる遠心力の方向に基板
実装用フツ化黒鉛リチウム電池を厚み方向に二分割した
際に、その空隙容積が大となる分割部分を遠心力の作用
する方向となる向きに装着するとともに基板実装用電池
を遠心力の方向に対して取り付け角度を変化させて装着
した場合の放電容量の利用率を示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】試験に用いた基板実装用フツ化黒鉛リチウ
ム電池の素電池AA(形式記号BR2330)は、外形
寸法が直径23mm、厚さ3mmのもので、温度が25
℃における5kΩの定抵抗放電での放電容量を測定し、
放電容量の利用率は遠心力が加わらない状態での放電容
量255mAhを100%として、これか゛遠心力強度
G、基板実装用電池取り付け方向及び、取り付け角度に
より変化する状態を示している。また、放電容量の確認
は2.5V終止によるもので、基板実装用電池によるバ
ラツキを勘案して試験数20個の平均値を算出して示し
ている。なお、本実験に使用した基板実装用電池の素電
池は、電池空間容積(電池ケースを封口板によってガス
ケットを介して封口を行った時の電池内部に占める空間
の体積)が761μlに対し電解液の体積が342μ
l、正負極材料、セパレータの固形物の体積が369μ
l、空隙部の体積が50μlであり電池空間容積に占め
る電解液の割合として45vol%のものである。
【0028】また、電池を厚み方向に二分割した際に、
その空隙容積が小となる分割部分は図1から明らかなよ
うにリチウム金属が存在する負極2側であり、その空隙
容積は2μlである、空隙容積が大となる分割部分は正
極3の存在する正極側でありその空隙容積は38μlで
ある。
【0029】遠心力方向に対する基板実装用電池の取り
付け角度は、図1に示すように正極1の中心から負極2
の中心に向かう中心軸方向が遠心力方向と一致する角
度、即ち、負極2の板面が遠心力方向に正対している角
度を0度として、これが反転して正極3の板面が遠心力
方向に正対して角度を180度として、この間の各角度
における放電容量の変化を測定している。この表1に示
す測定結果からわかるように、遠心力の方向に基板実装
用電池を厚み方向に二分割した際に、その空隙容積が小
となる分割部分を遠心方向となる向きに装着するととも
に遠心力の方向に対して90から180度の角度範囲に
基板実装用電池を装置に装着した場合、あるいは、表2
に示す測定結果からわかるように遠心力の方向に基板実
装用電池を厚み方向に二分割した際に、その空隙容積が
大となる分割部分を遠心方向となる向きに装着するとと
もに遠心力の方向に対して0から90度の角度範囲に基
板実装用電池を装置に装着した場合においては50Gを
越える遠心力により放電容量の利用率に大きな低下がみ
られ、正常な電池性能が得られない状態となっている。
【0030】従って、遠心力が50G以上に大きくなる
と取り付け角度0度以外で放電容量の利用率の低下が発
生するので遠心力が加わる装置に装着する場合には、基
板実装用電池を厚み方向に均等に分割したさいに、空隙
容積が小となる分割部分を遠心力が作用する方向に装着
するとともに遠心力の方向に対して0から60度の角度
範囲内に、空隙容積が大となる分割部分を遠心力が作用
する方向に装着するとともに遠心力の方向に対して20
から180度の角度範囲内取り付ける必要がある。
【0031】但し、遠心力の方向に基板実装用電池を厚
み方向に二分割した際に、その空隙容積が小となる分割
部分を遠心方向となる向きに装着するとともに遠心力の
方向に対して取り付け角度60度以下の場合、あるい
は、遠心力の方向に基板実装用電池を厚み方向に二分割
した際に、その空隙容積が大となる分割部分を遠心方向
となる向きに装着するとともに遠心力の方向に対して2
0度以上の場合には大きな遠心力が加わらない条件下で
は極端な放電利用率の低下はないので、前記した自動車
タイヤの空気圧を測定する装置においては、前記した取
り付け方向60度以下、20度以上の取り付け角度にな
るように基板実装用電池を装置に装着すれば実用上での
問題は少ないといえる。
【0032】基板実装用電池に遠心力が加わることによ
る放電利用率の低下は、起電反応時に正負極極板の表面
に電解液が充分に存在しない状態になるためであり、こ
の状態は正極と負極とが平行に対向して配置される構造
