JP2000105458A - 感光性樹脂組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物及びそれを用いたパターン形成方法

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JP2000105458A
JP2000105458A JP10275199A JP27519998A JP2000105458A JP 2000105458 A JP2000105458 A JP 2000105458A JP 10275199 A JP10275199 A JP 10275199A JP 27519998 A JP27519998 A JP 27519998A JP 2000105458 A JP2000105458 A JP 2000105458A
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resin composition
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photosensitive resin
cyclopentadienyl
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JP10275199A
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Tadahiro Furukawa
忠宏 古川
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Kyodo Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の感光性ポリイミドは、安定性および感
光性の面で充分なものとは言えなかった。 【解決手段】 ジアミンおよび芳香族テトラカルボン酸
二無水物の重合反応で得られたポリイミド前駆体と、下
記の一般式(1)で表されるメタロセン錯体とを含有す
ることを特徴とする。 【化1】 (式中、aは1または2の数であり、nとqは互いに独
立して1〜3の整数であり、Mは周期律表の1B族、4
A族〜7A族または8族の1価〜3価の金属カチオンで
あり、mはL+qの原子価に対応する整数であり、Qは
ハロゲン原子であり、Lは2価〜7価の金属または非金
属であり、R1はπ−アレーンであり、R2はπ−アレー
ンまたはπ−アレーンのアニオンである。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安定性および感光
性に優れた感光性樹脂組成物、及びそれを用いたパター
ン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子製造におけるパターン形成、
あるいは液晶ディスプレイや撮像素子などに用いられる
カラーフィルタの製造において、安定性および感光性に
優れた感光性樹脂の必要性が著しく高まってきている。
また、製造工程、及び使用時にかかる熱に対しても耐性
が要求される。
【0003】感光性樹脂としては、従来から数多くのも
のが提案され、実用化されているが、近年、フォトレジ
ストを使用せずにパターン化が可能であり、硬化後には
物理的、化学的に安定で耐熱性に優れた層を形成できる
等の利点をもつ、感光性ポリイミド樹脂が注目されてい
る。
【0004】感光性ポリイミド樹脂には、ポリイミドの
前駆体である可溶性ポリアミック酸に感光基を導入した
ものと、可溶化ポリイミドに直接感光基を導入したもの
とがあるが、いずれも光硬化型、すなわちネガ型の特性
をもつものが多い。またポリイミド前駆体に、o−ニト
ロベンジル基を導入した、ポジ型感光性ポリイミド樹脂
も報告されている。
【0005】また他のポジ型感光性樹脂として、アクリ
ル系、フェノール系、ポリエステル系およびポリウレン
タン系の樹脂に、特定の金属錯体を配合したものが提案
されている(特開平10−153863号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のような感光性ポ
リイミドは、ポリイミド樹脂前駆体に感光基を導入した
構造を有しており、ネガ型の場合には光の照射を受けた
部分が不溶となり、ポジ型の場合には可溶となること
で、フォトレジストを使用せずにパターン化が可能であ
るというメリットをもつ。しかしながら、従来から知ら
れている感光性ポリイミドは、安定性および感光性の面
で充分なものとは言えず、この点での改良が強く望まれ
ている。
【0007】本発明は、このような要望に応じてなされ
たもので、安定性および感光性に優れた感光性ポリイミ
ド樹脂組成物を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の感光性樹脂組成
物は、基本的には、ポリイミド前駆体とメタロセン錯体
とからなる。
【0009】すなわち本発明は、一般にポリイミド前駆
体と称されている物質に、メタロセン錯体をを添加する
ことにより構成された感光性樹脂組成物である。
