JP2005114777A - 反射シート - Google Patents

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誠敏 熊谷
Takafumi Mori
孝文 森
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Abstract

【課題】 薄型で、かつ高反射率の拡散反射性に優れた反射シートを提供することにある。
【解決手段】薄い多孔性樹脂シートと、金属薄膜層を有するプラスチックシートとを接着剤や粘着剤などで凹凸パターン貼合することで、薄型でしかも高反射率且つ拡散反射率の高い反射シートを得る。これを用途に応じ加工し、照明装置および表示装置に用いる。
【効果】
多孔性シートを用いた反射シート体であるにもかかわらず、薄型化が可能で、長波長側の光の反射率にも優れた反射シートが得られ、且つシート自体の反り変形量が小さく、加工性に優れる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶ディスプレイ用等に好適に用いられる反射シートに関する。更に詳しくは高反射率、且つ薄型の反射シートに関する。
近年、反射シートは様々な分野で用いられてきており、特に、パーソナルコンピュータ、テレビジョン等の液晶表示装置の主要部品として数多く使用されている。液晶表示装置は大面積化、表示品位の向上が望まれており、この為には大容量の光を液晶部分に供給することが必要とされる。以上の要求を満たす為には、光源から供給する光量を多くすることが必要であり、反射シートの反射効率が高く、高輝度が得られる反射シートが求められている。更には、近年の電化製品の薄型化に伴い、反射シートの薄型化が求められている。
従来、この反射シートの素材としては、特開平2−169244号公報(特許文献1)に記載されるような銀薄膜層を形成したプラスチックシート(C)が反射体として用いられる。これらの反射体は金属調の指向性が強い反射体である。一方、拡散性が強い反射体としては特開昭63−161029号公報(特許文献2)に記載されるような白色ポリエチレンテレフタレートシート(以下、白色PETシートと略す)、特開平7−230004号公報(特許文献3)、特開平11−174213号公報(特許文献4)に記載されるようなポリオレフィン系の反射体がある。これら拡散性の高い反射体の特徴は、シート表面およびその内部に空隙による反射点を多数含有していることである。この反射点で乱反射が生じることから、高い拡散反射性能が発現する。したがって、拡散反射率を向上させる有効な手段は、シートの膜厚を増やし、その空隙を増加させることにある。そのため、高反射率を得るためには、シートの膜厚を厚くすることが有効で、拡散反射体の場合、薄型化の要求に答えることができなかった。また、上記のシートは空隙を有する事から、薄型化する事により光線透過率が高くなり、すなわち反射率が低下する問題があった。特に長波長側の光に関してこの問題が顕著であった。
さらに、上記問題を比較的解決すると思われた特開平5−301318号公報(特許文献5)、特開平5−229053号公報(特許文献6)、特開平6−15775号公報(特許文献7)、特開平6−47870号公報(特許文献8)に記載されたような銀薄膜層を形成したプラスチックシート(C)と拡散性が高い白色PETやポリオレフィン系反射体とを重ね合わせたシートは、薄型化可能で、しかも広い波長領域において高い拡散反射率を有しているが、市場の要求を満足させるレベルの拡散反射率を有するとは言えなかった。
特開平2−169244号公報 特開昭63−161029号公報 特開平7−230004号公報 特開平11−174213号公報 特開平5−301318号公報 特開平5−229053号公報 特開平6−15775号公報 特開平6−47870号公報
本発明の目的は薄型で、従来にない高反射率の光反射シートを提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、多孔性樹脂シートと薄膜で高反射率の金属層と接着層とが積層された特定の条件を満たす反射シートが、高反射率で薄型化可能なであることを見出した。すなわち、本発明は、
