JP2000212429A - 難燃性ポリカ―ボネ―ト樹脂組成物および成形品 - Google Patents
難燃性ポリカ―ボネ―ト樹脂組成物および成形品Info
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Abstract
樹脂からなる組成物のリン酸エステル化合物による難燃
化において、耐衝撃性、ウエルド強度、ウエルド外観、
光沢などの成形品外観にすぐれ、しかも黒色、ダークグ
レー、ダークブルーなどの暗色系の着色が容易な成形品
の提供。 【解決手段】(A)ポリカーボネート樹脂60〜99重
量%と(B)ゴム変性ポリスチレン樹脂40〜1重量%
からなる樹脂100重量部に対して、(C)リン酸エス
テル化合物1〜30重量部を含有する組成物であって、
(B)ゴム変性ポリスチレン樹脂の(a)面積平均ゴム
粒子径が0.1〜2.5μm、(b)膨潤指数が10〜
20、(c)ゲル含量が15〜25重量%である難燃性
ポリカーボネート樹脂組成物。
Description
ート樹脂組成物に関し、詳しくは、耐衝撃性、ウエルド
強度、ウエルド外観など外観にすぐれ、特に暗色系の着
色性にすぐれた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物およ
び成形品に関するものである。
撃特性、耐熱性、電気的特性などにより、OA(オフィ
スオートメーション)機器、情報・通信機器、家庭電化
機器などの電気・電子機器、自動車分野、建築分野など
様々な分野において幅広く利用されている。ポリカーボ
ネート樹脂は、一般的に自己消火性樹脂ではあるが、O
A機器、情報・通信機器、家庭電化機器などの電気・電
子機器分野を中心として、さらなる難燃性の向上がを要
求されている。
方法として、ハロゲン化ビスフェノールA、ハロゲン化
ポリカーボネートオリゴマーなどのハロゲン系難燃剤が
難燃剤効率の点から酸化アンチモンなどの難燃助剤とと
もに用いられてきた。しかし、近時安全性、環境への影
響の観点から、ハロゲンを含まない難燃剤による難燃化
方法が市場より求められている。ノンハロゲン系難燃剤
として、有機リン系難燃剤、特にリン酸エステル化合物
を配合したポリカーボネート樹脂組成物はすぐれた難燃
性を示すとともに、可塑剤としての作用もあり、多くの
方法が提案されている。
温度が高い、溶融流動性が悪いという問題点を有してい
る。このため、成形温度が比較的高く、特に、各種添加
剤を配合した場合に成形時の熱安定性が低下したり、そ
の性能が十分生かされない場合がある。近時、成形品が
複写機、ファックス、電話機などの電気・電子機器類の
部品やハウジングなどの場合には、形状が複雑になるこ
と、リブやボスなどの凹凸や開口部が成形品に形成され
ること、軽量化、省資源の見地から成形品が薄肉化する
ことなどの理由から、ボリカーボネート樹脂の溶融流動
性、すなわち射出成形性を高めた組成物が求められてい
る。この成形性の改善としては、耐衝撃性などの物性も
考慮して、(ゴム変性)スチレン系樹脂との配合組成物
が多く提案されている。
いリン酸エステル化合物を難燃剤として配合した組成
物、さらには溶融流動性の改良のために、アクリロニト
リル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)、ゴム
変性ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル
・スチレン樹脂(AS樹脂)などの(ゴム変性)スチレ
ン系樹脂を配合した組成物は、ポリマーアロイとして、
その耐熱性、耐衝撃性の特性を生かし、多くの成形品分
野に用いられてきている。
チレン系樹脂からなる良溶融流動性組成物において、ゴ
ム変性スチレン系樹脂としては、アクリロニトリル・ブ
タジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)が多用されてい
る。しかしながら、ABS樹脂を配合したものは、溶融
流動性や耐衝撃性にはすぐれたものであるが、剛性が低
くなる場合がある。また、ゴム変性ポリスチレン樹脂
(HIPS)も同様にすぐれた溶融流動性と耐衝撃特性
を有する。HIPSはABS樹脂に比較して、ゴム量を
低く抑えることによって、剛性を高くすることもでき
る。しかしながら、ゴム含有量が少ないと、剛性、耐熱
性の低下は少ないが、耐衝撃性が低下すると言う問題点
が新たに発生する。
レン樹脂にリン酸エステル化合物を配合してなる組成物
は、ゴム変性ポリスチレン樹脂のゴムの含有量により、
難燃性と耐衝撃性を満足するものである。しかしなが
ら、耐熱性、剛性をあるレベルに維持する場合に、耐衝
撃性が十分でない場合がある。一方、これら難燃性ポリ
カーボネート樹脂組成物は、射出成形などにより成形さ
れ、OA機器などのハウジングなどとして多用されてい
る。これらの成形品は灰色乃至黒色などの暗色系に着色
