JP2000098171A - 光ファイバの融着接続方法 - Google Patents
光ファイバの融着接続方法Info
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- JP2000098171A JP2000098171A JP27166398A JP27166398A JP2000098171A JP 2000098171 A JP2000098171 A JP 2000098171A JP 27166398 A JP27166398 A JP 27166398A JP 27166398 A JP27166398 A JP 27166398A JP 2000098171 A JP2000098171 A JP 2000098171A
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Abstract
を低損失に融着接続する。 【解決手段】 (a)のようにモードフィールド径の異
なる光ファイバ10、20とを突き合わせ、放電電極4
1、42間のアーク放電ビーム43により加熱し、両光
ファイバ10、20を矢印に示すように突き合わせ方向
に押し込んで両者の端面を融着接続した後、(b)の矢
印に示すように光ファイバ10、20を右方に移動させ
て、放電ビーム43による加熱領域をモードフィールド
径の小さい光ファイバ10側にずらし、放電電極41、
42間での放電ビーム43で追加の加熱を行い、モード
フィールド径の小さい光ファイバ10においてコア部の
ドーパントを拡散してモードフィールド径を拡大し、モ
ードフィールド径の大きい光ファイバ20のモードフィ
ールド径に近づける。
Description
ド径の異なる2本の光ファイバ同士をアーク放電融着接
続機を使用して融着接続する接続方法に関する。
用した機器を製作する際にモードフィールド径の異なる
2本の光ファイバ同士を融着接続しなければならない場
合がある。その際、単に、アーク放電融着接続機を使用
して、モードフィールド径の異なる2本の光ファイバ同
士を融着接続すると、モードフィールド径が等しい光フ
ァイバ同士を接続する場合に比べて、大きな接続損失が
生じる。そこで、従来より、なるべく低損失で接続する
ための工夫がなされている。
ードフィールド径の小さな光ファイバの接続端部付近を
マイクロトーチ等を用いて加熱し、その接続端部付近の
コアのドープ剤を長手方向に緩やかに拡散させて、他方
のモードフィールド径の大きな光ファイバのモードフィ
ールド径とおおよそ一致させ、その後、通常の融着接続
法により接続する、というものが知られている。この場
合、接続部において両方の光ファイバのモードフィール
ド径が概略一致するため、低接続損失が得られる。
バの突き合わせられた接続部をアーク放電により加熱し
て融着接続を行い、つぎにその同じ箇所をアーク放電に
より、今度はより低い温度で追加加熱する(特開平5−
215931号公報参照)。この方法は、たとえばエル
ビウムドープ光ファイバなどの、コア径の細い側の光フ
ァイバのコアのドープ剤の熱による拡散速度が速い場合
に、この光ファイバを、他方のたとえば一般的な1.5
5μm帯シングルモード光ファイバに接続する場合など
に使用される。
れた融着接続部が低い温度で適当な時間追加加熱される
ことにより、両方のコア径が近づくことを利用してい
る。図12はこの方法で融着接続した場合の接続損失と
加熱時間の関係を示す。このような関係から、最も接続
損失が低下する時点で加熱を中止することにより、良好
な接続損失を得ることができる。
第1の方法では、通常の融着接続機を使用して融着接続
を行う前にモードフィールド径の小さな光ファイバの接
続端部付近を加熱するための、マイクロトーチ等の通常
の融着接続機以外の特別な装置が必要になること、およ
び作業が複雑になること、などの問題がある。つまり、
マイクロトーチ等を熱源とした別の装置が必要になると
ともに、その装置を使用した前処理工程が必要となっ