(1) 樹脂と無機充填剤とからなる多孔性樹脂シート層(A)と
接着剤層(B)と
金属層(C)
とがA/B/Cの順の積層構造を有する部位(I)と、
樹脂と無機充填剤とからなる多孔性樹脂シート層(A)と
金属層(C)
とがA/Cの順の積層構造を有する部位(II)とからなる反射シートであり、
(2) 好ましくは、上記部位(I)の面積率が0.5〜99%である光反射シートであり、
(3) 好ましくは、多孔性樹脂シート層(A)側から測定した550nm波長の光における全反射率が96%以上である反射シートであり、
(4) 好ましくは多孔性樹脂シート層(A)の厚みが10μm〜200μmであることを特徴とする反射シートであり、
(5) 好ましくは、多孔性樹脂シート層(A)が樹脂と無機充填剤とからなる組成物のシートを少なくとも一軸方向に1.2〜10.0倍延伸された多孔性樹脂シートであることを特徴とする反射シートである。
本発明の反射シートは、多孔性樹脂シートを用いた反射シートであるにもかかわらず、薄型化でき、しかも広い波長領域において、従来に無い高い拡散反射率を有している。このため、液晶表示装置などのバックライトの光線を高い効率で利用出来、高輝度化や省エネルギーに貢献出来るので本発明の意義は大きい。
以下、本発明の反射体について詳細に説明する。
本発明において反射率と言う語は拡散反射率および全反射率の意味を含むことがある。
本発明の積層体に用いられる多孔性樹脂シート(A)としては、ポリエチレンやポリプロピレンを代表例とするポリオレフィン樹脂等の、すなわち炭化水素系の極性の低い樹脂やポリエステルやポリカーボネートなどの極性基を有する樹脂と、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等を例とする無機充填剤とからなる樹脂組成物のシートを成形し、これを一軸もしくは二軸延伸したもの、これら樹脂単体を発泡させたもの等が挙げられる。これらの中でも、樹脂と無機充填剤とからなる樹脂組成物のシートを一軸もしくは二軸延伸する方法が好ましい。また、上記の樹脂と無機充填剤とからなる組成物のシート延伸する方法での延伸倍率は、一軸方向に1.2〜10.0倍であることが好ましい。
特に好ましく用いられる樹脂はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアクリレート、ポリエーテルイミド、ポリイミドなどのホモポリマーまたは、コポリマー等が挙げられる。特に好ましくは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラートである。これらの多孔性樹脂シート(A)の厚みは、下限は10μm、好ましくは30μmであり、上限は200μm、好ましくは100μm、より好ましくは80μm、特に好ましくは50μmである。厚みが10μm未満である場合、延伸出来無いため多孔性樹脂シートにならない場合や、発泡後のシートの強度が不足したり均一性が保てない場合がある。厚みが200μmを超えると、それ自身で充分な反射率を有し、後述する金属層(C)を設けることの効果が少なくなる場合がある。
また、本発明の多孔性樹脂シート(A)の波長780nmの光の透過率は6%以上、好ましくは7%〜15%である。光線透過率が6%未満の場合は、多孔性樹脂シート単独でも反射率が高く、後述する金属層(C)と組み合わせた時の反射率の向上が少なく、製造コストのみかさむことが問題になることがある。
次に接着剤層(B)について記載する。尚、本発明において接着剤とは粘着材の意味を含むことがある。
本発明における接着剤層(B)を形成する接着剤は、透明であれば公知の接着剤、粘着剤を制限無く用いることが出来る。具体的に例示するとゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤、ビニル系粘着剤等である。本発明の反射体は高温で使用する可能性があるため、常温〜120℃でも安定な粘着剤が好ましい。中でもアクリル系粘着剤は、安価であるために広く用いられる。どの粘着剤を使用した場合でもその厚みは、0.5μm〜50μmが好ましい。
