JP2000105305A - 反射型エポキシ系シートの製造方法及び反射型基板シート - Google Patents

反射型エポキシ系シートの製造方法及び反射型基板シート

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JP2000105305A JP10291466A JP29146698A JP2000105305A JP 2000105305 A JP2000105305 A JP 2000105305A JP 10291466 A JP10291466 A JP 10291466A JP 29146698 A JP29146698 A JP 29146698A JP 2000105305 A JP2000105305 A JP 2000105305A
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和孝 原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射層を有するエポキシ系シートを効率よく
形成できる製造方法を開発して、反射層内蔵型の液晶セ
ルの形成に有用な反射型基板シートを得ること。 【解決手段】 光遮蔽性又は光半透過性の長尺光反射シ
ート(1)を順次走行させつつ、その上にエポキシ樹脂
塗工液をシート状に順次展開(21)して硬化処理し
(3)、前記光反射シートと密着したエポキシ樹脂硬化
層(22)を連続製造する反射型エポキシ系シート
(5)の製造方法、及び支持基材上に反射層を分離可能
に有する光反射シートの前記反射層に、それと密着した
エポキシ樹脂硬化層を有する反射型基板シート。 【効果】 光学特性や薄型性等に優れる多様な物性の反
射型エポキシ系シートを簡単な操作にて連続製造でき、
量産速度や厚さも容易に制御できて、光反射シートの支
持基材の剥離で反射層内蔵型の液晶セルの形成に有用な
セル基板が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、量産性に優れる反射型エ
ポキシ系シートの製造方法、及び反射層内蔵型の液晶セ
ルの形成に好適な反射型基板シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エポキシ樹脂の硬化シートに光反
射シートを設けてなる反射型エポキシ系シートとして
は、前記硬化シートと光反射シートを接着剤を介して積
層したものが知られていた。しかしながら、接着工程等
を要して製造効率に乏しいと共に、接着剤層の介在で厚
さが大きくなり、フレキシビリティが低下する問題点が
あった。
【0003】またこれまで、流延展開台との接着による
剥離回収の困難性やその際の損傷性などの点より実用可
能なエポキシ樹脂硬化シートの連続製造が提案されてお
らず、そのため金型による注形方式にて硬化シートを得
る必要があり、この点よりも全体としての反射型エポキ
シ系シートの製造効率に乏しい問題点もあった。
【0004】
【発明の技術的課題】本発明は、反射型エポキシ系シー
トを効率よく形成できる製造方法を得て、反射層内蔵型
の液晶セルの形成に有用な反射型基板シートの開発を課
題とする。
【0005】
【課題の解決手段】本発明は、光遮蔽性又は光半透過性
の長尺光反射シートを順次走行させつつ、その上にエポ
キシ樹脂塗工液をシート状に順次展開して硬化処理し、
前記光反射シートと密着したエポキシ樹脂硬化層を連続
製造することを特徴とする反射型エポキシ系シートの製
造方法、及び支持基材上に反射層を分離可能に有する光
反射シートの前記反射層に、それと密着したエポキシ樹
脂硬化層を有することを特徴とする反射型基板シートを
提供するものである。
【0006】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、光反射シー
ト上にエポキシ樹脂塗工液を展開して硬化する一連の簡
単な操作を介して光反射シートとエポキシ樹脂硬化層が
密着してなる反射型エポキシ系シートを連続して効率よ
く製造でき、光反射シートの移動速度や塗工液展開量の
調節で得られるシートの量産速度や厚さを容易に制御す
ることができる。
【0007】また光反射シートとの密着による補強効果
