JP2000097274A - プリロ―ド付制振ダンパ - Google Patents

プリロ―ド付制振ダンパ

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JP2000097274A
JP2000097274A JP11116523A JP11652399A JP2000097274A JP 2000097274 A JP2000097274 A JP 2000097274A JP 11116523 A JP11116523 A JP 11116523A JP 11652399 A JP11652399 A JP 11652399A JP 2000097274 A JP2000097274 A JP 2000097274A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリロード付制振ダンパにおいて、小型、簡
易、軽量化を図ること。 【解決手段】 プリロード付制振ダンパ10において、
押側戻しばね41をダンパチューブ11の第2油室14
Bに配置し、引側戻しばね42をダンパチューブ11の
第1油室14Aに配置したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は精密機器の除振装置
等に用いて好適なプリロード付制振ダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、実開平6-42574 号公報に記載の如
くのプリロード付制振ダンパがある。この制振ダンパ
は、ダンパチューブに挿入したピストンロッドに設けた
ピストンにより、該ダンパチューブ内に第1油室と第2
油室とを区画形成し、該ピストンロッドの押行程と引行
程のそれぞれで減衰力を発生させる押側減衰力発生装置
と引側減衰力発生装置とを該ピストンに備えている。そ
して、この制振ダンパでは、ピストンロッドの押行程と
引行程のそれぞれで該ピストンロッドに戻し反力を付与
する押側戻しばねと引側戻しばねとを、プリロードをか
けた状態でピストンロッド回りに設けている。
【0003】従って、この制振ダンパにあっては、ピス
トンロッドに作用する押側と引側の衝撃力を押側戻しば
ねと引側戻しばねにて吸収し、且つこの押側戻しばねと
引側戻しばねによる衝撃力の吸収に伴う振動を減衰力発
生装置で減衰するとともに、ダンパチューブに対するピ
ストンロッドの中立位置も押側戻しばねと引側戻しばね
で自動設定可能とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来技術
では、ダンパチューブに第1油室と第2油室を備えると
ともに、これら両油室とは別に戻しばね格納室を備えて
おり、制振ダンパが大型化、重量化している。
【0005】本発明の課題は、プリロード付制振ダンパ
において、小型、簡易、軽量化を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、ダンパチューブに挿入したピストンロッドに設けた
ピストンにより、該ダンパチューブ内に第1油室と第2
油室とを区画形成し、該ピストンロッドの押行程と引行
程のそれぞれで減衰力を発生させる押側減衰力発生装置
と引側減衰力発生装置とを該ピストンに備えるととも
に、該ピストンロッドの押行程と引行程のそれぞれで該
ピストンロッドに戻し反力を付与する押側戻しばねと引
側戻しばねとを備えてなるプリロード付制振ダンパにお
いて、前記押側戻しばねをダンパチューブの第2油室に
配置し、前記引側戻しばねをダンパチューブの第1油室
に配置したものである。
【0007】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の本発明において更に、前記ピストンが押側減衰バル
ブを備える押側流路と引側減衰バルブを備える引側流路
とを有し、両減衰バルブをピストンの両側に保持する押
側バルブストッパと引側バルブストッパをピストンロッ
ド回りに備えてなり、押側戻しばねの一端を引側バルブ
ストッパにて担持し、引側戻しばねの一端を押側バルブ
ストッパにて担持してなるようにしたものである。
【0008】請求項3に記載の本発明は、請求項1又は
2に記載の本発明において更に、前記ダンパチューブが
ピストンロッドのためのロッドガイドを備えてなり、引
側戻しばねの他端をロッドガイドにて担持してなるよう
にしたものである。
【0009】請求項4に記載の本発明は、請求項2又は
3に記載の本発明において更に、前記バルブストッパの
戻しばね担持部にスラストワッシャを備えてなるように
したものである。
【0010】請求項5に記載の本発明は、請求項2〜4
のいずれかに記載の本発明において更に、前記バルブス
トッパの戻しばね担持部に戻しばねの一端の内周又は外
周を拘束するばね端拘束部を備えてなるようにしたもの
である。
【0011】請求項6に記載の本発明は、請求項4に記
載の本発明において更に、前記スラストワッシャが戻し
ばねの一端の内周又は外周を拘束するばね端拘束部を備
えてなるようにしたものである。
【0012】請求項7に記載の本発明は、請求項1〜6
のいずれかに記載の本発明において更に、前記ピストン
ロッドがダンパチューブの第1油室の内外に貫通配置さ
れるとともに、第2油室の内外にも貫通配置されてなる
ようにしたものである。
【0013】請求項8に記載の本発明は、請求項1〜7
のいずれかに記載の本発明において更に、前記ダンパチ
ューブの内部にフリーピストンを摺動自在に配置し、該
ダンパチューブ内にフリーピストンにより分離される加