本発明における接着剤は、熱または触媒の助けにより接着される接着剤である事が好ましく、具体的には、シリコン系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、アクリル系接着剤など一般的な接着剤を用いることが出来る。本発明の反射体は高温で使用する可能性があるため、常温〜120℃でも安定な接着剤が好ましい。これらの中で、エポキシ系接着剤は強度、耐熱性に優れているため、好適に利用出来る。シアノアクリレート系接着剤は、即効性と強度に優れているため、効率的な反射体作製に利用出来る。ポリエステル系接着剤は、強度、加工性に優れているため、反射体作製に特に好適である。これらの接着剤は、接着方法によって熱硬化型、ホットメルト型、2液混合型に大別されるが、好ましくは連続生産が可能な熱硬化型あるいはホットメルト型が使用される。どの接着剤を使用した場合でもその厚みは、0.5μm〜50μmが好ましい。
本発明の金属層としては、例えばアルミホイルや金箔などのような金属シートやフィルムの他、好ましくは金属薄膜層を有するプラスチックシート(C1)が挙げられる。上記のプラスチックシートとしては二軸延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアクリレート、ポリエーテルイミド、ポリイミドなどのホモポリマーまたは、コポリマー等が挙げられる。特に好ましくは、2軸延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートフィルムである。プラスチックシートの厚みは、多孔性樹脂シート(A)とのラミネートする際の取扱い(ハンドリング)性及び、形状保持性を考慮し、好ましくは、5μm以上200μm以下、より好ましくは10μm以上100μm以下であり、さらに好ましくは15μm以上75μm以下である。
本発明の金属薄膜層を有するプラスチックシート(C1)は、当該プラスチックシートの一方、もしくは両方の主面上に金属層を有するものである。この際、当該プラスチックシートの主面側から見て、全体に金属層が視認出来ることが好ましい。具体的な例としては、一方の面全てに金属層が形成されている形態が上げられる。また透明プラスチックシートを用いた場合には、一方の主面上には面積比で50%金属層が形成されており、他方には80%で金属層が形成されていた場合であっても、一方の主面上から見ると、全面に金属層が視認できれば好ましく用いることが出来る。
上記プラスチックシートに積層する金属薄膜層としては、銀もしくは、アルミニウム、あるいはそれらを主成分とする合金の薄膜層を用いることが反射率を考慮すると好ましい。この金属薄膜層に、他の微量の金属化合物を含有することやこの金属薄膜層と他の金属薄膜層や金属酸化物層などを2層以上積層することは本発明の目的を損なわない範囲において可能である。また、金属薄膜層の最外層にTi、Ni、Crやそれらの金属酸化物などの防蝕性のある金属薄膜層を形成することも可能である。
上記プラスチックシートに金属薄膜層を形成する方法としては、メッキ法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオン化蒸着法、イオンクラスタービーム蒸着法等、公知の方法を制限無く用いることが出来る。
また、この金属薄膜層の厚みは10〜500nmが好ましく、コスト低減及び高反射率を得るために50〜200nmがより好ましい。更に好ましくは80〜150nmである。
本発明の反射シートは、上記の多孔性樹脂シート層(A)と
接着剤層(B)と
金属層(C)
とがA/B/Cの順の積層構造を有する部位(I)と、
樹脂と無機充填剤とからなる多孔性樹脂シート層(A)と
金属層(C)
とがA/Cの順の積層構造を有する部位(II)とからなる構造を有している。上記の部位(II)は、多孔性樹脂シート層(A)と金属層(C)との間に空気層や真空層等があっても良い。また、上記の構造部位(I)、構造部位(II)の少なくとも片方は、2箇所以上存在することが好ましい。
