JP2000102926A - タイヤ金型のベントホールの形成方法 - Google Patents

タイヤ金型のベントホールの形成方法

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JP2000102926A
JP2000102926A JP10273710A JP27371098A JP2000102926A JP 2000102926 A JP2000102926 A JP 2000102926A JP 10273710 A JP10273710 A JP 10273710A JP 27371098 A JP27371098 A JP 27371098A JP 2000102926 A JP2000102926 A JP 2000102926A
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Yasuyuki Ishihara
泰之 石原
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    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D30/00Producing pneumatic or solid tyres or parts thereof
    • B29D30/06Pneumatic tyres or parts thereof (e.g. produced by casting, moulding, compression moulding, injection moulding, centrifugal casting)
    • B29D30/0601Vulcanising tyres; Vulcanising presses for tyres
    • B29D30/0606Vulcanising moulds not integral with vulcanising presses

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】タイヤ成形金型の所望の位置に、任意の孔径
の、耐久性の高いベントホールを形成できる。 【解決手段】金型においてベントホールを形成する位置
に対応する当該鋳型1の部位に、金属芯材4を挿通した
金属パイプ5を配置する。この場合、金属パイプ5から
余分に延びた金属芯材4の部分を鋳型1側に固定する。
その後、好ましくはアルミニウム合金からなる溶湯を注
入すれば、タイヤ成形用金型の機械加工前の鋳物状金型
2を鋳造するとともに、金属芯材4を挿通した状態の前
記金属パイプ5をタイヤ成形用金型側に鋳ぐるんで固定
することになる。次いで、当該金属パイプ5から金属芯
材4を抜き取れば、その金属パイプ5の内径通路がベン
トホール6を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤ成形用の金
型に空気抜き機能を付与するベントホールの形成方法の
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車などのタイヤの製造に用いられる
成形用金型としては、タイヤをその円周上で2分割した
上下分割型と、幅方向分割線で7〜10分割した上下一
体型の2種類が一般的に用いられる。そして、これらタ
イヤ成形用金型は、軽量性、良熱伝導性が要求されると
ころからアルミニウム合金で製作されることが多く、製
作方法で区分すると、石膏鋳型を用い、重力鋳造または
低圧鋳造で製作される鋳造金型、および、鉄系材料鋳型
またはグラファイト材鋳型を用い、ダイキャストなどで
製作される鋳造金型に分けることができる。
【0003】一方、タイヤには、通常、主として円周方
向に走るリブと呼ばれる溝、および主として幅方向に走
るラグと呼ばれる溝が設けられているが、スタッドレス
タイヤの場合には、さらにそのリブあるいはラグにサイ
プと呼ばれる微細な溝が設けられるのが普通である。
【0004】このような溝を備えたタイヤを成形するた
めの金型側には、それぞれの溝に対応した突起部(以
下、骨という)が形成されるが、サイプにような微細な