【0010】本発明の感光性樹脂組成物に使用されるメ
タロセン錯体は、下記一般式(1)で表される化合物で
ある。
【0011】
【化2】 (式中、aは1または2の数であり、nとqは互いに独
立して1〜3の整数であり、Mは周期律表の1B族、4
A族〜7A族または8族の1価〜3価の金属カチオンで
あり、mはL+qの原子価に対応する整数であり、Qは
ハロゲン原子であり、Lは2価〜7価の金属または非金
属であり、R1はπ−アレーンであり、R2はπ−アレー
ンまたはπ−アレーンのアニオンである。) 特に(η6−ベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)
鉄(II)、(η6−トルエン)(η5−シクロペンタジエ
ニル)鉄(II)、(η6−クメン)(η5−シクロペンタ
ジエニル)鉄(II)、(η6一イソプロピルベンゼン)
(η5一シクロペンタジエニル)鉄(II)、または(η6
−ナフタレン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(I
I)のヘキサフルオロリン酸塩、ヘキサフルオロアンチ
モネート塩、またはテトラフルオロボレート塩の等のフ
ェロセン系の化合物が好ましい。メタロセン錯体は、必
要に応じて1種または2種以上を任意の組合わせで使用
することができる。
【0012】そして本発明の一つの特徴は、従来のネガ
型の感光性ポリイミド樹脂とは異なり、ポジ型の感光性
を有しているということである。ポジ型の感光性樹脂
は、現像時の膜減りが少ない、寸法安定性が高い、とい
った点で、細密なパターンの形成に適している。また、
感光性基を分子中に導入する場合と異なり、メタロセン
錯体をポリイミド前駆体に添加するだけなので、ポリイ
ミドの分子構造に対する選択肢が広く、例えば、市販の
非感光性ポリイミド前駆体に対しても容易に感光性を付
与することができるという利点がある。
【0013】本発明の感光性樹脂組成物は、ポリイミド
樹脂によるパターン形成に広く応用することが可能であ
り、たとえばカラーLCDのカラーフィルタに適用でき
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の感光性樹脂組成物は、ポ
リイミド前駆体と、これに適当な割合で添加されたメタ
ロセン錯体とからなる。実際の使用に際しては、ポリイ
ミド前駆体溶液に所定量のメタロセン錯体を添加して感
光ワニスとし、これを任意の基体の表面に塗布、乾燥し
て感光膜を形成する。この感光膜は、任意のパターンの
マスクを介して光線を照射したときに、光の照射を受け
なかった部分(未露光部)はメタロセン錯体の効果によ
り溶解度が低下するが、照射された部分(露光部)はメ
タロセン錯体が光によって分解し、その効果がなくなる
ので、溶解度は低下しない。露光後、加熱により部分イ
ミド化を行い、溶解度を調整した後、アルカリ水溶液か
らなる現像液で現像すると、溶解度の差により露光部が
溶解、除去されることにより、マスクのパターンに対応
するパターンが形成される。
【0015】本発明の感光性樹脂組成物において、露光
によってどのような反応が起こるかについては未だ理論
的な解明はなされていないが、未露光部ではポリイミド
前駆体のカルボキシル基にメタロセン錯体が配位するこ
とによりポリイミド前駆体の溶解度が低下するのに対し
て、露光部ではメタロセン錯体が分解し、配位せずに溶
解度の低下が起こらず、可溶性を維持することによるも
のと推測される。
【0016】本発明において、ポリイミド前駆体として
は、この分野でよく知られているように、ジアミンと芳
香族テトラカルボン酸二無水物とを反応させることによ
り生成される、一般にポリイミド前駆体と称されている
物質であれば、実質的にすべてのものを使用することが
でき、これらは下記の一般式(2)
【0017】
【化3】 (Arは四価の有機基、R2は二価の有機基である。)
で表される。
【0018】ジアミンとしては、下記の一般式(3)
【0019】
【化4】 (R2は二価の有機基である)で表される芳香族ジアミ
ン、脂肪族ジアミンおよび脂環族ジアミンが含まれ、と
くに好適なものは、たとえばメタフェニレンジアミン、
パラフェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニ
ルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、
2,2'−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、3,
3'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノ
ジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルス
ルフィド、ベンジジン、ベンジジン−3,3'−ジカル
ボン酸、ベンジジン−3,3'−ジスルホン酸、ベンジ
ジン−3−モノカルボン酸、ベンジジン−3−モノスル
ホン酸、3,3'−ジメトキシーベンジジン、パラービ