の基板実装用電池で顕著に発生する。従って、本実施例
で説明した基板実装用電池に限定されるものではなく、
ボタン形、ペーパー形、小判形、角形端子付き電池に適
用可能である。また、電池系においても前記フッ化黒鉛
リチウム電池に限定されるものではなくフッカ黒鉛リチ
ウム電池、二酸化マンガンリチウム電池、イオンリチウ
ム蓄電池、正極活物質として金属酸化物、ハロゲン化
物、硫化物を使用し非水電解液を使用する一次、二次の
非水系電池、アルカリマンガン乾電池、酸化銀電池、ニ
ッケル水素蓄電池、正極活物質として金属酸化物、ハロ
ゲン化物、硫化物を使用しアルカリ系電解液を使用する
一次、二次のアルカリ電池、いずれにも適用できるもの
である。
【0033】なお、電池空間容積に占める電解液の割合
が20から70vol%の範囲の基板実装用電池であれ
ば、電解液の種類に関係なく電解液の粘度が3ポイズ以
下のものであれば同様の効果が得られることを本願発明
者は実験により確認している。
【0034】また、図2に示すように素電池の構成とし
て前記したような従来の構成、即ち、ステンレス鋼より
なる電池ケース5内にリチウム金属により円板状に形成
された負極2と、フッ化黒鉛を主成分とした材料により
円板状に形成された正極3とを、その間にポリプロピレ
ン不織布で形成されたセパレータ4を介在させて積層配
置し、高沸点のガンマーブチロラクトン(以下GBLと
記す)、もしくはプロピレンカーボネート(以下PCと
記す)、低沸点のジメトキシエタン(以下PCと記す)
の混合有機溶媒に、溶質濃度1mol/lの濃度となる
ようにホウフッ化リチウムを溶解させた電解液を充填し
た後、負極端子を兼ねるステンレス鋼よりなる封口板1
及びポリプロピレン製樹脂からなるガスケット6により
正極端子を兼ねる電池ケース5を封口して素電池Aとし
た場合においては、素電池の端子表面に基板取り付け用
の外部接続端子部材1a、5aを接合させて端子付き電
池を形成し、この端子付き電池を、前記外部接続端子部
材1a、5aのリード部1b、5bが外部へ突出した状
態で所定形状の耐熱ケース7内に収納し、外部接続端子
部材のリード部を除いてケース内に耐熱性の充填部材8
で充填固化させて基板実装用電池とすることで耐熱性に
優れる基板実装用電池が構成される。かような構成とし
た基板実装用電池においても前記の回転試験機に装着し
て回転させ回転に寄る遠心力の方向に対する基板実装用
電池の装着方向、及び装着角度による放電容量のを同様
に測定した比較したところ前記表1、2と同様の結果、
傾向が現れることが実験より判明している。
【0035】次に、以上説明したような取り付け方向、
取り付けり角度に基板実装用電池を装着する取り付け装
置として本発明の請求項1、2の実施形態について以下
に説明する。図3(A)は取り付け装置に取り付けられ
た基板実装用電池の実施形態の構成を示す正面図、図3
(B)は取り付け装置である回路基板の平面図、図4は
基板実装用電池の正負極端子部材の形状を例示すための
もので図4(A)は右側面図、図4(B)は左側面図、
及び図4(C)は電池の平面図である。
【0036】図3は、基板実装用電池10、20をこれ
を電源として使用する装置の回路基板30に取り付ける
構成を示しており、図4に示したように、円形の扁平形
に形成された基板実装用電池10、20の正負極端子1
a、5aのリード部1b、5bの外形形状は、その端子
幅、形状において異なっているため、取り付け装置30
は基板実装用電池10、20の正負極端子部材の形状に
嵌合するように図3(B)に示すように基板の装着部分
5a、1aの形状を異形に形成して、基板実装用電池1
0、20の逆装着を防止することができるようになって
いる。従って、この取り付け装置を用いて基板実装用電
池10、20を取り付けるときには、基板実装用電池1
0、20の正負極端子側は常に所定方向に向けて取り付
けられることになる。
【0037】また、他の実施例としては、請求項2に記
載のように基板実装用電池として素電池の端子表面に外
部接続端子部材を接合するとともに、前記外部接続端子
部材のリード部が外部へ突出した状態で所定形状のケー
ス内に収納され、外部接続端子部材のリード部を除いて
ケース内に充填部材で固定された構成からなる基板実装
用電池20としたものでも同様の効果がある。
