JP2000103952A - 熱可塑性樹脂組成物および射出成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物および射出成形品

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JP2000103952A JP27451998A JP27451998A JP2000103952A JP 2000103952 A JP2000103952 A JP 2000103952A JP 27451998 A JP27451998 A JP 27451998A JP 27451998 A JP27451998 A JP 27451998A JP 2000103952 A JP2000103952 A JP 2000103952A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリカーボネート樹脂とスチレン系樹脂からな
る樹脂成形品の表層剥離がなく、耐衝撃性、特に実用物
性に近い面衝撃強度が更に改善され、難燃剤配合におい
ても成形性、耐衝撃性、耐老化性にすぐれ、リサイクル
可能な熱可塑性樹脂組成物の提供を目的とする。 【解決手段】(A)ポリカーボネート樹脂20〜98重
量%、(B)スチレン系樹脂80〜2重量%である樹脂
100重量部に対して、(C)ビニル芳香族化合物を主
体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックからなるブロック共重合体、またはそ
の部分水添物の二重結合をエポキシ化したエポキシ変性
ブロック共重合体0.1〜20重量部および(D)コア
シェルタイプグラフトゴム状弾性体0.5〜20重量部
を含有する熱可塑性樹脂組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂組成物
に関し、詳しくは、成形性にすぐれ射出成形などによっ
て、OA機器、家庭電化機器などに用いられる成形品の
原料となる組成物に関し、さらに詳しくは、成形性、相
溶性、耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物および該組
成物からなる射出成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、すぐれた耐衝
撃特性、耐熱性、電気的特性などにより、OA(オフィ
スオートメーション)機器、情報機器、電気・電子機
器、家庭電化機器、自動車分野、建築分野等様々な分野
において幅広く利用されている。しかしながら、ポリカ
ーボネート樹脂は、成形加工温度が高く、溶融流動性が
悪い問題点を有している。一方、近時、これらの成形品
が、複写機、フアックスなどのOA機器、情報機器、電
気・電子機器などのハウジングや部品などの場合には、
形状が複雑になること、リブやボスなどの凹凸が成形品
に形成されること、軽量化、省資源の見地から成形品が
薄肉化することなどの理由から、ボリカーボネート樹脂
の溶融流動性、すなわち射出成形性を高めた組成物が求
められている。
【0003】ポリカーボネート樹脂の溶融流動性の改良
のために、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹
脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル・スチレン樹脂
(AS樹脂)などのスチレン系樹脂をポリカーボネート
樹脂に配合した組成物は、ポリマーアロイとして、その
耐熱性、耐衝撃性の特性を生かし、多くの成形品分野に
用いられてきている。一方、ポリカーボネート樹脂は自
己消化性樹脂ではあるが、これらのポリマーアロイにあ
っては、OA機器、情報機器、電気・電子機器などに用
いる場合には、その製品の安全性を高めるために、ある
レベル以上の難燃性が求められている。
【0004】これらを目的として、多くの方法が提案さ
れている。具体的には、特開昭61−55145号公報
には、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂、(B)AB
S樹脂、(C)AS樹脂、(D)ハロゲン化合物、
(E)リン酸エステル、(F)ポリテトラフルオロエチ
レン成分からなる熱可塑性樹脂組成物が記載されてい
る。特開平2−32154号公報には、(A)芳香族ポ
リカーボネート樹脂、(B)ABS樹脂、(C)AS樹
脂、(D)リン酸エステル、(E)ポリテトラフルオロ
エチレン成分からなる難燃性高衝撃性ポリカーボネート
成形用組成物が記載されている。
【0005】しかしながら、ポリカーボネート樹脂とス
チレン系樹脂の相溶性が十分でなく、大型成形品や薄肉
成形品を高速射出する場合など成形品に表層剥離が生じ
易いこと、衝撃強度、特に面衝撃強度が十分でない問題
点がある。また、リン酸エステル化合物などの難燃剤配
合による難燃性付与組成物にあっては、高温、高湿雰囲
気下で劣化し易いこと、成形品の回収再利用における再
溶融において、物性の低下、着色の発生など、リサイク
ル性が不十分である問題を残している。
【0006】ポリカーボネート樹脂とスチレン系樹脂配
合組成物における相溶性を高める方法として、同一分子
内に、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとから
なるブロック共重合体の共役ジエン化合物の不飽和炭素
の二重結合をエポキシ化したエポキシ変性ブロック共重
合体を樹脂100重量部に0.5〜5重量部配合する方
法が提案されている(特開平9−48894号公報)。
また、この組成物にさらに、難燃剤である有機燐化合物
を配合する難燃性樹脂組成物も開示されている(特開平
9−324086号公報、特開平10−168273号
公報)。この組成物は衝撃強度が大幅に向上した優れた
特徴を有する組成物である。
【0007】一方、ポリカーボネート樹脂とスチレン系
樹脂からなる樹脂組成物の衝撃物性向上方法として、ゴ
ム状重合体を配合することは良く知られている。たとえ
ば、特開平8−3397号公報には、(A)ポリカーボ
ネート樹脂、(B)AS樹脂、(C)ABS樹脂、
(D)複合ゴム系グラフト共重合体、(E)難燃剤を含
む難燃性熱可塑性樹脂組成物が、特開平8−23956
5号公報には、(A)芳香族ポリカーボネート、(B)
ゴム状弾性体を含有する耐衝撃ポリスチレン樹脂、
