JP2000102132A - 被覆電線の中剥ぎ装置および方法 - Google Patents
被覆電線の中剥ぎ装置および方法Info
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- H02G1/12—Methods or apparatus specially adapted for installing, maintaining, repairing or dismantling electric cables or lines for removing insulation or armouring from cables, e.g. from the end thereof
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 被覆電線の長手方向の切り込み刃の高寿命化
が図れ、細い被覆電線の中剥ぎが容易にできる。 【解決手段】 被覆電線の所要の箇所５４に円周方向に
切り込みを入れる円周方向スリット切り込み部１０と、
この所要の箇所５４の長手方向に切り込みを入れる長手
方向スリット切り込み部２０と、切り込みを入れる箇所
の被覆を剥ぎ取る剥ぎ取り部３６とを備え、長手方向ス
リット切り込み部２０は、被覆電線の長手方向５６に平
行に設けられる二枚の平行刃２３および平行刃２３の上
方に配置され被覆電線５０を平行刃２３との間で挟み超
音波振動を加える超音波振動ホーン部２７を有する。こ
こで、二枚の平行刃２３の内側間隙ｄは被覆電線の芯線
５２の径以上とする。
が図れ、細い被覆電線の中剥ぎが容易にできる。 【解決手段】 被覆電線の所要の箇所５４に円周方向に
切り込みを入れる円周方向スリット切り込み部１０と、
この所要の箇所５４の長手方向に切り込みを入れる長手
方向スリット切り込み部２０と、切り込みを入れる箇所
の被覆を剥ぎ取る剥ぎ取り部３６とを備え、長手方向ス
リット切り込み部２０は、被覆電線の長手方向５６に平
行に設けられる二枚の平行刃２３および平行刃２３の上
方に配置され被覆電線５０を平行刃２３との間で挟み超
音波振動を加える超音波振動ホーン部２７を有する。こ
こで、二枚の平行刃２３の内側間隙ｄは被覆電線の芯線
５２の径以上とする。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、被覆電線の長手方
向所要の箇所の被覆を剥ぎ取る被覆電線の中剥ぎ装置お
よび中剥ぎ方法に関するものである。
向所要の箇所の被覆を剥ぎ取る被覆電線の中剥ぎ装置お
よび中剥ぎ方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】図４は、従来技術に係る被覆電線の中剥
ぎ装置の一例を示す正面図である。従来の被覆電線の中
剥ぎ装置１００は、被覆電線５０を矢印１０４方向に送
り、被覆電線５０の上方からスリット切り込み刃１０１
を押し付け、被覆電線５０の長手方向に一定長さの切り
込みを入れる。次に、被覆電線５０を所定ピッチにセッ
トされた２組の円周方向切り込み刃１０２の位置まで送
り、ここで、被覆電線５０の円周方向に２箇所の切り込
みを入れ、さらに、被覆除去ブレード１０３を被覆電線
５０の上方から下降して被覆の剥ぎ取りを行う。ここ
で、円周方向切り込み刃１０２は、２組設けられ、１組
当たり二つのＶ溝刃で形成されている。被覆除去ブレー
ド１０３は、Ｕ字溝が設けられ、Ｕ字溝部を被覆電線の
被覆に押し当て剥ぎ落す。
ぎ装置の一例を示す正面図である。従来の被覆電線の中
剥ぎ装置１００は、被覆電線５０を矢印１０４方向に送
り、被覆電線５０の上方からスリット切り込み刃１０１
を押し付け、被覆電線５０の長手方向に一定長さの切り
込みを入れる。次に、被覆電線５０を所定ピッチにセッ
トされた２組の円周方向切り込み刃１０２の位置まで送
り、ここで、被覆電線５０の円周方向に２箇所の切り込
みを入れ、さらに、被覆除去ブレード１０３を被覆電線
５０の上方から下降して被覆の剥ぎ取りを行う。ここ
で、円周方向切り込み刃１０２は、２組設けられ、１組
当たり二つのＶ溝刃で形成されている。被覆除去ブレー
ド１０３は、Ｕ字溝が設けられ、Ｕ字溝部を被覆電線の
被覆に押し当て剥ぎ落す。
【０００３】また、別の被覆電線の中剥ぎ装置として、
被覆電線の長手方向に切り込みを入れ、次に一定の距離
に配置された二つの円周方向切り込み刃によって円周方
向に切り込みを入れる。次に、二つの円周方向切り込み
刃を被覆電線に沿って互いに接近させて剥ぎ取るもの
（特公平３−７９９２９号公報、米国特許番号３，７４