て、作業が煩雑になる。
特別の装置を必要としないものの、アーク放電によって
追加加熱するので、接続損失をそれほど低下させること
ができないという問題がある。つまり、アーク放電によ
る加熱の場合、加熱領域が光ファイバ長さ方向に狭いた
め、コアドーパントの拡散領域が狭く、モードフィール
ド径のテーパ状拡大部の、そのテーパ長が短くなって、
低接続損失化できない。さらに、コア径の太い側の光フ
ァイバの方が、そのコアのドープ剤の熱による拡散速度
が速い場合には、両光ファイバのコア径の格差を広げる
ことになり、逆効果となって接続損失を増加させてしま
う問題もある。つまり、図13(a)のようにコア部1
1が細径な光ファイバ10とコア部21が太径な光ファ
イバ20とを融着接続した後、その融着接続部近辺を均
等に加熱すると、同(b)のように、細径のコア部11
が拡散するばかりでなく太径のコア部21も拡散して、
コア部11、21の径の格差がかえって広がる。
要性や作業の煩雑さを招くことなく、モードフィールド
径の異なる光ファイバ同士を低損失に融着接続できる方
法を提供することを目的とする。
め、この発明による光ファイバの融着接続方法において
は、互いに接続すべきモードフィールド径の小さい第1
の光ファイバとモードフィールド径の大きい第2の光フ
ァイバのそれぞれ端面同士を突き合わせ、この突き合わ
せ部を放電加熱して融着接続し、その後、放電加熱位置
を第1の光ファイバ側へずらして加熱量の少ない追加の
放電加熱を行って第1の光ファイバのコアのドーパント
を拡散させ、第1の光ファイバのモードフィールド径の
みを長手方向に緩やかに拡大することが特徴となってい
る。
ールド径の小さい第1の光ファイバ側へずらした上で行
うので、この第1の光ファイバのみのコアのドーパント
を拡散させることができ、この第1の光ファイバのモー
ドフィールド径のみを長手方向に緩やかに拡大すること
ができる。そのため、モードフィールド径の大きな第2
の光ファイバとの接続部においてモードフィールド径の
小さな第1の光ファイバのモードフィールド径がテーパ
状に拡大し、かつそのテーパ長を長くすることができる
ので、テーパ長が短いことによる損失増加を抑え、低接
続損失で接続することができるようになる。
バ側の複数位置で放電加熱を行うとともに、融着接続部
から離れるほど放電加熱量を小さくすることもできる。
光ファイバ側に移動させるには、融着接続された第1、
第2の光ファイバを放電電極に対して相対的に移動させ
ることによってもよい。
の光ファイバ側に移動させるには、偏向電極により放電
ビームを偏向させることにより実現することもできる。
径の小さい第1の光ファイバとモードフィールド径の大
きい第2の光ファイバのそれぞれ端面同士を突き合わ
せ、この突き合わせ部近辺の光ファイバ長さ方向に広い
範囲を放電加熱し、第1の光ファイバのコアのドーパン
トを光ファイバ長さ方向に広い範囲で拡散させて第1の
光ファイバのモードフィールド径をテーパ状に拡大さ
せ、かつそのテーパ長が長くなるようにして、上記の両
光ファイバを融着接続することを特徴としてもよい。
れの端面同士を突き合わせ、この突き合わせ部近辺の光
ファイバ長さ方向に広い範囲を放電加熱し、上記の両光
ファイバを融着接続する際、その放電加熱領域を光ファ
イバ長さ方向に拡大するには、放電電極間隔を光ファイ
バ径の20倍を超えるほどに広げるようにすればよい。
せることによって、放電加熱領域を光ファイバ長さ方向
に拡大するようにしてもよい。
せることにより放電加熱領域を光ファイバ長さ方向に拡
大することもできる。
ついて図面を参照しながら詳細に説明する。まず、図1
の(a)に示すように、モードフィールド径の小さい第
1の光ファイバ10と、モードフィールド径の大きい第
2の光ファイバ20とを、それらの先端においてシース
(保護膜)13、23を剥離した状態で突き合わせ、放
電電極(棒)41、42に高電圧を印加してアーク放電
を起こす。この放電電極41、42の間にアーク放電に