本発明の反射シートは、好ましくは多孔性樹脂シート(A)と金属層(C)とを接着剤層(B)を介して貼合して得られる。この際、接着剤層(B)は、多孔性樹脂シート(A)や金属層(C)の全面ではなく、好ましくは2箇所以上の独立した箇所に形成されることが特徴である。このような接着剤層の構成は、後述する図1〜図4および図6のような形状を例示できる。一方、接着剤層(B)が形成されない個所が、2箇所以上になるような場合は、接着剤層が1箇所と成っても好適に用いることが出来る。このような例としては、後述する図5および図7の様な形状が挙げられる。多孔性樹脂シート(A)と金属薄膜層を有するプラスチックシート(C1)との貼合は、多孔性樹脂シート(A)とプラスチックシート(C1)のプラスチック面とを貼合してもよいし、多孔性樹脂シート(A)とプラスチックシート(C1)の金属薄膜層側とを貼合しても良い。前者の場合はプラスチックシートが透明であることが好ましい。
本発明においては、多孔性樹脂シート(A)と金属層(C)とは、上記の様に接着剤や粘着剤を用いて部分的に貼合する方法が好ましく用いられる。(以下、部分接着と言うことがある。)本発明において、部分接着とは、例えば、図1〜図7に示すようなドット(点状)、斜線、網目などに接着剤層(B)を形成したものである。ここで図1〜図7は、金属薄膜層を有するプラスチックシート30に接着剤層20を形成した例を示す図である。
本発明の反射シートの部位(I)とは、上記の接着剤層(B)を形成した部分、すなわち多孔性樹脂シート層(A)、接着剤層(B)、金属層(C)とがA/B/Cの順の積層構造を有する部位を指す。一方、部位(II)とは、これらの場合、具体的には接着剤層(B)が形成されなかった部分のことを指し、多孔性樹脂シート層(A)と金属層(C)とがA/Cの順の積層構造(通常は、「A/空気層や真空層/C」の積層構造)を有する。
本発明の反射シートにおいて、上記の部位(I)は占める割合は、多孔性樹脂シート層側から見た面積率で、0.5〜99%であり、好ましくは、1〜80%であり、より好ましくは、5〜50%であり、さらに好ましくは、10〜25%の範囲である。
上記の面積率が、0.5%未満である場合は、高い反射率が得られるものの、接着部分がほとんどないので、加工性、作業性、形状保持性等が低下する場合がある。一方、99%を超える場合においては、反射率が充分でない場合がある。また、構成樹脂シート層(A)と金属層(C)との線膨張係数の違いによるシートのカール・反り変形が発生し、打ち抜き加工、モジュールの際の作業性を著しく低下させる場合がある。
本発明では、多孔性樹脂シート(A)を用いているために、接着剤や粘着剤が孔の一部に侵入し、アンカー効果を発現するため、接着性に優れているため、上記の部分接着であっても実用上充分な接着力を有している。更に上記の反りも低減される。これは、上記部位(I)と上記部位(II)とが混在する構造であるため、接着剤層(B)が反りを打ち消す方向に変形するためと推測される。また、接着剤層(B)の無い部位(II)を有するので、従来に比してより高い反射率を実現することが出来る。
本発明の反射シートにおいて、上記部位(I)、上記部位(II)の内、少なくとも片方は2箇所以上含まれていることが好ましい。上記部位(I)および/または上記部位(II)の多孔性樹脂シート層(A)側から見た1箇所当たりの大きさは、反射率や、シートのカール反り変形防止の観点から、小さいことが好ましい。一方で、充分な接着力を発現させる観点からは、ある程度の大きさが必要である。これらの点を鑑みると、上記部位(I)、上記部位(II)の少なくとも片方の1箇所当たりの大きさは、好ましくは0.01mm以上、より好ましくは0.1〜50mm、更に好ましくは、0.5〜25mmである。
本発明の反射シートの製造方法は、前述の通り、上記の多孔性樹脂シート層(A)と金属層(B)とが接着剤層(B)を介して貼合される方法が好ましく用いられる。上記の貼合方法は公知の方法を制限無く用いることが出来る。具体的には、上記の多孔性樹脂シート(A)と金属薄膜層を有するプラスチックシート(C1)とはラミネーターを用いたロールトゥロールやロールトゥーシートプロセスなどで貼り合わせ、ロール形状や枚葉形状の製品を得る方法が好ましい。
接着剤を用いる場合、多孔性樹脂シート(A)へ接着剤をコーティング、乾燥、ローラーによるプラスチックシート(C)とのラミネート、もしくは逆にプラスチックシート(C)へ接着剤をコーティング、乾燥、ローラーによる多孔性樹脂シート(A)とのラミネートの手順により行われる。この場合、接着剤層(B)のパターンは、例えば予めコーティングロール凹凸パターンをデザインしておくことによって形成することが出来る。