(C)ハロゲン非含有リン酸エステル、(D)コアシエ
ルタイプグラフトゴム状弾性体、(D)タルクを含むポ
リカーボネート樹脂組成物が開示されている。
【0008】前記の同一分子内に、ビニル芳香族化合物
を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体
とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体の共
役ジエン化合物の不飽和炭素の二重結合をエポキシ化し
たエポキシ変性ブロック共重合体を配合する方法、ある
いは、複合ゴム系グラフト共重合体などを用いた方法
は、衝撃強度が大幅に向上する優れた方法である。しか
しながら、本願発明者のの検討によると、耐衝撃性にお
いて、実用物性に近い、面衝撃強度が必ずしも十分でな
いことが明らかとなった。また、成形品表層剥離が発生
し易く、リン系の難燃剤配合組成物にあっては、耐老化
性も十分でないことが明らかとなった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状の
下、ポリカーボネート樹脂による、薄肉化、大型化、複
雑化するOA機器、情報機器、電気・電子機器、家庭電
化機器、自動車などに用いられる成形品の成形におい
て、成形品での表層剥離がなく、耐衝撃性、特に実用物
性としての面衝撃強度が更に改善され、難燃剤配合にお
いても成形性、耐衝撃性、耐老化性にすぐれ、リサイク
ル可能なポリカーボネート樹脂とスチレン系樹脂からな
る熱可塑性樹脂組成物およびこの組成物を用いた射出成
形品の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
ため、本発明者らは、ポリカーボネート樹脂とスチレン
系樹脂における、相溶性と耐衝撃性について、各種添加
剤効果について鋭意検討を行った。その結果、特定の添
加剤を選択併用使用することにより、これらの問題点が
解消できることを見出し、本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明は、 (1)(A)ポリカーボネート樹脂20〜98重量%、
(B)スチレン系樹脂80〜2重量%である樹脂100
重量部に対して、(C)ビニル芳香族化合物を主体とす
る重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合
体ブロックからなるブロック共重合体、またはその部分
水添物の二重結合をエポキシ化したエポキシ変性ブロッ
ク共重合体0.1〜20重量部および(D)コアシェル
タイプグラフトゴム状弾性体0.5〜20重量部を含有
する熱可塑性樹脂組成物。 (2)スチレン系樹脂がゴム変性スチレン系樹脂であ
り、(A)ポリカーボネート樹脂50〜95重量%、
(B)スチレン系樹脂50〜5重量%である上記(1)
記載の熱可塑性樹脂組成物。 (3)さらに、(E)難燃剤を、(A)および(B)か
らなる樹脂100重量部に対して0.1〜30重量部含
有する上記(1)または(2)記載の熱可塑性樹脂組成
物。 (4)難燃剤がハロゲン非含有リン酸エステルである上
記(3)記載の熱可塑性樹脂組成物。 (5)さらに、(F)フルオロオレフィン樹脂を、
(A)および(B)からなる樹脂100重量部に対し
て、0.05〜5重量部含有する上記(3)または
(4)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。 (6)さらに、(G)無機充填剤を、(A)または
(B)からなる樹脂100重量部に対して、1〜100
重量部含有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の
熱可塑性樹脂組成物。 (7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の熱可塑性
樹脂組成物を射出成形してなる射出成形品。 (8)射出成形品が、OA機器、情報機器、電気・電子
機器、家庭電化機器のハウジングあるいはそれらの部品
である上記(7)記載の射出成形品である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の樹脂組成物の構成成分(A)〜(D)に
ついて説明する。 (A)ポリカーボネート樹脂(PC) 本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成する(A)成分であ
るポリカーボネート樹脂(PC)としては、特に制限は
なく種々のものが挙げられる。通常、二価フェノールと
カーボネート前駆体との反応により製造される芳香族ポ
リカーボネートを用いることができる。すなわち、2価
フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法あるいは溶
融法、すなわち、二価フエノールとホスゲンの反応、2
価フエノールとジフェニルカーボネートなどとのエステ
ル交換法により反応させて製造されたものを使用するこ
とができる。
【0013】2価フェノールとしては、様々なものが挙
げられるが、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン〔ビスフェノールA〕、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロアルカン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキ
シド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ケトンなど、あるいはこれらのハロゲン置換体など
が挙げられる。
【0014】特に好ましい2価フエノールとしては、ビ
ス(ヒドロキシフェニル)アルカン系、特にビスフェノ
ールAを主原料としたものである。また、カーボネート
前駆体としては、カルボニルハライド、カルボニルエス
テル、またはハロホルメートなどであり、具体的にはホ
スゲン、2価フェノールのジハロホーメート、ジフェニ
ルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネートなどである。この他、二価フェノールとして
は、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール等が挙げ
