JP3094728B2 - 磁気シールド用粉末 - Google Patents
磁気シールド用粉末Info
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Description
て磁気を遮蔽するために用いる軟磁性体からなる鱗片状
の磁気シールド用粉末に関するものである。
高密度化、小型化が進につれて外部磁場の影響を受けや
すくなってきており、同時に磁場発生源として周辺機器
に悪影響を与える可能性も高い。これら装置の保護およ
び外部への磁場の漏洩を防止するために磁気シールドを
設ける場合が増えている。磁気シールド材としては、
板、箔、線、繊維など種々の形状のものが使用されてい
るが、鱗片状の軟磁性体粉末を塗布する方法が提案され
ている(特開昭58−59268号公報参照)。
塗料を塗布するだけで粉末が配向し、薄いシールド層が
得られるので小型軽量化に適している。このための鱗片
状軟磁性体粉末の材料は、フェライトなどの酸化物、パ
ーマロイ、センダストなどが知られているが、近年、ア
モルファス合金も用いられるようになってきた。
には、鉄族金属のうち一種以上、あるいはこれと他の遷
移金属の一種以上:65〜90原子%と、ガラス化元
素:10〜35原子%からなるアモルファス合金薄板を
切断またはスリットして所定の寸法とし、必要に応じて
熱処理することにより製造される鱗片状磁気シールド用
アモルファス合金粉末が記載されており、また、特開平
1−184202号公報には、厚さ:0.1〜10μ
m、長さ:1〜50μmでアスペクト比(長さ/厚さ)
が3〜100の鱗片状磁気シールド用アモルファス合金
粉末が記載されており、さらに、これら鱗片状磁気シー
ルド用アモルファス合金粉末の平均厚さを0.01〜1
μmと一層薄く、アスペクト比(平均外径/平均厚さ)
を10〜10000と一層大きくして磁気シールド粉末
としての特性を向上せしめた鱗片状磁気シールド用アモ
ルファス合金粉末が特開平1−139702号公報およ
び特開平1−205404号公報に記載されている。
いために鱗片状になりにくく、パーマロイは高価である
とともに鱗片状化に要する時間が長くてコストがかか
り、センダストは耐蝕性が低く、鱗片状化すると比表面
積が大きくなって発火しやすくなり取扱い上問題があ
る。さらにアモルファス合金鱗片状粉末は超急冷工程お
よび粉砕工程の少なくとも2工程を必要とし、しかも量
産化に限界があるなどの問題点があった。
状磁気シールド粉末として比較的安価なFe−Cr系合
金粉末が用いられるようになり、例えば、特開平1−2
23627号公報には、Cr:0.5〜20重量%、S
i:0.5〜9重量%、Al:0.5〜15重量%を含
有し、残部:Feおよび不可避不純物からなる成分組成
を有することを特徴とする磁気シールド用粉末が記載さ
れており、また特開平3−295206号公報には、S
i:18〜30原子%、Cr:19原子%以下を含有
し、残部:Feおよび不可避不純物からなる成分組成を
有し、平均厚さd:1μm以下、粒度分布計によって求
められた粒径の小さい方から重量を累計して50%にな
ったときの粒径D50が5〜30μmであり、アスペクト
比(D50/d):10〜3000であるFe−Cr系合
金鱗片状磁気シールド粉末が記載されており、特に前記
特開平3−295206号公報記載のFe−Cr系合金
からなる鱗片状磁気シールド粉末は、価格が安く、耐蝕
性および磁気シールド性にも優れているので注目されて
いる。
価でしかも磁気シールド性能の優れた磁気シールド粉末
は常に求められており、従来のFe−Cr系合金鱗片状
磁気シールド粉末の磁気シールド性能の一層の改善が求
められていた。
従来よりも磁気シールド性能が高くかつ保磁力が低い磁
気シールド特性に優れたFe−Cr系合金鱗片状磁気シ
ールド粉末を開発すべく研究を行った結果、平均厚さ
d:0.02〜0.6μm、粒度分布計によって求めら
れた粒径の小さい方から重量を累計して50%になった
ときの粒径をD50とすると、D50:10〜40μmであ
り、アスペクト比(D50/d):20〜500である磁
気シールド用粉末において、MをAlまたはSiのうち
の1種または2種とすると、原子%で、M:15〜30
%、Cr:3〜15%、N:0.2〜1%、残部:Fe