圧ガス室とリザーバ室とを形成し、該ダンパチューブの
リザーバ室と第2油室との間にフリーピストンストッパ
を固定し、該フリーピストンストッパに設けたオリフィ
スによりリザーバ室と第2油室とを連通してなり、押側
戻しばねの他端をフリーピストンストッパにて担持して
なるようにしたものである。
【0014】請求項9に記載の本発明は、請求項1〜7
のいずれかに記載の本発明において更に、前記ピストン
ロッドに、リザーバ室を加圧して備えたカートリッジを
固定してなるようにしたものである。
【0015】請求項10に記載の本発明は、請求項1〜
8のいずれかに記載の本発明において更に、前記ダンパ
チューブが大径パイプ材の内部に短尺の小径パイプ材を
間隙を介して挿入し、大径パイプ材の大内径部によりピ
ストンを摺動可能に収容する第1油室と第2油室を形成
し、小径パイプ材の小内径部によりフリーピストンを摺
動可能に収容するとともに、該フリーピストンにより分
離される加圧ガス室とリザーバ室とを形成し、ダンパチ
ューブのリザーバ室と第2油室との間に、小径パイプ材
の端面に支持されるフリーピストンストッパを固定し、
該フリーピストンストッパに設けたオリフィスによりリ
ザーバ室と第2油室とを連通してなるようにしたもので
ある。
【0016】
【作用】請求項1の本発明によれば下記(1) の作用があ
る。 (1) 制振ダンパのピストンロッドに押側と引側のそれぞ
れでプリロードを付与する押側戻しばねと引側戻しばね
のそれぞれを、ダンパチューブの第1油室と第2油室の
それぞれに納めた。従って、押側戻しばねと引側戻しば
ねのそれぞれを第1油室と第2油室のそれぞれとは別に
配置するものに比して、制振ダンパを小型、軽量化でき
る。
【0017】請求項2の本発明によれば下記(2) の作用
がある。 (2) 押側戻しばねと引側戻しばねのそれぞれを、ピスト
ンに備える減衰力発生装置のための押側バルブストッパ
と引側バルブストッパに担持させた。従って、押側戻し
ばねと引側ばねのそれぞれを担持する係合部を格別にピ
ストンロッドに設けるものに比して、制振ダンパを簡易
化できる。
【0018】請求項3の本発明によれば下記(3) の作用
がある。 (3) 引側戻しばねをダンパチューブのロッドガイドに担
持させた。従って、引側戻しばねを担持するばね受部を
格別にダンパチューブに設けるものに比して、制振ダン
パを簡易化できる。
【0019】請求項4の本発明によれば下記(4) の作用
がある。 (4) 押側戻しばねと引側戻しばねのそれぞれを担持する
押側バルブストッパと引側バルブストッパの戻しばね担
持部にスラストワッシャを設けた。従って、押側戻しば
ねと引側戻しばねのそれぞれの伸縮に伴う自軸回りのね
じり回転をスムースに許容し、制振ダンパの作動性を向
上できる。
【0020】請求項5の本発明によれば下記(5) の作用
がある。 (5) 押側バルブストッパと引側バルブストッパの戻しば
ね担持部に、押側戻しばねと引側戻しばねのそれぞれの
一端の内周及び/又は外周を拘束するばね端拘束部を備
えた。従って、押側戻しばねと引側戻しばねのそれぞれ
をピストンロッド回りで簡易にセンタリングし、制振ダ
ンパの作動性を向上できる。
【0021】請求項6の本発明によれば下記(6) の作用
がある。 (6) 押側戻しばねと引側戻しばねのそれぞれの伸縮に伴
う自軸回りのねじり回転をスムースに許容するように、
押側バルブストッパと引側バルブストッパの戻しばね担
持部に設けたスラストワッシャに、押側戻しばねと引側
戻しばねのそれぞれの一端の内周及び/又は外周を拘束
するばね端拘束部を備えた。従って、スラストワッシャ
に押側戻しばねと引側戻しばねのセンタリング機能も兼
備させ、制振ダンパを簡素にしながら作動性を向上でき
る。
【0022】請求項7の本発明によれば下記(7) の作用
がある。 (7) ピストンロッドがダンパチューブの第1油室と第2
油室のそれぞれを内外に貫通する両ロッド型の制振ダン
パとした。従って、制振ダンパの押行程と引行程で、ダ
ンパチューブに進入もしくは退出するピストンロッドの
容積変化分の作動油を補償する必要がない。
【0023】請求項8の本発明によれば下記(8) の作用
がある。 (8) 押側戻しばねをフリーピストンストッパに担持させ
た。従って、押側戻しばねを担持するばね受部を格別に
ダンパチューブに設けるものに比して、制振ダンパを簡
易化できる。
【0024】請求項9の本発明によれば下記(9) の作用
がある。 (9) リザーバ室を加圧して備えたカートリッジをピスト
ンロッドに固定した。従って、リザーバ室で加圧されて
いる作動油の圧力をダンパチューブ内の第1油室と第2
油室の作動油に及ぼし、ダンパチューブ内の作動油のキ
ャビテーションを防止する等により減衰性能の安定を図
ることができ、またダンパチューブ内の作動油の温度変
化等による油量変化分をリザーバ室で補償できる。ま
た、ロッドに加圧による反力が発生しない。
【0025】請求項10の本発明によれば下記(10)〜(1
2)の作用がある。 (10)シングルチューブ分離加圧型制振ダンパを構成する
ようにダンパチューブにフリーピストンを挿入し、フリ
ーピストンストッパをダンパチューブの内部で保持する
際に、ストレートな引抜管を大径パイプ材として用いな
がら、この大径パイプ材の内部に挿入した短尺小径パイ
プ材の端面によりフリーピストンストッパを支持でき
る。従って、パイプ材を絞り加工したり、削り出し加工
することにより大内径部と小内径部の段差部を形成して
フリーピストンストッパを支持するものに比して、加工
工数を削減し、低コスト化できる。