られる。これらの二価フェノールは、それぞれ単独で用
いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0015】なお、ポリカーボネート樹脂は、分岐構造
を有していてもよく、分岐剤としては、1,1,1−ト
リス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,
α”−トリス(4−ビドロキシフェニル)−1,3,5
−トリイソプロピルベンゼン、フロログリシン、トリメ
リット酸、イサチンビス(o−クレゾール)などがあ
る。また、分子量の調節のためには、フェノール、p−
t−ブチルフェノール、p−t−オクチルフェノール、
p−クミルフェノールなどが用いられる。
【0016】また、本発明に用いるポリカーボネート樹
脂としては、ポリカーボネート部とポリオルガノシロキ
サン部を有する共重合体、あるいはこの共重合体を含有
するポリカーボネート樹脂であってもよい。また、テレ
フタル酸などの2官能性カルボン酸、またはそのエステ
ル形成誘導体などのエステル前駆体の存在下でポリカー
ボネートの重合を行うことによって得られるポリエステ
ル−ポリカーボネート樹脂であってもよい。また、種々
のポリカーボネート樹脂の混合物を用いることもでき
る。本発明において用いられる(A)成分のポリカーボ
ネート樹脂は、機械的強度および成形性の点から、その
粘度平均分子量は、10,000〜100,000のも
のが好ましく、特に14,000〜40,000のもの
が好適である。また、難燃剤として、ハロゲン非含有リ
ン酸エステルを用いる場合には、ポリカーボネート樹脂
は、構造中にハロゲンを含まないものが好ましく用いら
れる。
【0017】(B)スチレン系樹脂 本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成する(B)成分のス
チレン系樹脂は、スチレン、α−メチルスチレンなどの
モノビニル系芳香族単量体20〜100重量%、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル
系単量体0〜60重量%、およびこれらと共重合可能な
マレイミド、(メタ)アクリル酸メチルなどの他のビニ
ル系単量体0〜50重量%からなる単量体または単量体
混合物を重合して得られる重合体がある。これらの重合
体としては、ポリスチレン(GPPS)、アクリロニト
リル−スチレン共重合体(AS樹脂)などがある。
【0018】また、スチレン系樹脂としてはゴム変性ス
チレン系樹脂が好ましく利用できる。このゴム変性スチ
レン系樹脂としては、好ましくは、少なくともスチレン
系単量体がゴムにグラフト重合した耐衝撃性スチレン系
樹脂である。ゴム変性スチレン系樹脂としては、たとえ
ば、ポリブタジエンなどのゴムにスチレンが重合した耐
衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリブタジエンにア
クリロニトリルとスチレンとが重合したABS樹脂、ポ
リブタジエンにメタクリル酸メチルとスチレンが重合し
たMBS樹脂などがあり、ゴム変性スチレン系樹脂は、
二種以上を併用することができるとともに、前記のゴム
未変性であるスチレン系樹脂との混合物としても使用で
きる。
【0019】ゴム変性スチレン系樹脂中のゴムの含有量
は、例えば2〜50重量%、好ましくは、5〜30重量
%、特に5〜15重量%である。ゴムの割合が2重量%
未満であると、耐衝撃性が不十分となり、また、50重
量%を超えると熱安定性が低下したり、溶融流動性の低
下、ゲルの発生、着色などの問題が生じる場合がある。
上記ゴムの具体例としては、ポリブタジエン、アクリレ
ートおよび/またはメタクリレートを含有するゴム質重
合体、スチレン・ブタジエン・スチレンゴム(SB
S)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエ
ン・アクリルゴム、イソプレン・ゴム、イソプレン・ス
チレンゴム、イソプレン・アクリルゴム、エチレン・プ
ロピレンゴム等が挙げられる。このうち、特に好ましい
ものはポリブタジエンである。ここで用いるポリブタジ
エンは、低シスポリブタジエン(例えば1,2−ビニル
結合を1〜30モル%、1,4−シス結合を30〜42
モル%含有するもの)、高シスポリブタジエン(例えば
1,2−ビニル結合を20モル%以下、1,4−シス結
合を78モル%以上含有するもの)のいずれを用いても
よく、また、これらの混合物であってもよい。
【0020】(C)エポキシ変性ブロック共重合体 本発明で用いるエポキシ変性ブロック共重合体は、同一
分子内にビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロッ
ク(S)と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ック(B)とからなるブロック共重合体、またはこのブ
ロック共重合体の部分水添物である水添ブロック共重合
体を原料として、共役ジエン化合物に由来する二重結合
をエポキシ化したものである。ここで、ブロック共重合
体を構成する、ビニル芳香族化合物としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニル
トルエン、ジビニルベンゼンなどを例示でき、これらは
組み合わせて用いることもでき、好ましくはスチレンで
ある。
【0021】他方、ブロック共重合体を構成する共役ジ
エン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、1,3
−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ンなどが例示でき、これらは組み合わせて用いることも
でき、好ましくは、ブタジエン、イソプレン、これらの
組み合わせがある。このブロック共重合体の共重合比
(重量)は、ビニル芳香族化合物/共役ジエン化合物が
5/95〜70/30の範囲であり、好ましくは10/
90〜60/40の範囲である。
【0022】また、ブロック共重合体の分子構造は、直
鎖状、分岐状、放射状など任意である。たとえば、重合
体ブロック(S)と重合体ブロック(B)とが、S−B
−S、B−S−B−S、S−B−S−B−S、(S−B
−)4 Siなどを例示できる。これらのブロック共重合
体は、部分的に水添されたものであってもよい。これら