溝に対応する突起部(以下、細骨という)は薄肉状に形
成される必要から、アルミニウム合金では強度が不十分
であるため、ステンレス鋼材など鉄系材料が利用され
る。そして、その細骨は、ステンレス鋼材などの薄肉板
を切断、プレス曲げなど板金加工が施され、所定の形状
に仕上げられた後、所定の配置になるようその脚部を金
型本体に埋め込んで固定される。
【0005】タイヤの成形工程では、図4の原理図に例
示するように、これらタイヤ金型71に未加硫ゴムから
なるグリーンタイヤ72を高圧で押しつけて前記各種の
溝からなるタイヤ面を成形する、いわゆるコンプレッシ
ョン成形法が基本となっている。この方法に用いられる
タイヤ金型71において、リブ、ラグ、サイプに対応す
る骨73によって囲まれる凹部からなる空間(斜線で示
す)にグリーンタイヤ72が押し込まれることになるの
であるが、この際、この空間に存在していた空気の排気
通路が無い場合には、その空気が成形タイヤの表面に気
泡跡を残すことになり、ベアと呼ばれる品質不良を発生
させる原因となる。
【0006】この不良対策として採用されている手段と
しては、金型プロファイル面に空気抜きのための排気
孔としてベントホールを設ける、リブ、ラグ、サイプ
に対応する骨の金型プロファイル面に近接した所に空気
流通孔としてクロスベントホールを設ける、前記排気
孔または空気流通孔の代わりにスリット状の隙間を設け
る、タイヤ成形時に少なくとも金型内部を高真空状態
とし予め空気を抜いておく、などがある。
【0007】この手段のうち、ベントホール、クロ
スベントホールによる方法は、技術的に対応が比較的容
易なため最も一般的な方法であるが、この方法では、脱
型したタイヤ成形品の表面にゴムのヒゲ状はみ出し(ス
ピュー)が発生するという問題が避けられなかった。こ
のスピューは外観上好ましくないので、出荷までにトリ
ミングして取り除く必要があった。
【0008】また、前記スリットを利用する場合に
は、その間隔の大きさ、形状などを最適な条件に設定す
れば殆ど前記スピューの発生しないノンスピュータイヤ
を得ることができるというメリットがある一方、成形操
作を繰り返し行った際に堆積する加硫残渣の除去など金
型のクリーニングに非常に手間がかかるというデメリッ
トがあるうえ、スリットそのものを形成するための準備
作業が複雑で金型製作コストがアップするという問題も
あった。また、前記真空成形法の場合は、金型設備が
大型、複雑になって設備費が高価になるのもかかわら
ず、気泡欠陥ベアを完全には防止することができないと
いう問題点があった。
【0009】本願発明は、上記方法のうち実用性の高
い、ベントホールおよびクロスベントホールについて、
クロスベントホールを含むベントホールの形成方法の改
良に関するものであるが、ここで、従来から行われてい
るベントホールの形成方法を説明する。 (a)先ず、金型に所要孔径のベントホールを直接にド
リルなどの工具で開孔する方法があるが、開孔孔径が
1.0mmφ程度以下の微細な場合には、ドリルビット
が極細になって孔開け作業が困難になり実用的でなくな
るという問題があった。
【0010】次に、この問題を解消する方法として
(b)図5に例示するように、タイヤ金型71に所要孔
径より大孔径の孔74をドリルなどで開孔した後、この
孔74にパイプ状の金属中子75(ベントピース)を加
圧しながら押し込み、かしめ状態に固定する方法がある
が、ベントホールの開孔加工工数が大幅に増大するとい
う問題が生じた。
【0011】次に、従来から行われているクロスベント
ホールの形成方法を説明する。 (c)先ず、金型に固定した骨に後加工で直接に開孔す
る方法であるが、最も簡単な方法であるものの、ドリル
などの開孔工具が対象外の骨部材に干渉してしまい、そ
のドリル先端を所定の位置にセットできない場合が多
く、汎用性に乏しいという問題があった。
【0012】(d)サイプを形成するための骨ピースを
鋳型に固定する前に、あらかじめ所定位置に予め開孔加
工しておく方法であり、鋳ぐるみ法で骨を金型に固定す
る場合に好適な方法である反面、鋳ぐるみ法以外には適
用できないという問題があった。
【0013】(e)図6に例示するように、(A)図の
