JP4281427B2 - 電気化学素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リフロー法による表面実装が可能で有り、有機電解液を用いた電気化学素子に関し、特に高温環境下での長期保存時に高い信頼性を発揮する電気化学素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一次及び二次電池、キャパシタといった電気化学素子は、一対の電極がセパレータを介して対向配置された素子ユニットを構成しており、素子ユニットをハウジング部材に収容している。そして、ハウジング部材は電極端子を兼ねる正負極の各ケース、及びこれらケースの間に介在し、両者を電気的に絶縁するガスケットから構成されている。
【0003】
電気化学素子は、特に偏平形状のハウジング部材を用いたコイン形状の電気化学素子は、時計の駆動用電源や各種メモリー機能のバックアップ電源を主用途としている。これらの用途では、放電のみが可能な一次電池が大多数であったが、環境意識の高まりから充放電が可能な二次電池やキャパシタを採用する機器が急増しており、連続充電された状態で使用される。また、機器に使用される各部品素子の高密度実装、素子の小型化に対応し、小型化された電気化学素子を確実に基板へ実装する必要が生じている。このため、リフロー法による自動ハンダ実装を採用し、電気化学素子を基板上へ表面実装する方法が主流となっている。
【0004】
近年、環境面における種々の課題から製品に使用されるハンダは、鉛フリー化を大きな潮流としており、この流れのなかで鉛フリーハンダに対応した部品の開発は不可欠である。一般的な表面実装では、生産性の観点から、ハンダおよび接続リード端子を取りつけた電気化学素子を基板上に載置した状態とし、リフロー炉内を通過させる方法(リフロー法)が採用されている。
【0005】
従来の錫―鉛含有共晶ハンダ(融点:186℃程度)では、端子温度が210℃〜240℃になるように設定し、ハンダを溶融させてリード端子と基板とを接続していた。鉛フリーハンダは、従来のハンダに比べて高融点になっており、主流である錫―銀―銅系(融点:220℃程度)では、端子の温度を240〜260℃に高めて、ハンダを溶融させる必要がある。よって、鉛フリーハンダを使用するリフロー法では、従来のリフロー法に比較してリフロー炉内で一層の高温環境下に曝されることになる。このような現況に鑑み、電気化学素子を含めた表面実装部品は、耐熱性の向上と高信頼性の維持が要求されており、鉛フリーハンダでのリフローに対応可能な部品の開発が急務とされている。
【0006】
電気化学素子のケースは、素子ユニットの正負極の何れか一方の電極を兼ねており、各ケースを絶縁し、且つ内蔵する素子ユニットを液密に収容するために樹脂製ガスケットを配している。このガスケットは、素子ユニットと同様に高温環境下の熱影響を受けやすい。特にガスケットは、ケースの嵌合部分において外面に露出しており、リフロー炉内の高温環境下に直接晒され、最も熱による影響を部位となり、機能の低下、すなわちガスケット部分における液密性、気密性の低下を招き、電気化学素子としての信頼性を大きく損ねる虞がある。そこで、リフロー行程の高温環境下での熱影響を排除し、ガスケットの耐熱性を向上させる種々の提案がなされている。
【0007】
特許文献1はガスケット材として耐熱樹脂であるポリフェニレンサルファイドを適用することを提案しており、リフロー工程後においてもガスケット特性の悪化を呈さないことを開示している。同時に、この特許文献1は、高温環境下であってもガスケットの形状を安定化させるために、ガラス繊維等のフイラーを添加してもよいことが開示されている。
【0008】
特許文献2は、ガスケットの耐熱樹脂であるポリフェニレンサルファイドやポリエーテルエーテルケトンに、チタン酸カリウム繊維を添加することが開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−40525号公報
【特許文献2】
特開2002−75302号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1、2等に開示された耐熱性を有するガスケットは、リフロー法による実装を前提とした電池に適用され、実用化されている。この種の電気化学素子では、リフロー法により表面実装した場合に、ガスケットの耐熱性向上により、リフロー炉の通過による直接的な漏液、すなわちガスケットの変形に起因する漏液等の発生は認められない。前記の耐熱性向上は、ガラスやチタン酸カリウムを添加することで、高温環境下でも樹脂の形状を保持し、熱による軟化、及び変形を生じ難くすること作用によるものである。