ブロック共重合体の分子量は、通常5,000〜60
0,000、好ましくは10,000〜400,000
の範囲である。また、分子量分布〔重量平均分子量(M
w)/数平均分子量(Mn)〕は、10以下のものが好
ましい。
【0023】つぎに、これらのブロック共重合体の変性
方法は、上記ブロック共重合体またはその部分水添物を
不活性溶媒中において、過酸化水素、ターシャリブチル
ハイドロパーオキサイド、クメンパーオキサイドなどの
ハイドロパーオキサイド類、過酢酸、過安息香酸などの
過酸類などのエポキシ化剤と反応させることにより得る
ことができる。このエポキシ変性ブロック共重合体は、
ダイセル化学工業株式会社製の「SBS A1020」
「SEBS420」などとして入手できる。
【0024】(D)コアシェルタイプグラフトゴム状弾
性体 本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いる、コアシェルタイ
プグラフトゴム状弾性体とは、コア(芯)とシェル
(殻)から構成される2層構造を有しており、コア部分
は軟質なゴム状態であって、その表面のシェル部分は硬
質な樹脂状態であり、弾性体自体は粉末状(粒子状態)
のものである。このゴム状弾性体は、ポリカーボネート
樹脂およびスチレン系樹脂と溶融ブレンドした後も、そ
の粒子状態は、大部分がもとの形態を保っている。配合
されたゴム状弾性体の大部分がもとの形態を保っている
ことにより、表層剥離を起こさない効果が得られるもの
と考えられる。このコアシェルタイプグラフトゴム状弾
性体としては、種々なものを挙げることができる。市販
のものとしては、例えばハイブレンB621(日本ゼオ
ン株式会社製)、KM−330(ローム&ハース株式会
社製)、メタブレンW529、メタブレンS2001、
メタブレンC223、メタブレンB621(三菱レイヨ
ン株式会社製)等が挙げられる。
【0025】これらの中で、例えば、アルキルアクリレ
ートやアルキルメタクリレート、ジメチルシロキサンを
主体とする単量体から得られるゴム状重合体の存在下
に、ビニル系単量体の1種または2種以上を重合させて
得られるものが挙げられる。ここで、アルキルアクリレ
ートやアクリルメタクリレートとしては、炭素数2〜1
0のアルキル基を有するものが好適である。具体的に
は、例えばエチルアクリレート、ブチルアクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルメタク
リレート等が挙げられる。
【0026】これらのアルキルアクリレート類を主体と
する単量体から得られるゴム状弾性体としては、アルキ
ルアクリレート類70重量%以上と、これと共重合可能
な他のビニル系単量体、例えばメチルメタクリレート、
アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン等30重量%
以下とを反応させて得られる重合体が挙げられる。な
お、この場合、ジビニルベンゼン、エチレンジメタクリ
レート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシア
ヌレート等の多官能性単量体を架橋剤として適宜添加し
て反応させてもよい。
【0027】ゴム状重合体の存在下に反応させるビニル
系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチ
レン等の芳香族ビニル化合物、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル等
が挙げられる。これらの単量体は、1種または2種以上
を組み合わせて用いてもよいし、また、他のビニル系重
合体、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等
のシアン化ビニル化合物や、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル等のビニルエステル化合物等と共重合させてもよ
い。この重合反応は、例えば塊状重合、懸濁重合、乳化
重合などの各種方法によって行うことができる。特に、
乳化重合法が好適である。
【0028】このようにして得られるコアシェルタイプ
グラフトゴム状弾性体は、前記ゴム状重合体を20重量
%以上含有していることが好ましい。このようなコアシ
ェルタイプグラフトゴム状弾性体としては、具体的には
60〜80重量%のn−ブチルアクリレートと、スチレ
ン、メタクリル酸メチルとのグラフト共重合体などのM
AS樹脂弾性体が挙げられる。中でも、ポリシロキサン
ゴム成分が5〜95重量%とポリアクリル(メタ)アク
リレートゴム成分95〜5重量%とが、分離できないよ
うに相互に絡み合った構造を有する、平均粒子径が0.
01〜1μm、好ましくは0.02〜0.6μmの複合
ゴムに少なくとも一種のビニル単量体がグラフト重合さ
れてなる複合ゴム系グラフト共重合体が好ましく用いら
れる。この共重合体は、それぞれのゴム単独でのグラフ
ト共重合体よりも耐衝撃改良効果が高い。この複合ゴム
系グラフト共重合体は、市販品としての、三菱レーヨン
株式会社製メタブレンS−2001などとして、入手で
きる。
【0029】つぎに、本発明の熱可塑性樹脂組成物の、
(A)〜(D)成分の組成割合について説明する。まず
ポリカーボネート樹脂とスチレン系樹脂とからなる樹脂
において、(A)ポリカーボネート樹脂20〜98重量
%、(B)スチレン系樹脂80〜2重量%、好ましくは
(A)50〜95重量%、(B)50〜5重量%、特に
好ましくは(A)60〜90重量%、(B)40〜10
重量%である。ポリカーボネート樹脂が20重量%未満
では耐熱性、強度が十分でなく、98重量%を越えると
溶融流動性の改良効果が低く成形性が不十分である。
【0030】なお、この場合の(B)スチレン系樹脂と
しては、前記したゴム変性スチレン系樹脂が好ましく用
いられ、(A)ポリカーボネート樹脂50〜95重量
%、ゴム変性スチレン系樹脂50〜5重量%であること
が好ましい。この樹脂組成割合は、ポリカーボネート樹
脂の分子量、メルトインデックス、スチレン系樹脂の種
類、分子量、メルトインデックス、ゴムの含有量などの
樹脂の特性、成形品の要求物性、用途、大きさ、厚みな
どを考慮して適宜決定される。
【0031】(C)成分であるビニル芳香族化合物を主