よる放電ビーム43が形成され、その熱で両光ファイバ
10、20の突き合わせ端部が加熱されて溶融されてく
る。その時、これらの光ファイバ10、20を矢印に示
すように突き合わせ方向に押し込んで両者の端面を融着
接続する。
に、この2つの光ファイバ10、20を右方に移動させ
る。すると、放電ビーム43による加熱領域が融着接続
部から左方つまりモードフィールド径の小さい第1の光
ファイバ10側にずれる。このようにずらした状態で放
電電極41、42間でアーク放電を起こして加熱する。
これにより、モードフィールド径の小さい第1の光ファ
イバ10のみにおいてコア部のドーパントを拡散してモ
ードフィールド径をテーパ状に緩やかに拡大し、そのテ
ーパ長を長くしながら第2の光ファイバ20のモードフ
ィールド径に近づけることができる。
2の(a)のように両光ファイバ10、20のコア部1
1、21の直径に段差がある状態で接合している。追加
加熱時には、図2の(b)に示すように、この融着接続
位置30よりも光ファイバ10側にずらした位置31を
加熱中心として加熱する。そのため、この位置31を中
心にして加熱されることになって、モードフィールド径
の小さな光ファイバ10のコア部11のドーパントがそ
の周囲のクラッド部12に拡散してきて、モードフィー
ルド径の大きな光ファイバ20のコア部21の直径と近
くなる。また、モードフィールド径はテーパ状に緩やか
に拡大し、そのテーパ長が長くなる。
第1の光ファイバ10とモードフィールド径の大きい第
2の光ファイバ20とを融着接続する場合に、光ファイ
バ10のモードフィールド径のみを融着接続部付近でテ
ーパ状に緩やかに拡大することができて、両光ファイバ
10、20のモードフィールド径を近づけてそれらの間
に段差が生じることを解消することができる。そして光
ファイバ10のモードフィールド径が長いテーパ長で緩
やかに拡大していくため、接続損失が少ない融着接続を
行うことができる。そして、この場合、第2の光ファイ
バのコア部21のドーパントの拡散速度が速い場合で
も、加熱中心は位置31であって、第2の光ファイバ2
0はそれほど加熱されず、コア部21のドーパントの拡
散が進むことはなく、この第2の光ファイバ20でモー
ドフィールド径が拡大されないため、モードフィールド
径の大きい側の第2の光ファイバ20がどのような種類
の光ファイバでもよくなり、適用可能な光ファイバの種
類が限定されることがなくなる。
追加放電回数(放電加熱時間と考えてもよい)には、接
続損失を最も小さくするための最適値がそれぞれ存在し
ている。つまり、追加放電位置を、融着接続位置30か
ら少しずつ離して上記のようにして追加放電加熱を行っ
たとき、その融着接続部を通して一方の光ファイバ(1
0または20)から他方の光ファイバ(20または1
0)へ伝送される光パワー(通過パワー)を測定したと
ころ、図3の(a)のような結果が得られた。これか
ら、追加の放電加熱位置が融着接続位置30に近過ぎる
場合、光ファイバ20側も加熱してしまうことになるた
め、光ファイバ20のコア部21のドーパントを拡散し
てしまって、接続損失を小さくすることができない。逆
に、追加の放電加熱位置が融着接続位置30から遠過ぎ
る場合には、光ファイバ10のコア部11のドーパント
が拡散される位置が融着接続位置30から離れるので、
融着接続位置30ではあまり拡散されずに、この位置で
はモードフィールド径が小さいままにとどまることにな
って、光ファイバ20のモードフィールド径との差が大
きいままとなってしまって、接続損失を小さくできな
い。
であり、放電回数(加熱時間)を変えて追加放電加熱を
行い、光の通過パワーを測定してみたところ、図3の
(b)のような結果を得た。これから放電回数(加熱時
間)が少なくても、多くても通過パワーは小さく(接続
損失は大きく)なり、最適値が存在することが分かる。
すなわち、加熱時間が少なすぎれば光ファイバ10にお
けるモードフィールド径の拡大が不十分となり、多すぎ
れば拡大されすぎて、逆に損失が増える。