および不可避不純物からなる成分組成を有する磁気シー
ルド用粉末は、従来よりも磁気シールド性能が向上する
という研究結果が得られたのである。
なされたものであって、平均厚さd:0.02〜0.6
μm、D50:10〜40μmであり、アスペクト比(D
50/d):20〜500である磁気シールド用粉末にお
いて、原子%で、M:15〜30%、Cr:3〜15
%、N:0.2〜1%、残部:Feおよび不可避不純物
からなる成分組成を有する磁気シールド用粉末に特徴を
有するものである。
成、平均厚さd、D50、アスペクト比(D50/d)を上
記の如く限定した理由について説明する (a) M(AlまたはSiのうちの1種または2種) Mの含有量が15原子%未満では保磁力(Hc )が高く
なり過ぎるとともに磁気シールド性能も低下するので好
ましくなく、一方、30原子%を越えて含有すると、粉
末の飽和磁化が下がるので十分な磁気シールド性能が得
られない。したがって、Mの含有量は15〜30原子%
に定めた。
錆の発生や変色が起きやすくなるので好ましくなく、一
方、15原子%を越えて含有すると、粉末の飽和磁化が
下がるので十分な磁気シールド性能が得られない。した
がって、Crの含有量は3〜15原子%に定めた。
る作用を有するが、その含有量が、0.2原子%未満で
は十分な磁気シールド性能向上効果が得られず、一方、
1原子%を越えて含有すると、保磁力(Hc )が高くな
り過ぎるとともに粉砕に際して粉末の燐片状化が困難に
なるので好ましくない。したがって、Nの含有量は0.
2〜1原子%に定めた。
シールド特性を向上させることができるが、0.02μ
m未満にすると圧延粉砕による応力歪みのために保磁力
が大きくなり、一方、平均厚さdが0.6μmを越える
と、塗膜中に含まれる粉末の枚数が少なくなり、いずれ
の場合も磁気シールド効果が低下するので好ましくな
い。したがって、磁気シールド用粉末の平均厚さdは、
0.02〜0.6μmに定めた。
から重量を累計して50%になったときの粒径D50を、
10μm未満まで小さくすると、表面積が増えるため粉
末間の空隙に存在する有機バインダーの量が多くなり、
アスペクト比の大きい粉末の割合いが減るために磁気シ
ールド効果が低下するので好ましくない。一方、D50が
40μmを越えると、有機バインダー中での分散性が悪
くなり、塗布時にむらを生じ均一な塗膜が得られないの
で好ましくない。したがって、D50:10〜40μmと
定めた。
り、磁気抵抗は増加するので好ましくなく、一方、アス
ペクト比が、500を越えると歪みによる保磁力が増加
し、かつ粒径の大きな粉末が混入するため均一な塗膜を
得ることが難しくなる。したがって、アスペクト比は、
20〜500に定めた。
造してインゴットを作製し、これらインゴットを粗粉砕
した後、分級処理を行って最大粒径:50μmに揃え
た。この粗粉末をさらに窒素雰囲気中で700〜800
℃内の所定の温度で1〜5時間内の所定時間保持して窒
化処理を行い、湿式アトライターボールミルにて鱗片状
化し、表1〜表3に示される成分組成、D50、dおよび
アスペクト比(D50/d)を有する本発明磁気シールド
用粉末1〜20および比較磁気シールド用粉末1〜8を
作製した。さらに前記合金原料を大気中で高周波溶解
し、鋳造してインゴットを作製し、これらインゴットを
粗粉砕した後、分級処理を行って最大粒径:50μmに
揃えた。この粗粉末をさらに湿式アトライターボールミ
ルにて鱗片状化し、表3に示される成分組成、D50、d
およびアスペクト比(D50/d)を有する従来磁気シー
ルド用粉末1〜2を作製した。
0、比較磁気シールド用粉末1〜8および従来磁気シー
ルド用粉末1〜2を、熱処理炉に入れ、1.0×10-2
Torrの真空に排気した後、Arガスを導入してAr
ガス雰囲気に保持し、このArガス雰囲気中にて表4〜
表6に示される温度で熱処理し、熱処理された本発明磁
気シールド用粉末1〜20、比較磁気シールド用粉末1
〜8および従来磁気シールド用粉末1〜2の保磁力(H
c )を測定し、それらの測定値を表4〜表6に示した。
ルド用粉末1〜20、比較磁気シールド用粉末1〜8お
よび従来磁気シールド用粉末1〜2をそれぞれ有機バイ
ンダー(エポキシ樹脂)と3:1の割合で混合し、厚
さ:2mmの板に成形し、磁気シールド板を作製した。