【0026】(11)ダンパチューブを構成する大径パイプ
材と小径パイプ材の間に形成される間隙に作動油が入
り、同一外径サイズのダンパチューブで小内径部を絞り
加工、削り出し加工により形成するもの等に比してダン
パチューブへの作動油の充填量が多くなり、油温の上昇
を抑制できる。
【0027】(12)ダンパチューブの作動油充填領域の外
郭を形成する大径パイプ材が、ダンパチューブを削り出
し加工により形成するもの等に比して、薄肉となり、作
動油の放熱性を良好にできる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は第1実施形態を示す模式
図、図2は第2実施形態を示す模式図、図3は第3実施
形態を示す模式図、図4は第4実施形態を示す模式図、
図5は第5実施形態を示す模式図、図6は第6実施形態
を示す模式図である。
【0029】(第1実施形態)(図1) 第1実施形態の制振ダンパ10は、例えば精密機器の架
台と除振台との間に設置され、架台上の除振台に作用す
る衝撃を緩衝するとともに、除振台を中立位置に自動設
定可能とする。
【0030】制振ダンパ10は、パイプ材を絞り加工し
て大径部と小径部を備えたダンパチューブ11を用い、
ダンパチューブ11の大径部側に挿入したピストンロッ
ド12に設けたピストン13により、ダンパチューブ1
1内に第1油室14Aと第2油室14Bを区画形成して
いる。ピストン13はダンパチューブ11に摺接するピ
ストンリング13Aを有する。このとき、ダンパチュー
ブ11の一方の開口端には、ダンパチューブ11の内周
に係着されるストッパリング15とダンパチューブ11
の外周に螺装されたキャップ16との間に、ロッドガイ
ド17、オイルシール18、オイルシールガイド19が
設置されている。尚、ロッドガイド17はピストンロッ
ド12を摺動自在に支持するブッシュ21と、第1油室
14Aの作動油を引行程でオイルシール18のリップ内
周に導く油路22と、ダンパチューブ11に封着するO
リング17Aとを有する。
【0031】制振ダンパ10は、シングルチューブ分離
加圧型であり、ダンパチューブ11の小径部側の内部に
フリーピストン24をOリング24Aを介して摺動自在
に配置し、ダンパチューブ11内にフリーピストン24
により分離される加圧ガス室25とリザーバ室26とを
形成し、ダンパチューブ11のリザーバ室26と第2油
室14Bとの間にフリーピストンストッパ27を固定
し、フリーピストン24に設けたオリフィス28により
リザーバ室26と第2油室14Bとを連通している。フ
リーピストンストッパ27は後述する押側戻しばね41
のばね力でダンパチューブ11の内周絞り部に当接され
て押圧保持され、ダンパチューブ11に封着するOリン
グ27Aを有する。このとき、ダンパチューブ11の他
方の開口端には、キャップ29が加締め止めされてい
る。キャップ29は加圧ガス室25に圧縮ガスを封入す
るためのガス封入バルブ29Bと、ダンパチューブ11
に封着するOリング29Aとを有する。キャップ29に
はジョイントナット30が接続される。
【0032】制振ダンパ10は、ピストンロッド12の
押行程と引行程のそれぞれで減衰力を発生させる押側減
衰力発生装置31と引側減衰力発生装置32とを、ピス
トン13に備える。即ち、ピストン13は、押側減衰力
発生装置31を構成する押側減衰バルブ33Aを備える
押側流路33と、引側減衰力発生装置32を構成する引
側減衰バルブ34Aを備える引側流路34とを有し、両
減衰バルブ33A、34Aをピストン13の両側に保持
する押側バルブストッパ35と引側バルブストッパ36
をピストンロッド12回りに備える。これらの押側バル
ブストッパ35、押側減衰バルブ33A、ピストン1
3、引側減衰バルブ34A、引側バルブストッパ36
は、ピストンロッド12の外周段差部と、ピストンロッ
ド12に螺装されたロックナット37とにより挟圧保持
されている。
【0033】然るに、制振ダンパ10にあっては、ピス
トンロッド12の押行程と引行程のそれぞれで、ピスト
ンロッド12に戻し反力を付与してピストンロッド12
を中立位置に自動設定する押側戻しばね41と引側戻し
ばね42とを備える。そして、押側戻しばね41をダン
パチューブ11の第2油室14Bに配置し、引側戻しば
ね42をダンパチューブ11の第1油室14Aに配置し
ている。
【0034】このとき、押側戻しばね41は一定のプリ
ロードを付与された圧縮状態で、一端を引側バルブスト
ッパ36に担持され、他端を前述のフリーピストンスト
ッパ27に担持される。引側バルブストッパ36の戻し
ばね担持部は、押側戻しばね41の一端の内周(外周で
も可)を拘束可能とするテーパ状のばね端拘束部43を
備えるとともに、押側戻しばね41の端面を(引側バル
ブストッパ36に対して回動可能に)支える樹脂製のス
ラストワッシャ44を備える。スラストワッシャ44
は、引側バルブストッパ36のばね端拘束部43に倣う
立上がり壁状(周方向に連続もしくは不連続のいずれで
も可)のばね端拘束部44Aを備える。また、フリーピ
ストンストッパ27の戻しばね担持部は、押側戻しばね
41の他端の外周(内周でも可)を拘束するテーパ状の
ばね端拘束部45を備えるとともに、押側戻しばね41
の端面を(ストッパ27に対して回動可能に)支える樹
脂製のスラストワッシャ101を備える。スラストワッ
シャ101は、押側戻しばね41の他端の内周(外周で
も可)を拘束する立上がり壁状(周方向に連続もしくは
不連続のいずれでも可)のばね端拘束部101Aを備え
る。
【0035】また、引側戻しばね42は一定のプリロー
