JP2000100377A - 高圧放電ランプおよび照明装置 - Google Patents

高圧放電ランプおよび照明装置

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JP2000100377A
JP2000100377A JP9696199A JP9696199A JP2000100377A JP 2000100377 A JP2000100377 A JP 2000100377A JP 9696199 A JP9696199 A JP 9696199A JP 9696199 A JP9696199 A JP 9696199A JP 2000100377 A JP2000100377 A JP 2000100377A
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discharge vessel
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JP9696199A
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Hisashi Honda
久司 本田
Seiji Ashida
誠司 芦田
Atsushi Saida
淳 斉田
Ariyoshi Ishizaki
有義 石崎
Akira Ito
彰 伊藤
Shigehisa Kawazuru
滋久 川鶴
Tatsuo Kotabe
辰男 小田部
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電極表面に残留する炭素などの不純物を少なく
して電極物質の飛散および放電のちらつきを少なくし、
点灯100時間以内の光束維持率の低下を著しく改善し
た高圧放電ランプおよびこれを用いた照明装置を提供す
る。 【解決手段】電極の表面の中心線平均粗さRaの平均値
が0.3μm以下好ましくは0.1μm以下、十点平均
粗さRzの平均値が1μm以下好ましくは0.3μm以
下または表面積増加率の平均値が1%以下好ましくは
0.6μm以下であることにより、電極物質の飛散が少
なくなって放電容器の透過率の低下が少ないから光束維
持率が向上する。また、電極表面の凹凸が少なくなるか
ら、放電のちらつきが改善される。電極表面の粗さを小
さくするには、たとえば電解研磨により実現できる。さ
らに、電極表面の残留炭素量を25ppm以下好ましく
は13ppm以下にすることにより、高圧放電ランプに
おける点灯100時間以内の光束維持率の低下を改善で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透光性の気密な放
電容器を備えた高圧放電ランプおよびこれを用いた照明
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】透光性セラミックスからなる放電容器
(以下、「透光性セラミックス放電容器」という。)を
備えた高圧放電ランプ(以下、「セラミックス放電ラン
プ」という。)は、従来から用いられてきた石英ガラス
からなる放電容器(以下、「石英ガラス放電容器」とい
う。)に比較して耐熱性および耐食性に優れることか
ら、高い発光効率および高演色性を実現できるととも
に、優れた寿命特性を有する。
【0003】また、透光性セラミックス放電容器は、ジ
スプロシウムDyやナトリウムNaなどの発光金属との
反応による失透現象が少なく、したがってこれに伴う光
束低下を抑制できることから、セラミックス放電ランプ
は、光束維持率においても石英ガラス放電容器を備えた
高圧放電ランプ(以下、「石英ガラス放電ランプ」とい
う。)より高い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、本発明者ら
は、セラミックス放電ランプのさらに高い光束維持率に
ついて調査、研究する中で、点灯100時間内の光束維
持率の変化が大きいことに注目した。
【0005】図11は、市販および試作の4種類のセラ
ミックス放電ランプの点灯時間−発光効率特性を示すグ
ラフである。
【0006】図において、横軸は時間(hr)を、縦軸
は発光効率(lm/W)を、それぞれ示す。
【0007】図中、曲線Aは第1の市販ランプ、曲線B
は第2の市販ランプ、曲線Cは第1の試作ランプ、曲線
Dは第2の試作ランプ、の点灯時間−発光効率特性をそ
れぞれ示している。いずれのセラミックス放電ランプも
150W・3000Kタイプで、透光性セラミックス放
電容器、電極、封着構造および放電媒体がほぼ同様な条
件で設計されているものである。
【0008】図から明かなように、いずれのセラミック
ス放電ランプにおいても、点灯100時間以内における
光束低下が著しい。しかも、この時間帯の光束維持率低
下は、全光束維持率の数十%に達する。甚だしいときに
は、製作後のエージング中の点灯数分間ないし数時間の
うちにセラミックス放電容器が黒化して急激な光束維持
率の低下が発生することさえある。
【0009】図12は、セラミックス放電容器であるア
ルミナバルブの全透過率と光束維持率との関係を示すグ
ラフである。
【0010】図において、横軸はアルミナバルブの全透
過率(%)を、縦軸は光束維持率(%)を、それぞれ示
す。
【0011】また、図は、点灯100時間までのセラミ
ックス放電ランプのアルミナバルブの全透過率と光束維
持率の変化とをプロットして得たものである。
【0012】図から明かなように、全透過率と光束維持
率との間には明確な相関が認められ、光束維持率の低下
は、セラミックス放電容器の黒化に起因する。
【0013】そこで、本発明者は黒化の原因物質につい
て分析の結果、主成分は炭素であることを発見した。す
なわち、炭素がセラミックス放電容器の内面に析出する
ことによって黒化が生じる。
【0014】次に、炭素の出所について調査を進めたと
ころ、その出所は電極、セラミックス放電容器およびセ
ラミックス封着用コンパウンドなどの構成材料であり、
その中でも電極に残留した炭素が主因であることを発見
した。
【0015】さらに、上記黒化は、セラミックス放電ラ
ンプ特有の現象なのかについて調査した結果、石英ガラ
ス放電容器においても本質的には同様の現象が発生する
ことが分かった。ただし、同一電極、同一封入条件であ
っても石英ガラス放電容器に比較してセラミックス放電
容器の方が黒化が激しい。
【0016】さらに、調査、研究の結果、電極表面に残
留する炭素などの不純物濃度は、電極の表面粗さに重要
な関係のあることが分かった。すなわち、高圧放電ラン
プのタングステンを主成分とする電極には、線引き法に
より所定の太さに形成した線材が一般に多く用いられて
いるが、その線引き時にダイマークと称される一種の傷
が付き、その傷跡に炭素などの潤滑、研磨材が多量に残
留する。
【0017】通常、線引きにより得られたタングステン
線材は、高温水素処理、真空加熱処理さらに要すれば化
学的な研磨処理が施されているが、これらの処理によ
り、表面の凹凸、および不純物が十分に除去されている
かについて、詳細な検討がなされていないのが実状であ
った。
【0018】電極表面に炭素が残留してWCなどを形成
していると、純粋なタングステンに較べて蒸気圧は上昇
し、融点は低下するため、点灯中の電極物質の飛散量が
大幅に増加する。
【0019】また、研削して電極を形成した後にバレル
研磨と称する機械研磨したものも一部に用いられている
が、研磨材にアルミナを使用するため、タングステン線
材の表面にアルミナが付着して残留しやすい。
【0020】電極に付着したアルミナは、石英ガラス放
電容器内においては点灯中の高温で石英と反応してアル
ミナ・シリケートを生成し、放電容器に白濁を生じさせ
