JP2000100615A - 磁気シールド用鱗片状Fe基合金粉末 - Google Patents
磁気シールド用鱗片状Fe基合金粉末Info
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Abstract
用いる軟磁性体からなる鱗片状の磁気シールド用粉末を
提供する。 【解決手段】 平均厚さd:0.03〜0.6μm、粒
度分布計によって求められた粒径の小さい方から重量を
累計して50%になったときの粒径をD50とすると、D
50:3〜60μmであり、アスペクト比(D50/d):
20〜500である磁気シールド用粉末において、原子
%で、AlまたはSiのうちの1種または2種を合計で
15〜30%、Cr:3〜15%、Sn:0.1〜1%
未満、O:1〜10%を含有し、残部:Feおよび不可
避不純物からなる成分組成を有する磁気シールド用粉
末。
Description
布して磁気を遮蔽するために用いる軟磁性体からなる鱗
片状の磁気シールド用粉末に関するものである。
高密度化、小型化が進むにつれて外部磁場の影響を受け
やすくなってきており、同時に磁場発生源として周辺機
器に悪影響を与える可能性も高い。これら装置の保護お
よび外部への磁場の漏洩を防止するために磁気シールド
を設ける場合が増えている。この磁気シールドとして鱗
片状の軟磁性体粉末を塗布する方法が提案されている。
この鱗片状の軟磁性体粉末の1つとして、平均厚さd:
0.03〜0.6μm、粒度分布計によって求められた
粒径の小さい方から重量を累計して50%になったとき
の粒径をD50とすると、D50:3〜60μmであり、ア
スペクト比(D50/d):20〜500である鱗片状磁
気シールド用粉末において、原子%で(以下、%は原子
%を示す)、AlおよびSiのうちの1種または2種を
合計で15〜30%、Cr:3〜15%、Sn:1〜1
5%を含有し、残部:Feおよび不可避不純物からなる
成分組成を有する磁気シールド用鱗片状Fe基合金粉末
があることが知られている。
気シールド用鱗片状Fe基合金粉末は、低保磁力を有す
るため、磁気シールド塗布膜が厚い場合には優れた磁気
シールド性能を示すが、Snの添加量が多く飽和磁化が
十分でないため、磁気シールド塗布膜を薄くした時に飽
和磁化が低くなって磁気シールド性能が著しく低下し、
今後の各種応用機器の薄型化に伴う磁気シールド塗布膜
の薄肉化に対応することができない。また従来の磁気シ
ールド用鱗片状Fe基合金粉末は歪感受性が高いために
鱗片化処理中に保磁力の増大を避けることができないな
どの課題があった。
従来よりも一層保磁力が低く、飽和磁化の高い磁気シー
ルド用鱗片状Fe基合金粉末を開発すべく研究を行った
結果、(イ)前記従来の磁気シールド用鱗片状Fe基合
金粉末において、酸素を添加すると同時にSnの含有量
を下げると、鱗片化処理中の歪感受性を低減させること
ができるので保磁力の増大を避けることができ、従来よ
りも一層保磁力が低く飽和磁化の高い磁気シールド用鱗
片状Fe基合金粉末を得ることができる、(ロ)その際
の酸素の含有量は1〜10%、Snの含有量を0.1〜
1%未満とすることが好ましい、という研究結果を得ら
れたのである。
なされたものであって、平均厚さd:0.03〜0.6
μm、D50:3〜60μmであり、かつアスペクト比
(D50/d):20〜500である磁気シールド用鱗片
状粉末において、AlおよびSiの内の1種または2種
を合計で15〜30%、Cr:3〜15%、Sn:0.
1〜1%未満、O:1〜10%、を含有し、残部:Fe
および不可避不純物からなる組成を有する磁気シールド
用鱗片状Fe基合金粉末、に特徴を有するものである。
金粉末の成分組成、d、D50およびD50/dを上記の如
く限定した理由について説明する。 (a) AlおよびSiのうちの1種または2種 AlおよびSiのうちの1種または2種の含有量が合計
で15%未満では保磁力(以下、Hc で示す)が高くな
るために磁気シールド性能が低下するので好ましくな
く、一方、30%を越えて含有すると、粉末の飽和磁化
(以下、σs で示す)が大きく下がるので十分な磁気シ
ールド性能が得られない。したがって、AlおよびSi
の内の1種または2種の含有量は合計で15〜30%に
定めた。一層好ましい範囲は18〜25%である。
砕および鱗片化処理の段階で錆の発生や変色が起きやす
く十分な耐食性が得られないので好ましくなく、一方、
15%を越えて含有すると、粉末のσs が下がるので十
分な磁気シールド性能が得られない。したがって、Cr
の含有量は3〜15%に定めた。Crの含有量の一層好
ましい範囲は5〜10%である。
処理の際の歪感受性を低減させる作用を有するが、その
含有量が0.1%未満では十分な効果が得られず、一
方、1%以上含有すると、Hc が増大するとともにσs
が減少し、磁気シールド性能が低下するので好ましくな
い。したがって、Snの含有量は0.1〜1%未満に定
めた。Snの含有量の一層好ましい範囲は0.3〜0.