体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックからなるブロック共重合体、またはそ
の部分水添物の二重結合をエポキシ化したエポキシ変性
ブロック共重合体の含有量は、前記(A)および(B)
からなる樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量
部、好ましくは、0.2〜15重量部、特に好ましく
は、0.3〜10重量部である。ここで、0.1重量部
未満であると、相溶性改良効果が十分でなく、成形性、
表層剥離防止、衝撃性の改良効果が低く、20重量部を
越えると、耐熱性、剛性、難燃性が低下する場合があ
る。したがって、この含有量は、成形品の要求特性を考
慮して、難燃剤、他のゴム状弾性体や無機充填剤の含有
量などをもとに総合的に判断して決定される。
【0032】(D)成分であるコアシェルタイプグラフ
トゴム状弾性体のの含有量は、前記(A)および(B)
からなる樹脂100重量部に対して、0.5〜20重量
部、好ましくは、1〜15重量部、特に好ましくは1〜
10重量部である。ここで、0.5重量部未満である
と、目的とする表層剥離防止、衝撃改良効果も十分では
ない。また、20重量部を越えると耐熱性、剛性が低下
する場合があり、本発明の目的は20重量部以下で十分
達成される。したがって、この含有量は、成形品の要求
特性を考慮して、難燃剤、他のゴム状弾性体や無機充填
剤の含有量などをもとに総合的に判断して決定される。
本発明では、(C)成分と(D)成分を併用することが
重要であり、(C)成分と(D)成分の配合比率は、通
常(C):(D)が、3:97〜60:40、好ましく
は5:95〜50:50である。
【0033】本願発明は、前記(A)、(B)、(C)
および(D)成分を含有する熱可塑性樹脂組成物によっ
て、本発明の主目的を達成することができる。しかしな
がら、成形品が、OA機器、情報機器、電気・電子機器
などに用いられる場合には、高度の難燃性が要求される
場合がある。この場合には、(E)成分として各種難燃
剤を含有することによって、この要求に対応することが
できる。難燃剤としては、特に制限はなく、有機リン系
化合物、ハロゲン非含有リン系化合物、シリコン系化合
物、ハロゲン系化合物、チッソ系化合物、金属水酸化
物、赤リン、酸化アンチモン、膨張性黒鉛など公知のも
のを、目的に応じて用いることができる。
【0034】ハロゲン系化合物としては、テトラブロモ
ビスフェノールA、ハロゲン化ポリカーボネート、ハロ
ゲン化ポリカーボネート共重合体やこれらのオリゴマ
ー、デカブロモジフェニルエーテル、ハロゲン化ポリス
チレン、ハロゲン化ポリオレフィンなどを例示できる。
また、チッソ系化合物としては、メラミン、アルキル基
または芳香族基置換メラミンなど、金属水酸化物として
は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどを例
示できる。しかしながら、ハロゲン系難燃剤は比較的難
燃化効率はよいが、成形品の焼却時に有害物質を排出す
る恐れがあり、環境汚染、安全性の観点からハロゲンを
含まない難燃剤が好ましい。
【0035】ハロゲンを含まない難燃剤の例としては、
ハロゲン非含有有機リン系難燃剤である。有機リン系難
燃剤としては、リン原子を有し、ハロゲンを含まない有
機化合物であれば特に制限なく用いることができる。中
でも、リン原子に直接結合するエステル性酸素原子を1
つ以上有するリン酸エステル系化合物が好ましく用いら
れる。有機リン系化合物以外のハロゲン非含有難燃剤と
しては、赤リンやシリコーン油、シリコーン樹脂などの
シリコーン系難燃剤などがある。シリコーン系難燃剤と
しては、アルコキシ基、エポキシ基などの反応性基を含
有する特定構造のシリコーン系化合物や繰り返し単位中
の酸素量が異なる特定分子量のシリコーン樹脂などがあ
る(特開平6−306265号公報、特開平6−336
547号公報、特開平8−176425号公報、特開平
10−139964号公報など参照)。
【0036】ここで、ハロゲン非含有リン酸エステル系
化合物としては、たとえば、次式(1)
【0037】
【化1】
【0038】(ここで、R1 、R2 、R3 、R4 は、そ
れぞれ独立して、水素原子または有機基を表し、Xは2
価以上の有機基を表し、pは0または1であり、qは1
以上の整数であり、rは0以上の整数を表す。)で示さ
れるリン酸エステル系化合物である。式(1)におい
て、有機基とは、置換されていても、いなくてもよいア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基などである。
また置換されている場合の置換基としては、アルキル
基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ア
リールチオ基などがある。さらに、これらの置換基を組
み合わせた基であるアリールアルコキシアルキル基な
ど、またはこれらの置換基を酸素原子、窒素原子、イオ
ウ原子などにより結合して組み合わせたアリールスルホ
ニルアリール基などを置換基としたものなどがある。
【0039】また、式(1)において、2価以上の有機
基Xとしては、上記した有機基から、炭素原子に結合し
ている水素原子の1個以上を除いてできる2価以上の基
を意味する。たとえば、アルキレン基、(置換)フェニ
レン基、多核フェノール類であるビスフェノール類から
誘導されるものである。好ましいものとしては、ビスフ
ェノールA、ヒドロキノン、レゾルシノール、ジフエニ
ルメタン、ジヒドロキシジフェニル、ジヒドロキシナフ
タレン等がある。
【0040】ハロゲン非含有リン酸エステル系化合物
は、モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの
混合物であってもよい。具体的には、トリメチルホスフ
ェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェ
ート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチル
ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジ
ルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オ
クチルジフェニルホスフェート、トリ(2−エチルヘキ