鋳型76の段階で、骨を形成するための凹溝77の所定
位置に中子78をセットしておき、金型71を鋳造し骨
を形成した(B)図の段階でその中子78を除去するこ
とによって、クロスベントホールをあける方法であり、
前述(d)の鋳ぐるみ骨に対して鋳出し骨といわれる場
合に適用される方法である。この方法は原理的にすべて
の骨に適用可能であるが、かくして製作されたタイヤ金
型は、前記(c)(d)の場合も含めて、使用中にショ
ットブラストによってクリーニングされるのであるが、
このクリーニング操作の繰り返しによって、クロスベン
トホールの部分が浸食され口径が異常に大きく変化する
という問題があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の技術
的事情を背景にしてなされたものであり、その目的とす
るところは、クロスベントホールを含むベントホールを
タイヤ金型の所望の位置に形成できるベントホールの形
成方法であって、任意の孔径を設定することができ、か
つショットブラストのようなクリーニングにも耐久性の
高いベントホールを形成できる方法を提供するところに
ある。なお、本発明においては、ベントホールという用
語は、クロスベントホールを含むものとして用いられて
いる。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決した本
発明のタイヤ金型のベントホールの形成方法は、鋳型に
金属溶湯を注入してタイヤ成形用金型を鋳造するに際し
て、ベントホールを形成する位置に対応する当該鋳型の
部位に、金属芯材を挿通した金属パイプを配置し、タイ
ヤ成形用金型を鋳造するとともに、前記金属パイプを鋳
ぐるんで固定し、その後に当該金属パイプから金属芯材
を抜き取ることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】次に,本発明のベントホールの形
成方法に係る実施形態について、図1〜3を参照しなが
ら説明する。図1(A)は石膏などからなる鋳型、図1
(B)は機械加工前の鋳物状金型、図1(C)は加工済
の金型の状態における、それぞれ断面を示し、内側鋳型
1と外側鋳型(図示せず)からなるキャビティ(図示せ
ず)に金属溶湯を注入してタイヤ成形用金型を鋳造する
に際して、先ず機械加工前の鋳物状金型2を鋳造し、次
いで機械加工して加工済金型3を製作する状態を表して
いる。
【0017】本発明においては、先ず、金型においてベ
ントホールを形成する位置に対応する当該鋳型1の部位
に、金属芯材4を挿通した金属パイプ5を配置する。こ
の場合、金属パイプ5から余分に延びた金属芯材4の部
分を鋳型1側に固定するのが後の工程に好都合である。
【0018】このように所定位置に所定個数の金属パイ
プ5を配置した後、金属溶湯を、例えば好ましくはアル
ミニウム合金からなる溶湯を注入すれば、タイヤ成形用
金型の機械加工前の鋳物状金型2を鋳造するとともに、
金属芯材4を挿通した状態の前記金属パイプ5をタイヤ
成形用金型側に鋳ぐるんで固定することになる。その後
に、当該金属パイプ5から金属芯材4を抜き取れば、そ
の金属パイプ5の内径通路がベントホール6を形成する
ことになり、機械加工して形状を整えて、タイヤ成形用
金型の加工済金型3が完成するのである。
【0019】そして、本発明において、前記金属パイプ
5の内径を前記金属芯材4の外径の105%〜150%
の範囲のものとするのが、ベントホール6を支障なく形
成するために好ましい。このように、金属パイプ5の内
径をあらかじめサイズアップさせ、かつ好ましいその範
囲を定める理由は、鋳造時の金型側の凝固、冷却収縮応
力により金属パイプ5が圧縮され縮径しても、金属芯材
4と金属パイプ5との隙間が適切に維持されて、鋳造後
の金属芯材4の抜き取りを容易にし、かつその隙間に溶
湯が差し込むのを防止できるようにするためである。
【0020】また、完成された金型におけるベントホー
ル6の孔径は、前記前記金属パイプ5の圧縮され縮径し
た内径によって規定されるが、金属パイプの当初の内
径、肉厚、材質、溶湯金属の種類、あるいは金属芯材4
の外径などによって変化するため、それら要因を考慮し
て定めることになる。