れらの放電位置、および放電回数(加熱時間)は、光フ
ァイバ10のコア部11のドーパントとしてどのような
材料を用いているかなど、光ファイバ10の種類ごとに
異なるため、実験によって最適値を求めていくほかな
い。
と、ここでは、追加の放電加熱位置を少しずつずらしな
がら、複数の加熱位置において追加の放電加熱を行う。
つまり、第1の実施形態と同様に、図1の(a)のよう
にモードフィールド径の小さい第1の光ファイバ10と
モードフィールド径の大きい第2の光ファイバ20と
を、放電電極41、42間のアーク放電ビーム43によ
って加熱することにより融着接続した後、図1の(b)
に示すように光ファイバ10、20を右方に移動させて
放電ビーム43の位置を融着接続部より光ファイバ10
側へとずらして追加の放電加熱を行う際に、その加熱位
置を一個所とするのではなく、少しずつずらして複数箇
所で加熱する。
ファイバ10の融着接続位置30に近い、複数(ここで
は3つ)の位置31、32、33で加熱して、その3つ
の位置31、32、33でコア部11のドーパントを拡
散させることができる。これは、アーク放電による加熱
領域が実際上非常に狭いことから来る不都合を解消した
ものである。加熱領域が狭くても、複数箇所で加熱する
ことにより、モードフィールド径をテーパ状にスムーズ
に拡大することができて接続損失をさらに減少させるこ
とが可能である。
おいて、融着接続位置30から離れるほど、放電エネル
ギーを小さくしたり放電時間を少なくしたりして加熱量
を少なくしていけば、モードフィールド径をテーパ状に
スムーズに拡大することができて接続損失を一層減少さ
せることが可能である。すなわち、モードフィールド径
をテーパ状に拡大していく場合に、そのテーパ部の長さ
が長いほど接続損失を減少させることができるが、これ
を実現することが可能になる。
箇所で追加の放電加熱を行うのではなく、放電加熱位置
をずらしながら、連続的に追加の放電加熱を行い、かつ
徐々に放電加熱量を減少させていく。すなわち、第1の
実施形態と同様に、図1の(a)のようにモードフィー
ルド径の小さい第1の光ファイバ10とモードフィール
ド径の大きい第2の光ファイバ20とを、放電電極4
1、42間のアーク放電ビーム43によって加熱するこ
とにより融着接続した後、図1の(b)に示すように光
ファイバ10、20を右方に移動させて放電ビーム43
の位置を融着接続部より光ファイバ10側へとずらしい
きながら、その移動中に、連続的に追加の放電加熱を行
い、その移動にしたがって放電による加熱量を徐々に減
少させていく。
着接続位置30に近い位置31から遠い位置34まで
の、加熱量を減少させながらの追加の連続的放電加熱を
行う。これにより、光ファイバ10のコア部11のドー
パントの拡散度を徐々に減らすことができて、光ファイ
バ10のモードフィールド径を融着接続位置30に向け
てよりゆるやかなテーパ状に拡大することができる。そ
の結果、モードフィールド径の異なる2つの光ファイバ
10、20の融着接続部を、より低損失にすることがで
きる。
ファイバ10、20を移動させる具体的な機構について
説明する。融着接続機は、具体的には、図4に示すよう
に、接続すべき2つの光ファイバ10、20を固定する
V溝ブロック52とシースクランプ53とを備える。シ
ースクランプ53、53により、光ファイバ10、20
のそれぞれのシース13、23をクランプし、V溝ブロ
ック52、52により光ファイバ(心線)10、20を
位置決めする。これらの一対のV溝ブロック52とシー
スクランプ53は、それぞれ移動ブロック51、51上
に搭載され、この移動ブロック51、51は、モーター
54の回転を直線運動に変換するマイクロメータ55な
どの運動伝達機構により矢印で示すように、光ファイバ
10、20の軸方向に相互に近づきまたは離れるように
移動させられる。これらモーター54、54等はベース
56上に固定される。アーク放電用の電極はこの図では
省略されているが、光ファイバ10、20の突き合わせ