されるのが一般的であり、カーボンブラックを主成分と
した着色剤により着色されている。
成形品の複雑化などにより、ウエルドが発生する金型形
状のものであり、この場合に、ウエルド部の外観が悪く
なったり、ウエルド強度が低下する問題点を有する。こ
れらの問題点は、ポリカーボネート樹脂とゴム変性ポリ
スチレン樹脂とからなる樹脂にリン酸エステル化合物を
配合した場合に特に問題になる。
レン樹脂とリン酸エステル化合物を配合してなる組成物
としては、たとえば特開平10−110092号公報に
は、ゴム状重合体含有量が15〜25重量%、体積平均
粒子径が0.3〜5.0μm、ゲル含有率が15〜70
重量%からなるゴム変性ポリスチレン系樹脂を用い、さ
らにビニル芳香族ブロックと共役ジェン化合物ブロック
からなるブロック共重合体類を用いることが提案されて
いる。特開平9−151293号公報には、ゴム強化ビ
ニル樹脂として、重量平均粒子径0.1μ以上〜0.3
μ未満の小粒子径ゴム1〜5重量%および重量平均粒子
径0.3μ以上〜2μ未満の大粒子径ゴム3〜10重量
%含有するゴム強化ビニル系樹脂(ABS樹脂)を用い
るメッキ性にすぐれた組成物が提案されている。しかし
ながら、これらの組成物においては、樹脂組成物の顔料
による着色性やウエルド外観、ウエルド強度に関する記
載はない。
下、ポリカーボネート樹脂とゴム変性ポリスチレン樹脂
からなる組成物のリン酸エステル化合物による難燃化に
おいて、すぐれた難燃性を維持しながら、耐衝撃性、ウ
エルド強度、ウエルド外観、光沢などの成形品外観にす
ぐれ、しかも黒色、ダークグレー、ダークブルー、ライ
トグレーなどの暗色系の着色が容易な成形品を成形可能
な難燃性ポリカーボネート樹脂組成物およびこの組成物
を用いた成形品の提供を目的とする。
ため、本発明者らは、難燃性ポリカーボネート樹脂のゴ
ム変性ポリスチレン樹脂による良流動化、リン酸エステ
ル化合物による難燃化において、成形性の改善ととも
に、耐衝撃性、外観、ウエルド適性などについて鋭意検
討した。その結果、リン酸エステル化合物を難燃剤とし
て含有するポリカーボネート樹脂とゴム変性ポリスチレ
ン樹脂組成物において、組成物中のゴム変性ポリスチレ
ン樹脂として特定性状のものを選択使用する場合に成形
性、剛性の低下が少なく、耐衝撃性が改善され、しかも
暗色系の着色が容易になるとともに、ウエルド特性、光
沢にもすぐれていることを見いだし、本発明を完成し
た。
(B)ゴム変性ポリスチレン樹脂40〜1重量%からな
る樹脂100重量部に対して、(C)リン酸エステル化
合物1〜30重量部を含有する組成物であって、(B)
ゴム変性ポリスチレン樹脂の(a)面積平均ゴム粒子径
が0.1〜2.5μm、(b)膨潤指数が10〜20、
(c)ゲル含量が15〜25重量%である難燃性ポリカ
ーボネート樹脂組成物。 (2)さらに、(D)フルオロオレフィン樹脂を、
(A)および(B)からなる樹脂100重量部に対し
て、0.02〜5重量部含有する上記(1)記載の難燃
性ポリカーボネート樹脂組成物。 (3)さらに、(E)コア/シェルタイプグラフトゴム
状弾性体を、(A)および(B)からなる樹脂100重
量部に対して、0.2〜30重量部含有する上記(1)
または(2)記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物。 (4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の難燃性ポ
リカーボネート樹脂組成物からなる成形品。 (5)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の難燃性ポ
リカーボネート樹脂組成物からなる電気・電子機器のハ
ウジングまたは部品である射出成形品。 (6)成形品表面のL値が80以下である上記(4)ま
たは(5)記載の成形品である。
まず、本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の構
成成分(A)〜(C)について説明する。 (A)ポリカーボネート樹脂(PC) 本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を構成する
(A)成分であるポリカーボネート樹脂(PC)として
は、特に制限はなく種々のものが挙げられる。通常、2
価フェノールとカーボネート前駆体との反応により製造
される芳香族ポリカーボネートを用いることができる。
すなわち、2価フェノールとカーボネート前駆体とを溶
液法あるいは溶融法、すなわち、2価フエノールとホス
ゲンの反応、2価フエノールとジフェニルカーボネート
などとのエステル交換法により反応させて製造されたも
のを使用することができる。