る。さらに、アルミナは、点灯中電極表面のタングステ
ンと反応してタングステンアルミネートを形成する。タ
ングステンアルミネートが形成されると、純粋なタング
ステンに比べて蒸気圧は上昇し、融点は低下するので、
点灯中の電極物質の飛散量が大幅に増加する。
【0021】また、上記したような処理をした後に、な
お電極の表面に無数の凹凸が存在すると、電極表面上の
電子放射能、実効的な仕事関数が電極表面の各部位で変
化するため、放電がちらつく原因になるものと考えられ
る。
【0022】本発明者は、電極表面の状態を所定条件に
設定することにより、電極表面に残留する炭素などの不
純物濃度および表面の凹凸を管理して、電極物質の飛散
および放電のちらつきを大幅に改善できることを見いだ
した。
【0023】ところで、高圧放電ランプにおいて、放電
容器の黒化、白濁または失透による透過率の低下によっ
てもたらされる光束維持率低下、さらには放電のちらつ
き現象を改善する技術が、たとえば特公平5−8602
6号公報などに記載されている。
【0024】しかし、上記従来技術は、それなりの効果
を得ることができるものの、残留炭素による黒化の抜本
的対策ではなく、どちらかといえば2次的対策(アフタ
ートリートメント)であって、根本的解決策とはいいに
くい。したがって、従来技術による効果の程度および安
定性は、十分満足できるものではなかった。
【0025】本発明は、電極表面の状態を所定条件に設
定することにより、電極表面に残留する炭素などの不純
物を少なくした高圧放電ランプおよびこれを用いた照明
装置を提供することを目的とする。
【0026】また、本発明は、点灯100時間以内にお
ける急激な光束維持率の低下が放電容器の炭素による黒
化に起因するものであり、その黒化の主因が電極表面に
残留した炭素であることの本発明者による知見に基づい
てなされたもので、点灯100時間以内における光束維
持率および発光効率を向上した高圧放電ランプおよびこ
れを用いた照明装置を提供することを他の目的とする。
【0027】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明の高圧放
電ランプは、透光性の気密な放電容器と;表面の中心線
平均粗さRaの平均値が0.3μm以下であるととも
に、タングステンを主成分として形成され、放電容器内
に封着された電極と;発光金属のハロゲン化物を含み放
電容器内に封入された放電媒体と;を具備していること
を特徴としている。
【0028】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り用語の定義および技術的意味は次によ
る。
【0029】(放電容器について)放電容器を構成する
材料は、透光性セラミックスおよび石英ガラスのいずれ
であってもよい。
【0030】最初に、透光性セラミックス放電容器につ
いて説明する。
【0031】「透光性セラミックス」とは、単結晶の金
属酸化物たとえばサファイヤと、多結晶の金属酸化物た
とえば半透明の気密性アルミニウム酸化物(DGA)、
イットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)お
よびイットリウム酸化物(YOX)と、多結晶非酸化物
たとえばアルミニウム窒化物(AlN)のような耐火材
料を意味する。
【0032】なお、「透光性」とは、放電による発光を
放電容器を透過して外部に導出できる程度に透過すれば
よく、透明および拡散透光性のいずれでもよい。
【0033】透光性セラミックス放電容器の場合、一般
的には膨出部の両端に一対の端部部分を形成してなり、
膨出部内で放電を生起させ、端部部分で封着する。
【0034】放電容器を製作するには、最初から膨出部
および端部部分を透光性セラミックスで一体に成形する
ことができる。これと異なる方法としては、円筒体およ
び円筒体の両端を閉塞する中心孔明きの一対の端板をそ
れぞれセラミックス材料の仮成形により形成して膨出部
を、また端板の中心孔にセラミックス材料またはサーメ
ット材料の仮成形により形成した細長いチューブを挿入
して端部部分を、それぞれ用意して、これらを放電容器
の形状に組み立ててから、これらを焼結して気密に一体
化してもよい。
【0035】放電容器の端部部分での封着は、後述する
セラミックス封着用コンパウンドのシールを介して給電
導体の封着金属部分を気密に取り付ける。しかし、本発
明においては、透光性セラミックス放電容器の封着は、
セラミックス封着用コンパウンドを必須とするものでは
なく、適当な手段によって封着されるならば、どのよう
な封着であってもよい。
【0036】次に、石英ガラス放電容器について説明す
る。
【0037】石英ガラス放電容器は、透光性セラミック
ス放電容器が用いられる以前から多用されてきたもの
で、今でも使用されている。
【0038】石英ガラス放電容器は、透光性セラミック
ス放電容器と同様中央の膨出部およびその両端の一対の
端部部分から構成されているのが一般的である。しか
し、石英ガラスは、加熱すると軟化し、溶融するので、
一般的には封着金属箔を用いた端部部分のピンチシール
によって封着される。しかし、本発明においては、封着
金属箔を用いたピンチシールは必須ではなく、適当な手
段によって封着されるならば、どのような封着であって
もよい。
【0039】(電極について)まず、電極表面の粗さに
ついて説明する。
【0040】放電容器内に封装される電極は、放電容器
内に放電を生起させるのに機能するものであるが、表面
の中心線平均粗さRaの平均値が0.3μm以下に規制
されていなければならない。なお、本発明においては、
「中心線平均粗さRa」とは、粗さ曲線から中心線を求
め、中心線より下にある波形は中心線を中心に折り返し
て、中心線ととの間に囲まれた面積の総和を測定長で割
った値をいうが、実際の測定は以下によるものとする。
また、平均値とは、資料の120μm×90μmの範囲
の中で多点測定結果の平均値をいう。
【0041】すなわち、測定装置として(株)エリオニ
クス製「電子線 3次元粗さ解析装置 ERA−8000
形」を用いて電極の表面を撮影し、1000倍に拡大し
て解析する。
【0042】電極の表面は、表面粗さの測定しやすさ、
および電極物質の飛散に対する影響の程度から、電極コ
イルなどの主部に隣接する電極軸部の表面として測定す
る。
【0043】電極表面の粗さを上記のように規制する理
由は、不純物の付着が少なくなり、そのため一般に電極
物質の飛散が少なくて光束維持率が向上するとともに、
放電のちらつきが少なくなるからである。これに対し
て、上記の範囲を超えると、電極物質の飛散が多くなる
とともに、放電のちらつきが多くなる傾向がある。
【0044】なお、本発明においては、表面粗さを小さ
くする手段は問わない。たとえば化学研磨により所望の
表面粗さを得ることができる。
【0045】ところで、本発明において、電極をタング
ステンを主成分とするものに限定した理由は、タングス
テンは耐熱性および電子放射性に優れることから、電極
材料として一般的に多用されているばかりでなく、タン
グステン素材および電極を製作する過程でWCやW
C、タングステンアルミネートなどの不純物が表面に
含有されやすいからである。
【0046】「タングステンを主成分とする」とは、純
粋タングステンおよび副成分を含むタングステンである
ことを許容する意味である。副成分を含むタングステン
とは、たとえばいわゆるドープドタングステン、Re添
加タングステンなどである。
【0047】さらに、本発明においては、表面粗さの規
制を満足する電極は一対の電極のうち少なくとも一方で
あればよい。それは少なくとも半分の効果が得られるか
らである。
【0048】次に、電極構造について説明する。
