JP2000103918A - ポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents

ポリプロピレン樹脂組成物

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JP2000103918A
JP2000103918A JP10276875A JP27687598A JP2000103918A JP 2000103918 A JP2000103918 A JP 2000103918A JP 10276875 A JP10276875 A JP 10276875A JP 27687598 A JP27687598 A JP 27687598A JP 2000103918 A JP2000103918 A JP 2000103918A
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Japan
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polypropylene resin
potassium titanate
hardness
weight
resin composition
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JP10276875A
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English (en)
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Toshio Matsumura
俊夫 松村
Koji Osaki
浩二 大崎
Takeshi Urabe
剛 卜部
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チタン酸カリウムを所定量の範囲で配合する
ことにより、ポリプロピレン樹脂の熱膨張を抑えること
ができるとともに、ポリプロピレン樹脂の硬度を従来の
ガラスや炭素繊維を配合したものに比べて低く抑えるこ
とができる。 【解決手段】 ポリプロピレン樹脂に対してチタン酸カ
リウム繊維を5〜40重量%含有させたポリプロピレン
樹脂組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリプロピレン樹脂
組成物に係り、詳しくは線膨張係数を低く抑えるととも
に硬度も低く抑え、成形加工性にも優れたポリプロピレ
ン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン樹脂は、合成樹脂の中で
も最も軽くて軽量化の用途には最適であり、加えて耐熱
性、耐薬品性、延伸性、そしてヒンジ特性にも優れ、更
には剛性、衝撃強度などその他の機械的性質のバランス
がよいということもあり、これらの特徴を生かして日用
雑貨品などの薄肉製品から重コンテナ製品などのさまざ
まな用途として使用されている。
【0003】またポリプロピレン樹脂はその耐薬品性を
生かした用途にも多く使用されており、例えば金属のメ
ッキラインでメッキを施す物品を支えるような部分の部
品としても用いることができる。
【0004】ポリプロピレン樹脂の線膨張係数は11×
10-5/℃と大きく金属の10倍以上あるので、雰囲気
温度の差による寸法変化が金属と比べるとかなり大きい
ということになる。そのため機械組込み用途などの場
合、作動不良を起こす原因となることがある。
【0005】そのようなことからポリプロピレン樹脂に
ガラス繊維や炭素繊維などを配合することによって、熱
膨張を抑えるという方法が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように炭素繊維
などを配合することによって、熱膨張を抑えることがで
き金属の部品などと同様に使用することができるように
なった。しかし、一方で樹脂には金属の部品に対して、
素材の硬度が低く樹脂と接する相手を摩耗させたり破損
することがないという特徴がある。
【0007】ガラス繊維や炭素繊維は、それ自身が硬い
材料であるために、樹脂に対して配合することによって
樹脂の剛性や硬度を上げてしまい、本来樹脂の有する柔
らかさを損なってしまうという結果を生ずることにな
る。
【0008】樹脂の柔らかさを残そうとすれば、ガラス
などの繊維の配合量を加減して熱膨張を抑えるという方
法が考えられるが、そのためには熱膨張を抑えるという
効果をある程度犠牲にしなければならない。
【0009】そこで本発明は、樹脂本来の柔らかさを損
なうことなく、熱膨張を抑えることができる低膨張・低
硬度な性質を有するポリプロピレン樹脂組成物の提供を
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明者らは鋭意検討を進め、ポリプロピレ