【0038】前記回路基板30は、基板実装用電池1
0、20の取り付け面側を、この回路基板30を用いて
構成される装置の遠心力方向に向けて取り付けられてい
るので、上記構成により基板実装用電池の取り付け方向
を規制して回路基板30に装着される基板実装用電池1
0、20の正負極端子側は遠心力の作用する方向に向く
ため、先に説明したように遠心力による電解液の移動に
より電池の放電性能が低下することが防止される。従っ
て、遠心力が加わる装置に基板実装用電池10、20を
装着するときには、上記構成に示したように、装置に加
わる遠心力の方向に基板実装用電池を厚み方向に均等に
分割したさいに、空隙容積が小となる分割部分を遠心力
が作用する方向に装着するとともに遠心力の方向に対し
て0から60度の角度範囲内に装着すること、あるいは
装置に加わる遠心力の方向に基板実装用電池を厚み方向
に均等に分割したさいに、空隙容積が大となる分割部分
を遠心力が作用する方向に装着するとともに遠心力の方
向に対して20から180度の角度範囲内に装着するこ
とにより、放電容量の利用率の極端な低下をきたすこと
のない実用的な状態で基板実装用電池10、20を使用
することができる。
【0039】次に、前記した基板実装用電池は自動車の
タイヤ空気圧計に実装されて使用される場合、自動車が
夏季に坂道をブレーキをかけながら走行する時、電池周
囲の環境は最高約200から300℃の高温雰囲気にな
る。(通常走行では150℃近傍)このような高温に本
願発明の電池と従来の電池が使用された場合の放電性能
の比較行ったその結果を表3、4に示す。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】表3は前記フッ化黒鉛リチウム電池BR2
330電池を使用した各種の基盤実装用電池を150℃
の高温雰囲気で30日間保存し、放電雰囲気温度20
℃、放電抵抗30kΩ、終止電圧2.5Vで放電試験を
実施その放電容量、容量残存率を比較した結果である。
なお、電池のサンプル数としては各20個ずつ実施した
時の平均値を示している。
【0043】表4は同様の電池を低温側−20℃、高温
側80℃、の温度雰囲気にそれぞれ2時間ずつ合計4時
間を1サイクルとする熱衝撃試験を100サイクル実施
したときの電池電圧不良率、電解液の漏出率を示す。な
お、電池のサンプル数としては各200個ずつで実施し
た。
【0044】表3から明らかなように、耐熱温度が15
0℃以上の素材からなるセパレータ、具体的にはその平
均繊維径が3μm以下(好ましくは0.2から1.7μ
m)、目付重量が3.0から5.0g/m2 、平均孔径
1.0から5.0μmのセパレータを介して対向配置
し、正負両極材料の間に沸点が170℃以上の有機溶媒
を使用した電解液でガスケットとして耐熱温度が150
℃以上の耐有機溶剤性の素材を用いて封口構成された素
電池を使用し、端子表面に端子部材を接合した基板実装
用電池、あるいは従来の電解液、ガスケットセパレータ
を使用した素電池の端子表面に基板取り付け用の外部接
続端子部材を接合するとともに、前記外部接続端子部材
のリード部が外部へ突出した状態で所定形状の耐熱性ケ
ース内に収納され、外部接続端子部材のリード部を除い
てケース内に耐熱性の充填部材で充填固化された構成と
した基板実装用電池は高温保存下でも充分電池性能の維
持が可能であり、また、電解液の漏液も未然に防止でき
る。表中、PPSはポリフェニレンスルフィド樹脂の
略、PEKはポリエーテルケトン樹脂の略、PEEKは
ポリエーテルエーテルケトン樹脂の略、PPはポリプロ
ピレン樹脂の略、EPはエポキシ樹脂の略、PPはポリ
プロピレン樹脂の略、PUはポリウレタン樹脂の略、P
EETはポリエチレンテレフタレート樹脂の略である。
【0045】表中では、実施例におけるガスケット素材
としてPPS樹脂、PEK樹脂、PEE樹脂、で示した
がこれらに限定されるものではなく、耐熱温度が150
℃以上の樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン樹
脂、四フッ化ビニリデン樹脂のフッ素樹脂も使用可能で
ある。セパレータ材としては前記物性値のガラス繊維、
PPS樹脂繊維からなる不織布以外にセラミック繊維か
らなるセラミックフィルター材でも使用可能である。電