【0049】本発明において、電極の構造は問わない。
高圧放電ランプの定格消費電力に応じて既知の電極構造
の中から適当なものを選択して用いることができる。
【0050】本発明の高圧放電ランプは、交流および直
流のいずれで点灯するように構成されていてもよいの
で、電極は、交流で作動する場合、同一構造とするが、
直流で作動する場合、一般に陽極は温度上昇が激しいか
ら、陰極より放熱面積の大きいものを用いることができ
る。
【0051】さらに、電極の封着および放電容器の封止
について説明する。
【0052】まず、透光性セラミックス放電容器の場合
について説明する。
【0053】すなわち、透光性セラミックス放電容器の
場合、電極は以下の給電導体を介して封着されるととも
に、放電容器は封止される。
【0054】給電導体は、封着金属部分および封着金属
部分の先端に配設された耐ハロゲン化物部分とからな
る。
【0055】封着金属部分は、透光性セラミックスと熱
膨張率が近いニオブなどの金属棒が用いられる。
【0056】耐ハロゲン化物部分は、モリブデン、タン
グステンなその金属棒が用いられる。しかし、タングス
テンよりモリブデンの方が熱膨張率がニオブやセラミッ
クに近いので、封着金属部分に接続する部位には比較的
短いモリブデン棒を用い、モリブデン棒の先端にタング
ステン棒を接続することができる。
【0057】さらに、耐ハロゲン化物部分の周囲にモリ
ブデンまたはタングステンからなる細線を巻回すること
ができる。このコイルは、キャピラリーコイルと称され
る。なお、耐ハロゲン化物の少なくとも殆どをタングス
テン棒で形成し、かつタングステンのキャピラリーコイ
ルを備えることにより、給電導体からの不純物の飛散を
少なくしながら封着金属部分およびセラミックのそれと
の熱膨張率の差を吸収して良好な封着を行うことができ
る。
【0058】なお、耐ハロゲン化物の少なくとも殆どを
タングステン棒で形成し、かつタングステンのキャピラ
リーコイルを備えることにより、給電導体からの不純物
の飛散を少なくしながら封着金属部分およびセラミック
のそれとの熱膨張率の差を吸収して良好な封着を行うこ
とができる。
【0059】そうして、タングステン棒の先端に電極が
配設される。電極軸の基端を耐ハロゲン化物部分のタン
グステン棒の先端に接続するか、当該タングステン棒の
先端部に電極コイルを装着するか、または装着しない
で、電極を耐ハロゲン化物部分と一体的に形成すること
ができる。
【0060】次に、封着金属部分の一部が放電容器の端
部部分内に位置するように挿入して、端部部分にセラミ
ックス封着用コンパウンドを施与し、かつ加熱溶融させ
て、封着金属部分と端部部分との間にシールを形成す
る。なお、給電導体の封着性の部分は、ハロゲンに侵さ
れやすいので、端部部分内に位置している部分をセラミ
ックス封着用コンパウンドのシールで完全に被覆するの
が好ましい。
【0061】以上の工程を経て完成したセラミックス放
電ランプにおいて、給電導体の封着金属部分は、一部分
が放電容器の端部部分から外部に突出しているので、当
該部分は、バラスト手段を介して電極間に電圧を印加し
て、高圧放電ランプを始動し、電流を導入して点灯する
ためのリード線として機能する。
【0062】ところで、透光性セラミックス放電容器の
端部部分と給電導体の耐ハロゲン化物部分(タングステ
ンの電極軸またはおよびモリブデン棒)との間には、キ
ャピラリーと称されるわずかな隙間を形成する。このわ
ずかな隙間は、給電導体の耐ハロゲン化物部分および放
電容器の端部部分の内面との間に形成される空所が少な
くとも5μmで、最大でも端部部分の内径の1/4の大
きさで、約200μm以下の空所に形成する。したがっ
て、端部部分を貫通する給電導体の耐ハロゲン化物部分
の直径は、端部部分の内径の少なくとも1/2とする。
【0063】また、わずかな隙間は、給電導体の耐ハロ
ゲン化物部分をタングステンまたはモリブデンの棒体
と、棒体に巻回したコイルとで形成して、耐ハロゲン化
物部分のコイルの外周面と端部部分の内面との間に形成
することもできる。
【0064】さらに、セラミックス放電ランプの作動
中、わずかな隙間の中には、余剰のハロゲン化物が液化
状態で侵入して最冷部を形成するが、隙間の間隔を適当
に設定することにより、所望の最冷部温度にすることが
できる。
【0065】セラミックス封止用コンパウンドのシール
は、高圧放電ランプの点灯中の高温に十分耐え得る耐熱
性を備えるとともに、熱膨張係数がリード線のそれと透
光性セラミックス放電容器のそれとの中間であるように
調整するものとする。たとえば、Al−SiO
−Dy系またはAl−SiO−Nd
系のセラミックス封着用コンパウンドを用いることが
できる。
【0066】次に、石英ガラス放電容器の場合の電極お
よび放電容器の封着について説明する。
【0067】モリブデンからなる封着金属箔の両端に電
極軸および外部リード線を溶接して電極組立体を用意
し、石英ガラス放電容器の端部部分に電極から挿入して
封着金属箔を端部部分に位置させ、端部部分を加熱軟化
させてから型を用いて封着金属箔の上からピンチする。
これにより、封着金属箔とピンチされた石英ガラスとが
気密に密着して封着される。電極軸は、軟化して縮径し
た端部部分によって緩く支持される。
【0068】(放電媒体について)放電媒体は、発光金
属のハロゲン化物を必須として、その他必要に応じて希
ガスおよびランプ電圧を所定値にする緩衝媒体などから
なる。
【0069】発光金属としては、任意所望に選択して用
いることができるが、たとえばナトリウムNa、スカン
ジウムScおよび希土類金属を単独または複数種を混合
して用いることができる。なお、ハロゲンとしては、ヨ
ウ素I、臭素Br、塩素Clおよびフッ素Fを用いるこ
とができる。
【0070】希ガスは、主として始動用として、アルゴ
ンAr、クリプトンKrまたはキセノンXeを用いるこ
とができる。さらに、セラミック放電容器に対しては、
ネオンを用いることもできる。
【0071】緩衝媒体としては、水銀または水銀に代え
て可視光域に発光がないか相対的に少なくて点灯中の蒸
気圧が比較的高い金属たとえばアルミニウムAl、鉄F
eなどのハロゲン化物の1種または複数種を用いること
ができる。
【0072】(その他の構成について)本発明の高圧放
電ランプは、短アーク形であってもよいし、長アーク形
であってもよい。
【0073】短アーク形とは、放電容器内の一対の電極
の間に形成される電極間距離を小さくすることにより、
アーク放電を電極によって安定させるいわゆる電極安定
形のものである。たとえば、液晶プロジェクタ用、自動
車の前照灯用などに短アーク形の高圧放電ランプが用い
られる。
【0074】一方、長アーク形とは、放電容器内の一対
の電極の間に形成される電極間距離を放電容器の膨出部
の内径より大きくすることにより、アーク放電を放電容
器の内面で安定させるいわゆる管壁安定形のものをい
う。長アーク形の高圧放電ランプは、一般照明などにお
いて広く用いられている。
【0075】(本発明の作用について)本発明において
は、電極の表面の中心線平均粗さRaの平均値を0.3
μm以下に規制したことにより、タングステンの線引き
時に形成されたダイマークなどの傷や傷に付着して残留
した潤滑、研磨材などによる主として炭素などの不純物
が殆ど除去され、このため放電容器の黒化、白濁または
失透による透過率の低下が著しく少なくなる。したがっ
て、光束維持率が良好になる。
【0076】また、電極表面の凹凸が少なくなるので、
放電のちらつき現象が本質的に改善される。
【0077】請求項2の発明の高圧放電ランプは、請求
項1記載の高圧放電ランプにおいて、電極は、その表面
の中心線平均粗さRaの平均値が0.1μm以下である
ことを特徴としている。