で、脆いエポキシ樹脂も使用できて剛性に優れるエポキ
シ樹脂硬化層も形成でき、エポキシ樹脂を幅広く選択で
きて多様な物性のエポキシ系シートを得ることができ
る。さらに得られた反射型エポキシ系シートは、剥離工
程を経ないので光学欠陥等の損傷が発生しにくく、光反
射シートとエポキシ樹脂硬化層の密着に接着剤層が介在
せずに薄型化が容易であり、フレキシビリティに優れる
ものも容易に得ることができる。
【0008】一方、本発明の反射型基板シートによれ
ば、光反射シートにおける支持基材の剥離除去にて反射
層を容易に露出させることができ、その反射層の回路パ
ターン化や反射層上への回路パターンの形成により、そ
れをセル基板に用いて反射層内蔵型の液晶セルを効率よ
く形成することができる。
【0009】
【発明の実施形態】本発明による製造方法は、光遮蔽性
又は光半透過性の長尺光反射シートを順次走行させつ
つ、その上にエポキシ樹脂塗工液をシート状に順次展開
して硬化処理し、前記光反射シートと密着したエポキシ
樹脂硬化層を形成して、反射型エポキシ系シートを連続
製造するものである。
【0010】前記の製造工程例を図1に示した。これ
は、流延法による連続製造法を示したものであり、1が
長尺の光反射シート、2がエポキシ樹脂塗工液をシート
状に展開するダイであり、3は硬化処理装置である。ま
た、5が反射型エポキシ系シートであり、これは図2
(a)に例示した如く支持基材11と反射層12からな
る光反射シート1の上にエポキシ樹脂硬化層22が密着
したものよりなる。
【0011】前記において光反射シート1は、その巻回
ロール14より図外の巻き取りロールを介し順次繰り出
されて、例えば0.1〜50m/分、就中0.2〜5m
/分の速度で走行させられつつ、その上にダイ2を介し
エポキシ樹脂塗工液がシート状に順次展開され、その展
開層21が加熱式又は光照射式等の適宜な硬化処理装置
3を介し硬化処理されて硬化層22となり、その硬化過
程で光反射シートと密着して反射型エポキシ系シート5
が連続製造される。
【0012】光反射シートとしては、光遮蔽性又は光半
透過性を示す適宜な長尺体を用いることができて特に限
定はないが、柔軟性に優れるものなどが取扱性や目的物
の製造効率等の点より好ましく用いうる。ちなみにその
例としては、アルミニウムやクロム、ニッケルや銀、金
等の適宜な反射性金属からなる金属箔やそれを基材で支
持したもの、前記金属の薄膜や無機酸化物の単層膜ない
し多層膜からなる反射層を基材で支持したもの、気泡や
光散乱性物質を含有する光散乱反射シートなどがあげら
れる。従って従来の光反射シートのいずれも用いうる。
【0013】前記において、金属箔の如く反射層自体が
自己支持性を有する場合には単独にても光反射シートと
して用いうるが、金属薄膜等の如く反射層自体が自己支
持性を有しない場合には基材にて支持した光反射シート
とされる。また反射層が自己支持性を有する場合にても
必要に応じ基材にて支持した光反射シートとすることが
できる。その支持は、例えば接着層等を介した接着処理
や支持基材の溶融による融着処理などの適宜な接着手段
にて行うことができる。
【0014】前記の支持基材としては、特に限定はな
く、ポリマーからなる透明フィルム、それに後述の光散
乱性物質等を配合したフィルムや発泡シート、紙や不織
布等の光遮蔽性や光半透過性のものとして形成しうるも
のなどの適宜なものを用いうる。就中、機械的強度や熱
安定性、耐湿性や耐候性などに優れるものが好ましい。
用いる支持基材は、光半透過性の反射シートを得る場合
には光透過性であることを要するが、光遮蔽性の反射シ
ートを得る場合には不透明なものであってもよい。支持
基材の厚さは適宜に決定できるが、一般には薄型化や柔
軟化などを目的に1mm以下、就中5〜500μm、特に
10〜300μmとされる。
【0015】なお前記の透明フィルム等を形成するポリ
マーには、適宜なものを用いることができ、特に限定は
ない。ちなみにその例としては、アクリル系ポリマーや
シリコーン系ポリマー、ポリエステルやポリウレタン、
ポリエーテルやポリ塩化ビニル、ポリエーテルスルホン
やポリカーボネート、ポリアミドやポリイミド、ポリオ
レフィンやアセテート系ポリマー、ポリビニルアルコー