ス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、メタ−ビス(4
−アミノフェノキシ)ベンゼン、メタキシリレンジアミ
ン、パラキシリレンジアミン等の芳香族ジアミンであ
り、中でも4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、
3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジア
ミノジフェニルスルホンが好適に使用される。
【0020】また本発明の感光性樹脂組成物をガラス基
体の表面に塗布する場合には、ジアミンとして、分子内
に珪素を含有するものを数%程度使用すると、ガラス基
体表面に対する密着性が増大するので好ましい。このよ
うな珪素含有ジアミンの例としては、
【0021】
【化5】 等が挙げられる。
【0022】本発明において、上記のジアミンと重合反
応させる芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、下
記の一般式(5)
【0023】
【化6】 (Arは四価の有機基である)で表されるものを使用す
ることができる。具体的には、ピロメリット酸二無水
物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,3,3',4'ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラ
カルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテト
ラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物、2,2'−ビス(3,4−シ
カルボキシフェニル)プロパン二無水物、ピス(3,4
−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,4,
9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
2−2'−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)ブロ
パン二無水物、1,1’−ビス(2,3−ジカルボキシ
フェニル)エタン二無水物、ベンゼン−1,2,3,4
−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アント
ラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フ
ェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられ、
中でも、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',
4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が適し
ている。
【0024】ジアミンの芳香族テトラカルボン酸二無水
物との重合反応は、従来公知の方法にしたがって行うこ
とができる。たとえば、有機溶媒の存在下、窒素ガス気
流中で、温度を60℃以下、好ましくは30℃以下に制
御しながら反応させる。
【0025】有機溶媒としては、たととえばN−メチル
−2−ビロリドン、N,N'−ジメチルアセトアミド、
N,N'ジメチルホルムアミド、N,N'ジメチルスルホ
キシド、ヘキサメチルホスホルアミドなどの高極性塩基
性溶媒が用いられる。この種の溶媒はいずれも吸湿性が
大きく、吸湿された水は重合時の分子量の低下、貯蔵安
定性の低下の原因となるので、使用に先だって脱水剤で
充分に脱水しておくことが望ましい。もし必要であれ
ば、これらの溶媒とともに、トルエン、キシレン、ベン
ゾニトリル、ベンゼン、フェノール等の有機溶媒を併用
することもできる。
【0026】このようにして得られたポリイミド前駆体
は、前述の一般式(1)に示されたように、ジアミンが
アミド結合を介して芳香族テトラカルボン酸二無水物へ
付加した結合単位がランダムに結合した構造を有してい
る。
【0027】このようなポリイミド前駆体に添加される
メタロセン錯体は、前述の一般式(1)で表される化合
物である。
【0028】一般式(1)において、R1およびR2のπ
−アレーンとしては、特に炭素原子数が6〜24の芳香
族基、または炭素原子数が3〜30のヘテロ芳香族基が
挙げられ、それらの基は置換されていなくても良く、あ
るいは同一もしくは異なる1価の基、たとえばハロゲン
原子、C1〜C8アルキル基、C1〜C8アルコキシ基、シ
アノ基、C1〜C8アルキルチオ基、C2〜C6モノカルボ
ン酸エステル基、フェニル基、C2〜C6アルカノイル基
またはベンゾイル基によって単置換または多置換されう
る。これらのπ−アレーン基は、単環でも縮合多環で
も、あるいは非縮合多環でも良く、非縮合多環の場合に
は、芳香環は直接結合していてもあるいは−S−または
−O−のような架橋基を介して結合していても良い。
【0029】R1−あるいはR2のπ−アレーンとして特