げられるが、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン〔ビスフェノールA〕、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキ
シド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ケトンなどが挙げられる。
ス(ヒドロキシフェニル)アルカン系、特にビスフェノ
ールAを主原料としたものである。また、カーボネート
前駆体としては、カルボニルハライド、カルボニルエス
テル、またはハロホルメートなどであり、具体的にはホ
スゲン、2価フェノールのジハロホーメート、ジフェニ
ルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネートなどである。この他、2価フェノールとして
は、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール等が挙げ
られる。これらの2価フェノールは、それぞれ単独で用
いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
を有していてもよく、分岐剤としては、1,1,1−ト
リス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,
α”−トリス(4−ビドロキシフェニル)−1,3,5
−トリイソプロピルベンゼン、フロログリシン、トリメ
リット酸、イサチンビス(o−クレゾール)などがあ
る。また、分子量の調節のためには、フェノール、p−
t−ブチルフェノール、p−t−オクチルフェノール、
p−クミルフェノールなどが用いられる。
脂としては、ポリカーボネート部とポリオルガノシロキ
サン部を有する共重合体、あるいはこの共重合体を含有
するポリカーボネート樹脂であってもよい。また、テレ
フタル酸などの2官能性カルボン酸、またはそのエステ
ル形成誘導体などのエステル前駆体の存在下でポリカー
ボネートの重合を行うことによって得られるポリエステ
ル−ポリカーボネート樹脂であってもよい。また、種々
のポリカーボネート樹脂の混合物を用いることもでき
る。本発明において用いられる(A)成分のポリカーボ
ネート樹脂は、構造中に実質的にハロゲンを含まないも
のが好ましい。また、機械的強度および成形性の点か
ら、その粘度平均分子量は、通常10,000〜10
0,000、好ましくは11,000〜40,000、
特に12,000〜25,000のものが好適である。
としては、樹脂の末端基中に占めるヒドロキシル基の割
合が0.5モル%以上、好ましくは0.5〜20モル%
である。ここでヒドロキシル基の割合は、ポリカーボネ
ート樹脂とリン酸エステル化合物、特に、ポリカーボネ
ート樹脂とゴム変性ポリスチレン樹脂との配合組成物に
おいて、組成物の相溶性の向上に寄与し、結果として成
形品の層状剥離などの不良減少の低減、衝撃強度、伸
び、ウエルド強度などの物性が向上する場合がある。し
かしながら他方では、耐熱性などの低下などにも影響す
る場合がある。したがって、ヒドロキシル基の全末端に
占める割合は、0.5〜20%であることが総合的に見
て好ましい範囲である。
(B)成分のゴム変性ポリスチレン樹脂としては、スチ
レン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレンなどのモノ
ビニル系芳香族単量体単独または2種以上をゴム状重合
体の存在下に重合して得られる樹脂である。得られたゴ
ム変性ポリスチレン樹脂は、ビニル芳香族重合体からな
るマトリックス中にゴム状重合体が粒子状に分散してな
る樹脂である。重合方法としては、塊状重合、塊状懸濁
重合、溶液重合、乳化重合がある。
ブタジエン、アクリレートおよび/またはメタクリレー
トを含有するゴム質重合体、スチレン・ブタジエン・ス
チレンゴム(SBS)、スチレン・ブタジエンゴム(S
BR)、ブタジエン・アクリルゴム、イソプレン・ゴ
ム、イソプレン・スチレンゴム、イソプレン・アクリル
ゴム、エチレン・プロピレンゴム等が挙げられる。この
うち、特に好ましいものはポリブタジエンである。ここ
で用いるポリブタジエンは、低シスポリブタジエン(例
えば1,2−ビニル結合を1〜30モル%、1,4−シ
ス結合を30〜42モル%含有するもの)、高シスポリ
ブタジエン(例えば1,2−ビニル結合を20モル%以
下、1,4−シス結合を78モル%以上含有するもの)
のいずれを用いてもよく、また、これらの混合物であっ
てもよい。
物としては、このゴム変性ポリスチレン樹脂が、以下の
特性を有することに特徴を有する。すなわち、 (a)面積平均ゴム粒子径が0.1〜2.5μm (b)膨潤指数が10〜20 (c)ゲル含量が15〜25重量%であるゴム変性ポリ
スチレン樹脂である。
0.1〜2.5μmである。ここで面積平均ゴム粒子径
が0.1μm未満では、耐衝撃性が不十分となり、2.