ルやポリスチレン、酢酸ビニル系ポリマー、あるいはフ
ェノール系やメラミン系、アクリル系やウレタン系、ウ
レタンアクリル系やエポキシ系やシリコーン系等の熱硬
化型ないし紫外線硬化型の樹脂などがあげられる。
【0016】上記した金属薄膜や無機酸化物膜からなる
反射層は、例えば真空蒸着方式、イオンプレーティング
方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式な
どの適宜な薄膜形成方式にて支持基材上に金属薄膜等を
形成付着させる方式により得ることができる。その場
合、特に金属薄膜からなる場合、酸化による反射率の低
下防止や初期反射率の長期持続などを目的に有機系や無
機系の透明保護層等を設けることもできる。
【0017】金属薄膜や無機酸化物膜からなる反射層
は、単層膜や多層膜として形成でき、厚膜化や多層膜化
等による膜厚の調節にて光透過率を制御することができ
る。従って、その膜厚制御で光遮蔽性や光半透過性の反
射層を形成することができる。なお前記の反射層を形成
する無機酸化物としては、例えば酸化錫や酸化インジウ
ム、シリカやアルミナ、チタニアやジルコニア、酸化カ
ドミウムや酸化アンチモンなどの適宜な酸化物の1種又
は2種以上を用いうる。
【0018】用いる光反射シートは、光散乱反射型のも
のであってもよい。これは、その反射光の散乱による拡
散効果にてシート全面での明るさの均一化などを目的と
する。光散乱型の反射シートは、例えば気泡や光散乱性
物質を含有させたシート、あるいは上記においてヘアラ
イン等を有する圧延金属箔を用いる方式、又は表面粗面
化の支持基材を用いる方式などにて得ることができる。
【0019】前記の気泡含有シートは、例えばポリマー
の発泡シートなどとして得ることができる。また光散乱
性物質含有シートは、例えば上記した反射層形成用無機
酸化物の粒子や金属粒子、炭酸カルシウムやガラスビー
ズ等の無機系粒子、架橋又は未架橋のポリマー粒子等の
有機系粒子、マイカの如き鱗片状粒子やその二酸化チタ
ン被覆物等のパール顔料などの適宜な光散乱性物質を配
合したポリマーシートなどとして得ることができる。光
散乱性物質の平均粒径は0.1〜10μm程度が好まし
いが、これに限定されない。また前記のポリマーには、
上記の支持基材で例示したものやゴム系ポリマーなどの
適宜なものを用いうる。
【0020】さらに前記の気泡含有シートや光散乱性物
質含有シートは、発泡層や光散乱性物質含有層を基材で
支持したものなどとしても得ることができる。気泡含有
シートや光散乱性物質含有シートは、その気泡や光散乱
性物質の含有量、その含有層の厚さなどにより光透過率
を制御でき、従って光遮蔽性や光半透過性の反射シート
を得ることができる。なお前記した支持基材併用の気泡
含有シートや光散乱性物質含有シートは、例えばシート
のラミネート方式や所定物質配合のポリマー分散液の塗
布方式などの適宜な方式にて形成することができる。
【0021】一方、上記した表面粗面化の支持基材を用
いる方式は、例えばサンドブラストやマット処理等によ
る表面粗面化方式や、光散乱性物質の配合方式などの適
宜な方式で表面を微細凹凸構造とした支持基材に、その
微細凹凸構造を反映させた金属薄膜等からなる反射層を
設けるものである。
【0022】本発明において光反射シートの上に展開す
るエポキシ樹脂塗工液の調製には、エポキシ樹脂とその
硬化剤が用いられ、必要に応じ硬化促進剤やレべリング
剤などが併用される。そのエポキシ樹脂については特に
限定はなく、形成する反射型エポキシ系シートの使用目
的、熱硬化や光照射硬化等の目的とする硬化処理方式な
どに応じて適宜なものを用いうる。
【0023】ちなみに前記のエポキシ樹脂の例として
は、ビスフェノールA型やビスフェノールF型、ビスフ
ェノールS型やそれらの水添型の如きビスフェノール
型、フェノールノボラック型やクレゾールノボラック型
の如きノボラック型、トリグリシジルイソシアヌレート
型やヒダントイン型の如き含窒素環型、脂環式型や脂肪
族型、ナフタレン型の如き芳香族型やグリシジルエーテ
ル型、ビフェニル型の如き低吸水率タイプやジシクロ
型、エステル型やエーテルエステル型、それらの変性型
などがあげられる。
【0024】透明性等の光学特性などの点より好ましく