８，９３２号）や長手方向の切り込みを被覆材の耐熱温
度より高温としたヒートカッタで行った後、その部分の
被覆を剥ぎ取るもの（特開昭５６−１９３１９号公報）
などがある。
被覆電線の長手方向に切り込みを入れ、次に一定の距離
に配置された二つの円周方向切り込み刃によって円周方
向に切り込みを入れる。次に、二つの円周方向切り込み
刃を被覆電線に沿って互いに接近させて剥ぎ取るもの
（特公平３−７９９２９号公報、米国特許番号３，７４
８，９３２号）や長手方向の切り込みを被覆材の耐熱温
度より高温としたヒートカッタで行った後、その部分の
被覆を剥ぎ取るもの（特開昭５６−１９３１９号公報）
などがある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の被覆電線の
中剥ぎ装置は、いずれも被覆電線の長手方向の切り込み
を行う際に、刃に大きな加圧力がかかるので、切り込み
刃の摩耗がはやい。そこで、切り込み刃を被覆電線の被
覆材の耐熱温度より高い温度に加熱することが行われる
が、このように切り込み刃を高温度に加熱することは、
刃の温度による変質などにより劣化がはやく、切り込み
刃の調整、補修または交換などが頻繁となり効率的では
なかった。さらに、被覆電線が細い細物の場合には、長
手方向への切り込みが難しく中剥ぎが困難であった。
中剥ぎ装置は、いずれも被覆電線の長手方向の切り込み
を行う際に、刃に大きな加圧力がかかるので、切り込み
刃の摩耗がはやい。そこで、切り込み刃を被覆電線の被
覆材の耐熱温度より高い温度に加熱することが行われる
が、このように切り込み刃を高温度に加熱することは、
刃の温度による変質などにより劣化がはやく、切り込み
刃の調整、補修または交換などが頻繁となり効率的では
なかった。さらに、被覆電線が細い細物の場合には、長
手方向への切り込みが難しく中剥ぎが困難であった。
【０００５】本発明の課題は、被覆電線の長手方向の切
り込み刃の高寿命化が図れ、細い被覆電線の中剥ぎが容
易にできることである。
り込み刃の高寿命化が図れ、細い被覆電線の中剥ぎが容
易にできることである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、被覆電線の長手方向所要の箇所の被覆を剥ぎ
取る被覆電線の中剥ぎ装置において、前記所要の箇所の
両端の円周方向に切り込みを入れる円周方向切り込み手
段と、前記所要の箇所の長手方向に切り込みを入れる長
手方向切り込み手段と、前記所要の箇所の被覆を剥ぎ取
る剥ぎ取り手段とを備え、前記長手方向切り込み手段
は、前記所要の箇所に超音波振動を加えて加熱し加圧す
る超音波振動発振装置を有してなることである。
本発明は、被覆電線の長手方向所要の箇所の被覆を剥ぎ
取る被覆電線の中剥ぎ装置において、前記所要の箇所の
両端の円周方向に切り込みを入れる円周方向切り込み手
段と、前記所要の箇所の長手方向に切り込みを入れる長
手方向切り込み手段と、前記所要の箇所の被覆を剥ぎ取
る剥ぎ取り手段とを備え、前記長手方向切り込み手段
は、前記所要の箇所に超音波振動を加えて加熱し加圧す
る超音波振動発振装置を有してなることである。
【０００７】本発明の被覆電線の中剥ぎ装置は、先ず円
周方向切り込み手段により、被覆電線の長手方向所要の
箇所でその円周方向に切り込みを入れる。次に、長手方
向切り込み手段の超音波振動発振装置により、所要の箇
所に超音波振動を加えて加熱し、軟化させた状態で刃を
押し当て加圧する。このようにすると、被覆電線の被覆
材が軟化し切り込み刃に大きな加圧力がかからず、容易
に所要の箇所に長手方向の切り込みを入れることができ
る。その結果、切り込み刃の摩耗が少なく劣化が防止さ
れる。そして、円周方向および長手方向の両方に切り込
みをいれるので、剥ぎ取り手段により、上記所要の箇所
の被覆を容易に剥ぎ取ることができる。
周方向切り込み手段により、被覆電線の長手方向所要の
箇所でその円周方向に切り込みを入れる。次に、長手方
向切り込み手段の超音波振動発振装置により、所要の箇
所に超音波振動を加えて加熱し、軟化させた状態で刃を
押し当て加圧する。このようにすると、被覆電線の被覆
材が軟化し切り込み刃に大きな加圧力がかからず、容易
に所要の箇所に長手方向の切り込みを入れることができ
る。その結果、切り込み刃の摩耗が少なく劣化が防止さ
れる。そして、円周方向および長手方向の両方に切り込
みをいれるので、剥ぎ取り手段により、上記所要の箇所
の被覆を容易に剥ぎ取ることができる。
【０００８】さらに、前記長手方向切り込み手段は、前