【0011】
一方、電気化学素子が実装された製品や基板を使用、あるいは放置した場合、電気化学素子に電気的特性の悪化が認められる。前記の特性悪化は、リフロー工程の直後に発生するものでなく、経時により発生が認められ、かつその発生頻度、程度も長期間になるほど高まるものである。このため、製造工程内において不具合の発生を検出することが非常に困難である。さらに、機器や基板に装着された状態で電気的特性の悪化を生じ、電気化学素子としての機能を果たさない虞もあることから、機器の信頼性までも損ねてしまう。
【0012】
本発明は、上記従来の電気化学素子に認められた問題点を解決するものであり、リフロー法等の高温環境下に晒した状態で表面実装を実施する電気化学素子において、ガスケットの変形等に起因する漏液の発生を防止すると共に、信頼性を向上させることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者らは、リフロー工程における電気化学素子への熱的な影響を解析し、更に長期保存後に電気的特性の悪化を呈した電気化学素子の状態を検証し、長期信頼性の向上と耐熱性の向上を両立するガスケットを鋭意検討した。そして、これら検討による知見に基づき、本発明は至ったものである。
【0014】
本発明の電気化学素子は、有機電解液を含む発電要素を、正負極ケースがガスケットを介して絶縁されるハウジング部材に収容した構造を有してなり、前記ガスケットが、ポリエーテルエーテルケトンと、充填材として繊維径0.5〜1.0μm、繊維長10〜30μmの繊維状であるホウ酸アルミニウムを5〜40質量%含む樹脂組成物であること特徴とする。そして、この電気化学素子は、耐漏液性能とリフロー工程後においても高い信頼性を有しており、電気的特性の悪化も招かないものである。
【0015】
上記の検討において、本発明者らはガスケットの充填材であるガラスやチタン酸カリウムに着目して、漏液の発生作用を検証した。この検証で、充填材に含まれるカリウムやナトリウムが漏液の発生に影響を与えていることを見いだした。これらカリウムやナトリウムは、リフロー通過後に電解液中へアルカリ金属イオンとして溶出し、イオンの状態で電極材料との反応を生じることで、電気化学素子の容量低下を発生している。さらに、副反応として電解液の分解も生じさせ、電気化学素子の内部抵抗の上昇も招いてしまう。よって、電気化学素子は、電極材料と溶出したアルカリ金属イオンとの反応、および前記反応の副反応により、長期信頼性を著しく損ねており、電解液中へのアルカリ金属イオンの溶出を制限することで、容量低下および内部抵抗の上昇を抑制できるものである。
【0016】
特に、メモリのバックアップ、あるいは補助電源としての用途に供される電気化学素子では、通常は充電状態とされ、連続充電された状態にて使用されることから、電解液中に溶出したアルカリ金属イオンは、電気化学素子の極板表面上に析出してしまうことから、電極材料との反応を助長し、容量の低下率が大きくなる可能性を有している。
【0017】
しかしながら、本発明のガスケットにおいて、充填材として使用したホウ酸アルミニウムは、電解液中へのアルカリ金属イオンの溶出を生じないことから、長期の保存後においても内部抵抗の上昇、容量の低下を発生しないものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。
【0019】
本願の請求項1に記載の発明は、有機電解液を含む発電要素を、正負極ケースがガスケットを介して絶縁されるハウジング部材に収容した構造を有してなり、前記ガスケットが、ポリエーテルエーテルケトンと、充填材として繊維径0.5〜1.0μm、繊維長10〜30μmの繊維状であるホウ酸アルミニウムを5〜40質量%含む樹脂組成物であることを特徴とする。
【0020】
ホウ酸アルミニウムは、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムをはじめとするアルミニウムの無機物や、アルコキシド等の有機物のアルミニウム源と、ホウ素無機化合物(酸化ホウ素などの酸化物)のホウ素源を高温で熱処理することで得られ、電気化学素子へ悪影響を及ぼすアルカリ金属化合物をほとんど含んでいない。また、ホウ酸アルミニウムは耐薬品性に優れており、リフロー等の高温雰囲気下に晒された場合でも、有機電解液に対して安定に存在する。本実施形態に係る電気化学素子は、ホウ酸アルミウムを充填材とすることで、リフロー通過時の優れた耐漏液性能と、電気的特性の維持安定性を実現することができる。