5μmを越えると成形品の剛性の低下、ウエルド部の外
観や強度が低下し、特に暗色系の成形品において、着色
性が低下し、色むらの発生により商品価値の低下が見ら
れる場合がある。したがって、面積平均ゴム粒子径とし
ては、0.3〜2μmが好ましい。
ムの面積平均ゴム粒子径は、組成物試料をオスミニウム
酸で染色したのち、超薄切片として透過型電子顕微鏡で
写真撮影し、ゴム状重合体粒子200個以上について、
長粒径(D)を測定し、次式に基づいて面積平均ゴム粒
子径(Ds)を算出した。 Ds=(ΣD3 )/(ΣD2 ) 第二に、(b)膨潤指数が10〜20である。好ましく
は12〜18である。ここで膨潤指数が前記範囲を逸脱
すると衝撃強度が低下する傾向を示すので好ましくな
い。また、、10未満であるとポリカーボネート樹脂と
の相溶性が低下し、表層剥離などの外観不良が発生しや
すくなる。
%、好ましくは17〜23重量%である。ここでゲル含
量が15重量%未満であると耐衝撃性が十分でなく、ま
た25重量%を越えると光沢が低下するなど成形品の外
観不良が発生しやすくなる。また、15重量%未満で
は、ポリカーボネート樹脂との相溶性が低下する。ここ
で、ゴム変性ポリスチレン樹脂の膨潤指数、ゲル含量は
以下のようにして測定される。試料Wc(3g)をトル
エン150ミリリットルに溶解し、15,000rpm
で60分間遠心分離後、上澄液をデカンテイションして
捨て、再度トルエン150ミリリットルを加えて攪拌
後、再度遠心分離を行い、上澄液をデカンテーションに
より捨て、膨潤した不溶成分量Ws(g)求め、次に、
この膨潤した不溶成分を60℃で24時間真空乾燥し
て、乾燥不溶成分量Wg(g)を求め、 膨潤指数=Ws/Wg ゲル含量(重量%)=(Wg/wc)×100として算
出する。
は、その製造方法は特に制限されるものではないが、た
とえば以下の方法により製造することができる。たとえ
ばゴム状重合体3〜12重量%の存在下に、芳香族ビニ
ル単量体を重合させた後、特定の処理条件の下に脱気処
理することにより得ることができる。重合方法として
は、公知の塊状重合または塊状懸濁重合、特に塊状重合
が好ましい。ゴム変性ポリスチレン樹脂の面積平均ゴム
粒子径は、重合時の攪拌条件を変化して行う公知の方法
が採用される。また、分子量としては、JIS K72
10に準拠し、温度200℃、荷重5kgの条件で測定
されるメルトインデックス(MI)が、通常1〜20g
/10分となるように重合度が調節される。
0〜250℃、滞留時間0.5〜3時間の範囲で行うこ
とにより、膨張指数とゲル量が本発明の範囲内になるよ
うに制御することにより、本発明で用いるゴム変性ポリ
スチレン樹脂を得ることができる。 (C)リン酸エステル化合物 リン酸エステル化合物としては、特にハロゲンを含まな
いリン酸エステル化合物であり、リン酸エステル化合物
としては、たとえば、次式(1)
れぞれ独立して、水素原子または有機基を表し、Xは2
価以上の有機基を表し、pは0または1であり、qは1
以上の整数であり、rは0以上の整数を表す。)で示さ
れるリン酸エステル化合物である。式(1)において、
有機基とは、置換されていても、いなくてもよいアルキ
ル基、シクロアルキル基、アリール基などである。また
置換されている場合の置換基としては、アルキル基、ア
ルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリール
チオ基などがある。さらに、これらの置換基を組み合わ
せた基であるアリールアルコキシアルキル基など、また
はこれらの置換基を酸素原子、窒素原子、イオウ原子な
どにより結合して組み合わせたアリールスルホニルアリ
ール基などを置換基としたものなどがある。
基Xとしては、上記した有機基から、炭素原子に結合し
ている水素原子の1個以上を除いてできる2価以上の基
を意味する。たとえば、アルキレン基、(置換)フェニ
レン基、多核フェノール類であるビスフェノール類から
誘導されるものである。好ましいものとしては、ビスフ
ェノールA、ヒドロキノン、レゾルシノール、ジフエニ
ルメタン、ジヒドロキシジフェニル、ジヒドロキシナフ
タレン等がある。
ゴマー、ポリマーあるいはこれらの混合物であってもよ
い。具体的には、トリメチルホスフェート、トリエチル
ホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチル
ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリ
フェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ク
レジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホ
スフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェー
ト、ジイソプピルフェニルホスフェート、トリキシレニ
ルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホス
フェート、トリブチルホスフェート、ビスフェノールA
ビスホスフェート、ヒドロキノンビスホスフェート、レ
ゾルシンビスホスフェート、レゾルシノール−ジフェニ