ドを付与された状態で、一端を押側バルブストッパ35
に担持され、他端を前述のロッドガイド17に担持され
る。押側バルブストッパ35の戻しばね担持部は、引側
戻しばね42の一端の内周(外周でも可)を拘束可能と
するテーパ状のばね端拘束部46を備えるとともに、引
側戻しばね42の端面を(押側バルブストッパ35に対
して回動可能に)支える樹脂製のスラストワッシャ47
を備える。スラストワッシャ47は、押側バルブストッ
パ35のばね端拘束部46に倣う立上がり壁状(周方向
に連続もしくは不連続のいずれでも可)のばね端拘束部
47Aを備える。また、ロッドガイド17の戻しばね担
持部は、引側戻しばね42の他端の内周(外周でも可)
を担持するテーパ状のばね端拘束部48を備えるととも
に、引側戻しばね42の端面を(ロッドガイド17に対
して回動可能に)支える樹脂製のスラストワッシャ10
2を備える。スラストワッシャ102は、引側戻しばね
42の他端の内周(外周でも可)を拘束する立上がり壁
状(周方向に連続もしくは不連続のいずれでも可)のば
ね端拘束部102Aを備える。
【0036】従って、制振ダンパ10は以下の如く使用
される。 (1) ダンパチューブ11に加締め止めされているキャッ
プ29に接続されたジョイントナット30に例えば架台
を結合し、ダンパチューブ11から突出しているピスト
ンロッド12に除振台を結合する。
【0037】(2) 除振台に作用する衝撃力により、ピス
トンロッド12の押側外力(もしくは引側外力)が作用
すると、この外力を押側戻しばね41(もしくは引側戻
しばね42)にて吸収し、且つこの押側戻しばね41
(もしくは引側戻しばね42)による衝撃力の吸収に伴
う振動を押側減衰力発生装置31、引側減衰力発生装置
32により減衰する。
【0038】(3) 上記(2) の制振終了時には、押側戻し
ばね41と引側戻しばね42はそれらのばね力の釣り合
いにより、ダンパチューブ11に対するピストンロッド
12の静止位置が所定の中立位置に自動設定される。
【0039】尚、制振ダンパ10におけるピストンロッ
ド12の押側ストローク端は、第2油室14Bに位置す
るピストンロッド12の端部がフリーピストンストッパ
27に衝合する位置にて規制される。また、ピストンロ
ッド12の引側ストローク端は、第1油室14Aに位置
するピストンロッド12の中間部に加締め固定してある
リバウンドストッパ49がロッドガイド17に衝合する
位置にて規制される。
【0040】従って、本実施形態によれば、以下の作用
がある。 制振ダンパ10のピストンロッド12に押側と引側の
それぞれでプリロードを付与する押側戻しばね41と引
側戻しばね42のそれぞれを、ダンパチューブ11の第
1油室14Aと第2油室14Bのそれぞれに納めた。従
って、押側戻しばね41と引側戻しばね42のそれぞれ
を第1油室14Aと第2油室14Bのそれぞれとは別に
配置するものに比して、制振ダンパ10を小型、軽量化
できる。
【0041】押側戻しばね41と引側戻しばね42の
それぞれを、ピストン13に備える減衰力発生装置3
1、32のための押側バルブストッパ35と引側バルブ
ストッパ36に担持させた。従って、押側戻しばね41
と引側ばね42のそれぞれを担持する係合部を格別にピ
ストンロッド12に設けるものに比して、制振ダンパ1
0を簡易化できる。
【0042】引側戻しばね42をダンパチューブ11
のロッドガイド17に担持させた。従って、引側戻しば
ね42を担持するばね受部を格別にダンパチューブ11
に設けるものに比して、制振ダンパ10を簡易化でき
る。
【0043】押側戻しばね41と引側戻しばね42の
それぞれを担持する押側バルブストッパ35と引側バル
ブストッパ36の戻しばね担持部にスラストワッシャ4
4、47を設けた。従って、押側戻しばね41と引側戻
しばね42のそれぞれの伸縮に伴う自軸回りのねじり回
転をスムースに許容し、制振ダンパ10の作動性を向上
できる。
【0044】押側バルブストッパ35と引側バルブス
トッパ36の戻しばね担持部に、押側戻しばね41と引
側戻しばね42のそれぞれの一端の内周及び/又は外周
を拘束するばね端拘束部45、48を備えた。従って、
押側戻しばね41と引側戻しばね42のそれぞれをピス
トンロッド12回りで簡易にセンタリングし、制振ダン
パ10の作動性を向上できる。
【0045】押側戻しばね41をフリーピストンスト
ッパ27に担持させた。従って、押側戻しばね41を担
持するばね受部を格別にダンパチューブ11に設けるも
のに比して、制振ダンパ10を簡易化できる。
【0046】尚、制振ダンパ10にあっては、シングル
チューブ分離加圧型であり、リザーバ室26は、制振ダ
ンパ10の押行程と引行程で、ダンパチューブ11に進
入もしくは退出するピストンロッド12の容積変化分の
作動油を補償する。また、加圧ガス室25の存在により
加圧されたリザーバ室26の作動油は、ダンパチューブ
11の第1油室14A、第2油室14Bの作動油を高圧
化し、ダンパチューブ11内の作動油のキャビテーショ
ンを防止する等により減衰性能の安定を図る。また、ダ
ンパチューブ11の第1油室14A、第2油室14Bの
温度変化等による作動油量の変化分をリザーバ室26で
補償できる。
【0047】また、制振ダンパ10にあっては、ダンパ
チューブ11にフリーピストンストッパ27を設けたか
ら、このフリーピストンストッパ27により前述の如く
ピストンロッド12の押側ストローク端を規制できると
ともに、ダンパチューブ11内の作動油の油量が蒸散等
により低減してフリーピストン24がピストンロッド1