に好ましいものは、ベンゼンから誘導される単環式π−
アレーンである。π−アレーンアニオンとしてのR
2は、前述のようなπ−アレーンのアニオン、たとえば
インデニルアニオン、および特にシクロペンタジエニル
アニオンであり、これらのアニオンも置換されていなく
ても良く、または同一もしくは異なる1価の基、たとえ
ばC1〜C8アルキル基、C 2〜C6モノカルボン酸エステ
ル基、シアノ基、C2〜C5アルカノイル基、またはベン
ゾイル基によって単置換または多置換されうる。
【0030】前記アルキル、アルコキシ、アルキルチ
オ、モノカルボン酸アルキルエステル、およびアルカノ
イルの各置換基は、直鎖または分岐鎖でありうる。代表
的なアルキル、アルコキシ、モノカルボン酸アルキルエ
ステル、およびアルカノイルの各置換基は、それぞれメ
チル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチ
ル、n−ヘキシル、およびn−オクチル;メトキシ、エ
トキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−プトキ
シ、n−ヘキシルオキシ、およびn−オクチルオキシ;
メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソブロ
ピルチオ、n−プチルチオ、n−ベンチルチオ、および
n−ヘキシルチオ;カルボン酸メチルエステル、カルボ
ン酸エチルエステル、カルボン酸n−プロピルエステ
ル、カルボン酸イソプロピルエステル、カルボン酸n−
ブチルエステル、およびカルボン酸n−ペンチルエステ
ル;並びにアセチル、プロピオニル、ブチリル、および
パレロイルである。前記アルキル、アルコキシ、アルキ
ルチオ、およびモノカルボン酸アルキルエステルの各基
は、1〜4特に1または2個の炭素原子をそのアルキル
部分中に有するのが好ましく、前記アルカノイル基は、
2または3個の炭素原子を有するのが好ましい。R 1
ベンゼン環から誘導された置換基を有するπ−アレーン
の場合、R2は前記置換基、特に塩素または臭素原子、
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、メトキ
シ、エトキシ、シアノ、カルボン酸メチルエステルまた
はエチルエステル、およびアセチルの各基の1個または
2個を含むのが好ましい。
【0031】一般式(1)において、R1およびR2は、
同一または異なるπ−アレーン類である。適当なヘテロ
芳香族π−アレーンは、S、Nおよび/またはO原子を
含むシステムである。Sおよび/またはO原子を含むヘ
テロ芳香族π−アレーンが好ましい。
【0032】適当なπ−アレーンの例は、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン類、エチルベンゼン、メトキシベンゼ
ン、エトキシベンゼン、ジメトキシベンゼン、P−クロ
ロトルエン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジクロ
ロベンゼン、アセチルベンゼン、トリメチルベンゼン、
トリメトキシベンゼン、ナフタレン、1,2−ジヒドロ
ナフタレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレ
ン、メチルナフタレン類、ブロモナフタレン類、ビフェ
ニル、インデン、ピフェニレン、フルオレン、フェナン
トレン、アントラセン、9,10−ジヒドロアントラセ
ン、トリフェニレン、ビレン、ナフタセン、チオフェ
ン、キサンテン、チオキサンテン、ベンゾチオフェン、
ナフトチオフェン、チアントレン、ジフェニレンオキサ
イド、ジフェニレンスルファイト、アクリジン、および
カルバゾールである。
【0033】一般式(1)において、aが2の場合、R
1は各々π−アレーンのアニオンが好ましく、Mは各々
同一の金属原子である。置換されたπ−アレーンのアニ
オンの例は、メチルー、エチルー、n−プロピルおよび
n−ブチルシクロペンタジエンのアニオン、ジメチルシ
クロペンタジエンのアニオン、シクロペンタジエンカル
ボン酸メチルエステル、およびアセチルシクロペンタジ
エン、プロピオニルシクロペンタジエン、シアノシクロ
ペンタジエン、およびベンゾイルシクロペンタジエンの
アニオンである。好ましいアニオンは、置換されていな
いシクロペンタジエンのアニオンである。
【0034】aの好ましい値は1であり、R1はベンゼ
ン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、クメン、
メシチレン、クロロベンゼン、クロロトルエン、アニソ
ール、ジメトキシベンゼン、ビフェニル、ドデシルベン
ゼン、p−クロロトルエン、ナフタレン、メチルナフタ
レン、クロロナフタレン、メトキシナフタレン、インデ
ン、ジフェニレンスルフィド、またはテトラリン等であ
る。R2は、シクロペンタジエンのアニオン、アセチル
シクロペンタジエンのアニオン、インデンのアニオン、
またはベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベン
ゼン、ナフタレン、メチルナフタレン等である。
【0035】Mは、たとえばTi+、Ti2+、Ti3+
Zr+、Zr2+、Hf3+、Hf+、Hf2+、Nb3+、Nb
+、Nb2+、Cr3+、Mo+、Mo2+、W+、W2+、M
+,Mn2+、Re+、Fe2+、Co2+、Co3+、N
2+、またはCu2+である。
【0036】Mは、クロム、コバルト、マンガン、タン
グステン、鉄またはモリブデンのカチオンが好ましく、
特に鉄のカチオンが好ましい。最も好ましいものは、F
2+である。
【0037】一般式(1)中、Lの適当な金属の例は、
Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ga、In、Ti、Z
r、Sc、V、Cr、MnおよびCs、Ce、Prおよ
びNdのようなランタノイド類、またはTh、Pa、U
またはNpのようなアクチノイド類である。適当な非金
属類は、特にB、PおよびAsである。好ましいLは、
P、As、BまたはSbであり、Pが最も好ましい。
【0038】錯アニオン〔LQm-qの例は、BF4-
PF6-、AsF6-、SbF6-、FeCl4-、SnC
6-、SbCl6-、BiCl6-である。最も好ましいア
ニオンは、SbF4-、BF4-、AsF6-およびPF6-
ある。
【0039】一般式(1)の化合物は、従来公知の方法
によって合成することができる。
【0040】本発明において、ポリイミド前駆体に対す
るメタロセン錯体の添加量にとくに制限はないが、好ま
しい添加量は、ポリイミド前駆体の固形分重量に対して
1〜100重量%、さらに好ましくは3〜80重量%で
ある。
【0041】本発明の感光性樹脂組成物は、基体表面に
スピンコート等の適当な手段で塗布したのち、100℃
以下の条件で溶剤を蒸発させ、その後、水銀ランプのよ
うな光源から、任意のパターンのマスクを介して露光
し、基板を100〜170℃でベークすると、未露光部
で溶解度が低下するが、露光部では溶解度が高いままで
あり、したがって希薄な水酸化ナトリウム水溶液のよう
なアルカリ溶液で洗浄、すなわち現像することにより、
マスクのパターンに対応するポジのパターンが残存す
る。
【0042】このパターンを加熱することにより、残り
のポリイミド前駆体のイミド化が進行し、化学的および
機械的強度の高いパターンが得られる。なお露光と現像
の間に行うベークは、ホットプレート上なら3〜15
分、クリーンオーブンを使用した場合には15〜60分
程度が最適である。
【0043】
【実施例】[実施例1]3,3’、4,4’−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸無水物と3,3’−ジアミノジ
フェニルスルホンから合成したポリイミド前駆体溶液
(樹脂分14%)100gに、〔η6−ナフタレン〕
〔η5シクロペンタジエニル〕鉄(II)ヘキサフルオロ
ホスフェイト0.6gを溶解し感光ワニスを調合した。
これを、ガラス上に800rpmで12秒スピンコート
し風乾、60Cで3分熱処理し溶剤を蒸発させ皮膜を形
成した。この皮膜に、フォトマスクを介して超高圧水銀
ランプでh線の積算光量で1000mJ/cm2露光
し、150℃のホットプレート上で5分熱処理した。
0.5%の水酸化ナトリウムで現像すると、マスクに対
してポジのパターンが得られた。これを、240℃で処
理してパターンを完全にイミド化し、パターンを安定化
させた。
【0044】150℃処理後の膜の未露光部のIRスペ
クトルを図1に、露光部のIRスペクトルを図2にそれ
ぞれ示す。また比較のために、メタロセン錯体を添加し
ていない以外は同一のポリイミド前駆体で得られた膜の
露光部のIRスペクトルを図3に示す。
【0045】図1から分かるように、樹脂に対する錯体
の添加量が少ないので、錯体自体の吸収ピークは現れて
おらず、露光部と錯体未添加のスペクトルは全く同じで
ある。また図1のIRスペクトルでは、未露光部の16
60cm-1のピーク(カルボン酸)が減少し、これが溶
解度に差を生る理由であると推測される。
【0046】[実施例2]3,3’,4,4’−ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸無水物と3,3’−ジアミノ
ジフェニルスルホンから合成したポリイミド前駆体溶液
(樹脂分14%)100gに〔η6−ナフタレン〕〔η5
−シクロペンタジエニル〕鉄(II)ヘキサフルオロホス
フェイト10gを溶解し、感光ワニスを調合した。これ
を、ガラス上に800rpmで12秒スピンコートし、
実施例1と同様に処理し、ポジのパターンを得た。
【0047】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の感光性
樹脂組成物は、一般的なポリイミド前駆体にメタロセン
錯体を添加することにより、このポリイミド前駆体に感
光性を付与することができ、露光後に未露光部を容易に
除去することが可能であることから、カラーフィルタの
製造を含む広範な分野に顕著な効果をもたらす。また本
発明においては、ポリイミド前駆体に感光性を付与する