記被覆電線を挟んで一方の側に前記超音波振動発振装置
を有し、前記被覆電線の他方の側に前記所要の箇所の長
手方向に切り込みを入れる刃を有してなることである。
長手方向切り込み手段は、被覆電線の一方に配置される
超音波振動発振装置と、被覆電線の他方に配置される刃
とによって、被覆電線を容易に挟むことができ、長手方
向の切り込みが簡便に容易に行われる。
記被覆電線を挟んで一方の側に前記超音波振動発振装置
を有し、前記被覆電線の他方の側に前記所要の箇所の長
手方向に切り込みを入れる刃を有してなることである。
長手方向切り込み手段は、被覆電線の一方に配置される
超音波振動発振装置と、被覆電線の他方に配置される刃
とによって、被覆電線を容易に挟むことができ、長手方
向の切り込みが簡便に容易に行われる。
【０００９】さらに、前記刃は、前記被覆電線の長手方
向と平行に設けられる少なくとも二枚の平行な刃を有し
てなることである。少なくとも二枚の平行な刃を有して
いるので、被覆電線の長手方向に平行に切り込みを少な
くとも二つ比較的均一に入れることが出来、かつ被覆電
線の芯線に損傷や変形を与えることが少ない。
向と平行に設けられる少なくとも二枚の平行な刃を有し
てなることである。少なくとも二枚の平行な刃を有して
いるので、被覆電線の長手方向に平行に切り込みを少な
くとも二つ比較的均一に入れることが出来、かつ被覆電
線の芯線に損傷や変形を与えることが少ない。
【００１０】さらに、前記平行な刃は、二枚設けられ、
該二枚の平行刃の内側間隙は前記被覆電線の芯線の巾以
上としてなることである。平行刃の刃のセンターを被覆
電線の長手方向中心軸に合わせて配置し切り込みを行う
時に、切り込みが深くなって芯線に達する場合でも、芯
線の外側に平行な刃が位置するようになるので、芯線に
損傷を与えることが防止される。
該二枚の平行刃の内側間隙は前記被覆電線の芯線の巾以
上としてなることである。平行刃の刃のセンターを被覆
電線の長手方向中心軸に合わせて配置し切り込みを行う
時に、切り込みが深くなって芯線に達する場合でも、芯
線の外側に平行な刃が位置するようになるので、芯線に
損傷を与えることが防止される。
【００１１】また、本発明は、被覆電線の長手方向所要
の箇所の被覆を剥ぎ取る被覆電線の中剥ぎ方法におい
て、前記所要の箇所の両端の円周方向に切り込みを入れ
た後、該所要の箇所に超音波振動を加えながら加熱し加
圧して長手方向に切り込みを入れ、その後前記所要の箇
所を剥ぎ取ってなることである。
の箇所の被覆を剥ぎ取る被覆電線の中剥ぎ方法におい
て、前記所要の箇所の両端の円周方向に切り込みを入れ
た後、該所要の箇所に超音波振動を加えながら加熱し加
圧して長手方向に切り込みを入れ、その後前記所要の箇
所を剥ぎ取ってなることである。
【００１２】被覆電線の長手方向の所要の箇所の円周方
向に切り込みを入れ、さらに、この所要の箇所に超音波
振動を加えて加圧するので、被覆電線が加熱され、被覆
が軟化する。従って、長手方向の切り込みを入れる際
に、切り込み刃に大きな加圧力がかからず、切り込み刃
による切り込みが容易となり、この結果、切り込み刃の
摩耗が少なく劣化が防止される。長手方向に切り込みが
入れられた所要の箇所は、容易に被覆が剥ぎ取られる。
向に切り込みを入れ、さらに、この所要の箇所に超音波
振動を加えて加圧するので、被覆電線が加熱され、被覆
が軟化する。従って、長手方向の切り込みを入れる際
に、切り込み刃に大きな加圧力がかからず、切り込み刃
による切り込みが容易となり、この結果、切り込み刃の
摩耗が少なく劣化が防止される。長手方向に切り込みが
入れられた所要の箇所は、容易に被覆が剥ぎ取られる。
【００１３】さらに、前記所要の箇所の長手方向の切り
込みは、前記被覆電線の芯線の巾以上の二箇所の切り込
みを入れてなることである。被覆電線の芯線の巾以上の
二箇所の切り込みを入れることにより、切り込みが深く
なって芯線に達する場合でも、切り込みが芯線の外側に
なるので、芯線に損傷を与えることを防止する。
込みは、前記被覆電線の芯線の巾以上の二箇所の切り込
みを入れてなることである。被覆電線の芯線の巾以上の
二箇所の切り込みを入れることにより、切り込みが深く
なって芯線に達する場合でも、切り込みが芯線の外側に
なるので、芯線に損傷を与えることを防止する。
【００１４】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る被覆電線の中
剥ぎ装置および中剥ぎ方法の実施の形態を図面に基づい