シル)ホスフェート、ジイソプピルフェニルホスフェー
ト、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピ
ルフェニル)ホスフェート、トリブチルホスフェート、
ビスフェノールAビスホスフェート、ヒドロキノンビス
ホスフェート、レゾルシンビスホスフェート、レゾルシ
ノール−ジフェニルホスフェート、トリオキシベンゼン
トリホスフェート、クレジルジフェニルホスフェートな
どを例示できる。
【0041】難燃剤としての(E)成分として好適に用
いることができる市販のハロゲン非含有リン酸エステル
化合物としては、たとえば、大八化学工業株式会社製
の、TPP〔トリフェニルホスフェート〕、TXP〔ト
リキシレニルホスフェート〕、PFR〔レゾルシノール
(ジフェニルホスフェート)〕、PX200〔1,3−
フェニレン−テスラキス(2,6−ジメチルフェニル)
ホスフェート、PX201〔1,4−フェニレン−テト
ラキス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート、P
X202〔4,4’−ビフェニレン−テスラキス)2,
6−ジメチルフェニル)ホスフェートなどを挙げること
ができる。
【0042】(E)成分の難燃剤は、(A)および
(B)からなる樹脂100重量部に対して、0.1〜3
0重量部、好ましくは0.2〜20重量部含有すること
ができる。この含有量は、難燃剤の種類、難燃効率によ
って、成形品の難燃性要求程度に応じて決められる。リ
ン酸エステル系化合物の場合は、1〜25重量部、好ま
しくは2〜20重量部の範囲である。
【0043】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、燃焼時
の溶融滴下防止を目的にさらに、(F)フルオロオレフ
ィン樹脂を含有することができる。ここで(F)フルオ
ロオレフィン樹脂としては、フルオロエチレン構造を含
む重合体、共重合体であり、たとえば、ジフルオロエチ
レン重合体、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフ
ルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、
テトラフルオロエチレンとフッ素を含まないエチレン系
モノマーとの共重合体である。好ましくは、ポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)であり、その平均分子量
は、500,000以上であることが好ましく、特に好
ましくはは500,000〜10,000,000であ
る。本発明で用いることができるポリテトラフルオロエ
チレンとしては、現在知られているすべての種類のもの
を用いることができる。
【0044】なお、ポリテトラフルオロエチレンのう
ち、フィブリル形成能を有するものを用いると、さらに
高い溶融滴下防止性を付与することができる。フィブリ
ル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)には特に制限はないが、例えば、ASTM規格にお
いて、タイプ3に分類されるものが挙げられる。その具
体例としては、例えばテフロン6−J(三井・デュポン
フロロケミカル株式会社製)、ポリフロンD−1、ポリ
フロンF−103、ポリフロンF201L(ダイキン工
業株式会社製)、CD076(旭アイシーアイフロロポ
リマーズ株式会社製)等が挙げられる。
【0045】また、上記タイプ3に分類されるもの以外
では、例えばアルゴフロンF5(モンテフルオス株式会
社製)、ポリフロンMPA、ポリフロンFA−100
(ダイキン工業株式会社製)等が挙げられる。これらの
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、単独で用
いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。上記の
ようなフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)は、例えばテトラフルオロエチレン
を水性溶媒中で、ナトリウム、カリウム、アンモニウム
パーオキシジスルフィドの存在下で、1〜100psi
の圧力下、温度0〜200℃、好ましくは20〜100
℃で重合させることによって得られる。
【0046】ここで、フルオロオレフィン樹脂の含有量
は、前記(A)および(B)からなる樹脂100重量部
に対して、0.05〜5重量部、好ましくは、0.1〜
2重量部である。ここで、0.05重量部未満である
と、目的とする難燃性における溶融滴下性が十分でない
場合があり、5重量部を越ても、これに見合った効果の
向上はなく、耐衝撃性、成形品外観に悪影響を与える場
合がある。したがって、それぞれの成形品に要求される
難燃性の程度、たとえば、UL−94のV−0、V−
1、V−2などにより他の含有成分の使用量などを考慮
して適宜決定することができる。
【0047】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、
さらに、(G)無機充填剤を、成形品の剛性、さらには
難燃性をさらに向上させるために含有させることができ
る。ここで、無機充填剤としては、タルク、マイカ、カ
オリン、珪藻土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫
酸バリウム、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム
繊維などをあげることができる。なかでも、板状である
タルク、マイカなどや、繊維状の充填剤が好ましい。タ
ルクとしては、、マグネシウムの含水ケイ酸塩であり、
一般に市販されているものを用いることができる。タル
クには、主成分であるケイ酸と酸化マグネシウムの他
に、微量の酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化鉄
を含むことがあるが、本発明の樹脂組成物を製造するに
は、これらを含んでいてもかまわない。また、タルクな
どの無機充填剤の平均粒径は0.1〜50μm、好まし
くは、0.2〜20μmである。これら無機充填剤、特
にタルクを含有させることにより、剛性向上効果に加え
て、難燃剤としてのハロゲン非含有リン酸エステルの配
合量を減少させることができる。