用いうるエポキシ樹脂は、脂環式型のものの如くベンゼ
ン環等の共役二重結合を含有せずに変色防止性の良好な
ものである。また通例、エポキシ当量が100〜100
0で、軟化点が120℃以下のエポキシ樹脂が、得られ
る反射型エポキシ系シートの柔軟性や強度等の物性など
の点より好ましく用いうる。さらに塗工性やシート状へ
の展開性等に優れるエポキシ樹脂塗工液を得る点などよ
りは、塗工時の温度以下、就中、常温において液体状態
を示す二液混合型のものが好ましく用いうる。
【0025】エポキシ樹脂は、1種又は2種以上を用い
ることができ、液状と固形状のエポキシ樹脂を併用する
こともできる。固形エポキシ樹脂の併用で強度や耐熱性
の向上を図ることができ、また塗工液の粘度も調節でき
て、特に塗工液を高粘度化でき展開層の厚さ制御などを
容易化することができる。
【0026】一方、硬化剤についても特に限定はなく、
エポキシ樹脂に応じた適宜な硬化剤を1種又は2種以上
用いることができる。ちなみにその例としては、テトラ
ヒドロフタル酸やメチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサ
ヒドロフタル酸やメチルヘキサヒドロフタル酸の如き有
機酸系化合物類、エチレンジアミンやプロピレンジアミ
ン、ジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミン、
それらのアミンアダクトやメタフェニレンジアミン、ジ
アミノジフェニルメタンやジアミノジフェニルスルホン
の如きアミン系化合物類があげられる。
【0027】またジシアンジアミドやポリアミドの如き
アミド系化合物類、ジヒドラジットの如きヒドラジド系
化合物類、メチルイミダゾールや2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール、エチルイミダゾールやイソプロピルイ
ミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾールやフェニル
イミダゾール、ウンデシルイミダゾールやヘプタデシル
イミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール
の如きイミダゾール系化合物類も前記硬化剤の例として
あげられる。
【0028】さらにメチルイミダゾリンや2−エチル−
4−メチルイミダゾリン、エチルイミダゾリンやイソプ
ロピルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリンや
フェニルイミダゾリン、ウンデシルイミダゾリンやヘプ
タデシルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミ
ダゾリンの如きイミダゾリン系化合物類、その他、フェ
ノール系化合物類やユリア系化合物類、ポリスルフィド
系化合物類も前記硬化剤の例としてあげられる。
【0029】加えて酸無水物系化合物類なども前記硬化
剤の例としてあげられ、低刺激性による作業環境性や得
られる硬化層の耐熱性向上による高温耐久性、変色防止
性などの点よりは、かかる酸無水物系硬化剤が好ましく
用いうる。その例としては無水フタル酸や無水マレイン
酸、無水トリメリット酸や無水ピロメリット酸、無水ナ
ジック酸や無水グルタル酸、テトラヒドロフタル酸無水
物やメチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロ
フタル酸無水物やメチルヘキサヒドロフタル酸無水物、
メチルナジック酸無水物やドデセニルコハク酸無水物、
ジクロロコハク酸無水物やベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸無水物やクロレンディック酸無水物などがあげられ
る。
【0030】就中、無水フタル酸やテトラヒドロフタル
酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物やメチルヘキサ
ヒドロフタル酸無水物の如く無色系ないし淡黄色系で、
分子量が約140〜約200の酸無水物系硬化剤が好ま
しく用いうる。
【0031】硬化剤の使用量は、その種類やエポキシ樹
脂のエポキシ当量などに応じて適宜に決定でき、通例の