部付近で、前後(紙面に垂直な方向)に配置される。
追加の放電加熱を行う際には、2つのモーター54、5
4を電気制御でシンクロさせて回転させ、これにより、
2つの移動ブロック51、51を、図の右方向に、正確
に、等距離・等速度で移動させる。こうして、融着接続
した部分をそのままに保って両方の光ファイバ10、2
0を、固定された放電電極に対してずらすことができ
る。
54等を固定するベース自体を移動させるよう構成する
こともできる。すなわち、ベース56の上に移動ベース
57を設け、その上にモーター54、54等を固定す
る。そして、モーター58およびマイクロメータ59等
の運動伝達機構によってこの移動ベース57をベース5
6上で矢印で示すように移動させる。
4、54を同時に回転させ光ファイバ10、20が近づ
く方向にこれらの光ファイバ10、20を移動させて融
着接続した後、これらのモーター54、54は停止させ
てその状態を保つようにし、モーター58のみを駆動し
て移動ベース57を移動させて放電電極(図では省略)
に対する光ファイバ10、20の軸方向移動を行い、追
加の放電加熱を行うことになる。
0、20は固定したままで、放電電極の方を移動させる
よう構成することも可能である。すなわち、放電電極棒
を保持する保持機構を図5の移動ベース57のような移
動ベースに取り付けて、融着接続後に放電電極を光ファ
イバ10、20の軸方向に移動させて、追加の放電加熱
を行うよう構成するのである。
施形態では、まず図6の(a)に示すように、第1の実
施形態と同様に、モードフィールド径の小さい第1の光
ファイバ10とモードフィールド径の大きい第2の光フ
ァイバ20とを、放電電極41、42間のアーク放電ビ
ーム43によって加熱することにより融着接続した後、
追加の放電加熱を行うが、その際に、図6の(b)に示
すように偏向電極60を挿入して放電ビーム43を、光
ファイバ10側へと偏向させる。これによって放電加熱
位置を、融着接続位置から光ファイバ10側へとずら
す。
アルミナ等のセラミックの絶縁基板61の片面に導電体
層62を設けたものからなる。この導電体層62は、メ
ッキまたは蒸着などにより形成することができる。そし
て、溝63を有する形状に形成されている。この溝63
は、光ファイバ10(20)を挿入するためのものであ
る。すなわち、不要時には待避させておいて、必要とな
ったときにこの偏向電極60を矢印に示すように移動さ
せて溝63内に光ファイバ10(20)が入るようにす
ることで、光ファイバ10(20)の周囲に偏向電極6
0を位置させる。
に帯電しているため、導電体層62をプラスにバイアス
することによって、放電ビーム43を偏向電極60側へ
引き寄せることができる。このとき導電体層62と放電
電極との間に放電が生じないようにする必要がある。そ
のため、導電体層62側の面と反対側の面が放電ビーム
43に対面するようにして、絶縁を図っている。
できる。たとえば、図8のように、一対のV溝ブロック
52・シースクランプ53(および図示しないが放電電
極棒)を覆って保護する風防70に、この偏向電極60
を上下方向(図の矢印方向)にスライド可能に取り付け
て、追加の放電加熱時に下降させるようにする。
り付けた偏向電極60を横方向にもスライドできるよう
にして、光ファイバ10、20の軸方向の任意の位置に
偏向電極60を移動させるようにしてもよい。また、図
で示すことはしないが、スライド型の機構のほか、回転
型の機構(偏向電極60の基板61を回転可能に軸止す
る機構)を用いて偏向電極60を進退させるようにして
もよい。
0を用いて放電ビーム43を図6の(b)に示すように
偏向させることにより、加熱位置を融着接続位置から光
ファイバ10側へとずらすことができるため、たとえば
図2の(b)のように、融着接続位置30から光ファイ
バ10側へとずれた位置31を中心にコア部11のドー
パントを拡散してモードフィールド径を拡大することが
できる。
ビーム43の偏向度合いを変化させながら複数回放電加