ルホスフェート、トリオキシベンゼントリホスフェー
ト、クレジルジフェニルホスフェートなど、これらの置
換体、縮合体などを例示できる。
物の(C)成分として好適に用いることができる市販の
ハロゲン非含有リン酸エステル化合物としては、たとえ
ば、大八化学工業株式会社製の、TPP〔トリフェニル
ホスフェート〕、TXP〔トリキシレニルホスフェー
ト〕、CR−733S〔レゾルシノールビス(ジフェニ
ルホスフェート)〕、PX200〔1,3−フェニレン
−テトラキス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェー
ト、PX201〔1,4−フェニレン−テトラキス
(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート、PX20
2〔4,4’−ビフェニレン−テスラキス)2,6−ジ
メチルフェニル)ホスフェートなどを挙げることができ
る。
成について説明する。本発明においては、(B)成分の
ゴム変性ポリスチレン樹脂は、本発明の難燃性とは直接
関係はなく、ポリカーボネート樹脂の溶融流動性を改良
するとともに耐衝撃性のために配合されるものである。
ここで、(A)ポリカーボネート樹脂と(B)ゴム変性
ポリスチレン樹脂の配合比は、(A)ポリカーボネート
樹脂60〜99重量%、好ましくは70〜95重量%と
(B)ゴム変性ポリスチレン樹脂40〜1重量%、好ま
しくは30〜5重量%である。ここで、(A)成分のポ
リカーボネート樹脂が60重量%未満では、耐熱性、強
度が十分でなく、(B)成分のゴム変性ポリスチレン樹
脂が1重量部未満では成形性の改良効果が不十分である
場合がある。これらの配合比は、ポリカーボネート樹脂
の分子量、ゴム変性ポリスチレン樹脂の種類、分子量、
メルトインデックス、ゴムの含有量や成形品の用途、大
きさ、厚みなどを考慮して適宜決定される。
含有量は、前記(A)および(B)からなる樹脂100
重量部に対して、1〜30重量部、好ましくは、2〜2
5重量部、特に好ましくは、3〜20重量部である。こ
こで、1重量部未満であると、目的とする難燃性を得る
ことが難しく、また、30重量部を越えると、耐熱性の
低下、衝撃強度の低下が起こる場合がある。したがっ
て、この含有量は、成形品の難燃要求特性を考慮して、
リン酸エステル化合物の種類、他のゴム状弾性体、無機
充填剤などの含有量などをもとに総合的に判断して決定
される。
物は、基本的には、(A)〜(C)成分からなるもので
ある。しかし、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物に
は、燃焼時の溶融滴下防止を目的にさらに、(D)フル
オロオレフィン樹脂を含有することができる。ここで
(D)フルオロオレフィン樹脂としては、通常フルオロ
エチレン構造を含む重合体、共重合体であり、たとえ
ば、ジフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレ
ン重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ素を
含まないエチレン系モノマーとの共重合体である。好ま
しくは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であ
り、その平均分子量は、500,000以上であること
が好ましく、特に好ましくはは500,000〜10,
000,000である。本発明で用いることができるポ
リテトラフルオロエチレンとしては、現在知られている
すべての種類のものを用いることができる。
ち、フィブリル形成能を有するものを用いると、さらに
高い溶融滴下防止性を付与することができる。フィブリ
ル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)には特に制限はないが、例えば、ASTM規格にお
いて、タイプ3に分類されるものが挙げられる。その具
体例としては、例えばテフロン6−J(三井・デュポン
フロロケミカル株式会社製)、ポリフロンD−1、ポリ
フロンF−103、ポリフロンF201(ダイキン工業
株式会社製)、CD076(旭アイシーアイフロロポリ
マーズ株式会社製)等が挙げられる。
では、例えばアルゴフロンF5(モンテフルオス株式会
社製)、ポリフロンMPA、ポリフロンFA−100
(ダイキン工業株式会社製)等が挙げられる。これらの
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、単独で用
いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。上記の
ようなフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)は、例えばテトラフルオロエチレン
を水性溶媒中で、ナトリウム、カリウム、アンモニウム
パーオキシジスルフィドの存在下で、1〜100psi
の圧力下、温度0〜200℃、好ましくは20〜100
℃で重合させることによって得られる。
は、前記(A)および(B)からなる樹脂100重量部
に対して、0.02〜5重量部、好ましくは、0.05
〜2重量部である。ここで、0.02重量部未満である
と、目的とする難燃性における耐溶融滴下性が十分でな