ン樹脂に対してチタン酸カリウム繊維を配合することに
よって樹脂本来の柔らかさを保持し、しかも熱膨張を抑
えることができることを見出し本発明に到達した。
【0011】即ち本発明の請求項1は、ポリプロピレン
樹脂に対してチタン酸カリウム繊維を5〜40重量%含
有させたポリプロピレン樹脂組成物である。
【0012】このようにチタン酸カリウムを所定量の範
囲で配合することにより、ポリプロピレン樹脂の熱膨張
を抑えることができるとともに、ポリプロピレン樹脂の
硬度を従来のガラスや炭素繊維を配合したものに比べて
低く抑えることができる。
【0013】また、請求項2ではポリプロピレン樹脂に
対してチタン酸カリウムに加えて更に0.1〜2.0重
量%の滑剤を含有させている。
【0014】そうすることでチタン酸カリウムが樹脂の
流れ性を悪くすることによるスクリューへの食込みの悪
さを緩和し、多くのチタン酸カリウムを含有させること
ができるので、より線膨張係数を低く抑えることができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のポリプロピレン樹脂組成
物は、ポリプロピレン樹脂に対してチタン酸カリウム繊
維を4〜50重量%配合することによって得られる。
【0016】本発明でいう樹脂組成物とは、さまざまな
形態を有するものであり、例えばポリプロピレン樹脂と
チタン酸カリウム繊維やその他にも必要に応じて所定の
成分を配合した混合物を押出機にて溶融混練して得られ
たペレット、また前記ペレットを用いて射出成形機や押
出成形機にて、丸棒、筒状、板状のような所定形状に成
形した成形体、あるいは所定成分を配合した混合物であ
って、未だ溶融固化していないものも含む。
【0017】本発明で用いるポリプロピレン樹脂は、通
常のホモポリマー以外にコポリマーでもよく、MFR
(メルトフローレート)で0.3〜30g/10min
程度の射出成形や押出成形に適した溶融粘度を有するも
のである。
【0018】また、本発明でポリプロピレン樹脂に配合
されるチタン酸カリウム繊維とは、一般式がK2O・n
TiO2であらわされる人工の鉱物であり、例えば大塚
化学(株)社製の商品名ティスモ、(株)クボタ社製の
商品名ティーザクスが挙げられる。これらの繊維はポリ
プロピレン樹脂に5〜40重量%の割合で配合し含有さ
せるが、より好ましくは10〜30重量%である。
【0019】配合量が5重量%未満であると、十分に熱
膨張を抑えることができず、40重量%を超えると、成
形する際に溶融樹脂の流れが悪くなり成形が困難になる
ので好ましくない。
【0020】ここで、チタン酸カリウム繊維は熱膨張を
抑えるためにポリプロピレン樹脂に配合するのである
が、一般的に鉱物の硬さを比較する尺度であるモース硬
さが4という低い値を有する繊維であり、このように硬
度の低い繊維を配合することが本発明の重要な点とな
る。繊維の有する柔らかさより、ポリプロピレン樹脂組
成物の硬度を上昇させることなく、熱膨張だけを有効に
抑えることができるという効果が得られる。
【0021】例えば従来から用いられていた炭素繊維は
モース硬さが5〜6、ガラス繊維のモース硬さは6〜7
であり、チタン酸カリウム繊維と比べて高い数値を示し
ている。このような繊維を配合すると繊維自体の有する
硬さにより、ポリプロピレン樹脂組成物の硬度をあげて
しまう結果となる。配合量を少なくすることによって硬
度の上昇を少なくすることはできるが、同時に熱膨張を
抑える効果も少なくなってしまう。その点、チタン酸カ
リウムは上記のように硬度の上昇を少なく抑えて、熱膨
張を抑えることができる。
【0022】チタン酸カリウム繊維は、径が0.2〜3
0μm、長さが10〜350μmと他の炭素繊維やガラ
ス繊維と比べて細くて短い繊維であるために、線膨張係
数をかなり低くするためには、含有させる量も増やさな
ければならない。含有量を多くした場合には特に、押出
機などで成形する場合にチタン酸カリウムの存在によっ
て樹脂の流れ性を損ねることになり、樹脂の流れ性が悪
くなると溶融粘度が高くなって成形機のスクリューに食
込まなくなってしまう。
【0023】そこで流れ性を改善するために滑剤を配合
しても良い。滑剤を配合することによってチタン酸カリ
ウムの配合量をより多くすることができ、線膨張係数を
低く抑えることができるようになる。
【0024】このような目的で用いられる滑剤として
は、炭化水素系、脂肪酸系、金属石鹸系などがあり、中
でも内部滑剤となるよう炭化水素鎖は比較的短いのがよ
く、その配合量はポリプロピレンに対して0.1〜2重
量%である。0.1重量%未満であると滑剤の効果が少
なく、2重量%を超えると滑剤が多すぎて樹脂と成形機
のスクリューとの間で滑りが大きくなってスクリューに
食込まなくなってしまうばかりでなく、樹脂の機械的特