解液としてはGBL、PC以外に、エチレンカーボネー
ト、ブチレンカーボネートも使用可能である。充填部材
としエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、以外にフェノー
ル樹脂、フラン樹脂、アニリン樹脂、尿素樹脂の熱硬化
性樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リエステル樹脂の熱可塑性樹脂、フッ化ピッチ以外にピ
ッチ、アスファルトの瀝青材、ケースとしてPPS樹
脂、PET樹脂以外にポリメチルペンテン樹脂、ポリフ
タルアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポ
リサルフォン樹脂、ポリアミドイミド樹脂の熱可塑性樹
脂、あるいは、不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹
脂、ジアリルフタレート樹脂の熱硬化性樹脂、あるいは
セラミックス、アルミニウム、アルミニウム−マグネシ
ウム合金の金属が使用可能である。
【0046】
【発明の効果】以上の説明の通り本発明によれば、遠心
力が加わる装置に装着する端子付き電池の取り付け方
向、及びその方向における取り付け角度を規制すること
により、遠心力により正負極反応に対して電解液が減少
する状態がなくなり、遠心力が加わる状態においても端
子付き電池を正常動作させることができるものである。
【0047】また、150℃付近の高温下でも電池性能
を充分維持できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す基板実装用フッ化黒鉛リ
チウム電池の断面図
【図2】本発明の他の実施例を示す基板実装用フッ化黒
鉛リチウム電池の断面図
【図3】(A)取り付け装置に装着された端子付き電池
を示す断面図 (B)取り付け装置の平面図
【図4】(A)端子付き電池の負極端子部材の形状を例
示した右側面図 (B)端子付き電池の正極端子部材の形状を例示した左
側面図 (C)端子付き電池の平面図
【図5】取り付け装置に装着された他の基板実装用電池
を示す断面図
【図6】従来のフッ化黒鉛リチウム電池の断面図
【符号の説明】
1 封口板 2 負極材料 3 正極材料 4 セパレータ 5 電池ケース 6 ガスケット 7 ケース 8 充填部材 10 基板実装用電池 30 回路基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 2/30 H01M 2/30 Z 4/02 4/02 B Fターム(参考) 5H021 AA02 CC02 EE02 EE21 EE28 HH00 HH03 HH10 5H022 AA09 BB03 BB11 CC02 CC03 CC09 CC12 CC13 EE05 EE06 EE10 5H024 AA02 AA06 AA07 AA12 BB14 BB18 BB19 CC03 CC07 CC09 CC14 DD01 DD04 DD09 DD11 EE05 EE09 FF14 FF20 HH00 HH11 HH13 HH15

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正極端子を兼ねる電池ケースの内部に、金
    属酸化物、ハロゲン化物、硫化物のいずれかを主体とす
    る正極材料と、軽金属あるいはこの合金を主体とする負
    極材料とを、耐熱温度が150℃以上の素材からなるセ
    パレータを介して対向配置し、前記正極材料、前記負極
    材料の間に、溶媒として沸点が170℃以上の有機溶媒
    の単体もしくは混合物を、溶質としてリチウム塩を用い
    た電解液を充填し、耐熱温度が150℃以上にあり、耐
    有機溶剤性を有する絶縁ガスケットを介して、前記電池
    ケースの開口部を、負極端子を兼ねる封口板にて封口構
    成された素電池の正極端子、負極端子の表面に基板取り
    付け用の外部接続端子部材を接合した基板実装用電池。
  2. 【請求項2】前記セパレータの素材がガラス繊維、ポリ
    フェニレンスルフィド樹脂の不織布、セラミック繊維か
    ら選択され、その平均繊維径が3μm以下、目付重量が
    3.0から5.0g/m2 、平均孔径が1.0から5.