い場合があり、5重量部を越ても、これに見合った効果
の向上はなく、耐衝撃性、成形品外観に悪影響を与える
場合がある。したがって、それぞれの成形品に要求され
る難燃性の程度、たとえば、UL−94のV−0、V−
1、V−2などにより他の含有成分の使用量などを考慮
して適宜決定することができる。
物には、さらに、(E)成分としてのコア/シェルタイ
プグラフトゴム状弾性体を、難燃性ポリカーボネート樹
脂組成物の耐衝撃性などの一層の向上のために含有する
ことができる。その含有量は、前記(A)および(B)
からなる樹脂100重量部に対して、0.2〜30重量
部、好ましくは0.5〜10重量部である。このグラフ
トゴム状弾性体の含有量は、目的の成形品に要求される
耐衝撃性、耐熱性、剛性などを総合的に考慮して決定さ
れる。
状弾性体とは、コア(芯)とシェル(殻)から構成され
る2層構造を有しており、コア部分は軟質なゴム状態で
あって、その表面のシェル部分は硬質な樹脂状態であ
り、弾性体自体は粉末状(粒子状態)である。このグラ
フトゴム状弾性体は、ポリカーボネート樹脂と溶融ブレ
ンドした後も、その粒子状態は、大部分がもとの形態を
保っている。配合されたゴム状弾性体の大部分がもとの
形態を保っていることにより、表層剥離を起こさない効
果が得られる。
性体としては、種々なものを挙げることができる。市販
のものとしては、例えばハイブレンB621(日本ゼオ
ン株式会社製)、KM−330(ローム&ハース株式会
社製)、メタブレンW529、メタブレンS2001、
メタブレンC223、メタブレンB621(三菱レイヨ
ン株式会社製)等が挙げられる。
ートやアルキルメタクリレート、ジメチルシロキサンを
主体とする単量体から得られるゴム状重合体の存在下
に、ビニル系単量体の1種または2種以上を重合させて
得られるものが挙げられる。ここで、アルキルアクリレ
ートやアクリルメタクリレートとしては、炭素数2〜1
0アルキル基を有するものが好適である。具体的には、
例えばエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルメタクリレ
ート等が挙げられる。これらのアルキルアクリレート類
を主体とする単量体から得られるゴム状弾性体として
は、アルキルアクリレート類70重量%以上と、これと
共重合可能な他のビニル系単量体、例えばメチルメタク
リレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン等
30重量%以下とを反応させて得られる重合体が挙げら
れる。なお、この場合、ジビニルベンゼン、エチレンジ
メタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリル
イソシアヌレート等の多官能性単量体を架橋剤として適
宜添加して反応させてもよい。
系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチ
レン等の芳香族ビニル化合物、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル等
が挙げられる。これらの単量体は、1種または2種以上
を組み合わせて用いてもよいし、また、他のビニル系重
合体、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等
のシアン化ビニル化合物や、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル等のビニルエステル化合物等と共重合させてもよ
い。この重合反応は、例えば塊状重合、懸濁重合、乳化
重合などの各種方法によって行うことができる。特に、
乳化重合法が好適である。
プグラフトゴム状弾性体は、前記ゴム状重合体を20重
量%以上含有していることが好ましい。このようなコア
/シェルタイプグラフトゴム状弾性体としては、具体的
には60〜80重量%のn−ブチルアクリレートと、ス
チレン、メタクリル酸メチルとのグラフト共重合体など
のMAS樹脂弾性体やポリシロキサンゴム成分が5〜9
5重量%とポリアクリル(メタ)アクリレートゴム成分
95〜5重量%とが、分離できないように相互に絡み合
った構造を有する、平均粒子径が0.01〜1μm程度
の複合ゴムに少なくとも一種のビニル単量体がグラフト
重合されてなる複合ゴム系グラフト共重合体が好まし
い。この共重合体は、それぞれのゴム単独でのグラフト
共重合体よりも耐衝撃改良効果が高い。この複合ゴム系
グラフト共重合体は、市販品としての、三菱レーヨン株
式会社製メタブレンS−2001などとして入手でき
る。
物は、成形性、耐衝撃性、剛性、外観改善、耐候性改
善、耐溶剤性の改善等の目的で、上記(A)〜(C)か
らなる必須成分に、(D)、(E)から選ばれた任意成
分の一種以上とともに、熱可塑性樹脂に常用されている
添加剤成分を必要により含有することができる。例え
ば、タルク、炭酸カルシウム、ガラス繊維、炭素繊維な
どの無機充填剤、ポリエステル樹脂などの他の熱可塑性
樹脂、フェノール系、リン系、イオウ系酸化防止剤、帯
電防止剤、ポリアミドポリエーテルブロック共重合体
(永久帯電防止性能付与)、ベンゾトリアゾール系やベ
