JP2000129302A - 磁気シールド用偏平状Fe基合金粉末 - Google Patents
磁気シールド用偏平状Fe基合金粉末Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 優れた磁気シールド性能および耐食性を示す
磁気シールド用偏平状Fe基合金粉末を提供する。 【解決手段】 偏平状Fe基合金粉末が、原子%で、S
iおよびAlの内の1種または2種を合計で15〜30
%、V、MoおよびWの内の1種または2種以上を合計
で0.5〜5%を含有し、さらにSn:0.1〜4.0
%を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成を
有する。
磁気シールド用偏平状Fe基合金粉末を提供する。 【解決手段】 偏平状Fe基合金粉末が、原子%で、S
iおよびAlの内の1種または2種を合計で15〜30
%、V、MoおよびWの内の1種または2種以上を合計
で0.5〜5%を含有し、さらにSn:0.1〜4.0
%を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成を
有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンピュータ周
辺の各種磁気記録装置や電子機器などを磁場や電磁波の
悪影響から保護するために、塗料と共に塗布して磁気シ
ールド用層や磁気シールド用シートなどを形成するため
に用いられる偏平状Fe基合金粉末に関するものであ
る。
辺の各種磁気記録装置や電子機器などを磁場や電磁波の
悪影響から保護するために、塗料と共に塗布して磁気シ
ールド用層や磁気シールド用シートなどを形成するため
に用いられる偏平状Fe基合金粉末に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、原子%で(以下、%は原子%を示
す)、Si:2〜7%、Al:3〜8%を含有し、残り
がFeと不可避不純物からなる組成を有する磁気シール
ド用偏平状Fe基合金粉末が知られている(特開平2−
42798号公報参照)。また、上記従来の磁気シール
ド用偏平状Fe基合金粉末は、実用に際して、 平均厚さ(以下、「d」で示す):0.02〜0.6μ
m、 粒度部分布計によって求められた粒径の小さい方から重
量を累計して50%になったときの粒径(以下、
「D50」で示す):3〜60μm、 アスペクト比(D50/d):20〜500、 の粒度に調整されて使用されることも良く知られるとこ
ろである。
す)、Si:2〜7%、Al:3〜8%を含有し、残り
がFeと不可避不純物からなる組成を有する磁気シール
ド用偏平状Fe基合金粉末が知られている(特開平2−
42798号公報参照)。また、上記従来の磁気シール
ド用偏平状Fe基合金粉末は、実用に際して、 平均厚さ(以下、「d」で示す):0.02〜0.6μ
m、 粒度部分布計によって求められた粒径の小さい方から重
量を累計して50%になったときの粒径(以下、
「D50」で示す):3〜60μm、 アスペクト比(D50/d):20〜500、 の粒度に調整されて使用されることも良く知られるとこ
ろである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の磁気記録
装置や電子機器の小型化および薄型化はめざましく、こ
れに伴ない、磁気シールド用性能の一段の向上、並びに
磁気シールド用層および磁気シールド用シートなどの薄
肉化が要求されている。このような要請に対して、より
高い飽和磁化およびより低い保磁力を示す磁気シールド
用粉末の開発が望まれている。さらに磁気シールド層お
よび磁気シールドシートは、実用に際して長期間に安定