    0μmの範囲にあり、前記有機溶媒がガンマブチロラク
    トン、ポリプレンカーボネート、エチレンカーボネー
    ト、ブチレンカーボネートから選択され、絶縁ガスケッ
    トがポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルケト
    ン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリテトラ
    フルオロエチレン樹脂、四フッ化ビニリデン樹脂のフッ
    素樹脂から選択される少なくとも一つを用いた請求項1
    記載の基板実装用電池。
  3. 【請求項3】正極端子を兼ねる電池ケースの内部に、金
    属酸化物、ハロゲン化物、硫化物のいずれかを主体とす
    る正極材料と、軽金属あるいはこの合金を主体とする負
    極材料とを、耐熱温度が150℃以上の素材からなるセ
    パレータを介して対向配置し、前記正極材料、前記負極
    材料の間に、溶媒として沸点が170℃以上の有機溶媒
    の単体、もしくは混合物を、溶質としてリチウム塩を用
    いた電解液を充填し、耐熱温度が150℃以上にあり、
    耐有機溶剤性を有する絶縁ガスケットを介して、前記電
    池ケースの開口部を、負極端子を兼ねる封口板にて封口
    構成された素電池の正極端子、負極端子の表面に基板取
    り付け用の外部接続端子部材を接合した基板実装用電池
    を遠心力が加わる場所に取り付けられた装置に装着する
    基板実装用電池の取り付け方法であって、 前記素電池を厚み方向に二分割した際に、電池ケース内
    部の空隙容積が小となる分割部分に対して遠心力が作用
    する方向に装着すると共に、遠心力方向に対して前記素
    電池の厚み方向が0から60度の角度範囲内に装着する
    ことを特徴とする基板実装用電池の取り付け方法。
  4. 【請求項4】正極端子を兼ねる電池ケースに、金属酸化
    物、ハロゲン化物、硫化物のいずれかを主体とする正極
    材料と、軽金属あるいはこの合金を主体とする負極材料
    とを、耐熱温度が150℃以上の素材からなるセパレー
    タを介して対向配置し、前記正極材料、前記負極材料の
    間に、溶媒として沸点が170℃以上の有機溶媒の単
    体、もしくは混合物を、溶質としてリチウム塩を用いた
    電解液を充填し、耐熱温度が150℃以上にあり、耐有
    機溶剤性を有する絶縁ガスケットを介して、前記電池ケ
    ースの開口部を、負極端子を兼ねる封口板にて封口構成
    された素電池の正極端子、負極端子の表面に基板取り付
    け用の外部接続端子部材を接合した基板実装用電池を遠
    心力が加わる場所に取り付けられた装置に装着する基板
    実装用電池の取り付け方法であって、 前記素電池を厚み方向に二分割した際に、電池ケース内
    部の空隙容積が大となる分割部分に対して遠心力が作用
    する方向に装着すると共に、遠心力方向に対して前記素
    電池の厚み方向が120から180度の角度範囲内に装
    着することを特徴とする基板実装用電池の取り付け方
    法。
  5. 【請求項5】正極端子を兼ねる電池ケースの内部に、金
    属酸化物あるいは、ハロゲン化物、硫化物を主体とする
    正極材料、軽金属あるいはこの合金を負極材料としセパ
    レータを介して対向配置し、前記正極材料、負極材料の
    間に電解液を充填し、前記電池ケースの開口部を、ガス
    ケットを介して負極端子を兼ねる封口板にて封口構成し
    た素電池の正極端子および負極端子の各表面に、基板取
    り付け用の外部接続端子部材を接合するとともに、前記
    外部接続端子部材のリード部が外部へ突出した状態で所
    定形状のケース内に収納され、且つ外部接続端子部材の
    リード部を除いてケース内に充填部材で充填固化された
    基板実装用電池。
  6. 【請求項6】正極端子を兼ねる電池ケース内に金属酸化
    物あるいは、ハロゲン化物、硫化物を主体とする正極材
    料、軽金属あるいはこの合金を負極材料としセパレータ
    を介して対向配置し、正負両極材料の間に電解液を充填
    した素電池の端子表面に基板取り付け用の外部接続端子
    部材を接合するとともに、前記外部接続端子部材のリー
    ド部が外部へ突出した状態で所定形状のケース内に収納
    され、外部接続端子部材のリード部を除いてケース内に
    充填部材で充填固化された基板実装用電池を、遠心力が
    加わる場所に取り付けられた装置に装着する基板実装用
    電池の取り付け方法であって、前記装置に加わる遠心力
    の方向に素電池を厚み方向に二分割した際に、電池ケー
    スの空隙容積が小となる分割部分に対して遠心力が作用
    する方向に装着すると共に、遠心力方向に対して0から
    60度の角度範囲内に装着することを特徴とする基板実
    装用電池の取り付け方法。
  7. 【請求項7】正極端子を兼ねる電池ケース内に金属酸化
    物あるいは、ハロゲン化物、硫化物を主体とする正極材