ンゾフェノン系の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系の
光安定剤(耐候剤)、抗菌剤、相溶化剤、着色剤(染
料、顔料)等が挙げられる。任意成分の配合量は、本発
明の,難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の特性が損な
われない範囲であれば特に制限はない。
脂組成物の製造方法について説明する。本発明の難燃性
ポリカーボネート樹脂組成物は、前記の各成分(A)〜
(C)成分を上記割合で、さらに必要に応じて用いられ
る、(D)、(E)の各種任意成分、さらには他の成分
を適当な割合で配合し、混練することにより得られる。
このときの配合および混練は、通常用いられている機
器、例えばリボンブレンダー、ドラムタンブラーなどで
予備混合して、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサ
ー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、多
軸スクリュー押出機、コニーダ等を用いる方法で行うこ
とができる。混練の際の加熱温度は、通常240〜30
0℃の範囲で適宜選択される。なお、ポリカーボネート
樹脂とゴム変性ポリスチレン樹脂以外の含有成分は、あ
らかじめ、ポリカーボネート樹脂、ゴム変性ポリスチレ
ン樹脂あるいはこれら以外の他の熱可塑性樹脂と溶融混
練、すなわちマスターバッチとして添加することもでき
る。本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂は、用いる原
料として、不純物、残留溶媒の少ないものを出来るだけ
用いることが必要である。さらに、溶融混練時に、例え
ばL/Dの大きい押出成形機を用いて、ベットより真空
吸引することにより、残留溶媒を除去したり、二段押出
成形機により溶融混練時に発生した揮発成分を十分に吸
引除去する成形方法の採用が好ましい。場合によって
は、アルコールや水を少量添加してこれらの後添加物質
の蒸発と同伴させて不純物をとり除くなどの成形方法な
どを採用することもできる。
物は、上記の溶融混練成形機、あるいは、得られたペレ
ットを原料として、射出成形法、射出圧縮成形法、押出
成形法、ブロー成形法、プレス成形法、真空成形法、発
泡成形法などにより各種成形品を製造することができ
る。しかし、上記溶融混練方法により、ペレット状の成
形原料を製造し、ついで、このペレットを用いて、射出
成形、射出圧縮成形による射出成形品の製造に特に好適
に用いることができる。なお、射出成形方法としては、
外観のヒケ防止のため、あるいは軽量化のためのガス注
入成形を採用することもできる。
物から得られる射出成形品(射出圧縮を含む)として
は、複写機、ファックス、テレビ、ラジオ、テープレコ
ーダー、ビデオデッキ、パソコン、プリンター、電話
機、情報端末機、冷蔵庫、電子レンジなどの電気・電子
機器のハウジウングまたは部品、さらには、自動車部品
など他の分野にも好適に用いられる。
より具体的に説明するが、これらに、何ら制限されるも
のではない。 実施例1〜4および比較例1〜4 表1に示す割合で各成分を配合〔(A)、(B)成分は
重量%、他の成分は、(A)および(B)からなる樹脂
100重量部に対する重量部で示す。〕し、ベント式二
軸押出成形機(機種名:TEM35、東芝機械株式会社
製)に供給し、ベントの減圧度を600mmHgとし
て、260℃で溶融混練し、ペレット化した。なお、す
べての実施例および比較例において、酸化防止剤として
イルガノックス1076(チバ・スペシヤルティ・ケミ
カルズ株式会社製)0.2重量部およびアデカスタブC
(旭電化工業株式会社社製)0.1重量部をそれぞれ配
合した。得られたペレットを、80℃で12時間乾燥し
た後、成形温度240℃で射出成形して試験片、および
成形品を得た。得られた試験片、成形品を用いて性能を
各種試験によって評価し、その結果を表1に示した。
を次に示す。 (A)ポリカーボネート樹脂 PC−1:ビスフェノールAポリカーボネート樹脂、M
I=20g/10分(300℃、1.2Kg荷重)、粘
度平均分子量:19,000、末端ヒドロキシル基:5
モル% (B)ゴム変性ポリスチレン樹脂 HIPS−1:前記明細書の記載に準じて、以下のよう
にして製造した。スチレン重合装置として、完全混合槽
型反応器2基と塔型反応器2基およびフラッシュドラム
2基を直列に配置したものを用いた。このスチレン重合
装置に、ゴム状重合体としてポリブタジエン〔宇部興産
株式会社製:BR−15HB〕9重量%含有するスチレ
ンを導入して、その転化率が90%となるまでスチレン
の重合を行った。ついで、重合後のフラッシュドラムに
おける脱気処理は、10mmHgの減圧下に、ゴム変性
ポリスチレン樹脂の温度を230℃とし、処理時間を
1.5時間に設定して処理した。その後、ストランド状
に押出して切断し、ペレットを得た。
リブタジエンにスチレンがグラフト重合したものであ
り、ゴム含有量=9.9重量%、MI:8g/10分
(200℃、5kg荷重)、(a)面積平均ゴム粒子径
=1μm、(b)膨潤指数=15、(c)ゲル量18%
であった。 HIPS−2:市販のHI−PS:ポリブタジエンにポ
リスチレンがグラフト重合したもの、ゴム含有量=9重