なシールド性能を維持する必要があり、そのため前記磁
気記録装置や電子機器などが設置される環境下で長期に
わたって錆の発生がなく飽和磁化が低下しない磁気シー
ルド用粉末が求められている。
装置や電子機器の小型化および薄型化はめざましく、こ
れに伴ない、磁気シールド用性能の一段の向上、並びに
磁気シールド用層および磁気シールド用シートなどの薄
肉化が要求されている。このような要請に対して、より
高い飽和磁化およびより低い保磁力を示す磁気シールド
用粉末の開発が望まれている。さらに磁気シールド層お
よび磁気シールドシートは、実用に際して長期間に安定
なシールド性能を維持する必要があり、そのため前記磁
気記録装置や電子機器などが設置される環境下で長期に
わたって錆の発生がなく飽和磁化が低下しない磁気シー
ルド用粉末が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、上記従来の磁気シールド用偏平
状Fe基合金粉末よりも一層高い飽和磁化および一層低
い保磁力を示すと共に、腐食環境下に置かれても腐食し
て飽和磁化が低下することのない磁気シールド用粉末を
得るべく研究を行なった結果、(イ)前記SiおよびA
l含有の偏平状Fe基合金粉末にV、MoおよびWの内
の1種または2種以上を添加することにより粉末の耐食
性が改善され、各種磁気記録装置や電子機器などの通常
の磁気シールド用途で、錆や変色の発生がなく、長期間
安定した性能を維持できる磁気シールド用偏平状Fe基
合金粉末が得られること、(ロ)さらにSnを添加する
と、SnはFeに対する固溶硬化能が大きいために粉砕
されやすくなり、粉砕および偏平化のための処理時間を
短縮することができるところから粉末に蓄積される歪み
が小さくなって低い保磁力が実現できること、(ハ)
V、MoおよびWの内の1種または2種以上の含有量は
0.5〜10%の範囲内にあることが好ましく、この時
のSiおよび/またはAl含有量は15〜30%にする
ことが好ましく、さらにこの時添加するSnの含有量は
0.1〜4.0%の範囲内にあるようにすることが好ま
しいこと、(ニ)かかる成分組成の磁気シールド用偏平
状Fe基合金粉末において、粉末の粒度は、従来と同じ
d:0.02〜0.6μm、D50:3〜60μm、D50
/d:20〜500の範囲に調整すればよいこと、など
の知見を得たのである。
上述のような観点から、上記従来の磁気シールド用偏平
状Fe基合金粉末よりも一層高い飽和磁化および一層低
い保磁力を示すと共に、腐食環境下に置かれても腐食し
て飽和磁化が低下することのない磁気シールド用粉末を
得るべく研究を行なった結果、(イ)前記SiおよびA
l含有の偏平状Fe基合金粉末にV、MoおよびWの内
の1種または2種以上を添加することにより粉末の耐食
性が改善され、各種磁気記録装置や電子機器などの通常
の磁気シールド用途で、錆や変色の発生がなく、長期間
安定した性能を維持できる磁気シールド用偏平状Fe基
合金粉末が得られること、(ロ)さらにSnを添加する
と、SnはFeに対する固溶硬化能が大きいために粉砕
されやすくなり、粉砕および偏平化のための処理時間を
短縮することができるところから粉末に蓄積される歪み
が小さくなって低い保磁力が実現できること、(ハ)
V、MoおよびWの内の1種または2種以上の含有量は
0.5〜10%の範囲内にあることが好ましく、この時
のSiおよび/またはAl含有量は15〜30%にする
ことが好ましく、さらにこの時添加するSnの含有量は
0.1〜4.0%の範囲内にあるようにすることが好ま
しいこと、(ニ)かかる成分組成の磁気シールド用偏平
状Fe基合金粉末において、粉末の粒度は、従来と同じ
d:0.02〜0.6μm、D50:3〜60μm、D50
/d:20〜500の範囲に調整すればよいこと、など