【0021】さらに本発明では、前記タイヤ成形用金型
をアルミニウム合金でもって鋳造するとともに、前記金
属パイプ5の材質を、前記アルミニウム合金より融点が
高く、かつ高強度でタイヤゴムと反応融着しない金属、
より好ましくは、炭素鋼、ステンレス鋼、チタニウム、
ニッケルから選ばれた金属から構成するのがよい。
【0022】このように本発明によれば、ベントホール
を形成するのにドリルのような開孔工具による機械加工
を用いることなく、タイヤ成形金型の所望の位置に、任
意の孔径のベントホールを形成することができる。ま
た、本発明により得られるベントホールは、適宜材質の
金属パイプを金型本体内に鋳ぐるむ構造を採用している
ので、従来のかしめ込む構造より強固に固定され、高い
構造強度が得られ、外観も優れるので、最終的にタイヤ
品質も向上するという利点が得られる。
【0023】また、前記金属パイプに高強度で、タイヤ
加硫時にタイヤゴムと反応融着しにくい、炭素鋼、ステ
ンレス鋼、チタニウム、ニッケルなどの金属が適用され
得ることとあいまって、金型のクリーニングのためのシ
ョットブラスト操作が行われても浸食されにくいので、
ベントホールの形状が長期に保持され、金型自体の耐用
命数が長くなるという利点が得られるのである。
【0024】次に、図2を参照して第2の実施形態につ
いて説明する。この実施形態では、金属パイプと金属心
材の組合せに工夫が加えられているものであり、図2
(A)に示すように、鋳造時の段階において、金属パイ
プとして、連通する内側金属パイプ51および外側金属
パイプ52に金属心材4が挿通され、かつこの金属パイ
プ51、52は、金属パイプ51の中間から金属パイプ
52の末端までの部分が、大口径の第3の金属パイプ5
3に嵌め合わされ挿通された状態で配置されている。
【0025】かくして、先の実施形態と同様に鋳物状金
型2の鋳造操作が行われると、図2(A)に示すよう
に、金属パイプ53の一端を鋳物状金型2の外側サイド
に配置しながら、これを挿通した、内側金属パイプ5
1、外側金属パイプ52およびこれら全体を挿通してい
る金属心材4からなる1セットの金具類を鋳ぐるんだ鋳
物状金型2が製作される。
【0026】その後、金属心材4を抜取り、さらに外側
金属パイプ52をも抜き取るとともに、機械加工して金
型形状を整えると、図2(B)に示すように、成形面3
1側から比較的小孔径のベントホールを形成する金属パ
イプ51に続いて、外側面32側に通じる比較的大孔径
のベントホールを形成する金属パイプ53が鋳ぐるまれ
た加工済金型3が得られるのである。このようにして得
られたベントホールは、タイヤの成形面31に露出する
孔径が小さいので、タイヤ成形品のスピューを小さくで
きる利点が得られるとともに、ベントホールの途中から
孔径が大きくできるので、空気の通気抵抗を下げること
ができ、通気効率を向上させることができるという利点
が同時に得られるのである。
【0027】次に、図3を参照して第3の実施形態であ
るクロスベントホールを形成する場合について説明す
る。図3(A)は、タイヤ金型における骨を形成するた
めの凹溝11を有する上下一体型の鋳型1の断面を示
す。図3(B)は、その部分拡大図であり、凹溝11の
入口付近の、金型においてベントホールを形成する位置
に対応する位置に、凹溝の幅寸法と同一長さの金属パイ
プ5を配置する。この場合、先のベントホールの場合に
同じく、金属パイプ5には金属心材4を挿通させ、その
両端部分を鋳型1に埋め込む状態で固定しておく。
【0028】このように所定位置に所定個数の金属パイ
プ5を配置した後、アルミニウム合金などの金属溶湯を
注入すれば、タイヤ成形用金型の機械加工前の鋳物状金
型2を鋳造するとともに、図3(C)のように、金属芯
材4を挿通した状態の前記金属パイプ5をタイヤ成形用
金型側に鋳ぐるんで固定することになる。以後、金属パ
イプ5から金属芯材4を抜き取れば、図3(D)のよう
に、その金属パイプ5の内径通路によってベントホール
6が形成される。かくして、先のベントホールの場合と
全く同様にクロスベントホールが形成できるのである。
【0029】
【実施例】次に、図1に準拠した形式の鋳型およびタイ