この磁気シールド板をフェライト磁石上に設置し、磁気
シールド板から1cmの位置での漏れ磁束密度Bを測定
し、これと磁気シールド板がない場合の磁束密度B0 を
測定し、シールド比(B/B0 )を算出し、これらの結
果を表4〜表6に示した。
2〜1原子%を含む本発明磁気シールド用粉末1〜20
で作製した磁気シールド板を設置したときシールド比:
B/B0 は、Nを含まない従来磁気シールド用粉末1〜
2で作製した磁気シールド板を設置したときのシールド
比:B/B0 に比べて格段に小さな値を示すところか
ら、本発明磁気シールド用粉末1〜20は従来磁気シー
ルド用粉末1〜2に比べて優れた磁気シールド性能を示
すことが分かる。しかし、この発明の範囲から外れてい
る値(表3において、この発明の範囲から外れている値
に*印を付して示した。)を有する比較磁気シールド用
粉末1〜8で作製した磁気シールド板を設置した時のシ
ールド比:B/B0 はやや大きくなることから、比較磁
気シールド用粉末1〜8の磁気シールド性能はやや劣る
ことがわかる。
気シールド用粉末を提供することができ、電気および電
子産業において優れた効果をもたらすものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 平均厚さd:0.02〜0.6μm、 粒度分布計によって求められた粒径の小さい方から重量
を累計して50%になったときの粒径をD50とすると、
D50:10〜40μmであり、アスペクト比(D50/
d):20〜500である磁気シールド用粉末におい
て、 MをAlまたはSiのうちの1種または2種とすると、
原子%で、 M:15〜30%、 Cr:3〜15%、 N:0.2〜1%、 残部:Feおよび不可避不純物からなる成分組成を有す
ることを特徴とする磁気シールド用粉末。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05085515A JP3094728B2 (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | 磁気シールド用粉末 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05085515A JP3094728B2 (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | 磁気シールド用粉末 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06275419A JPH06275419A (ja) | 1994-09-30 |
JP3094728B2 true JP3094728B2 (ja) | 2000-10-03 |
Family
ID=13861053
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05085515A Expired - Lifetime JP3094728B2 (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | 磁気シールド用粉末 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3094728B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP4936233B2 (ja) * | 1997-09-22 | 2012-05-23 | 三菱マテリアル株式会社 | 磁気シールド用偏平状Fe基合金粉末 |
JP2007273732A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Tdk Corp | ノイズ抑制用軟磁性金属粉末及びノイズ抑制シート |
-
1993
- 1993-03-19 JP JP05085515A patent/JP3094728B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06275419A (ja) | 1994-09-30 |
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