    料、軽金属あるいはこの合金を負極材料としセパレータ
    を介して対向配置し、正負両極材料の間に電解液を充填
    した素電池の端子表面に基板取り付け用の外部接続端子
    部材を接合するとともに、前記外部接続端子部材のリー
    ド部が外部へ突出した状態で所定形状のケース内に収納
    され、外部接続端子部材のリード部を除いてケース内に
    充填部材で充填固化された基板実装用電池を、遠心力が
    加わる場所に取り付けられた装置に装着する基板実装用
    電池の取り付け方法であって、前記装置に加わる遠心力
    の方向に素電池を厚み方向に二分割した際に、電池ケー
    スの空隙容積が大となる分割部分を遠心力が作用する方
    向に装着するとともに遠心力の方向に対して120から
    180度の角度範囲内に装着することを特徴とする基板
    実装用電池の取り付け方法。
  8. 【請求項8】正極端子を兼ねる電池ケース内に正極材料
    と負極材料とをセパレータを介して対向配置し、正負両
    極材料の間に電解液を充填した素電池の端子表面に外部
    接続端子部材を接合するとともに、前記外部接続端子部
    材のリード部が外部へ突出した状態で所定形状のケース
    内に収納され、外部接続端子部材のリード部を除いてケ
    ース内に充填部材で固定された基板実装用電池であっ
    て、充填部材が合成樹脂、瀝青剤あるいは、これらの混
    合物であり、ケース素材が耐熱性、耐衝撃性に優れる合
    成樹脂素材からなる請求項5記載の基板実装用電池。
  9. 【請求項9】充填部材がエポキシ樹脂、ポリウレタン樹
    脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、アニリン樹脂、尿素
    樹脂の熱硬化性樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリア
    ミド樹脂、ポリエステル樹脂の熱可塑性樹脂、フッ化ピ
    ッチ、ピッチ、アスファルトの瀝青材である請求項8記
    載の基板実装用電池。
  10. 【請求項10】ケースの素材が、ポリフェニレンスルフ
    ィド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメチ
    ルペンテン樹脂、ポリフタルアミド樹脂、ポリブチレン
    テレフタレート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリアミド
    イミド樹脂の熱可塑性樹脂、あるいは、不飽和ポリエス
    テル樹脂、アルキッド樹脂、ジアリルフタレート樹脂の
    熱硬化性樹脂、あるいはセラミックス、アルミニウム、
    アルミニウム−マグネシウム合金の金属である請求項8
    記載の基板実装用電池。
  11. 【請求項11】正極端子を兼ねる電池ケース内に金属酸
    化物あるいは、ハロゲン化物、硫化物を主体とする正極
    材料、軽金属あるいはこの合金を負極材料とし、耐熱温
    度が150℃以上の素材からなるセパレータを介して対
    向配置し、正負両極材料の間に沸点が170℃以上の有
    機溶媒を単体、もしくは混合物に、溶質としてリチウム
    塩を溶解させた電解液を充填し正極端子と負極端子の間
    に介在する絶縁ガスケットとして耐熱温度が150℃以
    上の耐有機溶剤性の素材を用いて封口構成された素電池
    の端子表面に基板取り付け用の外部接続端子部材を接合
    した基板実装用電池を、遠心力が加わる場所に取り付け
    られた装置に装着する基板実装用電池の取り付け装置で
    あって、前記装置に加わる遠心力の方向に対し所定角度
    範囲内に正負極材料が向くように素電池の外部端子外形
    形状が正極側と負極側とで異なるいずれか一方極側の形
    状にのみ嵌合する取り付け構造により装着方向を規制し
    て装着するように構成されたことを特徴とする基板実装
    用電池の取り付け装置。
  12. 【請求項12】正極端子を兼ねる電池ケース内に正極材
    料と負極材料とをセパレータを介して対向配置し、正負
    両極材料の間に電解液を充填した素電池の端子表面に外
    部接続端子部材を接合するとともに、前記外部接続端子
    部材のリード部が外部へ突出した状態で所定形状のケー
    ス内に収納され、外部接続端子部材のリード部を除いて
    ケース内に充填部材で固定された基板実装用電池を、遠
    心力が加わる場所に取り付けられた装置に装着する基板
    実装用電池の取り付け装置であって、前記装置に加わる
    遠心力の方向に対し所定角度範囲内に正負極材料が向く
    ように素電池の外部端子外形形状が正極側と負極側とで
    異なるいずれか一方の極側の形状にのみ嵌合する取り付
    け構造により装着方向を規制して装着するように構成さ
    れたことを特徴とする基板実装用電池の取り付け装置。
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