ヤ成形用金型において、鋳型全高:340mm、加工前
鋳物金型肉厚:85mm、同金型センタ内径:φ650
mm、加工済金型肉厚:75mm、同全高:300m
m、同幅寸法:205mm、セクタ分割数:8個、ベン
トホール配置数:992個からなる上下一体型の金型を
対象として行った、実施例1〜3および比較例1〜4を
以下に示す。
【0030】(実施例1)金属パイプとして、外径:
1.2mmφ、内径:0.83mmφ、全長:75mm
のSUS304ステンレス鋼製パイプと、金属芯材とし
て、外径:0.60mmφ(金属パイプ内径/金属芯材
外径=1.383)、全長:125mmのピアノ線を組
み合わせて石膏質鋳型に埋め込み代50mmとしてセッ
トし、アルミニウム合金AC4Cで鋳造した。鋳造後、
加工前鋳物金型からピアノ線を全数、支障なく抜き取る
ことができ、その結果、孔径0.75mmφのベントホ
ールを設計通り形成することができた。
【0031】(比較例1)金属芯材のピアノ線を直径
0.80mmφにした他は実施例1と同様に設定して鋳
造した。この場合、金属パイプ内径/金属芯材外径=
1.0375であったが、鋳造後、加工前鋳物金型から
ピアノ線を抜き取る操作において、992本中738本
のピアノ線が根元で破断したため、ベントホールを形成
することができなかった。
【0032】(比較例2)実施例1の寸法のタイヤ成形
用金型を金属パイプと金属芯材を用いず鋳造してから、
径0.8mmφのドリルによって機械的に孔明け作業を
試みたが、ドリルビットの折損が相次いで発生したた
め、ベントホールの形成は実質的に不可能であった。
【0033】(実施例2)金属パイプとして、外径:
0.80mmφ、内径:0.50mmφ、全長:75m
mのSUS304ステンレス鋼製パイプと、金属芯材と
して、外径:0.35mmφ(金属パイプ内径/金属芯
材外径=1.429)、全長:125mmのピアノ線を
組み合わせて石膏質鋳型に埋め込み代50mmとしてセ
ットし、アルミニウム合金AC4Cで鋳造した。鋳造
後、加工前鋳物金型からピアノ線を全数、支障なく抜き
取ることができ、その結果、孔径0.46mmφのベン
トホールを設計通り形成することができた。
【0034】(実施例3)金属パイプとして、外径:
3.0mmφ、内径:2.0mmφ、全長:75mmの
SUS316ステンレス鋼製パイプと、金属芯材とし
て、外径:1.40mmφ(金属パイプ内径/金属芯材
外径=1.428)、全長:125mmのピアノ線を組
み合わせて石膏質鋳型に埋め込み代50mmとしてセッ
トし、アルミニウム合金AC4Cで鋳造した。鋳造後、
加工前鋳物金型からピアノ線を全数、支障なく抜き取る
ことができ、その結果、孔径1.85mmφのベントホ
ールを設計通り形成することができた。
【0035】(比較例3)金属パイプを組み合わせるこ
となく、外径2.0mmφ、全長125mmのピアノ線
を鋳型に50mm深さに埋め込み、表面にカーボン系の
離型材を塗布した状態で、前記同様に鋳造した。鋳造
後、加工前鋳物金型からピアノ線を抜き取る操作を試み
たが、992本中786本のピアノ線が根元で破断し、
所定のベントホールを形成することができなかった。
【0036】(比較例4)金属パイプとして、外径:
3.0mmφ、内径:2.0mmφ、全長:75mmの
SUS316ステンレス鋼製パイプと、金属芯材とし
て、外径:0.7mmφ(金属パイプ内径/金属芯材外
径=2.86)、全長:125mmのピアノ線を組み合
わせて石膏質鋳型に埋め込み代50mmとしてセット
し、アルミニウム合金AC4Cで鋳造した。鋳造後、加
工前鋳物金型からピアノ線を抜き取る操作を試みたが、
992本中68本のピアノ線が根元で破断したうえ、抜
き取りができたうち、223本にはアルミニウム合金が
差し込んでいたため、その除去作業に多大の工数が要す
ると予想された。
【0037】次に、鋳型全高:180mm、加工前鋳物
金型肉厚:100mm、同金型センタ内径:φ602m
m、加工済金型肉厚:90mm、同全高:150mm、
同幅寸法:119mmからなる上下分割型の金型を対象
にして、そのPL面直近に設けられ得る幅3.0mm、
高さ8.0mmの鋳出し骨の根元に孔径1.0mmφの