2の側に移動しても、ピストンロッド12とフリーピス
トン24との衝突を防止できる。また、フリーピストン
ストッパ27がオリフィス28を備えているから、加圧
ガス室25の封入ガス圧が低下しても、ダンパチューブ
11内の作動油の油圧を尚一定の高圧に維持し、減衰性
能を維持できる。
【0048】(第2実施形態)(図2) 第2実施形態の制振ダンパ10Aが第1実施形態の制振
ダンパ10と実質的に異なる点は、以下の通りである。
即ち、押側戻しばね41の一端を担持する引側バルブス
トッパ36の戻しばね担持部に、押側戻しばね41の端
面を(引側バルブストッパ36に対して回動可能に)支
える樹脂製のスラストワッシャ51を備え、且つこのス
ラストワッシャ51に押側戻しばね41の一端の外周
(内周でも可)を拘束する立上がり壁状(周方向に連続
もしくは不連続のいずれでも可)のばね端拘束部51A
を備えた。同様に、引側戻しばね42の一端を担持する
押側バルブストッパ35の戻しばね担持部に、引側戻し
ばね42の端面を(押側バルブストッパ36に対して回
動可能に)支える樹脂製のスラストワッシャ52を備
え、且つこのスラストワッシャ52に引側戻しばね42
の一端の外周(内周でも可)を拘束する立上がり壁状
(周方向に連続もしくは不連続のいずれでも可)のばね
端拘束部52Aを備えた。
【0049】これによれば、スラストワッシャ51、5
2に押側戻しばね41と引側戻しばね42のセンタリン
グ機能も兼備させ、制振ダンパ10Aを簡素にしながら
作動性を向上できる。
【0050】尚、制振ダンパ10Aにあっては、パイプ
材を削り出し加工して、ダンパチューブ11に大内径部
と小内径部を形成し、ダンパチューブ11の大内径部に
ピストン13を、小内径部にフリーピストン24をそれ
ぞれ摺動自在に配置するとともに、大内径部と小内径部
の内周段差部にフリーピストンストッパ27を押側戻し
ばね41のばね力で押圧保持可能としている。
【0051】また、制振ダンパ10Aにあっては、キャ
ップ29をダンパチューブ11の他方の開口端外周に螺
着止めした。
【0052】(第3実施形態)(図3) 第3実際形態の制振ダンパ10Bが第2実施形態の制振
ダンパ10Aと実質的に異なる点は、以下の通りであ
る。即ち、制振ダンパ10Bは両ロッド型であり、ピス
トンロッド12の一端をダンパチューブ11の一方の開
口端に設けてあるキャップ16、ロッドガイド17から
第1油室14Aの内外に貫通配置することに加え、ピス
トンロッド12の他端(具体的には、ピストンロッド1
2の他端に螺装したナット付ロッド61)をダンパチュ
ーブ11の内部に設けてあるフリーピストンストッパ2
7の中央孔62を通して第2油室14Bの内外に貫通配
置した。フリーピストンストッパ27の中央孔62とピ
ストンロッド12のロッド61との間には、第2油室1
4Bとリザーバ室26とを連通する環状隙間が形成され
る。
【0053】これにあっては、ピストンロッド12がダ
ンパチューブ11の第1油室14Aと第2油室14Bの
それぞれを内外に貫通する両ロッド型の制振ダンパ10
Bとした。従って、制振ダンパ10Bの押行程と引行程
で、ダンパチューブ11に進入もしくは退出するピスト
ンロッド12の容積変化分の作動油を補償する必要がな
い。但し、加圧ガス室25の存在により加圧されたリザ
ーバ室26の作動油は、ダンパチューブ11の第1油室
14A、第2油室14Bの作動油を高圧化し、ダンパチ
ューブ11内の作動油のキャビテーションを防止する等
により減衰性能の安定を図る。また、ダンパチューブ1
1の第1油室14A、第2油室14Bの温度変化等によ
る作動油量の変化分をリザーバ室26で補償できる。
【0054】(第4実施形態)(図4) 第4実施形態の制振ダンパ10Cが第3実施形態の制振
ダンパ10Bと実質的に異なる点は、以下の通りであ
る。即ち、制振ダンパ10Cは、ダンパチューブ11か
らフリーピストン24、加圧ガス室25、リザーバ室2
6、フリーピストンストッパ27を撤去し、ダンパチュ
ーブ11の内部で第2油室14Bを区画するロッドガイ
ド71、オイルシール72、オイルシールガイド73を
押側戻しばね41のばね力でダンパチューブ11の内周
段差部に押圧保持している。そして、制振ダンパ10C
は、両ロッド型であり、ピストンロッド12の一端をダ
ンパチューブ11の一方の開口端に設けてあるキャップ
16、ロッドガイド17から第1油室14Aの内外に貫
通配置することに加え、ピストンロッド12の他端(具
体的には、ピストンロッド12の他端に螺装したナット
付ロッド70)を上述のロッドガイド71、オイルシー
ル72、オイルシールガイド73から液密にダンパチュ
ーブ11の他端大気室74に突出することにより、第2
油室14Bの内外に貫通配置した。尚、ロッドガイド7
1はダンパチューブ11に封着されるOリング71Aを
備えるとともに、押側戻しばね41の内周(外周でも
可)を拘束するテーパ状のばね端拘束部71Bを備え
る。
【0055】更に、ピストンロッド12の大気室74に
突出した端部にパッキン75Aを介してカーリッジ75
を設けた。カートリッジ75は、フリーピストン76を
Oリング76Aを介して摺動自在に配置し、カートリッ
ジ75内にフリーピストン76により分離される加圧ガ
ス室77とリザーバ室78とを形成し、リザーバ室78
と第2油室14Bとを連通するオリフィス油路79をピ
ストンロッド12のロッド70に設けた。
【0056】これにより、リザーバ室78を加圧して備
えたカートリッジ75をピストンロッド12に固定し
た。従って、リザーバ室75で加圧されている作動油の