【0048】ここで、(G)無機充填剤の含有量は、、
前記(A)と(B)成分の樹脂100重量部に対して、
1〜100重量部、好ましくは、2〜50重量部であ
る。ここで、1重量部未満であると、目的とする剛性、
難燃性改良効果が十分でない場合があり、100重量部
を越えると、耐衝撃性、溶融流動性が低下する場合があ
り、成形品の厚み、樹脂流動長など、成形品の要求性状
と成形性を考慮して適宜決定することができる。
【0049】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成形性、
耐衝撃性、外観改善、耐候性改善、剛性改善等の目的
で、上記(A)、(B)、(C)、(D)からなる必須
成分に、(E)〜(G)から選ばれた任意成分の一種以
上とともに、熱可塑性樹脂に常用されている添加剤成分
を必要により添加含有することができる。例えば、フェ
ノール系、リン系、イオウ系酸化防止剤、帯電防止剤、
ポリアミドポリエーテルブロック共重合体(永久帯電防
止性能付与)、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン
系の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系の光安定剤(耐
候剤)、抗菌剤、相溶化剤、着色剤(染料、顔料)等が
挙げられる。任意成分の配合量は、本発明の熱可塑性樹
脂組成物の特性が維持される範囲であれば特に制限はな
い。
【0050】次に、本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造
方法について説明する。本発明の熱可塑性樹脂組成物
は、前記の各成分(A)、(B)、(C)、(D)を上
記範囲の割合で、さらに必要に応じて用いられる、
(E)〜(G)の各種任意成分、さらには他の成分を所
定の割合で配合し、混練することにより得られる。この
ときの配合および混練は、通常用いられている機器、例
えばリボンブレンダー、ドラムタンブラーなどで予備混
合して、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単
軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、多軸スク
リュー押出機、コニーダ等を用いる方法で行うことがで
きる。混練の際の加熱温度は、通常240〜300℃の
範囲で適宜選択される。なお、ポリカーボネート樹脂と
スチレン系樹脂以外の含有成分は、あらかじめ、ポリカ
ーボネート樹脂、スチレン系樹脂あるいはこれ以外の他
の熱可塑性樹脂と溶融混練、すなわちマスターバッチと
して添加することもできる。
【0051】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記の溶
融混練成形機、あるいは、得られたペレットを原料とし
て、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、ブロー
成形法、プレス成形法、真空成形法、発泡成形法などに
より各種成形品を製造することができる。しかし、上記
溶融混練方法により、ペレット状の成形原料を製造し、
ついで、このペレットを用いて、射出成形、射出圧縮成
形による射出成形品の製造に特に好適に用いることがで
きる。なお、射出成形方法としては、外観のヒケ防止の
ため、あるいは軽量化のためのガス注入成形を採用する
こともできる。
【0052】本発明の熱可塑性樹脂組成物から得られる
射出成形品(射出圧縮を含む)としては、複写機、ファ
ックス、テレビ、ラジオ、テープレコーダー、ビデオデ
ッキ、パソコン、プリンター、電話機、情報端末機、冷
蔵庫、電子レンジなどのOA機器、情報機器、電気・電
子機器、家庭電化機器のハウジウングや各種部品、さら
には、自動車部品など他の分野にも用いられる。
【0053】
【実施例】本発明について実施例および比較例を示して
より具体的に説明するが、本発明はこれらに、何ら制限
されるものではない。 実施例1〜4および比較例1〜3 表1に示す割合で各成分を配合〔(A)、(B)成分は
重量%、他の成分は、(A)および(B)からなる樹脂
100重量部に対する重量部で示す。〕し、押出機(機
種名:VS40、田辺プラスチック機械株式会社製)に
供給し、260℃で溶融混練し、ペレット化した。な
お、すべての実施例および比較例において、酸化防止剤
としてイルガノックス1076(チバ・スペシャリティ
・ケミカルズ株式会社製)0.2重量部およびアデカス
タブC(旭電化工業株式会社社製)0.1重量部をそれ
ぞれ配合した。得られたペレットを、80℃で12時間
乾燥した後、成形温度260℃で射出成形して試験片を
得た。得られたペレット、試験片を用いて各種試験によ
って評価し、その結果を表1に示した。
【0054】なお、用いた成形材料および性能評価方法
を次に示す。 〔成形材料〕 (A)ポリカーボネート樹脂 PC:タフロン A1900(出光石油化学株式会社
製):ビスフェノールAポリカーボネート樹脂、MI=
20g/10分(300℃、1.2Kg荷重)、粘度平
均分子量:19000 (B)スチレン系樹脂 HIPS:耐衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS):ID
EMITSU PS IT44(出光石油化学社株式会
社製):ポリブタジエンにスチレンがグラフト重合した
もの、ゴム含有量=10重量%、MI:8g/10分
(200℃、5Kg荷重) ABS:アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体
(ABS):DP−611(テクノマリマー株式会社
製)、MI=2g/10分(200℃、5Kg荷重) (C)エポキシ変性ブロック共重合体 エポキシ化SBS:A1020(ダイセル化学工業株式
会社製):ブタジエン含有量=60重量%、エポキシ当
量=400 (D)ゴム状弾性体(コアシェルタイプグラフトゴム状
弾性体) 複合ゴム系グラフト共重合体:メタブレンS2001
(三菱レーヨン株式会社製):ポリジメチルシロキサン
含有量:50重量%以上
【0055】(E)難燃性剤(有機リン系難燃剤) P−1:レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェー
ト):リン酸エステルPFR(旭電化工業株式会社製) P−2:トリフェニルホスフェート:TPP(大八化学
株式会社製) (F)フルオロオレフィン樹脂 PTFE:F201L(ダイキン化学工業株式会社
製):分子量400万〜500万 (G)タルク FFR(浅田製粉株式会社製)、平均粒径:0.7μm
【0056】〔性能評価方法] (1)溶融流動性 SFL(スパイラルフロー長さ):出光法(成形温度2
40℃、金型温度60℃、肉厚3mm、幅10mm、射
出圧力110MPa)、単位:cm (2)IZOD(アイゾット衝撃強度) ASTM D256に準拠、23℃(肉厚1/8イン
チ)、単位:kJ/m2 (3)面衝撃強度:JIS K7211に準拠 自動落錘試験:錘3.76Kg、落下速度7m/秒、試
験片厚み2mm (4)表層剥離 成形品の切断面を目視観察、〇:剥離なく良好、×:表
層剥離見られる (5)難燃性 UL94燃焼試験に準拠(試験片厚み:1.5mm) (6)耐湿性 温度:70℃、湿度:90%の条件下で、500時間の
暴露試験を行った。暴露後のIZOD(アイゾット衝撃
強度)を測定するとともに、JIS H7103(黄変
度試験方法)に準拠して、色差計で試験片の色相(L,
a,b)を測定し、色調変化をΔEとして算出した。 (7)リサイクル性 成形品(試験片)を破砕して、回収し、破砕物100%
を用いて、同様な成形条件で試験片を成形した。再生試
験片のIZODを測定するとともに、前記の方法で色調
変化をΔEとして算出した。
【0057】
【表1】
【0058】表1の結果から明らかなように、本発明の
熱可塑性樹脂組成物からの成形品は(C)と(D)の併
用により、表層剥離がなく、衝撃強度、特に面衝撃強度
が大幅に向上していることが明らかである。また、優れ
た耐湿性、リサイクル性があることが、衝撃強度、色調
の測定結果より明らかである。
【0059】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリカ
ーボネート樹脂とスチレン系樹脂の相溶性が向上し、表
層剥離が生じないとともに、衝撃強度、特に実用物性に
近い面衝撃強度が格段に向上する。また、リン酸エステ
ル系化合物を配合した難燃性組成物においても、同様な
効果を発現するとともに、耐老化性、熱安定性にも優れ
リサイクル使用の可能性が高く、環境問題、省資源に貢
献できるものである。したがって、OA機器、情報機
器、電気・電子機器、家庭電化機器、自動車部品などの
大型化、薄肉化にも十分対応できるものであり、その応
用分野の拡大が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 51/04 C08L 51/04 53/02 53/02 63/00 63/00 A H05K 5/02 H05K 5/02 J //(C08L 69/00 25:02 53:02 51:04 27:12) B29K 25:00 69:00 Fターム(参考) 4E360 GA11 GA26 GA60 GB11 GB21 GB41 GB81 GC08 4F206 AA13F AA13J AA13K AA16 AA28K AB05 AB11 AB16 AB19 AH42 JA07 4J002 AC08X BB245 BC04X BC06X BC09X BC115 BD125 BD145 BD155 BD165 BH01X BN124 BN15X BN16X BP013 CG00W CG035 CP034 CP035 DA017 DA056 DE076 DE146 DE187 DE237 DG047 DG057 DJ037 DJ047 DJ057 DL007 ED076 EJ056 EU186 EW046 FA017 FA047 FD017 FD135 FD136 GG01 GQ00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリカーボネート樹脂20〜98
    重量%、(B)スチレン系樹脂80〜2重量%である樹
    脂100重量部に対して、(C)ビニル芳香族化合物を
    主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体と
    する重合体ブロックからなるブロック共重合体、または
    その部分水添物の二重結合をエポキシ化したエポキシ変
    性ブロック共重合体0.1〜20重量部および(D)コ
    アシェルタイプグラフトゴム状弾性体0.5〜20重量
    部を含有する熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 スチレン系樹脂がゴム変性スチレン系樹
    脂であり、(A)ポリカーボネート樹脂50〜95重量
    %、(B)ゴム変性スチレン系樹脂50〜5重量%であ
    る請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 さらに、(E)難燃剤を、(A)および
    (B)からなる樹脂100重量部に対して0.1〜30
    重量部含有する請求項1または2記載の熱可塑性樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 難燃剤がハロゲン非含有リン酸エステル
    である請求項3記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 さらに、(F)フルオロオレフィン樹脂
    を、(A)および(B)からなる樹脂100重量部に対
    して、0.05〜5重量部含有する請求項3または4記
    載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 さらに、(G)無機充填剤を、(A)ま
    たは(B)からなる樹脂100重量部に対して、1〜1
    00重量部含有する請求項1〜5のいずれかに記載の熱
    可塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性
    樹脂組成物を射出成形してなる射出成形品。
  8. 【請求項8】射出成形品が、OA機器、情報機器、電気
    ・電子機器、家庭電化機器のハウジングあるいはそれら
    の部品である請求項7記載の射出成形品。
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