て詳細に説明する。なお、図１〜３において、同一又は
同等部分には同一符号を付けて示す。
剥ぎ装置および中剥ぎ方法の実施の形態を図面に基づい
て詳細に説明する。なお、図１〜３において、同一又は
同等部分には同一符号を付けて示す。
【００１５】図３は、本発明に係る被覆電線の中剥ぎ装
置の一実施形態を示し、（Ａ）は平面図、（Ｂ）は正面
図である。被覆電線の中剥ぎ装置１は、被覆電線５０の
長手方向５６の所要の箇所５４の被覆を剥ぎ取るもので
ある。さらに、被覆電線の中剥ぎ装置１は、所要の箇所
５４の両端の円周方向に切り込みを入れる円周方向切り
込み手段としての円周方向スリット切り込み部１０と、
所要の箇所５４の長手方向に切り込みを入れる長手方向
切り込み手段としての長手方向スリット切り込み部２０
と、所要の箇所５４の電線被覆を剥ぎ取る剥ぎ取り手段
として剥ぎ取り部３６と、電線をピッチｐだけ移動させ
る電線送り手段４２とを備える。
置の一実施形態を示し、（Ａ）は平面図、（Ｂ）は正面
図である。被覆電線の中剥ぎ装置１は、被覆電線５０の
長手方向５６の所要の箇所５４の被覆を剥ぎ取るもので
ある。さらに、被覆電線の中剥ぎ装置１は、所要の箇所
５４の両端の円周方向に切り込みを入れる円周方向切り
込み手段としての円周方向スリット切り込み部１０と、
所要の箇所５４の長手方向に切り込みを入れる長手方向
切り込み手段としての長手方向スリット切り込み部２０
と、所要の箇所５４の電線被覆を剥ぎ取る剥ぎ取り手段
として剥ぎ取り部３６と、電線をピッチｐだけ移動させ
る電線送り手段４２とを備える。
【００１６】なお、所要の箇所５４は、図３では複数示
されているが、被覆電線上の一つの特定の箇所が所定の
ピッチｐだけ移動していく状態を表わす。しかし、本実
施形態はこれに限定されず、被覆電線の複数箇所を中剥
ぎする場合も含むものである。
されているが、被覆電線上の一つの特定の箇所が所定の
ピッチｐだけ移動していく状態を表わす。しかし、本実
施形態はこれに限定されず、被覆電線の複数箇所を中剥
ぎする場合も含むものである。
【００１７】円周方向スリット切り込み部１０は、被覆
電線の所要の箇所５４の両端、すなわち長手方向の距離
ｄだけ離れた二箇所に円周方向のスリットを入れる装置
で、１対のＶ溝刃を２組有する。
電線の所要の箇所５４の両端、すなわち長手方向の距離
ｄだけ離れた二箇所に円周方向のスリットを入れる装置
で、１対のＶ溝刃を２組有する。
【００１８】剥ぎ取り部３６は、モータ３８によって回
転するブレード３７を有し、このブレード３７を電線被
覆に押し付けることにより電線被覆を除去する。ブレー
ド３７およびモータ３８は、駆動部３９により被覆電線
に沿って距離ｄだけ移動し、所要の箇所５４の電線被覆
を剥ぎ取る。
転するブレード３７を有し、このブレード３７を電線被
覆に押し付けることにより電線被覆を除去する。ブレー
ド３７およびモータ３８は、駆動部３９により被覆電線
に沿って距離ｄだけ移動し、所要の箇所５４の電線被覆
を剥ぎ取る。
【００１９】電線送り手段４２は、被覆電線５０をチャ
ックするチャック部４３で電線をチャックし、予め決め
られたピッチｐだけ電線の送り方向に移動させるもので
繰り返し往復移動をする。チャック部４３は、このチャ
ック部４３に固定されるアーム４４の端に接続されるシ
リンダ４５およびピストン４６によって繰り返し往復移
動される。
ックするチャック部４３で電線をチャックし、予め決め
られたピッチｐだけ電線の送り方向に移動させるもので
繰り返し往復移動をする。チャック部４３は、このチャ
ック部４３に固定されるアーム４４の端に接続されるシ
リンダ４５およびピストン４６によって繰り返し往復移
動される。
【００２０】図１は、上記長手方向スリット切り込み部
２０を示し、（Ａ）は長手方向スリット切り込み部斜視
図、（Ｂ）は（Ａ）の側面図である。長手方向スリット
切り込み部２０は、所要の箇所５４の被覆電線を挟んで
一方の側である上側に超音波振動を加えて加熱し加圧す
る超音波振動発振装置としての超音波振動ホーン部２７
と、被覆電線の他方の側である下側に所要の箇所５４の
被覆電線の長手方向に切り込みを入れる平行刃（刃）２
３を設ける受け刃部２１とを有する。
２０を示し、（Ａ）は長手方向スリット切り込み部斜視
図、（Ｂ）は（Ａ）の側面図である。長手方向スリット
切り込み部２０は、所要の箇所５４の被覆電線を挟んで
一方の側である上側に超音波振動を加えて加熱し加圧す
る超音波振動発振装置としての超音波振動ホーン部２７
と、被覆電線の他方の側である下側に所要の箇所５４の