上記の接着剤のコーティング方法は、基材や接着剤の種類によって多くの方法があるが、広く使用されているのは、グラビアコーター方式、コンマコーター方式、及び、リバースコーター方式である。グラビアコーター方式では、接着剤に一部浸されているグラビアロールを回転させ、バックアップロールによって送られるフィルムを接着剤の付着したグラビアロールに接触させることによりコーティングする。コーティング量はロールの回転数、接着剤の粘度を制御することで調整出来る。リバースコーター方式も、グラビアコーター方式に類似した方法だが、コーティングロールに付着する接着剤の量を、それに接して設置されているメタリングロールによって調整する。その他、製造コストが比較的安価なシルク印刷法によっても形成することが出来る。
接着剤層(B)として粘着剤を用いる場合は、予め凹凸パターンをデザインした粘着剤シートを作成し、それを多孔性樹脂シート(A)とラミネート、続いて、プラスチックシート(C)とラミネートする方法や、逆に粘着剤シートとプラスチックシート(C)とをラミネート、続いて、多孔性樹脂シート(A)とラミネートし作成する方法が例示できる。
本発明の多孔性樹脂シート(A)と金属薄膜層を有するプラスチックシート(C)とを貼り合わせる際に必要に応じて加温することも出来る。また、必要な接着強度を得るためにラミネート後に熱処理することも出来る。
本発明の反射シートの断面図の例を図8に示した。すなわち、多孔性樹脂シート10と金属薄膜層を有するプラスチックシート30とが接着剤層20を介して部分的に貼合された構成を有している。
本発明の反射シートは、その目的を損なわない範囲で他の層を有していてもよい。上記の層としては、前述の金属薄膜層や金属酸化物薄膜層の他、紫外線吸収層、防汚層、ハードコート層などの公知の層を挙げることが出来る。
このようにして得られた反射シートの、多孔性樹脂シート(A)層側から測定される全反射率は、550nmの波長の光に対して96%以上であり、より好ましくは380〜780nmの範囲で、96%以上である。本発明の反射体は、多孔性樹脂シートを用いているにもかかわらず、薄くても反射率が高い。これは、多孔性樹脂シートは薄くなるとその構造上の性格から、光線透過率、特に長波長側の透過率が高くなるが、本発明の反射シートでは、この透過光を金属層で反射させているため反射率が高くなると考えられる。この場合、金属層が正反射性であっても、驚くべきことに本発明の反射体は、高い拡散反射率を示すことがある。
このため、例えば、サイドライト型バックライト装置の導光板下反射体として好適に用いることが出来る他、照明装置や表示装置に好適に用いられる。また、必要に応じて金属シートやプラスチックシート等と貼合し、U字などの形状に加工するなどの公知の方法でランプリフレクターとして用いる事も可能である。
本発明の表示装置は、薄型化が可能で且つ反射率の高い反射体を用いているので、より薄型に出来、輝度にも優れている。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
(多孔性樹脂シートの作製)
硫酸バリウムを練り込んだポリプロピレン樹脂を一軸延伸し、厚み50μmの多孔性樹脂シートを得た。この多孔性樹脂シートの全反射率を、日立自記分光光度計(型式U―3400)に150φの積分球を設置し、波長550nmにおける値を測定したところ全反射率93.0%、波長780nmでの全反射率90.9%の結果を得た。
(金属薄膜層を有するプラスチックフィルムの作製)
厚さ25μmの二軸延伸したポリエチレンテレフタレートシートに厚さ100nmの銀薄膜層をスパッタリング法により形成した。このプラスチックシートの銀薄膜層を形成していない面に
ポリエステル系ホットメルト型粘着剤(綜研化学(株)製SKダイン5273)を図1に示したパターン(ドット形状1mmφ,7mm間隔、面積率:5.7%)にシルク印刷した。粘着剤層の厚みは3μmとした。このプラスチックシートと多孔性樹脂シートとを、ラミネートし、接着させた。