【0078】本発明は、電極の表面の中心線平均粗さR
aの平均値を上記のとおりにさらに厳しく規制すること
により、線引き時に形成されるダイマークなどの傷およ
び傷に付着して残留した潤滑、研磨材などの不純物、あ
るいは研削後のバレル研磨などの機械研磨によって付着
した研磨材などの不純物がほぼ全部除去され、このため
放電容器の黒化、白濁または失透による透過率の低下が
極めて少なくなる。したがって、光束維持率がさらに向
上する。また、電極表面の凹凸が一層少なくなるので、
放電のちらつきが顕著に改善される。
【0079】請求項3の発明の高圧放電ランプは、透光
性の気密な放電容器と;表面の十点平均粗さRzの平均
値が1μm以下であるとともに、タングステンを主成分
として形成され、放電容器内に封着された電極と;発光
金属のハロゲン化物を含み放電容器内に封入された放電
媒体と;を具備していることを特徴としている。
【0080】本発明は、電極の表面の粗さを十n平均粗
さRzの平均値により規制するものである。そして、十
点平均粗さRzの平均値を所定範囲に規制することによ
り、線引き時に形成されたダイマークなどの傷および傷
に付着して残留した不純物が殆ど除去され、このため放
電容器の黒化、白濁または失透による透過率の低下が著
しく少なくなる。したがって、光束維持率が向上する。
【0081】また、電極表面の凹凸が少なくなるので、
放電のちらつき現象が本質的に改善される。
【0082】これに対して、上記の範囲を超えると、電
極物質の飛散が多くなるとともに、放電のちらつきが多
くなる傾向がある。
【0083】なお、「十点平均粗さRz」とは、指定面
積内の平均線に平行な平面のうち高い方から1〜5番目
の山の平均値と深い方から1〜5番目の谷の平均値の差
を求めた値をいう。また、平均値とは、請求項1と同様
である。ただし、その測定は請求項1と同様とする。
【0084】なお、本発明においては、十点表面粗さR
zの平均値と中心線平均粗さRaの平均値とは必ずしも
相関がない。
【0085】請求項4の発明の高圧放電ランプは、請求
項3記載の高圧放電ランプにおいて、電極は、その表面
の十点平均粗さRzの平均値が0.3μm以下であるこ
とを特徴としている。
【0086】本発明は、電極の表面の十点平均粗さRa
の平均値を上記のとおりにさらに厳しく規制することに
より、線引き時に形成されるダイマークなどの傷および
傷に付着して残留した潤滑、研磨材などの不純物、ある
いは研削後のバレル研磨などの機械研磨によって付着し
た研磨材などの不純物が十分に除去され、このため放電
容器の黒化、白濁または失透による透過率の低下が極め
て少なくなる。したがって、光束維持率が一層向上す
る。また、電極の表面の凹凸が一層少なくなるので、放
電のちらつきが顕著に改善される。
【0087】請求項5の発明の高圧放電ランプは、透光
性の気密な放電容器と;表面の表面積増加率の平均値が
1%以下であるとともに、タングステンを主成分として
形成され、放電容器内に封着された電極と;放電容器内
に封入された放電媒体と;を具備していることを特徴と
している。
【0088】本発明においては、電極の表面の粗さを表
面積増加率の平均値により規制するものである。そし
て、表面積増加率の平均値を1%以下に規制したことに
より、タングステンの線引き時に形成されたダイマーク
などの傷や傷に付着して残留した潤滑、研磨材などの不
純物が殆ど除去され、このため放電容器の黒化、白濁ま
たは失透による透過率の低下が著しく少なくなる。した
がって、光束維持率が向上する。
【0089】また、電極表面の凹凸が少なくなるので、
放電のちらつき現象が本質的に改善される。
【0090】これに対して、上記の範囲を超えると、電
極物質の飛散が多くなるとともに、放電のちらつきが多
くなる傾向がある。
【0091】なお、本発明において、「表面積増加率」
とは、測定から得られた資料の表面積を測定範囲の縦×
横で割った値をいうが、その測定は請求項1と同様な手
段によるものとする。また、平均値とは請求項と同様で
ある。
【0092】請求項6の発明の高圧放電ランプは、請求
項5記載の高圧放電ランプにおいて、電極は、その表面
の表面積増加率が0.6%以下であることを特徴として
いる。
【0093】本発明は、電極の表面の表面積増加率の平
均値を上記のとおりにさらに厳しく規制することによ
り、線引き時に形成されるダイマークなどの傷および傷
に付着して残留した潤滑、研磨材などの不純物、あるい
は研削後のバレル研磨などの機械研磨によって付着した
研磨材などの不純物がほぼ全部除去され、このため放電
容器の黒化、白濁または失透による透過率の低下が極め
て少なくなる。したがって、光束維持率が一層向上す
る。
【0094】また、電極表面の凹凸が少なくなるので、
放電のちらつきが顕著に改善される。
【0095】請求項7の発明の高圧放電ランプは、請求
項1、3、5または6記載の高圧放電ランプにおいて、
電極は、その表面の中心線平均粗さRaの平均値が0.
3μm以下で、かつ十点平均粗さRzの平均値が1μm
以下であることを特徴としている。
【0096】本発明は、電極の表面の粗さを中心線平均
粗さRaの平均値および十点平均粗さRzの平均値によ
り規制するもである。そして、それらをそれぞれ上記の
ように規制すると、光束維持率および放電放電のちらつ
きに対してそれぞれを単独で規制をするより良好な結果
が得られる。
【0097】請求項8の発明の高圧放電ランプは、請求
項1、3、4または5記載の高圧放電ランプにおいて、
電極は、その表面の中心線平均粗さRaの平均値が0.
3μm以下で、かつ表面積増加率の平均値が1%以下で
あることを特徴としている。
【0098】本発明は、電極の表面の粗さを中心線平均
粗さRaの平均値および表面積増加率の平均値により規
制するものである。そして、それらをそれぞれ上記のよ
うに規制すると、光束維持率および放電放電のちらつき
に対してそれぞれを単独で同様な規制をするより良好な
結果が得られる。
【0099】請求項9の発明の高圧放電ランプは、請求
項1ないし3、請求項5ないし8のいずれか一記載の高
圧放電ランプにおいて、電極は、その表面の中心線平均
粗さRaの平均値が0.1μm以下で、かつ十点平均粗
さRzの平均値が0.4μm以下であることを特徴とし
ている。
【0100】本発明は、電極の表面の粗さを中心線粗さ
Raの平均値および十点平均粗さRzの平均値によりさ
らに厳しく規制するもである。そして、それらをそれぞ
れ上記のように規制すると、光束維持率および放電放電
のちらつきに対してそれぞれを単独で同様な規制をする
よりさらに好適な結果が得られる。
【0101】請求項10の発明の高圧放電ランプは、請
求項1ないし5、請求項7ないし9のいずれか一記載の
高圧放電ランプにおいて、電極は、その表面の中心線平
均粗さRaの平均値が0.1μm以下で、かつ表面積増
加率の平均値が0.7%以下であることを特徴としてい
る。
【0102】本発明は、電極の表面の粗さを中心線平均
粗さRaの平均値および表面積増加率の平均値によりさ
らに厳しく規制するものである。そして、それらをそれ
ぞれ上記のように規制すると、光束維持率および放電放
電のちらつきに対してそれぞれを単独で同様な規制をす
るよりさらに好適な効果が得られる。
【0103】請求項11の発明の高圧放電ランプは、請
求項1ないし10のいずれか一記載の高圧放電ランプに
おいて、電極は、電極軸が線引き工程を経て製作されて
いることを特徴としている。
【0104】先行する各請求項の構成に加えて電極軸を
線引き工程を経て製作することにより、バレル研磨のよ
うな機械研磨工程を経て製作するより、さらに優れた効
果が得られる。その理由は詳でないが、機械研磨の際に
研磨材として用いられるアルミナが電極の表面に残留し