エポキシ樹脂硬化の場合に準じうる。ちなみに前記の酸
無水物系硬化剤では、得られる硬化層の色相や耐湿性の
低下防止などの点よりエポキシ基1当量に対し、0.5
〜1.5当量、就中0.6〜1.4当量、特に0.7〜
1.2当量の割合で酸無水物系硬化剤を使用することが
好ましい。なお他の硬化剤を単独で又は2種以上を併用
して使用する場合にも、その使用量は前記の当量比に準
じうる。
【0032】必要に応じて用いられる硬化促進剤につい
ても、特に限定はなく、エポキシ樹脂や硬化剤の種類な
どに応じて例えば、第三級アミン類やイミダゾール類、
第四級アンモニウム塩類や有機金属塩類、リン化合物類
や尿素系化合物類の如き適宜なものを1種又は2種以上
用いることができる。
【0033】硬化促進剤の使用により硬化速度を促進し
て必要硬化処理時間を短縮でき、ひいては展開から硬化
処理までの必要ライン長を促進剤不使用の場合の数分の
1程度に短縮化することができる。従って硬化促進剤の
使用量は、促進効果などに応じて適宜に決定しうるが、
一般には変色防止性などの点よりエポキシ樹脂100重
量部あたり、0.05〜7重量部、就中0.1〜5重量
部、特に0.2〜3重量部が好ましい。
【0034】また必要に応じてのレベリング剤は、エポ
キシ樹脂塗工液の展開層を空気との接触下に硬化処理す
る場合に、硬化剤等の飛散による表面張力のバラツキな
どで梨地状の表面となることを防止して平滑な表面が形
成されることなどを目的に配合するものであり、例えば
シリコーン系やアクリル系、フッ素系等の各種界面活性
剤などの表面張力を低下させうる適宜なものを1種又は
2種以上用いうる。
【0035】エポキシ樹脂塗工液の調製に際しては、さ
らに必要に応じてエポキシ樹脂硬化体に配合されること
のある、例えばフェノール系やアミン系、有機硫黄系や
ホスフィン系等の老化防止剤、グリコール類やシリコー
ン類、アルコール類等の変性剤、発泡防止剤や水酸基含
有化合物、染料や変色防止剤、紫外線吸収剤などの適宜
な添加剤を配合することができる。前記の発泡防止剤
は、得られる硬化層中に光学特性の低下原因となる気泡
が混入することの防止などを目的に添加され、グリセリ
ン等の多価アルコールなどが好ましく用いうる。
【0036】エポキシ樹脂塗工液は、配合成分を必要に
応じ溶媒を併用して流動展開しうる状態とすることによ
り調製することができる。従ってエポキシ樹脂塗工液の
展開には、カーテンコート法やロールコート法、ワイヤ
バーコート法やエクストルージョンコート法、スプレコ
ート法などの適宜な方式を採ることができる。就中、上
記したダイ等を介した流延法にては塗布効率などの点よ
りエクストルージョンコート法が好ましく適用すること
ができる。
【0037】形成するエポキシ樹脂硬化層の厚さは、適
宜に決定しうるが一般には、曲げ強度等の剛性や表面平
滑性、低位相差性や薄型軽量性などの点より100〜1
000μm、就中150〜800μm、特に200〜50
0μmが好ましい。また光学用途等の点よりは厚さ精度
が±10%以下であることが好ましい。その厚さ精度
は、例えばエポキシ樹脂硬化層の形成過程において光反
射シートの表面を可及的に水平状態に維持する方式など
により達成することができる。
【0038】形成された反射型エポキシ系シートの連続
体は、その使用目的などに応じて必要に応じレーザー光
線や超音波カッター、ダイシングやウォータージェット
などの適宜な切断手段を介し適宜な寸法に切断して回収
することもできる。なお上記した図例では、光学シート
1の反射層12の上にエポキシ樹脂硬化層22を設けた
ものを示したが、本発明においては光学シートの支持基
材11の上にエポキシ樹脂硬化層22を設けることもで
きる。
【0039】本発明による反射型エポキシ系シートは、
例えば反射板などの各種用途に好ましく用いうる。就
中、光学特性や耐熱性に優れる点などより液晶セル用の
基板の如く、高温処理に耐えて曲げ強度等や軽量性等に
優れることが要求される光学用途などに好ましく用いる
ことができる。
【0040】特に本発明にては、支持基材と反射層とを
分離可能とした光反射シートの反射層の上にエポキシ樹
脂硬化層を密着付設した反射型基板シートとすることに