【0021】
本実施形態における電気化学素子の代表例は、コイン形状のハウジング部材に素子ユニットを収容した有機電解液電池やキャパシタであり、図1に示すような形状、構成を有する。また、素子ユニットは、正負極がセパレータを介して対向配置されたものであり、キャパシタ、有機電解液電池等の適用用途に応じて正負極の材料を選択可能である。
【0022】
正極としては、3V程度の電位を有する電極材料が好適に使用され、リチウム含有マンガン複合酸化物、二酸化マンガン、五酸化バナジウム、五酸化ニオブ、三酸化モリブデン、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、コバルトニッケル複合リチウム化合物などの遷移金属、金属カルコゲン化合物、弗化黒鉛、弗化マンガンなどの弗化物、活性炭、ポリアセンなどの有機化合物の少なくとも1種を使用できる。一方、負極としては、金属リチウム、リチウムアルミニウム合金、リチウム珪素合金、リチウム錫合金などのリチウム合金、リチウムを吸蔵放出可能なSiO2、SnOを含む酸化物ガラス、リチウムチタン酸化物、二酸化タングステン、ポリアセン、カーボン、活性炭を含む炭素材料の少なくとも1種を使用できる。
【0023】
また、発明は、ホウ酸アルミニウムとして繊維状のものを使用しており、形状が繊維径0.5〜1.0μm、繊維長10〜30μmの範囲にあることを特徴とする。前記の繊維状ホウ酸アルミニウムは、繊維径が非常に小さく、繊維長も短いことから、ベースとなる260℃以上の融点を有する耐熱樹脂の高分子マトリックに均一に取りこまれやすく、複合樹脂の耐熱性と機械強度を向上させることが可能である。
【0024】
さらに、発明は、ホウ酸アルミニウムが樹脂組成物全体中に占める割合を5〜40質量%とすることに特徴を有し、より好ましく前記範囲をより好ましくは10〜30%とする。ホウ酸アルミニウムの割合が5質量%を下回った場合、ホウ酸アルミニウムの補強効果自身はあまり変わらないが、ガスケットの寸法精度の低下や成型時にバリが発生し、ガスケット自身の性能低下を来してしまう。また、40質量%を上回る場合、ガスケットの伸びが低下し、機械的強度が上昇することから、ガスケットを所定の寸法まで圧縮することができず、生産性の悪化、および封口性能の悪化も招いてしまう。この状態では、液漏れには至らないが、電解液の蒸発や水分の浸入により信頼性を若干低下させてしまう。さらに、封口時にガスケットクラックが発生する虞もあり、漏液発生の要因となりうる。
【0025】
一方、発明は、ガスケットの樹脂材料が、リエーテルエーテルケトン(PEEK)あることを特徴とする。
【0026】
リフロー炉の温度条件は、鉛を含有するハンダの場合のピーク最高温度が230℃〜240℃で、鉛フリーハンダでの場合にはピーク最高温度が250℃〜260℃である。上記条件に耐えうる樹脂材料としては、少なくとも260℃以上の融点を有する耐熱樹脂であり、より好ましくは280℃以上の耐熱樹脂である。本実施形態における耐熱性樹脂は、鉛フリーハンダを用いたリフロー工程でも適用可能な材料が好適である。ポリエーテルエーテルケトンの融点は334℃である。
【0027】
請求項に記載の発明は、前記有機電解液の溶媒がスルホラン、テトラグライムの少なくとも一種類を含むことを特徴とする。上述のようにリフロー炉のピーク最高温度が250℃〜260℃までなり、電気化学素子の内部の温度はリフロー炉内部の温度まで上昇しないとはいえ、ほぼ同等の温度に到達する可能性がある。素子内部では内圧が上昇する為、有機電解液の沸点は上昇することから、沸点が200℃程度にあるガンマブチルラクトン(GBL)、同240℃程度のプロピレンカーボネート(PC)でも溶媒として可能である。より好ましくは、高沸点溶媒であるスルホラン(沸点287℃)、テトラグライム(沸点275℃)は高温での安定性に優れており、リフロー後の電気化学素子の高信頼性を確立することができる。
【0028】
以上の構成とすることで、リフロー実装時の耐漏液性および長期信頼性において優れた特性を有する電気化学素子を提供できる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の好ましい実施例について説明する。本実施例では、電気化学素子としてコイン形状のハウジング部材に素子ユニットを収納した有機電解液電池(以下、コイン型有機電解液電池)について説明するが、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0030】
(実施例1)