圧力をダンパチューブ11内の第1油室14Aと第2油
室14Bの作動油に及ぼし、ダンパチューブ11内の作
動油のキャビテーションを防止する等により減衰性能の
安定を図ることができ、またダンパチューブ11内の作
動油の温度変化等による移動変化分をリザーバ室78で
補償できる。
【0057】尚、前述した第3実施形態の制振ダンパ1
0Bにあっては、両ロッド型であっても、ピストンロッ
ド12の端部(ロッド61)をダンパチューブ11内の
リザーバ室26に配置しているため、ピストンロッド1
2にロッド断面積分のロッド反力が作用してしまい、こ
のロッド反力がピストンロッド12の静止位置を押側戻
しばね41と引側戻しばね42のばね力の釣り合いによ
る中立位置から厳密には多少ずらしてしまい、ばね特性
にも多少影響を及ぼす。これに対し、制振ダンパ10C
にあっては、ピストンロッド12の端部(ロッド70)
にカートリッジ75を設け、ピストンロッド12の端部
に作動油圧力が作用しないから、ピストンロッド12に
上述の如くのロッド反力が作用せず、カートリッジ75
のリザーバ室78の作動油はダンパチューブ11内の第
1油室14A、第2油室14Bのみを加圧し、ピストン
ロッド12の中立位置設定やばね特性に対する悪影響を
生じない。
【0058】(第5実施形態)(図5) 第5実施形態の制振ダンパ10Dは、第4実施形態の制
振ダンパ10Cにおけるカートリッジ75に代え、金属
ベローズ型のカートリッジ81を用いたことのみにあ
る。即ち、カートリッジ81は、ピストンロッド12の
大気室74に突出した端部にパッキン75Aを介して設
けられ、加圧ガスを封入してある金属ベローズ82をリ
ザーバ室83に内蔵し、リザーバ室83と第2油室14
Bとをピストンロッド12のオリフィス油路79で連通
したものである。制振ダンパ10Dにあっても、制振ダ
ンパ10Cにおいて前述したと同様の作用がある。
【0059】(第6実施形態)(図6) 第6実施形態の制振ダンパ10Eは、引抜管等の大径パ
イプ材111Aの内部に短尺の同じく引抜管等の小径パ
イプ材111Bを間隙111Cを介して挿入したものを
ダンパチューブ111として用いる。そして、制振ダン
パ10Eでは、大径パイプ材111Aの大内径部に挿入
したピストンロッド112に設けたピストン113によ
り、ダンパチューブ111内に第1油室114Aと第2
油室114Bを区画形成している。ピストン113はダ
ンパチューブ111に摺接するピストンリング113A
を有する。このとき、ダンパチューブ111の一方の開
口端には、大径パイプ材111Aの内周に係着されるス
トッパリング115に、ロッドガイド117、オイルシ
ール118、オイルシールガイド119が後述する引側
戻しばね142のばね力により押圧されて設置されてい
る。尚、ロッドガイド117はピストンロッド112を
摺動自在に支持するブッシュ121と、ダンパチューブ
111に封着するOリング117Aとを有する。また、
オイルシールガイド119は第1油室114Aの作動油
を引行程でオイルシール118のリップ内周に導くクリ
アランスをピストンロッド112との間に有する。ま
た、ダンパチューブ111の一方の開口端には、キャッ
プ116が圧入固定されている。
【0060】制振ダンパ10Eは、シングルチューブ分
離加圧型であり、ダンパチューブ111の小径パイプ材
111Bが形成する小径部側の内部にフリーピストン1
24をOリング124Aを介して摺動自在に配置し、ダ
ンパチューブ111内にフリーピストン124により分
離される加圧ガス室125とリザーバ室126とを形成
し、ダンパチューブ111のリザーバ室126と第2油
室114Bとの間にフリーピストンストッパ127を固
定し、フリーピストン124に設けたオリフィス128
によりリザーバ室126の第2油室114Bとを連通し
ている。フリーピストンストッパ127は後述する押側
戻しばね141のばね力でダンパチューブ111を構成
する小径パイプ材111Bの端面に当接されて押圧保持
される。このとき、ダンパチューブ111の他方の開口
端には、大径パイプ材111Aと小径パイプ材111B
の両者に嵌合するキャップ129が嵌着され、大径パイ
プ材111Aの外周に螺着されるカバー130Aがこの
キャップ129の外側フランジ部を大径パイプ材111
Aの端面との間に挟圧固定している。キャップ129は
加圧ガス室125に圧縮ガスを封入するためのガス封入
バルブ129Cと、ダンパチューブ111の大径パイプ
材111Aに封着するOリング129A、小径パイプ材
111Bに封着するOリング129Bとを有する。キャ
ップ129にはジョイントナット130Bが接続され
る。
【0061】制振ダンパ10Eは、ピストンロッド11
2の押行程と引行程のそれぞれで減衰力を発生させる押
側減衰力発生装置131と引側減衰力発生装置132と
を、ピストン113に備える。即ち、ピストン113
は、押側減衰力発生装置131を構成する押側減衰バル
ブ133Aを備える押側流路133と、引側減衰力発生
装置132を構成する引側減衰バルブ134Aを備える
引側流路134とを有し、両減衰バルブ133A、13
4Aをピストン113の両側に保持する押側バルブスト
ッパ135と引側バルブストッパ136をピストンロッ
ド112まわりに備える。これらの押側バルブストッパ
135、押側減衰バルブ133A、ピストン113、引
側減衰バルブ134A、引側バルブストッパ136は、
ピストンロッド112の外周段差部と、ピストンロッド
112に螺装されたロックナット137とにより挟圧保
持されている。
【0062】尚、制振ダンパ10Eにあっては、ピスト