この反射シートの全反射率を測定したところ、波長440nmでの全反射率は97.1%、波長550nmでの全反射率は97.5%、拡散反射率は97.5%、波長780nmの全反射率は97.5%の結果を得た。さらに、この反射シートを縦横300mm口にカットし、平坦な場所に置いて、端部の浮いている距離(反り変形量mm)を測定したところ、0mmであった。
この反射シートの厚みは78μmである。
実施例2
粘着材層を実施例1で得られたプラスチックシートの銀薄膜層を形成した面にシルク印刷した以外は実施例1と同様にして反射シートを得た。
この反射シートの波長550nmにおける全反射率を測定したところ98.1%、拡散反射率は98.0%、波長780nmの全反射率は98.9%の結果を得た。この反射体の厚みは78μmである。
実施例3
厚さ30μmの多孔性樹脂シートを用いた以外は、実施例1と同様にして反射シートを得た。この多孔性樹脂シートの波長550nmにおける全反射率を測定したところ89.1%、波長780nmでの全反射率85.9%、透過率:14.0%の結果を得た。一方で、この反射シートの波長550nmにおける全反射率を測定したところ96.7%、拡散反射率は96.2%、波長780nmの全反射率は96.8%の結果を得た。この反射体の厚みは58μmである。
実施例4〜9
粘着剤のパターン構成を図2〜7とした以外は、実施例1と同様にして反射シートを得た。各評価結果を表1に示した。
Figure 2005114777
実施例10〜11
多孔性樹脂シート層(A)に市販品(三井化学製「レフスター」WS180A、東レ製「ルミラー」E60L)を用いた以外は、実施例1の方法に準じた。各評価結果を表2に示した。
実施例12、13
金属薄膜層を有するプラスチックシート(C)に市販品(三井化学製「エンハーンスター」SDR、麗光製「ルイミラー」50W)を用いた以外は、実施例1の方法に準じた。各評価結果を表2に示した。
比較例1
粘着剤の形成をシルク印刷に代えてグラビアコーターにて全面塗工した以外はすべて実施例1と同様にして反射シートを得た。各評価結果を表2に示した。
比較例2
粘着剤の形成をシルク印刷に代えてグラビアコーターにて全面塗工した以外はすべて実施例2と同様にして反射シートを得た。各評価結果を表2に示した。
Figure 2005114777
接着剤層のパターンの例を示した図(ドット形状1mmφ,7mm間隔、面積率:5.7%) 接着剤層のパターンの例を示した図(ドット形状2mmφ,4mm間隔、面積率:22.8%) 接着剤層のパターンの例を示した図(ドット形状2mmφ,7mm間隔、面積率:7.6%) 接着剤層のパターンの例を示した図(ドット形状4mmφ,7mm間隔、面積率:29.8%) 接着剤層のパターンの例を示した図(ドット形状4mmφ,4mm間隔、面積率:89.0%) 接着剤層のパターンの例を示した図(斜線2mm幅線,7mm間隔、面積率:30.0%) 接着剤層のパターンの例を示した図(網目2mm幅線,7mm間隔、面積率:49.0%) 本発明の反射体の一例を示す断面図
符号の説明
10 多孔性樹脂シート層A
20 接着剤層B
30 金属薄膜層を有するプラスチックシートC

Claims (5)

  1. 樹脂と無機充填剤とからなる多孔性樹脂シート層(A)と
    接着剤層(B)と
    金属層(C)
    とがA/B/Cの順の積層構造を有する部位(I)と、
    樹脂と無機充填剤とからなる多孔性樹脂シート層(A)と
    金属層(C)
    とがA/Cの順の積層構造を有する部位(II)とからなる反射シート。
  2. 上記部位(I)の面積率が0.5〜99%である請求項1記載の反射シート。
  3. 多孔性樹脂シート層(A)側から測定した550nm波長の光における全反射率が96%以上である請求項1記載の反射シート。
  4. 多孔性樹脂シート層(A)の厚みが10μm〜200μmであることを特徴とする請求項1記載の反射シート。
  5. 多孔性樹脂シート層(A)が樹脂と無機充填剤とからなる組成物のシートを少なくとも一軸方向に1.2〜10.0倍延伸された多孔性樹脂シートであることを特徴とする請求項1記載の反射シート。
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