より、図2(b)に例示した如く反射型エポキシ系シー
ト5より支持基材13を剥離して、エポキシ樹脂硬化層
22に密着した反射層12が露出した形態のシートを得
ることができる。
【0041】前記の反射層を露出させたエポキシ系シー
トは、その反射層の上に耐エッチング保護層を設け、そ
の上に回路パターンを形成する方式などにて反射層内蔵
型の反射型液晶セルを効率よく形成しうるセル基板とし
て好ましく用いうる。また反射層が金属箔等の導電層か
らなる場合には、例えばフォトリソグラフィを適用する
などしてその反射層をパターン化し、反射層兼用の回路
パターンを形成する方式などにても、反射層内蔵型の反
射型液晶セルの形成に好ましく用いうるセル基板などを
得ることができる。
【0042】なお前記において、支持基材と反射層とが
分離可能な光反射シートは、例えば粘着層等を介した支
持基材と反射層との剥離可能な接着処理や、支持基材の
低温加熱による反射層との弱い接着力の融着処理などの
適宜な接着方式にて行うことができる。
【0043】
【実施例】実施例1 3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポ
キシシクロヘキサンカルボキシレート100部(重量
部、以下同じ)、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物1
25部、テトラ−n−ブチルホスホニウムo,o−ジエ
チルホスホロジチオエート3.75部、グリセリン2.
25部及びシリコーン系界面活性剤(レベリング剤、楠
本化成社製、ディスパロンLS−009)0.07部を
撹拌混合し、49℃にて90分間エージングしてエポキ
シ樹脂塗工液を調製した。
【0044】次に図1に例示の流延法にて、厚さ50μ
mのPETフィルムとヘアラインを有する厚さ15μmの
アルミニウム箔との粘着層を介したラミネート体からな
る光反射シートを0.5m/分の一定速度で走行させつ
つ、そのアルミニウム箔上に前記のエポキシ樹脂塗工液
をダイより100g/分の割合で連続に吐出させてシー
ト状に流延展開し、その展開層を加熱装置を介し120
℃で30分間加熱硬化処理して、厚さ300μmのエポ
キシ樹脂硬化層がアルミニウム箔と密着した光遮蔽性で
光散乱反射型のエポキシ系シート(反射型基板シート)
を連続的に得た。
【0045】実施例2 光反射シートとして、マット処理面にアルミニウムの蒸
着膜を設けた厚さ50μmのフィルム(東洋メタライジ
ング社製、DMSフィルム)を用いたほかは実施例1に
準じて、厚さ400μmのエポキシ樹脂硬化層を有する
反射型エポキシ系シートを連続的に得た。このシート
は、光遮蔽性、かつ光散乱反射型であり、粘着層が介在
しないため耐久性や薄型性に優れていた。
【0046】実施例3 光反射シートとして、マット処理した厚さ50μmのP
ETフィルム(東レ社製)のマット処理面を下地処理し
て銀を100nmの厚さで蒸着して鏡面を形成し、その上
に厚さ3μmの酸化防止保護層を設けたものを用いたほ
かは実施例1に準じて、厚さ300μmのエポキシ樹脂
硬化層を有する反射型エポキシ系シートを連続的に得
た。このシートも光遮蔽性、かつ光散乱反射型であり、
耐久性や薄型性に優れていた。
【0047】実施例4 光反射シートの支持基材として、マット処理しない厚さ
50μmのPETフィルムを用いたほかは実施例3に準
じて、反射型エポキシ系シートを連続的に得た。このシ
ートは、光遮蔽性、かつ光正反射型であり、耐久性や薄
型性に優れていた。
【0048】実施例5 光反射シートとして、厚さ50μmの白色発泡PETフ
ィルム(東レ社製)を用いたほかは実施例1に準じて、
厚さ400μmのエポキシ樹脂硬化層がPETフィルム
と密着した反射型エポキシ系シートを連続的に得た。こ
のシートは、光半透過性、かつ光散乱反射型であり、耐
久性や薄型性に優れていた。
【0049】実施例6 光反射シートとして、厚さ50μmの無延伸ポリカーボ
ネートフィルムに金属酸化物の多層蒸着膜よりなる光半
透過性の反射層を設けたものを用いたほかは実施例1に
準じて、厚さ400μmのエポキシ樹脂硬化層が反射層
と密着した、反射型エポキシ系シートを連続的に得た。
このシートは、光半透過性、かつ光正反射型であり、耐
久性や薄型性に優れていた。