次に、本発明の電気化学素子について、実施例に基づいて具体的に説明する。尚、以下の実施例では、電気化学阻止がコイン型の有機電解液電池である場合について説明するがこれは本発明の一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0031】
図1は、本発明の実施例及び比較例で作製した厚さ1.4mm 、直径4.8mmのコイン型有機電解液電池の断面図である。図1において、発電要素を収容するコイン型の電池容器は、耐食性に優れたステンレス鋼からなる正極缶1と、同様にステンレス鋼の負極缶2、及び正極缶1と負極缶2とを絶縁する機能に加え、物理的に発電要素を液蜜的に電池容器内に密閉するための機能を有している。
【0032】
正極缶1と負極缶2との間に介在されるガスケット3には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)に充填材として0.5〜1.0μm の繊維径と10〜30μmの繊維長のホウ酸アルミニウムを20%と充填した樹脂を使用した。このガスケット3と正極缶1及び負極缶2とガスケット3との間にブチルゴムをトルエンで希釈した溶液を塗布し、トルエンを蒸発させることによりブチルゴム膜からなるシーラント8とした。
【0033】
正極4は、活物質であるマンガン酸リチウムに導電剤としてカーボンブラック及び結着剤としてフッ素樹脂粉末を混合し、直径2mm、厚さ0.9mmのペレット状に成型した後、250°C中で12時間乾燥したものである。得られたペレット状の正極材料は、正極缶1の内面にカーボン塗料を塗布することで形成された正極集電体7に接触するようにしてある。一方、負極5は、アルミニウムを直径2.5mm、厚さ0.2mmの円盤状に打ち抜き、負極缶2の内側にリチウム金属のシートをこのアルミニウム表面に圧着してある。電池組み立て時に、電解液を注入することによりリチウムとアルミニウムがショートした状態になり、電気化学的にリチウムがアルミニウム金属中に吸蔵される。この反応により得られたリチウムアルミニウム合金を負極5とした。また、正極4と負極5との間に配されるセパレータ6には、ポリフェニレンサルファイド(PPS)を使用した。さらに電解液には、リチウム塩を溶質としてスルホランを用いた。電池容器に添付される体積で3μlが充填されている。このようにして得られた電池を、本実施例1に係る電池Aとした。
【0034】
ガスケット3にポリフェニレンサルファイド(PPS)に上記ホウ酸アルミニウムを同量充填したものを使用した。他の構成は実施例1における電池Aと同一の構成とした電池Bを作製した。ガスケット3に液晶ポリマー(LCP)に上記ホウ酸アルミニウムを同量充填したものを使用した。他の構成は実施例1における電池Aと同一の構成とした電池Cを作製した。ガスケット3にぺルフルオロアルコキシルアルカンポリマー(PFA)に上記ホウ酸アルミニウムを同量充填したものを使用した。他の構成は実施例1における電池Aと同一の構成とした電池Dを作製した。さらにまた、有機電解液の溶媒をスルホランからテトラグライムに変更した以外は電池Aと同一の構成とした電池Eを作製した。
【0035】
(比較例)
比較例として、ガスケット3に充填材として0.3〜0.6μm の繊維径と10〜20μmの平均繊維長のチタン酸カリウムを20%と充填したPPS樹脂を使用した。他の構成は実施例1における電池Aと同一の構成とした電池Fを作製した。
【0036】
ガスケット3に充填材として10μm の平均繊維径と260μmの平均繊維長のガラス繊維を20%と充填したPPS樹脂を使用した。他の構成は実施例1における電池Aと同一の構成とした電池Gを作製した。
【0037】
得られた実施例1〜4の電池A、B、C、Dと比較例1、2の電池E、Fについて、高周波加熱式リフロー炉中を通過させ、耐高温環境特性試験を行った。各電池が通過するリフロー炉内部の温度プロファイルは以下の通りである。この温度プロファイルにおいて、各温度はリフロー炉内部の温度であり、各電池が晒される環境温度である。
【0038】
余熱行程:180℃にて2分間、加熱行程:180℃、250℃、180℃にて各々30秒間、冷却工程:リフロー炉通過後、室温に至るまで自然冷却、とする。
【0039】
上記のリフロー工程を2回通過させた後、漏液の発生状況について検査を行った。その後、バックアップ用電源に求められる最も重要な性能である連続充電特性について、60℃ 雰囲気下 3.1Vの電圧を約100日間連続印加した時のナ内部抵抗変化と容量維持率を調べた。容量維持率は初期の3.1V充電後の放電容量を100として算出した。(表1)にリフロー炉通過後の漏液の発生状況と連続充電特性の結果を示す。