7%である。
量が、1%未満では十分な効果が得られず、一方、10
%を越えて含有するとσs が減少し、磁気シールド性能
が低下するので好ましくない。したがって、Oの含有量
は1〜10%に定めた。Oの含有量の一層好ましい範囲
は2〜7%である。
危険性が高くなるので好ましくなく、一方、dが0.6
μmを越えると、磁気シールド性能が低下するので好ま
しくない。したがって、dは、0.03〜0.6μmに
定めた。dの一層好ましい範囲は0.1〜0.3μmで
ある。
発火する危険性が高くなるので好ましくなく、一方、D
50が40μmを越えると、均一な磁気シールド層が得ら
れないので好ましくない。したがって、D50は0.2〜
30μmと定めた。D50の一層好ましい範囲は15〜3
0μmである。
抗が増加するので好ましくなく、一方、D50/dが20
0を越えると粉末が大気中で発火する危険性が高くなる
ので好ましくない。したがって、D50/dは、20〜5
00に定めた。D50/dの一層好ましい範囲は40〜1
00である。
金粉末は、合金原料を大気中で高周波溶解して得られた
溶湯を水アトマイズにより粉末を作製し、この粉末を湿
式アトライターボールミルにて鱗片化し、大気雰囲気中
で150〜350℃内の所定の温度で焼鈍することによ
り酸素含有量を調整し、ついで分級処理をを施して製造
することができる。
て得られた溶湯を水アトマイズすることにより粉末を作
製し、この粉末を湿式アトライターボールミルにて鱗片
化し、乾燥を兼ねて大気中で150〜350℃内の所定
の温度で焼鈍することにより酸素含有量を調整し、分級
処理を行って最大粒径を50μm以下に揃えた表1〜表
4に示される成分組成、D50、dおよびD50/dを有す
る本発明磁気シールド用鱗片状Fe基合金粉末(以下、
本発明磁気シールド用粉末という)1〜34、比較磁気
シールド用鱗片状Fe基合金粉末(以下、比較磁気シー
ルド用粉末という)1〜3および従来磁気シールド用鱗
片状Fe基合金粉末(以下、従来磁気シールド用粉末と
いう)1を作製した。
4、比較磁気シールド用粉末1〜3および従来磁気シー
ルド用粉末1を、熱処理炉に入れ、1.0×10-2To
rrの真空に排気した後、Arガスを導入してArガス
雰囲気に保持し、このArガス雰囲気中にて温度:40
0℃で1時間熱処理し、熱処理された本発明磁気シール
ド用粉末1〜34、比較磁気シールド用粉末1〜3およ
び従来磁気シールド用粉末1の飽和磁化(σs )および
保磁力(Hc )を測定し、それらの測定値を表5〜表8
に示した。
ルド用粉末1〜34、比較磁気シールド用粉末1〜3お
よび従来磁気シールド用粉末1をそれぞれ有機バインダ
ー(エポキシ樹脂)と5:1の重量比になるように塗料
化し、基板上に厚さ:0.1mmの塗布膜を形成し、こ
れを5枚重ね合わせ、磁気シールド板を作製した。この
磁気シールド板をフェライト磁石上に設置し、磁気シー
ルド板から0.5cmの上方での漏れ磁束密度Bを測定
し、これと磁気シールド板がない場合の磁束密度B0 を
測定し、シールド比(B/B0 )を算出し、これらの結
果を表5〜表8に示した。
気シールド用粉末1〜34で作製した磁気シールド板を
設置したときシールド比:B/B0 は、従来磁気シール
ド用粉末1で作製した磁気シールド板を設置したときの
シールド比:B/B0 に比べて小さな値を示すところか
ら、本発明磁気シールド用粉末1〜34は従来磁気シー
ルド用粉末1に比べて優れた磁気シールド性能を示すこ
とが分かる。しかし、この発明の範囲から外れている値
(表4において、この発明の範囲から外れている値に*
印を付して示した。)を有する比較磁気シールド用粉末
1〜3で作製した磁気シールド板を設置した時のシール
ド比:B/B0 はやや大きくなることから、比較磁気シ
ールド用粉末1〜3の磁気シールド性能はやや劣ること
がわかる。
ルド性能に優れた鱗片状磁気シールド用粉末を提供する
ことができ、電気および電子産業において優れた効果を
もたらすものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 平均厚さd:0.03〜0.6μm、 粒度分布計によって求められた粒径の小さい方から重量
を累計して50%になったときの粒径をD50とすると、
D50:3〜60μmであり、アスペクト比(D 50/
d):20〜500である磁気シールド用鱗片状粉末に
おいて、原子%で(以下、%は原子%を示す)、 AlおよびSiのうちの1種または2種を合計で15〜
30%、 Cr:3〜15%、 Sn:0.1〜1%未満、 O:1〜10%、を含有し、残部:Feおよび不可避不
純物からなる組成を有することを特徴とする磁気シール
ド用鱗片状Fe基合金粉末。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10263191A JP2000100615A (ja) | 1998-09-17 | 1998-09-17 | 磁気シールド用鱗片状Fe基合金粉末 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10263191A JP2000100615A (ja) | 1998-09-17 | 1998-09-17 | 磁気シールド用鱗片状Fe基合金粉末 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000100615A true JP2000100615A (ja) | 2000-04-07 |
Family
ID=17386046
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10263191A Pending JP2000100615A (ja) | 1998-09-17 | 1998-09-17 | 磁気シールド用鱗片状Fe基合金粉末 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000100615A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20140109338A (ko) * | 2013-03-05 | 2014-09-15 | 다이도 스틸 코오퍼레이션 리미티드 | 연자성 금속 분말 및 압분 자심 |
-
1998
- 1998-09-17 JP JP10263191A patent/JP2000100615A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20140109338A (ko) * | 2013-03-05 | 2014-09-15 | 다이도 스틸 코오퍼레이션 리미티드 | 연자성 금속 분말 및 압분 자심 |
JP2014170877A (ja) * | 2013-03-05 | 2014-09-18 | Daido Steel Co Ltd | 軟磁性金属粉末及び圧粉磁心 |
KR102144824B1 (ko) * | 2013-03-05 | 2020-08-14 | 다이도 스틸 코오퍼레이션 리미티드 | 연자성 금속 분말 및 압분 자심 |
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