被覆電線の長手方向に切り込みを入れる平行刃（刃）２
３を設ける受け刃部２１とを有する。
【００２１】受け刃部２１は、被覆電線の長手方向５６
に切り込み（「スリット」ともいう）を入れる二枚の平
行刃２３と、被覆電線５０を溝２４で保持するアンビル
２２とを有する。平行刃２３は、被覆電線の長手方向５
６と平行に二枚設けられ、この二枚の平行刃２３の内側
間隙ｄは、芯線に傷をつけないように被覆電線の芯線束
の巾に等しいか大きくなるように設定される。この場合
芯線断面形状は円形であるので直径ｄ0以上とする。
に切り込み（「スリット」ともいう）を入れる二枚の平
行刃２３と、被覆電線５０を溝２４で保持するアンビル
２２とを有する。平行刃２３は、被覆電線の長手方向５
６と平行に二枚設けられ、この二枚の平行刃２３の内側
間隙ｄは、芯線に傷をつけないように被覆電線の芯線束
の巾に等しいか大きくなるように設定される。この場合
芯線断面形状は円形であるので直径ｄ0以上とする。
【００２２】図２は、本実施形態の作用を示し、（Ａ）
は円周方向に切り込みを入れた状態の正面図、（Ｂ）は
超音波を加え加熱する状態の正面図、（Ｃ）は加圧して
長手方向に切り込みを入れる状態の側面図、（Ｄ）被覆
を剥いだ状態の正面図である。図２（Ａ）に示すよう
に、被覆電線５０の長手方向所要の箇所５４に円周方向
の切り込み５９を入れる。そして、図２（Ｂ）に示すよ
うに、この所要の箇所５４の両側５０ａ、５０ｂをアン
ビルの溝２４（図１に表示）に挿入して配置し、同時
に、被覆電線の所要の箇所５４が平行刃２３の上にくる
ようにセットする。
は円周方向に切り込みを入れた状態の正面図、（Ｂ）は
超音波を加え加熱する状態の正面図、（Ｃ）は加圧して
長手方向に切り込みを入れる状態の側面図、（Ｄ）被覆
を剥いだ状態の正面図である。図２（Ａ）に示すよう
に、被覆電線５０の長手方向所要の箇所５４に円周方向
の切り込み５９を入れる。そして、図２（Ｂ）に示すよ
うに、この所要の箇所５４の両側５０ａ、５０ｂをアン
ビルの溝２４（図１に表示）に挿入して配置し、同時
に、被覆電線の所要の箇所５４が平行刃２３の上にくる
ようにセットする。
【００２３】このセット状態で超音波振動ホーン部２７
を矢印２８の向きに下げるとともに、超音波振動をかけ
て被覆電線の所要の箇所５４を超音波振動ホーン部の先
端２９と平行刃２３の間に挟み加圧する。被覆電線の被
覆５１は、超音波振動により加熱され軟化するので、平
行刃２３は被覆電線の被覆５１に食い込み、被覆電線の
長手方向に切り込みを入れることが出来る。長手方向の
切り込みを入れた後、図示していない剥ぎ取り部３６に
より所要の箇所の被覆５１を剥ぎ取ると図２（Ｄ）に示
すように、被覆電線の芯線５２が露出する。
を矢印２８の向きに下げるとともに、超音波振動をかけ
て被覆電線の所要の箇所５４を超音波振動ホーン部の先
端２９と平行刃２３の間に挟み加圧する。被覆電線の被
覆５１は、超音波振動により加熱され軟化するので、平
行刃２３は被覆電線の被覆５１に食い込み、被覆電線の
長手方向に切り込みを入れることが出来る。長手方向の
切り込みを入れた後、図示していない剥ぎ取り部３６に
より所要の箇所の被覆５１を剥ぎ取ると図２（Ｄ）に示
すように、被覆電線の芯線５２が露出する。
【００２４】本実施形態の被覆電線の中剥ぎ装置１は、
被覆電線の長手方向所要の箇所の被覆を効率良く剥ぎ取
るためのもので、従来不可能であった多品種、多サイズ
被覆電線に対して被覆電線の中剥ぎを可能にするもので
ある。
被覆電線の長手方向所要の箇所の被覆を効率良く剥ぎ取
るためのもので、従来不可能であった多品種、多サイズ
被覆電線に対して被覆電線の中剥ぎを可能にするもので
ある。
【００２５】次に、本実施形態の被覆電線の中剥ぎ方法
について説明する。本実施形態の被覆電線の中剥ぎ方法
は、上記図２に示す被覆電線の中剥ぎ装置の作用説明に
準ずるものであるが、ここに改めて図２を利用して説明
する。すなわち、被覆電線の中剥ぎ方法は、被覆電線５
０の長手方向所要の箇所５４の被覆を剥ぎ取る方法であ
る。図２（Ａ）に示すように、所要の箇所５４の両端の
円周方向に切り込み５９を入れた後、図２（Ｂ）、
（Ｃ）に示すように、この所要の箇所５４に超音波振動
を加えながら加熱し加圧して長手方向に切り込みを入れ
る。この後、図２（Ｄ）に示すように、所要の箇所の被
覆５１を剥ぎ取る。この際、所要の箇所５４の長手方向
の切り込みは、被覆電線の芯線５２の巾以上の二箇所の
切り込みを入れることにより行われる。
について説明する。本実施形態の被覆電線の中剥ぎ方法