やすいからであると考えられる。
【0105】なお、線引き工程を経て製作されたか否か
は、たとえ線引き後に化学研磨などによって研磨した電
極であったとしても、電極の表面のダイマーク痕の有無
をたとえば前述した電子線3次元粗さ解析装置を用いて
測定することにより、容易に判別することができる。
【0106】請求項12の発明の高圧放電ランプは、請
求項1ないし11のいずれか一記載の高圧放電ランプに
おいて、電極は、化学研磨工程を経て製作されているこ
とを特徴としている。
【0107】化学研磨は、電極の表面を先行する請求項
に規定するような表面の粗さを実現するのに好適な工程
である。化学研磨には、硫酸などの酸を用いて研磨する
方法、水酸化ナトリウムの5重量%溶液などのアルカリ
を用いて研磨する方法、電解研磨などがある。
【0108】また、化学研磨は、電極全体または主要部
について行えばよい。主要部とは、電極主部およびこれ
に隣接する部位をいう。なぜなら、電極主部およびこれ
に隣接する部位は、点灯中放電に晒されて高温になり、
電極物質が飛散しやすいからである。これに対して、封
着金属箔に接続する部位および石英ガラスに抱持される
部位は、相対的に温度が低いため、電極物質の飛散は少
ない。
【0109】なお、電極を化学研磨した場合には、電極
の表面に結晶粒界が明確に現れているので、容易に判別
することができる。
【0110】請求項13の発明の高圧放電ランプは、請
求項1ないし12のいずれか一記載の高圧放電ランプに
おいて、電極は、その表面の直線反射率が30%以上で
あることを特徴としている。
【0111】本発明は、電極の表面の粗さを直線反射率
により規制するものである。
【0112】直線反射率は、電極と同一材質で、かつ同
一の表面処理を行った板を用意して、その板を用いて測
定することができる。そして、直線反射率が上記の範囲
であると、電極表面は平滑であるから、電極物質の飛散
が少なくなって放電容器の透過率の低下が少なくなるか
ら、光束維持率が向上する。
【0113】また、電極表面の凹凸が少なくなるので、
放電のちらつきは改善される。
【0114】さらに、直線反射率が55%以上になる
と、極めて良好な効果が得られる。
【0115】請求項14の発明の高圧放電ランプは、請
求項1ないし13のいずれか一記載の高圧放電ランプに
おいて、放電媒体は、発光金属のハロゲン化物および発
光に実質的に寄与しない程度のハロゲン化スズを含むこ
とを特徴としている。
【0116】本発明は、先行する発明の構成に加えてハ
ロゲン化スズを放電媒体に添加することにより、放電容
器内の不純物が除去されて一層優れた光束維持率を得る
ことができる。
【0117】また、本発明の実施に際して封入するハロ
ゲン化スズは、0.1×10−3〜2×10−3mol
/ccの範囲が好適である。ハロゲン化スズの封入量が
多すぎると、スズの発光が多くなり、発光効率が低下す
る。反対に、封入量が少ないと、不純物除去の効果が得
られにくくなる。
【0118】請求項15の発明の高圧放電ランプは、透
光性の気密な放電容器と;放電容器内に封着されるとと
もに、表面における残留炭素量が25ppm以下の電極
と;少なくとも発光金属のハロゲン化物を含み放電容器
内に封入された放電媒体と;を具備していることを特徴
としている。
【0119】放電容器は、透光性セラミックス放電容器
および石英ガラス放電容器のいずれでもよい。
【0120】電極は、その表面の残留炭素が25ppm
以下であれば、どのような構成のものであってもよい。
なお、残留炭素量は、使用前の新品の高圧放電ランプの
状態における分析値とする。換言すれば、工場において
エージングした後の未使用状態の分析値である。
【0121】また、電極表面の残留炭素量は、炭素単体
およびWCまたはWCのような炭素化合物の形の炭素
を含む。なお、電極の表面とは表面から2〜3μmの深
さまでをいう。
【0122】さらに、残留炭素量を上記範囲に規制する
には、前述した研磨の他に水素雰囲気中または真空雰囲
気中での加熱処理を用いることができる。
【0123】請求項16の発明の高圧放電ランプは、放
電空間を包囲する膨出部および膨出部の両端に連通して
配置され膨出部より内径が小さい端部部分を備えた透光
性セラミックス放電容器と;封着性の部分および封着性
の部分の先端に基端部が接続している耐ハロゲン化物部
分を備え、透光性セラミックス放電容器の端部部分内に
挿入されて耐ハロゲン化物部分と端部部分の内面との間
にわずかな隙間を形成する給電導体と;給電導体の耐ハ
ロゲン化物部分の先端に配設されて透光性セラミックス
放電容器の膨出部内に位置するとともに、表面における
残留炭素量が25ppm以下の電極と;透光性セラミッ
クス放電容器の端部部分および給電導体の封着性の部分
の間を封着しているセラミックス封止用コンパウンドの
シールと;少なくとも発光金属のハロゲン化物を含み透
光性セラミックス放電容器内に封入された放電媒体と;
を具備していることを特徴とする。
【0124】透光性セラミックス放電容器を備えた高圧
放電ランプにおいては、点灯100時間以内の光束維持
率の低下は透光性セラミックス放電容器の黒化に起因
し、黒化の主因は電極の表面に残留する炭素であること
は既述したが、電極表面の残留炭素量を上記のとおりに
規制することにより、光束維持率の低下を著しく改善す
ることができる。電極表面の残留炭素量が25ppm以
下であれば、十分に高い点灯100時間の光束維持率を
得ることができる。
【0125】電極表面の残留炭素量は、高周波誘導加熱
−赤外線吸収法により測定するものとする。
【0126】請求項17の発明の高圧放電ランプは、請
求項15または16記載の高圧放電ランプにおいて、電
極は、その表面の残留炭素量が13ppm以下であるこ
とを特徴としている。
【0127】本発明は、電極表面の残留炭素量を上記の
とおりに規制することにより、最適な点灯100時間の
光束維持率を得ることができる。
【0128】請求項18の発明の高圧放電ランプは、請
求項16記載の高圧放電ランプにおいて、給電導体は、
その耐ハロゲン化物部分がタングステン棒およびタング
ステン棒の周囲に巻装されたタングステン線からなるこ
とを特徴としている。
【0129】本発明は、給電導体の耐ハロゲン化物部分
を上記のように構成することにより、不純物の飛散を相
対的に少なくするとともに、熱膨張率の問題を低減した
透光性セラミックス放電容器を備えた高圧放電ランプを
提供できる。
【0130】すなわち、透光性セラミックス放電容器を
備えた高圧放電ランプの場合には、透光性セラミックス
放電容器の封着のために、たとえばニオブなどの封着金
属部分の先端にモリブデン棒からなる耐ハロゲン化物部
分を接合などにより備え、さらに必要に応じてキャピラ
リーコイルと称するモリブデン線を耐ハロゲン化物部分
に巻回してた給電導体を用いる。そして、給電導体の耐
ハロゲン化物部分の先端にタングステンからなる電極を
接続し、封着金属部分を放電容器の端部部分に位置させ
てセラミックス封止用コンパウンドのシールを用いて封
着する。その際、シールをモリブデン棒の部分まで延在
させて封着金属部分をシールで完全に被覆することによ
り、ハロゲン化物による侵食から保護している。
【0131】耐ハロゲン化物部分のモリブデン棒は、タ
ングステンより熱膨張率が小さいので、さらに熱膨張率
が小さい封着金属部分、セラミックス封止用コンパウン
ドのシールおよび透光性セラミックスとのなじみが比較
的良好であるが、モリブデンはタングステンに比較して
炭素などの不純物が付着しやすいという欠点がある。
【0132】そこで、本発明においては、給電導体の耐
ハロゲン化物部分にタングステン棒を用いるとともに、
さらにタングステン棒の周囲にタングステン線を巻回す