の知見を得たのである。
【0005】この発明は、上記の知見にもとづいてなさ
れたものであって、(1)SiおよびAlの内の1種ま
たは2種を合計で15〜30%、V:0.5〜5%、S
n:0.1〜4.0%、を含有し、残りがFeと不可避
不純物からなる組成を有する磁気シールド用偏平状Fe
基合金粉末、(2)SiおよびAlの内の1種または2
種を合計で15〜30%、Mo:0.5〜5%、Sn:
0.1〜4.0%、を含有し、残りがFeと不可避不純
物からなる組成を有する磁気シールド用偏平状Fe基合
金粉末、(3)SiおよびAlの内の1種または2種を
合計で15〜30%、W:0.5〜5%、Sn:0.1
〜4.0%、を含有し、残りがFeと不可避不純物から
なる組成を有する磁気シールド用偏平状Fe基合金粉
末、(4)SiおよびAlの内の1種または2種を合計
で15〜30%、V、MoおよびWの内の2種以上を合
計で0.5〜5%、Sn:0.1〜4.0%、を含有
し、残りがFeと不可避不純物からなる組成を有する磁
気シールド用偏平状Fe基合金粉末、(5)前記
(1)、(2)、(3)または(4)記載の組成、並び
にd:0.02〜0.6μm、D50:3〜60μm、D
50/d:20〜500の範囲に調整された粒度を有する
磁気シールド用偏平状Fe基合金粉末、に特徴を有する
ものである。
れたものであって、(1)SiおよびAlの内の1種ま
たは2種を合計で15〜30%、V:0.5〜5%、S
n:0.1〜4.0%、を含有し、残りがFeと不可避
不純物からなる組成を有する磁気シールド用偏平状Fe
基合金粉末、(2)SiおよびAlの内の1種または2
種を合計で15〜30%、Mo:0.5〜5%、Sn:
0.1〜4.0%、を含有し、残りがFeと不可避不純
物からなる組成を有する磁気シールド用偏平状Fe基合
金粉末、(3)SiおよびAlの内の1種または2種を
合計で15〜30%、W:0.5〜5%、Sn:0.1
〜4.0%、を含有し、残りがFeと不可避不純物から
なる組成を有する磁気シールド用偏平状Fe基合金粉
末、(4)SiおよびAlの内の1種または2種を合計
で15〜30%、V、MoおよびWの内の2種以上を合
計で0.5〜5%、Sn:0.1〜4.0%、を含有
し、残りがFeと不可避不純物からなる組成を有する磁
気シールド用偏平状Fe基合金粉末、(5)前記
(1)、(2)、(3)または(4)記載の組成、並び
にd:0.02〜0.6μm、D50:3〜60μm、D
50/d:20〜500の範囲に調整された粒度を有する
磁気シールド用偏平状Fe基合金粉末、に特徴を有する
ものである。
【0006】この発明の磁気シールド用偏平状Fe基合
金粉末は、SiおよびAlの内の1種または2種を合計
で15〜30%、V、MoおよびWの内の1種または2
種以上を合計で0.5〜5%、さらにSn:0.1〜
4.0%を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる
組成を有するFe基合金溶湯を水アトマイズ法により粉
末化し、得られた粉末に対して、通常の条件で分級、偏
平化、熱処理、および分級を施すこと、すなわち前記水
アトマイズ粉末を分級により40μm以下の粒径とし、
これをアトライタで偏平化した後、Ar雰囲気中、35
0〜750℃の温度に所定時間保持の熱処理を施し、引
続いて分級を行なって、 d:0.02〜0.6μm、 D50:3〜60μm、 D50/d:20〜500、 に粒度調整することにより製造することができる。
金粉末は、SiおよびAlの内の1種または2種を合計
で15〜30%、V、MoおよびWの内の1種または2
種以上を合計で0.5〜5%、さらにSn:0.1〜
4.0%を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる
組成を有するFe基合金溶湯を水アトマイズ法により粉
末化し、得られた粉末に対して、通常の条件で分級、偏
平化、熱処理、および分級を施すこと、すなわち前記水
アトマイズ粉末を分級により40μm以下の粒径とし、
これをアトライタで偏平化した後、Ar雰囲気中、35
0〜750℃の温度に所定時間保持の熱処理を施し、引
続いて分級を行なって、 d:0.02〜0.6μm、 D50:3〜60μm、 D50/d:20〜500、 に粒度調整することにより製造することができる。
【0007】つぎに、この発明の偏平状Fe基合金粉末
の組成を上記の通りに限定した理由を説明する。 (a) SiおよびAl これら成分には、共に保磁力を低減する作用があるが、
その含有量が15%未満ではその効果が小さく、一方、
その含有量が30%を越えると飽和磁化を低下させ、い
ずれの場合にも良好な磁気シールド用性能が得られな
い。従って、この発明の偏平状Fe基合金粉末に含まれ
るSiおよびAlの内の1種または2種を合計で15〜
30%(望ましくは20〜25%)含有するように定め
た。
の組成を上記の通りに限定した理由を説明する。 (a) SiおよびAl これら成分には、共に保磁力を低減する作用があるが、
その含有量が15%未満ではその効果が小さく、一方、
その含有量が30%を越えると飽和磁化を低下させ、い
ずれの場合にも良好な磁気シールド用性能が得られな
い。従って、この発明の偏平状Fe基合金粉末に含まれ
るSiおよびAlの内の1種または2種を合計で15〜
30%(望ましくは20〜25%)含有するように定め
た。
【0008】(b) V、MoおよびW これら成分は、耐食性を向上させる効果を有するが、そ
の含有量が0.5%未満ではその効果が現れず、一方、
その含有量が5%を越えると飽和磁化を著しく低下さ
せ、いずれの場合にも十分な磁気シールド用性能が得ら
れない。従って、この発明の偏平状Fe基合金粉末に含
まれるV、MoおよびWの内の1種または2種以上を合
計で0.5〜5%(一層望ましくは1〜3%)と定め
た。これらV、MoおよびWの内でもMoが最も効果が
ある。
の含有量が0.5%未満ではその効果が現れず、一方、
その含有量が5%を越えると飽和磁化を著しく低下さ
せ、いずれの場合にも十分な磁気シールド用性能が得ら
れない。従って、この発明の偏平状Fe基合金粉末に含
まれるV、MoおよびWの内の1種または2種以上を合
計で0.5〜5%(一層望ましくは1〜3%)と定め
た。これらV、MoおよびWの内でもMoが最も効果が
ある。
【0009】(c) Sn Snには、被粉砕性を改善し、もって保磁力を低減する
効果を有するので添加するが、その含有量が0.1%未
満ではその効果が小さく、一方、Snを4.0%を越え
て添加すると飽和磁化を著しく低下させるので好ましく
ない。従って、この発明の偏平状Fe基合金粉末に含ま
れるSn含有量は0.1〜4.0%(一層望ましくは
0.5〜2%)と定めた。
効果を有するので添加するが、その含有量が0.1%未
満ではその効果が小さく、一方、Snを4.0%を越え
て添加すると飽和磁化を著しく低下させるので好ましく
ない。従って、この発明の偏平状Fe基合金粉末に含ま
れるSn含有量は0.1〜4.0%(一層望ましくは
0.5〜2%)と定めた。
【0010】(d) 粒度 この発明の偏平状Fe基合金粉末は、従来と同じd:
0.02〜0.6μm、D50:3〜60μm、D50/
d:20〜500の範囲に調整すればよいが、d:0.
05〜0.3μm、D50:5〜20μm、D50/d:5
0〜300の範囲に調整することが一層好ましい。
0.02〜0.6μm、D50:3〜60μm、D50/
d:20〜500の範囲に調整すればよいが、d:0.