性を低下させるので好ましくない。
【0025】なお、本発明ではポリプロピレン樹脂に配
合するのはチタン酸カリウムのみに限らず、他にも充填
剤、着色剤などの各種添加剤を配合して実施することが
可能である。
【0026】次に本発明の効果を実施例及び比較例を挙
げて説明する。
【0027】
【実施例】(実施例1)ポリプロピレン樹脂(商品名:
ジェイアロマーPB222A 日本ポリオレフィン
(株)社製)に対してチタン酸カリウム繊維(商品名:
TISMO−D 大塚化学(株)社製)を混合比率が3
0重量%の割合で配合し、タンブラーにて10分間分散
・混合後、2軸押出機にて溶融混練しペレットを得た。
【0028】続いて、このペレットを用いて単軸スクリ
ュー押出機にて幅30mm、厚み15mmの板状試験片
を作成し、成形時のスクリュー食い込み性と得られた試
験片の硬度テスト及び線膨張係数の測定を実施した。
【0029】表1に配合とスクリュー食い込み性と硬度
と線膨張係数の測定結果を示す。
【0030】(実施例2)ポリプロピレン樹脂に対して
チタン酸カリウム繊維を混合比率が10重量%の割合と
した以外は実施例1と全く同じ条件でペレット及び試験
片を作成し、同様に評価を行った。
【0031】(比較例1)ポリプロピレン樹脂に対して
チタン酸カリウム繊維を混合比率が3重量%の割合にな
るよう配合した以外は実施例1と全く同じ条件でペレッ
ト及び試験片を作成し、同様に評価を行った。
【0032】(比較例2)ポリプロピレン樹脂に対して
チタン酸カリウム繊維を混合比率が50重量%の割合に
なるよう配合した以外は実施例1と全く同じ条件でペレ
ット及び試験片を作成し、同様に評価を行った。
【0033】(比較例3)ポリプロピレン樹脂に対して
炭素繊維を配合した以外は、実施例1と全く同じ条件で
ペレット及び試験片を作成し、同様に評価を行った。
【0034】(比較例4)ポリプロピレン樹脂に対して
ガラス繊維を配合した以外は、実施例1と全く同じ条件
でペレット及び試験片を作成し、同様に評価を行った。
【0035】
【表1】
【0036】表1の実施例1及び実施例2からわかるよ
うに、ロックウェル硬度及び線膨張係数はともに低くな
っている。それに対して比較例1ではチタン酸カリウム
繊維の配合量が少ないために十分な低膨張特性が得られ
ず、比較例2ではチタン酸カリウムの配合が多すぎるた
めにロックウェル硬度、線膨張係数も良好であるがスク
リュー食込み性が悪くなる不具合が生じている。
【0037】比較例3と比較例4ではチタン酸カリウム
の代わりに炭素繊維、ガラス繊維を配合しているが線膨
張係数の数値は低くなっているものの、ロックウェル硬
度もかなり高い数値となっており、樹脂の柔らかさが失
われている。
【0038】
【発明の効果】本発明の請求項1は、ポリプロピレン樹
脂に対してチタン酸カリウム繊維を5〜40重量%含有
させたポリプロピレン樹脂組成物である。
【0039】このようにチタン酸カリウムを所定量の範
囲で配合することにより、ポリプロピレン樹脂の熱膨張
を抑えることができるとともに、ポリプロピレン樹脂の
硬度を従来のガラスや炭素繊維を配合したものに比べて
低く抑えることができる。
【0040】また、請求項2ではポリプロピレン樹脂に
対してチタン酸カリウムに加えて更に0.1〜2.0重
量%の滑剤を含有させている。
【0041】そうすることでチタン酸カリウムが樹脂の
流れ性を悪くすることによるスクリューへの食込みの悪
さを緩和し、多くのチタン酸カリウムを含有させること
ができるので、より線膨張係数を低く抑えることができ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン樹脂にチタン酸カリウム
    繊維5〜40重量%を含有させたことを特徴とするポリ
    プロピレン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレン樹脂に対して0.1〜
    2.0重量%の滑剤を含有させた請求項1記載のポリプ
    ロピレン樹脂組成物。
JP10276875A 1998-09-30 1998-09-30 ポリプロピレン樹脂組成物 Pending JP2000103918A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006221909A (ja) * 2005-02-09 2006-08-24 Fdk Energy Co Ltd 筒形密閉電池

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006221909A (ja) * 2005-02-09 2006-08-24 Fdk Energy Co Ltd 筒形密閉電池
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