は、上記図２に示す被覆電線の中剥ぎ装置の作用説明に
準ずるものであるが、ここに改めて図２を利用して説明
する。すなわち、被覆電線の中剥ぎ方法は、被覆電線５
０の長手方向所要の箇所５４の被覆を剥ぎ取る方法であ
る。図２（Ａ）に示すように、所要の箇所５４の両端の
円周方向に切り込み５９を入れた後、図２（Ｂ）、
（Ｃ）に示すように、この所要の箇所５４に超音波振動
を加えながら加熱し加圧して長手方向に切り込みを入れ
る。この後、図２（Ｄ）に示すように、所要の箇所の被
覆５１を剥ぎ取る。この際、所要の箇所５４の長手方向
の切り込みは、被覆電線の芯線５２の巾以上の二箇所の
切り込みを入れることにより行われる。
【００２６】上記被覆電線の中剥ぎ方法は、超音波振動
により被覆電線５０が加熱され、被覆が軟化する。従っ
て、長手方向の切り込みを入れる際に、切り込み刃に大
きな加圧力がかからず、切り込み刃の摩耗が少なく劣化
が防止される。さらに、被覆が軟化するので、切り込み
刃による切り込みが容易となる。従って、次の段階の剥
ぎ取りで、この所要の箇所５４の被覆５１を容易に剥ぎ
取ることができる。また、被覆電線の芯線５２の巾以上
の二箇所の切り込みを入れることにより、切り込みが深
くなって芯線５２に達する場合でも、切り込みが芯線５
２の外側になるので、芯線５２に損傷を与えることが防
止される。
により被覆電線５０が加熱され、被覆が軟化する。従っ
て、長手方向の切り込みを入れる際に、切り込み刃に大
きな加圧力がかからず、切り込み刃の摩耗が少なく劣化
が防止される。さらに、被覆が軟化するので、切り込み
刃による切り込みが容易となる。従って、次の段階の剥
ぎ取りで、この所要の箇所５４の被覆５１を容易に剥ぎ
取ることができる。また、被覆電線の芯線５２の巾以上
の二箇所の切り込みを入れることにより、切り込みが深
くなって芯線５２に達する場合でも、切り込みが芯線５
２の外側になるので、芯線５２に損傷を与えることが防
止される。
【００２７】次に、本実施形態の被覆電線の中剥ぎ装置
または中剥ぎ方法は、以下のような特徴を有する。すな
わち、 (a) 超音波振動熱により被覆５１を軟化して平行刃２３
で切り込むので、平行刃２３へのストレスが小さく、平
行刃２３の高寿命化と品質の安定を期待できる。
または中剥ぎ方法は、以下のような特徴を有する。すな
わち、 (a) 超音波振動熱により被覆５１を軟化して平行刃２３
で切り込むので、平行刃２３へのストレスが小さく、平
行刃２３の高寿命化と品質の安定を期待できる。
【００２８】(b) アンビル２２の交換のみで品番切り替
えが可能となるため、生産効率がアップする。
えが可能となるため、生産効率がアップする。
【００２９】(c) 細い被覆電線の中剥ぎが可能になり汎
用性がアップする。
用性がアップする。
【００３０】
【発明の効果】本発明の被覆電線の中剥ぎ装置または中
剥ぎ方法によれば、被覆電線の長手方向の切り込み刃の
高寿命化と品質の安定が図れ、細い被覆電線の中剥ぎが
容易にできる。
剥ぎ方法によれば、被覆電線の長手方向の切り込み刃の
高寿命化と品質の安定が図れ、細い被覆電線の中剥ぎが
容易にできる。
【図１】本発明に係る被覆電線の中剥ぎ装置の一実施形
態を示し、（Ａ）は長手方向スリット切り込み部斜視
図、（Ｂ）は（Ａ）の側面図である。
態を示し、（Ａ）は長手方向スリット切り込み部斜視
図、（Ｂ）は（Ａ）の側面図である。
【図２】本実施形態の作用を示し、（Ａ）は円周方向に
切り込みを入れた状態の正面図、（Ｂ）は超音波を加え
加熱する状態の正面図、（Ｃ）は加圧して長手方向に切
り込みを入れる状態の側面図、（Ｄ）は被覆を剥いだ状
態の正面図である。
切り込みを入れた状態の正面図、（Ｂ）は超音波を加え
加熱する状態の正面図、（Ｃ）は加圧して長手方向に切
り込みを入れる状態の側面図、（Ｄ）は被覆を剥いだ状
態の正面図である。
【図３】本発明に係る被覆電線の中剥ぎ装置の一実施形
態を示し、（Ａ）は平面図、（Ｂ）は正面図である。
態を示し、（Ａ）は平面図、（Ｂ）は正面図である。
【図４】従来技術に係る被覆電線の中剥ぎ装置の一例を
示す正面図である。
示す正面図である。
１ 被覆電線の中剥ぎ装置 １０ 円周方向スリット切り込み部（円周方向切り込み
手段） ２０ 長手方向スリット切り込み部（長手方向切り込み
手段） ２３ 平行刃（刃） ２７ 超音波振動ホーン部（超音波振動発振装置） ３６ 剥ぎ取り部（剥ぎ取り手段） ５０ 被覆電線 ５１ 被覆 ５２ 芯線 ５３ 巾 ５４ 所要の箇所 ５６ 長手方向 ５８ 円周方向 ｄ 内側間隙