量%、MI:8g/10分(200℃、5Kg荷重)、
(a)面積平均ゴム粒子径=2μm、(b)膨潤指数=
15、(c)ゲル量18%。 HIPS−3:市販のHI−PS:ポリブタジエンにポ
リスチレンがグラフト重合したもの、ゴム含有量=6重
量%、MI:8g/10分(200℃、5Kg荷重)、
(a)面積平均ゴム粒子径=1μm、(b)膨潤指数=
16、(c)ゲル量14%。 HIPS−4:市販のHI−PS:ポリブタジエンにポ
リスチレンがグラフト重合したもの、ゴム含有量=9重
量%、MI:8g/10分(200℃、5Kg荷重)、
(a)面積平均ゴム粒子径=2μm、(b)膨潤指数=
8、(c)ゲル量24%。
株式会社製) P−2:レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェー
ト):リン酸エステルPFR(旭電化工業株式会社製) P−3:1,3−フェニレン−テトラキス(2,6−ジ
メチルフェニル)ホスフェート):PX−200(大八
化学株式会社製) (D)フルオロオレフィン樹脂 PTFE:ポリテトラフルオロエチレン:F201L
(ダイキン化学工業株式会社製):分子量400万〜5
00万 (E)コア/シェルタイプグラフトゴム状弾性体 複合ゴム系グラフト共重合体:メタブレンS2001
(三菱レーヨン株式会社製):ポリジメチルシロキサン
含有量:50重量%以上 (F)調色用顔料 ポリカーボネート樹脂用ライトグレーカラー
製試験機によりL値を求めた。 (2)成形品光沢 JIS K7105に準拠して、日本電色工業株式会社
製試験機(入射角60度)により光沢(グロス)を求め
た。 (3)表層剥離 成形品の切断面を目視観察、〇:剥離なく良好、×:表
層剥離見られる (4)ウエルド外観:ノートパソコンハウジング(A4
タイプ)を2点ゲート金型により、成形温度260℃、
金型温度60℃により成形し、ウエルド部の外観を目視
観察した。〇:良好、×:悪い
2点ゲートで成形し、引張強度を測定した。 ・ウエルド引張強度保持率(%)=(ウエルド部の引張
強度/非ウエルド部の引張強度)×100 (6)IZOD(アイゾット衝撃強度) ASTM D256に準拠、23℃(肉厚1/8イン
チ)、単位:kJ/m2 (7)難燃性 UL94燃焼試験に準拠(試験片厚み:1.5mm)
難燃性ポリカーボネート樹脂組成物からの成形品は、ゴ
ム変性ポリスチレン樹脂として特定の条件を全て満足す
る場合に、すぐれた表面光沢、耐表層剥離性、ウエルド
特性、特にL値の低い暗色系の成形品においてすぐれた
表面特性の成形品が得られることが明らかである。しか
も、耐衝撃性、難燃性、成形性にもすぐれたものであ
る。
成物は、ノンハロゲンで、かつ優れた難燃性、衝撃強度
を保持するとともに、成形性、特に暗色系成形品におい
ても、表面光沢、耐表層剥離性、ウエルド外観、ウエル
ド引張強度にすぐれた成形品を成形できる。したがっ
て、OA機器、情報機器、家庭電化機器などの電気・電
子機器、自動車部品などの大型化、薄肉化にも十分対応
できるものであり、その応用分野の拡大が期待される。
Claims (6)
- 【請求項1】 (A)ポリカーボネート樹脂60〜99
重量%と(B)ゴム変性ポリスチレン樹脂40〜1重量
%からなる樹脂100重量部に対して、(C)リン酸エ
ステル化合物1〜30重量部を含有する組成物であっ
て、(B)ゴム変性ポリスチレン樹脂の(a)面積平均
ゴム粒子径が0.1〜2.5μm、(b)膨潤指数が1
0〜20、(c)ゲル含量が15〜25重量%である難
燃性ポリカーボネート樹脂組成物。 - 【請求項2】 さらに、(D)フルオロオレフィン樹脂
を、(A)および(B)からなる樹脂100重量部に対
して、0.02〜5重量部含有する請求項2記載の難燃
性ポリカーボネート樹脂組成物。 - 【請求項3】 さらに、(E)コア/シェルタイプグラ
フトゴム状弾性体を、(A)および(B)からなる樹脂
100重量部に対して、0.2〜30重量部含有する請
求項1または2記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性ポ
リカーボネート樹脂組成物からなる成形品。 - 【請求項5】請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性ポ
リカーボネート樹脂組成物からなる電気・電子機器のハ
ウジングまたは部品である射出成形品。 - 【請求項6】成形品表面のL値が80以下である請求項
4または5記載の成形品。
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JP2013169655A (ja) * | 2012-02-17 | 2013-09-02 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 光輝性射出成形体 |
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1999
- 1999-01-27 JP JP1802399A patent/JP4233664B2/ja not_active Expired - Fee Related
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