ン113に、第2油室114Bに開口するとともに、押
側流路133を介して第1油室114Aにも開口するオ
リフィス138を有し、ピストンロッド112の押行程
と引行程の低速時にこのオリフィス138を通過する作
動油に絞り抵抗を付与し、低速減衰力を発生可能として
いる。
【0063】然るに、制振ダンパ10Eにあっては、ピ
ストンロッド112の押行程と引行程のそれぞれで、ピ
ストンロッド112に戻し反力を付与してピストンロッ
ド112を中立位置に自動設定する押側戻しばね141
と引側戻しばね142とを備える。そして、押側戻しば
ね141をダンパチューブ111の第2油室114Bに
配置し、引側戻しばね142をダンパチューブ111の
第1油室114Aに配置している。
【0064】このとき、押側戻しばね141は一定のプ
リロードを付与された圧縮状態で、一端を引側バルブス
トッパ136に担持され、他端を前述のフリーピストン
ストッパ127に担持される。引側バルブストッパ13
6の戻しばね担持部は、押側戻しばね141の一端の内
周(外周でも可)を拘束可能とするテーパ状のばね端拘
束部143を備えるとともに、押側戻しばね141の端
面を(引側バルブストッパ136に対して回動可能に)
支える樹脂製のスラストワッシャ144を備える。スラ
ストワッシャ144は、引側バルブストッパ136のば
ね端拘束部143に倣う立上がり壁状(周方向に連続も
しくは不連続のいずれでも可)のばね端拘束部144A
を備える。また、フリーピストンストッパ127の戻し
ばね担持部は、押側戻しばね141の他端の外周(内周
でも可)を拘束するテーパ状のばね端拘束部145を備
えるとともに、押側戻しばね141の端面を(ストッパ
127に対して回動可能に)支える樹脂製のスラストワ
ッシャ201を備える。スラストワッシャ201は、押
側戻しばね141の他端の内周(外周でも可)を拘束す
る立上がり壁状(周方向に連続もしくは不連続のいずれ
でも可)のばね端拘束部201Aを備える。
【0065】また、引側戻しばね142は一定のプリロ
ードを付与された状態で、一端を押側バルブストッパ1
35に担持され、他端を前述のロッドガイド117に担
持される。押側バルブストッパ135の戻しばね担持部
は、引側戻しばね142の一端の内周(外周でも可)を
拘束可能とするテーパ状のばね端拘束部146を備える
とともに、引側戻しばね142の端面を(押側バルブス
トッパ135に対して回動可能に)支える樹脂製のスラ
ストワッシャ147を備える。スラストワッシャ147
は、押側バルブストッパ135のばね端拘束部146に
倣う立上がり壁状(周方向に連続もしくは不連続のいず
れでも可)のばね端拘束部147Aを備える。また、オ
イルシールガイド119の戻しばね担持部は、引側戻し
ばね142の他端の内周(外周でも可)を担持するテー
パ状のばね端拘束部148を備えるとともに、引側戻し
ばね142の端面を(オイルシールガイド119に対し
て回動可能に)支える樹脂製のスラストワッシャ202
を備える。スラストワッシャ202は、引側戻しばね1
42の他端の内周(外周でも可)を拘束する立上がり壁
状(周方向に連続もしくは不連続のいずれでも可)のば
ね端拘束部202Aを備える。
【0066】従って、本実施形態によれば、第1実施形
態における作用に加え、以下の作用がある。 シングルチューブ分離加圧型制振ダンパ10Eを構成
するようにダンパチューブ111にフリーピストン12
4を挿入し、フリーピストンストッパ127をダンパチ
ューブ111の内部で保持する際に、ストレートな引抜
管を大径パイプ材111Aとして用いながら、この大径
パイプ材111Aの内部に挿入した短尺小径パイプ材1
11Bの端面によりフリーピストンストッパ127を支
持できる。従って、パイプ材を絞り加工したり、削り出
し加工することにより大内径部と小内径部の段差部を形
成してフリーピストンストッパ127を支持するものに
比して、加工工数を削減し、低コスト化できる。
【0067】ダンパチューブ111を構成する大径パ
イプ材111Aと小径パイプ材111Bの間に形成され
る間隙111Cに作動油が入り、同一外径サイズのダン
パチューブ111で小内径部を絞り加工、削り出し加工
により形成するもの等に比してダンパチューブ111へ
の作動油の充填量が多くなり、油温の上昇を抑制でき
る。
【0068】ダンパチューブ111の作動油充填領域
の外郭を形成する大径パイプ材111Aが、ダンパチュ
ーブ111を削り出し加工により形成するもの等に比し
て、薄肉となり、作動油の放熱性を良好にできる。
【0069】尚、制振ダンパ10、10A〜10Eにあ
っては、ピストンロッド12を押側と引側の両方に弾発
して中立位置に設定するばねとして、 2本の戻しばね4
1、42(又は141、142)を用いた。従って、 2
本の戻しばね41、42を単一のばね体に代える際に
は、その単一のばね体に大きなばね定数Kを具備せしめ
る必要があるのに対し、 2本の戻しばね41、42のそ
れぞれにおいてはそのばね定数Kの半分づつの小さなば
ね定数K/2 を備えれば足り、各戻しばね41、42の
線径等のばね形状を小型化できる。これにより、戻しば
ねの製作が有利となり、重量も軽減できる。
【0070】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0071】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、プリロー