クロスベントールを30個、等間隔に形成させるために
行った、実施例4および比較例5を次に示す。
【0038】(実施例4)金属パイプとして、外径:
2.0mmφ、内径:1.0mmφ、全長:3.0mm
のSUS316ステンレス鋼製パイプと、金属芯材とし
て、外径:0.8mmφ(金属パイプ内径/金属芯材外
径=1.25)、全長:7.0mmのピアノ線を組み合
わせて、図3に示す形態に準拠して石膏質鋳型に埋め込
み代、片側2mmとしてセットし、アルミニウム合金A
C4Cで鋳造した。鋳造後、加工前鋳物金型からピアノ
線を全数、支障なく抜き取ることができ、その結果、孔
径0.93mmφのクロスベントホールを設計通り形成
することができた。また、このタイヤ成形用金型を1年
間継続使用し、クリーニングブラストを繰り返したがク
ロスベントホールの孔径は殆ど変化が生じなかった。
【0039】(比較例5)前記実施例4の金属パイプお
よび金属芯材を用いず、骨を形成してから後加工でクロ
スベントホールを穿設したところ、これを1年間継続使
用し、クリーニングブラストを繰り返した結果、クロス
ベントホールの孔径は当初の1.0mmφから2〜3m
mφ程度に浸食され大きくなってしまい、成形されるタ
イヤの品質に悪影響を及ぼすに至った。
【0040】
【発明の効果】本発明のタイヤ金型のベントホールの形
成方法は、以上に説明したように構成されているので、
クロスベントホールを含むベントホールをタイヤ金型の
所望の位置に形成できるベントホールの形成方法であっ
て、任意の孔径を設定することができ、かつショットブ
ラストのようなクリーニングにも耐久性の高いベントホ
ールを形成することが可能となり、タイヤの多様な設
計、仕様に迅速に対応することができ、かつ耐用命数の
長いタイヤ成形用金型を提供することができるという優
れた効果がある。よって本発明は従来の問題点を解消し
たタイヤ金型のベントホールの形成方法として、その工
業的価値は極めて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための要部断面
図。
【図2】第2の実施形態を説明するための要部断面図。
【図3】第3の実施形態を説明するための要部断面図。
【図4】タイヤの成形状態を示す原理図。
【図5】従来のベントホールの1形成方法を示す要部断
面図。
【図6】従来のクロスベントホールの1形成方法を示す
要部断面図。
【符号の説明】
1 鋳型、11 凹溝、2 鋳物状金型、3 加工済金
型、31 成形面、32外側面、4 金属芯材、5 金
属パイプ、51 内側金属パイプ、52 外側金属パイ
プ、53 第3の金属パイプ、6 ベントホール。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳型に金属溶湯を注入してタイヤ成形用金
    型を鋳造するに際して、ベントホールを形成する位置に
    対応する当該鋳型の部位に、金属芯材を挿通した金属パ
    イプを配置し、タイヤ成形用金型を鋳造するとともに、
    前記金属パイプを鋳ぐるんで固定し、その後に当該金属
    パイプから金属芯材を抜き取ることを特徴とするタイヤ
    金型のベントホールの形成方法。
  2. 【請求項2】前記金属パイプの内径を前記金属芯材の外
    径の105%〜150%の範囲のものとした請求項1に
    記載のタイヤ金型のベントホールの形成方法。
  3. 【請求項3】前記タイヤ成形用金型をアルミニウム合金
    でもって鋳造するとともに、前記金属パイプの材質を、
    前記アルミニウム合金より融点が高く、かつ高強度でタ
    イヤゴムと反応融着しない金属とする請求項1または2
    に記載のタイヤ金型のベントホールの形成方法。
  4. 【請求項4】前記金属パイプの材質が炭素鋼、ステンレ
    ス鋼、チタニウム、ニッケルから選ばれた金属である請
    求項3に記載のタイヤ金型のベントホールの形成方法。
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Cited By (6)

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