05〜0.3μm、D50:5〜20μm、D50/d:5
0〜300の範囲に調整することが一層好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の偏平状Fe基
合金粉末を実施例により具体的に説明する。原料とし
て、Fe−Si合金、Fe−Al合金、Fe−V合金、
Fe−Mo合金およびFe−W合金、金属Snおよび電
解鉄を用意し、これら原料を高周波誘導炉にてそれぞれ
表1〜3に示される成分組成をもったFe基合金溶湯を
調製し、この溶湯を水アトマイズ法により粉末化し、分
級して40μm以下の粒径を有する粉末とし、ついでこ
れをアトライタで偏平化した後、Ar雰囲気中、400
℃で2時間保持の熱処理を施し、さらに風力分級機によ
り分級を行なって同じく表1〜3に示される粒度に調整
することにより本発明偏平状Fe基合金粉末(以下、本
発明粉末という)1〜25、合金成分としてこの発明の
範囲から外れて含有する比較偏平状Fe基合金粉末(以
下、比較粉末という)1〜3および従来偏平状Fe基合
金粉末(以下、従来粉末という)1〜2をそれぞれ製造
した。
合金粉末を実施例により具体的に説明する。原料とし
て、Fe−Si合金、Fe−Al合金、Fe−V合金、
Fe−Mo合金およびFe−W合金、金属Snおよび電
解鉄を用意し、これら原料を高周波誘導炉にてそれぞれ
表1〜3に示される成分組成をもったFe基合金溶湯を
調製し、この溶湯を水アトマイズ法により粉末化し、分
級して40μm以下の粒径を有する粉末とし、ついでこ
れをアトライタで偏平化した後、Ar雰囲気中、400
℃で2時間保持の熱処理を施し、さらに風力分級機によ
り分級を行なって同じく表1〜3に示される粒度に調整
することにより本発明偏平状Fe基合金粉末(以下、本
発明粉末という)1〜25、合金成分としてこの発明の
範囲から外れて含有する比較偏平状Fe基合金粉末(以
下、比較粉末という)1〜3および従来偏平状Fe基合
金粉末(以下、従来粉末という)1〜2をそれぞれ製造
した。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】
【表3】
【0015】得られた本発明粉末1〜25、比較粉末1
〜3および従来粉末1〜2の保磁力と飽和磁化を測定
し、この結果を表4〜5に示し、さらに、本発明粉末1
〜25、比較粉末1〜3および従来粉末1〜2を80
℃、95%相対湿度の雰囲気に100時間暴露し、発錆
の有無および100時間暴露前後の飽和磁化の減少率を
測定し、その結果を表4〜5に示した。
〜3および従来粉末1〜2の保磁力と飽和磁化を測定
し、この結果を表4〜5に示し、さらに、本発明粉末1
〜25、比較粉末1〜3および従来粉末1〜2を80
℃、95%相対湿度の雰囲気に100時間暴露し、発錆
の有無および100時間暴露前後の飽和磁化の減少率を
測定し、その結果を表4〜5に示した。
【0016】
【表4】
【0017】
【表5】
【0018】
【発明の効果】表1〜5に示される結果から、本発明粉
末1〜25は、従来粉末1〜2に比して、保磁力が低
く、高い飽和磁化を示し、さらに高温高湿雰囲気に暴露
しても発錆がなく、さらに暴露前後の飽和磁化の減少率
が少ないことが明らかである。また、この発明の範囲か
ら外れた成分組成を有する比較粉末1〜3は、飽和磁化
および耐食性の内の少なくとも1つに好ましくない特性
が現れることが分かる。
末1〜25は、従来粉末1〜2に比して、保磁力が低
く、高い飽和磁化を示し、さらに高温高湿雰囲気に暴露
しても発錆がなく、さらに暴露前後の飽和磁化の減少率
が少ないことが明らかである。また、この発明の範囲か
ら外れた成分組成を有する比較粉末1〜3は、飽和磁化
および耐食性の内の少なくとも1つに好ましくない特性
が現れることが分かる。
【0019】上述のように、この発明の偏平状Fe基合
金粉末は、保磁力が低く、高い飽和磁化を示し、さらに
腐食することがなく、腐食による飽和磁化の減少率が少
ないところから、これを磁気シールド用に用いた場合、
すぐれた磁気シールド用性能を発揮するものであり、磁
気シールド用性能の一層の向上に寄与するばかりでな
く、磁気シールド用層や磁気シールド用シートなどの薄
肉化を可能にするなどの工業上有用な特性を有するので
ある。
金粉末は、保磁力が低く、高い飽和磁化を示し、さらに
腐食することがなく、腐食による飽和磁化の減少率が少
ないところから、これを磁気シールド用に用いた場合、
すぐれた磁気シールド用性能を発揮するものであり、磁
気シールド用性能の一層の向上に寄与するばかりでな
く、磁気シールド用層や磁気シールド用シートなどの薄
肉化を可能にするなどの工業上有用な特性を有するので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 9/00 H01F 1/00 C 1/20 (72)発明者 森本 耕一郎 埼玉県大宮市北袋町1−297 三菱マテリ アル株式会社総合研究所内 (72)発明者 五十嵐 和則 埼玉県大宮市北袋町1−297 三菱マテリ アル株式会社総合研究所内 (72)発明者 飛田 修司 秋田県秋田市茨島5−14−3 三菱マテリ アルクォーツ株式会社内 (72)発明者 石黒 銀矢 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 平野 広幸 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 泉谷 和美 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 4K018 BA16 BB01 BB04 BD05 5E040 AA11 AA19 CA13 NN01 NN06 5E041 AA03 AA04 AA11 AA19 CA06 NN01 NN06 5E321 BB53 GG07