手段） ２０ 長手方向スリット切り込み部（長手方向切り込み
手段） ２３ 平行刃（刃） ２７ 超音波振動ホーン部（超音波振動発振装置） ３６ 剥ぎ取り部（剥ぎ取り手段） ５０ 被覆電線 ５１ 被覆 ５２ 芯線 ５３ 巾 ５４ 所要の箇所 ５６ 長手方向 ５８ 円周方向 ｄ 内側間隙
Claims (6)
- 【請求項１】 被覆電線の長手方向所要の箇所の被覆を
剥ぎ取る被覆電線の中剥ぎ装置において、前記所要の箇
所の両端の円周方向に切り込みを入れる円周方向切り込
み手段と、前記所要の箇所の長手方向に切り込みを入れ
る長手方向切り込み手段と、前記所要の箇所の被覆を剥
ぎ取る剥ぎ取り手段とを備え、前記長手方向切り込み手
段は、前記所要の箇所に超音波振動を加えて加熱し加圧
する超音波振動発振装置を有してなる被覆電線の中剥ぎ
装置。 - 【請求項２】 請求項１において、前記長手方向切り込
み手段は、前記被覆電線を挟んで一方の側に前記超音波
振動発振装置を有し、前記被覆電線の他方の側に前記所
要の箇所の長手方向に切り込みを入れる刃を有してなる
被覆電線の中剥ぎ装置。 - 【請求項３】 請求項２において、前記刃は、前記被覆
電線の長手方向と平行に設けられる少なくとも二枚の平
行な刃を有してなる被覆電線の中剥ぎ装置。 - 【請求項４】 請求項３において、前記平行な刃は、二
枚設けられ、該二枚の平行な刃の内側間隙は前記被覆電
線の芯線の巾以上としてなる被覆電線の中剥ぎ装置。 - 【請求項５】 被覆電線の長手方向所要の箇所の被覆を
剥ぎ取る被覆電線の中剥ぎ方法において、前記所要の箇
所の両端の円周方向に切り込みを入れた後、該所要の箇
所に超音波振動を加えながら加熱し加圧して長手方向に
切り込みを入れ、その後前記所要の箇所の被覆を剥ぎ取
ってなる被覆電線の中剥ぎ方法。 - 【請求項６】 請求項５において、前記所要の箇所の長
手方向の切り込みは、前記被覆電線の芯線の巾以上の二
箇所の切り込みを入れてなる被覆電線の中剥ぎ方法。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10267164A JP2000102132A (ja) | 1998-09-22 | 1998-09-22 | 被覆電線の中剥ぎ装置および方法 |
| US09/401,122 US6196087B1 (en) | 1998-09-22 | 1999-09-22 | Apparatus and method for removing an insulation cover from an insulation covered wire at intermediate portion |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10267164A JP2000102132A (ja) | 1998-09-22 | 1998-09-22 | 被覆電線の中剥ぎ装置および方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000102132A true JP2000102132A (ja) | 2000-04-07 |
Family
ID=17440995
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10267164A Abandoned JP2000102132A (ja) | 1998-09-22 | 1998-09-22 | 被覆電線の中剥ぎ装置および方法 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US6196087B1 (ja) |
| JP (1) | JP2000102132A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102694353A (zh) * | 2012-05-31 | 2012-09-26 | 东莞市瀛通电线有限公司 | 一种热脱皮机 |
| JP2019101267A (ja) * | 2017-12-04 | 2019-06-24 | 住友電工スチールワイヤー株式会社 | 光ファイバー取出し用装置、光ファイバー取出し方法 |