ることにより、タングステン棒のセラミックス封止用コ
ンパウンドのシールおよび透光性セラミックス放電容器
との熱膨張率差を吸収している。
【0133】したがって、本発明においては、給電導体
からの炭素などの不純物の飛散をも相対的に低減できる
から、さらに光束維持率が良好になる。
【0134】請求項19の発明の照明装置は、照明装置
本体と;照明装置本体に装着される請求項1ないし18
のいずれか一記載の高圧放電ランプと;を具備している
ことを特徴としている。
【0135】本発明は、上述した本発明の高圧放電ラン
プを光源として何らかの目的のために利用する全ての装
置に適応するもので、これらの装置を包括的に照明装置
という。たとえば、各種照明器具、表示用装置および投
光装置などである。照明器具としては、屋外用および屋
内用の照明器具を含む。投光装置としては、液晶プロジ
クタ、オーバヘッドプロジェクタ、サーチライト、移動
体用ヘッドランプなどに適用することができる。
【0136】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0137】図1は、本発明の高圧放電ランプの第1の
実施形態を示す断面図である。
【0138】図において、1は透光性セラミックス放電
容器、2は給電導体、3は電極、4はセラミックス封止
用コンパウンドのシールである。
【0139】透光性セラミックス放電容器1は、膨出部
1aおよび一対の端部部分1b、1bを備えている。
【0140】膨出部1aは、透光性アルミナセラミック
スからなり、内径9mm、全長13mmである。そし
て、膨出部1aは、円筒部1a1と、その両端面を閉塞
する中央孔を形成した一対の円盤1a2、1a2とから
なる。これらは、それぞれ別に仮成形してから組み立て
られ、さらに端部部分1bの仮成形品を組み立てて一緒
に焼結することにより、気密に一体化された放電容器1
を形成する。
【0141】端部部分1bは、透光性アルミナセラミッ
クスからなり、内径1mm、長さ12mm、肉厚はほぼ
1mmである。そして、端部部分1bは、膨出部1aと
反対側の端部が封着部1b1として作用して、後述する
セラミックス封止用コンパウンドのシール4により給電
導体2の封着金属部分2aを封着する。
【0142】給電導体2は、封着性の部分2aおよび耐
ハロゲン化物部分2bからなる。
【0143】封着性の部分2aは、外径0.9mm、端
部部分1bの封着部1b1への挿入深さが7mmのニオ
ブ棒からなる。
【0144】耐ハロゲン化物部分2bは、外径0.4m
mのタングステン棒2b1、モリブデン棒2b2および
モリブデンコイル2b3からなり、封着金属部分2aの
先端にレーザにより同軸に溶接されている。さらに、モ
リブデンコイル2b3は、外径0.25mmのモリブデ
ン線からなり、線引き法により形成したタングステン棒
2b1およびモリブデン棒2b2の外周に巻装されてい
る。
【0145】電極3は、外径0.3mmの線引き法によ
り形成したタングステン線を耐ハロゲン化物部分103
bの先端部に巻回することにより構成されている。そし
て、電極3は、透光性セラミックス放電容器1に封着す
る前に水酸化ナトリウム5重量%溶液中で電解研磨し
た。
【0146】図2は、本発明の高圧放電ランプの第1の
実施形態における電極の表面の粗さ(十点表面粗さR
a、中心線平均粗さRz)および表面積増加率を比較例
とともに示すグラフである。
【0147】図において、横軸は実施例および比較例の
電極を、縦軸は左側がRa、Rz(μm)、右側が表面
積増加率(%)を、それぞれ示す。また、斜線入りの棒
グラフはRaを、無地の棒グラフはRzを、折れ線グラ
フは表面積増加率を、それぞれ示す。ただし、図中R
a、Rzの表記は、いずれも平均値として示している。
【0148】実施例 実施例1:電解研磨、30秒 実施例2:同じく60秒 実施例3:同じく90秒 比較例 比較例1:水素処理(1650℃、10分間) 比較例2:水素処理(同上)および真空処理(1200
℃、30分間) 図3は、本発明の高圧放電ランプの第1の実施形態にお
ける電極の電解研磨前の電極表面の3次元電子顕微鏡写
真である。
【0149】図4は、同じく電解研磨後の電極表面の3
次元電子顕微鏡写真である。
【0150】図5は、比較例の機械研磨前の電極表面の
3次元電子顕微鏡写真である。
【0151】図6は、同じく機械研磨後の電極表面の3
次元電子顕微鏡写真である。
【0152】なお、比較例は、タングステンを研削して
形成した電極である。また、本実施形態および比較例の
いずれにおいても、研磨の前後の撮影位置は一致してい
ない。
【0153】各図の対比から明かなように、本実施形態
における電極は、線引き法により形成されたものである
ので、ダイマークと称する傷が線引き方向に形成されて
おり、その傷は電解研磨した後にもわずかに残ってい
る。これに対して、研削によって形成した電極は、機械
研磨後であっても表面が不定形である。
【0154】次に、セラミックス封止用コンパウンドの
シール4は、Al−SiO−Dy系のガ
ラスフリットを溶融固化してなり、透光性セラミックス
放電容器1の端部部分1bの封着部1b1および給電導
体2の封着性の部分2aの間を5mmの深さまで気密に
封止ルしている。封着性の部分2aは、セラミックス封
止用コンパウンドのシール4によって完全に被覆されて
いる。
【0155】透光性セラミックス放電容器1内には、放
電媒体として以下のものが封入されている。すなわち、
発光金属のハロゲン化物として、ヨウ化ジスプロシウム
DyIを2.0mg、ヨウ化タリウムTlIを0.8
mg、ヨウ化ナトリウムNaIを6.0mg、始動ガス
としてアルゴンArを80torr、さらに緩衝ガスと
して水銀を10mgを封入している。
【0156】そうして、得られた高圧放電ランプを図9
に示す実施形態のように外管内に収納して、150Wの
ランプ電力を投入して点灯し、点灯100時間までの光
束維持率および点灯100時間における発光効率を3種
類の比較例とともに求めた。
【0157】図7は、本発明の高圧放電ランプの第1の
実施形態における点灯100時間までの光束維持率およ
び点灯100時間における発光効率を比較例のそれと一
緒に示すグラフである。
【0158】図において、横軸は各試験ランプを、縦軸
は左側が0→100hrの光束維持率(%)を、右側が
100hrの発光効率(lm/W)を、それぞれ示す。
また、横軸は、左側から比較例1、実施例1、実施例
2、比較例2および比較例3である。さらに、棒グラフ
は光束維持率を、折れ線グラフは発光効率を、それぞれ
示す。
【0159】実施例1は、本発明の第1の実施形態にお
いて説明した仕様で、光束維持率が98%であった。
【0160】実施例2は、実施例1にさらにヨウ化スズ
0.2mgを添加したもので、光束維持率が99.8%
であった。
【0161】比較例1は、図2における比較例1で、光
束維持率が82%であった。
【0162】比較例2は、第1の市販ランプであり、光
束維持率が86.6%であった。
【0163】比較例3は、第2の市販ランプであり、光
束維持率が91.8%であった。
【0164】なお、比較例2、3は本実施形態とほぼ同
様なランプ構造およびランプ仕様のものである。
【0165】図8は、本発明の高圧放電ランプの第1の
実施形態において電極表面の残留炭素量と点灯100時
間における光束維持率との関係を示すグラフである。
【0166】図において、横軸は電極表面の残留炭素量
(ppm)を、縦軸は光束維持率(%)を、それぞれ示
す。
【0167】図から明かなように、電極表面の残留炭素
量と光束維持率との関係は極めて明確で、残留炭素量が
少ないほど光束維持率が高くなり、残留炭素量が25p
pm以下であれば、概ね95%以上の光束維持率を得る