Claims (5)
- 【請求項1】 原子%で、 SiおよびAlの内の1種または2種を合計で15〜3
0%、 V:0.5〜5%、を含有し、さらに、 Sn:0.1〜4.0%、を含有し、残りがFeと不可
避不純物からなる組成を有することを特徴とする磁気シ
ールド用偏平状Fe基合金粉末。 - 【請求項2】 原子%で、 SiおよびAlの内の1種または2種を合計で15〜3
0%、 Mo:0.5〜5%、を含有し、さらに、 Sn:0.1〜4.0%、を含有し、残りがFeと不可
避不純物からなる組成を有することを特徴とする磁気シ
ールド用偏平状Fe基合金粉末。 - 【請求項3】 原子%で、 SiおよびAlの内の1種または2種を合計で15〜3
0%、 W:0.5〜5%、を含有し、さらに、 Sn:0.1〜4.0%、を含有し、残りがFeと不可
避不純物からなる組成を有することを特徴とする磁気シ
ールド用偏平状Fe基合金粉末。 - 【請求項4】 原子%で、 SiおよびAlの内の1種または2種を合計で15〜3
0%、 V、MoおよびWの内の2種以上を合計で0.5〜5
%、を含有し、さらに、 Sn:0.1〜4.0%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成を有
することを特徴とする磁気シールド用偏平状Fe基合金
粉末。 - 【請求項5】 平均厚さd:0.02〜0.6μm、 粒度部分布計によって求められた粒径の小さい方から重
量を累計して50%になったときの粒径D50:3〜60
μm、 アスペクト比(D50/d):20〜500、に調整され
た粒度を有することを特徴とする請求項1、2、3また
は4記載の磁気シールド用偏平状Fe基合金粉末。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10304838A JP2000129302A (ja) | 1998-10-27 | 1998-10-27 | 磁気シールド用偏平状Fe基合金粉末 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10304838A JP2000129302A (ja) | 1998-10-27 | 1998-10-27 | 磁気シールド用偏平状Fe基合金粉末 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000129302A true JP2000129302A (ja) | 2000-05-09 |
Family
ID=17937882
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10304838A Withdrawn JP2000129302A (ja) | 1998-10-27 | 1998-10-27 | 磁気シールド用偏平状Fe基合金粉末 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000129302A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017118114A (ja) * | 2016-12-22 | 2017-06-29 | 山陽特殊製鋼株式会社 | 軟磁性扁平粉末およびこれを用いた磁性シート |
CN111266597A (zh) * | 2020-03-23 | 2020-06-12 | 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 | 金属钒粉的制备方法 |
-
1998
- 1998-10-27 JP JP10304838A patent/JP2000129302A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017118114A (ja) * | 2016-12-22 | 2017-06-29 | 山陽特殊製鋼株式会社 | 軟磁性扁平粉末およびこれを用いた磁性シート |
CN111266597A (zh) * | 2020-03-23 | 2020-06-12 | 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 | 金属钒粉的制备方法 |
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A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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