ために分子構造を変更する必要はないので、ポリイミド
前駆体の安定性が高く、したがって安定な膜が得られる
という効果もある。
【0048】さらに通常のフォトレジストと異なり、ヒ
ドラジンのような有毒な薬品を使用する必要がなく、工
程管理や環境保護の面でもきわめて大きい利点を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における感光性樹脂組成物に
よる膜の未露光部のIRスペクトル図。
【図2】本発明の実施例1における感光性樹脂組成物に
よる膜の露光部のIRスペクトル図。
【図3】メタロセン錯体が添加されていないポリイミド
前駆体による膜の露光部のIRスペクトル図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA00 AB13 AB16 AB17 AC01 AD03 CA39 CB25 EA10 FA03 FA12 4J002 CM041 EY006 EY016 EY026 FD206 GP03 4J043 PA02 PA19 QB15 QB26 QB31 RA35 RA39 SA62 SA72 SA82 SB01 TB01 UA121 UA122 UA131 UA132 UA141 UA222 UA252 UA262 UA662 UA672 UB011 UB012 UB021 UB022 UB121 UB122 UB131 UB152 UB281 UB301 UB302 UB351 UB402 VA011 VA021 VA022 VA031 VA041 VA051 VA061 VA062 VA081 XA16 YA06 YB47 ZB22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジアミンおよび芳香族テトラカルボン酸
    二無水物の重合反応で得られたポリイミド前駆体と、下
    記の一般式(1)で表されるメタロセン錯体とを含有す
    ることを特徴とする感光性樹脂組成物。 【化1】 (式中、aは1または2の数であり、nとqは互いに独
    立して1〜3の整数であり、Mは周期律表の1B族、4
    A族〜7A族または8族の1価〜3価の金属カチオンで
    あり、mはL+qの原子価に対応する整数であり、Qは
    ハロゲン原子であり、Lは2価〜7価の金属または非金
    属であり、R1はπ−アレーンであり、R2はπ−アレー
    ンまたはπ−アレーンのアニオンである。)
  2. 【請求項2】 前記ジアミンが、4,4'−ジアミノジ
    フェニルエーテル、3,3'−ジアミノジフェニルスル
    ホン、または4,4'−ジアミノジフェニルスルホンで
    ある請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記芳香族テトラカルボン酸二無水物
    が、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ベン
    ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、または3,
    3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物で
    ある請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記メタロセン錯体が、(η6−ベンゼ
    ン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(II)、(η6
    トルエン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(II)、
    (η6−クメン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(I
    I)、(η6−イソプロピルベンゼン)(η5−シクロペ
    ンタジエニル)鉄(II)、または(η6−ナフタレン)
    (η5−シクロペンタジエニル)鉄(II)のヘキサフル
    オロリン酸塩、ヘキサフルオロアンチモネート塩、また
    はテトラフルオロボレート塩のいずれか1種または2種
    以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の感
    光性樹脂組成物を基板上に塗布し、100℃以下の温度
    で乾燥して樹脂被膜を形成した後、所定のパターンに合
    わせて露光し、100〜170℃の温度で加熱した後、
    現像を行うことを特徴とするパターン形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100765684B1 (ko) * 2002-07-03 2007-10-11 삼성전자주식회사 합금 패턴 형성용 유기금속 전구체 혼합물 및 이를 이용한합금 패턴 형성방법

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