ことが可能になる。
【0168】なお、前述の実施例1は、残留炭素量が1
3ppmであった。
【0169】また、実施例2は、同じく10ppmであ
った。
【0170】図9は、本発明の高圧放電ランプの第2の
実施形態を示す正面図である。
【0171】図において、11は発光管、12は支持導
体、13は支持バンド、14は絶縁チューブ、15は導
体枠、16はフレアステム、17は外管、18は口金、
19は導線である。
【0172】発光管11は、図1に示す実施形態と同一
構造の高圧放電ランプである。
【0173】支持導体12は、発光管11の図において
上方の封着金属部分2aに溶接されて発光管11を支持
するとともに、電流を導入する。
【0174】支持バンド13は、絶縁チューブ14を介
して発光管11の図において下方の封着金属部分2aを
絶縁的に支持している。
【0175】導体枠15は、発光管11の外側に間隔を
おいて配置され、支持導体12および支持バンド13の
両端部を溶接して支持し、上端部には弾性接触片15
a、115aを備えている。
【0176】フレアステム16は、一対の内部リード線
16a、16bを備え、その一方の内部リード線16a
に導体枠15の図において下端を溶接して発光管11を
所定の位置に支持している。他方の内部リード線16b
は、導線19を介して発光管11の図において下方の封
着性の部分に接続している。
【0177】外管17は、円筒状のT形バルブからな
り、図において下部のネック部にフレアステム16を封
着して以上説明した各部材を内部に気密に収納してい
る。なお、導体枠15の接触片15aは、外管17の先
端部近傍の内面に弾性的に接触し、外部から印加される
衝撃に対して、導体枠15を保護し、かつ外管17に対
して所定の位置に保持する。
【0178】また、外管17内は、排気されて真空状態
にされる。
【0179】口金18は、外管17のネック部に固着さ
れるとともに、フレアステム16の一対の内部リード線
16a、16bに電気的に接続されている。
【0180】なお、20はパーフォーマンスゲッタであ
る。また、図示しないが、外管17内には、イニシャル
ゲッタを配設必要に応じて配設する。
【0181】図10は、本発明の照明装置の一実施形態
における天井埋込ダウンライトを示す断面図である。
【0182】図において、21は高圧放電ランプ、22
はダウンライト本体である。
【0183】高圧放電ランプ21は、図9に示す構造の
ものと同一構造である。
【0184】ダウンライト本体22は、基体22a、ソ
ケット22bおよび反射板22cなどを備えている。
【0185】基体22aは、天井に埋め込まれるため
に、下端に天井当接縁eを備えている。
【0186】ソケット22bは、基体22aに装着され
ている。
【0187】反射板22cは、基体22aに支持されて
いるとともに、高圧放電ランプ21の発光中心がそのほ
ぼ中心に位置するように包囲している。
【0188】
【発明の効果】請求項1ないし14の各発明によれば、
放電容器内に封着された電極の表面の粗さを小さく規制
することにより、電極物質の飛散を少なくして放電容器
の透過率の低下が少なので、光束維持率が向上するとと
もに、電極表面の凹凸が少なくなるので、放電のちらつ
きが少ない高圧放電ランプを提供することができる。
【0189】請求項1の発明によれば、加えて電極の表
面の粗さを中心線平均粗さRaの平均値が0.3μm以
下になるように規制した高圧放電ランプを提供すること
ができる。
【0190】請求項2の発明によれば、加えて電極の表
面の中心線平均粗さRaの平均値が0.1μm以下にな
るように規制したことにより、一層効果的な高圧放電ラ
ンプを提供することができる。
【0191】請求項3の発明によれば、加えて電極の表
面の粗さを十点平均粗さRzの平均値が1μm以下にな
るように規制した高圧放電ランプを提供することができ
る。
【0192】請求項4の発明によれば、加えて電極の表
面の十点平均粗さRzの平均値を0.3μm以下に規制
したことにより、一層効果的な高圧放電ランプを提供す
ることができる。
【0193】請求項5の発明によれば、加えて電極の表
面の粗さを表面積増加率の平均値が1%以下になるよう
に規制した高圧放電ランプを提供することができる。
【0194】請求項6の発明によれば、加えて電極の表
面積増加率の平均値を0.6%以下に規制したことによ
り、一層効果的な高圧放電ランプを提供することができ
る。
【0195】請求項7の発明によれば、加えて電極の表
面の粗さを中心線平均粗さRaの平均値が0.3μm以
下で、かつ十点平均粗さRzの平均値が1μm以下にな
るように規制したことにより、効果的な高圧放電ランプ
を提供することができる。
【0196】請求項8の発明によれば、加えて電極の表
面の粗さを中心線平均粗さRaの平均値が0.3μm以
下で、かつ表面積増加率の平均値が1%以下になるよう
に規制したことにより、効果的な高圧放電ランプを提供
することができる。
【0197】請求項9の発明によれば、加えて電極の表
面の中心線平均粗さRaの平均値が0.1μm以下で、
かつ十点平均粗さRz平均値が0.4μm以下に規制し
たことにより、さらに効果的な高圧放電ランプを提供す
ることができる。
【0198】請求項10の発明によれば、加えて電極の
表面の中心線平均粗さRaの平均値が0.1μm以下
で、かつ表面積増加率の平均値が0.7%以下に規制し
たことにより、さらに効果的な高圧放電ランプを提供す
ることができる。
【0199】請求項11の発明によれば、電極軸が線引
き工程を経て製作されていることにより、電極表面の粗
さ規制が効果的な高圧放電ランプを提供することができ
る。
【0200】請求項12の発明によれば、加えて電極が
化学研磨工程を経て製作されていることにより、電極表
面の粗さを所望の程度小さくした高圧放電ランプを提供
することができる。
【0201】請求項13の発明によれば、加えて電極の
反射率が30%以上に規制したことにより、電極表面の
粗さに管理可能な高圧放電ランプを提供することができ
る。
【0202】請求項14発明によれば、加えて放電媒体
が発光に実質的に寄与しない程度のハロゲン化スズを含
むことにより、電極から飛散した電極物質を吸着して放
電容器の透過率の低下を抑制して光束維持率を向上した
高圧放電ランプを提供することができる。
【0203】請求項15ないし18の各発明によれば、
電極の表面の残留炭素量が25ppm以下であることに
より、点灯100時間内における光束維持率の低下を著
しく改善した高圧放電ランプを提供することができる。
【0204】請求項16の発明によれば、加えて透光性
セラミックス放電容器を用いていることにより、光束維
持率を顕著に改善した高圧放電ランプを提供することが
できる。
【0205】請求項17の発明によれば、加えて電極の
表面の残留炭素量が13ppm以下であることにより、
点灯100時間における光束維持率が一層改善された高
圧放電ランプを提供することができる。
【0206】請求項18の発明によれば、加えて給電導
体の耐ハロゲン化物部分がタングステン棒およびその周
囲に巻回されたタングステン線を主体として形成されて
いることにより、給電導体からの炭素などの不純物の飛
散が少ない高圧放電ランプを提供することができる。
【0207】請求項19の発明によれば、請求項1ない
し18の効果を有する照明装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高圧放電ランプの第1の実施形態を示
す断面図
【図2】本発明の高圧放電ランプの第1の実施形態にお
ける電極の表面の粗さ(十点表面粗さRa、中心線平均
粗さRz)および表面積増加率を比較例とともに示すグ
ラフ
【図3】本発明の高圧放電ランプの第1の実施形態にお