熱を行えば、図2の(c)のように複数の箇所31、3
2、33を中心にしてコア部11のドーパントを拡散す
ることができ、しかもその際に放電エネルギーや放電時
間を調整して融着接続位置30から離れるほど加熱量を
少なくすれば、比較的長いテーパ状となるように、徐々
にモードフィールド径を拡大することができる。
電ビーム43の偏向度合いを変化させながら連続的に放
電加熱を行い、その際に融着接続位置30から離れるほ
ど加熱量を少なくすれば、図2の(d)のように位置3
1から位置34までの比較的長い距離において徐々に拡
散度を小さくしながら、コア部11のドーパントを拡散
することができる。こうして、光ファイバ10における
モードフィールド径を、融着接続位置30に向けてテー
パ状に徐々に拡大させることができる。
させて加熱位置を種々に変えるには、上記のように偏向
電極60そのものの位置をずらすほか、偏向電極60
(導電体層62)に加えるバイアス電圧を調整すること
でも可能である。
この実施形態では、まず図10の(a)に示すように、
第1の実施形態と同様に、モードフィールド径の小さい
第1の光ファイバ10とモードフィールド径の大きい第
2の光ファイバ20とを突き合わせ、放電電極(棒)4
1、42に高電圧を印加してアーク放電を起こし、放電
電極41、42間のアーク放電ビーム43によって加熱
する。そして、それら光ファイバ10、20の突き合わ
せ端部が溶融したとき、図10の(b)の矢印に示すよ
うに光ファイバ10、20を突き合わせ方向に押し込ん
で両者の端面を融着接続する。このような融着接続のた
めの放電加熱の際に、放電電極41、42の間の間隔を
光ファイバ(心線)10、20の外径の20倍を超える
ような広い間隔としておく。すなわち、通常であれば、
融着接続時の放電電極41、42の間の間隔は光ファイ
バ(心線)10、20の外径の12〜13倍程度が普通
であるが、これを上記のような広い間隔に広げておく。
これによって融着接続時の放電ビーム43を拡大させ
て、加熱領域を光ファイバ10、20の長さ方向に拡大
する。
の(a)に示すようにして、最初に述べた第1の実施形
態と同様に、モードフィールド径の小さい第1の光ファ
イバ10とモードフィールド径の大きい第2の光ファイ
バ20とを突き合わせ、放電電極(棒)41、42に高
電圧を印加してアーク放電を起こし、放電電極41、4
2間のアーク放電ビーム43によって加熱する。そし
て、それら光ファイバ10、20の突き合わせ端部が溶
融したとき、図11の(b)の矢印に示すように光ファ
イバ10、20を突き合わせ方向に押し込んで両者の端
面を融着接続する。このような融着接続のための放電加
熱の際に、2つの偏向電極60、60で放電ビーム43
を挟むようにして、これらの偏向電極60、60のそれ
ぞれに放電ビーム43を引き寄せて、放電ビーム43を
光ファイバ10、20の長さ方向に拡大させる。こうし
て、融着接続時の加熱領域を光ファイバ10、20の長
さ方向に拡大する。
うなものを用いることができる。2つの偏向電極60、
60は、絶縁基板61側が互いに対面し、その間に放電
ビーム43を挟むようにして配置される。
ビーム43が光ファイバ10、20上で拡大しており、
加熱領域が光ファイバ10、20の長さ方向に拡大して
いる。そして、放電ビーム43による温度分布は、その
中心部で高く、周囲に向かうにしたがって低くなるとい
うようなものとなる。そのため、加熱温度が光ファイバ
10、20が溶融するほどに高くなるのは、両光ファイ
バ10、20の突き合わせ端部のみとなり、その突き合
わせ端部から離れれば離れるほど温度は低くなる。
11、21のドーパントの拡散度は、融着接続位置30
(図2)で大きく、その位置30から離れるほど小さく
なる。通常、コア径の細い側の光ファイバ10はたとえ
ばエルビウムドープ光ファイバなどのコア部11のドー
パントの熱による拡散速度が速い光ファイバであり、コ
ア径の太い側の光ファイバ20はたとえば一般的な1.