ド付制振ダンパにおいて、小型、簡易、軽量化を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1実施形態を示す模式図である。
【図2】図2は第2実施形態を示す模式図である。
【図3】図3は第3実施形態を示す模式図である。
【図4】図4は第4実施形態を示す模式図である。
【図5】図5は第5実施形態を示す模式図である。
【図6】図6は第6実施形態を示す模式図である。
【符号の説明】
10、10A〜10E 制振ダンパ 11、111 ダンパチューブ 111A 大径パイプ材 111B 小径パイプ材 12、112 ピストンロッド 13、113 ピストン 14A、114A 第1油室 14B、114B 第2油室 17、117 ロッドガイド 24、124 フリーピストン 25、125 加圧ガス室 26、126 リザーバ室 27、127 フリーピストンストッパ 28、128 オリフィス 31、131 押側減衰力発生装置 32、132 引側減衰力発生装置 33A、133A 押側減衰バルブ 33、133 押側流路 34A、134A 引側減衰バルブ 34、134 引側流路 35、135 押側バルブストッパ 36、136 引側バルブストッパ 41、141 押側戻しばね 42、142 引側戻しばね 43、45、46、48、143、145、146、1
48 ばね端拘束部 44、47、51、52、144、147 スラストワ
ッシャ 51A、52A ばね端拘束部 75、81 カートリッジ 78、83 リザーバ室

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダンパチューブに挿入したピストンロッ
    ドに設けたピストンにより、該ダンパチューブ内に第1
    油室と第2油室とを区画形成し、該ピストンロッドの押
    行程と引行程のそれぞれで減衰力を発生させる押側減衰
    力発生装置と引側減衰力発生装置とを該ピストンに備え
    るとともに、 該ピストンロッドの押行程と引行程のそれぞれで該ピス
    トンロッドに戻し反力を付与する押側戻しばねと引側戻
    しばねとを備えてなるプリロード付制振ダンパにおい
    て、 前記押側戻しばねをダンパチューブの第2油室に配置
    し、前記引側戻しばねをダンパチューブの第1油室に配
    置したことを特徴とするプリロード付制振ダンパ。
  2. 【請求項2】 前記ピストンが押側減衰バルブを備える
    押側流路と引側減衰バルブを備える引側流路とを有し、
    両減衰バルブをピストンの両側に保持する押側バルブス
    トッパと引側バルブストッパをピストンロッド回りに備
    えてなり、 押側戻しばねの一端を引側バルブストッパにて担持し、
    引側戻しばねの一端を押側バルブストッパにて担持して
    なる請求項1記載のプリロード付制振ダンパ。
  3. 【請求項3】 前記ダンパチューブがピストンロッドの
    ためのロッドガイドを備えてなり、 引側戻しばねの他端をロッドガイドにて担持してなる請
    求項1又は2記載のプリロード付制振ダンパ。
  4. 【請求項4】 前記バルブストッパの戻しばね担持部に
    スラストワッシャを備えてなる請求項2又は3記載のプ
    リロード付制振ダンパ。
  5. 【請求項5】 前記バルブストッパの戻しばね担持部に
    戻しばねの一端の内周及び/又は外周を拘束するばね端
    拘束部を備えてなる請求項2〜4のいずれかに記載のプ
    リロード付制振ダンパ。
  6. 【請求項6】 前記スラストワッシャが戻しばねの一端
    の内周及び/又は外周を拘束するばね端拘束部を備えて
    なる請求項4記載のプリロード付制振ダンパ。
  7. 【請求項7】 前記ピストンロッドがダンパチューブの
    第1油室の内外に貫通配置されるとともに、第2油室の
    内外にも貫通配置されてなる請求項1〜6のいずれかに
    記載のプリロート付制振ダンパ。
  8. 【請求項8】 前記ダンパチューブの内部にフリーピス
    トンを摺動自在に配置し、該ダンパチューブ内にフリー
    ピストンにより分離される加圧ガス室とリザーバ室とを
    形成し、該ダンパチューブのリザーバ室と第2油室との
    間にフリーピストンストッパを固定し、該フリーピスト
    ンストッパに設けたオリフィスによりリザーバ室と第2
    油室とを連通してなり、 押側戻しばねの他端をフリーピストンストッパにて担持
    してなる請求項1〜7のいずれかに記載のプリロード付
    制振ダンパ。
  9. 【請求項9】 前記ピストンロッドに、リザーバ室を加
    圧して備えたカートリッジを固定してなる請求項1〜7
    のいずれかに記載のプリロード付制振ダンパ。
  10. 【請求項10】 前記ダンパチューブが大径パイプ材の
    内部に短尺の小径パイプ材を間隙を介して挿入し、 大径パイプ材の大内径部によりピストンを摺動可能に収
    容する第1油室と第2油室を形成し、 小径パイプ材の小内径部によりフリーピストンを摺動可
    能に収容するとともに、該フリーピストンにより分離さ
    れる加圧ガス室とリザーバ室とを形成し、 ダンパチューブのリザーバ室と第2油室との間に、小径
    パイプ材の端面に支持されるフリーピストンストッパを
    固定し、該フリーピストンストッパに設けたオリフィス
    によりリザーバ室と第2油室とを連通してなる請求項1
    〜8のいずれかに記載のプリロード付制振ダンパ。
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