ける電解研磨前の電極表面の3次元電子顕微鏡写真
【図4】同じく電解研磨後の電極表面の3次元電子顕微
鏡写真
【図5】比較例における機械研磨前の電極表面の3次元
電子顕微鏡写真
【図6】同じく機械研磨後の電極表面の3次元電子顕微
鏡写真
【図7】本発明の高圧放電ランプの第1の実施形態にお
ける点灯100時間までの光束維持率および点灯100
時間における発光効率を比較例のそれと一緒に示すグラ
【図8】本発明の高圧放電ランプの第1の実施形態にお
いて電極表面の残留炭素量と点灯100時間における光
束維持率との関係を示すグラフ
【図9】本発明の高圧放電ランプの第2の実施形態を示
す正面図
【図10】本発明の照明装置の一実施形態における天井
埋込形ダウンライトを示す断面図
【図11】市販および試作の4種類のセラミックス放電
ランプの点灯時間−発光効率特性を示すグラフ
【図12】セラミックス放電容器であるアルミナバルブ
の全透過率と光束維持率との関係を示すグラフ
【符号の説明】
1…放電容器 1a…膨出部 1a1…円筒部 1a2…円盤 1b…端部部分 1b1…封着部 2…給電導体 2a…封着金属部分 2b…耐ハロゲン化物部分 2b1…タングステン棒 2b2…モリブデン棒 2b3…コイル 3…電極 4…セラミックス封止用コンパウンドのシール
フロントページの続き (72)発明者 斉田 淳 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 石崎 有義 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 伊藤 彰 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 川鶴 滋久 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 小田部 辰男 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透光性の気密な放電容器と;表面の中心線
    平均粗さRaの平均値が0.3μm以下であるととも
    に、タングステンを主成分として形成され、放電容器内
    に封着された電極と;発光金属のハロゲン化物を含み放
    電容器内に封入された放電媒体と;を具備していること
    を特徴とする高圧放電ランプ。
  2. 【請求項2】電極は、その表面の中心線平均粗さRaの
    平均値が0.1μm以下であることを特徴とする請求項
    1記載の高圧放電ランプ。
  3. 【請求項3】透光性の気密な放電容器と;表面の十点平
    均粗さRzの平均値が1μm以下であるとともに、タン
    グステンを主成分として形成され、放電容器内に封着さ
    れた電極と;発光金属のハロゲン化物を含み放電容器内
    に封入された放電媒体と;を具備していることを特徴と
    する高圧放電ランプ。
  4. 【請求項4】電極は、その表面の十点平均粗さRzの平
    均値が0.3μm以下であることを特徴とする請求項3
    記載の高圧放電ランプ。
  5. 【請求項5】透光性の気密な放電容器と;表面の表面積
    増加率の平均値が1%以下であるとともに、タングステ
    ンを主成分として形成され、放電容器内に封着された電
    極と;放電容器内に封入された放電媒体と;を具備して
    いることを特徴とする高圧放電ランプ。
  6. 【請求項6】電極は、その表面の表面積増加率の平均値
    が0.6%以下であることを特徴とする請求項5記載の
    高圧放電ランプ。
  7. 【請求項7】電極は、その表面の中心線平均粗さRaの
    平均値が0.3μm以下で、かつ十点平均粗さRzの平
    均値が1μm以下であることを特徴とする請求項1、
    3、5または6記載の高圧放電ランプ。
  8. 【請求項8】電極は、その表面の中心線平均粗さRaの
    平均値が0.3μm以下で、かつ表面積増加率の平均値
    が1%以下であることを特徴とする請求項1、3、4ま
    たは5記載の高圧放電ランプ。
  9. 【請求項9】電極は、その表面の中心線平均粗さRaの
    平均値が0.1μm以下で、かつ十点平均粗さRzの平
    均値が0.4μm以下であることを特徴とする請求項1
    ないし3、請求項5ないし8のいずれか一記載の高圧放
    電ランプ。
  10. 【請求項10】電極は、その表面の中心線平均粗さRa
    の平均値が0.1μm以下で、かつ表面積増加率の平均
    値が0.6%以下であることを特徴とする請求項1ない
    し5、請求項7ないし9のいずれか一記載の高圧放電ラ
    ンプ。
  11. 【請求項11】電極は、電極軸が線引き工程を経て製作
    されていることを特徴とする請求項1ないし10のいず
    れか一記載の高圧放電ランプ。
  12. 【請求項12】電極は、化学研磨工程を経て製作されて
    いることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか一
    記載の高圧放電ランプ。
  13. 【請求項13】電極は、その表面の直線反射率が30%
    以上であることを特徴とする請求項1ないし12のいず
    れか一記載の高圧放電ランプ。
  14. 【請求項14】放電媒体は、発光金属のハロゲン化物お
    よび発光に実質的に寄与しない程度のハロゲン化スズを
    含むことを特徴とする請求項1ないし13のいずれか一
    記載の高圧放電ランプ。
  15. 【請求項15】透光性の気密な放電容器と;放電容器内
    に封着されるとともに、表面における残留炭素量が25
    ppm以下の電極と;少なくとも発光金属のハロゲン化
    物を含み放電容器内に封入された放電媒体と;を具備し
    ていることを特徴とする高圧放電ランプ。
  16. 【請求項16】放電空間を包囲する膨出部および膨出部
    の両端に連通して配置され膨出部より内径が小さい端部
    部分を備えた透光性セラミックス放電容器と;封着性の
    部分および封着性の部分の先端に基端部が接続している
    耐ハロゲン化物部分を備え、透光性セラミックス放電容
    器の端部部分内に挿入されて耐ハロゲン化物部分と端部
    部分の内面との間にわずかな隙間を形成する給電導体
    と;給電導体の耐ハロゲン化物部分の先端に配設されて
    透光性セラミックス放電容器の膨出部内に位置するとと
    もに、表面における残留炭素量が25ppm以下の電極
    と;透光性セラミックス放電容器の端部部分および給電
    導体の封着性の部分の間を封着しているセラミックス封
    止用コンパウンドのシールと;少なくとも発光金属のハ
    ロゲン化物を含み透光性セラミックス放電容器内に封入
    された放電媒体と;を具備していることを特徴とする高
    圧放電ランプ。
  17. 【請求項17】電極は、その表面の残留炭素量が13p
    pm以下であることを特徴とする請求項15または16
    記載の高圧放電ランプ。
  18. 【請求項18】給電導体は、その耐ハロゲン化物部分が
    タングステン棒およびタングステン棒の周囲に巻装され
    たタングステン線からなることを特徴とする請求項16
    記載の高圧放電ランプ。
  19. 【請求項19】照明装置本体と;照明装置本体に装着さ
    れる請求項1ないし18のいずれか一記載の高圧放電ラ
    ンプと;を具備していることを特徴とする照明装置。
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