55μm帯シングルモード光ファイバであってコア部2
1のドーパントの熱による拡散速度が遅い光ファイバで
あることが多い。したがって、異なるモードフィールド
径の光ファイバを接続する通常の場合には、図2の
(d)に示すように、コア径の細い側の光ファイバ10
のみにおいてコア部11を、融着接続位置30からかな
り離れた位置34より、融着接続位置30まで緩やかに
テーパ状に拡大させ、光ファイバ20のモードフィール
ド径に近づけることができる。
10のみにおいてコア部11を緩やかにテーパ状に拡大
させ、そのテーパ長を長くすることができるので、光フ
ァイバ10、20を低接続損失で融着接続することがで
きる。しかも、単に、放電電極41、42の間隔を大き
くしたり、あるいは偏向電極60、60を挿入するだけ
であり、その他は通常の融着接続法と同じであるため、
非常に簡便であり、操作が容易であるばかりでなく、装
置の構成も簡単になる。
10、20をその長さ方向に移動させ、あるいは放電電
極41、42を光ファイバ10、20に対しその長さ方
向に移動させ、その移動中に融着接続のための放電加熱
を行うことによって、融着接続のための加熱領域を光フ
ァイバ10、20の長さ方向に拡大させて、融着接続位
置近辺の広い範囲で加熱し、突き合わせ端部のみ溶融さ
せ、それ以外の部分でコア部のドーパントを拡散させる
ようにしてもよい。
するものであり、具体的な構造などは、この発明の趣旨
を逸脱しない範囲で種々に変更可能であることはもちろ
んである。
イバの融着接続方法によれば、モードフィールド径の異
なる2つの光ファイバ同士を、低接続損失で融着接続す
ることができる。
す模式図。
接続部の通過光パワー特性を示すグラフ。
式図。
す模式図。
図。
失特性を示すグラフ。
縦断面を示す模式図。
バ 11 細径のコア部 12、22 クラッド部 13、23 シース 20 モードフィールド径の大きい光ファイ
バ 21 太径のコア部 30 融着接続位置 31〜34 追加の放電加熱中心 41、42 放電電極 43 アーク放電ビーム 51 移動ブロック 52 V溝ブロック 53 シースクランプ 54、58 モーター 55、59 マイクロメータ 56 ベース 57 移動ベース 60 偏向電極 61 絶縁基板 62 導電体層 63 光ファイバ挿入用溝 70 風防
Claims (8)
- 【請求項1】 互いに接続すべきモードフィールド径の
小さい第1の光ファイバとモードフィールド径の大きい
第2の光ファイバのそれぞれ端面同士を突き合わせ、こ
の突き合わせ部を放電加熱して融着接続し、その後、放
電加熱位置を第1の光ファイバ側へずらして加熱量の少
ない追加の放電加熱を行って第1の光ファイバのコアの
ドーパントを拡散させ、第1の光ファイバのモードフィ
ールド径のみを長手方向に緩やかに拡大することを特徴
とする光ファイバの融着接続方法。 - 【請求項2】 追加の放電加熱時に、第1の光ファイバ
側の複数位置で放電加熱を行うとともに、融着接続部か
ら離れるほど放電加熱量を小さくすることを特徴とする
請求項1記載の光ファイバの融着接続方法。 - 【請求項3】 融着接続された第1、第2の光ファイバ
を放電電極に対して相対的に移動させることによって、
追加放電加熱時の加熱位置を第1の光ファイバ側に移動
させることを特徴とする請求項1記載の光ファイバの融
着接続方法。 - 【請求項4】 偏向電極により放電ビームを偏向させる
ことによって追加放電加熱時の加熱位置を第1の光ファ
イバ側に移動させることを特徴とする請求項1記載の光
ファイバの融着接続方法。 - 【請求項5】 互いに接続すべきモードフィールド径の
小さい第1の光ファイバとモードフィールド径の大きい
第2の光ファイバのそれぞれ端面同士を突き合わせ、こ
の突き合わせ部近辺の光ファイバ長さ方向に広い範囲を
放電加熱し、第1の光ファイバのコアのドーパントを光
ファイバ長さ方向に広い範囲で拡散させて第1の光ファ
イバのモードフィールド径をテーパ状に拡大させ、かつ
そのテーパ長が長くなるようにして、上記の両光ファイ
バを融着接続することを特徴とする光ファイバの融着接
続方法。 - 【請求項6】 放電電極間隔を光ファイバ径の20倍を
超えるほどに広げて放電加熱領域を光ファイバ長さ方向
に拡大することを特徴とする請求項5記載の光ファイバ
の融着接続方法。 - 【請求項7】 放電加熱のための放電ビームを偏向電極
により偏向させることによって放電加熱領域を光ファイ
バ長さ方向に拡大することを特徴とする請求項5記載の
光ファイバの融着接続方法。 - 【請求項8】 放電加熱中に両光ファイバを移動させる
ことにより放電加熱領域を光ファイバ長さ方向に拡大す
ることを特徴とする請求項5記載の光ファイバの融着接
続方法。
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