【0050】実施例7 光反射シートとして、パール顔料(日本光研社製、合成
マイカ箔)を分散させたアクリル系HC樹脂液を厚さ5
0μmのPETフィルム上に塗工し、成膜して光半透過
性の反射層を設けたものを用いたほかは実施例1に準じ
て、厚さ400μmのエポキシ樹脂硬化層が反射層と密
着した、反射型エポキシ系シートを連続的に得た。この
シートは、光半透過性、かつ光散乱反射型であり、耐久
性や薄型性に優れていた。
【0051】実施例8 実施例1に準じて得た反射型エポキシ系シートよりPE
Tフィルムを剥離除去し、アルミニウム面に厚さ5μm
の耐エッチング保護層を形成して、ITO成膜及びエッ
チング処理に耐え、厚さをさらに数十μm低減したエポ
キシ系シートを得た。
【0052】実施例9 実施例4に準じて得たアルミニウム蒸着の反射型基板シ
ート(反射型エポキシ系シート)よりPETフィルムを
剥離除去して、アルミニウム蒸着層が露出したエポキシ
系シートを得た。このシートは、薄型性や柔軟性により
優れ、そのアルミニウム蒸着層をパターンニングして内
部鏡面反射型の液晶セル基板として使用することができ
た。
【0053】比較例 実施例1に準じたエポキシ樹脂塗工液を回転駆動のエン
ドレスステンレスベルト上に薄層展開し、それを加熱硬
化させて厚さ300μmのフィルムとしたが、そのフィ
ルムを剥離回収する際に、離型剤の塗布ムラのためか剥
離不良が発生し、実用しうるエポキシフィルムを得るこ
とができなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造工程例の説明図
【図2】(a)反射型エポキシ系シート例の説明断面図 (b)反射型基板シート例の説明断面図
【符号の説明】
1:光反射シート 11,13:支持基材 12:反射層 2:ダイ 21:エポキシ樹脂塗工液の展開層 3:硬化処理装置 5:反射型エポキシ系シート(反射型基板シート) 22:エポキシ樹脂硬化層
フロントページの続き (72)発明者 宮武 稔 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 2H042 BA01 BA02 BA03 BA15 BA20 DA02 DA03 DA04 DA05 DA08 DA11 DA17 DA21 DC01 DC02 DE00 4F100 AA17A AB10 AB33A AK42 AK53B AR00A BA02 DJ02A EA02 EH46B EH462 EJ08B EJ082 EJ19B GB90 JA20B JD01A JL02 JM02A JN02A JN30A YY00B 4J038 DB001 KA03 NA19 PC01 PC02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光遮蔽性又は光半透過性の長尺光反射シ
    ートを順次走行させつつ、その上にエポキシ樹脂塗工液
    をシート状に順次展開して硬化処理し、前記光反射シー
    トと密着したエポキシ樹脂硬化層を連続製造することを
    特徴とする反射型エポキシ系シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、光反射シートが金属
    箔、金属薄膜又は無機酸化物の単層膜若しくは多層膜か
    らなる反射層を基材で支持したもの、あるいは気泡又は
    光散乱性物質を含有する光散乱反射シートであり、エポ
    キシ樹脂硬化層の厚さが100μm以上である反射型エ
    ポキシ系シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、光反射シートが圧延
    金属箔又は表面粗面化の基材を用いた光散乱反射型のも
    のである反射型エポキシ系シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 支持基材上に反射層を分離可能に有する
    光反射シートの前記反射層に、それと密着したエポキシ
    樹脂硬化層を有することを特徴とする反射型基板シー
    ト。
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