【0040】
【表1】
Figure 0004281427
【0041】
実施例の電池A〜D及び比較電池E,Fはリフロー通過後に漏液しておらず、充填材の影響はみられない。リフロー後の連続充電特性の結果から、ホウ酸アルミニウムを含む電池A〜Eについては容量維持率が90%以上であるのに対して、ガラスを充填材とする比較電池及びチタン酸カリウムを充填材とする比較電池では容量維持率が60%以下に低下しており、劣化率が大きくなった。ガラスやチタン酸カリウムからナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属物がリフロー通過中または連続充電時に有機電解液中に溶解して、負極のリチウムアルミニウムと反応して、電池反応に必要なリチウムを消費してしまったのが原因である。
【0042】
ホウ酸アルミニウムについては溶媒種に関わらず非常に安定であり、ガスケットの充填材として優れた性能を示す。
【0043】
(実施例2)
充填材であるホウ酸アルミニウムの充填量を0〜50%の範囲で充填したPEEK樹脂からなるガスケットを用いて電池A、H〜Mを作製し、実施例1と同様にリフロー炉を通過させて漏液性能について調べた。この結果を(表2)に示す。尚、本実施例におけるホウ酸アルミニウムの充填量は、下記表の通りである。
【0044】
【表2】
Figure 0004281427
【0045】
ホウ酸アルミニウムをまったく含有していないPEEKでは、リフロー通過後に漏液が発生している。これは、ガスケット自身の耐熱性が低い為である。また、本実施例の場合には充填量が3%の電池Iでは、充填による効果が確実に発揮されておらず、10個の漏液の発生を認めた。
【0046】
ホウ酸アルミニウムの充填量が5〜45%までの範囲までは漏液は見られず、ホウ酸アルミニウムの充填によるガスケットの耐熱性向上によるものである。このとき、ホウ酸アルミニウムの充填量が40質量%を超えると、ガスケットの強度が上昇し、封口時に精度の悪化を招いている。このため、本実施例では精度面で問題の無い電池が作成の完成を確認した後、本実施例に供している。さらに50質量%の電池では、リフロー後においても3個の漏液を生じている。これは伸びが非常に小さい為にカシメ封口時にガスケットに微細なクラックが入っており、このクラックを通じて漏液が発生したと推察できる。よって、ガスケットの成型安定性及び、カシメ封口時におけるガスケットのクラック及びリフロー通過時の熱安定性からホウ酸アルミニウムの充填量は5〜40%が好ましい。
【0047】
ガスケットの成型安定性及び、カシメ封口時のガスケットのクラック及びリフロー通過時の熱安定性からホウ酸アルミニウムの充填量は5〜40%が好ましい。
【0048】
尚、本発明の実施例は、充電式のマンガンリチウム二次電池の場合を例に述べたが、例えば、二次電池については正極に五酸化ニオブ、三酸化モリブデン、負極にリチウムアルミ合金、一酸化ケイ素、チタン酸リチウム等を用いた、有機電解液ニ次電池、有機電解液一次電池などの電池システム、または活性炭を用いた電気二重層キャパシタやポリアセンを用いたキャパシタなどの電気化学素子に適用してもマンガンリチウム二次電池と同様に優れた性能を得られるものである。
【0049】
【発明の効果】
本発明は、充填材としてホウ酸アルミニウムを用いることでガスケットの耐熱性を高め、リフロー後の耐漏液性能および信頼性に優れた電気化学素子を提供できる。さらに、昨今の環境対応で主流となっている鉛フリーハンダを用いたリフロー法でも実装が可能となり、その工業的価値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコイン形状を有する電気化学素子の断面図
【符号の説明】
1 正極缶
2 封口板
3 ガスケット
4 正極
5 負極
6 セパレータ
7 正極集電体

Claims (2)

  1. 有機電解液を含む発電要素を、正負極ケースがガスケットを介して絶縁されるハウジング部材に収容した電気化学素子であって、前記ガスケットが、ポリエーテルエーテルケトンと、充填材として繊維径0.5〜1.0μm、繊維長10〜30μmの繊維状であるホウ酸アルミニウムを5〜40質量%含む樹脂組成物であることを特徴とする電気化学素子。
  2. 有機電解液を構成する溶媒が、スルホラン、テトラグライムの少なくとも何れか一方を含む請求項1記載の電気化学素子。
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