| JP2020028170A (ja) * | 2018-08-10 | 2020-02-20 | 本田技研工業株式会社 | 集合導線の溶接部処理方法、及び、溶接部処理装置 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| US6487939B1 (en) * | 2001-03-13 | 2002-12-03 | 3M Innovative Properties Company | Apparatus and method for removing coatings from filaments |
| JP4535219B2 (ja) * | 2001-06-12 | 2010-09-01 | 住友電気工業株式会社 | 光ファイバ被覆除去装置 |
| CN1516913A (zh) * | 2001-06-15 | 2004-07-28 | 施洛伊尼格控股有限公司 | 缆、线的处理装置 |
| US8986073B2 (en) | 2011-08-30 | 2015-03-24 | Tyco Electronics Corporation | Methods and apparatus for preparing power transmission cables |
| CN109004582B (zh) * | 2018-07-02 | 2020-06-23 | 国网山东省电力公司潍坊供电公司 | 一种纵横切刀式绝缘剥皮器 |
| CN110190562A (zh) * | 2019-06-25 | 2019-08-30 | 国家电网有限公司 | 一种电线电缆智能剥切机器人 |
| CN112653028A (zh) * | 2020-09-10 | 2021-04-13 | 安徽万融线缆科技有限公司 | 一种线束加工用环切装置及其环切方法 |
| CN115663698B (zh) * | 2022-11-06 | 2024-06-14 | 国网福建省电力有限公司龙岩市永定区供电公司 | 一种配电用便捷剥线装置及其使用方法 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US3909911A (en) * | 1973-04-30 | 1975-10-07 | Orthodyne Electronics | Method for removing insulating and shielding materials from flat conductors, circuits and components |
| DE4321007A1 (de) * | 1993-06-24 | 1995-01-05 | Kloeckner Moeller Gmbh | Konfektioniertes Kabel, insbesondere für den Schaltschrank- und Steuerungsbau, Verfahren zu seiner Bearbeitung und Bearbeitungsvorrichtung hierfür |
-
1998
- 1998-09-22 JP JP10267164A patent/JP2000102132A/ja not_active Abandoned
-
1999
- 1999-09-22 US US09/401,122 patent/US6196087B1/en not_active Expired - Lifetime
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102694353A (zh) * | 2012-05-31 | 2012-09-26 | 东莞市瀛通电线有限公司 | 一种热脱皮机 |
| JP2019101267A (ja) * | 2017-12-04 | 2019-06-24 | 住友電工スチールワイヤー株式会社 | 光ファイバー取出し用装置、光ファイバー取出し方法 |
| JP2020028170A (ja) * | 2018-08-10 | 2020-02-20 | 本田技研工業株式会社 | 集合導線の溶接部処理方法、及び、溶接部処理装置 |
| JP7013344B2 (ja) | 2018-08-10 | 2022-01-31 | 本田技研工業株式会社 | 集合導線の溶接部処理方法、及び、溶接部処理装置 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| US6196087B1 (en) | 2001-03-06 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040930 |
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